以下、本願の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本願に係る画像形成装置の実施形態であるモノクロレーザプリンタ1の断面図である。モノクロレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ」という)1は、本体ケーシング2内の下部に配置されたトレイ4から供給されるシート(用紙やOHPシート等)に対し、画像形成部5にてトナー像を形成した後、定着器7にてそのトナー像を加熱して定着処理を行い、最後にシートを本体ケーシング2の上部に位置する排紙トレイ9に排紙する。なお、図1では、紙面右側を装置の前側と規定し、装置を前側から見た場合に左手に来る側(紙面手前側)を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を定義する。
画像形成部5は、スキャナ部11、現像カートリッジ13、感光ドラム17、帯電器18、転写ローラ19等を含む。スキャナ部11は、本体ケーシング2内の上部に配置されており、レーザ発光部(図示略)から発射されたレーザ光を、ポリゴンミラー、反射鏡、レンズ等を介して感光ドラム17の表面上に高速走査にて照射させる。
現像カートリッジ13は、プリンタ1の本体に対して着脱可能に構成されており、その内部にはトナーを収容している。また、現像カートリッジ13のトナー供給口には、現像ローラ21及び供給ローラ23が前後方向で互いに対向した状態で設けられている。また、現像ローラ21は、感光ドラム17と前後方向で対向した状態で配置されている。現像カートリッジ13内のトナーは、供給ローラ23の回転により現像ローラ21に供給され、現像ローラ21に担持される。
感光ドラム17の後方側の上方には、帯電器18が間隔を隔てて配置されている。また、感光ドラム17の下方には、転写ローラ19が感光ドラム17に対向して配置されている。感光ドラム17は、回転しつつ、帯電器18によって表面が一様に、例えば、正極性に帯電される。次いで、スキャナ部11からのレーザ光により感光ドラム17の表面上に静電潜像が形成される。その後、感光ドラム17と接触して回転する現像ローラ21上に担持されているトナーが、感光ドラム17の表面上の静電潜像に供給されて担持されることによって、感光ドラム17の表面上にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、シートが感光ドラム17と転写ローラ19との間を通る間に、転写ローラ19に印加される転写バイアスによって、シートに転写される。
定着器7は、画像形成部5に対してシートの搬送方向の下流側(プリンタ1内における後方側)に配置され、定着ローラ27、定着ローラ27を押圧する加圧ローラ29、及び定着ローラ27を加熱するハロゲンヒータ31等を含む。定着ローラ27は、図2に示す制御部33によって制御される電動モータ28の駆動に応じて回転し、シートに転写されたトナーを加熱しつつ、シートに搬送力を付与する。一方、加圧ローラ29は、シートを定着ローラ27側に押圧しながら従動回転する。従って、制御部33は、電動モータ28を制御することによって、定着器7(定着ローラ27及び加圧ローラ29)のシートを搬送する通紙速度を制御可能となっている。ハロゲンヒータ31は、図2に示す加熱装置30の制御部33によって通電制御される。
図2は、加熱装置30の概略的な構成を示すブロック図である。加熱装置30は、ハロゲンヒータ31、制御部33、低圧電源回路(AC−DCコンバータ)35、ゼロクロス生成回路37、定着駆動回路41、及び定着リレー39等を含む。
ハロゲンヒータ31は、交流電源101の通電に応じて発熱する。また、ハロゲンヒータ31の近傍に設けられた温度センサ31Aは、検出したハロゲンヒータ31の温度を、温度検出信号Saとして制御部33に出力する。低圧電源回路35は、例えば、100Vの交流電圧を24V及び3.3Vの直流電圧に変換し、制御部33を含む各部に直流電圧を供給する。
ゼロクロス生成回路37は、交流電源101から供給される入力電圧Vを全波整流する全波整流ブリッジ回路51、全波整流ブリッジ回路51に接続された発光ダイオード53、発光ダイオード53と共にフォトカプラ55を構成するフォトトランジスタ57、抵抗R2、インバータ59等を有している。全波整流ブリッジ回路51には、交流電源101の入力電圧Vが抵抗R1を介して入力される。発光ダイオード53には、全波整流ブリッジ回路51によって全波整流された電圧が印加される。
フォトトランジスタ57は、エミッタがグランドに接続され、コレクタが抵抗R2を介して直流電源ラインVccに接続されている。インバータ59は、フォトトランジスタ57のコレクタに接続され、コレクタの電圧レベル(High/Low)を反転させて出力する。このような構成のゼロクロス生成回路37では、交流電源101の入力電圧Vが小さくなると、発光ダイオード53の発光量が小さくなり、フォトトランジスタ57に流れる電流Icが小さくなる。インバータ59の入力電圧Vinは、電流Icの減少にともなって増大する。従って、例えば、図4に示すように、交流電源101の入力電圧Vの絶対値が閾値Vtを下回ると、入力電圧Vinはハイレベルとなり、インバータ59の出力信号であるゼロクロスパルス信号Srがローレベルとなる。
一方で、交流電源101の入力電圧Vが大きくなると、発光ダイオード53の発光量が大きくなり、フォトトランジスタ57に流れる電流Icも大きくなる。電流Icの増大にともなって、インバータ59の入力電圧Vinは、減少する。従って、例えば、図4に示すように、交流電源101の入力電圧Vの絶対値が閾値Vtを超えると、入力電圧Vinはローレベルとなり、ゼロクロスパルス信号Srがハイレベルとなる。従って、ゼロクロス生成回路37は、交流電源101の入力電圧Vが、正負のVtにより規定されるゼロクロス検出範囲Uにある期間(パルス幅K1)の間だけ、ローレベルのゼロクロスパルス信号Srを出力する。
また、図2に示すように、ゼロクロス生成回路37が出力するゼロクロスパルス信号Srは、制御部33に入力されている。このため、制御部33は、ゼロクロスパルス信号Srの電圧レベルを判定することで、ゼロクロスパルス信号Srの立ち上がり、立ち下がりを検出することが可能となる。なお、制御部33は、例えば、CPU上で動作するプログラムを主体として構成してもよい。あるいは、制御部33を、例えば、ASICなどの専用のハードウェアで構成してもよい。また、制御部33は、例えばソフトウェアによる処理と、ハードウェアによる処理とを併用して動作する構成でもよい。また、制御部33は、RAM、ROM、フラッシュメモリーなどの制御や処理に係わる情報を保存等するためのメモリ33Aを有する。
制御部33は、ゼロクロスパルス信号Srを用いて、入力電圧Vのハロゲンヒータ31への通電時間を調整する。詳しくは、制御部33は、ゼロクロスパルス信号Srの立ち下がりのタイミングを基準とすることによって、ゼロクロスポイントZC(図4参照)に応じたトリガパルス信号Sbを生成する。制御部33は、生成したトリガパルス信号Sbを定着駆動回路41に出力する。図3に示すように、定着駆動回路41は、トライアック43、フォトトライアックカプラ45及び駆動トランジスタ47等を有する。駆動トランジスタ47は、制御部33から入力されるトリガパルス信号Sbに応じて、フォトトライアックカプラ45をオン・オフする。トライアック43は、フォトトライアックカプラ45のオンに応じてターンオンし、逆電圧がかかる又は電流がゼロになるとターンオフする。ハロゲンヒータ31には、入力電圧Vが所定の通電時間だけ通電される。この所定の通電時間は、図4のヒータ電圧の波形で示すように、トリガパルス信号Sbの立ち上がりのタイミングから、入力電圧Vのゼロクロスタイミングまでである。制御部33は、ゼロクロスパルス信号Srの立ち下がりのタイミングから、トリガパルス信号Sbの立ち上がりのタイミングまでの期間Tw(図4参照)を変更することで、ハロゲンヒータ31の温度を制御する。
また、図2に示すように、定着リレー39は、入力電圧Vとハロゲンヒータ31との間に接続されている。制御部33は、定着リレー39のオン・オフを制御して、入力電圧Vのハロゲンヒータ31への入力をオン・オフする。制御部33は、例えば、矩形波のような電圧変化率(dv/dt)の急峻な入力電圧Vが入力された場合に、定着リレー39をオフして、ハロゲンヒータ31及びトライアック43への電力供給を停止する。なお、定着リレー39は、例えば、トランジスタ等の半導体スイッチやリレー等の機械スイッチである。
制御部33は、ハロゲンヒータ31に設けられた温度センサ31Aから出力される温度検出信号Saに基づいて検出温度を判定し、例えば、ハロゲンヒータ31に対する通電時間を位相に基づいて制御することによって温度を調整する。この位相に基づいた制御とは、ハロゲンヒータ31の通電時間を波数で管理するのではなく、導通位相角(別名、点弧角)αにて制御するものである。導通位相角αとはトライアック43の導通を開始する位相である。なお、ハロゲンヒータ31の通電時間の制御方法は、位相による制御に限らず、入力電圧Vの波数単位で管理する波数制御を実施してもよい。
次に、制御部33によるハロゲンヒータ31の通電制御について図5〜図12を参照して説明する。制御部33は、例えば、使用者によってプリンタ1の電源がオンされた場合、あるいは使用者からの操作や印字データの受信を待つスリープモードから復帰した場合等に、所定のプログラムに従ってハロゲンヒータ31の通電制御を開始する。この所定のプログラムは、例えば、メモリ33A(図2参照)のROMに記憶されている。
まず、図5のステップ(以下、単に「S」と表記する)11において、制御部33は、前回の起動時に異常によって終了したか否かを判定する。ここでいう異常終了とは、例えば、温度センサ31Aの温度検出信号Saによりハロゲンヒータ31の高温を検出した場合やトライアック43が制御不能となった場合などに、動作を終了した状態をいう。制御部33は、異常終了する場合に、後述する図8のS77において異常を示すフラグを立てる。そして、制御部33は、起動時に、このフラグが立っているかを検出することで、異常終了したか否かを判定することが可能となっている。
制御部33は、異常終了したと判定した場合(S11:YES)、定着駆動回路41の故障判定処理を実行する(S13)。図7に示すように、制御部33は、故障判定処理を開始すると、まず、温度センサ31Aで検出された温度が上限温度Bを超えていないかを判定する(S51)。
図9は、通常制御時と、後述する矩形波検出制御時とで使用される各種設定温度の関係を示している。図9に示す印刷目標温度は、印刷動作においてハロゲンヒータ31を加熱する際の目標となる温度である。制御部33は、温度センサ31Aの検出温度を印刷目標温度にするように定着駆動回路41を制御する。正常温度上限は、印刷目標温度となるようにハロゲンヒータ31を加熱して制御する場合に、目標温度を超えてオーバーシュートしてもよい上限の温度である。また、サーモスタット稼働温度は、ハロゲンヒータ31の温度が正常温度上限を超えて上昇した場合に、溶断される温度ヒューズ(図示略)の設定温度である。この温度ヒューズは、例えば、ハロゲンヒータ31と定着駆動回路41との間や、トライアック43のゲート側に接続され、ハロゲンヒータ31が異常に加熱された場合に溶断され、通電を停止するためのものである。また、上限温度は、トライアック43の故障などによってハロゲンヒータ31が異常に加熱された場合に、定着リレー39をオフして停止するか否かを判定する温度である。また、本実施形態のプリンタ1では、矩形波の虞がある入力電圧Vを検出すると、設定温度を低くしながら動作を継続する矩形波検出制御を実行する。従って、矩形波検出制御における各種設定温度(上限温度Bなど)は、通常制御時の設定温度に比べて低くなっている。なお、定着器溶融温度は、定着ローラ27や加圧ローラ29のローラ部分の一部が溶融する温度である。
図7の説明に戻り、例えば、前回の異常終了した直後に電源が投入され余熱によって、ハロゲンヒータ31の温度が上限温度B(矩形波検出制御の上限温度)を超える場合には、まず、ハロゲンヒータ31の温度を上限温度B以下とする。制御部33は、S51において、温度センサ31Aの検出温度が上限温度Bを超えていた場合(S51:NO)、検出温度が上限温度B以下となるまで一時的に待機状態となる(S53)。制御部33は、検出温度が上限温度B以下となるとS52以降の処理を開始する。
一方、制御部33は、S51において、温度センサ31Aの検出温度が上限温度B以下の場合(S51:YES)、定着リレー39をオン(接続)し(S52)、温度センサ31Aの温度が上昇するか、即ち、定着器7の温度が上昇するか判定する(S55)。正常時において、トリガパルス信号Sbを定着駆動回路41に供給しない状態(定着器7のOFF状態)では、定着リレー39をオンしただけでは、ハロゲンヒータ31には、電力が供給されず温度が上昇することはない。しかしながら、例えば、図3に示すトライアック43が故障しショートしていた場合などに定着リレー39をオンすると、制御部33の制御(トリガパルス信号Sbの供給の有無)に係わらず、ハロゲンヒータ31の温度が上昇する。従って、制御部33は、定着リレー39をオンしただけで温度が上昇する場合には、定着駆動回路41などの故障であると判定する。
制御部33は、定着リレー39をオンした(S52)後、検出温度が上昇する場合には(S55:YES)、定着駆動回路41の故障であると判定し(S57)、故障判定処理を終了する。一方、制御部33は、検出温度が上昇しない場合には(S55:NO)、定着駆動回路41は正常であると判定し(S58)、故障判定処理を終了する。
図5の説明に戻り、制御部33は、S13の故障判定が終了すると、故障判定の結果に応じた処理を行う(S15)。制御部33は、定着駆動回路41が異常であると判定した場合(S15:YES)、定着リレー39をオフし、入力電圧Vのハロゲンヒータ31への入力を停止するとともに、エラーをユーザに報知するなどして動作を停止する(図6のS43)。ユーザへのエラーの報知方法は、適宜変更可能であるが、例えば、プリンタ1の表示部(図示略)にエラー内容を表示してもよい。
一方で、制御部33は、定着駆動回路41が正常であると判定した場合(S15:NO)、ゼロクロスパルス幅マスク(以下、単に「マスク」という場合がある)として第1マスクZmk1(図10参照)の値を設定し(S17)、ゼロクロスパルス信号Srの検出処理を開始する。ここでいう「ゼロクロスパルス幅マスク」とは、図4に示すゼロクロスパルス信号Srのパルス幅K1が正常か否かを判定するための値である。
ここで、異常な入力電圧V、例えば、矩形波の入力電圧Vが入力された場合には、入力電圧Vの電圧変化率(dv/dt)は、大きくなる。入力電圧Vの電圧変化率が大きく(波形の傾きが急峻に)なると、ゼロクロス生成回路37から出力されるゼロクロスパルス信号Srのパルス幅K1は、極めて短くなる、あるいはゼロとなる。この場合、制御部33は、ゼロクロスパルス信号Srに基づいて、ゼロクロスパルス信号Srの立ち下がりのタイミングを精度よく検出できない。
そこで、制御部33は、矩形波等の異常な入力電圧Vが入力されたか否かを、例えば、ゼロクロスパルス信号Srの立ち下がりから立ち上がりまでの時間であるパルス幅K1が所定幅(第1マスクZmk1)未満であるか否かによって判定する。制御部33は、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であると判定した場合に、異常な入力電圧Vが入力された可能性があると判定する。
なお、図5のS11において、制御部33は、前回異常終了していないと判定した場合(S11:NO)、定着リレー39をONして(S14)、第1マスクZmk1の設定を行う(S17)。
次に、制御部33は、S17においてマスクの値として第1マスクZmk1(例えば、100μs)を設定した後、ゼロクロスパルス信号Srが立ち下がった、つまりゼロクロスパルス信号Srがローレベルとなったことを契機として、ゼロクロスパルス信号Srがローレベルとなっている時間をカウントし、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であるか否か、即ち、カウント値が第1マスクZmk1未満であるか否かを判定する(S23)。第1マスクZmk1の期間カウントが継続し、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満でないと判定した場合(S23:NO)、制御部33は、パルス幅K1がマスク上限値Zmkmax(例えば、200μs)以上となるか否か、即ち、マスク上限値Zmkmaxの期間、カウントを継続しているか否かを判定する(S25)。
パルス幅K1が第1マスクZmk1以上であるならば正常な入力であると考えられるが、例えば、パルス幅K1が第1マスクZmk1に比べてあまりにも大きい場合、即ち、電圧変化率が小さ過ぎる場合も想定される。図10は、入力電圧Vの電圧変化率が正常な状態から小さくなった場合のタイムチャートを示している。図10に示すように、入力電圧Vの電圧変化率が正常な状態では、パルス幅K1は、第1マスクZmk1とマスク上限値Zmkmaxとの間の範囲内に収まっている(図10のタイミングT0)。しかしながら、入力電圧Vの電圧変化率が小さくなると、パルス幅K1は、マスク上限値Zmkmaxよりも大きくなる(図10のタイミングT1)。この場合、制御部33は、ゼロクロスパルス信号Srに基づいて適切なトリガパルス信号Sbを生成することができなくなる虞がある。結果、ハロゲンヒータ31の温度を適切に制御できなくなる虞がある。そこで、制御部33は、マスク上限値Zmkmaxの期間、カウントが継続され、パルス幅K1がマスク上限値Zmkmax以上になったと判定する場合には(S25:YES)、エラー停止を行う(図6のS43、図10のタイミングT1)。一方、マスク上限値Zmkmaxの期間が経過する前にゼロクロスパルス信号Srが立ち上がってハイレベルとなってカウントが終了し、パルス幅K1がマスク上限値Zmkmax以上にならないと制御部33が判定する場合には(S25:NO)、通常制御(印刷処理等)を継続する(S27)とともに、S23からの処理を再度実行する。なお、図10に示す例では、パルス幅K1がマスク上限値Zmkmax以上になったと制御部33が1回判定すると直ちにエラー処理を行う態様を示しているが、これに限らず、制御部33が、パルス幅K1がマスク上限値Zmkmax以上になったと複数回継続して判定した後にエラー処理を行ってもよい。また、制御部33が、パルス幅K1がマスク上限値Zmkmax以上になったと所定時間継続して繰り返し判定した後にエラー処理を行ってもよい。
また、S23において、第1マスクZmk1の期間が経過する前にゼロクロスパルス信号Srが立ち上がってハイレベルとなってカウントが終了し、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であると判定した場合(S23:YES)、制御部33は、パルス幅K1のカウント対象となったローレベルのゼロクロスパルス信号Srを処理対象とせず、無視して次のS31以降の処理を継続する(S29)。ここでいう「処理対象としない」とは、例えば、後述するS31の処理を経て再度S23の処理が実施される場合に、第1マスクZmk1と比較する対象としないことをいう。即ち、再度S23が実施される場合には、次のパルス以降が対象となる。また、制御部33は、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であると所定時間(例えば、数100ms)継続して繰り返し判定しているか否かを判定する(S31)。なお、S31における処理は、継続時間を基準とせず、例えば、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であると複数回継続して繰り返し判定しているか否かを判定してもよい。また、S31において、制御部33は、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であると所定時間継続して繰り返し判定していない、即ち、パルス幅K1が第1マスクZmk1以上であると所定時間経過する前に判定した場合(S31:NO)には、S23からの処理を再度実行する。
制御部33は、例えば、矩形波の入力電圧Vが入力され、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であると所定時間継続して繰り返し判定している場合(S31:YES)、マスクとして第1マスクZmk1に比べて幅が小さい(時間が短い)第2マスクZmk2(例えば、10μs)を設定する(図6のS33)。図11は、第2マスクZmk2未満となる入力電圧Vが入力された場合のタイムチャートを示している。図11に示すように、入力電圧Vが矩形波となるタイミングT3以降において、制御部33は、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であるとタイミングT3からタイミングT4までの所定時間継続して繰り返し判定すると、タイミングT4においてマスクを第1マスクZmk1から第2マスクZmk2に変更する。制御部33は、パルス幅K1が第2マスクZmk2未満であるか否か、即ち、カウント値が第2マスクZmk2未満であるか否かを判定する(S37)。第2マスクZmk2の期間が経過する前にゼロクロスパルス信号Srが立ち上がってハイレベルとなってカウントが終了し、パルス幅K1が第2マスクZmk2未満であると判定した場合(S37:YES)、パルス幅K1のカウント対象となったローレベルのゼロクロスパルス信号Srを無視する処理を行い(S39)、制御部33は、パルス幅K1が第2マスクZmk2未満であると所定時間継続して繰り返し判定しているか否かを判定する(S41)。なお、パルス幅K1が第2マスクZmk2未満であると複数回継続して繰り返し判定しているか否かを判定してもよい。
制御部33は、S41においてパルス幅K1が第2マスクZmk2未満であると所定時間継続して繰り返し判定していないと判定した場合(S41:NO)、S37からの処理を再度実行する。一方、制御部33は、S41においてパルス幅K1が第2マスクZmk2未満であると所定時間継続して繰り返し判定していると判定した場合(S41:YES)、エラー停止を行う(S43、図11のタイミングT5)。ここで、パルス幅K1が第1マスクZmk1に比べて小さい第2マスクZmk2未満であると所定時間継続して繰り返し判定する場合とは、図11に示すように、矩形波のようなパルス幅K1が極めて短くなる、あるいはゼロとなり、第2マスクZmk2よりもパルス幅K1が短くなる入力電圧Vの入力がタイミングT4からタイミングT5までの所定時間、継続した場合である。あるいは、例えば、何らかの交流電源101の異常によって直流(DC)の入力電圧Vが入力され、ゼロクロスパルス信号Srを所定時間検出できないような場合である。このような異常な入力電圧Vは、通電制御には使用できず、直ちにハロゲンヒータ31への入力電圧Vの供給を停止する必要があるため、後述する矩形波検出制御(図8参照)の処理対象とはせず、制御部33はエラー停止する。
一方、S37において、制御部33は、第2マスクZmk2の期間カウントが継続し、パルス幅K1が第2マスクZmk2未満でないと判定した、即ち、第2マスクZmk2≦パルス幅K1<第1マスクZmk1であると判定した場合(S37:NO)、矩形波検出制御を実行する(S45)。図12は、第2マスクZmk2≦パルス幅K1<第1マスクZmk1となる入力電圧Vが入力された場合のタイムチャートを示している。図12に示すように、入力電圧Vが矩形波となるタイミングT7以降において、制御部33は、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であるとタイミングT7からタイミングT8までの所定時間継続して繰り返し判定すると、マスクを第1マスクZmk1から第2マスクZmk2に変更する(タイミングT8)。その後、制御部33は、第2マスクZmk2≦パルス幅K1<第1マスクZmk1の場合、通常のモードから矩形波検出制御のモードに移行する(タイミングT9)。本実施形態の制御部33では、第2マスクZmk2≦パルス幅K1<第1マスクZmk1の場合、トライアック43のオフ制御が有効に動作すると想定して、印刷動作を継続する設定となっている。このため、第2マスクZmk2の設定値は、例えば、使用するトライアック43が有効に動作する電圧変化率の許容範囲に基づいて設定することができる。
図8に示すように、矩形波検出制御では、制御部33は、まず、印刷動作中であるか否かを判定する(S61)。制御部33は、印刷動作中であった場合(S61:YES)、定着リレー39をOFFし、定着駆動回路41へのトリガパルス信号Sbの供給も停止するとともに(定着器7OFF)、印刷中のシートのみの印刷を完了させる(S65)。制御部33は、定着器7の定着ローラ27を回転させ、シートに転写されたトナーを余熱で加熱溶融させてシートに定着させるとともに、シートを搬送経路の下流側に搬送し排紙トレイ9から排出する。
制御部33は、印刷中のシートを排出した後(S65)、あるいは印刷動作中でなかった場合(S61:NO)、温度センサ31Aの検出温度と、正常温度上限Bとを比較する(S63)。本実施形態の制御部33では、パルス幅K1が所定のマスク値の範囲内に収まると判定した場合に、印刷動作を継続できる可能性があるとして、各種温度(上限温度など)を下げて、且つ定着器7の通紙速度を低くして印刷動作を継続する。これは、通紙速度を低くすることで、単位時間あたりのシートによって奪われる定着器7の熱量を減少させることができ、定着器7において必要な熱量(温度)を抑えることが可能となるからである。
図9に示すように、矩形波検出制御における各種設定温度(正常温度上限Bなど)は、通常制御時の設定温度に比べて低くなっている。制御部33は、後述する次のS67において各種設定温度を低くするが、それに先立ち、まず、現状の温度が変更後の正常温度上限B以下であるか否かを判定する必要がある。これは、仮に、変更した時点で正常温度上限Bを超えているような場合には、ハロゲンヒータ31を加熱すると、検出温度が上限温度Bをすぐに超えることとなり、エラー停止となるからである。このため、制御部33は、S63において、現状の検出温度が変更後の正常温度上限Bを超えていると判定した場合(S63:NO)、定着リレー39をオフし、検出温度が正常温度上限B以下となるまで一時的に待機する(S69)。制御部33は、検出温度が上限温度B以下となるとS67以降の処理を開始する。
また、制御部33は、検出温度を正常温度上限B以下であると判定した場合(S63:YES)、電動モータ28(図2参照)等を制御し通紙速度を低下させるとともに、各種設定温度をAからBに低くする制御を実行する(S67)。例えば、制御部33は、シートを搬送する搬送速度を通常制御時の半分の速度まで遅くする。また、例えば、制御部33は、上限温度を、上限温度A(230℃)から上限温度B(185℃)まで下げる。また、例えば、制御部33は、印刷目標温度を、印刷目標温度A(191℃)から印刷目標温度B(150℃)まで下げる。そして、制御部33は、通紙速度及び各種設定温度を下げた状態で、定着リレー39をオンする(S67)。制御部33は、印刷ジョブ等がある場合には印刷動作を実行する。なお、図9に示すように、矩形波検出制御では、上限温度Bが定着器溶融温度に比べて低くなるため、定着器7の定着ローラ27の溶融等を防止しつつ、印刷動作を継続することが可能となっている。
次に、制御部33は、温度センサ31Aの検出温度が上限温度B以下であるか判定する(S71)。制御部33は、検出温度が上限温度B以下の場合(S71:YES)、ゼロクロスパルス信号Srのパルス幅K1及び周期C1(図4参照)をカウントする(S73)。制御部33は、パルス幅K1及び周期C1の少なくとも一方を許容される正常範囲外であると判定した場合(S75:NO)、矩形波検出制御を継続し(S79)、印刷動作を行いながらS71からの処理を再度実行する。
また、制御部33は、S71において、検出温度が上限温度Bを超えていると判定した場合(S71:NO)、故障を示すフラグを設定し(S77)、エラー停止を行う(図6のS43)。具体的には、制御部33は、例えば、レジスタの異常を示すステータスを設定する。あるいは、制御部33は、異常を示す情報(ビット値)を、メモリ33A(図2参照)の不揮発性メモリ(フラッシュメモリなど)に保存してもよい。この時点で異常を検出する場合には、矩形波による異常や、定着駆動回路41の故障など様々な場合があるため、制御部33は、フラグを設定しておき、上述したように次回の起動時に故障判定を実行する(図7参照)。
また、S75において、パルス幅K1が正常範囲内で、且つ周期C1が正常範囲内である状態が所定回数又は所定時間継続する場合(S75:YES)、制御部33は、入力電圧Vが正常に復帰したと判定し、通紙速度及び各種設定温度を通常制御時のもの(上限温度Aなど)に戻す処理を実行する(S81)。そして、制御部33は、図5のS17からの処理を再度実行する。なお、制御部33は、S81の通紙速度等を戻す際に、S61,S65と同様に、印刷動作中であるか否かを判定し、必要であれば定着リレー39のON・OFFや印刷中のシートの排出処理を実行してもよい。
また、制御部33は、S75の正常に復帰する判定処理では、パルス幅K1に加えて周期C1も正常であるか判定している。ゼロクロス生成回路37は、矩形波のような波形の傾きの急峻な入力電圧Vを入力すると、ゼロクロスタイミングに同期してゼロクロスパルス信号Srを生成できなくなる虞がある。従って、例えば、パルス幅K1が第2マスクZmk2より大きくなったとしても、ゼロクロスパルス信号Srの周期C1があまりにも長い場合には、ゼロクロス生成回路37がゼロクロスパルス信号Srをうまく生成できていない場合が考えられる。このため、本実施形態の制御部33では、矩形波検出制御に移行する判定条件に比べて、通常制御に移行する判定条件をより厳密にし、周期C1による判定も実施している。なお、制御部33は、他の判定処理(S23,S25,S37など)においても、パルス幅K1の判定に加えて周期C1による判定を実施してもよく、あるいはパルス幅K1の判定に替えて周期C1による判定を実施してもよい。
因みに、ハロゲンヒータ31は、ヒータの一例である。温度センサ31Aは、温度検出センサの一例である。制御部33は、制御装置の一例である。定着リレー39は、切替スイッチの一例である。トライアック43は、通電時間調整素子の一例である。ゼロクロスパルス信号Srは、ゼロクロス信号の一例である。上限温度Aは、第1上限温度の一例である。上限温度Bは、第2上限温度の一例である。入力電圧Vは、交流電圧の一例である。S23の処理は、第1判定処理の一例である。S43の処理は、通電停止処理の一例である。S67の処理は、上限温度低減処理、目標温度低減処理、通紙速度低減処理の一例である。S75の処理は、第2判定処理の一例である。S77の処理は、異常情報設定処理の一例である。S81の処理は、復帰処理の一例である。第1マスクZmk1は、第1閾値の一例である。第2マスクZmk2は、第2閾値の一例である。
以上、上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
<効果1>制御部33は、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であると判定した場合(図5のS23:YES)において、所定の条件を満たすと、上限温度を上限温度Aから上限温度Bまで下げる(S67)。これにより、本実施形態のプリンタ1では、矩形波の入力電圧Vの入力によってトライアック43のオフ制御が機能せずハロゲンヒータ31の温度が上昇した場合、温度センサ31Aの検出温度が低くした上限温度Bを超え易くなる。従って、制御部33は、変更前の上限温度Aのまま動作を継続する場合に比べて、より安全な段階でハロゲンヒータ31を停止することが可能となる。また、制御部33は、矩形波を検出しても直ちに停止せず、上限温度を下げ安全性を確保しながら印刷動作を継続する。これにより、制御部33は、正常な正弦波の入力電圧Vではないがトライアック43のオフ制御が有効に機能する入力電圧Vが入力された場合に、起動を停止することなく印刷動作を継続させ、印刷処理の生産性を向上させることが可能となっている。
<効果2>また、制御部33は、S67において、ハロゲンヒータ31によって定着ローラ27を加熱する際の印刷目標温度を、印刷目標温度Aから印刷目標温度Bまで下げる処理を実行する。これにより、制御部33は、上限温度を下げるのに合わせて印刷目標温度も下げることによって、変更後の印刷目標温度が上限温度を上回ることで動作が停止するといった不具合を防止することが可能となっている。
<効果3>また、制御部33は、S67において、定着器7の通紙速度を低くし、単位時間あたりのシートによって奪われる定着器7の熱量を減少させることによって、上限温度や印刷目標温度を下げたとしても、印刷動作を継続することが可能となっている。
<効果4>制御部33は、S67で通紙速度等を変更する前のS63において、現状の検出温度が変更後の正常温度上限Bを超えていると判定した場合(S63:NO)、定着リレー39をオフし、検出温度が正常温度上限B以下となるまで一時的に待機する(S69)。これにより、通紙速度を遅くして印刷動作を開始した際に、検出温度が上限温度Bを超え(S71:NO)、エラー停止(図6のS43)してしまうのを防止することが可能となっている。
<効果5>制御部33は、通紙速度を下げた状態で印刷動作を行っても、検出温度が上限温度Bを超えていると判定した場合(S71:NO)、トライアック43の故障等の可能性が高いため、エラー停止し(S43)安全性の確保を図っている。
<効果6>制御部33は、図8に示す矩形波検出制御を開始した際に、印刷動作中であった場合(S61:YES)、定着リレー39をOFFし、印刷中のシートのみの印刷を完了させる(S65)。これにより、印刷動作中に通紙速度を変更しないため、印刷中の画像にムラなどが発生するのを防止して印刷精度を維持できる。
<効果7>制御部33は、ゼロクロスパルス信号Srのパルス幅K1に基づいて電圧変化率を判定するが、第2マスクZmk2≦パルス幅K1<第1マスクZmk1を満たした場合に、矩形波検出制御を実行している。これにより、制御部33は、パルス幅K1が第2マスクZmk2未満であると所定時間継続して繰り返し判定していると判定した場合(図6のS41:YES)、エラー停止を行う(S43、図11のタイミングT5)ことによって、直流電圧などのゼロクロスが発生しない異常入力の場合の対応を迅速に行うことが可能となっている。
<効果8>制御部33は、図8のS71において、検出温度が上限温度Bを超えていると判定した場合、故障を示すフラグをレジスタに設定して終了する(S77)。また、次の起動時に、異常フラグが設定されていた場合(図5のS11:YES)、制御部33は、定着駆動回路41の故障を判定する処理を実行する(S13)。そして、制御部33は、故障していると判定した場合(図7のS57)、印刷動作を開始せず、ユーザにエラーを報知して適切な処理を促すことが可能となっている(図6のS43)。
<効果9>S75において、パルス幅K1が正常範囲内で、且つ周期C1が正常範囲内である状態が所定回数又は所定時間継続する場合(S75:YES)、制御部33は、入力電圧Vが正常に復帰したと判定し、通紙速度及び各種設定温度を通常制御時のもの(上限温度Aなど)に自動的に復帰させることが可能となっている(S81)。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。
例えば、上記実施形態における図5から図8に示したフローチャートの処理内容は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、図5のS31における処理を、ゼロクロスパルス信号Srの周期C1を用いて実行してもよい。図5のS31では、第1マスクZmk1未満のパルス幅K1が所定時間継続しているか否かを判定していた。これに対し、図13に示すように、ゼロクロスパルス信号Srの周期C1が所定の上限値を超えているか否かを判定してもよい(S91)。なお、以下の説明では、上記実施形態と同様の処理等については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
図13に示すように、制御部33は、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満であると判定すると(S23:YES)、パルス幅K1のカウント対象となったローレベルのゼロクロスパルス信号Srを無視して処理を継続する(S29)。この場合、ゼロクロスパルス信号Srの立ち上がりから次の立ち上がりまでの周期C1(図4参照)をカウントしていれば、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満となるローレベルのゼロクロスパルス信号Srからハイレベルのゼロクロスパルス信号Srへの立ち上がりは無視されるので、周期C1のカウント値は、徐々に増大し続けることとなる。従って、制御部33は、カウントした周期C1が所定の上限値を超えるか否かを判定することによっても、パルス幅K1が第1マスクZmk1未満となるローレベルのゼロクロスパルス信号Srの入力が継続しているかを、判定することが可能となる。このような構成においても、上記実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
同様に、他の処理、例えば、S25における処理を、ゼロクロスパルス信号Srの周期C1で判定してもよい。また、上記した各処理を、パルス幅K1と周期C1との両方を用いて判定してもよい。また、例えば、図8に示すS75においてパルス幅K1及び周期C1の両方を用いて判定したが、どちらか一方で判定してもよい。
また、上記実施形態では、図8に示す矩形波検出制御において、検出温度が上限温度Bを超えていると判定した場合(S71:NO)、故障フラグを設定した(S77)が、例えば、通常運転時において異常を検出して終了した場合に、故障フラグを設定してもよい。例えば、図13のS25において、パルス幅K1がマスク上限値Zmkmax以上にならない場合(S25:NO)に、制御部33は、S93を実行する。S93において検出温度が上限温度Aを超える状態が所定時間継続していると判定した場合(S93:YES)、制御部33は、故障フラグを設定し(S95)、エラー停止する(図6のS43)。このような構成では、例えば、通常運転時においてトライアック43が故障し異常終了した場合に、次の起動時に図7に示す故障判定処理を実行し、より安全に起動することが可能となる。
また、上記実施形態において、制御部33は、S67において通紙速度及び各種設定温度を下げる処理を実行したが、これに限らず、例えば、上限温度を上限温度Aから上限温度Bまで下げる処理のみを実行してもよい。
また、上記実施形態では、加熱装置30は、ハロゲンヒータ31を一つだけ備える構成であったが、複数のハロゲンヒータ31を備える構成でもよい。この場合、例えば、矩形波検出制御において、通紙速度を低下させずに上限温度のみを下げ、複数のヒータを駆動することで個々のヒータの温度上昇を抑制しつつ、印刷動作を継続させ、生産性の低下を防いでもよい。
また、制御部33は、S67の処理に先立って、ハロゲンヒータ31の温度を確認し、必要であればハロゲンヒータ31を冷やす処理を実行したが、これに限らず、確認や冷却をせずにS67を実行してもよい。
また、制御部33は、矩形波検出制御を開始した際に印刷動作中であった場合(S61:YES)、印刷中のシートを排紙する処理を実行したが、これに限らず、印刷しながら通紙速度を下げる処理を実行してもよい。
また、制御部33は、第1マスクZmk1と第2マスクZmk2との2種類のマスクを用いてパルス幅K1を判定したが、これに限らず、1種類のマスクのみで判定してもよい。
また、制御部33は、S75において、パルス幅K1を正常範囲内等であると判定した場合(S75:YES)、通紙速度等を自動で戻したが、これに限らず、設定を自動で戻さずにユーザにその旨を報知する処理を実行してもよい。
また、上記実施形態では、制御部33は、ゼロクロスパルス信号Srの立ち下がりを期間Twの開始の基準としたが、他のタイミング、例えば、ゼロクロスパルス信号Srの立ち上がり、あるいは立ち上がりと立ち下がりの中間のタイミング等を基準としてもよい。
また、上記実施形態では、ゼロクロスパルス信号Srの一例として、ゼロクロス検出範囲Uでアクティブ・ローとなる信号を例示した。しかしながら、ゼロクロスパルス信号Srは、入力電圧Vのゼロクロスタイミングに同期した信号であればよく、例えば、アクティブ・ハイとなる信号であってもよい。
また、本願におけるヒータは、ハロゲンヒータ31に限らず、ゼロクロスパルス信号Srに基づく通電制御によって発熱する他の素子、装置等でもよい。
また、上記実施形態では、本願の画像形成装置としてモノクロレーザプリンタ1を例に説明したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置は、カラー印刷が可能なカラーレーザプリンタ、カラーLEDプリンタや画像形成機能の他にFAX機能などを備えた複合機でもよい。