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JP6215120B2 - 流量制御装置の検査方法、流量制御装置の検査システム、及び、流量制御装置の検査システム用プログラム - Google Patents

流量制御装置の検査方法、流量制御装置の検査システム、及び、流量制御装置の検査システム用プログラム Download PDF

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Description

本発明は、半導体製造プロセス等においてガス又は液体等の流体の流量を制御する流量制御装置の検査方法、流量制御装置の検査システム、及び、流量制御装置の検査システム用プログラムに関するものである。
例えば特許文献1には、流量制御装置で測定される流量が正しい値を示しているかどうかを検査する際に、検査が開始されるまでの待ち時間及び検査自体にかかる時間を大幅に短縮できる流量制御装置の検査方法が示されている。
この検査方法は、流路に対して上流から検査対象となる熱式流量制御装置、基準となる圧力式流量制御装置の順番で設けられている。さらに、熱式流量制御装置のバルブの開度は全開にし、圧力式流量制御装置のバルブの開度については設定流量と圧力式流量制御装置で測定される実測流量の偏差に基づいて制御される。このように検査対象である熱式流量制御装置は流量非制御状態にするとともに、基準である圧力式流量制御装置は流量制御状態とし、それぞれの流量制御装置で測定される各実測流量を比較することで熱式流量制御装置の実測流量が正しいか否かについての検査が行われる。
ところで、半導体製造プロセス等では短時間で流量制御装置の検査ができるだけでなく、特に低流量域における検査精度をさらに向上させることが求められている。
WO2008/069227号公報
本発明は上述したような問題を鑑みてなされたものであり、待ち時間及び実際に検査にかかる時間を短くしながら、低流量域における検査精度をさらに向上させることができる流量制御装置の検査方法、流量制御装置の検査システム、及び、流量制御装置の検査システム用プログラムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明の流量制御装置の検査方法は、第1バルブ、流体の流量を測定する第1流量センサ、及び、前記第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部を備えた検査対象となる流量制御装置と、基準となる第2流量センサと、を用い、流体が流れる流路上に、上流側から前記検査対象となる流量制御装置、前記基準となる第2流量センサの順番で直列に設けた前記検査対象となる流量制御装置の検査方法であって、前記流路を流れる流体の流量が所定流量となる、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となるまでは、設定流量と前記第2流量センサで測定される第2実測流量との偏差に基づいて前記流路を流れる流体の流量を制御させる初期流量制御ステップと、前記流路を流れる流体の流量が所定流量となった、又は、前期流路を流れる流体の圧力が所定圧力となった以降は、前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させて前記流路を流れる流体の流量を制御させる流量制御切替ステップと、設定流量と第1実測流量との偏差に基づいて前記流路を流れる流体の流量が制御されている状態において、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量に基づいて検査する検査ステップとを備えたことを特徴とする。
ここで、「前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量に基づいて検査する」とは、第1実測流量が第2実測流量を基準として正しいか否かを検定することや、第2実測流量となるように第1実測流量を校正することを含む概念である。
このようなものであれば、前記初期流量制御ステップにおいて、設定流量と、前記検定対象となる流量制御装置よりも下流にある第2流量センサで測定される第2実測流量の偏差に基づいて流量制御が行われるので、信頼できる第2流量センサにより検査が開始されるまでに検査の前提となる流量や圧力を短時間で実現することができる。
また、前記流量制御切替ステップにおいて、前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させるように流量制御を切り替えることにより、検査される第1実測流量が測定される前記第1流量センサの近傍にある第1バルブによる流量制御が行われる状態にできる。したがって、前記第1流量センサにおいて測定される第1実測流量の安定性を向上させることができる。さらに、前記検査対象となる流量制御装置が実際に使用されている状態を再現して検査を行うことができるので、より現実に即した検査が可能となる。
検査開始までの待ち時間を短縮しつつ、検査時における検査対象となる流量制御装置での流量の安定性や、実際の流量制御状態の再現度を向上させるための具体的な実施の態様としては、 第2バルブ、基準となる前記第2流量センサ、前記第2バルブの開度を制御する第2バルブ制御部を備えた基準となる流量制御装置が、前記検査対象となる流量制御装置の下流側に設けられており、前記初期流量制御ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置の前記第1バルブ制御部には前記第1バルブの開度を一定で保たせて、前記検査対象となる流量制御装置を流量非制御状態とするとともに、前記基準となる流量制御装置には設定流量を与え、前記第2バルブ制御部に設定流量と前記第2流量センサで測定される第2実測流量の偏差に基づいて前記第2バルブの開度を制御させて、前記基準となる流量制御装置を流量制御状態とし、前記流量制御切替ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置には設定流量を与え、前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させて、前記検査対象となる流量制御装置を流量制御状態とするとともに、前記基準となる流量制御装置の前記第2バルブ制御部には前記第2バルブの開度を一定で保たせて、前記基準となる流量制御装置を流量非制御状態とするものが挙げられる
このようなものであれば、前記初期流量制御ステップにおいては、前記検査対象となる流量制御装置は流量非制御状態であり、かつ、前記第1バルブが一定開度に保たれているので、前記検査対象となる流量制御装置と前記基準となる流量制御装置との間の流路(デッドボリューム)に流入する流体の圧力を一気に上昇させて、判定ステップにおける判定を開始するのに必要な圧力や流量といった前提条件を短時間で整えることができ、検定や校正の開始までの待ち時間も非常に短くできる。
前記流量制御切替ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置を流量制御状態とし、前記基準となる流量制御装置を第2バルブの開度が一定に保たれた流量非制御状態に切り替えることにより、検査される第1実測流量が測定される前記第1流量センサの近傍にある第1バルブによる流量制御が行われる状態になる。したがって、前記第1流量センサにおいて測定される第1実測流量の安定性を向上させることができる。さらに、前記検査対象となる流量制御装置が実際に使用されている状態を再現して検査を行うことができるので、より現実に即した検査が可能となる。
、、設定流量が低流量に設定されている場合でも第1実測流量を安定させることができるので、前記判定ステップにおける検査精度を従来よりも高くすることができる。また、下流側にある前記基準となる流量制御装置の前記第2バルブは一定開度に保たれているため、過剰な圧力がある場合には放出でき、検査時の流量の安定性をさらに高め、検査の精度も良くできる。
前記検査対象となる流量制御装置と前記基準となる流量制御装置との間の流路(デッドボリューム)に流入する流体の単位時間当たりの量を大きくして、短時間で必要な圧力を得て、検査開始までの待ち時間をできる限り短縮できるようにするには、前記初期流量制御ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置の前記第1バルブ制御部に前記第1バルブの開度を全開にさせるようにしたものであればよい。
検査時において前記基準となる流量制御装置の前記第2バルブが検査に対して最も影響を与えにくくし、検査精度を向上させられるようにするには、前記切替ステップにおいて、前記基準となる流量制御装置の前記第2バルブ制御部に前記第2バルブの開度を全開にさせるようにしたものであればよい。
前記検査ステップにおいて、第1実測流量として測定可能なレンジ全体にわたって評価でき、より正確な判定を可能とするには、前記設定流量として複数の異なる値が設定され、前記判検査ステップでは各設定流量において前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる流量制御装置で測定される第2実測流量に基づいてそれぞれ検査するようにしたものが望ましい。
前記検査対象となる流量製装置の流量制御動作を安定させて、低流量域における検査もより精度よく行えるようにするには、前記配列ステップにおいて前記流路を流れる流体の圧力を一定となるように制御する圧力制御装置を前記検査対象となる流量制御装置の上流側、又は、前記検査対象となる流量制御装置と前記基準となる流量制御装置の間にさらに設けるようにすればよい。
各流量制御装置において測定原理の異なる流量測定を行い、前記検査対象となる流量制御装置の検査をより正確に行える具体的な実施の態様としては、前記検査対象となる流量制御装置の第1流量センサが流体の温度に基づいて流量を測定するものであり、前記基準となる流量制御装置の第2流量センサが流体の圧力に基づいて流量を測定するものにしたものが挙げられる。
前記検査対象となる流量制御装置の良否を簡単に判定するための具体的な実施の態様としては、前記検査ステップが、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量が、前記基準となる流量制御装置で測定される第2実測流量に対して所定範囲内にあるか否かを検定する検定ステップを含むものが上げられる。
前記検査対象となる流量制御装置が、前記基準となる流量制御装置と略同じ実測流量を出力できるようにするための具体的な実施の態様としては、前記検査ステップが、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる流量制御装置で測定される第2実測流量に基づいて校正する校正ステップを含むものであればよい。
前記検査対象となる流量制御装置の第1バルブのみで、本発明による各効果を教授できるようにするための具体的な実施の態様としては、前記初期流量制御ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置の前記第1バルブ制御部に設定流量と前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量との偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させ、前記流量制御切替ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置の前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量との偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させるものが挙げられる。
本発明の流量制御装置の検査システムの望ましい具体的な実施の態様としては、第1バルブ、流体の流量を測定する第1流量センサ、及び、前記第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部を備えた検査対象となる流量制御装置の検査に用いられる流量制御装置の検査システムであって、流量が流れる流路上に、前記検査対象となる流量制御装置の下流側に設けられた基準となる第2流量センサと、前記流路を流れる流体の流量が所定流量となる、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となるまでは、設定流量と前記第2流量センサで測定される第2実測流量との偏差に基づいて前記流路を流れる流体の流量を制御させる指令を出力する指令出力部と、前記流路を流れる流体の流量が所定流量となった、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となった以降は、前記指令出力部が、前記検査対象となる流量制御装置に設定流量を示す設定指令信号を出力して、前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させ前記流路を流れる流体の流量を制御させるように前記指令出力部の出力する指令を切り替えさせる流量制御切替部と、前記検査対象となる流量制御装置が流量制御している状態において、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量に基づいて検査する検査部とを備えたことを特徴とする流量制御装置の検査システムが挙げられる。
既存の流量制御装置の検査システムに、本発明としての機能及び効果を追加するには、第1バルブ、流体の流量を測定する第1流量センサ、及び、前記第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部を備えた検査対象となる流量制御装置の検査に用いられるものであり、流量が流れる流路上に、前記検査対象となる流量制御装置の下流側に設けられた基準となる第2流量センサを備えた流量制御装置の検査システムに用いられるプログラムであって、前記流路を流れる流体の流量が所定流量となる、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となるまでは、設定流量と前記第2流量センサで測定される第2実測流量との偏差に基づいて前記流路を流れる流体の流量を制御させる指令を出力する指令出力部と、前記流路を流れる流体の流量が所定流量となった、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となった以降は、前記指令出力部が、前記検査対象となる流量制御装置に設定流量を示す設定指令信号を出力して、前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させ前記流路を流れる流体の流量を制御させるように前記指令出力部の出力する指令を切り替えさせる流量制御切替部と、前記検査対象となる流量制御装置が流量制御している状態において、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる流量制御装置で測定される第2実測流量に基づいて検査する検査部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする流量制御装置の検査システム用プログラムを用いればよい。
なお、検査システム用プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録されたものの検査システム用プログラム記録媒体であってもよい。
このように本発明の流量制御装置の検査方法によれば、最初は下流側にある前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量により流量制御を行い、検査の前提条件が整った途中からは前記検査対象となる流量制御装置の第1流量センサで測定される第1実測流量での流量制御に切り替えるように構成されているので、前記検査対象となる流量制御装置の検査時には前記第1流量センサの近くにある前記第1バルブで流量制御が行われ、測定される第1実測流量を低流量域でも安定させ検査精度を従来よりも向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る流量制御装置の検査システムの全体を示す模式図。 同実施形態における初期状態での流量制御装置の検査システムを示す模式図。 同実施形態における検査開始条件が整った後の流量制御装置の検査システムを示す模式図。 同実施形態における流量制御装置の検査システムの検査時における動作を示すフローチャート。 本発明の別の実施形態における初期状態での流量制御装置の検査システムを示す模式図。 本発明の別の実施形態における検査開始条件が整った後の流量制御装置の検査システムを示す模式図。
本発明の一実施形態に係る流量制御装置の検査システムについて図1乃至4を参照しながら説明する。
本実施形態の流量制御装置の検査システムAは、図1に示すように、例えば、半導体製造装置Pの一部として、そのプロセスチャンバCに供給する各種ガスの流量制御を行う流量制御装置の検査に用いられるものである。具体的にこの半導体製造装置Pは、例えばプロセスガスやエッチングガスなどの半導体製造用の各種ガスが流れるガス供給ライン1a、1b、・・・(以下、「ガス供給ライン1」と総称する)と、このガス供給ライン1が合流する合流点より下流側に並列して設けたチャンバ用ライン2及び検査用ライン3a、3b、3c(以下、「検査用ライン3」と総称する)と、ガス供給ライン1上にそれぞれ設けた検査対象となる流量制御装置4a、4b、・・・(以下、「検査対象となる流量制御装置4」と総称する)と、検査用ライン3上にそれぞれ設けた基準となる流量制御装置5a、5b、5c(以下、「基準となる流量制御装置5」と総称する)と、検査対象となる流量制御装置4の上流側のガス供給ライン1上に設けた圧力制御装置6a、6b・・・(以下、「圧力制御装置6」と総称する)と、各流量制御装置を所定動作させ検査対象となる流量制御装置4の第1実測流量Qが基準となる流量制御装置5による第2実測流量Qの所定範囲にあるか否かを判定する情報処理装置7と、を具備して成るものである。そして、前記流量制御装置の検査システム7は、少なくとも基準となる流量制御装置5と、情報処理装置7とを含むものであり、本実施形態ではさらに圧力制御装置6を含んでいる。言い換えると、流量制御装置の検査システム7は、検査対象となる流量制御装置4を含まない。
以下、各部を詳述する。
ガス供給ライン1は、上流側が各種ガスを収容する図示しないガスボンベにそれぞれ接続され、下流側を合流部1xで合流したものであり、単独のガスまたは混合ガスを、プロセスチャンバCへ供給できるように構成されている。
チャンバ用ライン2は、ガス供給ライン1から流れてくる各種ガスを、プロセスチャンバCに供給するためのラインである。検査時には、このチャンバ用ライン2に各種ガスが流れないようにするバルブ2Vを設けている。このバルブ2Vは、情報処理装置7によって開閉制御されるようにしている。
検査用ライン3は、前記合流部1xの下流側に並列して複数(本実施形態では3本)設けている。各検査用ライン3には、検査できる流量範囲の異なる、すなわち流量制御範囲の異なる、基準となる流量制御装置5を配置している。具体的には、検査用ライン3aには、20〜200SCCMの流量を測定(制御)できる基準となる流量制御装置5aを配置し、検査用ライン3bには、200〜2,000SCCMの流量を測定(制御)できる基準となる流量制御装置5bを配置し、検査用ライン3cには、2,000〜20,000SCCMの流量を測定(制御)できる基準となる流量制御装置5cを配置している。そして、これら基準となる流量制御装置5の上流側にはバルブ3Va、3Vb、3Vcを設けている。さらに、非検査時には、この検査用ライン3に各種ガスが流れないようにするバルブ3Vxを設けている。これらバルブ3Va〜3Vc及び3Vxは、情報処理装置7によって開閉制御されるようにしている。
検査対象となる流量制御装置4は、本実施形態では、熱式の質量流量制御装置(熱式マスフローコントローラ)である。外部からの指令信号によって駆動されるものであり、前記指令信号として設定流量Qを与えられた場合には、内部でローカルフィードバック制御を行ってその設定流量Qとなるようにバルブを制御するほか、同指令信号の内容によっては、オープンループ制御を行い、バルブを全開あるいは全閉状態にすることもできる。内部構成としては、図2に示すように、筐体内には第1内部流路40と、その第1内部流路40内を流れる流体の流量を測定する第1流量センサ41と、その第1流量センサ41の例えば下流側に設けた第1バルブ42と、第1バルブ制御部43とを備えている。より具体的に各部を説明する。
第1内部流路40は、詳細は図示しないが、ガス供給ライン1に接続される導入ポート及び導出ポートと、これらポート間で一旦分岐したのち合流する中空細管及びバイパス部とを備えたものである。
第1流量センサ41は、例えば、中空細管に設けられた一対の感熱センサ(サーマルセンサ)を備えたものであって、流体の瞬時流量がこの感熱センサによって電気信号として検出され、内部電気回路によってその電気信号が増幅等されて、検出流量に応じた値を有する流量測定信号として出力される。
第1バルブ42は、例えば、その開度をピエゾ素子が利用されたアクチュエータによって変化させ得るように構成したものである。アクチュエータは、第1バルブ制御部43からの開度制御信号によって駆動され、弁開度は、その開度制御信号の値に応じた開度に調整される。
第1バルブ制御部43は、図示しないCPUや内部メモリ、A/D変換器、D/A変換器等を有したデジタル乃至アナログ電気回路、第1バルブ42等と通信するための通信インタフェース、入力インタフェースなどで構成されたものである。そして、第1バルブ制御部43は、前記内部メモリに記憶しているプログラムにしたがってCPUやその周辺機器を協働動作させることによって、以下のような機能を実現するように構成してある。例えば、前記第1バルブ制御部43は、情報処理装置7などの外部からの指令信号を受信してその内容を解釈し、例えば、指令信号が設定流量Qを示す場合は、第1実測流量Qがその設定流量Qとなるようにローカルフィードバック制御する。具体的には、熱式の第1流量センサ41で測定される第1実測流量Qが、前記設定流量Qとなるように、偏差にフィードバック演算を施したフィードバック値から第1バルブ42の弁開度を制御する開度制御信号を生成し、その開度制御信号を第1バルブ42に対して出力する。また、外部から入力される指令信号が全閉信号又は全開信号の場合には、第1バルブ制御部ローカルフィードバック制御を行わずにオープンループ制御によって全閉開度又は全開開度を維持させる開度制御信号を生成し、その開度制御信号を第1バルブ42に対して出力する。
基準となる流量制御装置5は、ここでは差圧式の質量流量制御装置(差圧式マスフローコントローラ)であり、図2に示すように、ガスが流れる第2内部流路50と、この第2内部流路50の流路上に設けた第2バルブ51と、差圧発生用の抵抗体52と、その抵抗体52の各端の圧力をそれぞれ測定する入口側圧力センサ53、出口側圧力センサ54と、導入口側の第2内部流路50内を流れるガスの温度を検知する温度センサ55と、第2バルブ制御部56とを具備してなるものである。
第2内部流路50は、上流端を導入ポート、下流端を導出ポートとしてそれぞれ開口するもので、導入ポートには、外部配管を介して空圧弁、圧力レギュレータおよびガスボンベ(いずれも図示せず)が接続されている。
第2バルブ51は、詳細は図示しないが、例えば、その弁開度をピエゾ素子などよりなるアクチュエータによって変化させ得るように構成したものであって、第2バルブ制御部56から開度制御信号を与えられることによって前記アクチュエータを駆動し、その開度制御信号の値に応じた弁開度に調整してガスの流量を制御するものである。
抵抗体52は、流量制御バルブ51から流れてくるガスを導入する導入口及び導出する導出口を備えて成り、これら導入出口間に差圧を発生させるものである。この実施形態では、抵抗体52として、例えば、差圧が小さくなるほど、当該抵抗体52を流れる流量の差圧微分値が小さくなる特性を有した層流素子などの非線形抵抗体を用いている。
圧力センサとしては、入口側圧力センサ53と出口側圧力センサ54との2つがある。入口側圧力センサ53は、抵抗体52の一次側、すなわち導入口側の第2内部流路50を流れるガスの圧力を検知するものである。出口側圧力センサ54は、抵抗体52の二次側、すなわち導出口側の内部流路50を流れるガスの圧力を検知するものである。本実施形態では、これら圧力センサ53、54に、絶対圧型の圧力センサを用いている。
これらの抵抗体52、圧力センサ53、54、及び、各圧力センサ53、54で測定される圧力に基づき第2内部流路50を流れる流体の流量を算出する流量算出部(図示しない)とから基準となる第2流量センサ5Sが構成してある。
第2バルブ制御部56は、図示しないCPUや内部メモリ、A/D変換器、D/A変換器等を有したデジタル乃至アナログ電気回路、第2バルブ51等と通信するための通信インタフェース、入力インタフェースなどで構成されたものである。そして、第2バルブ制御部56は、前記内部メモリに記憶しているプログラムにしたがってCPUやその周辺機器を協働動作させることによって、以下のような機能を実現するように構成してある。例えば、前記第2バルブ制御部56は、情報処理装置7などの外部からの指令信号を受信してその内容を解釈し、例えば、指令信号が設定流量Qを示す場合は、第2実測流量Qがその設定流量Qとなるようにローカルフィードバック制御する。より具体的には、この第2バルブ制御部56は、差圧式の第2流量センサ5Sで測定される第2実測流量Qと設定流量Qとの偏差を算出し、偏差に少なくとも比例演算(その他に積分演算、微分演算などを含めてもよい)を施して、第2バルブ51をフィードバック制御する。すなわち、前記第2バルブ制御部56は、偏差にフィードバック演算を施したフィードバック値を示す開度制御信号を生成し、その開度制御信号を流量制御バルブ51に対して出力するように構成している。また、また、外部から入力される指令信号が全閉信号又は全開信号の場合には、第2バルブ制御部56は、ローカルフィードバック制御を行わずにオープンループ制御によって全閉開度又は全開開度を維持させる開度制御信号を生成し、その開度制御信号を第2バルブ51に対して出力する。
圧力制御装置6は、例えばレギュレータからなり、当該圧力制御装置6の下流側のラインの圧力を目標圧力となるようにフィードバック制御するものである。前記目標圧力の値は、情報処理装置7からの指令信号により設定できるようにしている。
情報処理装置7は、図示しないCPUや内部メモリ、A/D変換器、D/A変換器等を有したデジタル乃至アナログ電気回路、検査対象となる流量制御装置4及び基準となる流量制御装置5の各部と通信するための通信インタフェース、入力インタフェース、液晶ディスプレイ等の表示装置などで構成されたもので、専用のものであってもよいし、一部又は全部にパソコン等の汎用コンピュータを利用するようにしたものであってもよい。また、CPUを用いず、アナログ回路のみで次の各部としての機能を果たすように構成してもよいし、その一部の機能を半導体製造装置Pにおける制御装置(図示省略)や各流量制御装置4、5の流量制御処理手段と兼用するなど、物理的に一体である必要はなく、有線乃至無線によって互いに接続された複数の機器からなるものであってもよい。
しかしてこの情報処理装置7は、前記内部メモリに流量制御装置の検査システム用プログラムが格納されており、そのプログラムにしたがってCPUやその周辺機器が協働動作することによって、図2及び図3に示すように、指令出力部71、流量制御切替部72、検査部73などとしての機能を少なくとも発揮する。以下、各部を詳述する。
指令出力部71は、入力インタフェースの所定操作などによる検査開始命令をトリガとして、検査のための指令信号を出力し、検査対象となる流量制御装置4、基準となる流量制御装置5、圧力制御装置6に、それぞれ当該指令信号に基づく動作を行わせるものである。具体的な検査動作については後述する。
流量制御切替部72は、基準となる流量測定装置5の第2流量センサ5Sから第2実測流量Qを受け付けるとともに、前記検査対象となる流量制御装置4と前記基準となる流量制御装置5との間の流路3(デッドボリューム)に設けられた圧力センサPから圧力Prを受け付けるように構成してある。そして、前記流量制御切替部72は、第2実測流量Qが所定流量となった、又は、前記圧力センサPで実測される圧力Prが所定圧力となった場合に、前記指令出力部71から出力される指令信号を切り替えさせ、検査対象となる流量制御装置4及び基準となる流量制御装置5の動作及び流量制御状態を切り替えさせるものである。
検査部73は、検査対象となる流量測定装置4で測定される第1実測流量Qを基準となる流量測定装置5で測定される第2実測流量Qとに基づいて検査するものである。本実施形態では、検査対象となる流量測定装置4で測定される第1実測流量Qと、基準となる流量測定装置5で測定される第2実測流量Qとを比較し、第1実測流量Qが、基準の第2実測流量Qの所定範囲内にあるか否かを判定する検定を行い、その検定結果を出力するものである。検定結果の出力態様は、画面出力や印刷出力など実施態様に応じて適宜に設定できる。
次に、以上のように構成される流量制御装置の検査システムAについて、その検査を行う手順を、図4のフローチャート及び図2及び3を参照して説明する。
まず、情報処理装置7の入力インタフェースをユーザが操作するなどして検査を開始する。すると、その検査開始命令が情報処理装置7の指令出力部71に伝わる。
指令出力部71は、この検査開始命令をトリガとして、指令信号を出力し、検査対象となる流量制御装置4に全開指令信号Fを出力し、第1バルブ43が全開となる流量非制御状態にする(ステップST1)。すなわち、この流量非制御状態において検査対象となる流量制御装置4は、マスフローメータとしての機能のみを営む。
またその一方で、指令出力部71は、圧力制御装置6にも指令信号を出力し、該圧力制御装置6の下流側の流路3(デッドボリューム)の圧力を、前記指令信号に含まれる一定の目標圧力となるように、圧力制御装置6にローカルフィードバック制御させる(ステップST2)。
そして、当該指令出力部71は、基準となる流量制御装置5に対し、設定流量Qを含んだ指令信号を出力し、基準となる流量制御装置5にローカルフィードバック制御を行わせて、この基準となる流量制御装置5を流量制御状態(指令信号の示す設定流量Qと実際に測定された第2実測流量Qとの偏差に基づいて第2バルブ制御部56がPID制御等する状態)にする(ステップST3)。
前記基準となる流量制御装置5による流量制御は、流量制御切替部72に受け付けられる第2実測流量Qが所定流量となる、又は、前記圧力センサPで測定される圧力Prが所定圧力になるまで継続される。ここで、所定流量とは設定流量Qを基準として一定の範囲内にある流量であり、所定圧力とは目標圧力を基準として一定の範囲にある圧力である。すなわち、流路3の流体の流量又は圧力が設定流量Q又は目標圧力の近傍で安定し、検査開始条件が整うまでの間は前記基準となる流量制御装置5による流量制御が継続される。すなわち、図2で示した状態での制御が継続されることになる。
一方、前記流量制御切替部72に受け付けられる第2実測流量Q又は圧力Prが所定流量又は所定圧力になった場合には、該流量制御切替部72は、前記指令出力部71から出力される指令信号を切り替えさせて、各流量制御装置4、5の流量制御状態を入れ替わらせる(ステップST4)。
すなわち、前記流量制御切替部72は前記指令出力部71が出力する指令信号を切り替えさせる。より具体的には、ステップST4以降においては前記指令出力部71は、検査対象となる流量制御装置4に対して設定流量Qを含んだ指令信号を出力し、検査対象となる流量制御装置4にローカルフィードバック制御を行わせて、この検査対象となる流量制御装置4を流量制御状態(指令信号の示す設定流量Qと実際に測定された第1実測流量Qとの偏差に基づいて第1バルブ制御部43がPID制御等する状態)にする(ステップST5)。
一方、ステップST4以降においては基準となる流量制御装置5に対して前記指令出力部71は、全開指令信号Fを含む指令信号を出力し、第2バルブ51が全開となる流量非制御状態とする(ステップST6)。すなわち、この流量非制御状態において基準となる流量制御装置5は、マスフローメータとしての機能のみを営む。なお、ステップST5、ステップST6における制御状態は図3に示されるようなものとなる。
次に検査部73が、受信した第1実測流量Qと第2実測流量Qとを比較する。そして、検査用の流量測定信号の示す第1実測流量Qが、基準の流量測定信号の示す第2実測流量Qの所定範囲内にあるか否かを判定する検定を行い、その検定結果を出力する(ステップST7)。
なお、この実施形態では、検査対象となる流量制御装置4及び基準となる流量制御装置5によって流体の流量を異なる値の複数ポイントで制御するようにし、各ポイントにおいて、前記検査対象となる流量制御装置4の第1実測流量Qが、前記基準となる流量制御装置5の第2実測流量Qの所定範囲内にあるか否かを、前記検査部73がそれぞれ判定するようにしている(ステップST9、及びステップST1〜8の繰り返しによる)。このように、数ポイントで各実測流量を比較することでより幅広い流量レンジで正確な流量検査の検定結果を得られる。
しかして、このように構成した流量制御装置の検査システムAによれば、まず、前記検査部73による検定が開始される前に検査対象となる流量制御装置4を流量非制御状態にし、基準となる流量制御装置5によって流体流量を所定流量に制御することにより、短時間で検査対象となる流量制御装置4と基準となる流量制御装置5との間の流路3における流体の圧力を短時間で目標圧力までチャージすることができる。すなわち、検定が開始されるまでの待ち時間は従来と同じように短時間にすることができる。
検定開始の条件が整った後は、検査対象となる流量制御装置4を流量制御状態とし、基準となる流量制御装置5は流量非制御状態としてマスフローメータとして機能させるようにしてあるので、検査される流量である第1実測流量Qが測定される第1流量センサ41の近くにある第1バルブ42で流量制御ができる。したがって、それぞれの距離が離れていないことから、設定流量Qが低流量域であったとしても流量制御が安定しやすく、第1実測流量Qにふらつき等が生じにくい。このため、検査対象となる流量制御装置4が流量制御状態にある中で検査部73が行う第1実測流量Qが第2実測流量Qに対して所定範囲内にあるかどうかを判定も安定しやすく、検査及び検定の精度を特に低流量域においても向上させることができる。また、検査部73が判定行うときには、基準となる流量制御装置5の第2バルブ51は全開状態であるので、過大な圧力が流路3にあった場合でも速やかに解消することができ、このことでも検査の安定性や精度の向上に寄与する。また、検査対象となる流量制御装置4と基準となる流量制御装置5との間の圧力を、圧力制御装置6で一定に制御するため、検査対象となる流量制御装置4の動作を安定させて、検査を円滑に行える。
また、検査対象となる流量制御装置4及び基準となる流量制御装置5によって流体の流量を複数ポイントで制御するようにし、各ポイントにおいて、前記検査対象となる流量制御装置4の第1実測流量Qが、前記基準となる流量制御装置5の第2実測流量Qの所定範囲内にあるか否かをそれぞれ判定するようにしている。したがって、流量のリニアリティ及びゼロ点がわかるようになるので、より正確な判定を行える。
さらに、検査対象となる流量制御装置4に熱式のものを用い、基準となる流量制御装置5に差圧式のものを用いるため、低価格で高性能なガスシステムの構築が可能となる。
加えて、基準となる流量制御装置5に、その圧力センサ53、54よりも上流に流量制御バルブ51が配置されたものを用い、センサ53、54をチャンバ側(真空側)にしているため、圧力変化範囲を限定することができ、より高精度な検査が可能となる。
また、検査用ライン3を複数設け、それぞれの検査用ライン3に、検査できる流量範囲の異なる、換言すると流量制御範囲の異なる、基準となる流量制御装置5を配置しているため、ユーザが検査したい流量範囲での検査を、精度良く行うことができる。
本発明の別の実施形態について図5及び図6を参照しながら説明する。なお、前記実施形態と対応する部材には同じ符号を付すこととする。
この実施形態では、流路上にはバルブは検査対象となる流量制御装置4の第1バルブ42のみが存在しており、基準となる流量制御装置5の代わりに、基準となる第2流量センサ5Sのみが検査対象となる流量制御装置4の下流側に設けてある。
そして、検査が開始できる条件が整うまでは図5に示すように設定流量と前記第2流量センサ5Sで測定される第2実測流量との偏差に基づいて第1バルブ制御部43での流量フィードバック制御が行われ、検査が開始されてからは図6に示すように設定流量と第1流量センサ41で測定される第1実測流量との偏差に基づいて第1バルブ制御部43での流量フィードバック制御が行われるようにしてある。つまり、検査開始前から終了まで第1バルブ42のみで流路を流れる流体の流量の制御が実行されるが、サンプリングされる測定流量は切り替えられることになる。
言い換えると、この実施形態の流量制御装置の検査システムAは、第1バルブ42、流体の流量を測定する第1流量センサ41、及び、前記第1バルブ42の開度を制御する第1バルブ制御部43を備えた検査対象となる流量制御装置4を検査するためのものであって、基準となる第2流量センサ5Sと、前記流路を流れる流体の流量が所定流量となる、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となるまでは、設定流量と前記第2流量センサで測定される第2実測流量との偏差に基づいて前記流路を流れる流体の流量を制御させる指令を出力する指令出力部71と、前記流路を流れる流体の流量が所定流量となった、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となった以降は、前記指令出力部が、前記検査対象となる流量制御装置に設定流量を示す設定指令信号を出力して、前記第1バルブ制御部43に設定流量と前記第1流量センサ41で測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブ42の開度を制御させ前記流路を流れる流体の流量を制御させるように前記指令出力部71の出力する指令を切り替えさせる流量制御切替部72と、前記検査対象となる流量制御装置4が流量制御している状態において、前記検査対象となる流量制御装置4で測定される第1実測流量を前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量に基づいて検査する検査部73とを備えたことを特徴とする。
このようなものであって、前記実施形態と同様に検査開始までの待ち時間を短縮するとともに、検査時には実際の流量制御状態を再現しつつ、第1流量センサ41の近傍にある第1バルブ42での流量制御により低流量域での安定性を向上させて検定や校正などの検査精度を高めることができる。
なお、この実施形態で示したように、検査対象となる流量制御装置4の第1バルブ42のみで流量制御を行いながら、検査を行う方法については、前記実施形態のように検査対象となる流量制御装置4の下流に基準となる流量制御装置5が設けられている場合にも適応してもよい。すなわち、基準となる流量制御装置5がある場合でも第2バルブ51を使用せずに検定や校正等の検査を行うようにしてもよい。
その他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、検査対象となる流量制御装置は熱式の流量制御装置であり、基準となる流量制御装置は圧力式の流量制御装置であったが、測定原理については特には限定されない。例えば、検査対象となる流量制御装置及び基準となる流量制御装置の両方が、差圧式の流量制御装置、あるいは、熱式流量制御装置であっても構わない。あるいは、検査対象となる流量制御装置が圧力式の流量制御装置であり、かつ、基準となる流量制御装置が熱式の流量制御装置であってもかまわない。
また、前記実施形態では検査部は、検査対象の流量制御装置で測定される第1実測流量が基準となる流量制御装置で測定される第2実測流量に対して所定の範囲内にあるかどうかを判定する検定のみを行うように構成していたが、前記検査部を検査対象の流量制御装置を校正するように構成してもかまわない。より具体的には、前記検査部が、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる流量制御装置で測定される第2実測流量に基づいて校正するように構成してもよい。例えば、第1実測流量と第2実測流量を比較することなく、第2実測流量となるように前記検査対象となる流量制御装置に記憶されている検量線や流量算出式の設定パラメータを変更するようにしてもよい。要するに、検査部において第1実測流量が正しい値を示しているかどうかを判定するだけでなく、第1実測流量が正しい値を示すように何らかの設定の変更まで行うようにしてもよい。
前記実施形態では圧力制御装置により流体の圧力を一定にするように構成していたが、圧力制御装置を省略し、基準となる流量制御装置の流量制御の結果、圧力がチャージされ、一定の圧力で保たれるようにしても構わない。なお、圧力制御装置については検査対象の流量制御装置と基準となる流量制御装置の間に設けても構わない。また、各流量制御装置の流量制御状態又は流量非制御状態の切替については、圧力が所定圧力になったことと流量が所定流量となったことの両方を条件としてもよいし、何れか一方だけを切替条件としてもよい。なお、前記実施形態では、流量制御切替部は基準となる流量制御装置の第2実測流量を監視し、その値によって流量制御状態及び流量非制御状態を指令出力部に切り替えさせるように構成されていたが、例えば、検査対象となる流量制御装置の第1実測流量に基づいて切替を行うようにしても構わない。
さらに、前記流量制御切替部は、流体の圧力が一定になる、あるいは、流体の流量が一定になるといった安定状態に入った時点で核流量制御装置の流量制御状態又は流量非制御状態を切り替えるものであってもよいし、安定状態になってから所定時間経過した後に流量制御状態又は流量非制御状態を切り替えるものであってもよい。言い換えると、安定状態が継続した後に各流量制御装置の流量制御状態又は流量非制御状態を切り替えるように前記流量制御切替部を構成してもよい。
また、流量非制御状態においてはバルブの開度は全開だけに限られず、所定の一定開度で保たれるものであってもよい。要するに圧力のチャージに時間がかからない、あるいは、検査部における検査の邪魔にならない程度であれば、全開状態の近傍の開度で一定に保ち、流量非制御状態を実現しても構わない。加えて、設定流量は流量制御の切替前後において異なる値であってもかまわない。
既存の流量制御装置の検査システムに対して本発明の構成を追加し、その効果を享受できるようにするには、少なくとも前記実施形態の指令出力部、流量制御切替部、検査部としての機能を実現するための検査システム用プログラム、又は、前記プログラムが記録されたプログラム記録媒体を利用すればよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
A ・・・流量制御装置の検査システム
3 ・・・流路
4 ・・・検査対象となる流量制御装置
41 ・・・第1流量センサ
42 ・・・第1バルブ
43 ・・・第1バルブ制御部
5 ・・・基準となる流量制御装置
51 ・・・第2バルブ
5S ・・・第2流量センサ
56 ・・・第2バルブ制御部
71 ・・・指令出力部
72 ・・・流量制御切替部
73 ・・・検査部

Claims (12)

  1. 第1バルブ、流体の流量を測定する第1流量センサ、及び、前記第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部を備えた検査対象となる流量制御装置と、基準となる第2流量センサと、を用い、流体が流れる流路上に、上流側から前記検査対象となる流量制御装置、前記基準となる第2流量センサの順番で直列に設けた前記検査対象となる流量制御装置の検査方法であって、
    前記流路を流れる流体の流量が所定流量となる、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となるまでは、設定流量と前記第2流量センサで測定される第2実測流量との偏差に基づいて前記流路を流れる流体の流量を制御させる初期流量制御ステップと、
    前記流路を流れる流体の流量が所定流量となった、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となった以降は、前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させて前記流路を流れる流体の流量を制御させる流量制御切替ステップと、
    設定流量と第1実測流量との偏差に基づいて前記流路を流れる流体の流量が制御されている状態において、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量に基づいて検査する検査ステップとを備えたことを特徴とする流量制御装置の検査方法。
  2. 第2バルブ、基準となる前記第2流量センサ、前記第2バルブの開度を制御する第2バルブ制御部を備えた基準となる流量制御装置が、前記検査対象となる流量制御装置の下流側に設けられており、
    前記初期流量制御ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置の前記第1バルブ制御部には前記第1バルブの開度を一定で保たせて、前記検査対象となる流量制御装置を流量非制御状態とするとともに、前記基準となる流量制御装置には設定流量を与え、前記第2バルブ制御部に設定流量と前記第2流量センサで測定される第2実測流量の偏差に基づいて前記第2バルブの開度を制御させて、前記基準となる流量制御装置を流量制御状態とし、
    前記流量制御切替ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置には設定流量を与え、前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させて、前記検査対象となる流量制御装置を流量制御状態とするとともに、前記基準となる流量制御装置の前記第2バルブ制御部には前記第2バルブの開度を一定で保たせて、前記基準となる流量制御装置を流量非制御状態とする請求項1記載の流量制御装置の検査方法。
  3. 前記初期流量制御ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置の前記第1バルブ制御部に前記第1バルブの開度を全開にさせるようにした請求項2記載の流量制御装置の検査方法。
  4. 前記流量制御切替ステップにおいて、前記基準となる流量制御装置の前記第2バルブ制御部に前記第2バルブの開度を全開にさせるようにした請求項2又は3記載の流量制御装置の検査方法。
  5. 前記設定流量として複数の異なる値が設定され、前記検査ステップでは各設定流量において前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる流量制御装置で測定される第2実測流量に基づいてそれぞれ検査するようにした請求項2乃至4いずれかに記載の流量制御装置の検査方法。
  6. 前記流路を流れる流体の圧力を一定となるように制御する圧力制御装置を前記検査対象となる流量制御装置の上流側、又は、前記検査対象となる流量制御装置と前記基準となる流量制御装置の間にさらに設けるようにした請求項2乃至5いずれかに記載の流量制御装置の検査方法。
  7. 前記検査対象となる流量制御装置の第1流量センサが流体の温度に基づいて流量を測定するものであり、前記基準となる流量制御装置の第2流量センサが流体の圧力に基づいて流量を測定するものにした請求項2乃至6いずれかに記載の流量制御装置の検査方法。
  8. 前記検査ステップが、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量が、前記基準となる流量制御装置で測定される第2実測流量に対して所定範囲内にあるか否かを検定する検定ステップを含む請求項2乃至7いずれかに記載の流量制御装置の検査方法。
  9. 前記検査ステップが、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる流量制御装置で測定される第2実測流量に基づいて校正する校正ステップを含む請求項2乃至8いずれかに記載の流量制御装置の検査方法。
  10. 前記初期流量制御ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置の前記第1バルブ制御部に設定流量と前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量との偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させ、
    前記流量制御切替ステップにおいて、前記検査対象となる流量制御装置の前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量との偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させる請求項1記載の流量制御装置の検査方法。
  11. 第1バルブ、流体の流量を測定する第1流量センサ、及び、前記第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部を備えた検査対象となる流量制御装置の検査に用いられる流量制御装置の検査システムであって、
    流量が流れる流路上に、前記検査対象となる流量制御装置の下流側に設けられた基準となる第2流量センサと、
    前記流路を流れる流体の流量が所定流量となる、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となるまでは、設定流量と前記第2流量センサで測定される第2実測流量との偏差に基づいて前記流路を流れる流体の流量を制御させる指令を出力する指令出力部と、
    前記流路を流れる流体の流量が所定流量となった、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となった以降は、前記指令出力部が、前記検査対象となる流量制御装置に設定流量を示す設定指令信号を出力して、前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させ前記流路を流れる流体の流量を制御させるように前記指令出力部の出力する指令を切り替えさせる流量制御切替部と、
    前記検査対象となる流量制御装置が流量制御している状態において、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量に基づいて検査する検査部とを備えたことを特徴とする流量制御装置の検査システム。
  12. 第1バルブ、流体の流量を測定する第1流量センサ、及び、前記第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部を備えた検査対象となる流量制御装置の検査に用いられるものであり、流量が流れる流路上に、前記検査対象となる流量制御装置の下流側に設けられた基準となる第2流量センサを備えた流量制御装置の検査システムに用いられるプログラムであって、
    前記流路を流れる流体の流量が所定流量となる、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となるまでは、設定流量と前記第2流量センサで測定される第2実測流量との偏差に基づいて前記流路を流れる流体の流量を制御させる指令を出力する指令出力部と、
    前記流路を流れる流体の流量が所定流量となった、又は、前記流路を流れる流体の圧力が所定圧力となった以降は、前記指令出力部が、前記検査対象となる流量制御装置に設定流量を示す設定指令信号を出力して、前記第1バルブ制御部に設定流量と前記第1流量センサで測定される第1実測流量の偏差に基づいて前記第1バルブの開度を制御させ前記流路を流れる流体の流量を制御させるように前記指令出力部の出力する指令を切り替えさせる流量制御切替部と、
    前記検査対象となる流量制御装置が流量制御している状態において、前記検査対象となる流量制御装置で測定される第1実測流量を前記基準となる第2流量センサで測定される第2実測流量に基づいて検査する検査部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする流量制御装置の検査システム用プログラム。
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