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JP6214309B2 - 溶接装置、および、溶接装置の通信方法 - Google Patents

溶接装置、および、溶接装置の通信方法 Download PDF

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JP6214309B2
JP6214309B2 JP2013206335A JP2013206335A JP6214309B2 JP 6214309 B2 JP6214309 B2 JP 6214309B2 JP 2013206335 A JP2013206335 A JP 2013206335A JP 2013206335 A JP2013206335 A JP 2013206335A JP 6214309 B2 JP6214309 B2 JP 6214309B2
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Description

本発明は、遠隔操作装置で溶接電源装置の操作を行う溶接装置、および、溶接装置の通信方法に関する。
消耗電極式の溶接装置は、通常、重量があるために移動させない溶接電源装置と、溶接個所の変更に伴って溶接作業者が持ち運びするワイヤ送給装置とに分離されている。溶接電源装置が溶接作業を行っている位置から離れた場所に設置されている場合、溶接電圧などの溶接条件を設定するために、作業者が溶接電源装置の設置場所まで行くのは作業効率が悪い。これを解消するために、溶接電源装置との間で無線通信を行う遠隔操作装置を用いて、溶接条件の変更を行うものが開発されている(特許文献1参照)。
特許第3414193号公報
造船、橋梁等の大型構造物の溶接現場においては、溶接電源装置と溶接個所とが数十m離れていることが多い。このような溶接現場において、溶接作業者が溶接個所付近で無線式の遠隔操作装置を使用して溶接電源装置に溶接条件を設定する場合、遠隔操作装置と溶接電源装置とが隔壁等によって隔てられていることがあるために、無線通信に障害が生じることがある。
また、このような溶接現場においては複数の溶接装置が用いられているので、他の溶接装置が送受信する信号が混信したり、ノイズが混入するなどして、無線通信に障害が生じることもある。
図9は、従来の溶接装置A100の遠隔操作装置300と溶接電源装置100との間で、無線通信を行っている状態を示している。溶接電源装置100が非加工物Wから離れた位置に配置されており、溶接作業者はワイヤ送給装置200を被加工物Wの近くに持ち運んで溶接作業を行っている。溶接作業者は溶接電源装置100を遠隔操作するために、遠隔操作装置300を所持している。同図は、隔壁Bによって溶接電源装置100から隔てられた位置にある被加工物Wの溶接作業を行っているときに、溶接作業者が、遠隔操作装置300を操作して溶接条件を設定している状態を示している。溶接条件を設定するための信号が遠隔操作装置300の通信部360から送信されている。しかし、隔壁Bのために、送信された信号が溶接電源装置100の通信部140に正しく受信されない場合がある。また、遠隔操作装置300と溶接電源装置100とが離れているので、間にある他の溶接装置の送信信号を受信したり、間にある他の機器から発生するノイズが混入したりする場合がある。
無線通信に障害が発生すると、溶接条件を通信することができなくなったり、通信できたとしても溶接条件の値を正確に通信できなくなったりする。このような通信障害が発生すると、遠隔操作装置300で設定された溶接条件が溶接電源装置100に正確に通信されないために、溶接が不安定になり溶接品質が悪くなる。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、無線通信を利用する遠隔操作装置が溶接電源装置との間でできるだけ正確に通信を行うことができる溶接装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される溶接装置は、溶接電源装置と、前記溶接電源装置が電力を供給するための電力伝送線と、前記電力伝送線上に設けられている中継装置と、前記中継装置との間で無線通信を行う遠隔操作装置とを備えており、前記溶接電源装置と中継装置とが、前記電力伝送線を介して通信を行うことを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記溶接電源装置は、前記遠隔操作装置との間で無線通信を行っており、無線通信によって前記遠隔操作装置から直接受信した信号と、前記中継装置および電力伝送線を介して受信した信号とを比較する比較手段と、前記比較手段によって2つの信号が同じであると判断された場合にのみ、当該信号に基づいて処理を行う処理手段とを備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記溶接電源装置は、前記比較手段によって2つの信号が異なると判断された場合に、前記遠隔操作装置に信号の再送信を要求する再送信要求手段をさらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記溶接電源装置は、前記比較手段が比較を行った回数をカウントするカウント手段をさらに備え、前記処理手段は、前記カウント手段によってカウントされた数が所定数を超えた場合に、前記中継装置および電力伝送線を介して受信した信号に基づいて処理を行う。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記処理手段は、前記比較手段によって2つの信号が異なると判断された場合に、前記中継装置および電力伝送線を介して受信した信号に基づいて処理を行う。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記溶接電源装置は、溶接条件を設定するための溶接条件設定信号を受信する第1通信手段と、前記第1通信手段によって受信された溶接条件設定信号に基づいて、第1記憶手段に記憶されている溶接条件パラメータを変更する第1記憶制御手段と、前記第1記憶手段に記憶されている溶接条件パラメータに基づいて、前記溶接電源装置の出力を制御する出力制御手段とを備え、前記第1通信手段は、前記第1記憶手段に記憶されている溶接条件パラメータを溶接条件パラメータ信号として送信し、前記遠隔操作装置は、溶接作業者による操作に基づいて、第2記憶手段に記憶されている溶接条件を変更する第2記憶制御手段と、前記第2記憶手段に記憶されている溶接条件に基づいて表示を行う表示手段と、前記第2記憶手段に記憶されている溶接条件を溶接条件信号として送信し、前記第1通信手段が送信した溶接条件パラメータ信号を受信する第2通信手段と、前記第2通信手段によって受信された溶接条件パラメータ信号に基づく溶接条件パラメータを記憶する第3記憶手段と、前記第2記憶手段に記憶されている溶接条件と前記第3記憶手段に記憶されている溶接条件パラメータとを比較して、一致しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて報知を行う報知手段とを備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記中継装置はワイヤ送給装置である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記中継装置は溶接トーチである。
本発明の第2の側面によって提供される中継装置は、溶接電源装置が電力を供給するための電力伝送線上に設けられ、前記溶接電源装置を遠隔操作するための遠隔操作装置との間で無線通信を行い、前記溶接電源装置との間で前記電力伝送線を介した通信を行う、
ことを特徴とする。
本発明の第3の側面によって提供される通信方法は、溶接電源装置と、前記溶接電源装置が電力を供給するための電力伝送線と、前記電力伝送線上に設けられている中継装置と、前記溶接電源装置を遠隔操作するための遠隔操作装置とを備えている溶接装置の通信方法であって、前記遠隔操作装置が、無線によって信号を送信する第1の工程と、前記中継装置が、前記遠隔操作装置が送信した信号を受信する第2の工程と、前記中継装置が、受信した信号を、前記電力伝送線を介して前記溶接電源装置に送信する第3の工程と、前記溶接電源装置が、前記電力伝送線を介して送信された信号を受信する第4の工程とを備えていることを特徴とする。
本発明によると、遠隔操作装置とワイヤ送給装置とが無線通信を行い、ワイヤ送給装置と溶接電源装置とが電力伝送線を介した有線通信を行う。遠隔操作装置はワイヤ送給装置の近くに位置するので、間に隔壁やほかの溶接装置などが存在する可能性が少なく、無線通信に障害が発生しにくい。また、ワイヤ送給装置と溶接電源装置とは離れていても有線通信なので、通信に障害が発生しにくい。したがって、遠隔操作装置が溶接電源装置と直接無線通信を行う場合と比べて、通信に障害が発生しにくく、正確に通信を行うことができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。 遠隔操作装置の外観図の一例である。 遠隔操作装置の制御部が行う判定処理を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。 溶接電源装置の制御部が行う比較処理を説明するためのフローチャートである。 比較処理の他の実施例を説明するためのフローチャートである。 第3実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。 第4実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。 従来の溶接装置の遠隔操作装置と溶接電源装置との間で、無線通信を行っている状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。
図1に示すように、溶接装置Aは、溶接電源装置1、ワイヤ送給装置2、遠隔操作装置3、パワーケーブル41,42、および、溶接トーチTを備えている。溶接電源装置1の一方の出力端子は、パワーケーブル41を介して、ワイヤ送給装置2に接続されている。ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチTに送り出して、ワイヤ電極の先端を溶接トーチTの先端から突出させる。ワイヤ送給装置2において、パワーケーブル41とワイヤ電極とは電気的に接続されている。溶接電源装置1の他方の出力端子は、パワーケーブル42を介して、被加工物Wに接続される。溶接電源装置1は、溶接トーチTの先端から突出するワイヤ電極の先端と、被加工物Wとの間に高電圧を印加してアークを発生させる。溶接装置Aは、当該アークの熱で被加工物Wの溶接を行う。なお、溶接装置Aは、実際には、溶接トーチTから放出するためのシールドガスのガスタンク、溶接トーチTを冷却する冷却水を循環させる冷却水循環装置などを備えている場合もあるが、図への記載や説明を省略している。
溶接電源装置1は、アークを発生させるための電力を供給するものである。溶接電源装置1は、電力変換部11、記憶部12、制御部13、および、通信部14を備えている。
電力変換部11は、電力系統から入力される三相交流電力をアーク溶接に適した直流電力に変換して出力するものである。電力変換部11に入力される三相交流電力は、整流回路によって直流電力に変換され、インバータ回路によって交流電力に変換される。そして、トランスによって昇圧され、整流回路によって直流電力に変換されて出力される。なお、電力変換部11の構成は、上記したものに限定されない。
記憶部12は、溶接電源装置1から出力される溶接電圧を設定するための設定電圧や、溶接電源装置1から出力される溶接電流を設定するための設定電流などの溶接条件パラメータWpを記憶するものである。
制御部13は、溶接電源装置1の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御部13は、溶接電源装置1から出力される溶接電圧や溶接電流が記憶部12に記憶されている設定電圧や設定電流になるように、制御を行う。また、図示しない設定ボタンの操作に応じて記憶部12に記憶されている溶接条件パラメータWpの変更を行ったり、図示しない起動ボタンの操作に応じて電力変換部11を起動させたりなどの制御を行う。また、制御部13は、図示しないセンサによって検出された溶接電圧や溶接電流の検出値を図示しない表示部に表示させたり、異常が発生した場合に図示しない報知部に報知させたりする。
また、制御部13は、通信部14から入力される信号に基づいても、溶接条件パラメータWpの変更や電力変換部11の起動を行い、検出された溶接電圧または溶接電流の検出信号や、異常発生を示す信号を通信部14に出力する。また、制御部13は、あらかじめ設定された送信周期ごとに、記憶部12に記憶されている溶接条件パラメータWpを読み出して、通信部14に出力する。なお、本実施形態では、送信周期は、10〜500ms程度の範囲で設定されている。
通信部14は、パワーケーブル41を介して、ワイヤ送給装置2との間で通信を行うためのものである。通信部14は、ワイヤ送給装置2から受信した信号を復調して、制御部13に出力する。ワイヤ送給装置2から受信する信号には、例えば、記憶部12に記憶された溶接条件パラメータWpを変更するための溶接条件設定信号や、電力変換部11の起動を指示する起動信号などがある。また、通信部14は、制御部13から入力される信号を変調して、ワイヤ送給装置2に送信する。ワイヤ送給装置2に送信する信号には、例えば、検出された溶接電圧または溶接電流の検出信号や、異常発生を示す信号、記憶部12に記憶されている溶接条件パラメータWpを送信するための溶接条件パラメータ信号などがある。なお、ワイヤ送給装置2との間で送受信される信号は、上記したものに限定されない。
通信部14は、直接スペクトル拡散(Direct Sequence Spread Spectrum:DSSS)通信方式を用いて通信を行う。直接スペクトル拡散通信方式では、送信側は、送信する信号に対して拡散符号による演算を行い、元の信号のスペクトルをより広い帯域に拡散して送信する。受信側は、受信した信号を共通する拡散符号を用いて逆拡散することで、元の信号に戻す。溶接装置毎に異なる拡散符号を用いていれば、別の溶接装置で送受信される信号を受信したとしても、当該信号は異なる拡散符号で逆拡散されて、ノイズとして除去される。したがって、高い通信品質で通信を行うことができる。
通信部14は、パワーケーブル41の周囲に配置されてパワーケーブル41に磁気結合したコイルを備えている。通信部14は、当該コイルを介して、信号をパワーケーブル41で送信し、また、パワーケーブル41で送られる信号を当該コイルによって検出する。通信部14は、制御部13より入力される信号に応じてキャリア信号をBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調し、変調信号にスペクトル拡散を行い、アナログ信号に変換して送信する。なお、変調方法はBPSK変調に限られず、ASK変調やFSK変調を行うようにしてもよい。また、スペクトル拡散は直接拡散方式に限られず、周波数ホッピング方式を用いてもよい。なお、本実施形態では、スペクトル拡散を行っているが、これに限定されず、スペクトル拡散を行わないようにしてもよい。通信部14は、パワーケーブル41で送られる信号をコイルによって検出し、デジタル信号に変換して、逆拡散およびフィルタリングを行い、復調を行って、制御部13に出力する。なお、溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に送信する信号と、ワイヤ送給装置2から溶接電源装置1に送信する信号とでは、異なる周波数帯域を利用している。
ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチTに送り出すものである。ワイヤ送給装置2は、図示しない送給モータを制御して、ワイヤ電極の送り出しを行う。また、ワイヤ送給装置2は、溶接電源装置1と遠隔操作装置3との通信を中継する機能も有しており、中継部21を備えている。
中継部21は、溶接電源装置1と遠隔操作装置3との通信を中継するものである。中継部21は、溶接電源装置1との間でパワーケーブル41を介した有線通信を行い、遠隔操作装置3との間で無線通信を行う。中継部21は、溶接電源装置1が送信した信号を、パワーケーブル41の周囲に配置されたコイルによって検出し、検出した信号を増幅して、アンテナによって電磁波として遠隔操作装置3に送信する。また、中継部21は、遠隔操作装置3が出力する電磁波をアンテナで受信し、受信した信号を増幅して、コイルを介して、パワーケーブル41で送信する。なお、中継部21は、受信した信号を増幅することなく、そのまま送信するようにしてもよい。また、中継部21が受信した信号を一旦復調して、所定の処理を行った上で変調して送信するようにしてもよい。例えば、溶接電源装置1から送信した信号でワイヤ送給装置2を制御する場合は、中継部21での復調および変調が必要になる。
遠隔操作装置3は、離れた位置から溶接電源装置1を操作するためのものである。遠隔操作装置3は、溶接電源装置1の電力変換部11を起動したり、溶接電源装置1の溶接条件パラメータWpの変更を行ったりする。また、溶接電源装置1で検出された溶接電圧または溶接電流の検出値を表示したり、溶接電源装置1で発生した異常を報知したりする。遠隔操作装置3は、操作部31、記憶部32、表示部33、報知部34、制御部35、および、通信部36を備えている。
操作部31は、溶接作業者による操作ボタンの操作を操作信号として制御部35に出力するものである。
図2は、遠隔操作装置3の外観図の一例である。同図に示すように、遠隔操作装置3の操作部31には、操作ボタンとして、溶接電流設定用ボタン31a、溶接電圧設定用ボタン31b、および、起動ボタン31cが配置されている。溶接電流設定用ボタン31aは、溶接電源装置1から出力される溶接電流の設定電流を変更するためのものである。溶接電圧設定用ボタン31bは、溶接電源装置1から出力される溶接電圧の設定電圧を変更するためのものである。起動ボタン31cは、溶接電源装置1の電力変換部11を起動させるためのものである。溶接電流設定用ボタン31aまたは溶接電圧設定用ボタン31bが操作されると、操作部31は、溶接条件を変更するための操作信号を、制御部35に出力する。起動ボタン31cが操作されると、操作部31は、起動のための操作信号を、制御部35に出力する。なお、操作部31には、他の操作ボタンも配置されているが、同図では省略している。各操作ボタンの操作の詳細については後述する。
図1に戻って、記憶部32は、操作部31の操作ボタンの操作によって設定される溶接条件Wrを記憶するものである。また、記憶部32は、溶接電源装置1から溶接条件パラメータ信号として受信した溶接条件パラメータWpも記憶している。記憶部32は、溶接条件Wrと溶接条件パラメータWpとを、それぞれ定められた記憶領域に記憶している。
表示部33は、各種表示を行うものであり、例えば液晶表示装置によって実現されている(図2参照)。表示部33は、制御部35によって制御されており、記憶部32に記憶されている溶接条件Wrを表示し、後述する判定処理の結果も表示する。また、溶接電源装置1で検出された溶接電圧や溶接電流の検出値の表示も行う。
報知部34は、所定の報知を行うものであり、例えばスピーカによって実現されている(図2参照)。報知部34は、制御部35によって制御されており、溶接電源装置1の異常を警告音で報知する。また、後述する判定処理の結果も報知する。なお、報知部34は、音で報知を行うものに限定されない。例えば、振動で報知を行うようにしてもよいし、表示部33に文字や画像で報知するようにしてもよい。
制御部35は、遠隔操作装置3の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御部35は、操作部31より入力される起動のための操作信号に応じて、溶接電源装置1の電力変換部11を起動するための起動信号を通信部36に出力する。また、操作部31より入力される溶接条件Wrを変更するための操作信号に応じて、記憶部32に記憶されている溶接条件Wrを変更する。
また、制御部35は、あらかじめ設定された送信周期ごとに、記憶部32に記憶されている溶接条件Wrを読み出して、通信部36および表示部34に出力する。なお、本実施形態では、送信周期は、10〜500ms程度の範囲で設定されている。制御部35に設定される送信周期は、溶接電源装置1の制御部13に設定される送信周期と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、送信周期に係わらず、記憶部32に記憶されている溶接条件Wrが変更された時に、変更後の溶接条件Wrを出力するようにしてもよい。
また、制御部35は、通信部36より入力される溶接電圧または溶接電流の検出値を、表示部33に出力して表示させたり、通信部36より入力される異常発生を示す信号に基づいて、報知部34に異常の報知をさせたりする。
また、制御部35は、遠隔操作装置3で設定された溶接条件Wrが溶接電源装置1に正しく通信されているかを判定する判定処理を行う。
図3は、制御部35が行う判定処理を説明するためのフローチャートである。当該判定処理は、所定のタイミング毎に実行される。
上述したように、溶接電源装置1は送信周期ごとに溶接条件パラメータ信号を遠隔操作装置3に送信しており、記憶部32は溶接条件パラメータWpとして記憶している。まず、記憶部32に記憶されている溶接条件パラメータWpが取得される(S1)。また、記憶部32は、遠隔操作装置3で設定された溶接条件Wrも記憶している。記憶部32に記憶されている溶接条件Wrが取得される(S2)。
次に、溶接条件パラメータWpが溶接条件Wrに一致するか否かが判別される(S3)。溶接条件パラメータWpの各要素(設定電圧や設定電流など)が溶接条件Wrの対応する各要素にすべて一致する場合に、溶接条件パラメータWpが溶接条件Wrに一致すると判別される。溶接条件パラメータWpは、遠隔操作装置3で設定された溶接条件Wrに基づいて溶接電源装置1に設定されたものである。遠隔操作装置3と溶接電源装置1との間で正しく通信が行われていれば、溶接条件パラメータWpと溶接条件Wrとは一致する。溶接条件パラメータWpと溶接条件Wrとが一致する場合(S3:YES)、正しく通信が行われており、遠隔操作装置3で設定された溶接条件Wrが溶接条件パラメータWpとして溶接電源装置1に正しく設定されていると判定され、一致信号(例えば、ローレベル信号)が報知部34に出力されて(S4)、判定処理が終了する。
一方、溶接条件パラメータWpと溶接条件Wrとが一致しない場合(S3:NO)、正しく通信が行われておらず、遠隔操作装置3で設定された溶接条件Wrが溶接電源装置1に正しく設定されていないと判定され、不一致信号(例えば、ハイレベル信号)が報知部34に出力されて(S5)、判定処理が終了する。
報知部34は、一致信号(ローレベル信号)が入力された場合には報知を行わないが、不一致信号(ハイレベル信号)が入力された場合には、例えば、「ピー」という音声によって、報知を行う。これにより、溶接作業者は、通信が正しく行われていないことに気付くことができる。この場合、溶接が不安定になり溶接品質が悪くなる可能性があるので、溶接作業者は溶接作業を開始せずに、通信状態が改善されるのを待つ。また、本実施形態では、判定処理の結果は表示部33にも出力される。表示部33は、不一致信号(ハイレベル信号)が入力された場合に通信状態の欄に「×」を表示し、一致信号(例えば、ローレベル信号)が入力された場合に通信状態の欄に「○」を表示する(図2参照)。
なお、判定処理のフローチャートは、図3に示したものに限定されない。例えば、ステップS3でNOとの判別が所定回数(例えば、10回)以上連続している場合にのみ、ステップS5に進み、NOとの判別が所定回数以上連続しない場合にはステップS4に進むようにしてもよい。また、ステップS3でNOとの判別が所定時間(例えば、1秒)以上連続している場合にのみ、ステップS5に進み、NOとの判別が所定時間以上連続しない場合にはステップS4に進むようにしてもよい。溶接作業者が溶接条件を設定している途中には、通信による時間遅れによって、WpとWrとが一致しない瞬間が発生する場合がある。この瞬間的な不一致の場合にも報知が行われると紛らわしいので、所定回数(または、所定時間)以上連続してNOと判別されることで判定を行っている。
通信部36は、ワイヤ送給装置2との間で無線通信を行うためのものである。通信部36は、ワイヤ送給装置2から受信した信号を復調して、制御部35に出力する。ワイヤ送給装置2から受信する信号には、例えば、溶接電源装置1においてセンサで検出された溶接電圧または溶接電流の検出信号や、異常発生を示す信号、記憶部12に記憶されている溶接条件パラメータWpに基づいて送信された溶接条件パラメータ信号などがある。また、通信部36は、制御部35から入力される信号を変調して、ワイヤ送給装置2に送信する。ワイヤ送給装置2に送信する信号には、例えば、電力変換部11の起動を指示する起動信号や、記憶部32に記憶された溶接条件Wrを送信するための溶接条件設定信号などがある。なお、溶接電源装置1との間で送受信される信号は、上記したものに限定されない。
通信部36は、アンテナ36aを介して信号の送受信を行う。通信部36は、制御部35より入力される信号に応じてキャリア信号をBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調し、変調信号にスペクトル拡散を行い、アナログ信号に変換して、電磁波として送信する。なお、変調方法はBPSK変調に限られず、ASK変調やFSK変調を行うようにしてもよい。また、スペクトル拡散は直接拡散方式に限られず、周波数ホッピング方式を用いてもよい。なお、本実施形態では、スペクトル拡散を行っているが、これに限定されず、スペクトル拡散を行わないようにしてもよい。通信部36は、アンテナ36aが受信した電磁波をデジタル信号に変換して、逆拡散およびフィルタリングを行い、復調を行って、制御部35に出力する。なお、遠隔操作装置3からワイヤ送給装置2に送信する信号と、ワイヤ送給装置2から遠隔操作装置3に送信する信号とでは、異なる周波数帯域を利用している。
次に、溶接作業者が遠隔操作装置3を操作して、溶接電源装置1の溶接条件パラメータWpを設定する場合を例として、溶接装置Aの作用について説明する。
溶接作業者は、遠隔操作装置3の操作部31を操作して溶接条件Wrを設定する。図2に示すように、溶接電流設定用ボタン31aには「Current」とラベルが付されており、ボタンの上部を1回押すごとに設定電流の値が1Aずつ増加し、ボタンの下部を1回押すごとに設定電流の値が1Aずつ減少する。また、溶接電圧設定用ボタン31bには「Voltage」とラベルが付されており、ボタンの上部を1回押すごとに設定電圧の値が0.1Vずつ増加し、ボタンの下部を1回押すごとに設定電圧の値が0.1Vずつ減少する。操作部31の操作によって、記憶部32に記憶されている溶接条件Wrが変更される。記憶部32に記憶されている溶接条件Wrは、表示部33に表示される。図2においては、現在の溶接条件Wrの一部である「設定電流:150A」および「設定電圧:18.5V」が表示されている。溶接作業者は、表示部33の表示をみて、所望の値になるように操作部31を操作する。なお、同図においては他の溶接条件Wrの表示を省略している。
遠隔操作装置3は、記憶部32に記憶されている溶接条件Wrを、送信周期ごとに溶接条件設定信号として、無線通信によってワイヤ送給装置2に送信する。ワイヤ送給装置2は受信した溶接条件設定信号を増幅して、パワーケーブル41を介した有線通信によって溶接電源装置1に送信する。
溶接電源装置1は、ワイヤ送給装置2から受信した溶接条件設定信号に基づいて、記憶部12に記憶されている溶接条件パラメータWpを変更する。溶接電源装置1は、記憶部12に記憶されている溶接条件パラメータWpに基づいて制御される。
また、溶接電源装置1は、記憶部12に記憶されている溶接条件パラメータWpを、送信周期ごとに溶接条件パラメータ信号として、パワーケーブル41を介した有線通信によってワイヤ送給装置2に送信する。ワイヤ送給装置2は受信した溶接条件パラメータ信号を増幅して、無線通信によって遠隔操作装置3に送信する。
遠隔操作装置3は、ワイヤ送給装置2から受信した溶接条件パラメータ信号に基づいて、記憶部32に記憶されている溶接条件パラメータWpを変更する。また、遠隔操作装置3は、所定のタイミング毎に判定処理を行う。すなわち、記憶部32に記憶されている溶接条件パラメータWpと溶接条件Wrとが一致するか否かを判別して、正しく通信されているかを判定する。遠隔操作装置3は、判定結果に応じて、表示部33に所定の表示を行い、報知部34に所定の報知をさせる。図2の場合は、正しく通信されていると判定されて、表示部33に「通信状態:○」の表示がされており、報知部34による音声での報知はされていない。溶接作業者は、「通信状態:○」の表示により、表示部33に表示されている溶接条件Wrが溶接電源装置1の溶接条件パラメータWpとして正しく設定されていることを確認することができる。もし、「通信状態:×」と表示されていた場合は、表示部33に表示されている溶接条件Wrとは異なる内容で溶接電源装置1の溶接条件パラメータWpが設定されていることを、溶接作業者は認識することができる。
本実施形態によると、遠隔操作装置3とワイヤ送給装置2とが無線通信を行い、ワイヤ送給装置2と溶接電源装置1とがパワーケーブル41を介した有線通信を行う。遠隔操作装置3はワイヤ送給装置2の近くに位置するので、間に隔壁やほかの溶接装置などが存在する可能性が少なく、無線通信に障害が発生しにくい。また、ワイヤ送給装置2と溶接電源装置1とは離れていても有線通信なので、通信に障害が発生しにくい。したがって、遠隔操作装置3が溶接電源装置1と直接無線通信を行う場合と比べて、通信に障害が発生しにくく、正確に通信を行うことができる。
また、遠隔操作装置3は判定処理を行い、溶接電源装置1との間で正しく通信できなかった場合に、その旨を溶接作業者に知らせる。したがって、通信に障害が発生した場合に、そのまま溶接作業を開始して、溶接が不安定になって溶接品質が悪くなってしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、溶接条件が設定電圧および設定電流を含んでいる場合について説明したが、これに限られない。溶接条件は、設定電圧および設定電流のいずれか一方を含んでいなくてもよい。また、溶接条件が、設定電圧および設定電流のいずれも含まないようにしてもよい。例えば、溶接条件を、設定電圧、設定電流、その他の条件を組み合わせたパターンとして溶接電源装置1の記憶部12に記憶しておき、遠隔操作装置3とはパターンのナンバーだけを溶接条件として送受信するようにしてもよい。
本実施形態においては、溶接電源装置1が直流電力を供給する直流電源である場合について説明したが、これに限られない。例えばアルミなどの溶接を行うために、溶接電源装置1を、交流電力を供給する交流電源としてもよい。この場合、電力変換部11にさらにインバータ回路を追加し、整流回路から出力される直流電力を交流電力に変換して出力するようにすればよい。
本実施形態においては、通信部14および中継部21が、パワーケーブル41の周囲に配置されたコイルによる磁気結合を利用する場合について説明したが、これに限られない。例えば、パワーケーブル41に接続されたコンデンサを用いて、送信信号を電圧信号としてパワーケーブル41で送信し、また、パワーケーブル41で送られる電圧信号を検出するようにしてもよい。
上記第1実施形態においては、溶接電源装置1と遠隔操作装置3とが、ワイヤ送給装置2を中継する通信のみを行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、溶接電源装置1と遠隔操作装置3とが直接通信も行うようにしてもよい。直接通信も行う場合を第2実施形態として、以下に説明する。
図4は、第2実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る溶接装置A(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図4に示す溶接装置A2は、溶接電源装置1’が無線通信部15を備えており、無線通信部15が遠隔操作装置3の通信部36と直接無線通信を行う点で、第1実施形態に係る溶接装置Aと異なる。
無線通信部15は、遠隔操作装置3との間で無線通信を行うためのものであり、アンテナを介して信号の送受信を行う。無線通信部15の通信方式は、無線通信であることを除いて、通信部14の通信方式と共通する。溶接電源装置1’は、遠隔操作装置3との通信において、2つの通信経路を有している。無線通信部15は、通信部14がワイヤ送給装置2を経由して遠隔操作装置3に送信する信号と同じ信号を、無線通信により遠隔操作装置3に直接送信する。また、遠隔操作装置3が送信する信号は、ワイヤ送給装置2を経由して通信部14によって受信され、無線通信部15によっても受信される。通信部14が受信した信号と、無線通信部15が受信した信号とが一致する場合、いずれの通信経路でも通信障害が発生していないと考えることができる。
制御部13’は、通信部14が受信した信号と無線通信部15が受信した信号の比較を行い、両者が一致する場合にのみ、当該信号を受け付けて処理を行う。一致しない場合は、当該信号の再送信を要求する。
図5は、溶接電源装置1’の制御部13’が行う比較処理を説明するためのフローチャートである。当該比較処理は、溶接電源装置1’が起動されたときに開始される。
まず、通信部14および無線通信部15が信号を受信したか否かが判別される(S11)。信号が受信されるまでステップS11の判別は繰り返され、信号が受信された場合(S11:YES)に、通信部14が受信した信号S1が取得され(S12)、無線通信部15が受信した信号S2が取得される(S13)。
次に、信号S1と信号S2とが一致するか否かが判別される(S14)。一致する場合(S14:YES)、2つの通信経路のいずれにも通信障害が発生しておらず、受信された信号S1および信号S2は正しく通信されたものであると考えられるので、信号S1(または信号S2)に応じた処理が行われて(S15)、ステップS11に戻る。例えば、信号S1,S2が溶接条件設定信号であった場合、記憶部12の溶接条件パラメータWpが変更される。また、信号S1,S2が起動信号であった場合、電力変換部11が起動される。一方、一致しない場合(S14:NO)、2つの通信経路のいずれか一方または両方で通信障害が発生していると考えられるので、遠隔操作装置3に対して信号の再送信が要求されて(S16)、ステップS11に戻る。
信号が受信された場合(S11:YES)に、信号S1と信号S2とが一致すれば(S14:YES)、処理が行われて(S15)、次の信号の受信待ち状態(S11)になる。信号S1と信号S2とが一致しなければ(S14:NO)、再送信が要求されて(S16)、再送信される信号を待つ(S11)。
第2実施形態によると、溶接電源装置1’は2つの通信経路で受信された信号が一致する場合にのみ処理を行うので、通信障害が発生して正しく通信できていない状態で受信した信号に基づいて処理をしてしまうことを防止することができる。
なお、図5に示すフローチャートの場合、信号S1と信号S2とが一致するまで再送信が要求されるので、処理が行われるまでに時間がかかる場合がある。信号S1と信号S2とが一致しない場合でも、いずれか一方の通信経路では通信障害が発生していない場合がある。したがって、信号S1と信号S2との比較が所定回数行われても一致しない場合には、通信障害が発生していない可能性が高い通信経路の信号に基づいて処理を行うようにしてもよい。
図6は、溶接電源装置1’の制御部13’が行う比較処理の別の実施例を説明するためのフローチャートである。図6に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートに対して、ステップS21〜S24が追加され、ステップS15がS15’に変更されている。具体的には、比較回数Nをカウントして(ステップS23)、所定回数N0を超えたか否かを判別し(S22)、超えた場合(S22:YES)には、信号S1に応じた処理が行われる(S15’)。ステップS21およびS24は、比較回数Nを「1」に初期化するステップである。
受信された信号S1と信号S2とが一致しなければ(S14:NO)、ステップS22,S16,S23,S11〜S14が繰り返され、比較回数Nがカウントされる。比較回数Nが所定回数N0を超えた場合(S22:YES)、信号S1に応じた処理が行われ(S15’)、比較回数Nが「1」に初期化されて(S24)、次の信号の受信待ち状態(S11)になる。
無線通信部15が遠隔操作装置3との間で無線通信を行うのに対して、通信部14はワイヤ送給装置2との間で有線通信を行い、ワイヤ送給装置2と遠隔操作装置3とは近い位置で無線通信を行っている。したがって、通信部14が受信した信号S1の方が無線通信部15が受信した信号S2より信頼性が高い。よって、ステップS15’では、信号S1に応じて処理を行うようにしている。
この実施例の場合、信号S1と信号S2とが一致するまで再送信要求をする場合より信頼性は低くなるが、処理が行われるまでの時間を短縮することができる。なお、比較回数Nが所定回数N0を超えた場合(S22:YES)に、遠隔操作装置3に注意を促すための信号を送信するようにしてもよい。当該信号を受信した遠隔操作装置3が注意を報知するようにすれば、溶接作業者に通信障害の可能性があることの注意を促すことができる。
さらに別の実施例として、信号S1と信号S2とが一致しない場合に、再送信要求をせずに、信号S1に応じた処理を行うようにしてもよい。この場合のフローチャートは、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS16をステップS15’に置き換えたものになる。この実施例の場合、さらに信頼性は低くなるが、処理が行われるまでの時間をさらに短縮することができる。
また、遠隔操作装置3の制御部35にも同様の機能を持たせるようにしてもよい。すなわち、制御部35が、通信部36が無線通信部15から直接受信した信号と、中継部21で中継されてから通信部36が受信した信号との比較を行い、両者が一致する場合に当該信号を受け付けて処理を行い、一致しない場合には当該信号の再送信を要求するようにしてもよい。
上記第1および第2実施形態においては、溶接電源装置1と遠隔操作装置3との通信の中継をワイヤ送給装置2が行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、非消耗電極式の溶接装置の場合、ワイヤ送給装置2は用いられない。この場合は、溶接トーチTに中継機能を設け、溶接トーチTが通信の中継を行うようにすればよい。非消耗電極式の溶接装置の場合を第3実施形態として、以下に説明する。
図7は、第3実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る溶接装置A(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図7に示す溶接装置A3は、ワイヤレス送給装置2を備えておらず、溶接トーチT’が中継部21を備えている点で、第1実施形態に係る溶接装置Aと異なる。当該中継部21は、第1実施形態に係るワイヤ送給装置2の中継部21と同様の構成で同様の機能を有する。溶接トーチT’は、溶接電源装置1との間でパワーケーブル41を介した有線通信を行い、遠隔操作装置3との間で無線通信を行う。溶接トーチT’は、受信した信号を増幅して送信する中継機能を有する。また、溶接トーチT’は溶接作業者が手に持って使用するものなので、溶接トーチT’と遠隔操作装置3とは近くに位置する。したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、ワイヤ送給装置2や溶接トーチT’に中継部21を設けるのではなく、中継部21を備える中継装置を別途設けるようにしてもよい。消耗電極式の溶接装置において、パワーケーブル41の途中に中継装置5を設けた場合を第4実施形態として、以下に説明する。
図8は、第4実施形態に係る溶接装置の全体構成を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る溶接装置A(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図8に示す溶接装置A4は、ワイヤレス送給装置2’に中継部21が設けられておらず、中継部21を備えた中継装置5がパワーケーブル41の途中に設けられている点で、第1実施形態に係る溶接装置Aと異なる。当該中継部21は、第1実施形態に係るワイヤ送給装置2の中継部21と同様の構成で同様の機能を有する。中継装置5は、溶接電源装置1との間でパワーケーブル41を介した有線通信を行い、遠隔操作装置3との間で無線通信を行う。また、中継装置5は、受信した信号を増幅して送信する中継機能を有する。中継装置5は、パワーケーブル41の任意の位置に設けることができるが、遠隔操作装置3との間で無線通信を行いやすいように、できるだけ遠隔操作装置3に近い位置に設ける方がよい。なお、中継装置5は、パワーケーブル41上で移動可能に配置されるようにしてもよい。第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明に係る溶接装置、および、溶接装置の通信方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る溶接装置、および、溶接装置の通信方法の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A,A2,A3,A4 溶接装置
1,1’ 溶接電源装置
11 電力変換部
12 記憶部(第1記憶手段)
13 制御部(第1記憶制御手段、出力制御手段、)
13’ 制御部(比較手段、処理手段、再送信要求手段、カウント手段、第1記憶制御手段、出力制御手段)
14 通信部(第1通信手段)
15 無線通信部
2,2’ ワイヤ送給装置(中継装置)
21 中継部
3 遠隔操作装置
31 操作部
31a 溶接電流設定用ボタン
31b 溶接電圧設定用ボタン
31c 起動ボタン
32 記憶部(第2記憶手段、第3記憶手段)
33 表示部(表示手段、報知手段)
34 報知部(報知手段)
35 制御部(第2記憶制御手段、判定手段)
36 通信部(第2通信手段)
36a アンテナ
41,42 パワーケーブル
5 中継装置
T 溶接トーチ
T’ 溶接トーチ(中継装置)
W 被加工物

Claims (8)

  1. 溶接電源装置と、
    前記溶接電源装置が電力を供給するための電力伝送線と、
    前記電力伝送線上に設けられている中継装置と、
    前記中継装置との間で無線通信を行う遠隔操作装置と、
    を備えており、
    前記溶接電源装置と中継装置とが、前記電力伝送線を介して通信を行い、
    前記溶接電源装置は、
    前記遠隔操作装置との間で無線通信を行っており、
    無線通信によって前記遠隔操作装置から直接受信した信号と、前記中継装置および電力伝送線を介して受信した信号とを比較する比較手段と、
    前記比較手段によって2つの信号が同じであると判断された場合にのみ、当該信号に基づいて処理を行う処理手段と、
    を備えている、
    ことを特徴とする溶接装置。
  2. 前記溶接電源装置は、前記比較手段によって2つの信号が異なると判断された場合に、前記遠隔操作装置に信号の再送信を要求する再送信要求手段をさらに備えている、
    請求項に記載の溶接装置。
  3. 前記溶接電源装置は、前記比較手段が比較を行った回数をカウントするカウント手段をさらに備え、
    前記処理手段は、前記カウント手段によってカウントされた数が所定数を超えた場合に、前記中継装置および電力伝送線を介して受信した信号に基づいて処理を行う、
    請求項に記載の溶接装置。
  4. 前記処理手段は、前記比較手段によって2つの信号が異なると判断された場合に、前記中継装置および電力伝送線を介して受信した信号に基づいて処理を行う、
    請求項に記載の溶接装置。
  5. 前記溶接電源装置は、
    溶接条件を設定するための溶接条件設定信号を受信する第1通信手段と、
    前記第1通信手段によって受信された溶接条件設定信号に基づいて、第1記憶手段に記憶されている溶接条件パラメータを変更する第1記憶制御手段と、
    前記第1記憶手段に記憶されている溶接条件パラメータに基づいて、前記溶接電源装置の出力を制御する出力制御手段とを備え、
    前記第1通信手段は、前記第1記憶手段に記憶されている溶接条件パラメータを溶接条件パラメータ信号として送信し、
    前記遠隔操作装置は、
    溶接作業者による操作に基づいて、第2記憶手段に記憶されている溶接条件を変更する第2記憶制御手段と、
    前記第2記憶手段に記憶されている溶接条件に基づいて表示を行う表示手段と、
    前記第2記憶手段に記憶されている溶接条件を溶接条件信号として送信し、前記第1通信手段が送信した溶接条件パラメータ信号を受信する第2通信手段と、
    前記第2通信手段によって受信された溶接条件パラメータ信号に基づく溶接条件パラメータを記憶する第3記憶手段と、
    前記第2記憶手段に記憶されている溶接条件と前記第3記憶手段に記憶されている溶接条件パラメータとを比較して、一致しているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づいて報知を行う報知手段と、
    を備えている、
    請求項1ないしのいずれかに記載の溶接装置。
  6. 前記中継装置はワイヤ送給装置である、
    請求項1ないしのいずれかに記載の溶接装置。
  7. 前記中継装置は溶接トーチである、
    請求項1ないしのいずれかに記載の溶接装置。
  8. 溶接電源装置と、前記溶接電源装置が電力を供給するための電力伝送線と、前記電力伝送線上に設けられている中継装置と、前記溶接電源装置を遠隔操作するための遠隔操作装置とを備えている溶接装置の通信方法であって、
    前記遠隔操作装置が、無線によって信号を送信する第1の工程と、
    前記中継装置が、前記遠隔操作装置が送信した信号を受信する第2の工程と、
    前記中継装置が、受信した信号を、前記電力伝送線を介して前記溶接電源装置に送信する第3の工程と、
    前記溶接電源装置が、前記電力伝送線を介して送信された信号を受信する第4の工程と、
    前記溶接電源装置が、無線通信によって、前記遠隔操作装置からの信号を直接受信する第5の工程と、
    無線通信によって前記遠隔操作装置から直接受信した信号と、前記中継装置および電力伝送線を介して受信した信号とを比較する第6の工程と、
    前記第6の工程によって2つの信号が同じであると判断された場合にのみ、当該信号に基づいて処理を行う第7の工程と、
    を備えていることを特徴とする通信方法。
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