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JP6229948B2 - 超電導ケーブルの運転方法、及び超電導ケーブルの冷却システム - Google Patents

超電導ケーブルの運転方法、及び超電導ケーブルの冷却システム Download PDF

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JP6229948B2
JP6229948B2 JP2014150864A JP2014150864A JP6229948B2 JP 6229948 B2 JP6229948 B2 JP 6229948B2 JP 2014150864 A JP2014150864 A JP 2014150864A JP 2014150864 A JP2014150864 A JP 2014150864A JP 6229948 B2 JP6229948 B2 JP 6229948B2
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Description

本発明は、冷却システムで冷却した液体冷媒を供給して超電導ケーブルを運転する超電導ケーブルの運転方法、及び超電導ケーブルに供給する液体冷媒の冷却に利用する超電導ケーブルの冷却システムに関する。特に、冷却システムに備える冷凍機の容量を低減でき、冷却システムのメンテナンス性にも優れる超電導ケーブルの運転方法及び超電導ケーブルの冷却システムに関する。
超電導ケーブルは、小径でも大容量の電力を低損失で送電可能なことから、省エネルギー技術として期待されている。超電導ケーブルは、超電導導体層を有するケーブルコアと、このコアを収納し、上記超電導導体層を超電導状態に維持する液体窒素といった液体冷媒が充填される断熱管とを備える構成が代表的である。
超電導ケーブルを備える電力線路には、超電導ケーブルに供給する液体冷媒を所定の温度に維持するための冷却システムが設けられる。冷却システムは、代表的には冷凍機を備える。冷凍機には、非定常的な過負荷運用や極稀に発生し得る短絡電流などの事故電流に対して、液体冷媒の温度を所定の範囲内とするための設備容量が要求される。そのため、冷凍機は、日間の負荷変動や年間の負荷変動などを含む定常的な負荷に必要な冷却量に比較して、大容量のものとなっている(以下、このような冷凍機を大容量冷凍機と呼ぶ)。
特許文献1は、複数の冷凍機を備える超電導ケーブル冷却装置を開示している。この冷却装置は、直列接続された複数の冷凍機の列を一つのユニットとし、複数のユニットが並列接続された構成である。複数のユニットのうち、一部のユニットを通常使用し(目標温度を達成可能な冷却能力を有するようにユニット数を選択)、残部のユニットは待機状態とする。使用する一部のユニットのうち、実際に駆動するユニット数を超電導ケーブルの温度変化に応じて選択する。この冷却装置では、待機中の冷凍機を点検・保守できる、待機中のユニットを別のユニットの故障時の予備にできるとしている。
特開2011−054500号公報
超電導ケーブルに供給する液体冷媒の冷却に冷凍機を利用する場合に、冷凍機の容量を低減すると共に、冷却システムのメンテナンス性を改善することが望まれている。
上述の大容量冷凍機を備える冷却システムでは、大容量冷凍機の出力を負荷などに応じて変化させたり、大容量冷凍機をON/OFFしたりするなどして、冷却制御を行っている。このような冷却制御によって大容量冷凍機の構成部材に与え得る熱機械的な履歴(特に過負荷時など)を考慮すると共に、所定の運転を常に可能なように点検・保守などすることが求められる。冷却システムには、想定される最大の必要冷却量を確保すると共に、点検・保守などのメンテナンス性を考慮した機器構成とする必要があるからである。その結果、上述の大容量冷凍機を備える冷却システムでは、定期的なメンテナンスが必要である。また、冷凍機そのものが大型になると構成部材も大型して、点検・保守などを行う際のメンテナンス作業性に劣る。これらの点からメンテナンスのインターバルを長くして回数を低減したり、作業負担を軽減したりするなどといった、冷却システムのメンテナンス性の改善が望まれている。
上述のメンテナンスのインターバルの長期化や作業性の改善、冷凍機の大容量化に伴う冷却システムのコストの増大の抑制などの点から、冷凍機の容量を低減することが望まれる。
一方、引用文献1に記載される上述の冷却装置では、上述の大型冷凍機に比較して各冷凍機の容量を低減したり、各冷凍機の運転状態を管理・制御などしてメンテナンスのインターバルを長くしたりすることができる。しかし、個々の冷凍機のメンテナンス時期が重複しないように計画すると、メンテナンスの回数が増えることになり、この点でメンテナンス性に劣るといえる。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、液体冷媒の冷却に利用する冷凍機の容量を低減でき、冷却システムのメンテナンス性にも優れる超電導ケーブルの運転方法及び超電導ケーブルの冷却システムを提供することにある。
本発明の一態様に係る超電導ケーブルの運転方法は、冷却システムで冷却した液体冷媒を超電導ケーブルに供給して前記超電導ケーブルを運転する方法であって、前記冷却システムは、前記液体冷媒の冷却に使用する真空ポンプ及び冷凍機を備え、侵入熱分を含む安定負荷分の冷却に前記冷凍機及び前記真空ポンプの少なくとも一方を用い、前記安定負荷分を超える過剰負荷分の冷却に前記真空ポンプを用いる。
本発明の一態様に係る超電導ケーブルの冷却システムは、超電導ケーブルに供給する液体冷媒の冷却に利用する真空ポンプ及び冷凍機と、前記真空ポンプ及び前記冷凍機の駆動を制御する制御部とを備える。前記制御部は、侵入熱分を含む安定負荷分の冷却を行うように、前記真空ポンプ及び前記冷凍機の少なくとも一方を制御すると共に、前記安定負荷分を超える過剰負荷分の冷却を行うように前記真空ポンプを制御する通常制御部を備える。
上記の超電導ケーブルの運転方法及び上記の超電導ケーブルの冷却システムは、液体冷媒の冷却に利用する冷凍機の容量を低減できる上に、冷却システムのメンテナンス性にも優れる。
実施形態1の超電導ケーブルの冷却システムを示す概略構成図である。 実施形態1の超電導ケーブルの冷却システムを用いて、超電導ケーブルの運転方法の手順の一例(正常時の制御)を説明するフローチャートである。 実施形態1の超電導ケーブルの冷却システムを用いて、超電導ケーブルの運転方法の手順の一例(異常時の制御)を説明するフローチャートである。 実施形態2の超電導ケーブルの冷却システムを示す概略構成図である。 実施形態3の超電導ケーブルの冷却システムを示す概略構成図である。 超電導ケーブルの一例を示す断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1) 本発明の一態様に係る超電導ケーブルの運転方法は、冷却システムで冷却した液体冷媒を超電導ケーブルに供給して上記超電導ケーブルを運転する方法であって、上記冷却システムは、上記液体冷媒の冷却に使用する真空ポンプ及び冷凍機を備え、侵入熱分を含む安定負荷分の冷却に上記冷凍機及び上記真空ポンプの少なくとも一方を用い、上記安定負荷分を超える過剰負荷分の冷却に上記真空ポンプを用いる。
まず、上記(1)の超電導ケーブルの運転方法における用語などを説明する。後述する(6)超電導ケーブルの冷却システムにおける用語と同一の用語は、以下の説明と同様の意味とする。
・「安定負荷分」は、「侵入熱分」と「定常負荷分」との和とする。
・「侵入熱分」とは、非送電状態にある超電導ケーブルの液体冷媒に対して、ケーブル外部から入る熱量を「侵入熱」と呼び、この「侵入熱」に対して上記液体冷媒の温度を所定の範囲内に制御するための冷却量とする。
・「定常負荷分」とは、日間の負荷変動や年間の負荷変動などのような定常的に(日常的に)生じ得る超電導ケーブルの送電電流の変動に対応するための冷却量とする。日常での運用に送電停止状態を含む場合、安定負荷分は、侵入熱分のみとなる。
・「過剰負荷分」とは、非定常的に生じる過負荷や短絡事故などといった、定常的な負荷に比較して過大な電流(過負荷時の電流、短絡電流などの過電流)が生じた場合に、一過性の温度上昇が生じた液体冷媒を所定の温度範囲内に制御したり、所定の時間内に所定の温度に戻したりするために必要な冷却量のうち、上記の安定負荷分を除いた冷却量とする。
・「冷却に使用する真空ポンプ」とは、作動液を貯留する槽内を真空引きによって減圧して作動液の沸点を低下させ、作動液の気化に伴って作動液の温度を超電導ケーブルの液体冷媒の温度よりも低くすることで、冷却対象である超電導ケーブルの液体冷媒を冷却することに使用するポンプである。
超電導ケーブルでは、送電電流の大きさによって発生する損失(代表的には交流損失)が変動する。そこで、この損失の変化を想定して、超電導ケーブルの液体冷媒が所定の温度範囲内になるように、かつ冷凍機の冷却負担が小さく冷凍機が効率的に運用できるように冷却システムを構築したり、このような冷却システムを用いて上記液体冷媒を冷却したりする。具体的には、上記の超電導ケーブルの運転方法は、超電導ケーブルに供給する液体冷媒を冷却する冷却量を「安定負荷分」と「過剰負荷分」とに分けて、頻度は少ないものの冷却負担が大きくなる過剰負荷分の冷却に真空ポンプを用いる構成とする。このような運転方法を利用することで、冷凍機の容量を例えば安定負荷分の冷却に必要な程度、場合によっては侵入熱分の冷却に必要な程度にすることができる。即ち、定常的な負荷に対する冷却において、冷凍機の冷却負担を効果的に小さくできる。複数の冷凍機を備える冷却システムとする場合には、上記の超電導ケーブルの運転方法を利用することで、冷凍機群の総容量を低減できるため、個々の冷凍機の容量を低減したり、台数を低減したり、又はその両方を低減したりすることができる。従って、上記の超電導ケーブルの運転方法によれば、冷凍機の容量を効果的に低減できる。
また、上記の超電導ケーブルの運転方法は、少なくとも過剰負荷分の冷却に真空ポンプを用いるため、冷凍機を定常的な負荷に見合った出力で運転できたり、一定出力での運転を基本としたりすることで、冷凍機を故障し難くできると期待される。その結果、冷凍機のメンテナンスのインターバルを長くできる。また、冷凍機の容量(冷凍機群の総容量)の低減によって冷凍機(群)の簡素化、部材の小型化などができ、点検や保守などを容易に行えて、メンテナンス作業性に優れる。更に、極低温の液体冷媒などに直接接する冷凍機とは異なり、真空ポンプは、液体冷媒に実質的に関与しない常温環境に設置され、使用される。即ち、真空ポンプは、極低温から常温での間における温度変化を実質的に伴わない設備といえ、点検や保守などを容易に行えて、メンテナンス作業性に優れる。これらの点から、上記の超電導ケーブルの運転方法によれば、メンテナンスのインターバルを長期化したり、作業負担を低減できたりして、冷却システムのメンテナンス性に優れる。
更に、真空ポンプによって作動液を貯留する貯留槽の真空度を調整することで作動液の沸点を容易に調整できる。そのため、真空ポンプを利用する上記の超電導ケーブルの運転方法は、冷凍機を利用する場合と比較して、負荷変動などによる損失変化への対応を容易に行える。
(2) 上記の超電導ケーブルの運転方法の一例として、上記安定負荷分の冷却に上記冷凍機を用いる形態が挙げられる。即ち、この形態は、安定負荷分の冷却に冷凍機を用い、過剰負荷分の冷却に真空ポンプを用いる。
上記形態は、冷凍機の容量を安定負荷分の冷却に必要な程度にできるため、冷凍機の容量を低減できる。また、上記形態は、冷凍機や真空ポンプが故障していない正常時に、冷凍機と真空ポンプとを併用するため、気化による作動液の消費を低減し易い。
(3) 上記の超電導ケーブルの運転方法の一例として、上記安定負荷分のうち、上記侵入熱分の冷却に上記冷凍機を用い、残りの冷却に上記真空ポンプを用いる形態が挙げられる。即ち、この形態は、安定負荷分の冷却に冷凍機及び真空ポンプの双方を用い、過剰負荷分の冷却に真空ポンプを用いる。
上記形態は、冷凍機の容量を侵入熱分の冷却に必要な程度にできるため、冷凍機の容量をより低減できる。また、侵入熱分は過剰負荷分のような変動量ではなく一定量であるため、上記形態は、冷凍機を一定出力で運転でき、冷凍機がより故障し難くなると考えられることから、メンテナンスのインターバルの更なる長期化を期待できる。
(4) 上記の超電導ケーブルの運転方法の一例として、上記安定負荷分の冷却に上記真空ポンプを用い、上記真空ポンプを用いた冷却ができないときには負荷を制限し、上記侵入熱分の冷却に上記冷凍機を用いる形態が挙げられる。即ち、この形態は、安定負荷分の冷却及び過剰負荷分の冷却の双方に真空ポンプを用い、真空ポンプの異常時に冷凍機を用いる。
上記形態は、冷凍機の容量を侵入熱分の冷却に必要な程度にできるため、冷凍機の容量をより低減できる。また、上記形態は、真空ポンプによる冷却が可能な状態に復旧するまでの間、冷凍機によって超電導状態を維持可能である。そのため、上記形態は、真空ポンプによる冷却が可能な状態に復旧後、速やかに所定の電力供給を行え、安定した電力供給を提供できる。
(5) 上記の超電導ケーブルの運転方法の一例として、上記超電導ケーブルが交流送電に用いられる形態が挙げられる。
交流送電を行う超電導ケーブルには、交流に起因する損失(渦電流損やヒステリシス損など)が発生する。負荷が大きいほど、この損失が大きくなるため、負荷が大きい超電導ケーブル線路では、冷却システムに要求される冷却量が相対的に大きくなる。上記の形態は、比較的大きな冷却量が求められる場合でも、真空ポンプを利用することで、所定の冷却を十分に行えながらも、冷凍機の容量を低減できる。
(6) 本発明の一態様に係る超電導ケーブルの冷却システムは、超電導ケーブルに供給する液体冷媒の冷却に利用する真空ポンプ及び冷凍機と、上記真空ポンプ及び上記冷凍機の駆動を制御する制御部とを備える。上記制御部は、侵入熱分を含む安定負荷分の冷却を行うように、上記真空ポンプ及び上記冷凍機の少なくとも一方を制御すると共に、上記安定負荷分を超える過剰負荷分の冷却を行うように上記真空ポンプを制御する通常制御部を備える。
上記の超電導ケーブルの冷却システムは、上記(1)〜(5)の超電導ケーブルの運転方法の実施に好適に利用できる。上記の超電導ケーブルの冷却システムは、超電導ケーブルに供給する液体冷媒を冷却する冷却量を「安定負荷分」と「過剰負荷分」とに分けて、頻度は少ないものの冷却負担が大きくなる過剰負荷分の冷却に真空ポンプを用いる。そのため、上記の超電導ケーブルの冷却システムに備える冷凍機の容量を例えば安定負荷分の冷却に必要な程度、場合によっては侵入熱分の冷却に必要な程度にすることができる。即ち、上述のように冷凍機の冷却負担を効果的に小さくできる。従って、上記の超電導ケーブルの冷却システムは、容量が小さい冷凍機(群)を備えることができる。
また、上記の超電導ケーブルの冷却システムは、少なくとも過剰負荷分の冷却に真空ポンプを用いるため、上述のように冷凍機の冷却負担を格段に低減できる点、容量の小さい冷凍機を用いて効率的で安定した運転を行い易い点などから、冷凍機が故障し難く、冷凍機のメンテナンスのインターバルを長くできると期待される。また、上記の超電導ケーブルの冷却システムに備える真空ポンプは、上述のようにメンテナンス作業性に優れる。これらの点から、上記の超電導ケーブルの冷却システムは、メンテナンスのインターバルの長期化や作業負担の低減を図れ、メンテナンス性に優れる。
更に、過剰負荷分の冷却に真空ポンプを利用すると、上述のように負荷変動などによる損失変化への対応を容易に行えると共に、冷却システムを簡素な機器構成にできる。
(7) 上記の超電導ケーブルの冷却システムの一例として、上記冷凍機が上記侵入熱分の冷却に必要な容量以上、上記安定負荷分の冷却に必要な容量以下である形態が挙げられる。
上記形態に備える冷凍機は、その容量が十分に小さい。上記形態は、このような小容量の冷凍機を備えていながらも、真空ポンプによって負荷変動などによる損失変化への対応を良好に行える。また、上記形態は、上述のように真空ポンプを用いた冷却ができない場合でも、冷凍機によって超電導状態を維持可能であり、真空ポンプによる冷却が可能な状態に復旧後、速やかに所定の電力供給を行える。
[本発明の実施形態の詳細]
以下に図面を参照して、本発明の実施形態の具体例を説明する。図において同一符号は同一名称物を意味する。
[実施形態1 安定負荷分:冷凍機、過剰負荷分:真空ポンプ]
図1〜図3を参照して、実施形態1の超電導ケーブルの冷却システム1A、及び冷却システム1Aを用いた超電導ケーブルの運転方法を説明する。まず、図6を参照して超電導ケーブル1000の一例を説明し、次に冷却システム1Aの構成、運転方法の手順、最後に効果を説明する。
・超電導ケーブル
超電導ケーブル1000は、フォーマ1111の外周に設けられた超電導導体層1112を有するケーブルコア1100と、コア1110を収納する断熱管1200とを備える。この例に示すコア1110は、中心から順にフォーマ1111、超電導導体層1112、電気絶縁層1113、外側超電導層1114、保護層1115を同軸状に備える。超電導導体層1112,外側超電導層1114は、代表的には酸化物超電導相を備える線材を巻回した構造である。断熱管1200は、コア1100を収納し、液体冷媒L(例えば、液体窒素)が充填される内管1210と、内管1210の外周に設けられる外管1220とを備え、両管1210,1220間に真空断熱層を有する。外管1220の外周には、防食層1230が設けられる。実施形態1の冷却システム1A及び運転方法、後述する実施形態、変形例の冷却システム及び運転方法はいずれも、公知の超電導ケーブルを利用でき、図6は例示である。その他の構造として、例えば、外側超電導層を備えておらず、接地層を備えるケーブルなどが挙げられる。
図6に示す超電導ケーブル1000は、3本のケーブルコア1100が一つの断熱管1200に収納された三心一括ケーブルであり、かつ、超電導導体層1112及び電気絶縁層1113の双方が液体冷媒Lに含浸される低温絶縁型ケーブルである。その他、1本のコア1100が一つの断熱管1200に収納された単心ケーブル、電気絶縁層1113及び外側超電導層1114を有しておらず、超電導導体層1112を有する導体部が断熱管1200に収納され、この断熱管1200の外周に電気絶縁層が設けられた常温絶縁型ケーブルを利用できる。
超電導ケーブル1000は、交流送電(例えば、三相交流送電)、直流送電(例えば、バイポール送電、モノポール送電)のいずれにも利用できる。
・・冷媒流路
図1に示すように超電導ケーブル1000には液体冷媒Lが流通される配管30が接続されて、内管1210(図6)と配管30とを備える閉じた流路が構築され、ケーブル1000に液体冷媒Lが循環供給される。この冷媒流路における配管30部分に、所定の温度に冷却された液体冷媒Lをケーブル1000(内管1210)に導入する供給部30gと、ケーブル1000から液体冷媒Lを排出する排出部30rと、循環する液体冷媒Lの体積変化を吸収すると共に、負荷変動に伴う液体冷媒Lの温度変化を緩慢にするための熱容量を、循環冷媒として確保するためのリザーブタンク(リザーバー)30RTと、液体冷媒Lの流量などを調整するポンプ32と、後述する熱交換装置6内に収納される熱交換部34と、配管30の少なくとも一部の外周を覆う断熱部(図示せず)とを備える。リザーブタンク30RTやポンプ32は、熱交換装置6内や共通の断熱容器(図示せず)内に収納する構成とすると、液体冷媒Lに対する侵入熱をより低減できる。
その他、この例では、超電導ケーブル1000(内管1210)内の液体冷媒Lの温度を測定する温度計9をケーブル1000に取り付けて、上記温度を把握できるようにしている。ケーブル1000の液体冷媒Lの温度は、ケーブル1000に流れる送電電流や冷却システム1Aの冷却状況(稼働状況)などによって変動する。そのため、冷却システム1Aに要求される冷却量は、負荷変動などや自身の状態(後述の作動液60の温度や熱容量など)によって経時的に変動する。そこで、上記温度などの物理量を測定して、この測定値に応じて液体冷媒Lを冷却することで、負荷変動などに対応したケーブル1000の冷却を適切に行える。
・超電導ケーブルの冷却システム
・・構成の概略
冷却システム1Aは、超電導ケーブル1000の液体冷媒Lを冷却するためのものであり、上述の冷媒流路に設けられる。この例に示す冷却システム1Aは、液体冷媒Lと熱交換を行う熱交換装置6と、熱交換装置6に設けられてケーブル1000に供給する液体冷媒Lの冷却に利用する真空ポンプ2及び冷凍機4と、真空ポンプ2及び冷凍機4の駆動を制御する制御部10Aとを備える。冷却システム1Aは、侵入熱分を含む安定負荷分の冷却を行うように冷凍機4を制御すると共に、安定負荷分を超える過剰負荷分の冷却を行うように真空ポンプ2を制御する通常制御部11Aとを含む制御部10Aを備える点を特徴の一つとする。以下、より詳しく説明する。
・・熱交換装置
熱交換装置6は、作動液60を利用して、上述の熱交換部34を冷却する構成である。具体的には、熱交換装置6は、作動液60を貯留する断熱構造の貯留槽61と、作動液60を冷却する冷凍機4と、貯留槽61内を排気する(真空引きする)真空ポンプ2とを備える。また、この例では、貯留槽61に温度計69を取り付けて作動液60の温度を把握できるようにしている。即ち、この冷却システム1Aは、上述の液体冷媒Lの温度と作動液60の温度とを冷却操作の制御に利用する。その他、貯留槽61内には、作動液60が所定の温度分布になるために使用する部材や設備(例えば、伝熱部材や撹拌設備など)を備えるが、ここでは省略する。
作動液60は、液体冷媒Lを所定の温度に維持できるように冷却可能であればよく、例えば、液体窒素が挙げられる。作動液60が液体窒素であれば、気化した窒素を大気中に放出できる。作動液60は液体冷媒Lの種類に応じて選択することができる。
真空ポンプ2を用いた液体冷媒Lの冷却は、以下のように行う。真空ポンプ2を駆動して排気して、貯留槽61内が減圧されると、作動液60の沸点が低下し、作動液60が揮発する。気化に伴って作動液60の温度が低下すると、作動液60の温度と、熱交換部34内に流れる液体冷媒Lの温度との差による熱交換が生じる。この結果、超電導ケーブル1000に循環供給される液体冷媒Lが冷却される。このような真空ポンプ2は、公知のものを利用できる。気化した作動液60のガスは、例えば、貯留槽61の外部に放出する。
上述の熱交換などに起因する気化によって、貯留槽61内の作動液60が減少した場合には、補給することが望まれる。そこで、この例では、貯留槽61に補給する予備用の作動液60(以下、予備液と呼ぶ)を貯留する補給槽62を貯留槽61に併設している。貯留槽61と補給槽62とは断熱構造の配管64によって接続され、配管64の途中に開閉弁65を備える。貯留槽61内の作動液60が所定量未満となったときには、開閉弁65を開き、補給槽62内の予備液を貯留槽61に供給する。この例では、貯留槽61及び補給槽62に液面計66,67などを設けて、液面の高低によって作動液60や予備液の貯留状態を把握できるようにしている。作動液60の気化を防止する構成(後述)とすれば、予備液及び補給槽62を省略したり、補給インターバルを長くしたりすることができる。
冷凍機4は、作動液60を直接冷却し、上述のように作動液60と熱交換部34内の液体冷媒Lとの温度差による熱交換によって液体冷媒Lを冷却する(間接冷却方式)。冷凍機4は、公知の構造のものを利用できる。例えば、冷凍機4は、スターリング冷凍機、ギフォード・マクマホン(GM)冷凍機、パルスチューブ冷凍機、ブレイトン冷凍機などを使用できる。冷凍機4の個数は適宜選択でき、単数でもよいし、複数の冷凍機を備える冷凍機群としてもよく、図1の個数は例示である。
冷却システム1Aに備える冷凍機4は、その容量が小さいことを特徴の一つとする。ここでは、冷凍機4は、侵入熱分の冷却に必要な容量以上安定負荷分の冷却に必要な容量以下に設定されている。
安定負荷分は、非送電状態の超電導ケーブル1000に生じる侵入熱の処理に必要な侵入熱分と、定常的な負荷変動などに起因する熱の処理に必要な定常負荷分との和である。
侵入熱分は、ケーブル1000の大きさや配管30の大きさや長さ、貯留槽61の大きさなどに基づいて求められる値である。
定常負荷分は、超電導ケーブル1000の電力供給対象である負荷について、過去のデータなどに基づいて、負荷変動などに起因する熱の処理に必要な冷却量を予想して設定することができる値である。ここで、負荷変動などには、1.夏と冬との間の季節変動や年間変動といった変動スパンが長い変動、2.昼と夜との間の日間変動といった変動スパンが短い変動、3.許容最大電力使用時、過負荷時、短絡などの異常時・事故時といった瞬間的に生じ得る変動スパンが非常に短い変動などが有り、種々の変動幅を有し、出現頻度も異なる。上述の3.変動スパンが非常に短い瞬間的な変動に基づいて冷凍機に要求される容量を設定すると、冷凍機の容量が大きくなる上に、負荷変動などに伴う冷凍機の追従動作によって冷凍機の構成部材に与える負担が大きくなり易いと考えられる。これに対し、上述の1.変動スパンが長い変動や2.短い変動のように、負荷変動の要因のなかでは時間的に占める割合が比較的大きく、ゆっくりとした変動や、変動幅が小さい変動に対応するための冷却量を定常負荷分とし、定常負荷分に基づいて冷凍機4の容量を設定すると、冷凍機4の冷却負担を低減できる。更に、定常負荷分を、上述の変動スパンが長い変動に対応するための冷却量を含み、上述の変動スパンが短い変動に対応するための冷却量を含まないなどと設定すれば、冷凍機4の容量をより小さくできる。このように定常負荷分は、任意の大きさに設定できる。一例として、定常負荷分は、上記季節変動の平均値などに起因する熱の処理に必要な冷却量とすることが挙げられる。なお、通常、頻繁に繰り返される(比較的小さな)負荷変動分については、作動液60の熱容量やリザーブタンク30RT内の冷媒の熱容量などによって吸収できる。
真空ポンプ2が処理する過剰負荷分は、超電導ケーブル1000に求められる冷却量のうち、上記安定負荷分を除いた量とする。従って、この過剰負荷分も、上述のように過去のデータなどに基づいて設定することができる。過剰負荷分は、冷却負担が大きくなる場合の冷却量、例えば、上述の過負荷時、短絡などの異常時などの瞬間的な変動などに起因する熱の処理に必要な冷却量を含む。安定負荷分を上述のようにより小さく設定して、真空ポンプ2の冷却負担を大きくすると、冷凍機4の容量を効果的に小さくできる。
・・制御部
制御部10Aは、通常制御部11Aと、異常制御部16とを備え、真空ポンプ2及び冷凍機4の駆動を制御する。制御部10Aは、例えば、シーケンス制御などを行う制御回路を利用できる。この例では、制御部10Aは、温度計9,69からの情報が入手可能な構成としている。
・・・通常制御部
通常制御部11Aは、この例では液体冷媒Lに対する冷却のうち、安定負荷分の冷却を行う冷凍機4を制御する。通常制御部11Aは、例えば、安定負荷分に含まれる負荷変動などに対応した冷却を行える冷凍機の運転条件(制御条件)を予め設定しておき、適切な運転条件を選択し、選択した条件に沿って冷凍機4を制御するように構成する。具体的な制御として、例えば、(1)ON/OFF制御とすれば、冷凍機4をONにしたら、冷凍機4を一定出力で運転でき、この出力が適切な場合には冷凍機4を効率よく運転できる。別の制御として、例えば、(2)安定負荷分に含まれる負荷変動による液体冷媒Lの温度変化や作動液60の温度変化に応じて、冷却能力を増減する制御とすれば、上記負荷変動などに追従した制御を行える。なお、運転条件などの設定データは、制御部10Aの記憶部に保存しておき、呼び出せるようにしておくと、制御を容易に行える(この点は、後述する実施形態などについても同様である)。
また、通常制御部11Aは、この例では液体冷媒Lに対する冷却のうち、過剰負荷分の冷却を行う真空ポンプ2を制御する。この例では、送電電流が(非常に)大きく、ケーブル1000の液体冷媒Lの温度上昇が大きく、作動液60の温度を低下させる必要が生じた場合に、真空ポンプ2を運転する。また、この例では、超電導ケーブル1000の送電電流の変化によって作動液60の温度に上昇傾向が生じた場合に作動液60の温度を維持するために真空ポンプ2を運転する。具体的には、通常制御部11Aに備える液温判定部120は、温度計9及び温度計69からの情報に基づいて、液体冷媒Lや作動液60が所定の温度範囲内であるかを判定する。液体冷媒Lや作動液60が所定の温度範囲内であれば、通常制御部11Aは冷凍機4を制御すればよいが、上記温度範囲外である場合、液体冷媒Lや作動液60の温度が上昇する事態などが生じており、冷凍機4による冷却だけでは所定の温度範囲内の維持が難しいと考えられる。そのため、通常制御部11Aに備える真空ポンプ命令部122は、真空ポンプ2に命令して真空ポンプ2を駆動させ、真空ポンプ2によって作動液60を所定の温度に低下させて液体冷媒Lを冷却する。このとき、真空ポンプ2による冷却と、冷凍機4による冷却とを同時に行うことになる。真空ポンプ2を稼働することで、冷凍機4が異常とは判定されないものの、冷凍機4の冷却性能が低下などしている場合であっても、所定の温度範囲内の維持を良好に行える。
通常制御部11Aは、例えば、過剰負荷分に対応した冷却を行える真空ポンプの運転条件(制御条件)を予め設定しておき、適切な運転条件を選択し、選択した条件に沿って真空ポンプ2を制御するように構成する。作動液60の温度と超電導ケーブル1000の液体冷媒Lの温度との相関データなどを予め作成して、制御部10Aの記憶部に保存しておき、作動液60の温度thや液体冷媒Lの温度tcに応じた運転条件を呼び出せるようにしておくと、制御を容易に行える。
・・・異常制御部
異常制御部16は、真空ポンプ2や冷凍機4について故障などの異常の有無を判定し、異常が生じたときの制御を行う。この例では、異常制御部16に備える冷凍機異常判定部164は、冷凍機4からの情報に基づいて冷凍機4の故障などの異常の有無を判定し、真空ポンプ異常判定部162は、真空ポンプ2からの情報に基づいて真空ポンプ2の故障などの異常の有無を判定する。真空ポンプ2及び冷凍機4は常時監視しておき、随時、異常の有無を判定し、真空ポンプ2及び冷凍機4の双方に異常が無ければ、通常制御部11Aによる制御を継続する。
冷凍機4に故障などの異常が有り、真空ポンプ2に異常が無い場合には、制御部10Aは、安定負荷分の冷却を真空ポンプ2によって行うように真空ポンプ2を制御する。この場合、真空ポンプ2は、安定負荷分の冷却と過剰負荷分の冷却との双方を行う。従って、制御部10Aは、真空ポンプ2のみを制御する。
真空ポンプ2に故障などの異常が有り、冷凍機4に異常が無い場合には、系統側で負荷を制限した上で、冷却システム1Aは、冷凍機4によって冷却可能な範囲で運転することができる。例えば、異常制御部16は、系統側の制御部(図示せず)に負荷の制限などを要求する信号(以下、負荷制限信号と呼ぶ)を発信すると共に、冷凍機4に駆動命令を出す構成とすることができる。負荷制限信号を受けた系統側の制御部は、超電導ケーブル1000を系統から切り離したり、負荷を制限したり、送電時間を制限したりするなどして、液体冷媒Lや作動液60の温度上昇や温度変化が生じ難い状態を(ある程度の時間)確保できる。冷却システム1Aは、例えば、冷凍機4によって安定負荷分以下の冷却を行う。冷凍機4によって少なくとも侵入熱分の冷却を行えば、超電導ケーブル1000の超電導状態を維持できるため、真空ポンプ2が復旧した後には、速やかに所定の送電を行える。冷凍機4は、侵入熱分の冷却以上の容量を有することから、このような対応が可能である。なお、系統側の制御部は、作動液60が保有する熱容量や作動液60の温度における送電の余裕度合いなどを考慮して制御を行うように予め設定しておく。
真空ポンプ2及び冷凍機4の双方に異常が生じた場合には、冷却システム1Aを運転することが実質的にできない。そのため、例えば、異常制御部16は、系統側の制御部に異常信号を発信するように構成することができる。異常信号を受けた系統側の制御部は、超電導ケーブル1000を系統から切り離しなどする。ポンプ32の駆動によって、作動液60の熱容量や、リザーブタンク30RT内の冷媒の熱容量の範囲内であれば、冷却システム1Aの運転を維持できるため、この間に上述の系統からの切り離しなどを行うとよい。
故障などした冷凍機4や真空ポンプ2について、交換や修繕、予備品(故障時などのために用意している代替品)への切り替えなどが完了し、冷凍機4や真空ポンプ2を用いた冷却が可能な状態に復旧できたら、冷凍機4や真空ポンプ2の制御を開始するように、制御部10Aを構成するとよい。
・・・その他
制御部10Aは、侵入熱などによって気化して減少し得る貯留槽61内の作動液60の貯留量を所定の範囲内に維持する構成とすることができる。例えば、制御部10Aは、液量計66,67からの情報が入手可能及び開閉弁65を制御可能とし、液面計66からの情報に基づいて、作動液60の貯留量が所定の範囲内であるか否かを判定し、所定の範囲外のときには所定の範囲内を満たすまで開閉弁65を開くように開閉弁65に命令する構成とすることができる。開閉弁65の開閉に伴って、貯留槽61内の作動液60の圧力が変化するため、作動液60の圧力調整を行う機構(図示せず)を適宜設けておき、この機構の制御も行うように制御部10Aを構成することができる。このような制御部10Aによって、補給槽62から貯留槽61に予備液を自動的に供給(補給)できる。更に、制御部10Aは、液面計67を利用して補給槽62内の予備液の貯留量を把握して、補充の機会を制御可能な構成とすることができる。この場合、予備液の不足、ひいては作動液60の不足を招き難くなり、真空ポンプ2による冷却をより安定して行える。この点は、後述する実施形態などでも同様である。
上述の補給を行う構成に代えて又は併用して、気化による作動液60の減少量を低減するために、例えば、冷凍機4の容量を調整することができる。即ち、安定負荷分に、作動液60の冷却分の全て又は一部を含めることができる。この場合、補給インターバルの長期化、更には補給槽62及び予備液の省略が期待できる。別の構成として、作動液60を貯留槽61と補給槽62との間で移動可能とし、補給槽62内の予備液も真空ポンプ2や冷凍機4によって所定の温度範囲内に維持する構成とすることができる。この場合、予備液のための冷却機構を別途設けなくても、予備液を所定の温度範囲内に自動的に維持できる。この場合、定常負荷分に、補給槽62内における侵入熱分の冷却を含めることができる。
・超電導ケーブルの運転方法
冷却システム1Aで冷却した液体冷媒を超電導ケーブル1000に供給してケーブル1000を運転する超電導ケーブルの運転方法の具体的な手順の一例を、図2,図3のフローチャートを参照して説明する。
この例では、制御部10Aは、まず、真空ポンプ2及び冷凍機4の異常の有無を判定する。具体的には、異常制御部16の冷凍機異常判定部164は、冷凍機4からの情報を取得して、その情報に基づいて、冷凍機4の異常の有無を判定し、真空ポンプ異常判定部162は、真空ポンプ2からの情報を取得して、その情報に基づいて、真空ポンプ2の異常の有無を判定する(ステップS1)。
・・正常時(図2)
真空ポンプ2及び冷凍機4の双方に異常が無いと判定された場合、真空ポンプ2と冷凍機4との双方が液体冷媒Lの冷却に利用できる状態である。次に、この例では安定負荷分の冷却だけでよいか、過剰負荷分の冷却も必要かを、負荷変動などの影響を受ける液体冷媒Lの温度tc及び作動液の温度thに基づいて判定する。具体的には、通常制御部11Aの液温判定部120は、温度計9からの情報を取得し、液体冷媒Lの温度tcが所定の範囲内か否かを判定する(ステップS2)。ここでは、予め設定した閾値Tcを制御部10Aの記憶部に記憶させておき、呼び出したTcと取得した情報tcとの大小(tc≦Tc)を判定する。
超電導ケーブル1000の液体冷媒Lの温度tcが所定の範囲内であると判定された場合(tc≦Tcを満たす場合)、液体冷媒Lの温度上昇が大きくなるような事態(例えば、過負荷など)が生じていないと考えられる。そこで、次に、この例では、作動液60の温度状態を判定する。具体的には、通常制御部11Aの液温判定部120は、温度計69からの情報を取得し、作動液60の温度thが所定の範囲内か否かを判定する(ステップS3)。ここでは、予め設定した閾値Thを制御部10Aの記憶部に記憶させておき、呼び出したThと取得した情報thとの大小(th≦Th)を判定する。
作動液60の温度thが所定の範囲内であると判定された場合(th≦Thを満たす場合)、作動液60の温度に上昇傾向が生じるような事態(例えば、上述の変動スパンが短い負荷変動、冷凍機4の性能低下など)が生じていないと考えられる。この場合、過剰負荷分の冷却が不要であると考えられる。そこで、制御部10Aは、安定負荷分の冷却を行うように冷凍機4を制御する(ステップS4)。具体的には、通常制御部11Aの冷凍機命令部140は、冷凍機4に命令して冷凍機4を駆動し、冷凍機4の運転制御(運転条件の選択など)を行う。
一方、超電導ケーブル1000の液体冷媒Lの温度tcが所定の範囲外である場合や、作動液60の温度thが所定の範囲外である場合には、冷凍機4による冷却だけでは不十分な事態が生じていると考えられる。この場合、過剰負荷分の冷却が必要であると考えられる。そこで、制御部10Aは、過剰負荷分の冷却を行うように真空ポンプ2を制御する(ステップS5)。具体的には、真空ポンプ命令部122は、上述の温度計9,69からの情報に基づいて必要な冷却を行うように、真空ポンプ2に命令し、真空ポンプ2の運転制御(運転条件の選択など)を行う。このとき、制御部10Aは、冷凍機4が安定負荷分の冷却を行い、真空ポンプ2が過剰負荷分の冷却を行うように制御する。
・・異常時(図3)
真空ポンプ2及び冷凍機4の少なくとも一方に異常が有れば、冷却システム1Aの稼働を停止して超電導ケーブル1000の運転を停止することが考えられる。しかし、この例では、真空ポンプ2のみによる冷却を行うこと、又は冷凍機4のみによる冷却を行うことが可能なように制御部10Aを構成している。そこで、制御部10Aの双方判定部(図示せず)は、真空ポンプ2及び冷凍機4の双方に異常が有るか否かを判定する(ステップS11)。双方に異常が有ると判定された場合には、冷却システム1Aを適切に稼働できないことから、異常制御部16の異常信号発信部167は、異常信号を系統側の制御部に発信する(ステップS12)。異常信号を受けた系統側の制御部は、上述のようにケーブル1000の切り離しなどを行う。
真空ポンプ2及び冷凍機4の一方にのみ異常が有ると判定された場合には、異常が無い方で冷却を行うことから、この例では、制御部10Aの一方判定部(図示せず)は、冷凍機4の異常の有無を判定する(ステップS13)。このステップS13は、冷凍機異常判定部164の判定結果を利用してもよい。そして、冷凍機4に異常が有り、真空ポンプ2に異常が無ければ、真空ポンプ2によって、定常負荷分の冷却及び過剰負荷分の冷却の双方を行えばよい。そこで、この例では、ステップS13で冷凍機4に異常が有ると判定された場合には、冷凍機4の運転を停止し、真空ポンプ2の運転のみとする。具体的には、真空ポンプ命令部122は、真空ポンプ2に命令し、制御部10Aは、真空ポンプ2が安定負荷分の冷却及び過剰負荷分の冷却の双方(全量)を行うように制御する(ステップS14)。この構成により、冷凍機4に異常が生じても、真空ポンプ2によって、超電導ケーブル1000の冷却を問題なく行える。
真空ポンプ2に異常が有っても、冷凍機4に異常が無ければ、冷却システム1Aは、冷凍機4の容量の範囲内(実施形態1では定常負荷分以下)の冷却を行うことができる。そこで、この例では、ステップS13で冷凍機4に異常が無いと判定された場合(真空ポンプ2に異常が有ると判定された場合)には、真空ポンプ2の運転を停止し、負荷制限信号を系統側に発信すると共に、冷凍機4の運転のみを行う。即ち、異常制御部16の制限信号発信部169は、負荷制限信号を系統側の制御部に発信し(ステップS15)、制御部10Aは、冷凍機4を制御する。負荷制限信号を発信することで、冷凍機4の容量の範囲内(安定負荷分以下)での冷却で送電可能な送電量に規制され、この範囲内で超電導ケーブル1000を運転できる。一方、負荷への送電を停止した場合には、冷凍機4によって少なくとも侵入熱分の冷却を行う。この構成では、真空ポンプ2に異常が生じても、冷凍機4によって少なくとも侵入熱分の冷却を行うため、ケーブル1000の超電導状態を維持できる。更には、安定負荷分の範囲内であれば、ケーブル1000を運転できる(負荷への送電が可能である)。
上述の手順を繰り返し行うように制御部10Aを構築するとよい。
上述の手順では、液体冷媒Lの温度tcや、作動液60の温度thの大小を指標として制御を行う構成としているが、温度変化を指標として制御を行う構成などとすることができる。この場合、液温判定部120は、測定した温度と過去の温度との差が閾値以上か否かを判定する構成とすればよい。この点は、後述する実施形態でも同様である。
・効果
実施形態1の超電導ケーブルの冷却システム1A、及びこの冷却システム1Aを利用した実施形態1の超電導ケーブルの運転方法は、過剰負荷分の冷却に真空ポンプ2を利用し、侵入熱分を含む安定負荷分の冷却に冷凍機4を利用することで、冷凍機4の容量を安定負荷分の冷却に要求される程度にすることができる。従って、冷却システム1A及びこれを用いた運転方法は、冷凍機4による冷却負担を軽減して、冷凍機4の容量を低減できながらも、過負荷時や異常時などに求められる冷却も適切に行える。また、冷却システム1A及びこれを用いた運転方法は、冷凍機4の容量の低減や効率的な運転などによって冷凍機4を故障し難くしてメンテナンスのインターバルを長くできること、冷凍機4の簡素化によってメンテナンス作業性に優れること、真空ポンプ2がメンテナンス作業性に優れることなどから、冷却システム1Aのメンテナンス性にも優れる。
特に、実施形態1の冷却システム1A、及びこの冷却システム1Aを利用した運転方法は、通常の運転にあたり、真空ポンプ2と冷凍機4とを併用するものの、主として冷凍機4を用いるため、気化に伴う作動液60の消費量を減少し易い。また、真空ポンプ2に異常が生じた場合でも、上述の異常時の手順におけるステップS15で説明したように、冷凍機4によって、少なくとも超電導ケーブル1000の超電導状態を維持できるため、真空ポンプ2が復旧できれば、速やかに真空ポンプ2による冷却(正常時の手順におけるステップS5)を行える。冷凍機4に異常が生じた場合には、上述の異常時の手順におけるステップS14で説明したように、真空ポンプ2によって安定負荷分の冷却及び過剰負荷分の冷却の双方を行える。即ち、冷凍機4の異常前後において何ら変わりなく、ケーブル1000を冷却できる。また、真空ポンプ2によってケーブル1000の超電導状態を維持できるため、冷凍機4が復旧できれば速やかに冷凍機4による冷却(正常時の手順におけるステップS4)を行える。このように実施形態1の冷却システム1A及びこれを利用した運転方法は、真空ポンプ2や冷凍機4に異常が生じても、真空ポンプ2と冷凍機4との併用運転を速やかに再開できる。
このような実施形態1の冷却システム1A、及びこの冷却システム1Aを利用した運転方法は、負荷変動による影響が大きい交流送電に好適に利用できる。この点は、後述する実施形態などでも同様である。
[実施形態2 侵入熱分:冷凍機、定常負荷分及び過剰負荷分:真空ポンプ]
実施形態1では、冷凍機4が侵入熱分を含む安定負荷分の冷却を行い、真空ポンプ2が過剰負荷分の冷却を行う構成を説明した。実施形態2の超電導ケーブルの冷却システム1B、及び冷却システム1Bを用いた超電導ケーブルの運転方法では、冷凍機4が安定負荷分のうち侵入熱分の冷却を行い、真空ポンプ2が安定負荷分のうち定常負荷分の冷却を行う構成である。以下、図4を参照して実施形態2の冷却システム1B及びこれを用いた運転方法について、実施形態1との相違点を中心に説明し、重複する構成及び効果などは説明を省略する。
・超電導ケーブルの冷却システム
・・全体構成
冷却システム1Bは、超電導ケーブル1000に供給する液体冷媒Lと熱交換を行う熱交換装置6と、熱交換装置6に設けられてケーブル1000に供給する液体冷媒Lの冷却に利用する真空ポンプ2及び冷凍機4と、真空ポンプ2及び冷凍機4の駆動を制御する制御部10Bとを備える。冷却システム1Bは、侵入熱分の冷却を行うように冷凍機4を制御すると共に、定常負荷分と、定常負荷分を超える過剰負荷分との双方の冷却を行うように真空ポンプ2を制御する通常制御部11Bを含む制御部10Bを備える点を特徴の一つとする。実施形態1の冷却システム1Aとの相違点は、制御部10B、特に通常制御部11Bにあるため、この相違点を詳細に説明する。
・・制御部
制御部10Bは、通常制御部11B及び異常制御部16を備え、真空ポンプ2及び冷凍機4の駆動を制御する。異常制御部16の詳細な説明は省略する。
・・・通常制御部
通常制御部11Bは、超電導ケーブル1000に生じ得る侵入熱の処理に必要な侵入熱分の冷却を行う冷凍機4を制御する。この侵入熱分は、予め設定される一定値とすることができる。そのため、侵入熱分の冷却に対しては、通常制御部11Bの冷凍機命令部140が冷凍機4に駆動命令を出してONにしたら、その後OFFにする以外に出力調整の制御が実質的に不要である。
また、通常制御部11Bは、定常負荷分及び過剰負荷分といった負荷変動などに対応した冷却を行う真空ポンプ2を制御する。この例では、実施形態1と同様に、超電導ケーブル1000の液体冷媒Lの温度及び作動液60の温度を測定して、上記温度が所定の範囲内を満たすために必要な冷却を行えるように真空ポンプ2を制御する。例えば、定常負荷分及び過剰負荷分の双方に対応した冷却を行える真空ポンプの運転条件(制御条件)を予め設定しておく。実施形態1で説明したように、作動液60の温度と超電導ケーブル1000の液体冷媒Lの温度との相関データなどに基づいて、運転条件などを予め設定しておくとよい。そして、適切な運転条件を選択し、選択した条件に沿って真空ポンプ2を制御するように通常制御部11Bを構成する。制御手順の概略を述べると、通常制御部11Bの液温判定部120は、温度計9,69からの情報に基づいて液体冷媒Lなどが所定の温度範囲内か否かを判定し、判定結果に基づいて選択した運転条件に従って運転を行うように、真空ポンプ命令部122は真空ポンプ2に命令する。
定常負荷分は、実施形態1で説明したように適宜選択できる。但し、実施形態2では、定常負荷分の冷却と、定常負荷分を超える過剰負荷分の冷却との双方を真空ポンプ2が行うため、定常負荷分を厳密に設定する必要はない。この点は、安定負荷分及び過剰負荷分の双方の冷却を真空ポンプ2が通常行う後述の実施形態3も同様である。
・超電導ケーブルの運転方法
冷却システム1Bを利用した超電導ケーブル1000の運転方法の具体的な手順は、実施形態1の運転方法と基本的に同様であり、正常時には、液体冷媒Lの温度及び作動液60の温度に基づいて、真空ポンプ2及び冷凍機4を制御する(図2,図3のフローチャートも参照)。相違点は、正常時では、上記温度に応じて、真空ポンプ2の運転条件を変更し、冷凍機4の運転条件は実質的に変更しない点にある。この相違点によって、図2に示す手順のステップS4,S5のいずれも、制御部10Bは、真空ポンプ2の運転条件を変更などする制御を行う。異常時では、図3に示すステップS15において制御部10Bは、負荷制限信号を発信すると共に、冷凍機4によって侵入熱分の冷却のみを行う点が相違点である。その他の詳細な説明は省略する。
・効果
実施形態2の超電導ケーブルの冷却システム1B、及びこの冷却システム1Bを利用した実施形態2の超電導ケーブルの運転方法は、安定負荷分のうち、侵入熱分の冷却のみを冷凍機4が行い、その残りの冷却、即ち、冷却システム1Bに求められる冷却のうち侵入熱分を除いた分の冷却に真空ポンプ2を利用することで、冷凍機4の容量を侵入熱分の冷却に要求される程度にすることができる。従って、冷却システム1B及びこれを用いた運転方法は、冷凍機4による冷却負担を更に軽減して、冷凍機4の容量を更に低減できながら、過負荷時や異常時などに求められる冷却も適切に行える。また、冷却システム1B及びこれを用いた運転方法は、冷凍機4の容量の更なる低減や一定出力での運転といった効率的な運転などによって、冷凍機4をより故障し難くできているので、メンテナンスのインターバルをより長くできる。この点から、冷却システム1Bを用いた運転方法及び冷却システム1Bは、冷却システム1Bのメンテナンス性に更に優れる。
特に、実施形態2の冷却システム1B、及びこの冷却システム1Bを利用した運転方法は、真空ポンプ2による冷却ができない場合でも、冷凍機4によって、超電導ケーブル1000の超電導状態を維持できる。
[実施形態3 安定負荷分及び過剰負荷分:真空ポンプ、真空ポンプ異常時:冷凍機]
実施形態1,2では、冷凍機4が安定負荷分の冷却の少なくとも一部を行い、真空ポンプ2が過剰負荷分の冷却を行う構成を説明した。実施形態3の超電導ケーブルの冷却システム1C、及び冷却システム1Cを用いた超電導ケーブルの運転方法では、真空ポンプ2が安定負荷分及び過剰負荷分の双方の冷却を行い、真空ポンプ2が故障などしたときに冷凍機4を使用する構成である。以下、図5を参照して実施形態3の冷却システム1C及びこれを用いた運転方法について、実施形態1との相違点を中心に説明し、重複する構成及び効果などは説明を省略する。
・超電導ケーブルの冷却システム
・・全体構成
冷却システム1Cは、超電導ケーブル1000に供給する液体冷媒Lと熱交換を行う熱交換装置6と、熱交換装置6に設けられてケーブル1000に供給する液体冷媒Lの冷却に利用する真空ポンプ2及び冷凍機4と、真空ポンプ2及び冷凍機4の駆動を制御する制御部10Cとを備える。冷却システム1Cは、侵入熱分を含む安定負荷分と、安定負荷分を超える過剰負荷分との双方の冷却を行うように真空ポンプ2を制御する通常制御部11Cと、真空ポンプ2の異常時における冷却を行うように冷凍機4を制御する異常制御部16Cとを含む制御部10Cを備える点を特徴の一つとする。実施形態1の冷却システム1Aとの相違点は、制御部10C、特に通常制御部11C及び異常制御部16Cにあるため、この相違点を詳細に説明する。
・・制御部
制御部10Cは、通常制御部11C及び異常制御部16Cを備え、真空ポンプ2及び冷凍機4の動作を制御する。
・・・通常制御部
通常制御部11Cは、超電導ケーブル1000の液体冷媒Lに求められる最小限の冷却(侵入熱分の冷却)から、過負荷時や短絡時などに求められる最大限の冷却(過剰負荷分の冷却)を含めた冷却を行う真空ポンプ2を制御する。通常制御部11Cは、実施形態1,2で説明した通常制御部11A,11Bから冷凍機命令部140を省略した構成、即ち、液温判定部120と、真空ポンプ命令部122とを備える構成である。この例の通常制御部11Cは、実施形態1,2と同様に、超電導ケーブル1000の液体冷媒Lの温度及び作動液60の温度を測定して、上記温度が所定の範囲内を満たすために必要な冷却を行えるように真空ポンプ2を制御する。但し、安定負荷分及び過剰負荷分の双方に対応した冷却を行える真空ポンプの運転条件(制御条件)を予め設定しておき、設定条件から適切な運転条件を選択し、選択した条件に沿って真空ポンプ2を制御するように通常制御部11Cを構成する。実施形態1,2で説明したように、作動液60の温度と超電導ケーブル1000の液体冷媒Lの温度との相関データなどに基づいて、運転条件などを予め設定しておくとよい。制御手順の概略を述べると、通常制御部11Cの液温判定部120は、温度計9,69からの情報に基づいて液体冷媒Lなどが所定の温度範囲内か否かを判定し、判定結果に基づいて選択した運転条件に従って運転を行うように、真空ポンプ命令部122は真空ポンプ2に命令する。
・・・異常制御部
異常制御部16Cは、真空ポンプ2について故障などの異常の有無を判定し、異常が生じたときの制御を行う。特に、異常制御部16Cは、真空ポンプ2の異常時に冷凍機4を制御することを特徴の一つとする。この例では、異常制御部16Cに備える真空ポンプ異常判定部162は、真空ポンプ2からの情報に基づいて、真空ポンプ2の異常の有無を判定し、真空ポンプ2の異常が有る場合、この例では液体冷媒Lの適切な冷却が実質的に行えないことから、負荷を制限する構成としている。具体的には、真空ポンプ2を用いた冷却ができないと判定された場合には、冷却システム1Cに備える冷凍機4による冷却に制限して運転することができる。例えば、異常制御部16Cは、系統側の制御部に負荷制限信号を発信すると共に、冷凍機4に駆動命令を出す構成とする。負荷制限信号を受けた系統側の制御部は、実施形態1で説明したように系統の切り離し、負荷の制限などを行う。その結果、冷凍機4の容量以下の冷却によって送電可能な送電量に規制できる。冷却システム1Cに備える冷凍機4として、少なくとも侵入熱分の冷却が可能な容量を有するものを利用すれば、真空ポンプ2による冷却が可能な状態に復旧するまでの間、冷凍機4によって超電導状態を維持可能である。
なお、実施形態3の冷却システム1Cも冷凍機異常判定部164を備えており、必要時に冷凍機4が稼働できるように冷凍機4を常時監視している。また、この形態は、真空ポンプ2を用いた冷却ができないときでも、冷凍機4が稼働できるように、冷凍機4への液体冷媒Lの循環、冷凍機4の定期的な運転確認などが行えるものとする。
・超電導ケーブルの運転方法
冷却システム1Cを利用した超電導ケーブル1000の運転方法の具体的な手順は、実施形態1の運転方法と基本的に同様であり、正常時には、液体冷媒Lの温度及び作動液60の温度に基づいて、真空ポンプ2のみを制御する(図2,図3のフローチャートも参照)。正常時における相違点は、真空ポンプ2のみを運転制御する点にある。この相違点によって、図2に示す手順のステップS4,S5のいずれも、真空ポンプ2のみを制御する。異常時では、冷凍機4の容量の範囲内での冷却を行う図3に示すステップS15が有るものの、真空ポンプ2のみを利用する図3に示す手順のステップS14が無い点にある。その他の詳細な説明は省略する。
・効果
実施形態3の超電導ケーブルの冷却システム1C、及びこの冷却システム1Cを利用した実施形態3の超電導ケーブルの運転方法は、安定負荷分の冷却及び過剰負荷分の冷却の双方に真空ポンプ2を利用し、真空ポンプ2の故障時などに冷凍機4を利用する。例えば、冷凍機4は、侵入熱の冷却のみを行う。そのため、冷凍機4の容量を侵入熱分の冷却に要求される程度に低減できる。従って、冷却システム1C及びこれを用いた運転方法は、冷凍機4による冷却負担を更に軽減して、冷凍機4の容量を更に低減できながら、過負荷時や異常時などに求められる冷却も適切に行える。また、冷却システム1C及びこれを用いた運転方法は、冷凍機4の容量の更なる低減や一定出力での運転といった効率的な運転などによって、冷凍機4をより故障し難くできてメンテナンスのインターバルをより長くできる。この点から、冷却システム1Cを用いた運転方法及び冷却システム1Cは、冷却システム1Cのメンテナンス性に更に優れる。また、冷却システム1Cを用いた運転方法及び冷却システム1Cは、作動液の供給が容易であるため、作動液の供給を行う方が冷凍機の運用より経済的である場合に好適に利用できる。
特に、実施形態3の冷却システム1C及びこの冷却システム1Cを利用した運転方法は、真空ポンプ2による冷却ができない場合でも、冷凍機4によって超電導ケーブル1000を超電導状態に維持できる。
[変形例1]
実施形態1〜3では、超電導ケーブル1000に供給する液体冷媒Lの循環経路(配管30)に冷凍機4を配置せず、配管30(熱交換部34)を冷却することで液体冷媒Lを間接的に冷却する間接冷却方式の形態を説明した。その他の例として、ケーブル1000における液体冷媒の循環経路に冷凍機4を配置して、液体冷媒Lを冷凍機4によって直接冷却する直接冷却方式とすることができる。
[その他の形態]
侵入熱分の冷却及び過剰負荷分の冷却を真空ポンプが行い、定常負荷分の冷却を冷凍機が行う形態が挙げられる。
定常負荷分は、上述の変動スパンが短い変動のようなある程度大きな負荷変動などに対応可能な冷却量を含み得るため、この形態は、冷凍機の容量をある程度大きく設計する必要がある。冷凍機の容量の低減を考慮すると、実施形態1〜3が好ましい。
安定負荷分の冷却を真空ポンプが行い、過剰負荷分の冷却を冷凍機が行う形態が考えられる。
この形態は、真空ポンプを常時用いるため、気化に伴う作動液の消費量が多くなるといった不具合が生じると考えられる。
なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の超電導ケーブルの運転方法は、直流送電や交流送電を行う超電導ケーブルを備える電力線路の運転に利用できる。本発明の超電導ケーブルの冷却システムは、交流送電や直流送電を行う超電導ケーブルを備える電力線路に付設させて、超電導ケーブルに供給する液体冷媒の冷却に利用できる。
1A,1B,1C 超電導ケーブルの冷却システム
2 真空ポンプ 4 冷凍機 6 熱交換装置 9 温度計
10A,10B,10C 制御部
11A,11B,11C 通常制御部
120 液温判定部 122 真空ポンプ命令部 140 冷凍機命令部
16,16C 異常制御部
162 真空ポンプ異常判定部 164 冷凍機異常判定部
167 異常信号発信部 169 制限信号発信部
30 配管 30g 供給部 30r 排出部
30RT リザーブタンク(リザーバー)
32 ポンプ 34 熱交換部
60 作動液 61 貯留槽 62 補給槽 64 配管 65 開閉弁
66,67 液面計 69 温度計
1000 超電導ケーブル 1100 ケーブルコア 1200 断熱管
1111 フォーマ 1112 超電導導体層 1113 電気絶縁層
1114 外側超電導層 1115 保護層
1210 内管 1220 外管 1230 防食層 L 液体冷媒

Claims (7)

  1. 冷却システムで冷却した液体冷媒を超電導ケーブルに供給して前記超電導ケーブルを運転する超電導ケーブルの運転方法であって、
    前記冷却システムは、前記液体冷媒の冷却に使用する真空ポンプ及び冷凍機を備え、
    侵入熱分を含む安定負荷分の冷却に前記冷凍機及び前記真空ポンプの少なくとも一方を用い、
    前記安定負荷分を超える過剰負荷分の冷却に前記真空ポンプを用いる超電導ケーブルの運転方法。
  2. 前記安定負荷分の冷却に前記冷凍機を用いる請求項1に記載の超電導ケーブルの運転方法。
  3. 前記安定負荷分のうち、前記侵入熱分の冷却に前記冷凍機を用い、残りの冷却に前記真空ポンプを用いる請求項1又は請求項2に記載の超電導ケーブルの運転方法。
  4. 前記安定負荷分の冷却に前記真空ポンプを用い、
    前記真空ポンプを用いた冷却ができないときには負荷を制限し、前記侵入熱分の冷却に前記冷凍機を用いる請求項1に記載の超電導ケーブルの運転方法。
  5. 前記超電導ケーブルは、交流送電に用いられる請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の超電導ケーブルの運転方法。
  6. 超電導ケーブルに供給する液体冷媒の冷却に利用する真空ポンプ及び冷凍機と、
    前記真空ポンプ及び前記冷凍機の駆動を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    侵入熱分を含む安定負荷分の冷却を行うように、前記真空ポンプ及び前記冷凍機の少なくとも一方を制御すると共に、前記安定負荷分を超える過剰負荷分の冷却を行うように前記真空ポンプを制御する通常制御部を備える超電導ケーブルの冷却システム。
  7. 前記冷凍機は、前記侵入熱分の冷却に必要な容量以上、前記安定負荷分の冷却に必要な容量以下である請求項6に記載の超電導ケーブルの冷却システム。
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