JP6349041B1 - 湾曲管および内視鏡 - Google Patents

Abstract

湾曲操作ワイヤ固定構造は、挿入部２の湾曲部７内に配設され、複数の湾曲駒３１を備えた湾曲管３０と、湾曲管の最先端に配設され、平面部３２、３２ａが形成された先端湾曲駒３１ａと、先端湾曲駒３１ａに固定され、湾曲部７を湾曲操作する湾曲操作ワイヤ３３と、平面部３２ａに設けられ、先端湾曲駒の内側から外側に湾曲操作ワイヤ３３を通す２つの連通部を備え、湾曲操作ワイヤ３３を折り返して平面部３２ａ上で固定する固定部４０と、を具備する。

Description

本発明は、湾曲部内に配設される湾曲管構造および、この湾曲管構造が湾曲部に配設された湾曲管および内視鏡に関する。

近年、被検体内に挿入される医療機器、例えば内視鏡は、医療分野および工業分野において広く利用されている。

特に、医療分野において用いられる内視鏡は、細長い挿入部を被検体となる体腔内に挿入することによって、体腔内の臓器を観察したり、必要に応じて内視鏡が具備する処置具の挿通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種処置をしたりすることができる。

このような従来の内視鏡の挿入部には、被検体への挿入性を向上するために湾曲自在な湾曲部が設けられた構成が周知である。

内視鏡の湾曲部は、湾曲機能を実現させるため、複数の湾曲操作ワイヤが設けられている。そして、内視鏡は、複数の湾曲操作ワイヤが牽引弛緩されることで、湾曲部が湾曲する。

これら複数の湾曲操作ワイヤは、湾曲部が湾曲する方向の本数が内視鏡の先端部分に固定され、例えば、日本国特開平１０−２５８０２５号公報には、複数の湾曲ワイヤを内視鏡の先端部分に固定するための技術が開示されている。

この従来の湾曲操作ワイヤの接続構造は、湾曲操作ワイヤを湾曲操作ワイヤの先端側に圧着固定した固定部材を介して湾曲駒である関節駒先端に固定することで、湾曲操作ワイヤと挿入部との固着強度を湾曲操作ワイヤの材料に左右されることなく十分に保証できるようにしている。

しかしながら、従来の複数の湾曲操作ワイヤの接続構造では、内視鏡の先端部分に固定部材を圧着するという作業が生じると共に、湾曲操作ワイヤを先端の湾曲駒の外周部分に添わせる構成も含まれ、その分だけ外形が大きくなり太径化するという問題がある。

そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、湾曲部を湾曲操作するための湾曲操作ワイヤの固定を簡素化すると共に、太径化を防止した湾曲管および内視鏡を提供することを目的とする。

本発明における一態様の湾曲管は、複数の湾曲駒が連設され、湾曲操作ワイヤによって湾曲操作される湾曲管であって、前記複数の湾曲駒のうち最先端に設けられた先端湾曲駒は、平面を形成する平面部と、前記平面部に設けられ、前記先端湾曲駒の内側から外側に前記湾曲操作ワイヤを通す２つの挿通部を備え、前記湾曲操作ワイヤを折り返して前記平面部上で固定する固定部と、を具備する。

本発明による一態様の内視鏡は、複数の湾曲駒が連設され、湾曲操作ワイヤによって湾曲操作される湾曲管であって、前記複数の湾曲駒のうち最先端に設けられた先端湾曲駒は、平面を形成する平面部と、前記平面部に設けられた固定部であって、前記先端湾曲駒の内側から外側に前記湾曲操作ワイヤを通す一方の挿通部と、前記先端湾曲駒の外側から内側に前記湾曲操作ワイヤを通す他方の挿通部と、を備え、前記一方の挿通部と前記他方の挿通部との間において前記先端湾曲駒の外側に配置された前記湾曲操作ワイヤを前記先端湾曲駒に固定する固定部と、を具備する。

図１は、本発明の一態様の内視鏡の構成を示す斜視図 同、挿入部の先端部分を示す斜視図 同、湾曲管を示す斜視図 同、先端湾曲駒を示す斜視図 同、先端湾曲駒に湾曲操作ワイヤを固定した状態を示す斜視図 同、湾曲操作ワイヤを固定した先端湾曲駒を示す正面図 同、先端硬質部が嵌合された湾曲管の一例を示す斜視図 同、先端硬質部が嵌合された湾曲管の他の例を示す斜視図 同、４方向湾曲する湾曲部に対応した湾曲操作ワイヤを固定した先端湾曲駒を示す断面図 同、第１の変形例の先端湾曲駒に湾曲操作ワイヤを固定した状態を示す斜視図 同、第１の変形例の湾曲操作ワイヤを固定した先端湾曲駒を示す断面図 同、第２の変形例の先端湾曲駒を示す斜視図 同、第２の変形例の先端硬質部が嵌合された湾曲管を示す斜視図 同、第３の変形例の先端湾曲駒を示す斜視図 同、第３の変形例の先端硬質部が嵌合された湾曲管を示す斜視図 同、第３の変形例の先端硬質部が嵌合された先端湾曲駒を示す部分断面図 同、第３の変形例の他の態様の先端硬質部が嵌合された先端湾曲駒を示す部分断面図

以下、本発明について説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。

先ず、図面に基づいて本発明の一態様の内視鏡を説明する。
図１は、本発明の一態様の内視鏡の構成を示す斜視図、図２は挿入部の先端部分を示す斜視図、図３は湾曲管を示す斜視図、図４は先端湾曲駒を示す斜視図、図５は先端湾曲駒に湾曲操作ワイヤを固定した状態を示す正面図、図６は湾曲操作ワイヤを固定した先端湾曲駒を示す断面図、図７は先端硬質部が嵌合された湾曲管の一例を示す斜視図、図８は先端硬質部が嵌合された湾曲管の他の例を示す斜視図、図９は４方向湾曲する湾曲部に対応した湾曲操作ワイヤを固定した先端湾曲駒を示す断面図である。

図１に示すように、本実施形態の電子内視鏡（以下、単に内視鏡と称す）１は、細長管状に形成される挿入部２と、この挿入部２の基端に連設される操作部３と、この操作部３から延設される内視鏡ケーブルであるユニバーサルコード４と、このユニバーサルコード４の先端に配設される内視鏡コネクタ５などによって主に構成されている。

挿入部２は、先端側から順に、先端部６、本実施の形態の内視鏡湾曲部としての湾曲部７、可撓管部８が連設されて形成され可撓性を備えた管状部材である。このうち、先端部６には、内部に撮像手段を備えた図示しない撮像装置である撮像ユニット、図示しない照明手段などが収納配置されている。

なお、内視鏡１は、電子内視鏡に限定されることなく、撮像ユニットを備えていないイメージガイドファイバーが挿入部２に配設されたファイバースコープでもよい。

湾曲部７は、後述する湾曲管構造が内蔵されており、操作部３の操作部材のうち後述する湾曲レバー１３の回動操作によって上下２方向（ＵＰ−ＤＯＷＮ）へと能動的に湾曲させ得るように構成される機構部位である。

なお、湾曲部７は、このタイプのものに限定されることはなく、上下方向に加えて左右方向をも含めた四方向（上下左右の操作によって軸回りの全周方向、ＵＰ−ＤＯＷＮ／ＲＩＧＨＴ−ＬＥＦＴ）、または上方（ＵＰ方向）のみに湾曲し得るタイプのものであっても良い。

可撓管部８は、受動的に可撓可能となるように柔軟性を持たせて形成される管状部材である。この可撓管部８の内部には、後述する処置具挿通チャンネルのほか、先端部６に内蔵される撮像ユニットから延出し、さらに操作部３からユニバーサルコード４の内部へと延設される後述の各種信号線、光源装置からの照明光を導光し先端部６から出射させるための後述するライトガイドなどが挿通している（何れも不図示）。

操作部３は、先端側に設けられ可撓管部８の基端を覆って可撓管部８と接続される折れ止め部９と、この折れ止め部９に連設され使用者が内視鏡１を使用する時に手によって把持する把持部１０と、この把持部１０の外表面に設けられる各種内視鏡機能を操作する操作手段と、処置具挿通部１１と、吸引バルブ１５などによって構成される。

操作部３に設けられる操作手段としては、例えば湾曲部７の湾曲操作を行う湾曲レバー１３、送気送水操作または吸引操作、撮像手段、照明手段などの各対応する操作を行うための複数の操作部材１４などがある。

処置具挿通部１１は、各種の処置具（不図示）を挿入する処置具挿通口を備え、操作部３の内部で、分岐部材を介して処置具挿通チャンネルに連通する構成部である。

この処置具挿通部１１には、処置具挿通口を開閉するための蓋部材であって、この処置具挿通部１１に対して着脱自在（交換可能）に構成される鉗子栓１２が配設されている。

ユニバーサルコード４は、挿入部２の先端部６から、この挿入部２内部を挿通して操作部３に至り、さらに操作部３から延出する各種信号線などを内部に挿通すると共に、光源装置（不図示）のライトガイドを挿通し、さらに送気送水装置（不図示）から延出される送気送水用チューブを挿通する複合ケーブルである。

内視鏡コネクタ５は、外部機器のビデオプロセッサ（不図示）との間を接続する信号ケーブルが接続される電気コネクタ部１６を側面部に有すると共に、外部機器である光源装置との間を接続する後述のライトガイドバンドルおよび電気ケーブル（不図示）が接続される光源コネクタ部１７と、外部機器の送気送水装置（不図示）からの送気送水用チューブ（不図示）を接続する送気送水プラグ１８などを有して構成されている。

次に、本実施の形態の内視鏡１の挿入部２の先端部分の構成について説明する。
挿入部２の先端部６は、金属、硬質樹脂などから形成された略円柱形状の硬性枠である先端硬質部２１を有している。この先端硬質部２１は、先端面に観察窓２２、ここでは２つの照明窓２３および処置具チャンネルの開口部２４が配設されている。

なお、湾曲部７には、外周を覆うように湾曲ゴムが被覆されており、この湾曲ゴムが先端部６と可撓管部８のそれぞれの端部分に糸巻接着などにより水密に固定されている。また、湾曲部７内には、ここでは図示しない複数の湾曲駒が連設された湾曲管が内蔵されている。

次に、湾曲部７内に設けられる湾曲管について以下に説明する。
本実施の形態の湾曲管３０は、図３に示すように、先端硬質部２１に接続され、最先端に配設される先端湾曲駒３１ａと、この先端湾曲駒３１ａから後方に向けて、所定の隙間を有して複数の湾曲駒３１が略等間隔で配設された湾曲駒群を有している。

先端湾曲駒３１ａおよび湾曲駒３１は、ステンレスなどの金属または硬質樹脂によって略リング状（円環状）に形成されており、両側部に平面部３２ａ，３２が形成されている。

この平面部３２ａ，３２は、ここでは湾曲部７が湾曲移動する方向に沿った平面である。即ち、平面部３２ａ，３２は、湾曲部７が湾曲する移動軌跡に略平行な平面である。

なお、複数の湾曲駒３１には、湾曲操作ワイヤ３３が配置される内径方向に向けてワイヤ受け部である図示しないストリングガイドが中心軸Ｘ回りの点対称位置に配設されている。このストリングガイドは、湾曲駒３１に挿入部２における上下方向に２つ設けられている。

即ち、本実施の形態の湾曲部７は、上下（ＵＤ）２方向に湾曲可動する２方向湾曲構成となっている。なお、湾曲部７は、勿論、上下左右（ＵＤ／ＲＬ）の４方向湾曲構成としてもよい。

また、各湾曲駒３１は、金属の場合にはプレス成型または硬質樹脂の場合にはモールド成型されることで安価に製造されている。

これら複数の湾曲駒３１は、所定の隙間を有して中心軸Ｘ方向に沿って並設され、リベットなどの枢支部３４によって互いが回動自在に連結されている。なお、湾曲管３０は、従来から周知であるため、その他の構成についは説明を省略する。

次に、湾曲管３０に設けられる湾曲操作ワイヤ固定構造について以下に説明する。
本実施の形態の湾曲管３０の先端湾曲駒３１ａは、一方の平面部３２ａに湾曲操作ワイヤ３３を折り返して係止することで固定するワイヤ係止部としての固定部４０が設けられている。

固定部４０は、図４に示すように、中心軸Ｘに沿って形成された、ここでは矩形状の２つの孔部４１と、これら２つの孔部４１の間に設けられた帯状部４２と、から構成されている。そして、帯状部４２は、先端湾曲駒３１ａの内径方向に向けて凹状に形成されている。

この固定部４０は、図５に示すように、１本の湾曲操作ワイヤ３３が先端湾曲駒３１ａの内側から一方の孔部４１を介して外側に通され、帯状部４２の外表面に添わせて外側から他方の孔部４１を介して先端湾曲駒３１ａの内側に通される。即ち、２つの孔部４１は、湾曲操作ワイヤ３３が挿通するワイヤ挿通部を構成している。

また、帯状部４２は、先端湾曲駒３１ａの外側に向けてかしめられ、湾曲操作ワイヤ３３が動かないように固定することができる。なお、湾曲操作ワイヤ３３は、帯状部４２を先端湾曲駒３１ａの外側に向けてかしめる固定でなくとも、帯状部４２に半田などによるロウ付け、接着剤による固着などにより固定してもよい。

そして、帯状部４２上に配設された湾曲操作ワイヤ３３は、折り返されて、各湾曲駒３１の内側に形成された上下方向の２つのストリングスガイド（不図示）に挿通されて、湾曲管３０の後方に延設される。

このように本実施の形態の湾曲管３０は、先端湾曲駒３１ａの固定部４０に１本の湾曲操作ワイヤ３３を引っ掛けて折り返してかしめ固定することで、湾曲操作ワイヤ３３が後方に２本延設された構成となっている。

また、湾曲操作ワイヤ３３を固定する固定部４０は、図６に示すように、先端湾曲駒３１ａの一方の平面部３２ａに形成されているため、湾曲操作ワイヤ３３が平面部３２ａから外側に突出しても湾曲部７の外径を大きくすることなく太径化が防止できる。

図７に示すように、先端湾曲駒３１ａには、先端硬質部２１の基端部分に形成された嵌合部材としての細径部２１ａが内嵌される。この細径部２１ａは、一例として、先端湾曲駒３１ａに設けられた固定部４０まで届かないようにし、固定部４０から基端側において湾曲操作ワイヤ３３をフリーにして上下方向（ＵＤ）に延設させる構成としてもよい。

なお、図８に示すように、他の例として、先端硬質部２１は、先端湾曲駒３１ａとの嵌合時に、細径部２１ａに固定部４０の帯状部４２を収容すると共に、外周に沿って上下方向（ＵＤ）から後方に向けて湾曲操作ワイヤ３３の延設方向を規定する溝部２１ｂが形成されている構成としてもよい。

さらに、図９に示すように、先端湾曲駒３１ａの２つの平面部３２ａを中心軸Ｘ回りに４５°回転させた位置に形成し、これら２つの平面部３２ａのそれぞれに湾曲操作ワイヤ３３を固定する固定部４０を設けることで、湾曲部７が上下左右（ＵＤ／ＲＬ）の４方向に湾曲する構成にも適用することができる。

以上の説明により、本実施の形態の内視鏡１は、湾曲操作ワイヤ固定構造として、先端湾曲駒３１ａの平面部３２ａに設けた固定部４０により、外形が大きくなり太径化することなく、湾曲操作ワイヤ３３を先端湾曲駒３１ａに固定することができる構成となる。従って、内視鏡１は、湾曲部７を湾曲操作するための湾曲操作ワイヤ３３の固定を簡素化すると共に、挿入部２、特に湾曲部７の太径化を防止することができる構成となる。

（第１の変形例）
次に、湾曲管３０に設けられる湾曲操作ワイヤ固定構造の第１の変形例について以下に説明する。
図１０は、第１の変形例の先端湾曲駒に湾曲操作ワイヤを固定した状態を示す斜視図、図１１は第１の変形例の湾曲操作ワイヤを固定した先端湾曲駒を示す断面図である。

図１０に示すように、固定部４０は、湾曲操作ワイヤ３３を先端湾曲駒３１ａの内側から外側に通し、さらに先端湾曲駒３１ａの外側から内側に通す、ここでのワイヤ挿通部となる２つの孔部４３が先端湾曲駒３１ａの一方の平面部３２ａに形成されている。

そして、これら２つの孔部４３の間において、先端湾曲駒３１ａの外側に位置する湾曲操作ワイヤ３３には、金属などのパイプ４４が外挿されている。このパイプ４４は、湾曲操作ワイヤ３３がズレないようにかしめられる。

このように、湾曲操作ワイヤ３３は、２つの孔部４３を介して先端湾曲駒３１ａの内側から外側および外側から内側に通されて、パイプ４４がかしめられることで湾曲操作ワイヤ３３が動くことなく先端湾曲駒３１ａに固定される。その他の構成に関しては、上述と同じである。

なお、湾曲操作ワイヤ３３は、外挿するパイプ４４をかしめて固定しなくとも、２つの孔部４３の間において先端湾曲駒３１ａに半田などによるロウ付け、接着剤による固着などにより固定してもよし、捩じり加工、潰し加工により、２つの孔部４３に引っ掛かって動かないように固定する構成としてもよい。

このような湾曲操作ワイヤ固定構造としても、内視鏡１は、上述と同じ作用効果を有すると共に、単に先端湾曲駒３１ａの一方の平面部３２ａに湾曲操作ワイヤ３３が挿通する２つの孔部４３を形成するだけでよいため、より簡素化した構成となる。

（第２の変形例）
次に、湾曲管３０に設けられる湾曲操作ワイヤ固定構造の第２の変形例について以下に説明する。
図１２は、第２の変形例の先端湾曲駒を示す斜視図、図１３は第２の変形例の先端硬質部が嵌合された湾曲管を示す斜視図である。

図１２に示すように、固定部４０は、湾曲操作ワイヤ３３を先端湾曲駒３１ａの内側から外側に通し、さらに先端湾曲駒３１ａの外側から内側に通すための、ここでのワイヤ挿通部となる溝部としての２つのスリット４５が先端湾曲駒３１ａの一方の平面部３２ａの先端から中途にかけて中心軸Ｘに沿って平行に形成されている。

そして、図１３に示すように、これら２つのスリット４５の間の帯状部４６において、先端湾曲駒３１ａの外側に位置する湾曲操作ワイヤ３３には、第１の変形例に記載の金属などのパイプ４４が外挿されている。このパイプ４４は、第１の変形例と同様に、湾曲操作ワイヤ３３がズレないようにかしめられる。

なお、ここでも、湾曲操作ワイヤ３３は、外挿するパイプ４４をかしめて固定しなくとも、２つのスリット４５の間の帯状部４６に半田などによるロウ付け、接着剤による固着などにより固定してもよし、捩じり加工、潰し加工により、２つのスリット４５に引っ掛かって動かないように固定する構成としてもよい。

このように、湾曲操作ワイヤ３３は、２つのスリット４５を介して先端湾曲駒３１ａの内側から外側および外側から内側に通されて、帯状部４６上でパイプ４４がかしめられることで湾曲操作ワイヤ３３が動くことなく先端湾曲駒３１ａに固定される。その他の構成に関しては、上述と同じである。

なお、先端湾曲駒３１ａの２つのスリット４５間の帯状部４６は、先端硬質部２１の細径部２１ａが先端湾曲駒３１ａに挿嵌されることで、細径部２１ａに内面側が当接して内側に倒れるように変形することが防止される。

このような湾曲操作ワイヤ固定構造としても、内視鏡１は、上述と同じ作用効果を有すると共に、第１の変形例の構成に比して、小さな孔部４３に湾曲操作ワイヤ３３を通す必要がなく、単に先端湾曲駒３１ａの先端側から２つのスリット４５に湾曲操作ワイヤ３３を引っ掛けるように装着できる構成となる。

（第３の変形例）
次に、湾曲管３０に設けられる湾曲操作ワイヤ固定構造の第３の変形例について以下に説明する。
図１４は、第３の変形例の先端湾曲駒を示す斜視図、図１５は第３の変形例の先端硬質部が嵌合された湾曲管を示す斜視図、図１６は第３の変形例の先端硬質部が嵌合された先端湾曲駒を示す部分断面図、図１７は第３の変形例の他の態様の先端硬質部が嵌合された先端湾曲駒を示す部分断面図である。

本変形例の湾曲操作ワイヤ固定構造は、第２の変形例の固定部４０の帯状部４６を、さらに断面クランク形状となるように、先端湾曲駒３１ａの内側に折り曲げた構成となっている。

ここでも、先端湾曲駒３１ａの２つのスリット４５間の帯状部４６は、先端硬質部２１の細径部２１ａが先端湾曲駒３１ａに挿嵌されることで、細径部２１ａに内面側が当接して内側に倒れるように変形することが防止される。

また、本変形例の構成では、２つのスリット４５と、それらの間の帯状部４６と、によって、湾曲操作ワイヤ３３が挟まれることで動かないように固定される。なお、勿論、湾曲操作ワイヤ３３にパイプ４４を外挿して、帯状部４６上でパイプ４４をかしめることで湾曲操作ワイヤ３３を動くことなく先端湾曲駒３１ａに固定する構成としてもよい。

さらに、湾曲操作ワイヤ３３は、上述と同様に、２つのスリット４５の間の帯状部４６に半田などによるロウ付け、接着剤による固着などにより固定してもよし、捩じり加工、潰し加工により、２つのスリット４５に引っ掛かって動かないように固定する構成としてもよい。

このような湾曲操作ワイヤ固定構造としても、内視鏡１は、上述と同じ作用効果を有すると共に、第２の変形例の構成に比して、図１６に示すように、湾曲操作ワイヤ３３が先端湾曲駒３１ａの平面部３２ａから外側への突出量が抑えられ、より湾曲操作ワイヤ３３によって湾曲部７の外径が太径化することを防止することができる。

なお、図１７に示すように、帯状部４６によって湾曲操作ワイヤ３３を丸め込むようにかしめることで、より強固に湾曲操作ワイヤ３３を固定する構成としてもよい。

また、本実施の形態および各変形例では、湾曲管３０が複数の湾曲駒３１（３１ａ）によって構成されたものを例示したが、これに限定されることなく、Ｎｉ−Ｔｉなどの超弾性合金を用いたものなどにも適用することができる技術である。

上述の実施の形態に記載した発明は、その実施の形態および変形例に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。

例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。

本発明によれば、湾曲部を湾曲操作するための湾曲操作ワイヤの固定を簡素化すると共に、太径化を防止した湾曲操作ワイヤ固定構造および内視鏡を実現できる。

本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。

本出願は、２０１６年８月１０日に日本国に出願された特願２０１６−１５７７１０号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。

Claims (9)

1. 複数の湾曲駒が連設され、湾曲操作ワイヤによって湾曲操作される湾曲管であって、
   前記複数の湾曲駒のうち最先端に設けられた先端湾曲駒は、
   平面を形成する平面部と、
   前記平面部に設けられた固定部であって、前記先端湾曲駒の内側から外側に前記湾曲操作ワイヤを通す一方の挿通部と、前記先端湾曲駒の外側から内側に前記湾曲操作ワイヤを通す他方の挿通部と、を備え、前記一方の挿通部と前記他方の挿通部との間において前記先端湾曲駒の外側に配置された前記湾曲操作ワイヤを前記先端湾曲駒に固定する固定部と、
   を具備することを特徴とする湾曲管。
2. 前記固定部は、前記一方の挿通部と前記他方の挿通部との間に形成された帯状部を有し、
   前記湾曲操作ワイヤは、前記帯状部が前記先端湾曲駒の外側にかしめられることで、前記帯状部上で固定される
   ことを特徴とする請求項１に記載の湾曲管。
3. 前記固定部は、前記一方の挿通部と前記他方の挿通部との間において、前記湾曲操作ワイヤを外挿するパイプを有し、
   前記湾曲操作ワイヤは、前記パイプがかしめられることで、前記平面部上で固定される
   ことを特徴とする請求項１に記載の湾曲管。
4. 前記一方の挿通部および前記他方の挿通部は、前記平面部に形成された孔部である
   ことを特徴とする請求項１に記載の湾曲管。
5. 前記一方の挿通部および前記他方の挿通部は、前記先端湾曲駒の先端から前記平面部に形成された溝部である
   ことを特徴とする請求項１に記載の湾曲管。
6. 前記固定部は、前記一方の挿通部と前記他方の挿通部との間に形成された帯状部を有し、
   前記一方の挿通部および前記他方の挿通部は溝部であって、前記溝部の間の前記帯状部が内側に変形しないように前記先端湾曲駒に内嵌する嵌合部材を備えた
   ことを特徴とする請求項１に記載の湾曲管。
7. 前記平面部は、前記湾曲管が設けられた湾曲部が湾曲する移動軌跡に略平行な平面である
   ことを特徴とする請求項１に記載の湾曲管。
8. 請求項１に記載の前記湾曲管と、
   前記湾曲管を有し、細長管状に形成される挿入部と、
   前記挿入部に連設され、前記湾曲管を操作するための操作部と、
   を具備することを特徴とする内視鏡。
9. 前記先端湾曲駒は、内側において前記湾曲操作ワイヤを折り返して配置される
   ことを特徴とする請求項１に記載の湾曲管。

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