JP6354391B2 - Cu−Zn−Sn系合金の連続鋳造方法 - Google Patents
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Description
ここで、上述のCu−Zn−Sn系合金からなる棒材又は線材は、Snを含有していることから耐蝕性(耐海水性)に優れており、さらにCuイオンが海水中に溶出することによって海洋生物の付着を抑制できるため、上述の海水用網状構造物を構成する素材として特に適している。
ここで、特許文献3、4においては、上述のオシレーションマークにおける欠陥発生を抑制するために、間欠引抜サイクルのパターンを規定している。
R1=(t2+t3)/t1で定義される引抜時間比R1が、R1≧0.6とされ、
R2=t3/(t1+t2+t3)で定義される停止時間比R2が、R2≧0.02とされており、
さらに、間欠引抜サイクル数S(回/分)が
60≦S≦600−108×R1
60≦S≦600−794×R2
の範囲内とされていることを特徴としている。
また、間欠引抜サイクル数Sが、S≦600−108×R1と、引抜時間比R1が大きくなるにつれて間欠引抜サイクル数Sの上限が小さくなるように構成されているので、引抜工程時の加速度が必要以上に大きくなることがなく、凝固シェルの破断を抑制することができる。
さらに、間欠引抜サイクル数Sが、S≦600−794×R2と、停止時間比R2が大きくなるにつれて間欠引抜サイクル数Sの上限が小さくなるように構成されているので、引抜工程又は押戻し工程時の加速度が必要以上に大きくなることがなく凝固シェルの破断を抑制することができる。
また、間欠引抜サイクル数Sが、S≧60とされているので、Cu−Zn−Sn系合金からなる棒状の鋳塊を効率良く製造することができる。
また、前記Cu−Zn−Sn系合金は、さらに、Mn:0.05mass%以上1.5mass%以下及びNi:0.005mass%以上0.5mass%以下から選択される1種以上を含有していてもよい。
本実施形態であるCu−Zn−Sn系合金の連続鋳造方法は、Cuの含有量が62mass%以上91mass%以下の範囲内とされ、Snの含有量が0.6mass%以上3mass%以下の範囲内とされたCu−Zn−Sn系合金からなる棒状の鋳塊1を連続的に鋳造するものである。
また、As:0.02mass%以上0.25mass%以下、Sb:0.02mass%以上0.25mass%以下、Mg:0.001mass%以上0.2mass%以下及びP:0.01mass%以上0.25mass%以下から選択される1種以上をさらに含有していてもよい。
さらに、Mn:0.05mass%以上1.5mass%以下及びNi:0.005mass%以上0.5mass%以下から選択される1種以上をさらに含有していてもよい。
この連続鋳造装置10は、鋳造炉11と、鋳造炉11に連結された連続鋳造用鋳型20と、連続鋳造用鋳型20から製出された鋳塊1を引き抜くピンチロール17と、を備えている。
ピンチロール17は、連続鋳造用鋳型20から製出される鋳塊1を挟み込み、引抜方向Fへ引き抜くものである。本実施形態では、鋳塊1を間欠的に引き抜く構成とされている。
冷却部28は、図1に示すように、モールド21の外周側に配設された水冷ジャケットとされており、冷却水を循環させることでモールド21を冷却する構成とされている。
まず、鋳造炉11の原料投入口から坩堝12内に溶解原料を投入する。原料としては、Cu単体、Zn単体およびSn単体やCu−Zn母合金およびCu−Sn母合金等を用いることができる。また、ZnおよびSnを含む原料を銅原料とともに溶解してもよい。また、本合金のリサイクル材およびスクラップ材を用いてもよい。さらに、Al及びSiやその他の元素についても、金属単体や母合金等を原料として使用することができる。
この銅溶湯は、坩堝12内において所定の温度にまで加熱されて保持される。そして、この銅溶湯が、連続鋳造用鋳型20へと供給される。
ここで、本実施形態であるCu−Zn−Sn系合金の連続鋳造方法においては、鋳塊1の間欠引抜サイクルのパターンに特徴を有している。
R1=(t2+t3)/t1で定義される引抜時間比R1が、R1≧0.6とされ、R2=t3/(t1+t2+t3)で定義される停止時間比R2が、R2≧0.02とされている。
60≦S≦600−108×R1 ・・・(1)
60≦S≦600−794×R2 ・・・(2)
また、上述の停止時間比R2が0.02未満の場合には、間欠引抜サイクルにおける停止工程時間t3が短くなり、凝固シェルが十分に成長せず、凝固シェルの破断が発生しやすくなる。このため、本実施形態では、停止時間比R2を0.02以上に設定している。
また、間欠引抜サイクル数S(回/分)が、600−794×R2を超える場合、すなわち、停止時間比R2に対して間欠引抜サイクル数Sを多くした場合には、停止工程時間t3が占める割合が大きくなることで、相対的に引抜工程及び押戻し工程における鋳塊1の加速度が大きくなり、凝固シェルの破断が発生しやすくなる。
さらに、間欠引抜サイクル数S(回/分)が60未満の場合には、鋳塊1を効率的に製造することができなくなる。特に、断面円形とされ、外径が4mm以上40mm以下の範囲内とされた比較的断面積が小さな鋳塊1においては、生産効率が大幅に低下してしまうことになる。
このため、本実施形態では、間欠引抜サイクル数S(回/分)を、上述の(1)式、(2)式を満足する範囲内に設定している。
まず、引抜工程によって鋳塊1を引抜方向Fに移動させることにより、鋳造炉11内の銅溶湯がモールド21内に流れこむ。
次に、停止工程において、モールド21内の銅溶湯が冷却されて凝固し、凝固シェルが形成される。また、押戻し工程により、凝固シェルとモールド21との焼き付きが防止される。
モールド21内において凝固シェルが十分な厚さで形成された後に、再度、引抜工程によって鋳塊1を引抜方向Fに移動させる。
このように間欠引抜サイクルを繰り返し行うことにより、棒状の鋳塊1が連続的に製出される。
また、間欠引抜サイクル数Sが、S≦600−108×R1と、引抜時間比R1が大きくなるにつれて間欠引抜サイクル数Sの上限が小さくなるように構成されているので、引抜工程時の加速度が必要以上に大きくなることがなく、凝固シェルの破断を抑制することができる。
また、間欠引抜サイクル数Sが、S≧60とされているので、Cu−Zn−Sn系合金からなる棒状の鋳塊1を効率良く製造することができる。
例えば、本実施形態では、断面円形の棒状鋳塊を製造するものとして説明したが、これに限定されることはなく、断面多角形の棒状鋳塊であってもよいし、内周孔を有する管状鋳塊であってもよい。
さらに、本実施形態では、モールド21の材質をグラファイトとしたが、グラファイトと同様に自己潤滑性を有する窒化ホウ素としてもよい。
まず、Cu:66.5mass%、Sn:0.65mass%、Al:0.55mass%、Sb:0.045mass%を含有し、残部がZn及び不可避不純物とされた成分組成となるように、溶解原料を調製した。
調製された溶解原料を、図1に示す鋳造炉11の坩堝内12に500kg装入して、加熱手段で加熱することにより溶解した。
そして、表1に示す間欠引抜サイクルによって、鋳塊の引き抜きを行って150kgの鋳造を行った。
また、間欠引抜サイクル数S(回/分)が、上述の式(1)、式(2)の範囲外とされた比較例1、2では、欠陥深さが300μm以上と深くなっていた。また、比較例11では、鋳造中に鋳塊が破断してしまった。
また、間欠引抜サイクル数S(回/分)が、式(1)の範囲内であるが式(2)の範囲外とされた比較例3、比較例14では、欠陥深さが300μm以上と深くなっていた。
10 連続鋳造装置
11 鋳造炉
20 連続鋳造用鋳型(鋳型)
21 モールド
Claims (4)
- Cuの含有量が62mass%以上91mass%以下、Snの含有量が0.6mass%以上3mass%以下とされたCu−Zn−Sn系合金からなる棒状の鋳塊を間欠的に引き抜いて連続鋳造するCu−Zn−Sn系合金の連続鋳造方法であって、
前記Cu−Zn−Sn系合金からなる棒状の鋳塊は、断面円形とされ、外径が4mm以上40mm以下の範囲内とされており、
前記Cu−Zn−Sn系合金の溶湯が貯留される鋳造炉と、この鋳造炉に連結された鋳型と、を有する連続鋳造機を用いて、引抜工程と押戻し工程と停止工程とからなる間欠引抜サイクルにより、前記鋳塊の引き抜きを行う構成とされ、引抜工程時間t1、押戻し工程時間t2、停止工程時間t3としたときに、
R1=(t2+t3)/t1で定義される引抜時間比R1が、R1≧0.6とされ、
R2=t3/(t1+t2+t3)で定義される停止時間比R2が、R2≧0.02とされており、
さらに、間欠引抜サイクル数S(回/分)が
60≦S≦600−108×R1
60≦S≦600−794×R2
の範囲内とされていることを特徴とするCu−Zn−Sn系合金の連続鋳造方法。 - 前記Cu−Zn−Sn系合金は、Cu:62mass%以上91mass%以下、Sn:0.6mass%以上3mass%以下を含有するとともに、Al:0.02mass%以上1.5mass%以下及びSi:0.02mass%以上1.9mass%以下から選択される1種以上を含有し、残部がZn及び不可避不純物とされた成分組成とされていることを特徴とする請求項1に記載のCu−Zn−Sn系合金の連続鋳造方法。
- 前記Cu−Zn−Sn系合金は、さらに、As:0.02mass%以上0.25mass%以下、Sb:0.02mass%以上0.25mass%以下、Mg:0.001mass%以上0.2mass%以下及びP:0.01mass%以上0.25mass%以下から選択される1種以上を含有していることを特徴とする請求項2に記載のCu−Zn−Sn系合金の連続鋳造方法。
- 前記Cu−Zn−Sn系合金は、さらに、Mn:0.05mass%以上1.5mass%以下及びNi:0.005mass%以上0.5mass%以下から選択される1種以上を含有していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のCu−Zn−Sn系合金の連続鋳造方法。
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