JP6239456B2 - 蛍光体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、LED照明として、励起光源として有望と考えられている、青色光または近紫外光を放出するInGaN系半導体チップ上に、シリコン樹脂等の中に蛍光体を分散したものを滴下して、チップを蛍光体で被覆するものが開発されている。この場合、InGaN系半導体チップが放出する光と、このチップが放出する光によって励起される蛍光体が発する光とで色味を調整する。
例えば、古くから使用されていた蛍光ランプにおいて、1μm未満の微粒子蛍光体は十μm程度の蛍光体より、その塗布性能に優れ、塗布量が少なくてすむ傾向があった。ここ十数年で立ち上がってきたLED照明パッケージにおいても同様であり、1μm未満の微粒子蛍光体は十μm程度の蛍光体より分散性に優れ搭載量が少なく、かつ、光分散性が向上するといった大きな長所を有している。
例えば、特許文献1では、先ず、平均粒径がそれぞれ50nm以下の蛍光体原料粉末の混合物からなる蛍光体前駆体粉末を用意する。蛍光体原料粉末として、例えば、窒化ケイ素粉末が用いられる。この蛍光体前駆体粉末に溶媒を加えてスラリーを形成する。その後、このスラリーに有機バインダを添加する。その後、有機バインダが添加されたスラリーを噴霧乾燥法により乾燥して粒径2μm以下の顆粒を形成する。このようにして形成された顆粒を焼成することにより、目的とする蛍光体を得る。特許文献1に開示された方法では、噴霧乾燥法により形成される蛍光体前駆体粉末の粒径2μm以下の顆粒を焼成すると、前駆体粉末が焼結した状態になる。このため、粒径の小さい蛍光体粒子を合成することは困難である。また、粒径2μm以下の顆粒とするために有機バインダを使用しているため、焼成によっても除去しきれない炭素が蛍光体の発光特性を阻害する恐れがある。また、Eu等の賦活元素の化合物と、賦活元素が置換されるサイトを提供するアルカリ土類金属元素の化合物とが別々に原料として用意されているため、焼成によりEuがアルカリ土類金属元素のサイト中に十分に分散することが困難である。これらの結果、得られる蛍光体の発光効率が低くなる。
特許文献2では、蛍光体原料からなる前駆体粒子の混合物を形成する。前駆体粒子の少なくとも1つは、平均1次粒子サイズが100nmより小さい。平均1次粒子サイズが100nmより小さい前駆体粒子として、例えば、窒化ケイ素粒子が用いられる。その後、この混合物を焼成して、固相反応により、目的とする蛍光体を得る。特許文献2に開示された方法では、前駆体粒子の混合物を焼成して得られた蛍光体は、シリコン窒化物粒子やシリコンオキシ窒化物粒子の堆積物である。このため、1次粒子同士の固着などにより、粒径の小さい蛍光体粒子を合成することは困難である。また、特許文献1の場合と同様、賦活元素の化合物とアルカリ土類金属元素の化合物とが別々に用意されているため、粒子がサブミクロンに達するまでの間に十分なEuの分散がおこっていないため発光効率が低くなる。
アルカリ土類金属元素、ケイ素および賦活剤元素を含有する窒化物および酸窒化物の少なくとも一方を含む蛍光体であって、
体積平均粒径が50nm以上400nm以下であり、励起波長450nmにおける内部量子効率が60%以上である蛍光体。
当該蛍光体は、組成式MSi2O2N2で表わされ、
前記酸窒化物は、SrSi2O2N2と同じ結晶構造を有し、
前記元素Mは、Ca、Sr、BaおよびMgからなる群から少なくともSrを含んで選択される1種類以上のアルカリ土類金属元素とEuおよびCeからなる群から少なくともEuを含んで選択される1種類以上の賦活剤元素とを有し、元素Mの合計に対して、15モル%以上99モル%以下のSrと1モル%以上20モル%以下の賦活剤元素とを有する構成1に記載の蛍光体。
体積平均粒度分布指標が1.20以上1.35以下である構成1または2に記載の蛍光体。
前記酸窒化物と異なる結晶構造を有するケイ素含有化合物を含み、
前記酸窒化物は、前記酸窒化物と前記ケイ素含有化合物との合計に対して、50質量%以上含まれる構成2または3に記載の蛍光体。
アルカリ土類金属元素、ケイ素および賦活剤元素を含有する窒化物および酸窒化物の少なくとも一方を含む蛍光体の製造方法であって、
窒化ケイ素粒子と、前記窒化ケイ素粒子の表面に堆積されたアルカリ土類金属元素を含有する化合物と賦活剤元素を含有する化合物とを含み、体積平均粒径が250nm以下である蛍光体前駆体粒子を準備する前駆体準備工程と、
前記蛍光体前駆体粒子を焼成する焼成工程と
を含む蛍光体の製造方法。
前記前駆体準備工程は、窒化ケイ素粒子とアルカリ土類金属元素を含有する物質と賦活剤元素を含有する物質とを含む懸濁液に湿式化学法を適用して、前記窒化ケイ素粒子の表面に、前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物および前記賦前記活剤元素を含有する化合物が混ざり合って堆積された蛍光体前駆体粒子を形成する前駆体形成工程を含む構成5に記載の蛍光体の製造方法。
前記蛍光体前駆体粒子は、窒化ケイ素粒子と、前記窒化ケイ素粒子の表面に堆積されたCa、Sr、BaおよびMgからなる群から少なくともSrを含んで選択される1種類以上の前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物ならびにEuおよびCeからなる群から少なくともEuを含んで選択される1種類以上の前記賦活剤元素を含有する化合物とを、アルカリ土類金属元素および賦活剤元素の合計とケイ素のモル比が1:1.4から1:2.86の範囲で含み、
前記蛍光体前駆体粒子は、アルカリ土類金属元素および賦活剤元素の合計に対して、15モル%以上99モル%以下のSrと1モル%以上20モル%以下の賦活剤元素とを有する構成5に記載の蛍光体の製造方法。
前記前駆体準備工程は、
窒化ケイ素粒子とCa、Sr、BaおよびMgからなる群から少なくともSrを含んで選択される1種類以上のアルカリ土類金属元素を含む物質とEuおよびCeからなる群から少なくともEuを含んで選択される1種類以上の賦活剤元素を含む物質とを、アルカリ土類金属元素および賦活剤元素の合計とケイ素のモル比が1:1.4から1:2.86の範囲で含む懸濁液を形成する懸濁液形成工程と、
前記懸濁液に湿式化学法を適用して、前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物と前記賦活剤元素を含有する化合物とを析出させ、前記窒化ケイ素粒子の表面に、前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物および前記賦活剤元素を含有する化合物が混ざり合って堆積された蛍光体前駆体粒子を形成する前駆体形成工程とを含み、
前記懸濁液は、アルカリ土類金属元素および賦活剤元素の合計に対して、15モル%以上99モル%以下のSrと1モル%以上20モル%以下の賦活剤元素とを有する構成7に記載の蛍光体の製造方法。
前記湿式化学法は、共沈法およびクエン酸塩法の少なくとも一方である構成6または8に記載の蛍光体の製造方法。
前記湿式化学法は共沈法である構成9に記載の蛍光体の製造方法。
前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物および前記賦活剤元素を含有する化合物は、それぞれ、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、カルボン酸塩、シュウ酸塩、硫酸塩、有機金属化合物および水酸化物からなる群から選択される1種類以上の化合物を含む構成5から10のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物および前記賦活剤元素を含有する化合物は、それぞれ、炭酸塩および水酸化物からなる群から選択される1種類以上の化合物を含む構成11に記載の蛍光体の製造方法。
前記窒化ケイ素粒子は150nm以下の体積平均粒径を有する構成5から12のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
前記窒化ケイ素粒子は非晶質である構成5から13のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
前記焼成工程は、水素と窒素との混合ガス雰囲気またはアンモニアと窒素との混合ガス雰囲気の下、1150℃以上1650℃以下の温度で行う構成5から14のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
本発明によって得られる蛍光体は、アルカリ土類金属元素、ケイ素および賦活剤として機能する元素(以下、賦活剤元素という)を含有する窒化物および酸窒化物の少なくとも一方を含むものである。蛍光体は、窒化物のみを含む場合であってもよいし、窒化物のみを含む場合であってもよい。また、窒化物および酸窒化物の両方を含む場合であってもよい。また、窒化物および酸窒化物の他に、蛍光体の発光特性に悪影響を及ぼさない範囲で不純物を含む場合であってもよい。
上述した本発明の対象となる蛍光体であるアルカリ土類金属元素とケイ素とを含有する窒化物および酸窒化物の少なくとも一方を含む蛍光体は、蛍光体前駆体粒子を準備する前駆体準備工程と、蛍光体前駆体粒子を焼成する焼成工程とにより製造される。
原料として、窒化ケイ素粒子と、アルカリ土類金属元素を含有する物質とを用いる。また、蛍光体の発光特性を向上させるために、賦活剤元素を含有する物質を用いる。
目的組成のアルカリ土類金属元素とケイ素とを含有する窒化物や酸窒化物を得るべく、原料として、窒化ケイ素粒子と、アルカリ土類金属元素を含有する物質と、賦活剤元素を含有する物質とを所定の割合で含む懸濁液を形成する。
得られた懸濁液に湿式化学法を適用して、窒化ケイ素粒子の表面に、アルカリ土類金属元素を含有する化合物および賦活剤元素を含有する化合物が混ざり合って堆積された、体積平均粒径が250nm以下、より具体的には210nm以下である蛍光体前駆体粒子を形成する。
得られた蛍光体前駆体粒子を焼成する。焼成は、目的組成のアルカリ土類金属元素、ケイ素および賦活剤元素を含有する窒化物や酸窒化物を含む蛍光体が、発光特性の優れた小粒径の蛍光体として得られる焼成条件で行う。
上述した製造方法により得られる、アルカリ土類金属元素、ケイ素および賦活剤元素を含有する窒化物および酸窒化物の少なくとも一方を含む蛍光体は、体積平均粒径が50nm以上400nm以下、より具体的には100nm以上350nm以下であり、励起波長450nmにおける内部量子効率が60%以上、より具体的には70%以上である。このため、この蛍光体は、発光特性に優れており、小粒径である。
本発明によって得られる蛍光体は、LED照明やディスプレイ等の光変換装置に用いることができる。また、粒子径が400nm以下と微細であることから従来からある顔料の代替としても用いることができる。
実施例および比較例において、ELS−Z1000ZS(大塚電子製)を用いて、粒子の粒度分布を測定した。測定には、試料をエタノールまたは水に分散させ、超音波により30秒以上分散させた測定用サンプルを用いた。測定された粒子の粒度分布を基にして、分割された粒度範囲に含まれる粒子が占める体積を小径側から累積していき、累積16%となる粒径をD16V、累積50%となる粒径をD50V、累積84%となる粒径をD84Vと規定した。このとき、D50Vを体積平均粒径と定義し、D84V/D16Vを体積平均粒度分布指標PSDVと定義する。
また、測定された粒子の粒度分布を基にして、分割された粒度範囲に含まれる粒子個数を小径側から累積していき、累積50%となる粒径を数平均粒径と定義する。
実施例および比較例において、蛍光分光光度計F−7000(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、励起発光スペクトルを測定した。
実施例において、絶対PL量子収率測定装置(浜松フォトニクス製)を用いて、内部量子効率を測定した。測定には、0.1gの試料を用いた。測定は励起波長450nmで行った。
実施例において、走査電子顕微鏡(SEM)SU8020(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、粒子の観察を行った。
実施例および比較例において、ICP−MS(アジレントテクノロジー製)およびICP−AES(島津製作所製)を用いて、金属元素分析を行った。金属元素分析には、試料を融剤(ホウ砂:炭酸ソーダ=1:1)を用いてアルカリ融解した後、塩酸を添加して定容した測定用サンプルを用いた。ユウロピウムの分析はICP−MS(アジレントテクノロジー製)で行い、それ以外の金属元素の分析はICP−AES(島津製作所製)で行った。
実施例および比較例において、X線回折装置スマートラボ(リガク製)を用いて、粉末X線回折を行った。粉末X線回折において、CuKαを線源として用いた。粉末X線回折によって得られたX線回折スペクトルを解析することにより、試料中に形成されている無機化合物の定性分析と定量分析とを行った。
[前駆体準備工程]
(懸濁液形成工程)
原料として、体積平均粒径D50Vが50nmの非晶質の窒化ケイ素粒子(シグマアルドリッチ製)と、硝酸ストロンチウム(キシダ化学製)と、硝酸ユウロピウム6水和物(キシダ化学製)とを用いた。
炭酸水素アンモニウム(キシダ化学製)を水に溶解し、共沈剤として、濃度0.158mol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液216mlを形成した。
得られた蛍光体前駆体粒子を、以下の手順で焼成した。先ず、得られた蛍光体前駆体粒子を窒化ホウ素製のるつぼに充填した。その後、蛍光体前駆体粒子が充填されたるつぼを、メタル炉である真空雰囲気炉(ネムス製)内に入れた。るつぼを炉内に入れた後、先ず、拡散ポンプにより炉内を真空とした。その後、炉内を室温から1100℃まで毎時300℃の速度で昇温した。その後、炉内温度を1100℃に保持したまま、水素4体積%、窒素96体積%の混合ガスを炉内に導入して、炉内圧力を大気圧程度まで戻した。その後、炉内を毎時300℃の速度で1450℃まで昇温し、炉内温度を1450℃に3時間保持して、蛍光体前駆体粒子を焼成して、焼成品を得た。
得られた蛍光体前駆体粒子を走査電子顕微鏡を用いて観察した。図1は蛍光体前駆体粒子を走査電子顕微鏡(SEM)により観察して得られた画像を示す。図1には、粒径100nm程度の粒子が多数見られる。このことから、窒化ケイ素粒子の表面に、ストロンチウムの炭酸塩およびユウロピウムの水酸化物が堆積していることが確認できた。
得られた焼成品の励起発光スペクトルを測定した。図2は実施例1の焼成品の励起発光スペクトルを示す。図2の横軸は波長であり、縦軸は強度である。励起発光スペクトルから、200nm以上の紫外光から500nm以下の可視光までの広い波長範囲の光によって励起され、発光ピーク波長が550nmの黄緑色光であることが分かった。このことから、得られた焼成品は可視光で励起される蛍光体であることが確認できた。
原料として、体積平均粒径D50Vが50nmの非晶質の窒化ケイ素粒子(シグマアルドリッチ製)と、硝酸ストロンチウム(キシダ化学製)と、硝酸カルシウム4水和物(キシダ化学製)と、硝酸ユウロピウム6水和物(キシダ化学製)とを用いた。組成式Eu0.1Sr0.45Ca0.45Si2O2N2で表わされる酸窒化物を得るべく、窒化ケイ素粒子と硝酸ストロンチウムと硝酸カルシウム4水和物と硝酸ユウロピウム6水和物とを、それぞれ27.537質量%、28.040質量%、31.289質量%、13.134質量%となるように秤量した。このように秤量すると、懸濁液および蛍光体前駆体粒子には、Sr、CaおよびEuの合計とケイ素とのモル比が1:2で含まれ、また、Sr、CaおよびEuの合計に対して、45モル%のSrと10モル%のEuとが含まれる。
実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子を得た。また、蛍光体前駆体粒子を、アンモニア4体積%、窒素96体積%の混合ガス雰囲気の下で焼成した以外は、実施例1と同様の方法により焼成し、焼成品を得た。
実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子を得た。また、蛍光体前駆体粒子を、1250℃で焼成した以外は、実施例1と同様の方法により焼成し、焼成品を得た。
実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子を得た。また、蛍光体前駆体粒子を、1550℃で焼成した以外は、実施例1と同様の方法により焼成し、焼成品を得た。
組成式Eu0.1Sr0.7Ca0.2Si2O2N2で表わされる酸窒化物を得るべく、窒化ケイ素粒子と硝酸ストロンチウムと硝酸カルシウム4水和物と硝酸ユウロピウム6水和物とを、それぞれ28.043質量%、44.420質量%、14.162質量%、13.375質量%となるように秤量した以外は、実施例2と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子および焼成品を得た。
組成式Eu0.1Sr0.2Ca0.7Si2O2N2で表わされる酸窒化物を得るべく、窒化ケイ素粒子と硝酸ストロンチウムと硝酸カルシウム4水和物と硝酸ユウロピウム6水和物とを、それぞれ27.048質量%、12.241質量%、47.809質量%、12.901質量%となるように秤量した以外は、実施例2と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子および焼成品を得た。
組成式Eu0.15Sr0.85Si2O2N2で表わされる酸窒化物を得るべく、窒化ケイ素粒子と硝酸ストロンチウムと硝酸ユウロピウム6水和物とを、それぞれ27.481質量%、52.858質量%、19.661質量%となるように秤量した以外は、実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子および焼成品を得た。
組成式Eu0.05Sr0.95Si2O2N2で表わされる酸窒化物を得るべく、窒化ケイ素粒子と硝酸ストロンチウムと硝酸ユウロピウム6水和物とを、それぞれ29.514質量%、63.447質量%、7.039質量%となるように秤量した以外は、実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子および焼成品を得た。
原料として、数平均粒径500nmの結晶性窒化ケイ素(高純度化学製)を微粉砕機(アシザワ・ファインテック社製LMZ015)により粉砕して得られた、体積平均粒径D50Vが110nmの窒化ケイ素粒子を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子および焼成品を得た。
原料として、体積平均粒径D50Vが25nmの非晶質の窒化ケイ素粒子(HEFEI KAIER NANOMETER ENERGY & TECHNOLOGY CO., LTD製)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子および焼成品を得た。
原料として、体積平均粒径D50Vが195nmの結晶質の窒化ケイ素粒子(宇部興産製)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子および焼成品を得た。
実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子を得た。また、蛍光体前駆体粒子を、窒素100体積%のガス雰囲気の下で焼成した以外は、実施例1と同様の方法により焼成し、焼成品を得た。
実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子を得た。また、蛍光体前駆体粒子を、1100℃で焼成した以外は、実施例1と同様の方法により焼成し、焼成品を得た。
実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子を得た。また、蛍光体前駆体粒子を、1700℃で焼成した以外は、実施例1と同様の方法により焼成し、焼成品を得た。
実施例2と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子を得た。また、蛍光体前駆体粒子を、1700℃で焼成した以外は、実施例1と同様の方法により焼成した。
組成式Eu0.1Sr0.1Ca0.8Si2O2N2で表わされる酸窒化物を得るべく、窒化ケイ素粒子と硝酸ストロンチウムと硝酸カルシウム4水和物と硝酸ユウロピウム6水和物とを、それぞれ26.858質量%、6.078質量%、54.254質量%、12.810質量%となるように秤量した以外は、実施例2と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子を得た。また、蛍光体前駆体粒子を、実施例1と同様の方法により焼成した。
組成式Eu0.005Sr0.995Si2O2N2で表わされる酸窒化物を得るべく、窒化ケイ素粒子と硝酸ストロンチウムと硝酸ユウロピウム6水和物とを、それぞれ30.530質量%、68.741質量%、0.728質量%となるように秤量した以外は、実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子および焼成品を得た。
組成式Eu0.25Sr0.75Si2O2N2で表わされる酸窒化物を得るべく、窒化ケイ素粒子と硝酸ストロンチウムと硝酸ユウロピウム6水和物とを、それぞれ25.710質量%、43.634質量%、30.657質量%となるように秤量した以外は、実施例1と同様の方法により、蛍光体前駆体粒子および焼成品を得た。
組成式Eu0.1Sr0.45Ba0.45Si2O2N2で表わされる市販の酸窒化物蛍光体(北京中村宇▲極▼科技有限公司製)を用いた。
比較例9で用いた市販の酸窒化物蛍光体をビーズミルで粉砕し、分級することにより、サブミクロンサイズの酸窒化物蛍光体を得た。
図5は蛍光体の体積平均粒径D50Vと励起波長450nmにおける内部量子効率との関係を示すグラフである。図5の横軸は蛍光体の体積平均粒径D50Vであり、縦軸は蛍光体の励起波長450nmにおける内部量子効率である。図5中、ダイヤモンド形状の点は実施例1−11を示し、四角形状の点a,bは比較例9,10を示す。
Claims (10)
- アルカリ土類金属元素、ケイ素および賦活剤元素を含有する酸窒化物を含む蛍光体であって、
体積平均粒径が50nm以上400nm以下であり、励起波長450nmにおける内部量子効率が60%以上であり、
当該蛍光体は、組成式MSi 2 O 2 N 2 で表わされ、
前記酸窒化物は、SrSi 2 O 2 N 2 と同じ結晶構造を有し、
前記元素Mは、Ca、Sr、BaおよびMgからなる群から少なくともSrを含んで選択される1種類以上のアルカリ土類金属元素とEuおよびCeからなる群から少なくともEuを含んで選択される1種類以上の賦活剤元素とを有し、元素Mの合計に対して、15モル%以上99モル%以下のSrと1モル%以上20モル%以下の賦活剤元素とを有し、
体積平均粒度分布指標が1.21以上1.32以下であり、
前記酸窒化物と異なる結晶構造を有するケイ素含有化合物を含み、
前記酸窒化物は、前記酸窒化物と前記ケイ素含有化合物との合計に対して、50質量%以上含まれる蛍光体。 - アルカリ土類金属元素、ケイ素および賦活剤元素を含有する酸窒化物を含む蛍光体の製造方法であって、
窒化ケイ素粒子とアルカリ土類金属元素を含有する物質と賦活剤元素を含有する物質とを含む懸濁液に湿式化学法を適用して、前記窒化ケイ素粒子の表面に、前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物および前記賦活剤元素を含有する化合物が混ざり合って堆積され、体積平均粒径が250nm以下である蛍光体前駆体粒子を準備する前駆体準備工程と、
前記蛍光体前駆体粒子を焼成する焼成工程と
を含み、
前記焼成工程は、水素と窒素との混合ガス雰囲気またはアンモニアと窒素との混合ガス雰囲気の下、1150℃以上1650℃以下の温度で行い、
前記蛍光体前駆体粒子は、アルカリ土類金属元素および賦活剤元素の合計に対して、15モル%以上99モル%以下のSrと1モル%以上20モル%以下の賦活剤元素とを有し、
当該蛍光体は、組成式MSi 2 O 2 N 2 で表わされ、
前記酸窒化物は、SrSi 2 O 2 N 2 と同じ結晶構造を有し、
前記元素Mは、Ca、Sr、BaおよびMgからなる群から少なくともSrを含んで選択される1種類以上のアルカリ土類金属元素とEuおよびCeからなる群から少なくともEuを含んで選択される1種類以上の賦活剤元素とを有する蛍光体の製造方法。 - 前記蛍光体前駆体粒子は、窒化ケイ素粒子と、前記窒化ケイ素粒子の表面に堆積されたCa、Sr、BaおよびMgからなる群から少なくともSrを含んで選択される1種類以上の前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物ならびにEuおよびCeからなる群から少なくともEuを含んで選択される1種類以上の前記賦活剤元素を含有する化合物とを、アルカリ土類金属元素および賦活剤元素の合計とケイ素のモル比が1:1.4から1:2.86の範囲で含む請求項2に記載の蛍光体の製造方法。
- 前記前駆体準備工程は、
窒化ケイ素粒子とCa、Sr、BaおよびMgからなる群から少なくともSrを含んで選択される1種類以上のアルカリ土類金属元素を含む物質とEuおよびCeからなる群から少なくともEuを含んで選択される1種類以上の賦活剤元素を含む物質とを、アルカリ土類金属元素および賦活剤元素の合計とケイ素のモル比が1:1.4から1:2.86の範囲で含む懸濁液を形成する懸濁液形成工程と、
前記懸濁液に湿式化学法を適用して、前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物と前記賦活剤元素を含有する化合物とを析出させ、前記窒化ケイ素粒子の表面に、前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物および前記賦活剤元素を含有する化合物が混ざり合って堆積された蛍光体前駆体粒子を形成する前駆体形成工程とを含み、
前記懸濁液は、アルカリ土類金属元素および賦活剤元素の合計に対して、15モル%以上99モル%以下のSrと1モル%以上20モル%以下の賦活剤元素とを有する請求項3に記載の蛍光体の製造方法。 - 前記湿式化学法は、共沈法およびクエン酸塩法の少なくとも一方である請求項2または4に記載の蛍光体の製造方法。
- 前記湿式化学法は共沈法である請求項5に記載の蛍光体の製造方法。
- 前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物および前記賦活剤元素を含有する化合物は、それぞれ、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、カルボン酸塩、シュウ酸塩、硫酸塩、有機金属化合物および水酸化物からなる群から選択される1種類以上の化合物を含む請求項2から6のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
- 前記アルカリ土類金属元素を含有する化合物および前記賦活剤元素を含有する化合物は、それぞれ、炭酸塩および水酸化物からなる群から選択される1種類以上の化合物を含む請求項7に記載の蛍光体の製造方法。
- 前記窒化ケイ素粒子は150nm以下の体積平均粒径を有する請求項2から8のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
- 前記窒化ケイ素粒子は非晶質である請求項2から9のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
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