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JP6214343B2 - インクジェット記録ヘッド用封止剤およびインクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド用封止剤およびインクジェット記録ヘッド Download PDF

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JP6214343B2 JP2013225695A JP2013225695A JP6214343B2 JP 6214343 B2 JP6214343 B2 JP 6214343B2 JP 2013225695 A JP2013225695 A JP 2013225695A JP 2013225695 A JP2013225695 A JP 2013225695A JP 6214343 B2 JP6214343 B2 JP 6214343B2
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Description

本発明は、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドに用いられる封止剤、および該封止剤を用いたインクジェット記録ヘッドに関する。
液体を吐出する液体吐出ヘッドとして、インクを被記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録方式が挙げられる。インクジェット記録方式のインクジェット記録ヘッドは、例えば図1〜3に示すように構成される。図1は、インクジェット記録ヘッドの上面を示す概略図であり、図2は、図1のA−A’線におけるインクジェット記録ヘッドの断面を示す概略図である。また、図3は、インクジェット記録ヘッドの概略斜視図である。図1、2において、吐出素子基板は、基板1と、該基板1の上に形成された流路形成部材4と、を有する。流路形成部材4は、インク等の液体を吐出するための吐出口3と、該吐出口3に連通した液体流路5と、を形成している。また、流路形成部材4は、吐出口の開口面側に撥液層(不図示)を有してもよい。基板1は、表面(第一の面とも称す)上に吐出のためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子2を有し、液体流路5に液体を供給する供給口6を有する。吐出素子基板は、供給口6に連通する連通口9を有する支持部材10のデバイスホール7上に接着剤8によって接着されている。また、吐出素子基板が支持部材10に配置された後、吐出素子基板は、電気配線基板12と電気的に接続される。吐出素子基板と電気配線基板12とは、例えば電気接続部11(図3参照)によって、電気的に接続される。液体吐出ヘッドは、吐出素子基板と、液体を吐出させるための電気信号を吐出素子基板へ伝える電気配線基板12と、液体を貯蔵するタンク部15(図3参照)と、によって構成されている。また、吐出素子基板と電気配線基板12との間の電気接続部11は、電気部封止部13によって保護されている。また、周囲封止部14によって、吐出素子基板の側面が保護され、吐出素子基板と支持部材のデバイスホール7の間に液体が溜まるのが防止されている。
インクジェット記録ヘッドに用いられる封止剤は、アルカリ性及び極性溶媒を含有し、異なる性質を示す各色のインクに接するという、過酷な環境に置かれる。このような条件において、接着信頼性、電気的な封止信頼性を維持し続けることが要求される。
そこで、特許文献1では、主剤としてインク耐性に優れた樹脂を含み、添加剤やフィラーを含む封止剤が開示されている。
特開2002−302536号公報
しかしながら、特許文献1に記載の封止剤において、インク種、使用環境、使用期間等によっては、封止剤がインクを吸収し、膨潤する可能性がある。封止剤が膨潤すると、吐出素子基板の位置ずれが生じ、安定したインク吐出に支障が出る場合がある。
また、封止剤にフィラーを充填した場合、封止剤の粘度が高くなってしまう場合がある。例えば、封止剤を周囲封止部に用いる場合、一般的に、吐出素子基板の周囲四辺のうち、電気接続部が配置されていない側の周囲二辺のデバイスホールに塗布し、電気接続部が配置されている側の周囲二辺のデバイスホールに毛細管力で流れ込ませる。そのため、封止剤が高粘度であると、流れ性が低下し、吐出素子基板の周囲に封止剤が流れ込みにくくなるという問題が生じる。
本発明の目的は、流れ性に優れ、撥液性を有し、インク吸収が抑制されるインクジェット記録ヘッド用封止剤を提供することである。
本実施形態は、少なくとも、カチオン重合可能な樹脂と、20℃±15℃の範囲にて液体状であるフッ素含有化合物と、カチオン重合開始剤と、を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッド用封止剤である。
また、本実施形態は、インクを吐出する吐出口及び該吐出口に連通する流路を形成する流路形成部材と、前記インクを吐出するためのエネルギーを発生するためのエネルギー発生素子及び前記流路にインクを供給する供給口を有する基板と、を有する吐出素子基板と、
前記吐出素子基板を支持する支持部材と、
前記吐出素子基板に電気的に接続された電気配線基板と、を備えるインクジェット記録ヘッドであって、
前記吐出素子基板と前記支持部材との間、及び前記吐出素子基板と前記電気配線基板との電気接続部が、上記構成のインクジェット記録ヘッド用封止剤により封止されるインクジェット記録ヘッドである。
本発明によれば、流れ性に優れ、撥液性を有し、インク吸収が抑制されるインクジェット記録ヘッド用封止剤を提供することができる。
本発明の好ましい形態によれば、アルカリ性及び極性溶媒を含有するインクに接するという過酷な環境でも、接着信頼性および電気的な封止信頼性を良好に維持することが可能なインクジェット記録ヘッド用封止剤を提供することができる。
インクジェット記録ヘッドの構成例を示す概略上面図である。 インクジェット記録ヘッドの構成例を示す概略断面図である。 インクジェット記録ヘッドの構成例を示す概略斜視図である。
以下に、本実施形態のインクジェット記録ヘッド用封止剤について説明する。
本実施形態のインクジェット記録ヘッド用封止剤は、少なくとも、カチオン重合可能な樹脂と、20℃±15℃の範囲にて液体状であるフッ素含有化合物と、カチオン重合開始剤と、を含む。
<カチオン重合可能な樹脂>
カチオン重合可能な樹脂は、ビニル基、環状エーテル基などのカチオン重合性基を有する樹脂を意味する。カチオン重合性基としては、例えば、エポキシ基、オキセタン基、ビニル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。カチオン重合可能な樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。また、その他にも、ビニルエーテル樹脂やプロペニルエーテル樹脂も挙げられる。カチオン重合可能な樹脂は、1種を単独で用いても良く、複数を組み合わせて用いても良い。
エポキシ樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、含ブロムエポキシ樹脂、フェノールおよびクレゾール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グルシジルエステル系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。また、これらをシリコーン変性、ポリブタジエン変性若しくはウレタン変性させたものや、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン若しくはグリセリン等を使って多官能化したものでもよい。
カチオン重合可能な樹脂として、アクリル樹脂、スチレン樹脂、又はこれらの変性体などを用いても良いが、分子内にエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、耐薬品性に優れるため、好ましく用いることができる。また、カチオン重合可能な樹脂として、エポキシ樹脂とオキセタン樹脂を併用することも好ましい。
これらのうち、エポキシ基を1分子中に複数有する多官能エポキシ樹脂が好ましい。このような多官能エポキシ樹脂としては、例えば、多官能脂環型エポキシ樹脂、多官能フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、多官能オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能トリフェニル型ノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのうち、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能脂環型エポキシ樹脂又は多官能フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。その官能性は2官能以上、更にはより官能基の多い3官能以上がより好ましく、5官能以上がさらに好ましい。例えば、ジャパンエポキシレジン社製「エピコート157S70」や、大日本インキ化学工業株式会社製の「エピクロンN−865」、ダイセル化学工業株式会社製「EHPE 3150」が市販品として入手でき、より好ましく用いられる。
カチオン重合可能な樹脂の軟化点は、特に制限されるものではないが、50℃〜180℃であることが好ましく、60℃〜160℃であることがより好ましい。
カチオン重合可能な樹脂の含有量は、封止剤の全固形分中、40〜99質量%であることが好ましく、45質量%〜95質量%であることがより好ましく、50質量%〜90%であることがさらに好ましい。カチオン重合可能な樹脂の含有量をこの範囲にすることにより、高い耐薬品性と接着性を良好に発現させることが出来る。
オキセタン樹脂は、オキセタン基を少なくとも1つ有する。オキセタン樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型オキセタン樹脂、ビスフェノールオキセタン樹脂、ビスフェノールS型オキセタン樹脂、キシリレン型樹脂、フェノールノボラック型樹脂、クレゾールノボラック型樹脂、アルキルフェノールノボラック型樹脂、ビフェノール型樹脂、ビキシレノール型樹脂、ナフタレン型樹脂、ジシクロペンタジエン型樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のオキセタン樹脂などが挙げられる。
オキセタン樹脂として、より具体的には以下の化学式に記載の化合物が例示される。
Figure 0006214343
Figure 0006214343
本実施形態において、上記のようなカチオン重合可能な樹脂に併せて、低分子のカチオン重合性化合物を希釈剤として添加してもよい。このような低分子のカチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、プロペニルエーテル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物又はオキセタン基を有する化合物等が挙げられる。これらのカチオン重合性化合物としては、単官能であってもよく、多官能であってもよい。
ビニルエーテル(以下VEと略記)基を有する化合物としては、単官能VE又は多官能VE等が挙げられる。単官能VE[例えばC3以上かつMn1,000以下]としては、例えば、アルキルVE[メチルVE、エチルVE、ブチルVE、イソブチルVE、シクロヘキシルVE、2−クロロエチルVE、2−フェノキシエチルVE、2−ヒドロキシエチルVE、4−ヒドロキシブチルVE、ステアリールVE、2−アセトキシエチルVE、ジエチレングリコールモノVE、2−エチルヘキシルVE、ドデシルVE、オクタデシルVE等]、アルケニルVE[アリルVE、2−メタクロイルオキシエチルVE、2−アクロイルオキシエチルVE等]、アリールVE[フェニルVE、p−メトキシフェニルVE等]等が挙げられる。また、多官能VE[例えばC6以上かつMn1,000以下]としては、例えば1,4−ブタンジオールジVE、トリエチレングリコールジVE、1,4−ベンゼンジVE、ハイドロキノンジVE、シクロヘキサンジメタノールジVE、ジエチレングリコールジVE、ジプロピレンジVE、ヘキサンジオールジVE等が挙げられる。
プロペニルエーテル(以下PPEと略記)基を有する化合物としては、単官能PPE又は多官能VE等が挙げられる。単官能PPE[例えばC4以上かつMn1,000以下]としては、例えば、アルキルPPE[メチルPPE、エチルPPE、ブチルPPE、イソブチルPPE、シクロヘキシルPPE、2−クロロエチルPPE、2−フェノキシエチルPPE、2−ヒドロキシエチルPPE、4−ヒドロキシブチルPPE、ステアリルPPE、2−アセトキシエチルPPE、ジエチレングリコールモノPPE、2−エチルヘキシルPPE、ドデシルPPE、オクタデシルPPE等]、アルケニルPPE[アリルPPE、2−メタクロイルオキシエチルPPE、2−アクロイルオキシエチルPPE等]、アリールPPE[フェニルPPE、p−メトキシフェニルPPE等]等が挙げられる。多官能PPE[例えばC6以上かつMn1,000以下]としては、例えば、1,4−ブタンジオールジPPE、トリエチレングリコールジPPE、1,4−ベンゼンジPPE、ハイドロキノンジPPE、シクロヘキサンジメタノールジPPE、ジエチレングリコールジPPE、ジプロピレンジPPE、ヘキサンジオールジPPE等が挙げられる。
また、封止剤は、吐出素子基板と支持部材の間の隙間に流れやすく、封止剤と吐出素子基板間の線膨張係数の違いにより発生する応力を緩和しやすく、流れ性が良好であるものが好ましく用いられる。このような観点から、封止剤の粘度は低い方が好ましい。これらの観点から、カチオン重合可能な樹脂としては、ポリブタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、シリコーン骨格を有するエポキシ樹脂、またはシリコーンとポリブタジエン骨格を有するエポキシ樹脂が好ましい。ポリブタジエン骨格とは、その構造中に1,4−ブタジエンまたは1,2−ブタジエンの構造が含まれている物を示し、その他の構造は、特に限定されるものではない。市販されているものとしては、サートマー社製「R657」、日本曹達株式会社製「JP200」、ナガセケムテックス株式会社製「デナレックスR45EPT」、株式会社ADEKA製「BF1000」、ダイセル化学工業株式会社製「PB3600」、日本石油化学株式会社製「E−700−3.5」などが挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂のエポキシ当量は大きい方が好ましく、エポキシ当量が1000以上であることが好ましい。エポキシ当量が1000以上の場合、硬化物が硬くなりすぎず、低温環境下における硬化物又は吐出素子基板の割れを低減することができる。エポキシ当量はJISK7232−1986に準じた値である。
本実施形態の封止剤を用いて、電気部封止部と周囲封止部を同時に形成することが好ましい。
<カチオン重合開始剤>
カチオン重合開始剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、熱カチオン重合開始剤、又は光カチオン重合開始剤を挙げることができる。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
熱カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩などが挙げられる。市販されているものとしては、三新化学工業株式会社より販売されているサンエイドSI−60L(商品名)、サンエイドSI−80L(商品名)、サンエイドSI−100L(商品名)などが挙げられる。また、株式会社ADEKA社より販売されているCP−66(商品名)、CP−77(商品名)などが挙げられる。また、芳香族オニウム塩は、還元剤と併用してもよい。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩又は芳香族スルホニウム塩などが挙げられる。市販されているものでは、芳香族ヨードニウム塩としては、みどり化学株式会社より販売されているDPI−105(商品名)、MPI−103(商品名)、MPI−105(商品名)などが挙げられる。芳香族スルホニウム塩としては、例えば、株式会社ADEKAから販売されているアデカオプトマーSP−170(商品名)、SP−172(商品名)などが挙げられる。
また、電気部封止部と周囲封止部の界面で硬化剤の奪い合いが生じても、主剤の硬化が阻害されないように、電気部封止部と周囲封止部は同じ封止剤を用いて形成することが好ましい。
<フッ素含有化合物>
フッ素含有化合物は、常温で液体状である。本発明における常温とは、日本工業規格(JIS Z 8703)の規定と同じく、20℃±15℃の範囲、つまり5℃以上35℃以下の範囲にある温度状態を言う。このようなフッ素含有化合物を用いることにより、封止剤の流れ性を良好な状態とすることができる。なお、常温で液体とは、凝固点が5℃より低い温度である物質を指す。フッ素含有化合物は、その1種を、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、フッ素含有化合物は、5℃以上35℃以下、かつ圧力86kpa以上106kpa以下の範囲において、液体状であることが好ましい。
フッ素含有化合物は、インクに対する撥液性の観点から、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロアルキレン基、又はパーフルオロポリエーテル基(以下、これらの基をフッ素含有基と省略する場合がある)を含有することが好ましい。
また、パーフルオロポリエーテル基の平均分子量は500以上であることが好ましい。
パーフルオロアルキル基としては、特に制限されるものではないが、例えば、式(1−1)で表される基が挙げられる。
Figure 0006214343
[式(1−1)中、kは3以上の整数である。]。
式(1−1)において、kは、3〜12の整数であることが好ましい。
パーフルオロアルキレン基としては、特に制限されるものではないが、例えば、式(1−2)で表される基が挙げられる。
Figure 0006214343
[式(1−2)中、kは3以上の整数である。]。
式(1−2)において、kは、3〜12の整数であることが好ましい。
パーフルオロポリエーテル基は、特に制限されるものではないが、例えば、構造単位としてのパーフルオロアルキレンオキシ基が複数連なった構造を有するポリ(パーフルオロアルキレンオキシ)基が挙げられる。ポリ(パーフルオロアルキレンオキシ)基中のパーフルオロアルキレン基の炭素数は、それぞれ独立して、1〜12であることが好ましく、1,2,3,4,5又は6であることがより好ましい。パーフルオロアルキレン基は、それぞれ独立して、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、ポリ(パーフルオロアルキレンオキシ)基中の構造単位であるパーフルオロアルキレン基は、それぞれ独立していてもよい。
パーフルオロポリエーテル基としては、特に制限されるものではないが、例えば、式(2)で表される基が挙げられる。
Figure 0006214343
[式(2)中、p、q、r及びsは、それぞれ独立に、0または1以上の整数である。p、q、r及びsのうち少なくとも一つは1以上の整数である。]。
pは、0〜60の整数であることが好ましい。qは、0〜20の整数であることが好ましい。rは、0〜60の整数であることが好ましい。sは、0〜30の整数であることが好ましい。
これらの撥液基の繰り返し単位の数(k、p、q、r、s)を比較すると、一般に市販の撥液剤では、kよりもp、q、r、sの方が大きい場合が多い。そのため、一般に市販の撥液剤では、パーフルオロポリエーテル基を有する撥液剤の方が、パーフルオロアルキル基を有する撥液剤よりも一分子中に多くのフッ素原子を含み、高い撥液性を示すため、好適に用いられる。また、同一分子内の異なる、および異なる分子が有するパーフルオロポリエーテル基の重量平均分子量は、小さすぎると撥液性が発現しない場合があることから、500以上の化合物である撥液剤が好ましい。さらに好ましくは、1000以上である。なお、パーフルオロアルキル基やパーフルオロポリエーテル基などのフッ素含有基においては、フッ化アルキル鎖が空気界面側に偏析することが知られており、封止剤の表面の撥液性を高めることが可能となる。パーフルオロポリエーテル基の重量平均分子量は、質量分析(MALDI−MS)、19F−NMRおよびGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)等により測定することができる。
フッ素含有化合物は、機械的強度やインク耐性の観点から、無機反応基を有することが好ましい。無機反応基としては、汎用性の観点から、加水分解性シリル基が好ましい。フッ素含有化合物としては、末端部に加水分解性シリル基を有するフッ素含有化合物が好ましい。また、フッ素含有化合物としては、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロアルキレン基、又はパーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物が好ましい。加水分解性シリル基を有する場合、空気中の水分を伴った加水分解が起こり、シラノール基が生成される。更に、カチオン重合開始剤より発生した酸の存在下、脱水縮合反応が促進され、シロキサン結合が生成されることで、機械的強度およびインク耐性が向上する。また、主剤としてエポキシ樹脂を用いた場合、シラノール基とエポキシ樹脂のエポキシ基との反応により、機械的強度およびインク耐性が向上する。
具体的には、加水分解性シリル基を有するフッ素含有化合物としては、例えば、式(3−1)で表される化合物、式(3−2)で表される化合物、式(4)で表される化合物、式(5−1)で表される化合物、式(5−2)で表される化合物、式(6−1)で表される化合物又は式(6−2)で表される化合物が好ましく挙げられる。すなわち、加水分解性シリル基を有するフッ素含有化合物は、式(3−1)で表される化合物、式(3−2)で表される化合物、式(4)で表される化合物、式(5−1)で表される化合物、式(5−2)で表される化合物、式(6−1)で表される化合物、及び式(6−2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0006214343
[式(3−1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基である。Xは、単結合、又は2価の有機基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。aは、1,2又は3の整数である。Rが複数存在する場合、複数のRはそれぞれ独立していてもよい。Yが複数存在する場合、複数のYはそれぞれ独立していてもよい。]。
Figure 0006214343
[式(3−2)において、Rfは、パーフルオロポリエーテル基である。Xは、単結合、又は2価の有機基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。aは、1,2又は3の整数である。Rが複数存在する場合、複数のRはそれぞれ独立していてもよい。Yが複数存在する場合、複数のYはそれぞれ独立していてもよい。]。
式(3−1)及び式(3−2)において、Xは、例えば、単結合、酸素原子、エーテル基を有しても良い炭素数1〜12のアルキレン基、エーテル基を有しても良い炭素数1〜12のフルオロアルキレン基である。Xとしてのアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。Xが有機基の場合、Xの炭素数は、1,2,3,4,5,又は6であることが好ましい。アルキレン基及びフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
Figure 0006214343
[式(4)において、Rfは、パーフルオロアルキレン基、又はパーフルオロポリエーテル基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、単結合、又は2価の有機基である。aは、1,2又は3の整数である。R,Y,及びAは、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]。
式(4)において、Aは、例えば、単結合、酸素原子、エーテル基を有しても良い炭素数1〜12のアルキレン基、エーテル基を有しても良い炭素数1〜12のフルオロアルキレン基である。Aとしてのアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。Aが有機基の場合、Aの炭素数は、1,2,3,4,5,又は6であることが好ましい。アルキレン基及びフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
Figure 0006214343
[式(5−1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、3価の有機基である。Qは、2価の有機基である。Zは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。mは、1以上の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、mが2以上の整数である場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]。
Figure 0006214343
[式(5−2)において、Rfは、パーフルオロポリエーテル基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、3価の有機基である。Qは、2価の有機基である。Zは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。mは、1以上の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、mが2以上の整数である場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]。
式(5−1)及び式(5−2)において、Aの炭素数は、1〜12であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1,2,3,4,5又は6であることが特に好ましい。Aとしては、例えば、3価の飽和炭化水素基が挙げられる。
式(5−1)及び式(5−2)において、Qの炭素数は、1〜12であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1,2,3,4,5又は6であることが特に好ましい。Qは、例えば、酸素原子、エーテル基を有しても良い炭素数1〜12のアルキレン基、エーテル基を有しても良い炭素数1〜12のフルオロアルキレン基である。Qとしてのアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。アルキレン基及びフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
式(5−1)及び式(5−2)において、mは、1〜6の整数であることが好ましく、1,2又は3の整数であることがより好ましい。
Figure 0006214343
[式(6−1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、単結合、又は2価の有機基である。Qは、2価または3価の有機基である。nは、1又は2の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、nが2の場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]。
Figure 0006214343
[式(6−2)において、Rfは、パーフルオロポリエーテル基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、単結合、又は2価の有機基である。Qは、2価または3価の有機基である。nは、1又は2の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、nが2または3の場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]。
式(6−1)及び式(6−2)において、Qの炭素数は、1〜12であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1,2,3,4,5又は6であることが特に好ましい。Qは、例えば、酸素原子、エーテル基を有しても良い炭素数1〜12のアルキレン基、エーテル基を有しても良い炭素数1〜12のフルオロアルキレン基である。Qとしてのアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。アルキレン基及びフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。また、Qとしては、例えば、3価の飽和炭化水素基が挙げられる。
式(6−1)で表される化合物又は式(6−2)で表される化合物は、2級アミド構造又は3級アミド構造を有することが好ましく、3級アミド構造を有することがより好ましい。
上記式において、加水分解性基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等)、アルコキシ基、又はアミノ基などが挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が好ましく、汎用性の高いメトキシ基やエトキシ基が好ましい。
上記式において、非加水分解性基としては、例えば、アルキル基等が挙げられる。アルキル基としては、メチル基やエチル基が好ましい。
加水分解性シリル基を有するフッ素含有化合物の好ましい具体例としては、式(7)から(11)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006214343
[式(7)中、tは3以上の整数である。]。
式(7)において、tは10以下の整数であることが好ましい。
Figure 0006214343
[式(8)中、uは3から60の整数である。vは1,2又は3の整数である。]。
Figure 0006214343
[式(9)中、wは3から60の整数である。]。
Figure 0006214343
[式(10)中、xは1から20の整数である。yは、1から30の整数である。]。
Figure 0006214343
[式(11)中、zは3から60の整数である。]。
また、フッ素含有化合物としては、主剤(特にエポキシ樹脂)との反応性、機械強度、及びインク耐性の観点から、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロポリエーテル基(以下、これらをフッ素含有基とも称す)を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物と、からなる縮合物も好適に用いることができる。カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物の存在により、フッ素含有化合物と主剤(特にエポキシ樹脂)との間で、カチオン重合開始剤の存在下、カチオン重合性基の反応により、エーテル結合が形成される。その結果、硬化した封止剤の機械的強度、インク耐性が向上する。
カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物は、例えば、下記式(20)で表される。
−Si(R(3−b) (20)
[式(20)において、Rは、カチオン重合性基を有する非加水分解性基である。Rは、非加水分解性基である。Xは、加水分解性基である。bは0から2の整数である。Xは、bが2の場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]。
カチオン重合性基としては、例えば、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基等が挙げられる。これらの中でも、入手の容易さ及び反応制御の観点からエポキシ基が好ましい。
としては、例えば、グリシドキシプロピル基、エポキシシクロヘキシルエチル基等が挙げられる。
式(20)において、Xの加水分解性基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等)、アルコキシ基、又はアミノ基などが挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が好ましく、汎用性の高いメトキシ基やエトキシ基が好ましい。
式(20)において、Rの非加水分解性基としては、例えば、アルキル基等が挙げられる。アルキル基としては、メチル基やエチル基が好ましい。
式(20)で表されるカチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物としては、例えば、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物はこれらの化合物に限定されない。また、カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物の配合比は、用いられる加水分解性シラン化合物のモル数の合計量を100mol%とした場合、30〜70mol%であることが好ましい。該配合比は40〜55mol%であることがより好ましい。
更には、フッ素含有化合物としては、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物と、アルキル置換の加水分解性シラン化合物と、からなる縮合物も好ましく用いることができる。アルキル置換の加水分解性シラン化合物により、縮合物の自由度が向上する。このため、パーフルオロアルキル基やパーフルオロポリエーテル基等の撥液基の空気界面側への配向が促進される。また、アルキル基の存在により、シロキサン結合の開裂が抑制され、撥液性、インク耐性が向上する。
アルキル置換の加水分解性シラン化合物は、例えば、式(30)で表される。
−SiX(4−a) (30)
[式(30)において、Rは、置換または非置換アルキル基である。Xは、加水分解性基である。aは、0から3の整数である。Xは、ケイ素原子が複数ある場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]。
の炭素数は、例えば、1〜6であり、1〜4であることが好ましい。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく挙げられる。
式(30)で表されるアルキル置換の加水分解性シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、等が挙げられる。アルキル置換の加水分解性シラン化合物は、これらの化合物に限定されない。また、アルキル置換の加水分解性シラン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルキル置換の加水分解性シラン化合物の配合比は、用いられる加水分解性シラン化合物のモル数の合計量を100mol%とした場合、5〜70mol%であることが好ましい。該配合比は10〜50mol%であることがより好ましい。
フッ素含有化合物の含有量は、封止剤に撥液性を付与する観点から、カチオン重合可能な樹脂(特にエポキシ樹脂)100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましい。また、フッ素含有化合物の含有量は、60質量部以下であることが好ましい。
本実施形態において、20℃±15℃の範囲の常温で液体状のフッ素含有化合物を封止剤に含有させることで、封止剤の流れ性を低下させることなく、撥液性を付与することが可能となる。そのため、吐出素子基板の周囲に封止剤が流れ込みやすくなり、硬化後の封止剤におけるインク吸収が抑制可能となる。
なお、封止剤に用いられるフッ素含有化合物は、インクジェット記録ヘッド表面の撥液性の均一性の観点から、流路形成部材に設けられる撥液層にも添加されることが好ましい。
本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、以下のようにして製造することができる。
(1)本実施形態の封止剤を、支持部材のデバイスホール及び/又は吐出素子基板に配置する工程と、
(2)前記支持部材と前記吐出素子基板とを貼り合わせる工程と、ここで、前記封止剤は、吐出素子基板の周囲に流れ込み、
(3)前記封止剤を硬化させて、周囲封止部及び電気部封止部を形成する工程と、
をこの順で行う。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[インクジェット記録ヘッド用封止剤]
(実施例1)
実施例1として、表1に示す組成で封止剤を調製した。表において、「部」は「質量部」を意味する。
実施例1において、熱硬化性エポキシ樹脂として、ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂(商品名:デナレックスR−45EPT、ナガセケムテックス株式会社製)を用いた。また、カチオン重合開始剤として、芳香族スルホニウム塩の熱カチオン重合開始剤(商品名:CP−77、株式会社ADEKA社製)を用いた。
実施例1では、熱硬化性エポキシ樹脂100質量部および熱カチオン重合開始剤6質量部に加えて、フッ素含有化合物A 5質量部を組成物中に添加した。フッ素含有化合物は、以下のようにして組成物に添加した。まず、フッ素含有化合物をハイドロフルオロエーテルを用いて不揮発物含量が20%となるように希釈して溶液を調製した。この溶液を、該フッ素含有化合物が5質量部となるように組成物中に添加した。
以上のようにして、封止剤を調製した。
(実施例2)
フッ素含有化合物Aの代わりにフッ素含有化合物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして封止剤を調製した。
(実施例3)
フッ素含有化合物Aの代わりにフッ素含有化合物Cを用いた以外は、実施例1と同様にして封止剤を調製した。
(実施例4)
フッ素含有化合物Aの代わりにフッ素含有化合物Dを用いた以外は、実施例1と同様にして封止剤を調製した。
(実施例5)
フッ素含有化合物Aの代わりにフッ素含有化合物Eを用いた以外は、実施例1と同様にして封止剤を調製した。
(実施例6)
フッ素含有化合物Aの代わりにフッ素含有化合物Fを組成物中に下記に示すように添加した以外は、実施例1と同様にして封止剤を調製した。
フッ素含有化合物Fは以下のように調製した。まず、式(11)で表される化合物と、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランと、メチルトリエトキシシランと、水と、エタノールとを室温で撹拌し、続いて24時間還流することによって、縮合物(フッ素含有化合物F)を得た。この縮合物を、エタノールを用いて不揮発物含量が30%となるように希釈して溶液を調製した。この溶液を、フッ素含有化合物Fが5質量部となるよう組成物中に添加した。
(実施例7)
式(11)で表される化合物の代わりに式(7)で表される化合物を用いた以外は、実施例6と同様にして封止剤を調製した。
なお、実施例7において、式(11)で表される化合物の代わりに式(7)で表される化合物を用いた以外は、実施例6と同様にして縮合物を得ることにより、フッ素含有化合物Gを製造した。
(比較例1)
フッ素含有化合物Aを用いなかった以外は、実施例1と同様にして封止剤を調製した。
(比較例2)
常温で固体状のフッ素系フィラー(商品名:FA−200、日産化学工業株式会社製)を70部添加した以外は、比較例1と同様にして封止剤を調製した。
Figure 0006214343
A : 式(7)で表されるパーフルオロアルキル基を有する加水分解性シラン化合物
なお、式(7)中のtは10である。
B : 式(8)で表されるパーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物
なお、式(8)中のuは20であり、vは3である。
C : 式(9)で表されるパーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物
なお、式(9)中のwは20である。
D : 式(10)で表されるパーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物
なお、式(10)中のxは20であり、yは10である。
E : 式(11)で表されるパーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物
なお、式(11)中のzは5である。
F : 式(11)で表されるパーフルオロポリエーテル基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物と、アルキル置換の加水分解性シラン化合物と、を含む縮合物
なお、式(11)中のzは5である。
G : 式(7)で表されるパーフルオロアルキル基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物と、アルキル置換の加水分解性シラン化合物と、を含む縮合物
なお、式(7)中のtは10である。
「評価」
実施例1〜7および比較例1〜2で得られた封止剤を、図1、2に示すような20mm×20mm×厚さ1.0mmの形状の吐出エネルギー発生素子を有する基板1と支持部材10内に存在する20.5から21mmの幅のデバイスホール7との間に塗布し、吐出素子基板の周囲に回り込み、電気配線基板12の下まで完全に満たすのに要した時間を計測することで、各封止剤の流れ性を評価した。
また、各封止剤を、20mm×20mm×厚み0.15mmの形状に塗布し、開始温度が100℃、1時間で180℃上昇するように一定の温度上昇率に制御したインキュベータ内で1時間保存し、硬化させた。得られた硬化物について、吸インク率、接液性、撥液性を評価した。
<流れ性>
以下は流れ性の評価基準である。
◎:30sec未満
○:30sec以上、3min未満
△:3min以上、10min未満
×:10min以上
<吸インク率>
上記硬化物を、下記組成のインクに浸漬させた状態で、PCT(プレッシャークッカー装置)内に121℃で10時間保存した。そして、保存前と保存後の重量変化率を測定した。
インク=純水/グリセリン/ダイレクトブラック154 (水溶性黒色染料)=6/5 /30/5(質量比)
以下は重量変化率(吸インク率)の評価基準である。
◎:1%未満
○:1%以上、2%未満
△:2%以上、4%未満
×:4%以上
<接液性>
上記硬化物を、上記インクからダイレクトブラック154を除いたクリアインクに浸漬させた状態で、PCT内に121℃で10時間保存した。そして、保存後のクリアインク(抽出液)の吸光度を測定した。吸光度の変化により、封止剤の硬化物からインクへの溶出度合を評価した。吸光度の測定には、U−3300 spectrophotometer(HITACHI製)を使用し、200〜400nmの吸光度を測定した。
以下、接液性の評価基準であり、absは、保存後のクリアインク(抽出液)の吸光度から、硬化物を浸漬させる前のクリアインクの吸光度を差し引いた数値を示している。
◎:abs 1未満
○:abs 1以上、2未満
×:abs 2以上
<撥液性>
上記硬化物の撥液性を、自動接触角計(協和界面科学製、CA−W)を用いて、純水に対する動的後退接触角θrの測定を行うことにより、評価した。
以下、撥液性の評価基準である。
◎:90°以上
○:90°未満、75°以上
△:75°未満、65°以上
×:65°未満
流れ性、吸インク率、接液性、撥液性の評価結果を表2に示す。
Figure 0006214343
実施例1〜7で得られた封止剤は、フッ素含有化合物を含むことにより撥液性が付与された結果、封止剤のインク吸収が抑制され、吸インク率及び接液性ともに良好であった。また、常温で液体状のフッ素含有化合物の添加により、粘度が上がることなく、短時間で吐出素子基板の周囲に封止剤が回り込み、流れ性が良好であった。
比較例1で得られた封止剤は、吸インク率及び接液性に劣り、封止剤由来と思われる吸収が観察されたことから、封止剤がインクを吸収し、封止剤の成分が溶出していたと考えられる。
比較例2で得られた封止剤は、吸インク率、接液性が良好である一方、常温で固体状のフッ素系フィラーを添加したために、流れ性が低下し、吐出素子基板の周囲に回り込むのに時間を要した。
[インクジェット記録ヘッド]
(実施例8〜14及び比較例4、5)
実施例8〜14及び比較例4,5において、実施例1〜7および比較例1〜2で調製した封止剤をそれぞれ用いて、インクジェット記録ヘッドを作製した。
まず、作製したインクジェット記録ヘッドの構成を、図1〜3を用いて、説明する。図1において、吐出素子基板は、供給口6を有する基板1と、該基板1の上に、インク等の液体を吐出する吐出口3及び該吐出口3に連通する液体流路5を形成する流路形成部材4と、を有する。吐出口3が開口しているオリフィス面には、撥液処理が施されており、流路形成部材4の表面には撥液層(不図示)が形成されている。基板1の上には、吐出のためのエネルギーを発生する発熱素子などのエネルギー発生素子2が形成されている。また、液体流路5に液体を供給する供給口6は、支持部材10に形成される連通口9と連通している。吐出素子基板は、支持部材10のデバイスホール7に接着剤8を用いて貼り合わされている。液体を吐出するための信号は、電気配線基板12に設けられる電気接続部11(図3参照)を介して伝えられ、電気接続部11は電気部封止部13で封止されている。また、吐出素子基板と支持部材10との間は、周囲封止部14が充填されて封止されている。連通口9は、液体を貯蔵するタンク部15(図3参照)に連通されている。
本実施例および比較例においては、基板1はシリコンからなり、電気信号を供給するためのAl配線等は成膜技術によって形成した。また、供給口6は異方性エッチング技術によって形成した。スピンコートによって材料をコーティングし、フォトリゾグラフィー技術を用いて吐出口3、流路5を形成することにより、流路形成部材4を基板1上に形成した。流路形成部材4の材料としては、多官能エポキシ樹脂を用いた。流路形成部材4の表面の撥液層としては、実施例8〜14では、封止剤に含まれるフッ素含有化合物と同一の材料を塗布することで形成した。比較例4および5では、実施例8で用いたフッ素含有化合物を用いて、撥液層を形成した。支持部材10の材料としてはアルミナを用いた。
封止剤を電気接続部および吐出素子基板と支持部材の間に存在するデバイスホール7内に塗布し、100℃、1時間+180℃、1時間で硬化させることで、電気部封止部13および周囲封止部14を形成した。
<信頼性評価>
実施例8〜14および比較例4、5で得られたインクジェット記録ヘッドの接着信頼性および電気的な封止信頼性を評価する為に、先に述べたインクをインクジェット記録ヘッドに充填し、60℃、2ヶ月保存した。その後、A4版の1万枚の印字評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0006214343
比較例4および5のインクジェット記録ヘッドでは、インク滴が所望の方向に飛んでおらず、印字品位が低下することが確認された。これは、インク保存により、封止剤がインクを吸収し、膨潤したことで、吐出素子基板に位置ずれが生じたものと推測される。一方、本実施例のインクジェット記録ヘッドでは、1万枚の印字終了後も印字品位の低下は見られなかった。
1 基板
2 吐出エネルギー発生素子
3 吐出口
4 流路形成部材
5 液体流路
6 供給口
7 デバイスホール
8 接着剤
9 連通口
10 支持部材
11 電気接続部
12 電気配線基板
13 電気部封止部
14 周囲封止部
15 タンク部

Claims (16)

  1. 少なくとも、カチオン重合可能な樹脂と、20℃±15℃の範囲にて液体状であるフッ素含有化合物と、カチオン重合開始剤と、を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  2. 前記フッ素含有化合物はフッ素含有基を有し、該フッ素含有基がパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロアルキレン基、又はパーフルオロポリエーテル基である請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  3. 前記フッ素含有基がパーフルオロポリエーテル基であり、該パーフルオロポリエーテル基の平均分子量が500以上である請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  4. 前記フッ素含有化合物は、加水分解性シラン化合物である請求項2又は3に記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  5. 前記フッ素含有化合物が、式(3−1)で表される化合物、式(3−2)で表される化合物、式(4)で表される化合物、式(5−1)で表される化合物、式(5−2)で表される化合物、式(6−1)で表される化合物、及び式(6−2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤;
    Figure 0006214343

    [式(3−1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基である。Xは、単結合、又は2価の有機基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。aは、1,2又は3の整数である。Rが複数存在する場合、複数のRはそれぞれ独立していてもよい。Yが複数存在する場合、複数のYはそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(3−2)において、Rfは、パーフルオロポリエーテル基である。Xは、単結合、又は2価の有機基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。aは、1,2又は3の整数である。Rが複数存在する場合、複数のRはそれぞれ独立していてもよい。Yが複数存在する場合、複数のYはそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(4)において、Rfは、パーフルオロアルキレン基、又はパーフルオロポリエーテル基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、単結合、又は2価の有機基である。aは、1,2又は3の整数である。R,Y,及びAは、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(5−1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、3価の有機基である。Qは、2価の有機基である。Zは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。mは、1以上の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、mが2以上の整数である場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(5−2)において、Rfは、パーフルオロポリエーテル基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、3価の有機基である。Qは、2価の有機基である。Zは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。mは、1以上の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、mが2以上の整数である場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(6−1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、単結合、又は2価の有機基である。Qは、2価または3価の有機基である。nは、1又は2の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、nが2の場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(6−2)において、Rfは、パーフルオロポリエーテル基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、単結合、又は2価の有機基である。Qは、2価または3価の有機基である。nは、1又は2の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、nが2または3の場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]。
  6. 前記フッ素含有化合物は、フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物と、からなる縮合物である請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  7. 前記縮合物は、前記フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、前記カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物と、アルキル置換の加水分解性シラン化合物と、からなる請求項6に記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  8. 前記フッ素含有基は、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、パーフルオロアルキレン基、又はパーフルオロポリエーテル基である請求項6又は7に記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  9. 前記フッ素含有基がパーフルオロポリエーテル基であり、該パーフルオロポリエーテル基の平均分子量が500以上である請求項8に記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  10. 前記フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物が、式(3−1)で表される化合物、式(3−2)で表される化合物、式(4)で表される化合物、式(5−1)で表される化合物、式(5−2)で表される化合物、式(6−1)で表される化合物、及び式(6−2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項6乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤;
    Figure 0006214343

    [式(3−1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基である。Xは、単結合、又は2価の有機基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。aは、1,2又は3の整数である。Rが複数存在する場合、複数のRはそれぞれ独立していてもよい。Yが複数存在する場合、複数のYはそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(3−2)において、Rfは、パーフルオロポリエーテル基である。Xは、単結合、又は2価の有機基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。aは、1,2又は3の整数である。Rが複数存在する場合、複数のRはそれぞれ独立していてもよい。Yが複数存在する場合、複数のYはそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(4)において、Rfは、パーフルオロアルキレン基、又はパーフルオロポリエーテル基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、単結合、又は2価の有機基である。aは、1,2又は3の整数である。R,Y,及びAは、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(5−1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、3価の有機基である。Qは、2価の有機基である。Zは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。mは、1以上の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、mが2以上の整数である場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(5−2)において、Rfは、パーフルオロポリエーテル基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、3価の有機基である。Qは、2価の有機基である。Zは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。mは、1以上の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、mが2以上の整数である場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(6−1)において、Rfは、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、単結合、又は2価の有機基である。Qは、2価または3価の有機基である。nは、1又は2の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、nが2の場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]、
    Figure 0006214343

    [式(6−2)において、Rfは、パーフルオロポリエーテル基である。Rは、加水分解性基である。Yは、非加水分解性基である。Aは、単結合、又は2価の有機基である。Qは、2価または3価の有機基である。nは、1又は2の整数である。aは、1,2又は3の整数である。A,R及びYは、nが2または3の場合、結合するケイ素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。]。
  11. 前記カチオン重合可能な樹脂がエポキシ樹脂である請求項1乃至10のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  12. 前記フッ素含有化合物の含有量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上である請求項11に記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  13. 前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が1000以上である請求項11又は12に記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤。
  14. インクを吐出する吐出口及び該吐出口に連通する流路を形成する流路形成部材と、前記インクを吐出するためのエネルギーを発生するためのエネルギー発生素子及び前記流路にインクを供給する供給口を有する基板と、を有する吐出素子基板と、
    前記吐出素子基板を支持する支持部材と、
    前記吐出素子基板に電気的に接続された電気配線基板と、を備えるインクジェット記録ヘッドであって、
    前記吐出素子基板と前記支持部材との間、及び前記吐出素子基板と前記電気配線基板との電気接続部が、請求項1乃至13のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド用封止剤により封止されるインクジェット記録ヘッド。
  15. 前記封止剤の表面が、純水に対する接触角が75°以上の撥液性を有する請求項14に記載のインクジェット記録ヘッド。
  16. 前記流路形成部材の表面が前記封止剤に含まれる前記フッ素含有化合物を用いて撥液処理されている請求項14又は15に記載のインクジェット記録ヘッド。
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