JP6221295B2 - 位置算出方法及び位置算出装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記の課題に鑑みて考案されたものであり、その目的とするところは、基準とする方位の情報を取得する前から慣性航法演算を開始するための新たな手法を提案することにある。
図1は、本実施形態における位置算出装置1の全体システムの構成例を示す図である。この位置算出装置1は、例えばユーザーの腰(右腰又は左腰)に装着して利用される小型電子機器であり、ユーザーの位置を算出して表示する位置算出装置の一種である。位置算出装置1は、ユーザーが位置の算出に係る各種操作を入力するための入力装置である操作ボタン3と、算出された位置等の情報が表示される液晶ディスプレイ5と、スピーカー7とを有し、装置内部にIMU(Inertial Measurement Unit)10の他、図2の処理部100の機能を担うCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー、記憶部600の機能を担うメモリー、通信部500の機能を担う通信回路、GPS(Global Positioning System)センサー20などを有する。
図2は、位置算出装置1の機能構成の一例を示す図である。
位置算出装置1は、IMU10と、GPSセンサー20と、処理部100と、操作部200と、表示部300と、音出力部400と、通信部500と、記憶部600とを有して構成される。
処理部100は、慣性航法演算部110と、方位差取得部120と、修正部130と、カルマンフィルター処理部(以下、「KF(Kalman Filter)処理部」と称す。)140とを機能部として有する。
通信部500は、装置内部で利用される情報や算出した結果等を、外部の情報通信装置との間で送受するための通信装置である。
GPS検出データ640は、GPSセンサー20によって演算されたGPS演算結果を時系列に記憶する。
方位差データ650は、方位差取得部120によって取得された方位差を記憶する。
慣性航法演算データ660は、慣性航法演算部110が慣性航法演算を行うことで取得されるデータであり、位置や速度ベクトル、姿勢角といった諸量がこれに含まれる。
慣性航法演算誤差データ670は、KF処理部140がKF処理を行うことで取得されるデータであり、位置誤差や速度ベクトル誤差、姿勢角誤差、加速度バイアス、ジャイロバイアスといった諸量がこれに含まれる。
図5は、位置算出装置1の処理部100が記憶部600に記憶されている位置算出プログラム610に従って実行する位置算出処理の流れを示すフローチャートである。
次いで、KF処理部140は、現在のユーザーの移動状況を判定し(ステップA17)、移動状況の判定結果が移動中である場合は(ステップA17;移動中)、GPSセンサー20からGPS演算速度Vを取得する(ステップA19)。そして、KF処理部140は、GPS演算速度Vを用いて、例えば次式(2)に示すような移動時観測ベクトルZmoveを設定する(ステップA21)。
図6は、位置算出装置1を装着した被験者が所定の経路(図6のスタート地点SPから、右上の方向)に沿って移動したときの位置を算出する実験の結果を示す図である。図6において、横軸は経度、縦軸は緯度をそれぞれ示している。スタート地点SPから右上方向に移動したにも関わらず、本実施形態の位置は、スタート地点SPから一時、下方向に移動した軌跡となっている。これは、GPS演算方位を取得するまでの絶対仮座標系で算出していることによる。GPS演算方位が取得できると、正しい位置に修正され、以降は右上方向に移動した適切な位置が算出できている。なお、GPS演算方位を取得するまでに算出した全ての位置について、位置の修正を施せば、正しい位置に修正することができるのは勿論である。
位置算出装置1において、慣性航法演算部110は、絶対座標系を仮に設定した絶対仮座標系上での移動位置を慣性航法演算で算出する。そして、方位差取得部120は、慣性航法演算部110によって算出される慣性航法演算方位とGPSセンサー20から出力される絶対方位とを用いて、絶対座標系と絶対仮座標系との方位差を取得する。そして、修正部130は、慣性航法演算の算出開始位置と方位差とを用いて、移動位置を絶対座標系上の位置に修正する。従って、絶対座標系の方位が不明の状態でも慣性航法演算を開始することができる。また、絶対座標系が不明の状態で算出した絶対仮座標系上の位置は、後から、絶対座標系と絶対仮座標系との方位差を用いて、絶対座標系上の正しい位置に修正される。このため、絶対座標系の方位が判明するまで慣性航法演算の開始を待つ必要が無い。
本発明を適用可能な実施形態は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。以下、変形例について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
上記の実施形態では、センサー(位置算出装置1)のユーザーへの装着部位を腰として説明したが、腰以外の部位に装着することとしてもよい。好適な装着部位はユーザーの体幹(四肢以外の部位)である。しかし、体幹に限らず、腕以外の例えばユーザーの頭や足に装着することとしてもよい。また、位置算出装置1は、人間ではなく、例えば自転車や自動車等に装着することとしてもよい。
上記の実施形態では、ユーザーの移動位置に施すフィルター処理をカルマンフィルター処理として説明したが、フィルター処理は何もこれに限られるわけではない。カルマンフィルターの代わりに、例えば、パーティクルフィルターやH∞(H Infinity)フィルター等のフィルターを適用したフィルター処理をユーザーの移動位置に施すこととしてもよい。
上記の実施形態では、GPSセンサー20から取得した絶対方位を用いて方位差を取得することとして説明したが、例えば図8に示すように、GPSセンサー20の代わりに、方位計30で計測された計測方位を用いて方位差取得部120が方位差を取得することとしてもよい。
また、上記の実施形態では、絶対方位を取得するために用いる衛星測位システムをGPSとして説明した。しかし、WAAS(Wide Area Augmentation System)やGLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO、Beidou等の衛星測位システムとしてもよいことは勿論である。
上記の実施形態では、ヨー角が所定の近似範囲の状態が所定時間継続していることを直進状態判定条件として説明したが、直進状態判定条件はこれに限られるわけではない。ヨー角に代えて、GPS演算方位の変化や、GPSセンサーが算出する位置から求められる移動方向の変化を用いてもよい。直進状態判定にGPSセンサーを利用する場合には、GPS演算結果を取得できたか否かの判定は省略してもよい。また、直進状態判定は上記以外の公知の手法を用いてもよい。
上記の実施形態では、慣性航法演算部110が演算した速度ベクトルから求まる相対的なユーザーの移動方位を平均して平均移動方位を算出したが、ヨー角を平均してもよい。
Claims (12)
- 移動体の移動位置を慣性航法演算で算出するステップと、
前記移動体の移動方向を算出するステップと、
前記算出された前記移動方向を用いて、絶対座標系との方位差を取得するステップと、
前記慣性航法演算の算出開始位置及び前記方位差を用いて、前記移動位置を修正するステップと、
を含み、
前記修正するステップの前においては、前記算出された前記移動位置に、
前記修正するステップの後においては、前記修正された前記位置に、
所定のフィルター処理をする、
位置算出方法。 - 請求項1において、
前記フィルター処理は、
前記修正するステップの前後で、推定誤差値を継承して誤差推定演算を行うカルマンフィルター処理である、
位置算出方法。 - 請求項1又は2において、
前記移動方向を算出するステップは、測位用衛星からの衛星信号に基づいて前記絶対座標系上での移動方向を算出し、
前記方位差を取得するステップは、前記衛星信号に基づく移動方向を用いて前記方位差を取得する、
位置算出方法。 - 請求項1又は2において、
前記方位差を取得するステップは、方位計で計測された計測方位を用いて前記方位差を
取得する、
位置算出方法。 - 請求項1〜4の何れか一項において、
前記移動方向が安定している安定時期を判定するステップを含み、
前記方位差を取得するステップは、前記安定時期において前記方位差を取得する、
位置算出方法。 - 請求項5において、
前記方位差を取得するステップは、
前記安定時期における前記移動方向を平均し、
当該平均した移動方向を用いて前記方位差を取得する、
位置算出方法。 - 絶対座標系を仮に設定した絶対仮座標系上での移動体の移動位置を慣性航法演算で算出するステップと、
前記移動体の移動方向を算出するステップと、
前記算出された前記移動方向を用いて、前記絶対座標系との方位差を取得するステップと、
前記慣性航法演算の算出開始位置及び前記方位差を用いて、前記絶対仮座標系上の前記移動位置を前記絶対座標系上の位置に修正するステップと、
を含む位置算出方法。 - 請求項1〜6の何れか一項において、
前記慣性航法演算で算出するステップは、前記絶対座標系を仮に設定した絶対仮座標系上での前記移動体の前記移動位置を前記慣性航法演算で算出し、
前記修正するステップは、前記絶対仮座標系上の前記移動位置を前記絶対座標系上の位置に修正する、
位置算出方法。 - 移動体の移動位置を慣性航法演算で算出する慣性航法演算部と、
前記移動体の移動方向を算出する移動方向算出部と、
前記算出された前記移動方向を用いて、絶対座標系との方位差を取得する方位差取得部と、
前記慣性航法演算の算出開始位置及び前記方位差を用いて、前記移動位置を修正する修正部と、
を含み、前記修正部による修正の前は前記慣性航法演算部により算出された前記移動位置に、前記修正の後は前記修正部により修正された前記移動位置に、所定のフィルター処理をする、位置算出装置。 - 絶対座標系を仮に設定した絶対仮座標系上での移動体の移動位置を慣性航法演算で算出する慣性航法演算部と、
前記移動体の移動方向を算出する移動方向算出部と、
前記算出された前記移動方向を用いて、前記絶対座標系との方位差を取得する方位差取得部と、
前記慣性航法演算の算出開始位置及び前記方位差を用いて、前記絶対仮座標系上の前記移動位置を前記絶対座標系上の位置に修正する修正部と、
を含む位置算出装置。 - 移動体の移動位置を慣性航法演算で算出し、
前記移動体の移動方向を算出し、
前記算出された前記移動方向を用いて、絶対座標系との方位差を取得し、
前記慣性航法演算の算出開始位置及び前記方位差を用いて、前記移動位置を修正し、
前記修正の前は前記算出された前記移動位置に、前記修正の後は前記修正された前記移動位置に、所定のフィルター処理をする、
位置算出装置。 - 絶対座標系を仮に設定した絶対仮座標系上での移動体の移動位置を慣性航法演算で算出し、
前記移動体の移動方向を算出し、
前記算出された前記移動方向を用いて、前記絶対座標系との方位差を取得し、
前記慣性航法演算の算出開始位置及び前記方位差を用いて、前記絶対仮座標系上の前記移動位置を前記絶対座標系上の位置に修正する、
位置算出装置。
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