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JP6345998B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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JP6345998B2
JP6345998B2 JP2014129524A JP2014129524A JP6345998B2 JP 6345998 B2 JP6345998 B2 JP 6345998B2 JP 2014129524 A JP2014129524 A JP 2014129524A JP 2014129524 A JP2014129524 A JP 2014129524A JP 6345998 B2 JP6345998 B2 JP 6345998B2
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Description

本発明は、吸収性物品に関する。
軽失禁ライナーや軽失禁パッドなどの薄型タイプの吸収性物品は、着用時の違和感がなく、かつ、小型で持ち運びが便利であるという利点がある。このような吸収性物品は、着用者が着用していることが外見上はわからないものが好ましいため、より一層の薄型化が求められている。
例えば、特許文献1には、薄型の吸収性物品として、不織布状以外のパルプ繊維を含まない吸収用積層体であって、2枚の不織布間に設けられたホットメルト接着剤からなる網状体層によって、2枚の不織布が相互に接着されていると共に、このホットメルト接着剤に吸水性樹脂粉末を付着させた吸収用積層体を含むものが開示されている。
特開2000−238161公報
しかしながら、このような薄型の吸収性物品は、綿状のパルプ繊維を含む場合に比して体液の吸収性および拡散性が低いため、一度に大量の尿が排泄されると、尿の横漏れや、いつまでも湿った感じがするなど、十分な吸収性能を発揮できていなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、体液の吸収性および拡散性を高めて、肌当接面のドライ性を維持することで、着用感を向上した薄型の吸収性物品を提供することを目的とする。
(1) 本発明の一実施形態に係る吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記トップシートと上記バックシートの間に配置された吸収層と、を備える吸収性物品であって、上記吸収層は、第1の吸収体と、上記第1の吸収体と上記トップシートとの間に配置された第2の吸収体と、を含み、上記第1の吸収体は、第1のシートと、上記第1のシートに対向する第2のシートと、上記第1のシートおよび上記第2のシートの間に配置され、上記第1のシートおよび上記第2のシートの少なくともいずれか一方に固着された第1の吸水性樹脂と、を備え、上記第2の吸収体は、第3のシートと、上記第3のシートに対向する第4のシートと、上記第3のシートおよび上記第4のシートとの間に配置され、上記第3のシートおよび上記第4のシートの少なくともいずれか一方に固着された第2の吸水性樹脂と、を備え、上記吸収性物品の平面視において、上記第1の吸収体の面積は、上記第2の吸収体の面積よりも小さいことを特徴とする。
(2) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、(1)記載の吸収性物品において、上記第1のシートおよび上記第2のシートは、不織布であってもよい。
(3) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、(1)記載の吸収性物品において、上記第1の吸収体は、上記吸収性物品の長手方向において、上記第2の吸収体よりも長さが短く、上記吸収性物品の短手方向において、上記第2の吸収体よりも幅が狭くてもよい。
(4) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、(1)記載の吸収性物品において、上記吸収層は、上記第1の吸収体と上記第2の吸収体との間に配置され、上記第1の吸収体上に積層された第3の吸収体をさらに備え、上記第3の吸収体は、第5のシートと、上記第5のシートに対向する第6のシートと、上記第5のシートおよび上記第6のシートとの間に配置され、上記第5のシートおよび上記第6のシートの少なくともいずれか一方に固着された第3の吸水性樹脂と、を有し、上記吸収性物品の平面視において、上記第3の吸収体の面積は、上記第1の吸収体の面積よりも大きく、上記第2の吸収体の面積よりも小さくてもよい。
(5) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、(1)記載の吸収性物品において、上記吸収層と上記バックシートとの間に、パルプ含有シートを更に備え、上記吸収性物品の平面視において、上記パルプ含有シートの面積は、上記吸収層の面積よりも大きくてもよい。
(6) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、(1)記載の吸収性物品において、上記吸収性物品の長手方向おいて、上記第2の吸収体の最大長は、上記吸収性物品の最大長の70%以上であって100%以下であってもよい。
(7) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、(1)記載の吸収性物品において、上記吸収層と上記トップシートとの間に、親水性不織布からなる液拡散性シートをさらに備えてもよい。
(8) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、(1)記載の吸収性物品において、上記吸収性物品の側縁部には、立体ギャザーをさらに備えてもよい。
本発明は、吸収性物品を薄型にすることができ、かつ、体液の吸収性および拡散性を高めて、肌当接面のドライ性を維持することで、上記薄型の吸収性物品の着用感を向上することができる。
本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の分解斜視図である。 図1のX−X断面における断面概略図である。 図1のX−X断面における吸収層の断面概略図である。 図1のX−X断面における吸収層の断面概略図であって、体液を吸収した後における吸収層の断面図である。 図1のY−Y断面における吸収層の断面概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る断面概略図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
吸収性物品1は、身体から排出される体液を吸収することを目的として、少なくとも身体の股間部に着用されるものである。吸収性物品1としては、例えば、尿パッド、軽失禁パッド、尿取りライナー、生理用ナプキンなどの略矩形状の吸収性物品や使い捨ておむつなどのパンツタイプ吸収性物品を挙げることができる。以下の実施形態および実施例では、略矩形状の吸収性物品を例として用いて説明する。本発明の説明において、吸収性物品1の長手方向は、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後にわたる方向となり、吸収性物品1の短手方向は、長手方向に対して横又は直交する方向となる。また、本発明の説明において、肌当接面は、吸収性物品1の2つの表面のうち、着用者の肌に向けられる表面をいい、非肌当接面は、肌当接面の裏面をいい、着衣が着用される場合には、着衣側に向けられる表面をいう。吸収性物品1の厚み方向は、吸収性物品1の肌当接面または非肌当接面の法線方向となる。また、本発明の説明において、吸収性物品1の平面視は、吸収性物品1を肌当接面側から見ることをいう。
[第1実施形態]
第1実施形態の吸収性物品1の全体構成を図1ないし図6に基づいて説明する。
<吸収性物品の構造>
図1は、本実施形態に係る吸収性物品1を平面視した平面図である。図2は、吸収性物品1を分解した分解斜視図である。図3は図1のX−X断面における断面概略図であり、図6は図1のY−Y断面における断面概略図である。
図1及び図2に示すとおり、吸収性物品1は、肌と接触する側から順に、液透過性のトップシート100、液拡散性シート400、吸収層300、キャリアシート500、パルプ含有シート600および液不透過性のバックシート200を含む構成となっている。なお、図2においては、図1に示す立体ギャザー700は、図示を省略している。
トップシート100及びバックシート200は、液拡散性シート400、吸収層300、キャリアシート500およびパルプ含有シート600を上下に挟み込む形で積層され、その周囲が一部あるいは全周に渡って接着剤により固定されている。図1および図3に示すように、吸収性物品1は、吸収性物品1の側縁部に沿って、立体ギャザー700をさらに備えてもよい。液透過性のトップシート100、液拡散性シート400、吸収層300、キャリアシート500、パルプ含有シート600および液不透過性のバックシート200は、全面または一部が隣接する構成と相互に接着されていてもよい。これらの接着には、澱粉系又はカルボキシメチルセルロース等の水溶性の糊又は流動性の高い接着剤や、ホットメルト接着剤などが好適に用いられる。図1に示すように、トップシート100の表面からの圧搾溝102が、トップシート100、液拡散性シート400および吸収層300の少なくともいずれかに至るまで形成されていてもよい。吸収性物品1の平面視において、圧搾溝102は、下層吸収体310と上層吸収体320とを含む吸収層300の形成領域に形成されていてもよい。これにより、吸収層300での体液の吸収がより円滑に行われる。
なお、本実施形態において、液拡散性シート400、キャリアシート500、パルプ含有シート600および立体ギャザー700の少なくともいずれか1つは、必要に応じて省略されてもよい。また、吸収性物品1の平面視における外形は、図1に示すように、着用時において着用者の前部に配置される前端部と、着用者の後部に配置される後端部と、着用者の股部に配置される前端部と後端部との間のくびれ部と、を備えてもよいし、くびれ部を有さない矩形形状を呈してもよい。以下、これら構成ごとに説明をする。
(吸収層300)
図4は、本実施形態の吸収性物品1の吸収層300のみを拡大した概略断面図である。吸収層300は、下層吸収体310と、下層吸収体310に積層され、下層吸収体310とトップシート100との間に配置された上層吸収体320と、を含む。図1乃至図3に示すように、吸収層300は、吸収性物品の平面視において、下層吸収体310の面積が、上層吸収体320の面積よりも小さく設けられる。下層吸収体310は、吸収性物品1の長手方向において、上層吸収体320よりも長さが短く、吸収性物品1の短手方向において、上層吸収体320よりも幅が狭いものであってもよい。吸収層300のうち、上層吸収体320は最上層に配置され、下層吸収体310は最下層に配置されるものである。下層吸収体310と上層吸収体320とは、ホットメルト接着剤などの接着剤で相互に固着されてもよいし、単に積層された状態であってもよい。
下層吸収体310は、上面シート312と、上面シート312に対向する下面シート314と、上面シート312および下面シート314の間に配置され、上面シート312および下面シート314の少なくともいずれか一方に固着された吸水性樹脂316と、を備える。すなわち、下層吸収体310は、2枚のシート312,314の間に、吸水性樹脂316が挟持されたものである。一方、上層吸収体320もまた、上面シート322と、上面シート322に対向する下面シート324と、上面シート322および下面シート324との間に配置され、上面シート322および下面シート324の少なくともいずれか一方に固着された吸水性樹脂326と、を備える。すなわち、上層吸収体320は、2枚のシート322,324の間に、吸水性樹脂326が挟持されたものである。なお、下層吸収体310と上層吸収体320とは、フラッフパルプなどの綿状パルプを含まない。これにより、本実施形態の吸収性物品1は、薄型にすることができるため、着用時の違和感が少なく、コンパクトに持ち運びができるものである。なお、本明細書中、下層吸収体310は第1の吸収体、上面シート312は第1のシート、下面シート314は第2のシート、吸水性樹脂316は第1の吸水性樹脂、上層吸収体320は第2の吸収体、上面シート322は第3のシート、下面シート324は第4のシート、および、吸水性樹脂326は第2の吸水性樹脂とも表現される。
上面シート312,322および下面シート314,324の少なくともいずれか1つは、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布およびエアスルー不織布など公知の不織布から形成することができるが、なかでも親水性のエアスルー不織布が好適に用いられる。上面シート312,322及び下面シート314,324としては、透液性を示すものを用いることができる。また、上面シート312,322および下面シート314,324の坪量は、例えば18g/mであることが好ましい。上面シート312,322および下面シート314,324の少なくともいずれか1つは、起伏して設けられることで、表面に凹凸を有してもよい。
このように、上下面シート322,324の間に吸水性樹脂326が担持された上層吸収体320を、上下面シート312,314の間に吸水性樹脂316が担持された下層吸収体310よりも大きく設けることで、上層側で体液を保持しにくくなり、下層側に体液をより拡散しやすくなる。これにより、上下面シート312,314間に吸水性樹脂316、上下面シート322,324間に吸水性樹脂326をそれぞれ担持した吸収体を用いて、吸収性物品1を薄型にしても、吸収性物品1の肌当接面のドライ性および吸収性物品1内への体液拡散性を向上することができる。特に、吸収性物品1は、体液を複数回吸収した後であっても、体液の拡散性が持続することができ、吸収速度に優れるため、吸収性物品1の横漏れや持続的な湿り感が低減され、優れた着用感を供することができる。さらに、上層吸収体320は、面積の小さい下層吸収体310によって生じる段差を緩和することができ、吸収性物品1の肌触りとフィット性とを良好にできるため、着用感をより向上できる。なお、上層吸収体320を下層吸収体310よりも大きく設けることで、上層吸収体320は、下層吸収体310によって、肌当接面側に向かってやや凸状に湾曲して形成されてもよい。
次に、図2を参照して説明する。なお、吸収性物品1の平面視において、図2のトップシート100の外形は吸収性物品1の外形に等しい。吸収性物品1の長手方向おいて、上層吸収体320の最大長L1は、吸収性物品1の最大長L2の70%以上であって100%未満であることが好ましい。この範囲で上層吸収体320を設けることで、面積の小さい下層吸収体310によって生じる段差をより良好に緩和することができるから、吸収性物品1は、さらに良好な触感とフィット性と供することができ、かつ、下層吸収体310を比較的大きく設けることができるため、吸収性も良好となる。
吸水性樹脂316,326は、自重の30倍以上の生理食塩水(食塩濃度0.9質量%)を吸収し得る性能を有する樹脂である。本実施形態において、体液の吸収は、吸水性樹脂316,326において行われる。吸収層300に移行・浸透した体液は吸水性樹脂316,326に吸収されて、該吸収後には、吸水性樹脂316,326は、図4に示す状態から図5に示す状態へと膨潤する。吸水性樹脂316,326の材料は、前述のような性能を有する樹脂である限り、その化学的構造等については特に制限されない。例えば、吸水性樹脂316,326の材料としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉(アクリル酸グラフト共重合体、アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物等)、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリスルフォン酸系化合物、ポリエチレンオキシサイド、ポリアクリルアミド等の水膨潤性ポリマーを部分架橋したポリマー、及びイソブチレンとマレイン酸との共重合体等の水和ゲル形成能を持つ樹脂等を挙げることができる。吸水性樹脂316,326の材料は、上記のような合成樹脂のみならず、天然樹脂であってもよい。吸水性樹脂316,326の少なくともいずれか一方は、均一な混合・分散が容易な粒子状の吸水性樹脂粒子を用いることが好ましい。この「粒子状」には、いわゆる粒子状の他、例えば、顆粒状、フレーク状、ペレット状、短針状等の形状も含まれる。この吸水性樹脂粒子の粒子径は特に制限はなく、吸収層300に要求される吸収特性などに応じた粒子径ないし粒度分布のものを適宜選択して用いることができる。一般的には、粒子径が小さすぎると、吸収層300を形成する際に歩留まりが低くなり、吸収層300の通液性も低下する等といった不具合が発生する恐れがあり、逆に粒子径が大き過ぎると、吸水性樹脂粒子の比表面積が小さくなり吸収速度が低下する。従って、吸水性樹脂粒子としては、粒子径が300μm以上であって700μm以下の粒子を主たる成分として用いることが好ましい。
本実施形態では、吸水性樹脂316,326として、上記中でもポリアクリル酸ナトリウム重合体粒子を用いることが好ましく、その坪量は360g/m程度とすることが好ましい。なお、吸水性樹脂316および吸水性樹脂326には、吸収速度、材料および平均粒子径分布などの性質の少なくとも1つが同じものを用いてもよいし、それぞれが異なるものを用いてもよい。同様に、上下面シート312,314,322,324には、材料および坪量などの性質の少なくとも1つが同じものを用いてもよいし、それぞれ異なるものを用いてもよい。また、吸水性樹脂316,326は、上下面シート312,314,322,324に、吸収性物品1の用途や着用者の性別に応じて、適宜散布パターンを変えて分散される。例えば、吸水性樹脂316は、上下面シート312,314の中央部または前端部により多く散布されていてもよいし、上下面シート312,314の全面に吸水性樹脂316が均一に散布されていてもよいし、吸収性物品1の短手方向略中央を凹状とした長手方向に延びる堰状に配置されてもよいし、ストライプ状に配置されてもよい。
吸水性樹脂316は、上面シート312および下面シート314によって挟持されることで該シートに固着されてもよいし、上面シート312および下面シート314の少なくともいずれか一方の表面に設けられた固着材318を用いて該シートに固着されてもよい。この場合、上面シート312と下面シート314との間の少なくとも一部は、同様に固着材318を用いて固着されてもよい。また、吸水性樹脂326も、上面シート322および下面シート324によって挟持されることで該シートに固着されてもよいし、上面シート322および下面シート324の少なくともいずれか一方の表面に設けられた固着材328を用いて該シートに固着されてもよい。この場合、上面シート322と下面シート324との間の少なくとも一部は、図4又は図5に示すように、固着材328を用いて固着されてもよい。上面シート312と下面シート314との両方に固着材328が設けられてもよいこと、および、上面シート322と下面シート324との両方に固着材328が設けられてもよいことは言うまでもない。固着材318は、上面シート312および下面シート314の少なくともいずれか一方に、および、固着材328は、上面シート322および下面シート324の少なくともいずれか一方に、複数のノズルから糸状に固着剤を吐出して形成される等によって、固着剤が編目状に形成され、固着材328中に多数の空隙を有する網状体をなしてもよい。また、固着材318は、上面シート312および下面シート314の少なくともいずれか一方に、および、固着材328は、上面シート322および下面シート324の少なくともいずれか一方に、全面に亘って、均一に設けられてもよいし、スパイラル状・縞状・ドット状などの任意のパターンで設けられてもよい。固着材318,328には、ホットメルト接着剤が用いられることが好ましい。
ホットメルト接着剤としては、例えば、天然ゴム系接着剤、ブチルゴム系接着剤、ポリイソプレンゴム系接着剤、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)等のスチレン系エラストマーやエチレン・酢酸ビニルコポリマーやポリエステルなどの樹脂を含む接着剤、アクリル系接着剤およびポリオレフィン系接着剤を挙げることができる。接着力が高く、吸水性樹脂316,326の脱落を防ぐことができるため、ゴム系接着剤またはスチレン系エラストマーを含む接着剤が好適に用いられる。
上層吸収体320および下層吸収体310の少なくとも一方は、その外周に沿ったシール部317,327において、熱溶着や超音波溶着などによって、シールされていてもよい。これにより、たとえ固着材318,328から吸水性樹脂316,326が脱落しても、吸水性樹脂316,326は上層吸収体320および下層吸収体310からは脱落しないようにすることができる。なお、上層吸収体320および下層吸収体310の少なくとも一方は、その外周に沿ったシールが施されていなくともよいことは言うまでもない。また、下層吸収体310と上層吸収体320との少なくともいずれか一方は、部分的に上面シート312,322と下面シート314,324とが直線状、格子状、曲線状およびドット状などのパターンを有する加熱板またはローラを用いた溶着などによって固着されていてもよい。これによれば、吸収層300は、型崩れをおこしにくくなる。
(パルプ含有シート600)
吸収性物品1は、吸収層300とバックシート200との間に、パルプ含有シート600を備えてもよい。パルプ含有シート600としては、エアレイド不織布、ハイドロニット(登録商標)不織布、クレープ紙などの木材パルプを主原料として含む親水性シートを用いることができる。ハイドロニット不織布とは、米国キンバリークラーク社の商品名で、米国特許第5284703号明細書に開示されているように、ポリプロピレン不織布にパルプを、バインダー(接着剤)を使わずに、高水圧(ウォータージェット)で強固に絡めてシート化したもので、強度、吸収性に優れた素材である。パルプ含有シート600は、坪量が20g/m以上であって90g/mであることが好ましく、坪量が40g/m以上であって90g/m以下であることがより好ましい。
パルプ含有シート600の面積は、吸収性物品1の平面視において、吸収層300の面積よりも大きいことがより好ましい。パルプ含有シート600は、吸収性物品1の平面視において、吸収性物品1の長手方向および短手方向の両方において、吸収層300のよりも長さが長く設けられていることがより好ましい。すなわち、吸収性物品1の平面視において、吸収体310,320で構成される吸収層300の外形よりも、パルプ含有シート600の外形のほうが大きいことが好ましい。これにより、吸収性物品1は、吸収速度をより速くすることができ、大量に体液が排出された場合であっても漏れを防止することができる。
(液拡散性シート400)
吸収性物品1は、吸収層300とトップシート100との間に、液拡散性シート400を備えてもよい。例えば、液拡散性シート400には、坪量18g/m以上の親水性不織布を使用できる。液拡散性シート400には、トップシート100よりも厚い親水性不織布を用いることができ、トップシート100を介して滴下、流入される体液をたとえば吸収性物品1の長手方向および幅方向へ輸送・拡散して、肌当接面への体液戻りを減少させるものである。液拡散性シート400を設けることにより、吸収性物品1は、吸収速度をより速くすることができ、大量に体液が排出された場合であっても漏れを防止することができる。
(トップシート100)
トップシート100は、液透過性を有し、着用者の尿や経血などの体液を透過して、この体液を吸収層300に至らせる機能を有する。トップシート100は、トップシートとして公知の形状や材質などであれば特に限定されないが、中でも、トップシート100の材料としては、坪量が18g/m以上であって40g/m以下のエアスルー不織布を用いることが好ましい。また、トップシート100は、構成する繊維の繊維径が4デニール以下の親水性繊維であることが好ましい。例えば、この親水性繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2成分以上からなる複合繊維等でもよく、特には、低融点ポリエステルとポリエステル、ポリエステルとポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましいが、特に制限を設けるものではない。親水性繊維は、不織布として構成されていてもよい。液透過性のトップシート100の坪量が40g/mよりも低い坪量のものを用いると、尿や体液がトップシート100に保持されにくく、トップシートの表面のドライ感を向上し、着用感を良好にすることができる。また、トップシート100の材料として、4デニール以下の親水性不織布を用いると、使用者の肌当接面の肌触りが良くなるため好ましい。
(バックシート200)
バックシート200は、吸収性物品1の全体形状を規定する連続シートであり、液不透過性を有する。バックシート200は、ムレ防止などの点から、通気性を有すものであってもよいし、非通気性のものであってもよい。バックシート200の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムや、液不透過性かつ透湿性の開孔又は無開孔プラスチックフィルム、あるいはこれらとの積層体等を用いることができる。トップシート100は、その周辺部においてバックシート200の周辺部と一体に接合されることによって、バックシート200に、吸収層300を内包するようになっていてもよい。例えば、バックシート200には、通気性または非通気性の坪量18g/m以上のポリエチレンフィルムが用いられる。
非肌当接面には、着用者の着衣に固着して、吸収性物品1のズレを防止するための粘着層202と、粘着層202上に着脱可能に設けられた剥離シート204と、がバックシート200の表面に設けられていてもよい。図3に示すように、粘着層202は、吸収性物品1の長手方向に沿って、縞状に設けられてもよい。粘着層202は、非肌当接面上に粘着剤を塗布するか、あるいは剥離シート204に塗布した後、非肌当接面上に転写するなどによって形成される。粘着層202の材料としては、例えば、スチレン系ブロックポリマー、粘着付与剤及び軟化剤を主成分とし、スチレン相とゴム相との2相ブロック構造を保持しているもの等が用いられる。剥離シート204には、例えば、グラシン紙やパラフィン紙等の紙や不織布等の繊維や樹脂シートが用いられる。なお、剥離シート204は、折り畳まれた吸収性物品1が包装される包装シートを兼ねてもよい。
(立体ギャザー700)
吸収性物品1は、吸収性物品1の側縁部に沿って、立体ギャザー700を有してもよい。立体ギャザー700は、尿などの体液の横漏れを防止する機能を有する。このため、立体ギャザーは、疎水性繊維または疎水性処理がなされた不織布などの繊維からなることが好ましい。立体ギャザー700は、吸収性物品1の長手方向の両側縁に沿って、左右一対で設けられていてもよい。立体ギャザー700は、トップシート100、トップシート100側に折り返したバックシート200、あるいは、トップシート100およびバックシート200とは別体の立体ギャザーシートのいずれか、もしくは、これらを組合せたものの一部を立体的に立脚して形成される。立体的に立脚された部分には、立体ギャザー700の長手方向に沿って、ゴムなどの複数条のストランド状またはストリング状の弾性体702が配置されていてもよい。図3においては、立体ギャザーシートが、トップシート100およびバックシート200とは別体で設けられた例を示す。立体ギャザー700を設けることにより、吸収性物品1は、大量に体液が排出された場合であっても漏れを防止することができる。
(キャリアシート500)
吸収層300とバックシート200との間には、さらに吸収層300が固着されたキャリアシート500を有してもよい。キャリアシート500は、可撓性材料からなるシート部材であって、吸収層300を保持する保持部材として機能する。吸収性物品1の平面視において、キャリアシート500の面積は、少なくとも下層吸収体310の面積よりも大きいことが好ましい。これにより、吸収層300をしっかりと保持することができるからである。キャリアシート500には、嵩高なパルプ含有シートあるいは変形容易な綿状繊維等を好適に用いることができ、より具体的には、キャリアシート500の材料としては、不織布、ティッシュおよび吸水紙等の少なくとも1つまたはその組み合わせが用いられる。
<吸収性物品1の製造方法>
次に、本実施形態の吸収性物品1の製造方法の一例を説明する。まず、上記固着材318としてホットメルト接着剤が設けられた下面シート314となる繊維体の上に、吸水性樹脂316が散布された後、上面シート312となる繊維体が重ねられて、フラットロールで加圧および加熱されて、カットされることで下層吸収体310が形成される。また、上記の固着材328が設けられた下面シート324となる繊維体の上に、吸水性樹脂326が散布された後、上面シート322となる繊維体が重ねられて、フラットロールで加圧および加熱されて、下層吸収体310よりも平面視において大きい面積となるようにカットされることで上層吸収体320が形成される。
次に、キャリアシート500となる繊維体上に、下層吸収体310と上層吸収体320とを順にホットメルト接着剤を介して積層し、フラットロールで加熱および加圧することで、キャリアシート500と下層吸収体310と上層吸収体320とを一体化して、キャリアシート500上に配置された吸収層300を形成する。
このように形成された吸収層300の肌当接面側に、ホットメルト接着剤を介して、トップシート100になる繊維体と液拡散性シート400になる繊維体とを順に配置し、吸収層300の非肌当接面側に、キャリアシート500になる繊維体とホットメルト接着剤とを介して、パルプ含有シート600になる繊維体とバックシート200を順に配置して、トップシート100とバックシート200の側縁に沿って一部が当接するように、立体ギャザー700となる繊維体を配置して、これらをフラットローラーおよびエンボスロールの少なくとも一方で加熱および加圧した後、バックシート200の表面である吸収性物品1の非肌当接面に粘着層202と着脱可能な剥離シート204とを固着することで、吸収性物品1を製造することができる。
[第2の実施形態]
図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係る吸収性物品1Aについて、第1の実施形態の吸収性物品1と相違する点についてのみ説明すると、本実施形態において、吸収性物品1Aは、第1の実施形態における吸収層300の代わりに、上層吸収体320と下層吸収体310との間に、さらに中間吸収体330を含む吸収層300Aを備える。この中間吸収体330は、下層吸収体310に積層されている。この場合、吸収層300Aは、吸収体が三層に積層されたものである。これらの吸収体310,320,330は、ホットメルト接着剤などの接着剤で相互に固着されてもよいし、単に積層された状態であってもよい。
吸収層300Aは、吸収性物品1Aの平面視において、中間吸収体330の面積は、下層吸収体310の面積よりも大きく、上層吸収体320の面積よりも小さい。すなわち、上層吸収体320、中間吸収体330および下層吸収体310は、吸収性物品1Aの平面視における面積がこの順に小さくなっていくことが好ましい。中間吸収体330は、吸収性物品1Aの長手方向において、上層吸収体320よりも長さが短く、下層吸収体310よりも長さが長く、かつ、吸収性物品1Aの短手方向において、上層吸収体320よりも幅が狭く、下層吸収体310よりも幅が広いものであってもよい。
中間吸収体330は、上面シート332と、上面シート332に対向する下面シート334と、上面シート332および下面シート334との間に配置され、上面シート332および下面シート334の少なくともいずれか一方に固着された吸水性樹脂336と、を備える。中間吸収体330も、フラッフパルプなどの綿状パルプを含まない。なお、本明細書中、この吸水性樹脂336は第3の吸水性樹脂、中間吸収体330は第3の吸収体、上面シート332は第5のシート、および、下面シート334は第6のシートとも表現される。
本実施形態の吸収性物品1Aは、薄型にすることができるため、着用時の違和感が少なく、コンパクトに持ち運びができるとともに、上層側で体液を保持しにくくなり、体液を下層側により拡散しやすくなるために、体液を複数回吸収した後であっても吸収速度が速く、かつ、体液の総吸収可能量を大きくすることができる。従って、本実施形態の吸収性物品1Aは、漏れや持続的な湿り感が低減され、より着用感を向上することができるとともに、比較的長時間の使用に耐えうるものである。
本実施形態では、中間吸収体330が一層である例を説明したが、これに限定されず、中間吸収体330が二層以上の複数であってもよい。この場合、吸収層300Aは、吸収体が四層以上に積層された状態となる。これらの吸収体は、ホットメルト接着剤などの接着剤で相互に固着されてもよいし、単に積層された状態であってもよい。この場合も、吸収性物品1Aの平面視において、上層吸収体320、中間吸収体330の上層側、中間吸収体330の下層側、下層吸収体310に向かって、この順序で面積が小さくなっていくことが好ましい。
上面シート332および下面シート334の少なくともいずれか1つは、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布およびエアスルー不織布など公知の不織布から形成することができるが、なかでも親水性のエアスルー不織布が好適に用いられる。上面シート332および下面シート334は透液性を示すものを用いることができる。また、上面シート332および下面シート334の坪量は、例えば18g/mであることが好ましい。上面シート332および下面シート334の少なくともいずれか1つは、起伏して設けられることで、表面に凹凸を有してもよい。
下層よりも面積の大きい上層吸収体320および中間吸収体330は、より下層の面積の小さい吸収体310によって吸収性物品1Aに生じる段差を緩和することができ、吸収性物品1Aの触感とフィット性とを向上することができる。中間吸収体330は、下層吸収体310によって、肌当接面側に向かってやや凸状に湾曲して形成されていてもよい。
ここで用いる吸水性樹脂336は、上述の吸水性樹脂316,326と同様のものを用いることができる。なお、上記の吸水性樹脂336は、吸水性樹脂316,326の少なくとも一方と、吸収速度、材料および平均粒子径分布の少なくとも1つが同じものを用いてもよいし、それぞれが異なるものを用いてもよい。同様に、上面シート332および下面シート334は、上下面シート312,314,322,324の少なくとも1つと、材料および坪量などの性質が同じものを用いてもよいし、それぞれ異なるものを用いてもよい。
上記の吸水性樹脂336は、上下面シート332,334の少なくともいずれか一方の表面に設けられた固着材338を用いて固着されてもよい。この場合、上下面シート332,334の間の少なくとも一部は、同様に固着材338を用いて固着されてもよい。なお、上面シート332と下面シート334との両方に固着材338が設けられてもよい。固着材338は、上面シート332および下面シート334の少なくともいずれか一方に、複数のノズルから糸状に固着剤338を吐出して形成される等によって、固着剤338が編目状に形成され、上記固着材中に多数の空隙を有する網状体をなしてもよい。また、固着材338は、上面シート332および下面シート334の少なくともいずれか一方に、全面に亘って、均一に設けられてもよいし、スパイラル状・縞状・ドット状などの任意のパターンで設けられてもよい。固着材338には、ホットメルト接着剤が用いられることが好ましい。ホットメルト接着剤としては、第1の実施形態において固着材318,328として説明したものを使用することができる。
中間吸収体330は、その外周にそって、熱溶着や超音波溶着によって、シールされていてもよい。これにより、たとえ固着材から吸水性樹脂336が脱落しても、中間吸収体330から吸水性樹脂336が脱落しないようにすることができる。なお、中間吸収体330は、その外周に沿ったシールが施されていなくともよいことは言うまでもない。また、中間吸収体330は、上面シート332と下面シート334とが、直線状、格子状、曲線状およびドット状などのパターンを有する加熱板またはローラを用いて溶着などによって部分的に固着されていることが好ましい。これによれば、吸収層300Aは、型崩れをおこしにくくなる。
以下の実施例により、本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。本発明の実施例1および2における吸収性物品、及び比較例1ないし3として以下の吸収性物品を作製して、これらの性能および官能評価についての試験を行った。吸収性物品の性能は、吸収性物品の厚さ、吸収速度、総吸収量および最大注入量を下記の測定方法にて測定して評価した。また、吸収性物品の官能評価は、触感(肌触り)およびフィット性(漏れなどの使用時における不快感)を測定方法によって評価した。
[吸収性物品の作製]
(実施例1)
短手方向の最大長が120mmの前端部と、短手方向の最大長が130mmの後端部と、短手方向の最大長が105mmの着用者の股部に位置付けられるくびれ部と、を備え、長手方向の寸法が300mmとなる吸収性物品を作製した。この吸収性物品は、長手方向の寸法が300mm、短手方向の寸法が130mm、坪量25g/mのエアスルー不織布からなる液透過性トップシートとその側方に立体ギャザーを配し、長手方向の寸法が300mm、短手方向の寸法が60mm、坪量30g/mのエアスルー不織布からなる液拡散シートと、坪量420g/mの吸収層と、坪量16g/mの木材パルプシートからなるキャリアシートと、長手方向の寸法が280mm、短手方向の寸法が105mm、坪量82g/mのハイドロニット不織布からなるパルプ含有シートと、坪量32g/mの通気性ポリエチレンシートと、をホットメルト接着剤を介して、順に重ね合わせた状態で、ローラを用いてこれらを加熱および加圧することすることで作製した。吸収層には、上層吸収体として長手方向の寸法が230mmで短手方向の寸法が75mmの吸収体と、下層吸収体として長手方向の寸法が120mmで短手方向の寸法60mmの吸収体との二層の吸収体からなるものを用いた。上層吸収体と下層吸収体には、両方とも、2枚のエアスルー不織布にSBS系ホットメルト接着剤を坪量10g/mで塗工し、ポリアクリル酸ナトリウム重合体を含む吸水性樹脂を坪量360g/mで散布して、接着剤にて2枚のエアスルー不織布間に担持した矩形状のものを用いて試料を準備した。
(実施例2)
吸収層として、上層吸収体として長手方向の寸法が230mmで短手方向の寸法が75mmの吸収体と、中間吸収体として長手方向の寸法が155mmで短手方向の寸法が75mmの吸収体と、下層吸収体として長手方向の寸法が50mmで短手方向の寸法60mmの吸収体と、の三層の吸収体からなるものを用いた。上層吸収体と中間吸収体と下層吸収体には、両方とも、2枚のエアスルー不織布にSBS系ホットメルト接着剤を坪量10g/mで塗工し、ポリアクリル酸ナトリウム重合体を含む吸水性樹脂を坪量360g/mで散布して、接着剤にて2枚のエアスルー不織布間に担持したものを用いた。これ以外は、実施例1と同様に試料を準備した。
(比較例1)
吸収層として、上層吸収体として長手方向の寸法が50mmで短手方向の寸法が60mmの吸収体と、中間吸収体として長手方向の寸法が155mmで短手方向の寸法が75mmの吸収体と、下層吸収体として長手方向の寸法が230mmで短手方向の寸法75mmの吸収体と、の三層の吸収体からなるものを用いた。これ以外は、実施例2と同様に試料を準備した。比較例1は、実施例2の吸収層の構成のみが上下逆転したものである。
(比較例2)
吸収層に、上層吸収体として長手方向の寸法が50mmで短手方向の寸法が60mmの吸収体と、中間吸収体として長手方向の寸法が50mmで短手方向の寸法が60mmの吸収体と、下層吸収体として長手方向の寸法が230mmで短手方向の寸法75mmの吸収体と、の三層の吸収体からなるものを用いた。これ以外は、実施例2と同様に試料を準備した。比較例2は、比較例1の変形であり、より中高感を出した吸収層を使用したものである。
(比較例3)
吸収層に、上層吸収体として長手方向の寸法が120mmで短手方向の寸法が60mmの吸収体と、下層吸収体として長手方向の寸法が230mmで短手方向の寸法75mmの吸収体と、の二層の吸収体からなるものを用いた。これ以外は、実施例1と同様に試料を準備した。比較例3は、実施例1の吸収層の構成のみが上下逆転したものである。
[測定方法]
(総吸収可能量)
あらかじめ重量を測定した吸収性物品を、生理食塩水に完全に浸かるように5分間浸漬させる。5分後、吸収性物品のトップシートを下にして金網の上において30秒水切りをして、吸収後の重量を測定し、吸収前後の重量差を総吸収可能量とした。
(吸収速度)
底面積16.8cm2の円柱の中央に内径19mmの穴が開いており、重さを755.6gとした測定冶具を、吸収性物品の長手方向、かつ幅方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水それぞれ30mlを投下し、生理食塩水が吸収性物品に接触した時点から治具中央円内の円周に液体が完全に吸い込まれるところを終点とした吸収時間を計測した(1回目)。そして3分経過後に同様の吸収時間を計測し(2回目)、さらに3分経過後に3回目の吸収時間を計測した。
(最大注入量)
吸収性物品の長手方向、かつ幅方向中央部に生理食塩水を注入し、1分経過後に、あらかじめ重量を測定した濾紙(ADVANTEC社製No.2濾紙、直径55mm)を注入場所中心におき、その上に687gの錘をのせる(35g/cm2)。錘を乗せてから1分経過後、濾紙の重量を測り、濾紙の重量差を液戻り量とし、その液戻り量が1.0gとなるときの注入量を最大注入量とした。
(厚さ)
ハイトゲージ(株式会社ミツトヨ製)を用いて行った。無荷重下及び35gf/cm2の荷重条件下で、厚みを測定した。35gf/cm2の荷重条件下では、円形の錘(50mmφ)を吸収層の中央部に載せ、ハイトゲージで錘の上面までの厚みを測定した後、錘の厚みを差引いて求めた。
(官能評価)
20名のパネラーに対して、吸収性物品である実施例1〜2及び比較例1〜3の触感(肌触り)とフィット性(モレなどの使用時における不快感)の評価を実施した。「(a)不快感がない」、「(b)どちらでもない」、「(c)不快感あり」のいずれかの評価を選択させた。(a)の評価が16〜20人のときを「◎」、(a)の評価が11〜15人のときを「○」、(a)の評価が6〜10人のときを「△」、(a)の評価が0〜5人のときを「×」で表示した。
(総合評価)
吸収性物品の吸収性能及び官能評価の結果を基に、総合評価を行った。吸収性物品として、非常に優れているものを「◎」、優れているものを「○」、普通のものを「△」、劣っているものを「×」で表示した。
下記の表1は、上記本発明の実施例及び比較例について、上記測定方法により測定したデータを示すものである。これによれば、実施例1および実施例2は、比較例に比して、液体の吸収速度が速く、液体の拡散性が持続することで、液体を複数回吸収した後であっても吸収速度に優れるため、吸収性物品の横漏れや持続的な湿り感が低減され、優れた着用感を供することができることがわかった。また、実施例1および実施例2は、官能評価において、触感およびフィット性が良好であること、すなわち、比較例に比して、肌触りが良く、横漏れなどの使用時における不快感が少ないことがわかった。また、液体の総吸収量は、吸収体の総面積が大きい実施例2のほうが、実施例1の場合よりも高く、吸収体を三層で設けた方が、二層の場合よりも比較的長時間の使用に耐えうることがわかった。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1、1A 吸収性物品
100 トップシート
200 バックシート
202 粘着層
204 剥離シート
300、300A 吸収層
320 上層吸収体
322 上面シート
324 下面シート
326 吸水性樹脂
328 固着材
310 下層吸収体
312 上面シート
314 下面シート
316 吸水性樹脂
318 固着材
330 中間吸収体
332 上面シート
334 下面シート
336 吸水性樹脂
338 固着材
400 液拡散性シート
500 キャリアシート
600 パルプ含有シート
700 立体ギャザー
702 弾性体

Claims (7)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収層と、を備える吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、前記吸収層と前記バックシートの間に前記吸収層を保持するためのキャリアシートと、前記キャリアシートと前記バックシートの間に体液の漏れを防止するためのパルプ含有シートと、を備え、
    前記吸収層は、第1の吸収体と、前記第1の吸収体と前記トップシートとの間に配置された第2の吸収体と、を含み、
    前記第1の吸収体は、第1のシートと、前記第1のシートに対向する第2のシートと、前記第1のシートおよび前記第2のシートの間に配置され、前記第1のシートおよび前記第2のシートの少なくともいずれか一方に固着された第1の吸水性樹脂と、を備え、
    前記第2の吸収体は、第3のシートと、前記第3のシートに対向する第4のシートと、前記第3のシートおよび前記第4のシートとの間に配置され、前記第3のシートおよび前記第4のシートの少なくともいずれか一方に固着された第2の吸水性樹脂と、を備え、
    前記吸収性物品の平面視において、前記第1の吸収体の面積は、前記第2の吸収体の面積よりも小さく、
    前記吸収性物品の平面視において、前記キャリアシートの面積は、前記第1の吸収体の面積より大きく、前記パルプ含有シートの面積は、前記吸収層の面積より大きく、
    前記キャリアシートは、不織布、ティッシュ及び吸水紙の少なくとも1つまたはその組み合わせであり、
    前記パルプ含有シートは、ポリプロピレン不織布にパルプを絡めたもの、又は、エアレイド不織布であり、前記パルプ含有シートの坪量が20g/m以上で90g/m以下であり、
    前記吸収性物品の平面視において、前記第1の吸収体の領域に左右一対の圧搾溝が形成され、
    前記圧搾溝は、トップシートの表面から前記吸収層に至るまで形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1記載の吸収性物品において、
    前記第1のシートおよび前記第2のシートは、不織布であることを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項1記載の吸収性物品において、
    前記第1の吸収体は、前記吸収性物品の長手方向において、前記第2の吸収体よりも長さが短く、前記吸収性物品の短手方向において、前記第2の吸収体よりも幅が狭いことを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項1記載の吸収性物品において、
    前記吸収層は、前記第1の吸収体と前記第2の吸収体との間に配置され、前記第1の吸収体上に積層された第3の吸収体をさらに備え、
    前記第3の吸収体は、第5のシートと、前記第5のシートに対向する第6のシートと、前記第5のシートおよび前記第6のシートとの間に配置され、前記第5のシートおよび前記第6のシートの少なくともいずれか一方に固着された第3の吸水性樹脂と、を有し、
    前記吸収性物品の平面視において、前記第3の吸収体の面積は、前記第1の吸収体の面積よりも大きく、前記第2の吸収体の面積よりも小さいことを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項1記載の吸収性物品において、
    前記吸収性物品の長手方向おいて、前記第2の吸収体の最大長は、前記吸収性物品の最大長の70%以上であって100%以下であることを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項1記載の吸収性物品において、
    前記吸収層と前記トップシートとの間に、親水性不織布からなる液拡散性シートをさらに備えることを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項1記載の吸収性物品において、
    前記吸収性物品の側縁部には、立体ギャザーをさらに備えることを特徴とする吸収性物品。
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