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JP6218231B2 - 自動車の車体製造方法および自動車の車体構造 - Google Patents

自動車の車体製造方法および自動車の車体構造 Download PDF

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Description

本発明は、一定断面のパイプ材をU字状に曲げ加工したフロントバルクヘッド本体部の左右一対の縦メンバを左右一対のフロントサイドフレームに接合する自動車の車体製造方法および自動車の車体構造に関する。
エンジンのラジエータや空調装置のコンデンサを支持する枠状のフロントバルクヘッドをハイドロフォーム成形し、そのフロントバルクヘッドを車幅方向両側に延長した延長部にヘッドランプを支持可能にしたものが、下記特許文献1により公知である。
特開2000−219157号公報
ところで、フロントバルクヘッドは左右一対のフロントサイドフレームの前端に支持されるが、フロントバルクヘッドおよびフロントサイドフレームの接合部を面接触させて接合しようとしても、フロントバルクヘッドの寸法精度を確保することが難しいため、接合部に隙間が発生したり接合部が干渉したりして精度の高い接合が阻害される問題があった。この問題を解決するには、フロントバルクヘッドおよびフロントサイドフレームを、寸法誤差を吸収可能なブラケットを介して接合すれば良いが、このようにするとブラケットを設けた分だけ部品点数や組み付け工数が増加する問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、フロントバルクヘッドの寸法精度が低い場合であっても、特別のブラケットを必要とせずにフロントサイドフレームに対する精度の良い接合を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、一定断面のパイプ材をU字状に曲げ加工して横メンバ、左右一対の上下湾曲部および左右一対の縦メンバを一体に有するフロントバルクヘッド本体部を成形する第1工程と、前記左右一対の縦メンバの車幅方向外側面を切除して接合凹部を形成する第2工程と、前記接合凹部に左右一対のフロントサイドフレームの車幅方向内側部分を嵌合して接合する第3工程とを含むことを特徴とする自動車の車体製造方法が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記横メンバは車幅方向外側が後方に湾曲する左右一対の前後湾曲部を備え、前記第1工程において、円形断面の前記パイプ材を前記左右一対の上下湾曲部および前記左右一対の前後湾曲部において二次元曲げ加工することを特徴とする自動車の車体製造方法が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記横メンバは車幅方向外側が後方に湾曲する左右一対の前後湾曲部を備え、前記第1工程において、四角形断面の前記パイプ材を前記左右一対の前後湾曲部において二次元曲げ加工するとともに前記左右一対の上下湾曲部において捩じりながら三次元曲げ加工し、前記左右一対の縦メンバの車幅方向外側面を前後方向に沿わせることを特徴とする自動車の車体製造方法が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、円形断面のパイプ材を複数回二次元曲げ加工したU字状のフロントバルクヘッド本体部は横メンバ、左右一対の上下湾曲部および左右一対の縦メンバを一体に備え、前記左右一対の縦メンバの車幅方向外側面に左右一対のフロントサイドフレームの車幅方向内側部分が嵌合する接合凹部をレーザーカットにより形成したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、四角形断面のパイプ材を複数回三次元曲げ加工したU字状のフロントバルクヘッド本体部は横メンバ、左右一対の上下湾曲部および左右一対の縦メンバを一体に備え、前記左右一対の縦メンバの前後方向に沿う車幅方向外側面に左右一対のフロントサイドフレームの車幅方向内側部分が嵌合する接合凹部をレーザーカットにより形成したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
請求項1の構成によれば、第1工程において、一定断面のパイプ材をU字状に曲げ加工して横メンバ、左右一対の上下湾曲部および左右一対の縦メンバを一体に有するフロントバルクヘッド本体部を成形し、第2工程において、左右一対の縦メンバの車幅方向外側面を切除して接合凹部を形成し、第3工程において、接合凹部に左右一対のフロントサイドフレームの車幅方向内側部分を嵌合して接合するので、フロントバルクヘッド本体部の曲げ加工の角度のばらつきで左右一対の縦メンバの車幅方向間隔に誤差が存在しても、左右一対の縦メンバの接合凹部を所定の車幅方向間隔で切除することで、フロントバルクヘッド本体部の曲げ加工の角度のばらつきを矯正せずとも、接合凹部に左右一対のフロントサイドフレームの車幅方向内側部分を支障なく嵌合することが可能となって接合強度および生産性が向上する。
またフロントバルクヘッド本体部は一定断面のパイプ材をU字状に曲げ加工して構成されるので、横メンバから縦メンバへの荷重伝達がスムーズになって強度が向上し、しかも縦メンバの車幅方向外側面を切除した接合凹部にフロントサイドフレームの車幅方向内側部分を嵌合して接合するので、ブラケット等の特別の接合部材が不要になって部品点数や組み付け工数が削減されるだけでなく、縦メンバの軸線およびフロントサイドフレームの軸線を接近させ、縦メンバからフロントサイドフレームへの確実な荷重伝達を可能にして剛性を更に高めることができる。
また請求項2の構成によれば、パイプ材が円形断面であるため、横メンバが車幅方向外側が後方に湾曲する左右一対の前後湾曲部を備えていても、コストの低い二次元曲げ加工を行うだけで、円形断面の左右一対の縦メンバの断面の向きの影響をなくし、荷重の入力方向に対する方向性を排除してフロントバルクヘッド本体部の強度を高めることができるだけでなく、縦メンバにフロントサイドフレームや他の部品を取り付ける際に、角度調整用のブラケットが不要になって部品点数や組み付け工数を削減することができる。
また請求項3の構成によれば、パイプ材が四角形断面であるため、横メンバが車幅方向外側が後方に湾曲する左右一対の前後湾曲部を備えていると、四角形断面の左右一対の縦メンバの車幅方向外側面の向きが前後方向からずれてしまうが、左右一対の上下湾曲部を捩じりながら三次元曲げ加工して左右一対の縦メンバの車幅方向外側面を前後方向に沿わせることにより、縦メンバにフロントサイドフレームや他の部品を取り付ける際に、角度調整用のブラケットが不要になって部品点数や組み付け工数を削減することができる。
また請求項4の構成によれば、円形断面のパイプ材を複数回二次元曲げ加工したU字状のフロントバルクヘッド本体部は横メンバ、左右一対の上下湾曲部および左右一対の縦メンバを一体に備え、左右一対の縦メンバの車幅方向外側面に左右一対のフロントサイドフレームの車幅方向内側部分が嵌合する接合凹部をレーザーカットにより形成したので、フロントバルクヘッド本体部の上下湾曲部の曲げ加工の角度のばらつきで左右一対の縦メンバの車幅方向間隔に誤差が存在しても、左右一対の縦メンバの接合凹部を所定の車幅方向間隔でレーザーカットすることで、前記曲げ加工の角度のばらつきを矯正せずとも、接合凹部に左右一対のフロントサイドフレームの車幅方向内側部分を支障なく嵌合することが可能となって接合強度および生産性が向上する。
またパイプ材が円形断面であるため、円形断面の左右一対の縦メンバの断面の向きに影響がなくなり、縦メンバにフロントサイドフレームや他の部品を取り付ける際に、角度調整用のブラケット等が不要になって部品点数や組み付け工数を削減することができる。しかも縦メンバの車幅方向外側面を切除した接合凹部にフロントサイドフレームの車幅方向内側部分を嵌合して接合するので、ブラケット等の特別の接合部材が不要になって部品点数や組み付け工数が削減されるだけでなく、縦メンバの軸線およびフロントサイドフレームの軸線を接近させ、縦メンバからフロントサイドフレームへの確実な荷重伝達を可能にして剛性を更に高めることができる。
また請求項5の構成によれば、四角形断面のパイプ材を複数回三次元曲げ加工したU字状のフロントバルクヘッド本体部は横メンバ、左右一対の上下湾曲部および左右一対の縦メンバを一体に備え、左右一対の縦メンバの前後方向に沿う車幅方向外側面に左右一対のフロントサイドフレームの車幅方向内側部分が嵌合する接合凹部をレーザーカットにより形成したので、フロントバルクヘッド本体部の上下湾曲部の曲げ加工の角度のばらつきで左右一対の縦メンバの車幅方向間隔に誤差が存在しても、左右一対の縦メンバの接合凹部を所定の車幅方向間隔でレーザーカットすることで、前記曲げ加工の角度のばらつきを矯正せずとも、接合凹部に左右一対のフロントサイドフレームの車幅方向内側部分を支障なく嵌合することが可能となって接合強度および生産性が向上する。
またパイプ材が四角形断面であるため、曲げ加工により四角形断面の左右一対の縦メンバの車幅方向外側面の向きが前後方向からずれてしまうが、左右一対の上下湾曲部を捩じりながら三次元曲げ加工して左右一対の縦メンバの車幅方向外側面を前後方向に沿わせることにより、角度調整用のブラケット等が不要になって部品点数や組み付け工数を削減することができる。しかも縦メンバの車幅方向外側面を切除した接合凹部にフロントサイドフレームの車幅方向内側部分を嵌合して接合するので、ブラケット等の特別の接合部材が不要になって部品点数や組み付け工数が削減されるだけでなく、縦メンバの軸線およびフロントサイドフレームの軸線を接近させ、縦メンバからフロントサイドフレームへの確実な荷重伝達を可能にして剛性を更に高めることができる。
フロントサイドフレームおよびフロントバルクヘッドの斜視図。(第1の実施の形態) 図1の2−2線断面図。(第1の実施の形態) 図2の3方向矢視図。(第1の実施の形態) フロントサイドフレームおよびフロントバルクヘッドの斜視図。(第2の実施の形態) 図4の5−5線断面図。(第2の実施の形態) フロントサイドフレームおよびフロントバルクヘッドの斜視図。(第3の実施の形態) フロントサイドフレームおよびフロントバルクヘッドの斜視図。(第4の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図3に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。尚、本明細書において前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1に示すように、自動車の車体前部にエンジン、トランスミッション、フロントサスペンション等を支持すべく前後方向に配置された左右一対のフロントサイドフレーム11,11の前端間に、エンジンのラジエータや空調装置のコンデンサ等を支持すべく四角枠状に形成されたフロントバルクヘッド12の車幅方向両端部が固定される。
フロントバルクヘッド12は、円形断面の金属パイプ材をU字状に曲げ加工したフロントバルクヘッド本体部13と、フロントバルクヘッド本体部13の左右の下端間を接続する直線状の金属板よりなるロアフレーム14とを、左右一対のブラケット15,15を介して溶接して構成される。
フロントバルクヘッド本体部13は、車幅方向に延びる横メンバ13aと、横メンバ13aの車幅方向外端から下向きに90°湾曲する左右一対の上下湾曲部13b,13bと、上下湾曲部13b,13bの下端からロアフレーム14に向かって下向きに延びる左右一対の縦メンバ13c,13cとを備える。更に横メンバ13aは、上下湾曲部13b,13bよりも僅かに車幅方向内側位置に左右一対の前後湾曲部13d,13dを備えており、これらの前後湾曲部13d,13dにより、横メンバ13aの車幅方向外端部は車幅方向中間部に対して僅かに後方に偏倚する。
かかる形状のフロントバルクヘッド本体部13は、第1工程において、直線状のパイプ材を上下湾曲部13b,13bにおいて二次元曲げ加工するとともに、前後湾曲部13d,13dにおいて二次元曲げ加工することで製造される。二次元曲げ加工とは、フロントバルクヘッド本体部13のパイプ材を一平面内で曲げ加工すること指す。
第1工程に続く第2工程において、フロントバルクヘッド本体部13の左右一対の縦メンバ13c,13cの車幅方向外側面に、フロントサイドフレーム11,11が嵌合して溶接される接合凹部13e,13eを、レーザーカットにより切除する。
ところで、フロントバルクヘッド本体部13は、特に上下湾曲部13b,13bの曲げ角度のばらつきにより、横メンバ13aに対する縦メンバ13c,13cの角度が、図3に実線で示す本来の角度から鎖線で示すようにずれてしまう場合がある。本実施の形態では、上下湾曲部13b,13bの曲げ角度にばらつきが存在しても、曲げ角度を特に矯正することなく、フロントバルクヘッド本体部13を治具に固定し、治具に対してレ−ザーカッターを予め定めた一定の経路に沿って移動させることで接合凹部13e,13eを切除する。従って、例えば図3に鎖線で示す縦メンバ13c,13cが車幅方向内側に位置ずれしている場合の接合凹部13e,13eの深さは、実線で示す縦メンバ13c,13cが位置ずれしていない場合の接合凹部13e,13eの深さよりも浅くなる。
第2工程に続く第3工程において、左右一対のフロントサイドフレーム11,11の車幅方向内側部分にフロントバルクヘッド本体部13の左右一対の接合凹部13e,13eを嵌合して溶接により接合する。このとき、仮に接合凹部13eをフロントバルクヘッド本体部13の各々の縦メンバ13cに対して一定の深さで形成したとすると、上下湾曲部13b,13bの曲げ角度にばらつきによりフロントサイドフレーム11,11が接合凹部13e,13eに正しく嵌合せず、嵌合不能になったり隙間が発生したりするが、本実施の形態によれば、上下湾曲部13b,13bの曲げ角度にばらつきが存在してもフロントサイドフレーム11,11を接合凹部13e,13eに正しく嵌合することが可能になり、作業性の向上および溶接強度の向上が可能になる。
尚、上下湾曲部13b,13bの曲げ角度にばらつきが存在する状態でフロントサイドフレーム11,11に対する溶接を行うと、左右一対の縦メンバ13c,13cの下端間の車幅方向間隔にばらつきが生じるが、左右一対の縦メンバ13c,13cの下端をブラケット15,15を介してロアフレーム14に溶接する際に、その溶接位置を車幅方向に調節することで前記ばらつきを吸収することができる。このようにして完成したフロントバルクヘッド12の左右一対の縦メンバ13c,13cの角度に多少のばらつきが存在しても、そこにラジエータやコンデンサを支持する機能に特に影響はない。
また縦メンバ13c,13cに接合凹部13e,13eを形成し、そこにフロントサイドフレーム11,11を直接溶接するので、ブラケット等の特別の接合部材が不要になって部品点数や組み付け工数が削減されるだけでなく、縦メンバ13c,13cの軸線およびフロントサイドフレーム11,11の軸線間の距離D(図3参照)を小さくし、縦メンバ13c,13cからフロントサイドフレーム11,11への確実な荷重伝達を可能にして剛性を更に高めることができる。
またパイプ材が円形断面であるため、横メンバ13aが車幅方向外側が後方に湾曲する左右一対の前後湾曲部13d,13dを備えていても、コストの低い二次元曲げ加工を行うだけで、円形断面の左右一対の縦メンバ13c,13cの断面の向きの影響をなくし、荷重の入力方向に対する方向性を排除してフロントバルクヘッド本体部13の強度を高めることができるだけでなく、縦メンバ13c,13cにフロントサイドフレーム11,11や他の部品を取り付ける際に、角度調整用のブラケット等が不要になって部品点数や組み付け工数を削減することができる。しかもフロントバルクヘッド本体部13はパイプ材をU字状に曲げ加工して構成されるので、横メンバ13aから縦メンバ13c,13cへの荷重伝達がスムーズになって強度が更に向上する。
第2の実施の形態
次に、図4および図5に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態は、フロントバルクヘッド本体部13を構成するパイプ材が円形断面であるが、第2の実施の形態は、フロントバルクヘッド本体部13を構成するパイプ材が矩形断面である点で相違しており、その他の構造は第1の実施の形態と同じである。
第2の実施の形態のフロントバルクヘッド本体部13のパイプ材は矩形断面であるため、その横メンバ13aの平坦な上面を利用してボンネットフードのフードロック等の取り付けが容易になるという利点がある。
しかしながら、仮にフロントバルクヘッド本体部13の左右一対の縦メンバ13c,13cの矩形断面の各面が前後方向および車幅方向に沿うように整列していないと、縦メンバ13c,13cに補機等を固定する場合に、その取付角度が変化したりして不便である。フロントバルクヘッド本体部13の車幅方向に延びる横メンバ13aの両端を上下湾曲部13b,13bにおいて上下方向に二次元曲げ加工するだけであれば、縦メンバ13c,13cの各面は自動的に前後方向および車幅方向に沿うように整列するが、横メンバ13aは更に前後湾曲部13d,13dにおいて前後方向に曲げ加工されるため、その曲げ角度だけ縦メンバ13c,13cの各面が前後方向および車幅方向に対して角度θだけずれてしまうことになる。
この問題を解決するために、本実施の形態では、上下湾曲部13b,13bを曲げ加工するときに、パイプ材に前記角度θを相殺する捩じりを加えるように三次元曲げ加工することで、縦メンバ13c,13cの各面が前後方向および車幅方向に沿うように整列させる。これにより、前後湾曲部13d,13dを有するフロントバルクヘッド本体部13の縦メンバ13c,13cの捩じれを防止し、縦メンバ13c,13cに対するフロントサイドフレーム11,11や補機等の取り付けを容易に行うことができる。上下湾曲部13b,13bの曲げ角度のばらつきの影響を除去する作用効果は、上述した第1の実施の形態と同じである。
尚、第1の実施の形態のフロントバルクヘッド本体部13はパイプ材が円形断面であるため、前後湾曲部13d,13dを曲げ加工する際にパイプ材が軸線まわりに回転しても、断面の向きが角度θだけ変化してしまう問題は発生しない。よって、第1の実施の形態によれば、上下湾曲部13b,13bを曲げ加工するときに、パイプ材に前記角度θを相殺する捩じりを加えるように三次元曲げ加工する必要がなくなり、加工コストの削減が可能になる。
第3の実施の形態
次に、図6に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態では、U字状のフロントバルクヘッド本体部13の下端にロアフレーム14を接続して枠状のフロントバルクヘッド12を構成しているが、第3の実施の形態では、U字状のフロントバルクヘッド本体部13の上端にアッパーフレーム16を接続して枠状のフロントバルクヘッド12を構成している。フロントバルクヘッド本体部13は、横メンバ13aおよび縦メンバ13c,13cの境界の上下湾曲部13b,13bに加えて、縦メンバ13c,13cの上部を車幅方向外側に湾曲させる第1車幅方向湾曲部13f,13fと、第1車幅方向湾曲部13f,13fの上部を車幅方向内側に湾曲させる第2車幅方向湾曲部13g,13gとを備える。上下湾曲部13b,13b、第1車幅方向湾曲部13f,13fおよび第2車幅方向湾曲部13g,13gは、二次元曲げ加工される。
アッパーフレーム16は非円形断面のパイプ材をハイドロフォーム成形により後方に向けて開放するU字状に曲げ加工したものであり、車幅方向に延びる中央部16aと、中央部16aの車幅方向外端から後方に湾曲する左右一対の前後湾曲部16b,16bと、前後湾曲部16b,16bの車幅方向外端から斜め後方に延びる左右一対の傾斜部16c,16cとを備え、傾斜部16c,16cの下面に左右一対の縦メンバ13c,13cの上端が溶接される。
フロントバルクヘッド本体部13の縦メンバ13c,13cに接合凹部13e,13eを形成する方法と、その接合凹部13e,13eの作用効果はとは、前述した第1の実施の形態と同じである。
第4の実施の形態
次に、図7に基づいて本発明の第4の実施の形態を説明する。
第4の実施の形態は、第3の実施の形態の円形断面のパイプ材を、矩形断面のパイプ材で置き換えたものである。縦メンバ13c,13cの上端の各面をアッパーフレーム16の傾斜部16c,16cに沿うように接続するために、第1車幅方向湾曲部13f,13fおよび第2車幅方向湾曲部13g,13gを三次元曲げ加工することで角度θの捩じりが加えられる。ただし、縦メンバ13c,13cの接合凹部13e,13eが形成される部分には捩じりが加えられず、矩形断面の各面は前後方向および車幅方向に整列している。
この第4の実施の形態によっても、前述した第3の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではフロントバルクヘッド本体部13の接合凹部13eをレーザーカットにより切除しているが、他の任意の手段で切除することができる。
また実施の形態ではフロントバルクヘッド本体部13およびフロントサイドフレーム11を溶接により接合しているが、他の任意の手段で接合することができる。
11 フロントサイドフレーム
13 フロントバルクヘッド本体部
13a 横メンバ
13b 上下湾曲部
13c 縦メンバ
13d 前後湾曲部
13e 接合凹部

Claims (5)

  1. 一定断面のパイプ材をU字状に曲げ加工して横メンバ(13a)、左右一対の上下湾曲部(13b)および左右一対の縦メンバ(13c)を一体に有するフロントバルクヘッド本体部(13)を成形する第1工程と、
    前記左右一対の縦メンバ(13c)の車幅方向外側面を切除して接合凹部(13e)を形成する第2工程と、
    前記接合凹部(13e)に左右一対のフロントサイドフレーム(11)の車幅方向内側部分を嵌合して接合する第3工程とを含むことを特徴とする自動車の車体製造方法。
  2. 前記横メンバ(13a)は車幅方向外側が後方に湾曲する左右一対の前後湾曲部(13d)を備え、前記第1工程において、円形断面の前記パイプ材を前記左右一対の上下湾曲部(13b)および前記左右一対の前後湾曲部(13d)において二次元曲げ加工することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体製造方法。
  3. 前記横メンバ(13a)は車幅方向外側が後方に湾曲する左右一対の前後湾曲部(13d)を備え、前記第1工程において、四角形断面の前記パイプ材を前記左右一対の前後湾曲部(13d)において二次元曲げ加工するとともに前記左右一対の上下湾曲部(13b)において捩じりながら三次元曲げ加工し、前記左右一対の縦メンバ(13c)の車幅方向外側面を前後方向に沿わせることを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体製造方法。
  4. 円形断面のパイプ材を複数回二次元曲げ加工したU字状のフロントバルクヘッド本体部(13)は横メンバ(13a)、左右一対の上下湾曲部(13b)および左右一対の縦メンバ(13c)を一体に備え、前記左右一対の縦メンバ(13c)の車幅方向外側面に左右一対のフロントサイドフレーム(11)の車幅方向内側部分が嵌合する接合凹部(13e)をレーザーカットにより形成したことを特徴とする自動車の車体構造。
  5. 四角形断面のパイプ材を複数回三次元曲げ加工したU字状のフロントバルクヘッド本体部(13)は横メンバ、左右一対の上下湾曲部(13b)および左右一対の縦メンバ(13c)を一体に備え、前記左右一対の縦メンバ(13c)の前後方向に沿う車幅方向外側面に左右一対のフロントサイドフレーム(11)の車幅方向内側部分が嵌合する接合凹部(13e)をレーザーカットにより形成したことを特徴とする自動車の車体構造。
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