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JP6217416B2 - 固液分離装置 - Google Patents

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JP6217416B2
JP6217416B2 JP2014016710A JP2014016710A JP6217416B2 JP 6217416 B2 JP6217416 B2 JP 6217416B2 JP 2014016710 A JP2014016710 A JP 2014016710A JP 2014016710 A JP2014016710 A JP 2014016710A JP 6217416 B2 JP6217416 B2 JP 6217416B2
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Description

本発明は、液体中に含まれている固体粒子を分離するための固液分離装置に関するもので、特に、液体との密度差がないか又は小さい固体粒子の分離に有効な固液分離装置に関するものである。
細胞や、藻類、その他の微生物を培養して、医薬品、燃料やその他の有用物質を生産する場合は、前記有用物質の回収処理を開始する際、培養された細胞や微生物等を、水中(培養液中)より分離する前処理が必要とされる。
又、海水の淡水化処理やシェールガス随伴水等の脱塩処理を行う手法として、逆浸透膜法や正浸透膜法がある。かかる逆浸透膜法や正浸透膜法を実施する場合は、膜処理の実施前に、前処理として、水中に含まれている砂、粘土、コロイド等の固体粒子を分離して除去することが求められる。更に、前記海水の淡水化処理やシェールガス随伴水等の脱塩処理の場合は、水中に含まれている藻類やその他の微生物、その死骸や代謝物等の固体粒子についても、前処理で分離して除去することが望まれる。
更には、湖沼の浄化を目的として、水から藻類等の微生物を分離することも行われている。
固液分離を実施する場合は、分離対象となる固体粒子と、その分散媒となっている液体との密度差を利用した固液分離手法が広く一般的に行われている。すなわち、固体粒子の密度が液体の密度よりも大きい場合は、沈降分離が行われる。一方、固体粒子の密度が液体の密度よりも小さい場合は、浮上分離が行われている。又、前記固体粒子と液体との密度差が比較的小さい場合は、前記と同様の固液密度差に基づく固体粒子の沈降や浮上を、遠心力を利用して促進させるようにした遠心分離が広く行われている。
しかし、培養された細胞や微生物等、及び、水中に含まれている砂、粘土、コロイド、藻類やその他の微生物と、その死骸や代謝物は、粒径が小さく、更には、分散媒である培養液や水との密度差がないか又は該密度差が小さい粒子となっている場合がある。
そのために、このような固体粒子は、沈降分離や浮上分離や遠心分離のような固液密度差を利用した従来の一般的な固液分離手法では、液体から分離させることが困難である。以降、本明細書において、液体との密度差が小さい固体粒子とは、固体粒子の密度と、液体の密度に、通常の遠心分離では固液分離が困難になる程度の密度差しかない場合の固体粒子を意味するものである。
ところで、剪断速度勾配を有する液体の流れの中に存在する固体粒子には、該固体粒子と液体との密度差の有無にかかわらず、サフマン揚力が作用することが知られている。
又、サフマン揚力を利用して液体中の粒子を或る分離粒径を基準として分離する手法が、従来提案されている。これは、透過性を有する膜に液体の透過流を形成させるときに、該膜の上流面側に、膜表面に沿う方向の剪断速度勾配を有する液体の流れを生じさせて、前記分離粒径に対応する粒径の粒子に作用するサフマン揚力(剪断揚力)が前記膜の透過流の速度と等しくなるようにさせる手法である。かかる手法によれば、前記分離粒径以上の粒径を持つ粒子は、前記サフマン揚力の作用により膜の上流面側に保持されるため、膜を透過する前記分離粒径よりも小さい粒径の粒子との分離を行うことができるとされている(たとえば、特許文献1参照)。
ところが、特許文献1に示された手法は、液体中の粒子を粒径に応じて分離するための手法に過ぎず、液体との密度差がないか又は小さい固体粒子についての固液分離処理を行うものではない。
更に、特許文献1には、透過性を有する膜のファウリング(目詰まり)に対する対策は何ら示されていない。
特表2001−503669号公報
そこで、本発明は、液体との密度差がないか又は小さい固体粒子を液体から分離させるための固液分離処理を、膜のファウリングを防止しながら長期に亘り安定して実施することができる固液分離装置を提供しようとするものである。
本発明は、前記課題を解決するために、請求項1に対応して、下方向に延び且つ周壁に多孔質濾材を備える固定円筒壁と、前記固定円筒壁の外周に同心状に配置した回転円筒壁、及び、該回転円筒壁の下端部を閉塞させる端壁を備えた回転容器と、前記固定円筒壁と、前記回転円筒壁の間に形成された環状の液体充填空間と、前記液体充填空間の軸心方向の一端側に設けた、粒径が小さい粒子であって、液体との固液密度差がないか又は小さい粒子を含む原液を供給する原液入口と、前記液体充填空間の軸心方向の他端側の外周寄りに設けた粒子濃縮液出口と、前記固定円筒壁の内側に上流側端部を接続した清澄液回収管と、前記固定円筒壁の内外に、内側の圧力が外側の液体充填空間の圧力よりも低くなる差圧を発生させるための差圧発生手段と、前記回転容器を回転させる回転駆動装置とを備えて、前記回転容器の回転円筒壁を回転させることにより、前記液体充填空間内の原液に、内周側より外周側に向けて流速が次第に増加する剪断速度勾配を有する周方向の流れ場を形成し、原液中に含まれる前記粒子が、前記流れ場の中で作用するサフマン揚力により外周寄りに濃縮されて前記粒子濃縮液出口より回収され、前記原液より前記粒子の清澄化が図られる清澄液が、前記固定円筒壁の内側に回収される構成とし、更に、前記固定円筒壁の多孔質濾材におけるファウリングの状況を検出するためのファウリング検出手段と、前記ファウリング検出手段からの入力に基づいて、前記回転駆動装置による前記回転容器の反転を制御する制御装置を備えた構成を有する固液分離装置とする。
又、請求項2に対応して、前記請求項1の構成において、前記固定円筒壁の多孔質濾材におけるファウリングを検出するための前記ファウリング検出手段は、前記固定円筒壁の外側と内側の差圧を計測する差圧計とし、前記制御装置は、前記差圧計より入力される差圧の計測結果が、予め設定してある或る設定値まで増加すると、前記回転駆動装置に対し前記回転容器の回転方向を反転させる指令を与えるものである構成とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)本発明の固液分離装置では、粒径が小さい粒子、分散媒の液体との固液密度差がないか又は小さい粒子であっても、該粒子を含む原液を連続的に固液分離処理して、濃縮された粒子を含む粒子濃縮液と、該粒子についての清澄化が図られた清澄液とを分離して回収することができる。したがって、本発明の固液分離装置は、培養された細胞や微生物等、及び、水中に含まれている砂、粘土、コロイド、藻類やその他の微生物と、その死骸や代謝物のような固体粒子を培養液や水などの液体から分離させるための固液分離処理を、実施することができる。
(2)更に、本発明の固液分離装置は、前記固定円筒壁の多孔質濾材のファウリングが進行すると、液体充填空間にて発生させる剪断速度勾配を有する周方向の流れ場の方向を反転させることで、ファウリングの除去(洗浄)を行うことができるため、前記固液分離処理を、長期に亘り安定して実施することができる。
本発明の固液分離装置の実施の一形態を示す概略切断側面図である。 図1のA−A方向矢視図である。 本発明の実施の他の形態を示す概略切断側面図である。 本発明の実施の更に他の形態を示す概略切断側面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明の固液分離装置の実施の一形態を示すものである。
すなわち、本発明の固液分離装置は、図1及び図2に符号1で示すもので、上下方向に延びる円筒形状とした固定円筒壁2を備える。該固定円筒壁2は、周壁に備えた多孔質濾材を通して、後述する粒子(固体粒子)4を含む原液3より分離させる清澄液5を、該周壁の内外方向に透過させることができるようにしてある。なお、図示する便宜上、図1及び図2では粒子4のサイズを拡大して示してある(後述する図3も同様)。
なお、前記多孔質濾材が該固定円筒壁2の形状を保持できるような強度や剛性を備えた材料である場合は、該固定円筒壁2全体を、多孔質濾材製とすればよい。一方、前記多孔質濾材が、前記固定円筒壁2の形状を保持できるような強度や剛性を備えていない濾過膜(フィルタ)である場合は、該固定円筒壁2は、図示してないが、周壁の形状(外形)を保持するための格子状等の開口部を有するフレームの開口部に、前記多孔質濾材としての濾過膜を取り付けてなる構成とすればよい。前記固定円筒壁2に備える前記多孔質濾材(濾過膜を含む)の孔径は、前記原液3に含まれていて前記清澄液5との分離を望む粒子4の粒径に応じて、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜等と同様の濾過処理が行えるように適宜選定してあるものとする。
前記固定円筒壁2の外側には、該固定円筒壁2の外径よりも大きな内径を有する円筒形状の円筒壁7と、該円筒壁7の下端側を閉塞させる端壁8とからなり、且つ該端壁8の中央に取り付けた駆動軸9を中心として回転可能な回転容器6の前記円筒壁(以下、回転円筒壁と云う)7を、同心状に配置する。これにより、前記固定円筒壁2の外周面と、前記回転円筒壁7の内周面との間には、軸心方向、すなわち、上下方向に延びる環状の液体充填空間10が形成される。なお、前記固定円筒壁2の下端は、前記回転容器6の端壁8の内面に近接配置させることにより、端壁8との隙間を小さくできる。これにより、その隙間を通した固定円筒壁2の内外方向の液体の流通は抑制できる。
前記回転容器6の駆動軸9は、双方向回転が可能な回転駆動装置11に接続してある。これにより、該回転駆動装置11を運転させて前記駆動軸9と一体に前記回転容器6を周方向の一方向又は他方向へ回転駆動させると、前記液体充填空間10では、前記回転円筒壁7が、対向する固定円筒壁2に対して前記周方向の一方向又は他方向に連続的に相対移動する構成とされている。
このため、前記液体充填空間10に液体が満たされている状態で、前記回転円筒壁7を、図2に矢印r1で示す平面視時計回り方向に回転させる場合は、該回転円筒壁7近傍の液体が同伴されて前記矢印r1方向に移動する。これにより、前記液体充填空間10内の液体には、図2に概略を示すように、前記固定円筒壁2側から回転円筒壁7側、すなわち、内周側から外周側に向けて流速が次第に増加する剪断速度勾配g1を有する平面視時計回り方向(前記矢印r1方向)の流れ場が、周方向の全域に亘り形成される。
同様に、前記液体充填空間10に液体が満たされている状態で、前記回転円筒壁7を、図2に二点鎖線の矢印r2で示す如き平面視反時計回り方向に回転させると、該回転円筒壁7近傍の液体が同伴されて前記矢印r2方向に移動する。これにより、前記液体充填空間10内の液体には、図2に二点鎖線で概略を示すように、前記固定円筒壁2側から回転円筒壁7側、すなわち、内周側から外周側に向けて流速が次第に増加する剪断速度勾配g2を有する平面視反時計回り方向(前記矢印r2方向)の流れ場が、周方向の全域に亘り形成される。
したがって、本発明の固液分離装置1では、前記回転容器6の回転円筒壁7を前記矢印r1方向と矢印r2方向のいずれの方向に回転させた場合であっても、前記液体充填空間10内に貯留されている液体には、内周側から外周側に向けて流速が次第に増加する剪断速度勾配g1又はg2を有する周方向の流れ場が形成される。このため、前記液体充填空間10では、前記回転円筒壁7を前記矢印r1方向と矢印r2方向のいずれの方向に回転させる場合であっても、液体中に分散されているすべての粒子4に対し、前記剪断速度勾配g1又はg2を有する周方向の液体の流れ場の中で、図2に矢印fで示すように、該液体充填空間10の内周側から外周側に向く方向のサフマン揚力が作用するようにしてある。よって、前記液体充填空間10内に貯留された液体中に含まれている粒子4は、前記サフマン揚力の作用により、該液体充填空間10内で外周方向に濃縮される。
前記液体充填空間10の軸心方向の一端部となる下端部には、図1に示すように、前記固定円筒壁2の内側を通して配管した原液供給管12の下流側端部の原液入口12aが、該固定円筒壁2を通して開口させてある。該原液供給管12の上流側端部は、粒子4が分散媒となる液体に分散された状態の原液3を供給するための図示しない原液供給部に接続されている。これにより、前記液体充填空間10では、前記図示しない原液供給部より前記原液供給管12を通して導かれる原液3が、前記原液入口12aから連続的に供給されるようにしてある。
前記液体充填空間10の軸心方向他端側となる上端側には、前記固定円筒壁2よりも大径で且つ前記回転円筒壁7よりも小径の円筒形状の流路仕切壁13が、同心状に配置されている。前記流路仕切壁13は、その上端を、前記回転円筒壁7の上端とほぼ同じ高さ位置で、且つ前記固定円筒壁2の上端と揃う高さ位置に配置させる。更に、前記流路仕切壁13の上端部は、閉塞板14により気密に閉塞させる。前記閉塞板14の下面には、前記固定円筒壁2の上端部が取り付けてある。
これにより、前記液体充填空間10の上端部は、前記流路仕切壁13によって内周寄り(固定円筒壁2寄り)と外周寄り(回転円筒壁7寄り)に仕切られる。このうち、前記流路仕切壁13と回転円筒壁7の上端部との間となる液体充填空間10の上端部の外周寄り部分は、前記回転容器6の外部に連通する粒子濃縮液出口15となっている。よって、前記したように液体充填空間10内で前記サフマン揚力の作用により外周方向に濃縮される粒子4は、一部の液体と一緒の粒子濃縮液16として、前記粒子濃縮液出口15より取り出される。
なお、前記回転容器6の回転駆動時は、前記したように液体充填空間10内で周方向の流れ場を生じる液体に遠心力が作用するため、該液体充填空間10内の液体の液面には、内周側よりも外周側が高くなる傾きが生じる。この際、該液体は、前記回転円筒壁7の上端を越える分はオーバーフローするため、液面の外周端は、前記回転円筒壁7の上端に一致した高さ位置となるが、内周側はそれよりも低くなる。この点に鑑みて、流路仕切壁13の下端の位置は、前記回転容器6の回転駆動時に遠心力の影響で液体充填空間10内の液体に液面勾配が生じた状態のときにも、該流路仕切壁13の下端部を該液面下に確実に没入させることができるように設定してあるものとする。なお、図1では図示する便宜上、前記液体充填空間10内の液面は水平な状態で示してある。
前記閉塞板14には、前記原液供給管12が上下方向に通して取り付けてある。更に、前記閉塞板14には、前記固定円筒壁2の内側より清澄液5を抜き出して回収するための清澄液回収管17の上流側端部が、上下方向に通して取り付けてある。前記閉塞板14における前記原液供給管12と清澄液回収管17の取付け部は、気密を保持させてある。
前記清澄液回収管17は、前記固定円筒壁2の内側の圧力が、外側の前記液体充填空間10の圧力よりも低くなるように該固定円筒壁2の内外に差圧を発生させるための差圧発生手段としてのポンプ18を備えている。
前記ポンプ18は、その運転で、前記固定円筒壁2の内側の液体を該清澄液回収管17へ吸引することにより、前記固定円筒壁2の内外に前記差圧を発生させる。この差圧に基づいて、前記液体充填空間10内で内周寄り(固定円筒壁2寄り)に位置している液体を、前記固定円筒壁2の周壁の多孔質濾材を通して内側へ取り出すようにしてある。この際、前述したように、前記液体充填空間10内では、原液3に含まれている粒子4は前記サフマン揚力の作用によって外周方向に濃縮されるため、該液体充填空間10の内周寄りから前記固定円筒壁2の内側へ取り出される液体は、前記粒子4の濃度が相対的に低減している。更に、該液体は、前記固定円筒壁2の多孔質濾材を通過する際に濾過処理を受けることにより、前記粒子4の濃度がより低減された清澄液5となる。
前記固定円筒壁2の内側に取り出された清澄液5は、その後、前記清澄液回収管17へ吸引される。
したがって、前記ポンプ18の運転による前記清澄液回収管17からの液体吸引量は、前記原液供給管12を通して前記液体充填空間10の下端部に連続供給する原液3の供給量に比して小さくなるように設定する。これにより、前記液体充填空間10より固定円筒壁2の多孔質濾材を通して前記固定円筒壁2の内側へ取り出されない余剰分の液体は、前記粒子濃縮液16として、前記粒子濃縮液出口15より、回転円筒壁7の上端の外周側へオーバーフローされるようにしてある。
前記流路仕切壁13及び固定円筒壁2が取り付けられている閉塞板14は、後述する外部固定容器19に図示しない支持材を介して支持させるか、あるいは、図示しない支持構造に支持させることで、位置が固定されている。これにより、前記固定円筒壁2と前記流路仕切壁13と閉塞板14は、前記回転容器6の回転に干渉する虞のない状態で、該回転容器6に対する相対位置を保持できる構成とされている。
前記回転容器6の外側には、該回転容器6の下方と外周を覆う外部固定容器19が設けてある。なお、前記回転円筒壁7の上端よりオーバーフローする粒子濃縮液16は、前記回転容器6の回転に伴う遠心力の作用により外周側へ飛ばされる可能性がある。よって、前記外部固定容器19は、その上端の高さ位置が、前記回転容器6の回転円筒壁7の上端の高さ位置以上となるように設定してある。これにより、前記粒子濃縮液出口15より回転円筒壁7の上端の外周側へオーバーフローする粒子濃縮液16は、前記外部固定容器19の内側に受けられるようにしてある。
前記外部固定容器19の底部は、中央に前記駆動軸9を貫通させて配置させるための開口部20が設けてあり、且つ該開口部20の周縁は、該外部固定容器19の内底面より或る寸法立ち上げた形状として、前記粒子濃縮液16を内底部に溜める構造としてある。更に、該外部固定容器19には、底部の或る個所に、前記粒子濃縮液16を回収するための粒子濃縮液回収口21が設けてある。なお、前記外部固定容器19の内底面には、全体に亘り前記粒子濃縮液回収口21に向けて下方傾斜する傾斜面を設けてもよい。これにより、前記したように外部固定容器19の内側に受けられた粒子濃縮液16は、該外部固定容器19の内底部に集められた後、前記粒子濃縮液回収口21より回収可能となる。
更に、本発明の固液分離装置1は、前記清澄液5を生成させるための濾過処理を行う前記固定円筒壁2の多孔質濾材におけるファウリングの状況を検出するファウリング検出手段として、たとえば、前記多孔質濾材の液体通過方向上流側と下流側の差圧を計測する差圧計22を備える。該差圧計22は、前記閉塞板14の上側に配置してあり、前記多孔質濾材の液体通過方向上流側となる液体充填空間10と、液体通過方向下流側となる前記固定円筒壁2の内側の空間に、それぞれ管路を介して連通接続してある。
本発明の固液分離装置1は、更に、前記ファウリング検出手段としての差圧計22より入力される前記差圧の計測結果を基に、前記回転容器6の回転駆動装置11の反転運転を制御する制御装置23を備えた構成としてある。
次に、以上の構成を有する本発明の固液分離装置1を用いて行う固液分離処理の内容を説明すると共に、前記制御装置23の機能について説明する。
本発明の固液分離装置1を使用して固液分離処理を行う場合は、予め、回転容器6の内部、すなわち、液体充填空間10及び固定円筒壁2の内側に、液体、たとえば、前記原液3において粒子4の分散媒となっている液体を、回転円筒壁7の上端と一致するレベルまで貯留させておく。
この状態で、前記回転駆動装置11により、前記回転容器6の周方向の一方向、たとえば、図2における矢印r1方向への回転駆動を開始させる。これにより、前記液体充填空間10内の液体には、前記した内外周方向に剪断速度勾配g1を有する流れ場が、周方向の全域に亘り形成される。
その後、前記液体充填空間10には、原液供給管12を通して導かれる原液3を、原液入口12aから該液体充填空間10の下端部へ、連続的に供給させる。更に、清澄液回収管17では、ポンプ18の運転開始により、固定円筒壁2の内側の液体の連続的な吸引を開始する。
これにより、前記液体充填空間10内では、下端部に供給された前記原液3が、該液体充填空間10内を、下端側(軸心方向一端側)から上端側(軸心方向他端側)へ、前記内外周方向に剪断速度勾配g1を有する周方向の流れ場が生じた状態で順次移動する。この際、該原液3に含まれている粒子4は、粒径が小さくても、又、たとえ、分散媒となっている液体との密度差がないか又は密度差が小さい場合であっても、前記剪断速度勾配g1を有する流れ場内で該粒子4に作用する流体力である外周方向(矢印f方向)に向いたサフマン揚力により、前記回転円筒壁7に近接する外周寄りに次第に濃縮される。
前記液体充填空間10内で外周寄りに濃縮された粒子4は、液体の一部と一緒に粒子濃縮液16となった状態で、前記液体充填空間10の上端外周部に設けられている粒子濃縮液出口15をオーバーフローして、外部固定容器19の内側に受けられる。しかる後、該粒子濃縮液16は、外部固定容器19内で集められ、粒子濃縮液回収口21より回収される。
一方、前記液体充填空間10内では、前記粒子濃縮液16に粒子4が濃縮されることに伴って相対的に該粒子4についての清澄化が図られた液体が、該液体充填空間10の内周部の固定円筒壁2寄りに位置する。更に、前記液体充填空間10にて固定円筒壁2寄りに位置している液体は、前記ポンプ18の運転で前記固定円筒壁2の内外に発生する差圧により、該固定円筒壁2の多孔質濾材を通して該固定円筒壁2の内側に連続的に取り出される際、該多孔質濾材による濾過処理を受けて、前記粒子4が更に低減された清澄液5となる。
前記固定円筒壁2の内側に取り出された清澄液5は、その後、前記清澄液回収管17を通して回収される。
以上により、原液3に含まれていた粒子4を濃縮した粒子濃縮液16と、該粒子4についての清澄化が図られた清澄液5とを分離して回収する固液分離処理が行われる。
ところで、前記本発明の固液分離装置1では、前記固液分離処理を継続して行うと、前記清澄液5生成のための濾過処理を連続して行う固定円筒壁2の多孔質濾材に、ファウリングが生じる。
この際、前記固定円筒壁2では、前記多孔質濾材のファウリングが進行するにしたがって、前記固定円筒壁2の外側から内側へ液体を通過させるときの抵抗が次第に増加する。このため、前記多孔質濾材におけるファウリングの状況、すなわち、濾過性能の低下の状況は、前記差圧計22により計測される該固定円筒壁2の外側(液体通過方向上流側)と内側(液体通過方向下流側)との差圧を指標として判断することができる。
特に、一般に製品として販売されている濾過膜では、該濾過膜のファウリングの進行による濾過性能の低下に関して、性能回復が必要となる場合の該濾過膜の上流側と下流側の差圧について、メーカーが該濾過膜の特性の一つとして公表していることが多い。
そこで、前記制御装置23には、前記固定円筒壁2で用いられている多孔質濾材に関して、ファウリングの進行に伴う性能低下によって性能回復が必要とされる状態となるときの判断基準となる前記差圧について、或る設定値(閾値)を予め設定可能とする。
更に、前記制御装置23は、前記判断基準となる或る設定値が予め設定された状態で、前記差圧計22より前記差圧の計測結果が入力されると、該差圧の計測結果と前記或る設定値とを比較する処理を行う。この比較の結果、前記差圧の計測結果が、前記或る設定値未満である場合は、前記制御装置23は、前記回転駆動装置11に対し、前記回転容器6をその時点での回転方向を保持した状態で回転を継続させる指令を与える。
一方、前記固定円筒壁2の多孔質濾材におけるファウリングが進行して、性能回復が必要とされる状態になると、前記制御装置23では、前記差圧計22より入力される前記差圧の計測結果が増加して、前記或る設定値に達するようになる。この場合、前記制御装置23は、前記回転駆動装置11に対し、前記回転容器6の回転方向を反転させる指令を与える。更に、前記制御装置23は、前記回転駆動装置11に対し、回転方向を反転させた後の回転容器6の回転数を、従前(反転以前)と同じ回転数まで上昇させる指令を与える。
これにより、前記回転容器6は、前記回転駆動装置11によって回転駆動されるときの回転方向が、図2に矢印r1で示す方向から矢印r2で示される方向に反転されると共に、該反転後の回転方向に従前と同じ回転数で回転駆動される。このため、前記液体充填空間10内の原液3は、たとえば、図2に示す如き剪断速度勾配g1を有する原液3(液体)の矢印r1方向の流れ場について、回転方向が反転されて、前記剪断速度勾配g1と同じ大きさで周方向の逆方向に向く図2に二点鎖線で示す如き剪断速度勾配g2を有する原液3(液体)の矢印r2方向の流れ場が生じる。
したがって、前記液体充填空間10では、原液3に含まれている粒子4に対して、図2に矢印fで示す方向(内周から外周に向かう方向)のサフマン揚力を、常に作用させたまま、該液体充填空間10内における前記原液3の周方向の流れ場の方向を反転させることができる。
これにより、前記液体充填空間10内では、前記原液3に含まれる粒子4の外周寄りへの濃縮を行いながら、原液3の周方向の流れ場の方向を反転させることにより、前記固定円筒壁2の多孔質濾材における該液体充填空間10に露出されている表面について、ファウリングが除去(洗浄)される。
このようにして、前記ファウリングの洗浄が行われた固定円筒壁2の多孔質濾材では、濾過性能の性能回復が図られる。又、これに伴い、前記差圧計22では、前記固定円筒壁2の内外の差圧の計測結果の値が低下する。
なお、固定円筒壁2の多孔質濾材についてのファウリングの除去処理に伴って生じる粒子状物質は、前記サフマン揚力の作用により前記液体充填空間10内で外周寄りに移動させて、前記原液3中の粒子4の粒子濃縮液16と一緒に回収することができる。
その後、前記制御装置23は、前記回転容器6の回転方向が反転させられた条件の下で、前記したと同様に、前記差圧計22より入力される差圧の計測結果と、前記或る設定値とを比較して、差圧の計測結果が前記或る設定値未満である間は、前記回転容器6の回転方向を保持させ、一方、前記差圧の計測結果が、前記或る設定値に達すると、前記回転容器6の回転方向を反転させてから回転数を復帰させる指令を、前記回転駆動装置11に対して与える。
このように、本発明の固液分離装置1によれば、粒径が小さい粒子4、あるいは、分散媒の液体との固液密度差がないか又は小さい粒子4であっても、該粒子4を含む原液3を連続的に固液分離処理して、濃縮された粒子4を含む粒子濃縮液16と、該粒子4についての清澄化が図られた清澄液5とを分離して回収することができる。
したがって、本発明の固液分離装置1は、培養された細胞や微生物等、及び、水中に含まれている砂、粘土、コロイド、藻類やその他の微生物と、その死骸や代謝物のような固体粒子を培養液や水などの液体から分離させるための固液分離処理を、実施することができる。
更に、本発明の固液分離装置1では、固定円筒壁2の多孔質濾材のファウリングが進行すると、液体充填空間10にて発生させる剪断速度勾配g1,g2を有する周方向の流れ場の方向を反転させることで、ファウリングの除去(洗浄)を行うことができるため、前記固液分離処理を、長期に亘り安定して実施することができる。
更に、前記液体充填空間10では、回転円筒壁7を、固定円筒壁2に対して周方向に連続的に相対移動させて、該液体充填空間10内の原液3に剪断速度勾配を有する流れ場を強制的に形成させるため、原液3中の粒子4に対して作用させるサフマン揚力を、確実に且つ効率よく発生させることができる。よって、前記液体充填空間10は、原液3の供給側となる軸心方向一端側から、粒子濃縮液16の出口側となる軸心方向他端側までの距離を短く設定することができる。
更に、図1及び図2に示した本発明の固液分離装置1では、原液3の粒子4にサフマン揚力を作用させるために前記液体充填空間10で発生させる剪断速度勾配を有する流れ場の方向と、前記原液入口12a側と粒子濃縮液16の粒子濃縮液出口15側とを結ぶ原液3の供給排出による流れ方向とが、それぞれ周方向と軸心方向になっていて、直角に異なっている。このため、前記液体充填空間10内では、該液体充填空間10内での原液3の供給排出による流れ方向(軸心方向)の移動速度に依存することなく、前記剪断速度勾配を有する流れ場における剪断速度勾配の大きさを設定することが可能になる。よって、前記本発明の固液分離装置1は、前記回転円筒壁7を有する回転容器6の回転速度や、該回転容器6(回転円筒壁7)の高さ寸法(軸心方向寸法)、原液3の処理量等を、それぞれ独立して変更できるため、装置の設計の際、これらの項目の設定の自由度を大きいものとすることができる。
更に、本発明の固液分離装置1は、培養された細胞や微生物等の培養液からの分離回収を行う際、使用後の器具類の再滅菌の手間を省くためには、該本発明の固液分離装置1における前記回転駆動装置11及び制御装置23以外の各構成部材を、樹脂等の使い捨て可能な材料製としてもよい。
次に、図3は本発明の実施の他の形態として、図1及び図2の実施の形態の固液分離装置1の応用例を示すものである。
すなわち、本実施の形態の固液分離装置は、図3に符号1Aで示すもので、図1及び図2に示した固液分離装置1と同様の構成において、液体充填空間10の下端側に原液3の原液入口12aを設け、上端側に粒子濃縮液16の粒子濃縮液出口15を設けた構成に代えて、液体充填空間10の軸心方向一端部(上端側)を、原液3の入口側とし、軸心方向他端側(下端側)を、粒子濃縮液16の出口側とした構成としたものである。
本実施の形態にて、回転円筒壁7を備えた回転容器6と、その回転駆動装置11は、図1及び図2に示したものと同様の構成としてある。
前記回転円筒壁7の内側には、固定円筒壁2が同心状に配置してある。該固定円筒壁2は、図1及び図2の実施の形態における固定円筒壁2と同様に、多孔質濾材を備えた構成としてある。更に、該固定円筒壁2の上端部は、閉塞板14aにより気密に閉塞させてある。
前記固定円筒壁2の外周面と、前記回転円筒壁7の内周面との間には、図1及び図2に示したと同様に、上下方向に延びる環状の液体充填空間10が形成してある。
前記液体充填空間10の軸心方向の一端部(上端部)には、前記固定円筒壁2と回転円筒壁7との間の開口部である原液入口24を設け、該原液入口24の上方に、図1及び図2に示したと同様の原液供給管12の下流側端部を配置させてある。これにより、前記液体充填空間10では、前記原液供給管12を通して導かれる原液3が、前記原液入口24より連続的に供給される。
前記液体充填空間10の軸心方向の他端部(下端部)には、その外周寄り位置に、前記固定円筒壁2の内側を通して配管した粒子濃縮液回収管25の上流側端部が、前記固定円筒壁2を通して開口させてある。本実施の形態の固液分離装置1Aでは、前記粒子濃縮液回収管25の上流側端部の開口を、前記液体充填空間10の粒子濃縮液出口26とする。前記粒子濃縮液回収管25は、図示しないポンプに接続されているものとし、該ポンプの運転で、前記液体充填空間10内で図1及び図2の実施の形態と同様にサフマン揚力の作用により外周方向に濃縮される粒子4を、一部の液体と一緒の粒子濃縮液16として前記粒子濃縮液出口26より吸引して回収する構成とされている。
なお、前記回転容器6の回転駆動時は、前記液体充填空間10内で図1及び図2の実施の形態と同様に、周方向の流れ場を生じる液体に遠心力が作用するため、該液体充填空間10内の液体の液面には、内周側よりも外周側が高くなる傾きが生じる。この際、該液体の傾いた液面が、前記回転円筒壁7の上端を越えてオーバーフローが生じないように、該回転円筒壁7の上端の高さ位置が設定してあるものとする。なお、図3では図示する便宜上、前記液体充填空間10内の液面は水平な状態で示してある。
前記閉塞板14aには、前記粒子濃縮液回収管25が上下方向に貫通させて取り付けてある。更に、該閉塞板14aには、図1及び図2に示したと同様のポンプ18を備えた清澄液回収管17の上流側端部が、上下方向に貫通させて取り付けてある。前記閉塞板14aに対する前記粒子濃縮液回収管25と清澄液回収管17の取付け部は、気密を保持させてある。
なお、本実施の形態の固液分離装置1Aは、前記したように、粒子濃縮液16を、液体充填空間10の下端部より粒子濃縮液回収管25へ直接抜き出して回収するようにしてあることから、外部固定容器19は省略した構成としてある。
その他の構成は図1及び図2に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の固液分離装置1Aによれば、回転容器6の回転駆動により、回転円筒壁7と固定円筒壁2との間に形成される液体充填空間10に、内周側から外周側に向けて流速が次第に増加する剪断速度勾配を有する原液3の周方向の流れ場を形成できる。
更に、前記回転容器6の回転駆動装置11を制御して、前記回転容器6の回転方向を反転させることにより、前記液体充填空間10内に形成させる原液3の流れ場の周方向の向きを、反転させることができる。
したがって、本実施の形態の固液分離装置1Aによっても、図1及び図2に示した実施の形態の場合と同様に固液分離処理を行うことができる。よって、本実施の形態の固液分離装置1Aは、図1及び図2に示した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次いで、図4は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図3の実施の形態の固液分離装置1Aの応用例として、固定円筒壁2の内外に差圧を発生させるための差圧発生手段の別の例を示すものである。
すなわち、本実施の形態の固液分離装置は、図4に符号1Bで示すもので、図3に示した固液分離装置1Aと同様の構成において、液体充填空間10の上端部に、外部に開放された原液入口24を設ける構成に代えて、液体充填空間10の上端側を閉塞させると共に、該液体充填空間10の上端側に、原液供給管12を接続し、該原液供給管12に、差圧発生手段として原液3を圧送する形式のポンプ27を備える構成としたものである。
前記液体充填空間10の上端側は、固定円筒壁2の上端部に気密に取り付けてある閉塞板14aを、回転円筒壁7の内径よりもやや小さい径を有する円板とし、該閉塞板14aの外周端と、前記回転円筒壁7の内周面との間に、ラビリンス構造等の図示しない非接触シールを設けることで閉塞させる。更に、本実施の形態の固液分離装置1Bは、前記固定円筒壁2の下端と、回転容器6の端壁8の内面との間に、前記と同様の図示しない非接触シールを設けるようにしてもよい。
前記液体充填空間10の上端側を覆う前記閉塞板14aの外周寄り部分には、原液供給管12の下流側端部が、前記液体充填空間10に開口するよう上下方向に貫通させて取り付けてある。前記閉塞板14aにおける前記原液供給管12の取付け部は、気密を保持させてある。本実施の形態の固液分離装置1Bでは、前記原液供給管12の下流側端部の前記液体充填空間10への開口を、原液入口28とする。
前記ポンプ27は、その運転で、原液供給管12を通して圧送する原液3を、前記原液入口28より前記液体充填空間10へ供給する。これにより、前記液体充填空間10の圧力が高くなるため、前記固定円筒壁2の内外には、前記固定円筒壁2の内側の圧力が、相対的に固定円筒壁2外側の前記液体充填空間10の圧力よりも低くなる差圧が発生する。
更に、本実施の形態の固液分離装置1Bでは、清澄液回収管17と粒子濃縮液回収管25に、圧力調整弁29と30をそれぞれ設けた構成として、前記固定円筒壁2の周壁の多孔質濾材を通して内側へ取り出される清澄液5の圧力と、前記液体充填空間10の下端部に設けてある粒子濃縮液出口26より取り出される粒子濃縮液16の圧力の比を調整することで、前記固定円筒壁2の内外の差圧を調整すると共に、前記清澄液5と粒子濃縮液16の量を調整できるようにする。
その他の構成は図3に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の固液分離装置1Bによれば、図3に示した実施の形態と同様に使用して、同様の効果を得ることができる。
なお、前記各実施の形態では、ファウリング検出手段として、差圧計22を採用した構成を示したが、図1及び図2の実施の形態、図3の実施の形態では、たとえば、図1に一点鎖線で示すように、清澄液回収管17に設けてあるポンプ18の負荷の信号を制御装置23に入力させるようにしてもよい。この場合は、前記制御装置23にて、固定円筒壁2の多孔質濾材のファウリングの進行に伴って前記固定円筒壁2の内側から清澄液5を吸引する前記ポンプ18の負荷が、予め設定した或る設定値まで高まると、回転容器6の回転駆動装置11に回転方向を反転させる指令を与えるようにすればよい。
又、固定円筒壁2の多孔質濾材のファウリングの進行に伴って、清澄液5と、粒子濃縮液16としてそれぞれ回収される液体の量が変動するという点に鑑みて、前記清澄液回収管17を通して回収される清澄液5の流量(回収量)や、粒子濃縮液16の回収量を、図示しない流量計で計測し、その結果を前記制御装置23に入力させるようにしてもよい。この場合は、前記制御装置23に、予め、清澄液5の回収量の減少についての或る設定値や、粒子濃縮液16の回収量の増加についての別の或る設定値を設定しておき、該制御装置23にて、固定円筒壁2の多孔質濾材のファウリングにより前記固定円筒壁2の内側から回収される清澄液5の量が前記或る設定値まで減少したり、前記粒子濃縮液16の量が前記別の或る設定値まで増加したりしたときに、前記回転容器6の回転駆動装置11に回転方向を反転させる指令を与えるようにすればよい。
更に、図1及び図2の実施の形態、図3の実施の形態では、液体充填空間10が外部に開放されている点に鑑みて、差圧計22として、固定円筒壁2の内側の圧力と、大気圧との差圧を計測する圧力計を用いるようにしてもよい。
又、本発明は前記実施の形態のみに限定されるものではなく、各実施の形態では、液体充填空間10の断面積や軸心方向寸法は、所望する原液3の処理量や固液分離効率に応じて適宜変更してよい。
図1及び図2の実施の形態では、原液供給管12の原液入口12aを液体充填空間10の周方向の一個所に設ける構成を示したが、周方向の複数個所に原液入口12aを配置した構成としてもよい。更には、原液供給管12の下流側端部に液体充填空間10の下端部で周方向に連続するリング状のヘッダ管を設けて、該ヘッダ管に周方向に連続する原液入口12aを設けるようにしてもよい。
図3の実施の形態、図4の実施の形態では、液体充填空間10の粒子濃縮液出口26を、該液体充填空間10の周方向の一個所に設ける構成を示したが、周方向の複数個所に粒子濃縮液出口26を配置するように、粒子濃縮液回収管25の上流側端部を分岐させる構成としてもよい。更には、粒子濃縮液回収管25の上流側端部に液体充填空間10の下端部の外周寄り位置で周方向に連続するリング状のヘッダ管を接続して、該ヘッダ管に周方向に連続する粒子濃縮液出口26を設けるようにしてもよい。
図4の実施の形態では、原液供給管12の原液入口28を閉塞板14aの周方向の一個所に設ける構成を示したが、周方向の複数個所に原液入口28を配置した構成としてもよい。
本発明の固液分離装置1,1A,1Bで固液分離処理の対象とする原液3は、該原液3において粒子4の分散媒となっている液体の密度に比して、密度が大きくなる側へ大きな密度差を有する粒子4を含んでいてもよい。この場合、前記液体に対して大きな密度差を有する粒子4は、環状の液体充填空間10内で周方向に形成される流れ場内で、サフマン揚力に加えて、遠心力を利用して外周側に濃縮させて回収することができる。
本発明の固液分離装置1,1A,1Bは、固液分離処理が必要な粒子4を含んだ液体であれば、任意の粒子4を含んだ原液3や、水以外の分散媒に粒子4が分散した原液3の固液分離処理に適用してもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
1,1A,1B 固液分離装置、2 固定円筒壁、3 原液、4 粒子、6 回転容器、7 回転円筒壁、8 端壁、9 駆動軸、10 液体充填空間、11 回転駆動装置、12 原液供給管、12a 原液入口、15 粒子濃縮液出口、17 清澄液回収管、18 ポンプ(差圧発生手段)、22 差圧計(ファウリング検出手段)、23 制御装置、24 原液入口、25 粒子濃縮液回収管、26 粒子濃縮液出口、27 ポンプ(差圧発生手段)、28 原液入口

Claims (2)

  1. 上下方向に延び且つ周壁に多孔質濾材を備える固定円筒壁と、
    前記固定円筒壁の外周に同心状に配置した回転円筒壁、及び、該回転円筒壁の下端部を閉塞させる端壁を備えた回転容器と、
    前記固定円筒壁と、前記回転円筒壁の間に形成された環状の液体充填空間と、
    前記液体充填空間の軸心方向の一端側に設けた、粒径が小さい粒子であって、液体との固液密度差がないか又は小さい粒子を含む原液を供給する原液入口と、
    前記液体充填空間の軸心方向の他端側の外周寄りに設けた粒子濃縮液出口と、
    前記固定円筒壁の内側に上流側端部を接続した清澄液回収管と、
    前記固定円筒壁の内外に、内側の圧力が外側の液体充填空間の圧力よりも低くなる差圧を発生させるための差圧発生手段と、
    前記回転容器を回転させる回転駆動装置とを備えて、
    前記回転容器の回転円筒壁を回転させることにより、前記液体充填空間内の原液に、内周側より外周側に向けて流速が次第に増加する剪断速度勾配を有する周方向の流れ場を形成し、原液中に含まれる前記粒子が、前記流れ場の中で作用するサフマン揚力により外周寄りに濃縮されて前記粒子濃縮液出口より回収され、前記原液より前記粒子の清澄化が図られる清澄液が、前記固定円筒壁の内側に回収される構成とし、
    更に、前記固定円筒壁の多孔質濾材におけるファウリングの状況を検出するためのファウリング検出手段と、
    前記ファウリング検出手段からの入力に基づいて、前記回転駆動装置による前記回転容器の反転を制御する制御装置を備えた構成を有すること
    を特徴とする固液分離装置。
  2. 前記固定円筒壁の多孔質濾材におけるファウリングを検出するための前記ファウリング検出手段は、前記固定円筒壁の外側と内側の差圧を計測する差圧計とし、
    前記制御装置は、前記差圧計より入力される差圧の計測結果が、予め設定してある或る設定値まで増加すると、前記回転駆動装置に対し前記回転容器の回転方向を反転させる指令を与えるものであること
    を特徴とする請求項1記載の固液分離装置。
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