JP6237850B2 - トナー用ポリエステル樹脂 - Google Patents
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なお、ビスフェノールA誘導体としては、たとえば、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
1価のカルボン酸化合物としては、安息香酸、p−メチル安息香酸等の炭素数30以下の芳香族カルボン酸や、ステアリン酸、ベヘン酸等の炭素数30以下の脂肪族カルボン酸等や、桂皮酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和二重結合を分子内に一つ以上有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
示差走差熱量計(島津製作所製DSC−60)を用いて、昇温速度5℃/minにおけるチャートのベースラインと吸熱カーブの接線との交点から測定した。測定試料は10mg±0.5mgをアルミパン内に計量し、ガラス転移温度以上の100℃で10分融解後、ドライアイスを用いて急冷却処理したサンプルを用いて行った。
フローテスター(島津製作所社製CFT−500D)を用いて、1mmφ×10mmのノズル、荷重294N、昇温速度3℃/minの等速昇温下で、樹脂サンプル1.0g中の4mmが流出したときの温度を測定した。
サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(A(g))、ベンジルアルコール10mlを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し樹脂を溶解した。室温まで放冷後、ベンジルアルコール10ml、クロロホルム20ml、フェノールフタレイン溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=B(ml)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(ml))、以下の式に従って算出した。
酸価(mgKOH/g)=(B−C)×0.02×56.11×p÷A
<分子量:ピーク分子量(Mp)、質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)>GPC法により、得られた溶出曲線のピーク値に相当する保持時間から、ピーク分子量(Mp)を標準ポリスチレン換算により求めた。なお、溶出曲線のピーク値とは、溶出曲線が極大を示す点であり、極大値が2点以上ある場合は、溶出曲線が最大値を与える点のことである。
装置:東洋ソーダ工業(株)製、HLC8020
カラム:東洋ソーダ工業(株)製、TSKgelGMHXL(カラムサイズ:7.8mm(ID)×30.0cm(L))を3本直列に連結
オーブン温度:40℃
溶離液:THF
試料濃度:4mg/10mL
濾過条件:0.45μmテフロン(登録商標)メンブレンフィルターで試料溶液を濾過
流速:1mL/分
注入量:0.1mL
検出器:RI
検量線作成用標準ポリスチレン試料:東洋ソーダ工業(株)製TSK standard
、A−500(分子量5.0×102)、A−2500(分子量2.74×103)、F−2(分子量1.96×104)、F−20(分子量1.9×105)、F−40(分子量3.55×105)、F−80(分子量7.06×105)、F−128(分子量1.09×106)、F−288(分子量2.89×106)、F−700(分子量6.77×106)、F−2000(分子量2.0×107)。
超伝導核磁気共鳴装置を用いて分析を行った。
装置:日本電子製 Excalibur 270 超伝導FT−NMR
マグネット:JNM−GSX270型 超伝導マグネット
スペクトロメーター:JNM−EX270型
観測周波数:1H 270MHz、13C 67MHz
溶媒:重クロロホルム溶液
温度:35℃
積算回数:1H:16回、13C:1024回
1 H−NMR、13−NMRを測定し、各構成単位由来の帰属ピークの積分比からポリ
カルボン酸、ポリオールの割合を求めた。
テレフタル酸構造由来:8.0〜8.1ppm
フマル酸構造由来:6.8〜6.9ppm
エチレングリコール構造由来:4.0〜5.0ppm
エリスリタン構造由来:3.9〜4.2ppm、5.2ppm〜5.7ppm
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物構造由来:4.2〜4.3、4.6〜4.7、6.8〜6.9、7.1〜7.2ppm
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.3モル付加物構造由来:1.5〜1.6、4.6〜4.7、5.6〜5.7、6.8〜6.9、7.1〜7.2ppm
13 C−NMRの帰属ピーク範囲
テレフタル酸構造のカルボニル炭素由来:165.4〜165.6ppm
テレフタル酸構造のベンゼン環炭素由来:129.5〜133.8ppm
フマル酸構造のカルボニル炭素由来:165.4〜165.6ppm
フマル酸構造の(−C=C−)炭素由来:133.4〜133.8ppm
エチレングリコール構造由来:63.0〜63.1ppm
エリスリタン構造の由来:
{−(C=O)−O−CH−}:7.4〜7.5ppm
(−CH2−O−):7.0ppm〜7.1ppm
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物構造由来:
(−O−CH2−CH2−O−):6.8〜6.9ppm
(−O−C6H4−O−):114.1、127.7、143.6、156.2ppm
(−C(CH3)2−):31.1、41.8ppm
なお、NMRスペクトルにおける各吸収の帰属は、化学領域増刊141号 NMR−総説と実験ガイド[I]、p.132〜133に準じて行なった。
低温流動性は回転型レオメーター(TAインスツルメント社製、AR−2000ex)を用いて評価した。
ジオメトリー:25mmφパラレルプレート
GAP:1mm
周波数:1Hz
ひずみ:0.01
測定温度:80〜240℃(3℃/minで昇温)
トナーの低温定着性と良い相関を示す貯蔵弾性率(G’at 110℃)を用いて、基準を以
下の通りとした。
◎(非常に良好):G’が1000mPa以下のG’
○(良好):G’が1000mPa以上5000mPa未満
△(使用可能):G’が5000mPa以上10000mPa未満
×(劣る):G’が10000mPa以上
<粉砕性>
粉砕性は、メッシュ上に残る樹脂残存率を求めることで評価した。ここで樹脂残存率とは、通常の粉砕工程を終わった樹脂を篩いにかけ、16メッシュを通過し22メッシュを通過しない樹脂粉体を得、この分級された樹脂粉末を10.00g精秤し、トリオブレンダー粉砕器(トリオサイエンス社製)にて10秒間粉砕後、30メッシュの篩いにかけ、通過しない樹脂の重量(A)gを精秤し、次式により、Aの値から残存率を求め、この操作を3回行い平均して求めた値である。
{(A)g/粉砕前の樹脂重量(10.00g)}×100=樹脂残存率(%)
得られた樹脂残存率より、粉砕性を以下の様に評価した。
◎(非常に良好):60%未満の樹脂残存率
○(良好):60%以上70%未満の樹脂残存率
△(使用可能):70%以上85%未満の樹脂残存率
×(劣る):85%以上の樹脂残存率
<保存性>
トナーを約5g秤量してサンプル瓶に投入し、これを45℃に保温された乾燥機に約24時間放置し、トナーの凝集程度を評価して保存性の指標とした。評価基準を以下の通りとした。
◎(極めて良好) :サンプル瓶を逆さにするだけで分散する
○(良好):サンプル瓶を逆さにし、1〜3回叩くと分散する
×(劣る) :サンプル瓶を逆さにし、4回以上叩くと分散する
(エリスリタンの合成)
断熱材を巻いたクライゼン管、温度計を備えた300mlの4つ口フラスコにエリスリトール214.0g(1.75mol)、85質量%リン酸水溶液23.1g(0.2mol)を仕込んだ。さらにリービッヒ冷却管、温度計、二又アダプター、フラスコ、圧力計、凍結した水で閉塞されないようにしたトラップ、真空ポンプ、圧力調整器を接続した。マグネチックスターラーで攪拌しながら、フラスコをオイルバスで加熱した。内温が135℃に達した後、真空ポンプを起動させて減圧を開始し、ゆっくり圧力を下げて行った。反応により生成し、留出したエリスリタンと一部の水はリービッヒ冷却管で凝縮され、二又アダプターにつけたフラスコに回収された。リービッヒ冷却管で凝縮されなかった水は液体窒素で冷却されたトラップに回収された。留出液がフラスコに50ml回収されたところで真空を停止し、エリスリトールを72.5g(0.59mol)供給した後、真空ポンプを起動し、エリスリタンの回収を再開した。以降、同様の操作でエリスリトールの供給を13回繰り返した後、エリスリタンの留出がなくなるまで反応を継続した。使用したエリスリトールは全部で1229.0g(10.1mol)であった。反応液の温度は135〜150℃、圧力は最終的に150Paになった。
表1に示す仕込み組成の多価カルボン酸、多価アルコール、および多価カルボン酸に対して1000ppmのテトラ-n-ブトキシチタンを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。
次いで昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱し、この温度を保持し、反応系からの水の留出がなくなるまでエステル化反応を行った。次いで、反応系内の温度を235℃とし、反応容器内を減圧し、反応系からポリアルコールを留出させながら縮合反応を実施した。
表1に示す仕込み組成のポリカルボン酸成分、ポリオール成分、および全酸成分に対して1000ppmのテトラ-n-ブトキシチタンを蒸留塔備え付けの反応容器に投入し実施例
1と同様の方法を用いてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示す。実施例1と同様に得られた樹脂を用いてトナーを作成し、評価した。
Claims (4)
- 下記の一般式(1)で表される構造単位と、ビスフェノールA誘導体由来の構造単位とを有する、ガラス転移温度が75℃以下のポリエステル樹脂からなるトナー材料。
- 前記一般式(1)で表される構造単位を、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して、1〜40モル部含有する、請求項1に記載のトナー材料。
- ビスフェノールA誘導体由来の構造単位を多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して、5〜70モル部含有する、請求項1又は2に記載のトナー材料。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のトナー材料を含有するトナー。
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