JP6207921B2 - ビニルアセタール系重合体 - Google Patents
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Description
[1]ビニルアルコール単位、及び、前記式(1)で示される構造単位を含むヒドロキシメチル基含有ビニルアルコール系重合体をアセタール化して得られ、アセタール化度45〜90モル%である、ビニルアセタール系重合体;
[2]前記式(1)で示される構造単位の含有率が0.1〜30モル%であるヒドロキシメチル基含有ビニルアルコール系重合体をアセタール化して得られる、前記[1]のビニルアセタール系重合体;
[3]けん化度が80〜99.9モル%であるヒドロキシメチル基含有ビニルアルコール系重合体をアセタール化して得られる、前記[1]または[2]のビニルアセタール系重合体;
[4]アセタール化度が80〜90モル%である、前記[1]〜[3]のいずれかのビニルアセタール系重合体;
[5]少なくとも式(1):
[6]式(2)で示される構造単位を含む、前記[5]のビニルアセタール系重合体に関する。
さらに、アセタール化反応の進行にともなって、アセタール環の組み換えが起こるが、組み換えが起こりうる水酸基の選択肢が多いことも、本発明のビニルアセタール系重合体のアセタール化度が高まりやすい理由である。
各実施例及び比較例で得られたビニルアルコール系重合体について、以下の方法で評価を行った。
ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度PをJIS K6726に準じて測定した。けん化度が99.5モル%未満の場合には、けん化度99.5モル%以上になるまで、再けん化したビニルアルコール系重合体1gを水100mlに加えて加熱溶解し、30℃まで冷却した。得られた水溶液を粘度計に量り採り、30℃で測定した極限粘度[η](g/dl)を測定した。極限粘度[η]から、下記の式(a)により粘度平均重合度(P)を算出した。
ビニルアルコール系重合体の一次構造については、500MHzの1H−NMRにより測定した。より具体的には、ビニルアルコール系重合体0.3mgを3mlの重水素化DMSOに溶解して、核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、LAMDA500)を用いて1H−NMRの測定を実施した。得られたスペクトルから、ビニルアルコール系重合体の全構造単位に対する式(1)に示される構造単位の導入量(変性量)を測定した。
ビニルアルコール系重合体について、JIS K6726に記載されている、けん化度の測定方法により測定した。
各実施例及び比較例で得られたビニルアセタール系重合体について、以下の方法で評価を行った。
ビニルアセタール系重合体のアセタール化度をJIS K6728に記載された方法に準拠して分析した。
各ビニルアセタール系重合体について、5質量%のエタノール/水(95%/5%)溶液を調製し、各ビニルアセタール系重合体の溶解性を目視により観察した。完全に溶解したものを「○」、完全には溶解しなかったものを「×」と評価した。結果を表2に示す。また、ビニルアセタール系重合体が完全に溶解した場合には、得られた溶液を20℃恒温槽中に2時間以上放置して、ブルックフィールド型粘度計を用いて、溶液の粘度(mPa・s)を測定した。
各実施例及び比較例で得られたビニルアセタール系重合体のそれぞれについて、ビニルアセタール系重合体の濃度が10質量%であるエタノール/水(95%/5%)溶液を用いて、キャスト製膜法により50℃で、15時間真空乾燥させて、厚さ100μmのフィルムを作製した。得られたフィルムについて、JIS K7162に準拠して、引張試験を行った。より具体的には、厚さ100μmのフィルムをダンベル形状に切り出し、これを引張り試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフAG−IS)により、引張り速度50mm/minで引張り試験を行った際の降伏点伸度および最大伸度を測定した。各実施例及び比較例について、5つの試験片を準備して、それらの平均値を降伏点伸度および最大伸度として求めた。
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル640g、メタノール223g、コモノマーとして1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン(DAMP)6.43gを仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15gを添加し、重合を開始した。60℃で218分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル−1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン共重合体(DAMP変性PVAc)のメタノール溶液(濃度33.5%)を得た。
480gのPVA−1を、5,520mLの水中に投入し、撹拌しながら溶液の温度を90℃まで昇温して溶解させた後、30℃まで冷却した。この水溶液に20%濃度の塩酸水溶液400gを添加した。その後、水溶液を14℃まで冷却し、ブチルアルデヒド267gを10分間かけて滴下して反応を開始させた。14℃で40分間反応を行った後、約0.6℃/分の昇温速度で65℃まで昇温し、65℃で300分間維持した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、析出した粒状物を濾別してこれを水で十分に洗浄した。得られた生成物を0.3%水酸化ナトリウム溶液に投入し、70℃に加温して中和した。引き続き、水で洗浄してアルカリ性化合物を除去した後、生成物を乾燥し、ビニルアセタール系重合体(VAP−1)を得た。得られたビニルアセタール系重合体のアセタール化度をJIS K6728に記載された方法に準拠して分析したところ、71.5モル%であった。また、得られたビニルアセタール系重合体の5質量%のエタノール/水(95%/5%)粘度は表2に示す値であった。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するコモノマーの種類や添加量等の重合条件、けん化時における変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、PVA−2〜PVA−7を製造した。各PVAの物性を表2に示す。
アセタール化反応において、添加するブチルアルデヒドの量を表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ビニルアセタール系重合体VAP−8を得た。VAP−8の評価結果を表2に示す。
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル700g、メタノール300gを仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、AIBN0.25gを添加し重合を開始した。60℃で180分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。
酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比を表1に示すように変更して、水酸化ナトリウムメタノール溶液を添加したこと以外は、比較例1と同様にして無変性のポリビニルアルコールPVA−C2を製造した。物性を表2に示す。また、PVA−1の代わりにPVA−C2を用い、添加するブチルアルデヒドの量を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてビニルアセタール系重合体VAP−C2を得た。VAP−C2の評価結果を表2に示す。
アセタール化反応において、添加するブチルアルデヒドの量を表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ビニルアセタール系重合体VAP−C3を得た。VAP−C3の評価結果を表2に示す。
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