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JP6239556B2 - 木質構造材の接合構造及び木質構造材の接合構造を使用した建築物 - Google Patents

木質構造材の接合構造及び木質構造材の接合構造を使用した建築物 Download PDF

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本発明は隣接配置された木質構造材同士をジベルとボルト部材とを使用して接合するようにした木質構造材の接合構造及び木質構造材の接合構造を使用した建築物に関するものである。
従来から2つの隣接する木質構造材を接合(連結)するため、木質構造材の接合面に接合金具を配置するようにしている。
このような接合構造の接合方法が開示された文献として非特許文献1を示す。この文献において例えば最も簡単な接合構造としては図16(文献では図6−70)に示すものがある。これは斜材100を梁101上に固定する場合に斜材100と梁101にそれぞれ仕口102、103を形成し、収めた後で上下方向に通しボルト104を挿貫させて固定するものである。また、同様に図17(文献では図6−33)に示すものがある。これは接合面に図18のような底のないリングジベル105を木質構造材106の接合面間に埋設し、同時にリングジベル105内において両木質構造材106間に通しボルト107を挿貫させて固定するものである。
後藤一雄著,「木構造の計算」,鹿島出版会,昭和55年4月5日,p.178,p.206
このような接合構造において、剪断方向の力(接合面が相互にスライドする方向の力)を考えた場合、接合金具として上記の図16のような通しボルト104だけを使う場合に比べると図17のようなリングジベル105と通しボルト107の両方を配置するほうが剪断力に対して接合構造全体の剪断応力は低下する(接合構造部分の強度が向上する)。しかし、図17ではリングジベル105と通しボルト107は特に相互に強度的な向上に寄与するように関連することはなく別個に剪断力を受動するのみである。このようなことから複数種類の接合金具を用いた木質構造材の接合構造であって、従来に比べてより接合構造部分の強度が向上させることができる新たな手段が求められていた。
本発明の目的は、接合金具としてジベルとボルト部材を使用して従来の接合金具よりも剪断方向の力に対する剛性を高くすることができる木質構造材の接合構造及びそのような木質構造材の接合構造を使用した建築物を提供することにある。
上記目的を達成するために、手段1として、接合金具を間に介して第1の木質構造材と第2の木質構造材を接合するようにした木質構造材の接合構造において、前記接合金具として、周回状に内部を包囲した壁部を構成する挿入部と同挿入部に対して底又は中底位置に配置され少なくとも中央に透孔を有する板部とを有するジベルと、ボルト部材とを使用し、前記ジベルを前記第1の木質構造材と前記第2の木質構造材との接合面位置で少なくともいずれか一方に前記挿入部が埋設されるように配置し、前記ボルト部材を前記ジベルの前記板部の前記透孔に貫挿させた状態で前記第1の木質構造材と前記第2の木質構造材内に螺着させ、前記ボルト部材と前記板部との間に前記ボルト部材に作用する剪断力を前記板部に伝達するための剪断力伝達部材を配設するようにした。
このような構成とすることで、ボルト部材に作用する剪断力は剪断力伝達手段によってジベルの板部にも伝達されることとなる。もし、剪断力伝達手段がないとすると剪断力はジベルに対する回転力となるが、本発明ではそれが防止される。そして、ボルト部材にかかる剪断力に対してジベルの板部でもこの力に対する応力が発生することとなり応力が分散することとなるため、このようなボルト部材とジベルを使用した木質構造材の接合構造の剛性を高くすることができる。
ここに「ジベル」は周回状に包囲した外壁を構成する挿入部と同挿入部に対して底又は中底位置に配置され少なくとも中央に透孔を有する板部とを有するのであるが、この挿入部の平面形状は円形形状でなくともよいが、円形状(楕円形状を含む)である方がよりよい。また、挿入部は同じ高さで構成してもよく、木質構造材側への食い込みやすさから挿入端側を尖らせたり、あるいは鋸歯状に構成するように構成してもよい。周回状に包囲した外壁は必ずしも全周にかけて連続している必要はなく、その一部が切れていてもよい。ジベルの板部は中央に透孔を有することが必要条件であるが、他の透孔が板部に形成されていてもよい。板部は底又は中底位置に配置されるが、底とは一方の木質構造材側からみて皿の底板位置となることを言っているにすぎず、他方の木質構造材側からみてあたかも「蓋」に位置に配置される場合でも本発明の板部に相当する。中底位置に配置される場合には挿入部は第1及び第2の木質構造材の両方に埋設される必要があるが、中底でなければ挿入部をいずれか一方の木質構造材のみに埋設させることも可能となる。
ボルト部材と板部との間に配設される剪断力伝達部材は、ボルト部材又は板部と一体化していても、あるいは別体で構成されていてもよい。
ここで第1の木質構造材と第2の木質構造材としては、例えば柱と梁で代表されるような架構部材(その他、例えば根太、束、土台、垂木、母屋、桁、筋交いのような斜材等)であってもよく、単一の構造材を集成して接合するもの(例えば、複数の板材から柱や梁や壁の集成材を構成する場合等)であってもよい。
また、手段2として、前記ボルト部材は雄ネジ部と、同雄ネジ部とは別位置に形成したラグスクリュー部との2種類のボルト部を有し、前記第1の木質構造材及び前記第2の木質構造材のいずれか一方に前記雄ネジ部が螺着され、いずれか他方にラグスクリュー部が螺着されているようにした。
このようなボルト部材を使用した接合構造はラグスクリュー部によってしっかり木部にボルト部材が食い込んで固定されるため接合構造の剛性が向上する。ここに雄ネジ部とラグスクリュー部との2種類のボルト部を有するとは、例えば1本のボルト部材の異なる位置に複数の雄ネジ部を形成することを排除する意図ではない。
また、手段3として、前記剪断力伝達部材は前記ボルト部材の外周に配設された突起部材であるようにした。
つまり、ボルト部材の外周に配設された突起部がジベルの板部に当接してボルト部材にかかる剪断力が板部側に伝達されるということである。ボルト部材の木質構造材への埋設量(進出量)を調整して板部に当接させることができる。ここで「配設」とはボルト部材の外周にボルト部材に対して相対的に移動不能に、例えば溶接で固定される場合や相対的に移動可能であるがナット部材のようにボルト部材軸方向に移動可能でボルト部材の所定位置で移動不能に支持されるような場合の両方を含むものである。
また、手段4として、前記突起部材は前記ボルト部材の外周に前記雄ネジ部に螺合されたナット部材であり、同ナット部材は前記板部に対して押圧状態で前記ボルト部材に支持されるようにした。
ナット部材はボルト部材の軸方向に移動して所望の位置に配設(支持)されるため、このようにナット部材を板部に対して押圧状態とすることが可能となり、ボルト部材の木質構造材への埋設量を調整しなくともナット部材を移動させるだけで、ボルト部材と板部との間の剪断力の伝達を可能とし、また、ナット部材を板部に対して押圧状態とするように締結することでナット部材が緩まず、常にボルト部材からの剪断力が板部に伝達されることとなる。
また、手段5として、前記剪断力伝達部材は前記板部の前記透孔位置に一体形成された雌ネジ部材であるようにした。
つまり、板部の前記透孔位置に一体形成された雌ネジ部材がボルト部材に螺合されて連結状態となりボルト部材にかかる剪断力が板部側に伝達されるということである。雌ネジ部材であるためボルト部材の進出量に応じた任意の位置に螺合されることとなる。
また、手段6として、前記ジベルの前記挿入部は、前記第1の木質構造材及び前記第2の木質構造材の少なくとも一方に座堀りされた凹部内に埋設されるようにした。
このように座堀り(座ぐり)することでジベルの挿入部を凹部内に埋設するとともに、板部を木質構造材に干渉させることなく凹部の底位置に配置することができる。挿入部外周は凹部の内周に近接させ、できれば挿入部外周と凹部の内周とは密着した状態で配置されることがよい。
また、手段7として、前記ジベルの前記挿入部は前記第1の木質構造材と前記第2の木質構造材の両方に埋設され、前記板部は前記第1の木質構造材と前記第2の木質構造材との接合面位置に配置されるようにした。
このような構成であれば必ずしもジベルの取り付けのために第1の木質構造材及び第2の木質構造材の間にジベルを埋め込むための凹部をおおきく座堀りしなくともよい。
また、手段8として、前記ボルト部材の一端は前記第1の木質構造材又は前記第2の木質構造材を貫通して裏面側に突出させられており、前記ボルト部材の突出部分は突出した前記第1の木質構造材又は前記第2の木質構造材との間で前記ボルト部材の前記雄ネジ部とナット部材とによって締結されているようにした。
このような構成とすることで、ボルト部材は第1及び第2の木質構造材に対してしっかりと固定されることとなる。
本発明によれば、ボルト部材とジベルを使用した木質構造材の接合構造の剛性を高くすることができる。
本発明の実施形態の木造建築物のトラス構造を説明する部分正面図。 図1のトラス構造において斜材を梁に接合する際の接合部分周辺の分解斜視図。 同じく斜材を梁に接合した状態の斜視図。 斜材を梁に接合する際の手順であって、リングジベルを梁に埋設する直前の状態を説明するための要部断面図。 斜材を梁に接合する際の手順であって、リングジベル埋設した後に雄ネジ付きラグスクリューボルトを梁に埋設する直前の状態を説明するための要部断面図。 雄ネジ付きラグスクリューボルトを梁に埋設した後の状態を説明するための説明図。 梁への斜材の接合が完了した状態を説明する要部断面図。 実施の形態の斜材の第1の当接面側からの斜視図。 (a)はリングジベルの平面図、(b)は一部切り欠き側断面図。 実施の形態における雄ネジ付きラグスクリューボルトの正面図。 他の実施の形態の板材を接合する際の接合部分周辺の分解斜視図。 同じく板材を接合した状態の斜視図。 (a)及び(b)は他の実施の形態となるリングジベルの一部切り欠き側断面図。 他の実施の形態において斜材を梁に接合した状態の斜視図。 他の実施の形態の雄ネジ付きラグスクリューボルトの正面図。 従来の通しボルトを使用した斜材と梁との接合構造を説明する説明図。 従来の通しボルトを使用した木質構造材同士の接合構造を説明する説明図。 従来の底板のないリングジベルの斜視図。
以下、本発明の一実施の形態である木質構造材の接合構造及びそのような木質構造材の接合構造を使用した建築物について図面に基づいて説明する。
図1は木造建築物のトラス構造を構築している梁1と柱2と斜材3の繰り返し部分を示している。上下に平行に配置された梁1間に柱2が所定間隔で配置され、上方側の梁1と柱2の交差する位置から下方側の梁1と柱2の交差する位置へと斜めに斜材3が架設されている。
梁1は断面長方形形状の集成材から構成されている。本実施の形態では梁1は幅120mm、高さ150mmとして構成されている。柱2は上下の梁1の間に架設されている。上下の梁1に対してそれぞれ図示しない接合金具を介して接合されている。柱2は断面正方形形状のむく材から構成されており、本実施の形態では各辺120mmに構成されている。斜材3は断面長方形形状の集成材から構成されている。本実施の形態では斜材3は幅120mm、高さ150mmとして構成されている。
次に、図2〜図8に基づいて本実施の形態を使用した接合構造の一例として梁1と斜材3を第1の木質構造材と第2の木質構造材とした場合を説明する。ここでは、図1において円で囲んだ下方側の梁1への斜材3の接合構造について説明する。
図2に示すように、斜材3は施工時の取り付け角度に合わせて先端が斜めにカットされ、梁1上面に当接する第1の当接面4と、柱2の側面に当接する第2の当接面5が形成されている。図2及び図6に示すように、斜材3上面の第1の当接面4と対向する位置にはナット収容部7が座堀りされている。ナット収容部7は第1の当接面4と平行な平面となる底面7aを備えた平面視において長方形となる凹部として座堀りされている。図6及び図8に示すように、第1の当接面4にはジベル収容部8が形成されている。ジベル収容部8は平面視で円形の外形となる浅い皿状の凹部となるように座堀りされており、第1の当接面4と平行な平面となる底面(天井面と考えることもできる)8aを備えている。ジベル収容部8は後述するリングジベル11が隙間なく嵌合されるべく壁板部14外周と同径に構成されている。ナット収容部7の底面7aからジベル収容部8の底面8aにかけてボルト挿貫用の透孔6が形成されている。透孔6はそれぞれの底面7a、8aに直交し、ジベル収容部8の中央位置に開口されている。
図2及び図6に示すように、梁1の斜材3上面の第1の当接面4が当接される位置には、円形に周回する溝9が形成されている。溝9は後述するリングジベル11の壁板部14が嵌合されるべく壁板部14と同形状に構成されている。図5に示すように、溝9の中心位置には案内孔10が梁1の上面から2/3程度の深さまで穿設されている。
次に、このような加工が施された梁1と斜材3との接合に使用するための接合金具を説明する。
図2、図4〜図7、図9等に示すように、本実施の形態で使用するリングジベル11は同形状の2つの器状の合金製の同一形状の2つのカップ体12を面対称となるように接合して構成されている。各カップ体12は円形の外形を有する板部としての平板状の底板部13と底板部13の全周から直交方向に立ち上がる挿入部としての壁板部14から構成されている。本実施の形態のリングジベル11の外径は60mmとされ、リングジベル11の厚みは2.3mmとされている。底板部13と壁板部14とは接続部が不連続とならないように滑らかに接合されている(つまり接合領域の断面形状がカーブを描くように)。各カップ体12の底板部13中央には円形の透孔15が形成されている。透孔15の周囲には120度ずつずれた位置にネジ穴16が形成されている。両カップ体12は底板部13の底面によってネジ穴16を照合させた状態で底板部13で背中合わせとなるようにスポット溶接で連結されている。
図2、図5〜図7、図10等に示すように、ボルト部材としての雄ネジ付きラグスクリューボルト20(以下、ボルト20とする)は本体21の外周に雄ネジ部22とラグスクリュー部23が螺設されている。雄ネジ部22とラグスクリュー部23はそれぞれ異なる位置に隣接して配置され、略均等な長さで形成されている。本実施の形態ではボルト20の長さは238mmとされ、雄ネジ部22が120mm、ラグスクリュー部23が118mmとされている。
次に、このように構成されたリングジベル11とボルト20を使用した上記梁1と斜材3との接合方法について説明する。
本実施の形態では上記のようなリングジベル11とボルト20の2つの接合金具の外に、剪断力伝達部材としてプレス用ナット25を使用する。また、接合金具固定部材として大径ワッシャ26、小ワッシャ27、固定用ナット28、ネジ29等を使用する。
まず図4に示すように、梁1上面に形成した溝9に対してリングジベル11を嵌合させる。この際において壁板部14の断面形状は溝9形状と同じであるため、若干無理嵌め状にリングジベル11を溝11に装着することとなる。図5や図6に示すように下側となったカップ体12が溝9に嵌合された状態でその底板部13の裏面は梁1上面に密着する。そして、ネジ29を底板部13のネジ穴16位置で梁1側に締結し、リングジベル11を梁1に対して単独でしっかりと固定する。次にプレス用ナット25をボルト20の雄ネジ部22に螺着させ、ラグスクリュー部23との境界位置まで移動させる。ラグスクリュー部23は雄ネジ部22よりも径の大きなスクリューネジが形成されているため、プレス用ナット25はラグスクリュー部23側に移動することはできない。このようなプレス用ナット25が装着されたボルト20をラグスクリュー部23側が下側となるようにリングジベル11中央の透孔15位置に開口する案内孔10に対して下端を当接させた状態で支持し、図示しないトルクレンチでプレス用ナット25を把持して下方にプレスしながら時計回り方向に回動させていく、するとボルト20のラグスクリュー部23は案内孔10に案内されて梁1に埋設させられていく。ボルト20の梁1内への埋設は図6に示すようにプレス用ナット25がリングジベル11の上側のカップ体12の底板部13に当接することで完了する。そして所定のトルクでしっかりと締結する。締結完了状態でプレス用ナット25の上面はリングジベル11の上側のカップ体12の壁板部14の上端よりも下側位置にある(つまり、プレス用ナット25はリングジベル11よりも上方に突出しない)。このとき、プレス用ナット25は梁1に食い込むラグスクリュー部23との間で互いに引っ張り合う力が発生し、この力によってプレス用ナット25は底板部13に対して押圧状態で当接する。この状態で梁1側の接合準備が完了する。
次いで、図2に示すように、梁1と柱2の交差する位置の近傍に斜材3の下端側を接近させ、第1の当接面4のジベル収容部8がリングジベル11の上側のカップ体12を収容させ、同時にボルト20の雄ネジ部22が透孔6に挿入されるように導く。このように導いて斜材3の第1の当接面4を梁1上面に当接させることで斜材3はちょうど梁1と柱2との交差位置に載置されることになる。このとき、第2の当接面5は柱2の最下部位置に当接する。尚、このときジベル収容部8の深さは部材の干渉を防止するためリングジベル11の梁1上面における突出量よりも少なくとも同じあるいはそれ以上で形成されなくてはならない。
この状態で図3のようにボルト20の雄ネジ部22上部は斜材3の面から上方に突出することなくナット収容部7内に露出することとなる。そして、大径ワッシャ26、小ワッシャ27の順に雄ネジ部22に挿貫させ、最後に固定用ナット28によって大径ワッシャ26、小ワッシャ27ともどもナット収容部7の底面7aに押しつけるように所定のトルクでしっかりと締結する(図7の状態)。
このような構成とすることで、本実施の形態の木質構造材の接合構造では次のような効果が奏されることとなる。
(1)剪断方向の力(ここでは梁1に対して相対的に斜材3が水平方向に移動する力)がかかった際に、ボルト20はプレス用ナット25によってリングジベル11の底板部13に連結されているため、ボルト20にかかる応力が分散されることとなり、かつ剪断力によってリングジベル11に作用する回転力も分散されることとなるため、トータルとして梁1と斜材3との接合構造の剛性が高まる。
(2)ボルト20とリングジベル11とを剪断力が伝達できるような状態にすることをボルト20とリングジベル11の取り付けと同時ではなく後からプレス用ナット25を雄ネジ部22を伝って移動させることで実現するようにしているため、このような応力分散構造が簡単に実現できる。
(3)プレス用ナット25を雄ネジ部22を伝って移動させることで剪断力が伝達できる構造に簡単にできるようになっている。
(4)リングジベル11は梁1側と斜材3側の両方に埋設されるようになっているため、剪断力が分散でき接合構造の剛性が高まる。
(5)斜材3側はプレス用ナット25が配置される領域を確保するためにジベル収容部8として凹部状に削る必要があるが、梁1側はそのような必要がないため壁板部14が嵌合されるための溝9だけの構成として、極力欠込み部分を少なくして強度を上げるようにしている。
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施の形態では一例として梁1と斜材3との接合構造に具体化して説明したが、それ以外の木質構造材の接合構造に具体化するようにしてもよい。例えば、図11に示すように2枚の板材31を接合して厚みのある集成板材、あるいは集成柱材を構成する場合に、本発明を適用してもよい(図11では上記実施の形態と同じ構成部材については同じ符号を付して説明は省略する)。
・梁1と柱2とで実現してもよい。
・上記実施の形態ではボルト20側に剪断力伝達部材としてのプレス用ナット25を装着するようにしていた。しかし、図13(a)に示すようなリングジベル33を構成し、そのリングジベル33の透孔34の内周位置にフランジ状にボルト20の雄ネジ部22に螺合するような雌ネジ部35を一体的に形成するようにしてもよい。あるいは、13(b)に示すように、リングジベル37の透孔38の上にプレス用ナット25を溶接によって固定するようにしてもよい。つまり、リングジベル33、37側に剪断力伝達部材を形成するようにしてもよい。
・上記実施の形態のリングジベル11は梁1側と斜材3側の両方に埋設するために2つのカップ体12を接合して構成されていたが、カップ体12として例えば図13(b)のように片方だけで構成したリングジベル37としてもよい(上記実施の形態のリングジベル11に適用してもよい)。例えばこのリングジベル37を使用すると、図14に示すように、斜材3側にのみリングジベル37を埋設するように使用することとなる。
・上記実施の形態ではボルト20の雄ネジ部22にプレス用ナット25螺着させていたが、例えば、図15のようにボルト20の雄ネジ部22とラグスクリュー部23の間に一体的に剪断力伝達部材(突起部材)としてのナット部41を形成するようにしてもよい。レンチでの掴みやすさを考慮するとナット部35のような六角形状がよいが、その他掴みやすい形状で剪断力伝達部材(突起部材)を一体的にボルト20に形成するようにしてもよい。
・上記ではプレス用ナット25は一般的な六角ナットとしたが、内周に雌ネジが形成された六角ナット以外の外形の部材であってもよい。例えば、六角以外の例えば五角ナットとしたり、特殊なレンチのみで回動させられるような異形形状の外形としたりしてもよい。また、例えば、図13(b)のような使用でのプレス用ナット25はそれ自体を回動させるものではないので外形はどのようなものであってもよい。例えば壁部は周回状に包囲されていれば真円形状でなくともよい。
・上記におけるリングジベル11、33、37の構成は一例である。
その他本発明はその趣旨を逸脱しない態様で変更して実施することは自由である。
1…第1の木質構造材としての梁、3…第2の木質構造材としての斜材、11…ジベルとしてのリングジベル、13…板部としての底板部、14…挿入部としての壁板部、15…透孔、20…ボルト部材としての雄ネジ付きラグスクリューボルト、25…剪断力伝達部材としてのプレス用ナット。

Claims (7)

  1. 接合金具を間に介して第1の木質構造材と第2の木質構造材を接合するようにした木質構造材の接合構造において、
    前記接合金具として、周回状に内部を包囲した壁部を構成する挿入部と同挿入部に対して底又は中底位置に配置される透が形成された板部とを有するジベルと、
    雄ネジ部と、同雄ネジ部とは別位置に形成したラグスクリュー部との2種類のボルト部を有するボルト部材と使用され
    前記ジベル前記第1の木質構造材と前記第2の木質構造材との接合面位置で少なくともいずれか一方に前記挿入部が埋設されるように配置され、前記ボルト部材は前記ジベルの前記板部の前記透孔に貫挿さた状態で、前記ラグスクリュー部が前記第1の木質構造材と螺着されるとともに、前記ボルト部材の一端が前記第2の木質構造材を貫通して裏面側に突出させられており、その突出部分に形成された前記雄ネジ部に対してナット部材が締結され、
    前記ボルト部材と前記板部との間に前記ボルト部材に作用する剪断力を前記板部に伝達するための剪断力伝達部材を配設するようにしたことを特徴とする木質構造材の接合構造。
  2. 前記剪断力伝達部材は前記ボルト部材の外周に配設された突起部材であることを特徴とする請求項1に記載の木質構造材の接合構造。
  3. 前記突起部材は前記ボルト部材の外周に前記雄ネジ部に螺合されたナット部材であり、同ナット部材は前記板部に対して押圧状態で前記ボルト部材に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の木質構造材の接合構造。
  4. 前記剪断力伝達部材は前記板部の前記透孔位置に一体形成された雌ネジ部材であることを特徴とする請求項に記載の木質構造材の接合構造。
  5. 前記ジベルの前記挿入部は、前記第1の木質構造材及び前記第2の木質構造材の少なくとも一方に座堀りされた凹部内に埋設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の木質構造材の接合構造。
  6. 前記ジベルの前記挿入部は、前記第1の木質構造材前記第2の木質構造材の両方に埋設され、前記板部は前記第1の木質構造材と前記第2の木質構造材との接合面位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の木質構造材の接合構造。
  7. 請求項1〜6の木質構造材の接合構造を使用した建築物
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