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JP6206953B2 - 成人t細胞白血病の発症し易さを試験する方法 - Google Patents

成人t細胞白血病の発症し易さを試験する方法 Download PDF

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本発明は、試料中の可溶性インターロイキン−2受容体(以下、sIL−2Rと記す)を測定し、ヒトTリンパ球向性ウィルス1型(以下、HTLV−1と記す)キャリアにおける成人T細胞白血病(以下、ATLと記す)の発症し易さを試験する方法、並びにこれらの方法に用いるキットに関する。
ヒトTリンパ球向性ウィルスは、レトロウィルスの1種であり、1型と2型の2つの型が存在する。このうち、1型、すなわち、HTLV−1は、日沼らによって成人T細胞白血病/リンパ腫の原因ウィルスとして同定されている(非特許文献1、2、3参照)。
ヒトにおけるHTLV−1感染は、主に母から子への垂直感染ならびに夫から妻への水平感染であるが、輸血による医原性感染も知られている。輸血による医原性感染は、1986年から開始された抗HTLV−1(または2)抗体を検査することにより防止されてきた。輸血による医原性感染の疫学的研究から、HTLV−1感染は血球細胞成分が介在していることが知られている。HTLV−1に感染すると、生体中に抗HTLV−1抗体が生成してくるので、抗HTLV−1抗体を測定することにより、HTLV−1の感染を知ることができる。
抗HTLV−1抗体を測定する方法としては、免疫学的手法を用いた測定方法が知られており、ゼラチン粒子凝集法(PA法)、蛍光抗体法(FA法)、間接蛍光抗体法(IF法)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)、ウェスタンブロット法(WB法)などが知られている。HTLV−1キャリア 指導の手引き(厚生労働省研究班「本邦におけるHTLV-1感染及び関連疾患の実態調査と総合対策」、2011年)によると、一般医療機関ではスクリーニング検査としてPA法やCLEIA法が用いられる。スクリーニング検査で陽性と判断された場合であっても、WB法による確認検査が実施される。さらに、WB法による確認検査で判定保留となった場合、HTLV−1プロウイルスを検出するPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)による検査を実施することがある。
HTLV−1が引き起こす疾患としては、例えば血流内やリンパ器官内で発症する成人T細胞性白血病/リンパ腫、脊髄内で発症するHTLV−1関連脊髄症(HAM/TSP)、眼球内で発症したブドウ膜炎(HU)等が知られている。
ATLは、HTLV−1の感染が原因となって起こる独立した疾患である。HTLV−1キャリア(HTLV−1に感染した者で、上記のHTLV−1が引き起こす疾患を発症していない者)は、2008年の段階で、日本国内で約108万人と推定されている。また、年間HTLV−1キャリア1000人に1人の割合でATLを発症し、ATL生涯発症率はHTLV−1キャリアの約5%と言われている。発症率は非常に低いがひとたび発症するときわめて短期間で重篤な結果もたらすと言われている。
ATLは、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の4種類の臨床病型に分類され、この臨床病型は化学療法を含めた治療方針の決定に広く使用されている。1990〜1995年の本邦全国ATL実態調査によると、ATL2123例中、急性型は1328例(62.6%)、リンパ腫型は505例(23.8%)、慢性型は176例(8.3%)、くすぶり型は114例(5.4%)であった。
リンパ腫型及び急性型は高悪性度ATLと定義され、予後(生存率)が悪く早急な治療が必要となる。一方、くすぶり型や慢性型は低悪性度ATLと定義され、無治療で経過を観察することが一般的に行われている。このように、急性型、リンパ腫型に比べると、慢性型やくすぶり型は生存率が高いと言われている。
ATLの予後は極めて不良と言われている。現在のところ、mLSG15と呼ばれる多剤併用療法で最も良好な生存率が得られているが、生存期間の中央値は約13ヵ月、3年生存割合は約24%と依然極めて不良である。最近、CCR4(ケモカイン受容体4)をターゲットとした抗体医薬であるポテリジオ(登録商標)が承認され、第2相試験で再発高悪性度ATLに対する奏功率が50%であったことが報告されている。化学療法で十分な効果が期待できない場合は、骨髄移植(同種造血幹細胞移植)が積極的に行われるようになり、一部の患者では治癒も期待できるようになってきた(非特許文献4参照)。
ATL発症のリスクファクターに関する研究がいくつかの機関で実施されている。HTLV−1キャリアのうち一定の条件を満たしている者が、ATLを発症しやすいことが次第に分かってきており、母子感染、性別(男性)、加齢、特定のHLA(ヒト白血球抗原)、抗HTLV−1抗体タイター(titer)の上昇、sIL−2Rの上昇、白血球数の増加などがリスクファクターとして挙げられている。しかしながら、ATLを発症するキャリアと発症しないキャリアとを明確に分けることはできていない。「ATL発症高危険群の長期追跡と発病予防」のプロジェクト(Joint Study of Predisposing Factors of ATL Development:JSPFAD)の中で、感染から発症に至る生体内の変化が解析されている。
最近、HTLV−1キャリアからATLを発症した14症例の解析により、HTLV−1プロウイルス量の増加がリスクファクターであることが、JSPFADにより報告されている(非特許文献5参照)。しかしながら、プロウイルス量の測定では末梢血単核細胞中のHTLV−1感染細胞数の割合をみているため、末梢血にHTLV−1感染細胞(ATL細胞含む)がほとんど存在しないリンパ腫型の発症を予測することは難しい。
また、HTLV−1外被の糖蛋白質gp46のAsp197-Leu216に対する抗体が、HTLV−1キャリアにおけるATL発症の判定に使用され得ることが報告されている(特許文献1参照)。
インターロイキン−2受容体(以下、IL−2Rと記す)はα鎖(CD25)、β鎖(CD122)、γ鎖(CD132)の3つの細胞膜表面タンパク質から構成され、α鎖はプロテアーゼによって切断され、sIL−2Rとして血中に遊離することが報告されている。sIL−2Rとは一般的に、プロテアーゼにより切断されたα鎖のことを指す。ATL細胞は制御性T細胞の表面形質を有しており、表面にCD25(IL−2Rα鎖)を発現しているため、sIL−2RはATLの病態モニタリングや予後予測の有用な指標として活用されている。最近、慢性型やくすぶり型のATL患者より採取された試料中のCD30と、IL−2Rとを測定することにより急性転化後の治療方針が決定できることも報告されている(特許文献2参照)。これらのことから、IL−2RはATLの発症予測因子のみならず急性転化予測因子としても期待されている。しかしながら、sIL−2R単独の特定の濃度を基準としてATLの発症を予測できることは、これまで報告されていない。
国際公開第2005/076002号パンフレット 特開2008−292474号公報
Proceeding of the National Academy of Sciences of the UnitedStates of America, Vol.78(10), pp.6476-6480. 1981 Proceeding of the National Academy of Sciences of the UnitedStates of America, Vol.79, 2031-2035. 1982 Sciences, Vol.219, pp.856-859. 1983 International Journal of Hematology, Vol.69(3), pp.203-205. 1999 Blood, Vol.116, pp.1211-1219, 2010
本発明の課題は、HTLV−1キャリアにおけるATL発症の早期診断によるHTLV−1キャリアのQOL向上を指向し、HTLV−1キャリアにおけるATL発症し易さを試験する方法、並びに当該方法のためのキットを提供することにある。
本発明者らは、本課題の解決のために鋭意検討し、HTLV−1キャリアから採取した検体中のsIL−2Rを測定することにより、HTLV−1キャリアのATLの発症し易さを予測できるという知見を見いだし、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、[1]HTLV−1キャリアより採取された試料中のsIL−2Rを測定し、当該試料中のsIL−2Rの濃度が900U/mL以上であれば、当該キャリアはATLを発症しやすく、900U/mL未満であれば、当該キャリアはATLを発症しにくい、という基準と比較することにより、当該キャリアのATLの発症し易さを試験する方法に関する。この発明の他の態様としては、HTLV−1キャリアより採取された試料中のsIL−2Rを測定し、当該試料中のsIL−2Rの濃度が900U/mL以上であれば、当該キャリアはATLを発症しやすく、900U/mL未満であれば、当該キャリアはATLを発症しにくい、という基準と比較することにより、当該キャリアのATLの発症し易さを試験するためのデータの収集方法等を挙げることができる。
また本発明は、[2]sIL−2R測定用試薬を含有することを特徴とする、HTLV−1キャリアのATLの発症し易さを試験するためのキットに関する。この発明の他の態様としては、sIL−2R測定用試薬と、sIL−2Rの測定の結果、試料中のsIL−2Rの濃度が900U/mL以上であれば、当該キャリアはATLを発症しやすく、900U/mL未満であれば、当該キャリアはATLを発症しにくい、という当該キャリアのATLの発症し易さについての記載を含む添付文書とを含有することを特徴とする、HTLV−1キャリアのATLの発症し易さを試験するためのキットや、sIL−2R測定用試薬を含有し、CD30測定用試薬を含有しないことを特徴とする、HTLV−1キャリアのATLの発症し易さを試験するためのキットを挙げることができる。
本発明により、HTLV−1キャリアのATL発症し易さを試験する方法、及び当該方法のためのキットが提供され、HTLV−1キャリアにおけるATL発症の早期診断が可能となり、HTLV−1キャリアのQOLが向上し得る。
HTLV−1キャリアより採取された血清中のsIL−2R濃度が900U/mL以上の群と、900U/mL未満の群に対する、カプラン・マイヤー法による発症率曲線を表す。
本発明において、HTLV−1キャリアとは、前記の通り、HTLV−1に感染しているが、ATL等のHTLV−1が引き起こす疾患を発症していない者を意味する。HTLV−1に感染していることは、粒子凝集法(Particle agglutination assay;PA法)、ELISA法、間接蛍光抗体法(Indirect Fluorescence assay)、蛍光免疫測定法(FIA法)、ウェスタンブロッティング法等のHTLV−1抗原を用いて生成された抗HTLV−1抗体を検出する方法や、PCR(Polymerase Chain Reaction)法、サザンブロッティング法等のHTLV−1プロウイルスDNAを検出する方法などの公知の検査法により確認されるが、通常、PA法又はFIA法による一次スクリーニングで陽性であった場合に、さらに世界保健機関(WHO)の基準(Weekly epidemiological record, vol. 65 (37), pp.281-283, 1990)等に基づいたウェスタンブロッティング法を行い、陽性であることが確認されたときに、対象がHTLV−1キャリアであると確認できる。
本発明において、ATLの発症とは、HTLV−1が原因でT細胞(Tリンパ球)が腫瘍化し、血中に腫瘍化したT細胞が検出された状態や、腫大したリンパ節や皮膚病変部において、腫瘍化したT細胞が検出された状態のことをいう。腫瘍化したT細胞は、例えばCD3、CD4等の腫瘍細胞表面抗原に対する抗体とセルソーター、フローサイトメーター等の細胞解析装置とを用いて、文献(Proc Natl Acad Sci USA, 101, 3781-3786 (2004)、Cancer Res, 65, 6207-6219 (2005))記載の方法に準じて検出することができる。
本発明において、HTLV−1キャリアより採取された試料としては、当該キャリアから採取された試料であって、sIL−2Rが測定され得る試料であれば特に制限はなく、例えば血漿、血清等が挙げられる。
本発明において、HTLV−1キャリアにおけるATL発症し易さの試験は、例えば以下の工程(1)〜(5)を含有する方法により行うことができる。
(1)HTLV−1キャリアより試料を採取する工程;
(2)工程(1)で採取された試料を用いて、当該試料中のsIL−2Rを測定する工程;
(3)予め作成したsIL−2R濃度とsIL−2Rの測定値との関係を表す検量線と、工程(2)での測定値とから、当該試料中のsIL−2R濃度を決定する工程;
(4)工程(3)で決定されたsIL−2R濃度を、sIL−2R濃度が900U/mL以上であれば、当該キャリアはATLを発症し易く、900U/mL未満であれば、当該キャリアはATLを発症しにくい、という基準と比較する工程;
(5)工程(4)における基準との比較により、当該キャリアのATLの発症し易さを判定する工程。
HTLV−1キャリアより採取された試料中のsIL−2Rの測定は、公知の生体試料中のsIL−2R濃度の測定方法及びキットを用いることにより行うことができる。当該方法としては、生体試料中のsIL−2Rを測定可能とする方法であれば特に制限はないが、例えば免疫学的測定法が挙げられる。
免疫学的測定法としては、任意の公知の免疫学的測定方法があげられ、例えば放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EIA又はELISA)、蛍光免疫測定法(FIA)、間接蛍光抗体法(Indirect Fluorescence assay)、発光免疫測定法(Luminescent immunoassay)、物理化学的測定法[比濁免疫測定法(TIA)、ラテックス凝集法(LAPIA)、微粒子計数免疫凝集測定法(PCIA)]、ウェスタンブロッティング法等が挙げられるが、ELISA法が好ましく用いられる[単クローン抗体実験マニュアル(講談社サイエンティフィック、1987)、続生化学実験講座5免疫生化学研究法(東京化学同人、1986)]。
免疫学的測定法においては、サンドイッチ法、競合法等を用いることができ、また、ホモジアニス法、ヘテロジニアス法等も用いることができる。
本発明において、試料中のsIL−2Rは、sIL−2R測定用試薬を用いて測定することができる。sIL−2R測定用試薬としては、例えばsIL−2Rに特異的に結合する第1の抗体が結合した固相、及びsIL−2Rに特異的に結合する第2の抗体に標識が結合した標識化第2抗体を含む試薬を例示することができる。第1の抗体におけるsIL−2Rの抗原決定部位と、第2の抗体におけるsIL−2Rの抗原決定部位とは同じであっても異なっていてもよい。
標識化第2抗体における標識としては、例えばペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ等の酵素、125I等の放射性物質等が挙げられる。
第1の抗体が結合した固相における該抗体と固相との結合としては、例えば非共有結合、共有結合等が挙げられる。非共有結合としては、例えば物理吸着等が挙げられる。共有結合としては、例えば該抗体と固相との直接的な結合や、リンカー等を介した該抗体と固相との間接的な結合等が挙げられる。
固相としては、第1の抗体を固定化し、sIL−2Rの免疫学的測定法を可能にする固相であれば特に制限はなく、例えばマイクロタイタープレートなどのポリスチレンプレート、ガラス製または合成樹脂製の粒子物(ビーズ)、ガラス製または合成樹脂製の球状物(ボール)、ラテックス、磁性粒子、ニトロセルロース膜などの各種メンブレン、合成樹脂製の試験管などがあげられる。
第1の抗体が結合した固相を用いることにより、検体中のsIL−2Rと、該固相上の該抗体との反応後、固相を洗浄することにより、未反応の物質を固相から除去することができるので好ましい。このsIL−2R測定用試薬を用いることにより、試料中のsIL−2Rを測定することができる。市販のsIL−2R測定用キットとしては、例えばセルフリーN IL−2R(協和メデックス社製)、デタミナーCL IL−2R(協和メデックス社製)、シーメンス・イムライズ IL−2R II(シーメンス社製)、シーメンス・イムライズ IL−2R II 2000(シーメンス社製)、IL−2Rテスト・BML(ビー・エム・エル社製)等が挙げられる。
本発明におけるsIL−2R濃度の900U/mLは、セルフリーN IL−2Rの添付文書に記載された方法、すなわち、10%(W/V)インターロイキン2(IL−2)で4日間刺激した正常ヒトIL−2依存性T細胞の無細胞培養上清(無希釈)中に含まれるsIL−2R濃度を1000U/mLとする方法により決定される濃度、又は、セルフリーN IL−2Rでの測定と相関関係が認められる、他の測定により決定される濃度である。かかる他の測定により決定される濃度としては、セルフリーN IL−2Rを用いた測定により決定されるsIL−2R濃度に換算したときに、当該sIL−2R濃度と、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは100%同一を示す濃度を挙げることができる。
本発明は、また、sIL−2R測定用試薬を含有することを特徴とする、HTLV−1キャリアのATLの発症し易さを試験するキットに関する。本発明のキットに用いられる、sIL−2R測定用試薬としては、前述のIL−2R測定用試薬を用いることができる。上記キットには、sIL−2R測定用試薬の他、HTLV−1キャリアのATLの発症し易さ(ATLの発症リスク)を判断するための指標、例えば、試料中のsIL−2Rの濃度が900U/mL以上であれば、当該キャリアはATLを発症しやすく、900U/mL未満であれば、当該キャリアはATLを発症しにくい、という基準と比較する旨が記載された添付文書を含むものが好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
HTLV−1キャリア27症例のsIL-2R濃度
インフォームドコンセントを得たHTLV−1感染以外に疾患に罹患していないHTLV−1キャリア27人の血漿または血清中のsIL−2R濃度を、sIL−2R測定用キット[セルフリーN IL−2R(協和メデックス社製)]を用いて測定した。
ある基準の時間から、ある目的のイベントが起こるまでの時間の解析手法を生存時間解析と言い、生存関数を推定するためにカプラン・マイヤー曲線が用いられる。また、比較した2群間の生存時間分布に差があるかどうか検定するために、ログランク検定(Peto-Peto検定、Cochran-Mantel-Haenszel検定ともいう)や一般化ウイルコクソン検定(Gehan-Breslow検定、Peto-Prentice検定ともいう)が用いられる。
本実施例においては、HTLV−1キャリアのIL−2R濃度を測定した日を基準とし、ATL発症するまでの時間を次のようにして解析した。
27症例についてIL−2R濃度が900U/mL以上と900U/mL未満の2群に分け、HTLV−1キャリアのIL−2R濃度を測定した日(基準日)のsIL−2R濃度、ATL発症の有無、基準日からATL発症するまでの日数(ATLを発症していない症例は、基準日から数えてATLを発症しなかった期間)を調べた。その結果を表1に示す。また、表1のデータを元に作成したカプラン・マイヤー法による発症率曲線を図1に、ログランク検定および一般化ウイルコクソン検定の結果を表2に示した。
表2の結果より、ログランク検定、一般化ウイルコクソン検定、いずれの検定法においてもP値が0.05未満であったことから、sIL−2R濃度が900U/mL以上の群の方がATLを発症しやすいことが示された。
このように、HTLV−1キャリアの検体中のsIL−2R濃度を測定し、その濃度が900U/mL以上であればATLを発症しやすく、900U/mL未満であればATLを発症しにくいという基準と比較することにより、該キャリアのATLの発症し易さを試験することができる。
本発明により、HTLV−1キャリアにおけるATLの発症し易さを試験する方法、及び、当該方法のためのキットが提供される。

Claims (2)

  1. ヒトTリンパ球向性ウィルス1型キャリアより採取された試料中の可溶性インターロイキン−2受容体を測定し、当該試料中の可溶性インターロイキン−2受容体の濃度が900U/mL以上であれば、当該キャリアは成人T細胞白血病を発症しやすく、900U/mL未満であれば、当該キャリアは成人T細胞白血病を発症しにくい、という基準と比較することにより、当該キャリアの成人T細胞白血病の発症し易さを試験する方法。
  2. 可溶性インターロイキン−2受容体(以下、sIL−2Rという)測定用試薬、及び、
    ヒトTリンパ球向性ウィルス1型キャリアより採取された試料中のsIL−2Rの濃度が900U/mL以上であれば、当該キャリアは成人T細胞白血病を発症しやすく、900U/mL未満であれば、当該キャリアは成人T細胞白血病を発症しにくい、という基準と比較する旨が記載された添付文書
    を含有することを特徴とする、ヒトTリンパ球向性ウィルス1型キャリアの成人T細胞白血病の発症し易さを試験するためのキット。
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