JP6357710B2 - 呼吸用温湿度交換器 - Google Patents
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Description
(1)ミルクの吐き戻しのように多量の液状物が降りかかったり、よだれ等の液状物が長時間にわたって排出された場合であっても、液状物が湿熱蓄積体に付着するのを抑制するのを可能とすること
(2)患者が首をはじめとする身体を動かす場合でも、違和感が抑制可能に小型化されること
(3)また、頬や顎が呼吸用温湿度交換器に接触したとしても、発赤、炎症を生じにくい形態であること
(4)安定した装着を可能とすること
(5)気管切開チューブの接続部に許容誤差がある場合でも、確実に接続されて安定した装着を可能とすること
(6)吸引窓が形成されている場合に、吸引窓から吸引チューブを挿入して吸引しても、患者に負担や苦痛が発生するのを抑制することができること
請求項1に記載の発明は、人工気道が接続されて、患者の呼気に含まれる水分と熱を吸気に還元するための呼吸用温湿度交換器であって、前記人工気道と接続される第1開口部が第1端に開口され第2端に第2開口部が形成された患者側管路と、前記第2開口部を挟んで左右に伸び左側及び右側に下方に開口される第3開口部が形成された流通空間を画成するとともに、前記第1開口部と前記左側及び右側の第3開口部との間をそれぞれ流通可能とするハウジングと、前記流通空間の左側及び右側のそれぞれに配置されて第1開口部側に位置される端部と前記第3開口部側に位置される端部との間で呼吸気が流通可能とされた左右一対の湿熱蓄積体と、を備えることを特徴とする。
その結果、液状物が湿熱蓄積体に付着することに起因して、患者に負担や苦痛が生じるのを抑制しつつ湿熱蓄積体を長時間安定して使用することができる。
また、外形を効率的に小型化することが可能となり、患者が装着した状態で身体を動かしても呼吸用温湿度交換器が邪魔になるのを抑制することができる。
その結果、ハウジングが頬や顎に接触した場合でも、緩和形状部が接触して先鋭な角部が接触することがないので、角部が接触することに起因する発赤や炎症を効果的に抑制することができる。
また、この明細書において、人工気道とは、人工呼吸器の気管チューブ、一重構造の気管切開チューブ、二重構造を有する気管切開チューブにおけるインナーカニューレが含まれる。
その結果、ハウジング内の流通空間を一定に保つことができる。
その結果、流通空間内において、呼気に乱流等が発生することに起因して背圧が発生するのが抑制されて、呼吸する際における患者の負担が軽減されて、スムースに呼吸することができる。
その結果、ハウジング本体内における背圧が発生するのが抑制されて、呼吸する際における不快感や違和感が発生するのが抑制されて、患者が呼吸をスムースに行うことができる。
その結果、装着しても、着衣などに邪魔されることなく安定して呼吸することができる。
また、ハウジング本体からハウジング構成部材を取り外すことにより、湿熱蓄積体を容易に交換することができる。
また、患者が咳をした場合に、切込みが開かれて、湿熱蓄積体以外からも呼気が排出される。
また、ハウジング本体に対する装着や取り扱いが容易であり、吸引窓シール部材を小型化することができる。
さらに、吸引窓シール部材をハウジング構成部材の立上壁部とハウジング本体内面とで保持することにより、吸引窓シール部材を密着固定することが可能となるので、吸引窓シール部材を固定するためのキャップ部材等を不要とすることができる。
また、ハウジング本体にからハウジング構成部材を取り外すことにより、湿熱蓄積体及び吸引窓シール部材を容易に交換することができる。
この明細書において、動物又はキャラクタの顔形を含むとは、顔以外の身体部分(例えば、上半身、胴体等の身体の一部や全身等)を含んでもよいことを意味する。また、これらには、人を含むものとする。
その結果、左右の湿熱蓄積体から効率的に酸素が供給されるので、患者に安定して酸素を供給することができる。
また、酸素供給管がハウジングの下部に形成されていることにより、患者の顔が動いた場合であっても、酸素供給管が頬や顎に接触することが抑制される。
また、接続した酸素供給チューブを腕などに接触しにくいように設置することが可能である。
その結果、患者が、姿勢を容易に変更することができる。
また、弱い力で(優しく)装着しても確実に保持されて脱落することが抑制されるうえ、人工気道を着脱する際に患者に与える負担を軽減することができる。
その結果、液状物が湿熱蓄積体に付着することに起因する患者の負担や苦痛を抑制しつつ湿熱蓄積体を長時間安定して使用することができる。
以下、図1から図15を参照して、本発明の第1の実施形態に係る呼吸用温湿度交換器を説明する。
図1〜図3は、第1の実施形態に係る呼吸用温湿度交換器の概略構成を説明する斜視図であり、符号1は呼吸用温湿度交換器を、符号10はハウジングを、符号60は湿熱蓄積体を示している。
また、ハウジング10の上部には、先鋭な角部が頬や顎に接触するのを防止するための曲面形状部(緩和形状部)20Aが形成されている。
また、拡径部30Aは、内周に第1開口部31から第2開口部32側に向うにしたがって縮径されたテーパ部31Tが形成されており、テーパ部31Tに、図示しない気管切開チューブのテーパ付接続部を挿入することにより、気管切開チューブが接続されるようになっている。
そして、左側ハウジング部22Lと右側ハウジング部22Rは、互いに対向する側の開口部分同士を接続壁部22Uによって接続されている。
なお、この実施形態では、ガイド形状部54は、ハウジング構成部材50に形成されている。
また、この実施形態において、図5、図7に示すように、仕切羽根27は、接続壁部22Uの第2開口部32と対向する側の壁部(患者とは反対側の壁部)との間に間隙が形成されていてもよい。
なお、仕切羽根27を設けるかどうか、また、設ける場合における仕切羽根27の形状、サイズ、向き、数については、任意に設定することができる。
このように、湿熱蓄積体60を上側から当接、支持する場合には、整流羽根28の長さは、湿熱蓄積体60の直径の約1/2とすることが、呼気の流路抵抗が大きくなるのを抑制しつつ呼気がスムースに流れる点で好適である。
なお、整流羽根28を設けるかどうか、また、設ける場合における整流羽根28の形状、サイズ、向き、数については、任意に設定することができる。
そして、吸引窓17は、吸引窓シール部材18が装着されることにより、流通空間21が外部に開放されるのを抑制するように構成されている。
吸引窓17を、このような形状に形成することにより、大きな面積を確保しつつ挿入可能とされるものの大きさが制限し易くなり、以下に示す構成、作用、効果を効率的に得ることができる。
このような構成とすることにより、患者が咳をした場合に、呼気がスムースに排出されて、患者に負担や苦痛を与えるのを抑制することができる。
その結果、患者の指が吸引窓17に挿し込まれて、吸引窓シール部材18が破損されるのを抑制することができる。
なお、乳児等を対象とする場合は、指の平均的な太さが7mm〜8mmであるので、吸引窓17の仮想円Cの設定寸法(吸引窓設定寸法)Dを6mm以下とすることで、乳児が無意識に指を挿入することが抑制されて好適である。
平坦凹部52Pは、例えば、吸引窓シール部材18の厚さと対応する深さに形成されている。
この実施形態では、図5に示すように、立上壁部52が、仕切羽根27と続壁部22Uの第2開口部32と対向する側の壁部との間隙に挿入され、吸引窓シール部材18及び立上壁部52が仕切羽根27によりハウジング本体20に押圧、保持されるようになっている。
以下、図10〜図13を参照して、第1の実施形態に係る第1開口部31における気管切開チューブの接続構造について、具体的に説明する。
この実施形態において、環状壁部31Aには、例えば、4つのリング保持孔31Hが形成されている。
具体的には、リング保持溝31Uは、図12(C)に示すように、環状壁部31Aに装着された状態におけるリング状シリコンゴム44の患者側管路30の軸線O31を含む断面と略同じ形状(例えば、略同じ曲率半径)とされている。
第1変形例は、図13に示すように、環状壁部31Aの周方向に、6つのリング保持孔31Hが60°間隔で形成されている。なお、リング保持孔31Hの数については、任意に設定することが可能である。
その結果、気管切開チューブを挿脱する際の抵抗が小さくなり、容易に着脱することができる。
呼吸用温湿度交換器1の第1開口部31には、気管切開チューブが接続されているものとする。
吸気に酸素を付加する場合には、酸素供給用管路58から酸素分岐路56を経由して、左右の湿熱蓄積体60の端部60Bに酸素を供給する。
このとき、吸気には湿熱蓄積体60が吸収、保持していた水分と熱が還元されて適度な温湿度とされる。
咳と、咳に伴う分泌液が噴出された場合には、その流速による圧力によって吸引窓シール部材18の切込み18Cが外向きに開き、咳と、咳に伴う分泌液をハウジングの外に逃がし出す。
さらに湿熱蓄積体60に分泌液等が付着して閉塞あるいは通気抵抗が上昇した場合には、呼吸の圧力によって、吸引窓シール部材18の切込み18Cが開口されて、患者が安定した呼吸を可能とする。
その結果、液状物が湿熱蓄積体60に付着することに起因する不快感や違和感を抑制しつつ湿熱蓄積体60を長時間安定して使用することができる。
その結果、患者の首部分をはじめとする身体が、予期しない動きをした場合であっても、呼吸用温湿度交換器1が脱落することが抑制されて、呼吸用温湿度交換器1を安定して装着することができる。
その結果、患者が安定して呼吸することが可能となり、患者が呼吸用温湿度交換器1を装着することによる違和感の発生を抑制し、呼吸における負担や苦痛を軽減することができる。
その結果、ハウジング本体20、ハウジング構成部材50、湿熱蓄積体60及び吸引窓シール部材18を容易に組み立てることができる。
図15(A)は、第1変形例に係る吸引窓シール部材181を示す図である。
第1変形例に係る吸引窓シール部材181は、図15(A)に示すように、平板基板18Fに、外側輪郭が吸引窓17の周縁部よりわずかに小さく形成された横向きの略S字形状の切込み181Cが形成された構成とされている。
第2変形例に係る吸引窓シール部材182は、図15(B)に示すように、例えば、フィルム状の平板基板18Fに、吸引窓17の周縁部よりわずかに小さい切込み182Cが形成された構成とされている。
切込み182Cは、水平方向に伸びる互いに対向する一対の切込み182Hと、一対の切込み182Hの中央部同士を接続し垂直方向に伸びる切込み182Lとを有する横向きの略H字形状の構成とされている。
第3変形例に係る吸引窓シール部材183は、図15(C)に示すように、例えば、フィルム状の平板基板18Fに切込み183Cが形成された構成とされている。
そして、切込み183Cは、平板基板18Fの中央部から放射状に伸びる4つの切込み183D、183E、183F、183Gにより構成されている。
以下、図16を参照して、本発明の第2の実施形態に係る呼吸用温湿度交換器について説明する。
図16において、符号1Aは呼吸用温湿度交換器を、符号10Aはハウジングを、符号50Aはハウジング構成部材を示している。
なお、酸素供給管59をハウジング10Aに対して左右のいずれ側に形成するかは、任意に設定することができる。
また、緩和形状部を形成する場合に、例えば、大きな角度(例えば、先端角度が120°以上)からなる面取り形状部やその他、曲面形状部20A以外の形状部により構成してもよい。
また、患者側管路30にストッパを形成する場合に、例えば、患者側管路30の第2開口部32側に、段差等の縮径部や凸部を形成するなど抑止板30H以外の構成を適用してもよい。
また、例えば、吸引窓を設けずにキャラクタ等の顔形により上下方向の判別のみを容易とする構成としてもよい。
また、吸引窓17を設ける場合に、上記構成の吸引窓シール部材18に代えて、周知の吸引窓シール部材を装着してもよい。
D 吸引窓設定寸法(仮想円の直径)
1、1A 呼吸用温湿度交換器
10、10A ハウジング
10C 顔形
17 吸引窓
18 吸引窓シール部材
18F 平板基板
18C、181C、182C、183C、 切込み
20 ハウジング本体
20A 曲面形状部(緩和形状部)
21 流通空間
21L 左側流通空間
21R 右側流通空間
22L 左側ハウジング部
22R 右側ハウジング部
22U 接続壁部
23 第3開口部
24 第4開口部
28 整流羽根(整流部材)
27 仕切羽根
30 患者側管路
30A 拡径部
30H 抑止板(ストッパ)
31 第1開口部
31A 環状壁部
31C 下溝形状部
31H リング保持孔
31T テーパ部
31U リング保持溝
31T テーパ
32 第2開口部
44 リング状シリコンゴム
50 ハウジング構成部材
51 底枠部材
52 立上壁部
52H 吸引窓
52P 平坦凹部
53L、53R 収容凹部
54 ガイド形状部
56 酸素分岐路
56A バンプ
58、59 酸素供給用管
60 湿熱蓄積体
60A 端部
60B 端部
Claims (14)
- 人工気道に接続されて、患者の呼気に含まれる水分と熱を吸気に還元するための呼吸用温湿度交換器であって、
前記人工気道と接続される第1開口部が第1端に開口され第2端に第2開口部が形成された患者側管路と、前記第2開口部を挟んで左右に伸び左側及び右側に下方に開口される第3開口部が形成された流通空間を画成するとともに、前記第1開口部と前記左側及び右側の第3開口部との間をそれぞれ流通可能とするハウジングと、
前記流通空間の左側及び右側のそれぞれに配置されて第1開口部側に位置される端部と前記第3開口部側に位置される端部との間で呼吸気が流通可能とされた左右一対の湿熱蓄積体と、
を備えることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項1に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記患者側管路に、
前記人工気道が所定量以上挿入されるのを防止するストッパが形成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項1又は2に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記ハウジングは、
前記流通空間内に、前記第2開口部の下方から前記左側及び右側の流通空間の上部に向かって緩やかに変位するガイド形状部が形成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記ハウジングは、
前記流通空間の左右側に位置される上側壁部に、前記湿熱蓄積体の第1開口部側の端部と前記第2開口部との間に流通する呼吸気を整流する整流部材が形成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記患者側管路は、前記ハウジングの第1開口部側壁部から上側に傾斜して形成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記ハウジングは、
前記ハウジングにおいて前記左右の第3開口部と対応する領域を含む第4開口部が形成されたハウジング本体と、
前記左右の第3開口部が開口する底枠部材と、前記底枠部材に立設され前記ハウジング本体の内面に沿って形成された立上壁部と、を有するハウジング構成部材と、
を備え、
前記ハウジング構成部材は、前記ハウジング本体の第4開口部から挿入するように構成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記第1開口部の向い側に吸入用チューブを挿入する吸引窓が前記ハウジングを貫通して形成されていて、前記吸引窓にはフィルム状の平板基板に開閉可能な切込みが形成された吸引窓シール部材が配置されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項7に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記ハウジングは、
前記ハウジングにおいて前記左右の第3開口部と対応する領域を含む第4開口部が形成されたハウジング本体と、
前記左右の第3開口部が開口する底枠部材と、前記底枠部材に立設され前記ハウジング本体の内面に沿って形成されるとともに前記吸引窓シール部材が配置可能とされる立上壁部と、を有するハウジング構成部材を、備え、
前記ハウジング構成部材は、前記ハウジング本体の第4開口部から挿入するように構成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記ハウジングは、第1開口部と反対側の面に動物又はキャラクタの顔形を含む模様が形成され、前記顔形は前記ハウジングの上下方向と対応して表示されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項7又は8に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記ハウジングは、前記吸引窓の周囲に動物又はキャラクタの顔形を含む模様を表示するとともに、前記顔形の口に相当する部分が前記吸引窓と対応して形成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記ハウジングは、
前記左右の第3開口部の間に酸素分岐路が形成されていて、
前記酸素分岐路に供給された酸素を左右の湿熱蓄積体の下方に配分するように構成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項11に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記酸素分岐路に酸素を供給する酸素供給管は、
前記ハウジングの下部に形成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項11に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記酸素分岐路に酸素を供給する酸素供給管は、
前記ハウジングに対して左右のいずれかに形成されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の呼吸用温湿度交換器であって、
前記第1開口部には、前記人工気道が接続された際にこれらを外方から付勢する付勢部材が配置されていることを特徴とする呼吸用温湿度交換器。
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