[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6206205B2 - 切削装置 - Google Patents

切削装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6206205B2
JP6206205B2 JP2014008441A JP2014008441A JP6206205B2 JP 6206205 B2 JP6206205 B2 JP 6206205B2 JP 2014008441 A JP2014008441 A JP 2014008441A JP 2014008441 A JP2014008441 A JP 2014008441A JP 6206205 B2 JP6206205 B2 JP 6206205B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
drainage
cutting
blade
workpiece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014008441A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015136739A (ja
Inventor
裕介 金城
裕介 金城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Seimitsu Co Ltd filed Critical Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority to JP2014008441A priority Critical patent/JP6206205B2/ja
Publication of JP2015136739A publication Critical patent/JP2015136739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6206205B2 publication Critical patent/JP6206205B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
  • Dicing (AREA)

Description

本発明は切削装置に係り、特に半導体ウェーハ等のワーク(被加工物)を回転するブレードで切削する切削装置に関する。
半導体装置や電子部品が形成されたウェーハ等のワークに対して切断や溝入れ加工を施すダイシング装置は、スピンドルによって高速に回転される切削ブレード(回転歯、以下、単にブレードという)と称する薄型砥石による加工手段と、ワークを保持するワークテーブルと、ワークテーブルとブレードとの相対的位置を変化させるX、Y、Z、θの各移動軸とが設けられている。
スピンドルには、ブレードを覆うブレードカバーが取り付けられており、そのブレードカバーには切削液ノズルが設けられ、切削液ノズルから切削液がブレード及び加工点に供給される。切削液の供給方法として、加工点よりもブレードの回転方向の上流側(前側)に配置された切削液ノズルにより、ブレードの外周部に切削液を供給する方法や、ブレードの両側面に沿って配置された一対の切削液ノズルにより、ブレードの両側面からブレード及び加工点に切削液を供給する方法などが一般的に知られている。
特許文献1には、加工点よりもブレードの回転方向の下流側(後側)に、切削屑を含む切削液(排液)を回収する排液ガイド部材を設けると共に、排液ガイド部材とワーク表面との間に排液が入り込むのを防止する液体噴射手段を設けることが提案されている。
これによれば、排液ガイド部材は、排液を回収する排出管路に連結されており、加工点よりも下流側において、ブレードに向けて徐々に下降する傾斜ガイド面を有する。その傾斜ガイド面により、ワーク表面から排液をすくい上げて排出管路へと排出させる。これにより、加工点の下流側のワーク表面に排液が流れて切削屑がワーク表面に付着してしまう事態が低減されている。
また、液体噴射手段は、排液ガイド部材とワーク表面との間の隙間に水などの液体を供給し、その隙間に液体の壁を形成する。これにより、排液ガイド部材とワーク表面との間の隙間に排液が進入して切削屑がワーク表面に付着してしまうという事態が低減されている。
特開2007−69280号公報
しかしながら、特許文献1に記載の液体噴射手段では、排液と液体噴射手段から供給された液体との双方の流れが互いにぶつかり合うため、それらの液体の衝突面で排液が滞留する。そのため、滞留した排液に含まれる切削屑がワーク表面に付着するという事態が生じてしまうおそれがある。
また、排液の流れは、主にブレードの回転力が切削液に与えられて生じたものであり、その動圧(運動エネルギー)は大きくない。そのため、排液が排出管路を適切に流れるように排出管路を吸引装置により吸引する必要がある。
しかしながら、吸引装置により排出管路を吸引すると、ワーク表面が乾燥して切削屑がワーク表面に乾燥固着しやすくなり、除去することが困難になるという問題がある。
また、ブレード周りの装置構成が複雑化するという問題やコストが高くなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、切削屑のワーク表面への付着を従来と比べてより効果的に低減することができ、また、吸引装置を使用することなく、切削屑を含む切削液(排液)を適切に排出することができる切削装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の一の態様に係る切削装置は、被加工物を保持する保持手段と、スピンドルの先端部に装着され、前記被加工物を切削する切削ブレードと、前記被加工物の加工点に切削液を供給する切削液供給手段と、前記切削液供給手段から供給され、前記切削ブレードによる前記被加工物の切削により生じた切削屑を含んだ切削液からなる排液が前記切削ブレードの回転に起因して飛散する側に、前記被加工物の表面から前記切削ブレードと反対側に向けて立ちのぼる誘導液により液体カーテンを生成する液体カーテン生成手段と、前記液体カーテン生成手段により生成された液体カーテンの前記誘導液が流れる方向に配置され、前記液体カーテンに混入した前記排液を前記誘導液と共に回収する排液回収手段と、を備えている。
本発明によれば、被加工物の切削により生じた切削屑を含んだ切削液からなる排液が、被加工物表面から立ちのぼる液体カーテンに混入し、被加工物表面にとどまることなく、誘導液と共に排液回収手段により排出される。従って、排液に含まれる切削屑が被加工物表面に付着することが確実に防止される。
また、液体カーテンを形成する誘導液の動圧(運動エネルギー)によって、吸引装置を使用することなく、排液を排出することも可能となる。
本発明の他の態様に係る切削装置は、前記液体カーテン生成手段は、前記被加工物の加工点に対して前記切削ブレードの回転方向の下流側となる所定位置の衝突点に向けて前記誘導液を吐出するノズルであって、前記スピンドルの軸線方向の互いに異なる位置から前記切削ブレードの回転方向の上流側から下流側へと向う方向に前記誘導液を吐出する2本のノズルを有する態様とすることができる。
本態様によれば、2本のノズルから吐出される誘導液が衝突点で衝突することによって被加工物の表面から立ちのぼる液体カーテンが生成される。
本発明の更に他の態様に係る切削装置は、前記2本のノズルは、前記スピンドルの軸線方向の位置に関して前記切削ブレードを間に挟んだ位置に配置される態様とすることができる。
本発明の更に他の態様に係る切削装置は、前記2本のノズルは、異なる流速の誘導液を吐出する態様とすることができる。
本態様によれば、液体カーテンの向き(誘導液の流れる向き)を調整することができるため、排液回収手段の設置位置の自由度が増大する。
本発明の更に他の態様に係る切削装置は、前記液体カーテンに接触する位置に湾曲面を配置し、前記液体カーテンの前記誘導液の流れる方向を湾曲させた態様とすることができる。
本態様によれば、液体カーテンの向き(誘導液の流れる向き)を調整することができるため、排液回収手段の設置位置の自由度が増大する。
本発明の更に他の態様に係る切削装置は、前記排液回収手段は、前記排液を排出する排液管に連通する回収口であって、前記被加工物の加工点に対して前記切削ブレードの回転方向の下流側となる位置に配置される回収口と、前記被加工物の加工点と前記回収口との間の前記被加工物の表面の位置から前記回収口の位置へと向って上向きに傾斜するガイド面とを備えた態様とすることができる。
本態様によれば、切削屑のワーク表面への付着を従来と比べてより効果的に低減することができ、また、吸引装置を使用することなく、切削屑を含む切削液(排液)を適切に排出することができる。
本発明によれば、切削屑のワーク表面への付着を従来と比べてより効果的に低減することができ、また、吸引装置を使用することなく、切削屑を含む切削液(排液)を適切に排出することができる。
本発明が適用されたダイシング装置の外観を示す斜視図 加工部におけるスピンドルユニットの先端部周辺を拡大して示した斜視図 スピンドルユニットの周辺部の一部構成要素をY方向から示した図 誘導液ノズル及び排液回収部材をXY平面に投影して示した模式図 ウォーターカーテンの形成方向を調整する方法の説明に使用した図4と同様の模式図 ウォーターカーテンの形成方向を調整する他の方法の説明に使用した図4と同様の模式図 図6の構成を立体的に示した斜視図 ツインスピンドルタイプのダイシング装置における排液回収部材の配置を例示した図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用されたダイシング装置(切削装置)の外観を示す斜視図である。
ダイシング装置10は、複数の板状のワークW(被加工物)が収納されたカセットを外部装置との間で受け渡すロードポート12と、吸着部14を有しワークWを装置各部に搬送する搬送手段16と、ワークWを載置するワークテーブル30と、ワークWの加工が行なわれる加工部20と、加工後のワークWを洗浄し、乾燥させるスピンナ22とを備えている。ダイシング装置10の各部の動作は制御手段としてのコントローラ24により制御される。
加工部20には、近傍にワークWの表面を撮像する撮像手段18が備えられ、内部には互いに対向配置され、先端に薄い円盤状のブレード26と、ブレード26を覆う不図示のブレードカバーが取り付けられた高周波モータ内蔵型のスピンドルユニット28、28が設けられている。
スピンドルユニット28はどちらも30,000rpm〜80,000rpmでブレード26を高速回転させるとともに、不図示の移動軸により互いに独立して図のY方向のインデックス送りとZ方向の切込み送りとがなされる。また、ワークWを吸着保持する保持手段であるワークテーブル30が、不図示の移動軸によって図のX方向に研削送りされる。これらの動作により、高速に回転するブレード26の外周部がワークWに接触し、ワークWがX方向に切削される。
なお、ワークテーブル30はZ方向に沿ったθ軸の周りに回転するようになっており、θ軸周りの回転によってワークWの切削ラインをX方向に一致させることで、ワークWの任意の方向の切削ラインが切削される。
また、本発明が適用されるダイシング装置10として、上記の一対のスピンドルユニット28のうちのいずれか一方のみを備えたものであってもよく、以下において、図1のロードポート12側から加工部20をX方向に見たときの右側のスピンドルユニット28に関連する構成のみを説明する。
図2は、加工部20におけるスピンドルユニット28の先端部周辺を拡大して示した斜視図である。
同図に示すスピンドルユニット28は、略全体を覆うスピンドルハウジング40と、スピンドルハウジング40から突出したスピンドル42(回転軸部材)とを有する。
スピンドルハウジング40は、加工部20においてモータ駆動によりY方向及びZ方向に移動する不図示の支持部材に支持される。このスピンドルハウジング40は、スピンドル42を回動自在に支持すると共に、スピンドル42を回転駆動するモータを内蔵する。
スピンドル42は、円柱状に形成されており、その軸心がY方向と平行となるように配置されとともに、一部がスピンドルハウジング40の先端側に突出して配置される。そのスピンドルハウジング40から突出したスピンドル42の先端部に同図では詳細な構造を省略したブレード26が取り付けられる。
スピンドル42は、スピンドルハウジング40に内蔵された上記モータにより軸心(回転軸As)周りに回転する。
これにより、ブレード26は、スピンドル42の回転によって回転軸Asを中心にして回転する。また、ブレード26は、スピンドルユニット28のY方向及びZ方向の移動によってY方向及びZ方向に移動する。
ブレード26は、円環状で、かつ、薄板状に形成されており、円環状の両側面sf、sb(表面sfと裏面sb)と、中央部に貫通形成された嵌合孔44を有する。詳細な構成の説明は省略するが、ブレード26は、嵌合孔44にスピンドル42を挿通させた状態でスピンドル42の先端部に着脱可能に固定される。これによって、ブレード26の中心軸がスピンドル42の軸心、即ち、回転軸Asと同軸上に配置され、ブレード26の両側面が回転軸As(Y方向)に対して直交する方向に沿って配置される。
なお、ブレード26の両側面sf、sbのうち、スピンドル42の先端側に配置される面を表面sf、スピンドルハウジング40側に配置される面を裏面とする。
また、ブレード26は、スピンドルユニット28の周辺部の一部構成要素をY方向(ブレード26の表面側)から示した図3に示すように、外周部にダイヤモンドなどの砥粒を含む極薄の切削砥石部46を有し、その切削砥石部46を円環状の基台48が支持する構造(いわゆるハブタイプブレード)を有する。したがって、スピンドル42の回転によりブレード26が回転軸Asの周りに回転すると、切削砥石部46が回転軸Asに直交する面内で回転移動する。そして、ブレード26が回転しながらブレード26の外周部がワークテーブル30に保持されたワークWに接触することにより、切削砥石部46がワークWを切削する。なお、ブレード26は、基台48を有していないものなど、どのような構造であってもよい。
ここで、ワークWの切削時におけるブレード26の回転方向は、ブレード26の表面sf側からみて時計回り方向(図3において時計回り方向)となっており、ブレード26とワークWとが接触する加工点P0に対して右側を加工点P0に対して前側又は単に上流側といい、左側を後側又は単に下流側というものとする。
ブレード26の周辺部には、図2に示すようにブレードカバー50が設けられる。ブレードカバー50は、スピンドルハウジング40に固定されており、ブレード26の外周を覆うように配置される。これにより、後述のようにブレード26に吐出された切削液や切削屑等が加工部20の外部に飛散することが抑止される。
ブレードカバー50の加工点P0よりも前側(上流側)の位置には、切削液供給手段としての切削液ノズル52が設置される。切削液ノズル52は、水などの切削液を吐出する先端部がブレード26の外周に対向する位置に配置される。また、切削液ノズル52には、不図示の切削液供給管が接続される。
これにより、加工点P0よりも上流側の位置において、切削液供給管から切削液ノズル52に供給された切削液が、切削液ノズル52の先端部からブレード26の外周部に向けて吐出される。そして、その切削液がブレード26の回転と共に加工点P0へと流れて加工点P0に切削液が供給される。従って、加工点P0において発生する切削屑が切削液とともに除去され、また、ブレード26や加工点P0が切削液により冷却される。
ブレードカバー50の下部には、液体カーテン生成手段としての一対の誘導液ノズルユニット60、62が配置される。各誘導液ノズルユニット60、62は、ブレードカバー50の加工点P0よりも前側(上流側)の位置に固定される支持部64、66と、支持部64、66から後側(下流側)に延在する誘導液ノズル68、70とを有する。
なお、誘導液ノズル68、70は、ブレード26を間に挟んでブレード26の表面sf側と裏面sb側とに配置されており、図3には、ブレード26の表面sf側に配置される誘導液ノズル68とその支持部64とからなる誘導液ノズルユニット60のみが示されている。
支持部64、66は、各々、誘導液ノズル68、70の基端部を固持してそれらの誘導液ノズル68、70を支持する。また、支持部64、66には、詳細を後述する誘導液(水など)を供給する不図示の供給管が接続される。支持部64、66の内部には、供給管から誘導液ノズル68、70に連通する管路が形成される。これにより、供給管から供給された誘導液が支持部64、66の管路を介して誘導液ノズル68、70に供給される。
誘導液ノズル68、70は、先端部を除く基端部側の長手部が支持部64、66から互いに平行となるように延設されてブレード26を間に挟んだ位置に配置される。それらの長手部の軸心は、スピンドル42の回転軸Asに直交する方向で、かつ、水平方向に配置される。即ち、2本の誘導液ノズル68、70の長手部は、X方向に沿って延在する。
また、2本の誘導液ノズル68、70のうちの一方の誘導液ノズル68はブレード26の表面sf側に配置され、他方の誘導液ノズル70はブレード26の裏面sb側に配置され、各々の先端部が加工点P0の近くに配置される。
図4は、誘導液ノズル68、70及び後述の排液回収部材80をXY平面に投影して示した模式図であり、加工点P0(ブレード26の外周端の最下点の位置)をX軸及びY軸の原点位置とし、ブレード26の回転方向(スピンドル42の回転軸Asに直交する方向)をX方向として示している。
図3及び図4に示すように、各誘導液ノズル68、70の先端には、誘導液を吐出する吐出口68A、70A(開口)が設けられる。これにより、誘導液ノズル68、70の各々に供給された誘導液は誘導液ノズル68、70の各々の先端から吐出される。
また、各誘導液ノズル68、70の先端部には、吐出口68A、70Aの向きをX方向と異なる方向に設定する湾曲部68B、70Bが設けられる。これにより、誘導液ノズル68、70の吐出口68A、70Aの方向が、各々の吐出口68A、70Aから吐出された誘導液が互いに交差(衝突)する方向に設定される。
より詳細に説明すると、各々の吐出口68A、70Aの方向、即ち、吐出口68A、70A付近における誘導液ノズル68、70の軸線方向は、X方向(後向き)からブレード26側に向けた方向となるようにZ軸周りに所定角度(少なくとも90度未満)回転させた方向に設定される。そして更に、水平方向から下向きとなるようにY軸周りに所定角度(少なくとも90度未満)回転させた方向に設定される。
本実施の形態では、誘導液ノズル68と誘導液ノズル70とは、X軸(XZ平面)に対して対称の形状、配置となっており、吐出口68A、70Aから吐出された誘導液が互いに交差する点を衝突点P1として、XY平面に投影すると、図4に示すようにX方向及びY方向に関して、加工点P0よりも下流側となるX軸上(XZ平面上)の位置に衝突点P1が設定される。そして、その衝突点P1に向けて誘導液が吐出されるように誘導液ノズル68、70の湾曲部68B、70BのX方向及びY方向の湾曲角度が設定されて吐出口68A、70Aの方向(及び位置)が設定される。なお、本実施の形態では、誘導液ノズル68、70の各々から吐出される誘導液の流量(流速)は等しい。
また、Z方向に関しては、衝突点P1は図3に示すようにワークWの表面より低い位置に設定され、その衝突点P1のZ方向の位置に向けて誘導液が吐出されるように誘導液ノズル68、70の湾曲部68B、70BのZ方向の湾曲角度が設定されて吐出口68A、70Aの方向が設定される。ただし、衝突点P1のZ方向の位置はワークWの表面と一致していてもよい。また、衝突点P1をワークWの表面に設定し、湾曲部68B、70BのX方向及びY方向の湾曲角度を上記のように設定すれば、湾曲部68B、70Bの各々のZ方向の湾曲角度は、必ずしも衝突点P1の位置に向けて誘導液が吐出される角度に設定する必要はなく、衝突点P1の手前でワークWの表面に誘導液が到達する角度に設定してもよい。
以上の誘導液ノズルユニット60、62によれば、図2〜図4に示すように、各誘導液ノズル68、70の吐出口68A、70Aから吐出された誘導液72、74は、衝突点P1の近傍の点(図4の点P2、P3)でワークW表面に到達してワークW表面を線状に流れた直後に衝突点P1のワークW表面上への投影位置で互いに衝突する。そして、その衝突により、誘導液がワークW表面からブレード26と反対側の方向に向けて立ちのぼり(隆起して)、略XZ平面に沿ったウォーターカーテン76(液体カーテン)が形成される。
このウォーターカーテン76は、図3に示すように前端部76Aがブレード26の外周部に接触せず、且つ、できるだけブレード26の外周部の近傍を通過するような角度で斜め後方に向けて立ちのぼるように、誘導液ノズル68、70の湾曲部68B、70BのZ方向の湾曲角度(吐出口68A、70Aの方向)等によって調整される。
一方、ワークWの切削時において、加工点P0から飛散した切削屑を含む切削液(排液)は、ウォーターカーテン76の前端部76Aに衝突して混入し、ウォーターカーテン76に捕獲されてウォーターカーテン76の表面付近を誘導液と共に流れる。そして、後述のように排出管路から排出される。
図2、図3に示すようにブレードカバー50の加工点P0よりも後側(下流側)の位置、即ち、回転するブレード26によって加工点P0から排液が飛散する側となる位置には、排液を排出管路に誘導するための排液回収手段として排液回収部材80が設置される。
排液回収部材80は、加工点P0よりも後側に配置されるガイド部82と、ガイド部82の後側上部に連設される回収部本体84とを有する。
ガイド部82は、水平方向に対して斜めに傾斜し、前側に向かって下降する(後側に向かって上向きに傾斜する)ガイド面86と、水平方向の沿った下面88とを有する。ガイド面86の前端は、誘導液ノズル68、70から吐出された誘導液が衝突する位置、即ち、衝突点P1よりも後側に配置される。下面88は、水平面であって、ワークWの表面に対して接触しないように微小な隙間を有した位置に配置される。
回収部本体84は、前後方向(X方向)に貫通する矩形状の貫通孔を排液回収口90として有する。回収部本体84の後側には、不図示の排液管が接続されており、排液回収口90は、その排液管の管路(排出管路)に連通する。
また、排液回収口90の下面92は、ガイド部82のガイド面86から段差無く連続的に形成される。
この排液回収部材80によれば、上述のようにウォーターカーテン76を形成した誘導液は、ガイド面86にすくい上げられて排液回収口90に誘導される。特に、ウォーターカーテン76の前端部76Aの表面付近の誘導液は、ガイド部82の下面88とワークW表面との隙間に入り込むことなく、確実に排液回収口90に誘導される。そして、排液回収口90に誘導された誘導液は、排液管の管路(排出管路)を流れて加工部20の外部に排出される。
一方、回転するブレード26によりワークWを切削している際に、切削屑が含まれる切削液、即ち、排液は、ウォーターカーテン76に前端部76Aに衝突して誘導液に混入する。その排液は、流速の早いウォーターカーテン76の前端部76Aの表面付近を誘導液と共に流れ、ガイド面86から離れた位置を通過して排液回収口90へと誘導される。
従って、ガイド部82の下面88とワークW表面との間の隙間に誘導液が進入したとしても、切削屑を含む排液はその隙間に進入することなく、確実に排液回収口90へと誘導されて排液管の管路(排出管路)を流れて外部に排出される。
また、誘導液ノズル68、70から吐出される誘導液の流れは速く、排出管路を流れる誘導液及び排液の動圧(運動エネルギー)が大きいため、排出管路を吸引装置により吸引しなくても誘導液及び排液を、排出管路を通じて外部に排出することができる。したがって、装置構成が簡素であり、コストの低減も図ることができる。
以上の実施の形態では、図4に示すように排液回収部材80の排液回収口90のY方向に関する中心位置が、X軸(ブレード26のY方向の位置)と略一致する位置に配置したが、必ずしも、これに限らない。
例えば、図4と同様に誘導液ノズル68、70及び排液回収部材80をXY平面に投影して示した図5に示すように誘導液ノズル68に供給する誘導液の圧力を、誘導液ノズル70に供給する誘導液の圧力よりも高くして、誘導液ノズル68から吐出する誘導液72の流量(流速)を誘導液ノズル70から吐出する誘導液74の流量(流速)よりも大きくしたとする。
このとき、ウォーターカーテン76が形成される方向、即ち、ウォーターカーテン76の誘導液のX及びY方向に関する流れ方向は、X方向に対して流量の小さい誘導液ノズル70側に曲げた方向となる。
このように誘導液ノズル68、70から吐出する誘導液の流量(流速)を調整することによって、ウォーターカーテン76の形成方向を調整することができる。したがって、排液回収部材80の排液回収口90のY方向の中心位置をX軸上からY方向にずらした位置に設けた場合であっても、ウォーターカーテン76を排液回収口90に向けた方向に形成して、誘導液及び排液を排液回収部材80で適切に回収することができる。
また、ウォーターカーテン76の形成方向を調整する方法として、誘導液ノズル68、70の吐出口68A、70Aの各々の位置や向きをX軸(XZ平面)に対して非対称とし、吐出口68A、70Aから衝突点P1へと向う誘導液の流れ方向を調整する方向もある。
更に、ウォーターカーテン76の形成方向を調整する方法として、図4と同様に誘導液ノズル68、70及び排液回収部材80をXY平面に投影して示した図6、及び、図6の構成を立体的に示した図7に示すように、ウォーターカーテン76の一方の側部に接触するように円柱部材100を配置する方法も採用できる。
即ち、コアンダ効果により円柱部材100の周面に沿ってウォーターカーテン76を曲げることができ、ウォーターカーテン76内を流れる誘導液の流れ方向を変えることができる。円柱部材100は、ブレードカバー50や排液回収部材80等の任意の部材に固定することができる。
これによれば、排液回収部材80の排液回収口90の位置に応じて、円柱部材100の位置や直径を調整することによって、ウォーターカーテン76の曲げ量を調整し、誘導液及び排液を排液回収部材80で適切に回収することができる。なお、円柱状の部材に限らず湾曲面を有する部材の湾曲面をウォーターカーテン76に接触させることによって上述と同様の効果を得ることができる。
また、上述のようにウォーターカーテン76の形成方向を調整することによって排液回収部材80の排液回収口90を設ける位置の自由度が増すため、例えば、図1に示したように2つのスピンドルユニット28が対向配置されるツインスピンドルタイプのダイシング装置10の場合にそれらの2つのスピンドルユニット28の各々に対して設けられる排液回収部材80を互いに干渉しない位置に設けることができる。
即ち、ツインスピンドルタイプのダイシング装置10の場合、2つのブレード26、26を近接させた際にそれらに対応して設けられた2つの排液回収部材80が干渉してしまう可能性がある。
そこで、図8に示すように各々のスピンドルユニット28の排液回収部材80の排液回収口90のY方向に関する中心位置を、ブレード26のY方向の位置に対してスピンドルハウジング40側に近付けた位置に設置する。これによって、排液回収部材80の干渉を防止することができる。そして、この場合に、上述のような方法でウォーターカーテン76の形成方向を調整すれば、誘導液及び排液を排液回収部材80に適切に回収することができる。
以上、上記実施の形態において説明した排液回収部材80の構成は一例であって、ウォーターカーテンの誘導液が流れる方向に配置されて誘導液に混入した廃液を回収することができる排液回収手段であれば、どのような構成のものであってもよい。
また、本発明は、ツインスピンドルタイプのダイシング装置(切削装置)に限らず、シングルスピンドルタイプのダイシング装置やその他の任意のダイシング装置に適用することができる。
10…ダイシング装置、20…加工部、26…ブレード、28…スピンドルユニット、30…ワークテーブル、42…スピンドル、46…切削砥石部、50…ブレードカバー、52…切削液ノズル、60、62…誘導液ノズルユニット、64、66…支持部、68、70…誘導液ノズル、68A、70A…吐出口、68B、70B…湾曲部、72、74…誘導液、76…ウォーターカーテン(液体カーテン)、80…排液回収部材、82…ガイド部、84…回収部本体、86…ガイド面、90…排液回収口

Claims (6)

  1. 被加工物を保持する保持手段と、
    記被加工物を切削する回転可能な切削ブレードと、
    前記切削ブレードと前記被加工物とが接触する加工点に切削液を供給する切削液供給手段と、
    前記切削ブレードの回転に起因して排液が飛散する側に設けられた排液回収手段と、
    前記加工点の近傍から前記排液回収手段へ流れる液体カーテンを生成する液体カーテン生成手段と、
    を備えた切削装置。
  2. 前記液体カーテン生成手段は、前記切削ブレードを挟んで両側に配置された一対のノズルを有し、前記一対のノズルが前記被加工物の表面に対して斜め2方向から同一点に向けて誘導液を吐出することにより前記液体カーテンを生成する請求項1に記載の切削装置。
  3. 前記一対のノズルは、前記切削ブレードを挟んで互いに対向する両側に配置される請求項2に記載の切削装置。
  4. 前記一対のノズルは、異なる流速の誘導液を吐出する請求項2又は3に記載の切削装置。
  5. 前記液体カーテンに接触する位置に湾曲面を配置し、前記液体カーテンの前記誘導液の流れる方向を湾曲させた請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の切削装置。
  6. 前記排液回収手段は、前記排液を回収する回収口と、前記液体カーテンを前記回収口に案内するガイド面を有するガイド部とを備えた請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の切削装置。

JP2014008441A 2014-01-21 2014-01-21 切削装置 Active JP6206205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014008441A JP6206205B2 (ja) 2014-01-21 2014-01-21 切削装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014008441A JP6206205B2 (ja) 2014-01-21 2014-01-21 切削装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017172194A Division JP6489453B2 (ja) 2017-09-07 2017-09-07 液体カーテン形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015136739A JP2015136739A (ja) 2015-07-30
JP6206205B2 true JP6206205B2 (ja) 2017-10-04

Family

ID=53768115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014008441A Active JP6206205B2 (ja) 2014-01-21 2014-01-21 切削装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6206205B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017217754A (ja) * 2017-09-07 2017-12-14 株式会社東京精密 液体カーテン形成装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109571268B (zh) * 2018-12-31 2019-12-10 苏州市相城区黄桥工业园经济发展有限公司 一种眼镜镜片打磨设备

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62193773A (ja) * 1986-02-18 1987-08-25 Toko Inc 湿式研磨機
JP4943688B2 (ja) * 2005-10-21 2012-05-30 株式会社ディスコ 切削装置
JP5446027B2 (ja) * 2007-09-25 2014-03-19 株式会社東京精密 ダイシング装置
JP5732356B2 (ja) * 2011-09-08 2015-06-10 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017217754A (ja) * 2017-09-07 2017-12-14 株式会社東京精密 液体カーテン形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015136739A (ja) 2015-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6094696B2 (ja) ダイシング装置
JP2007216377A (ja) ダイシング装置及びダイシング方法
JP5840569B2 (ja) 加工器具
JP2009113182A (ja) 工作機械の自動清掃装置
JP2016215343A (ja) 清掃手段を備えた工作機械
JP6938087B2 (ja) 切削ブレードの装着機構
EP1716974A1 (en) Coolant supply method and apparatus for grinding machine
JP2019055445A (ja) 切削ブレードの装着機構
JP6489453B2 (ja) 液体カーテン形成装置
JP6206205B2 (ja) 切削装置
WO2008004365A1 (fr) Appareil et procédé de découpage en dés
TW201641246A (zh) 切削裝置
JP2013111713A (ja) 切削水の供給装置及び供給方法
JP6097008B2 (ja) 洗浄水の供給装置及び供給方法
JP2016221636A (ja) 研削装置
JP5618508B2 (ja) ウエハ研磨装置
JP5389574B2 (ja) 切削装置
JP4880267B2 (ja) 切削装置
JP2011073080A (ja) 撮像装置
JP5907716B2 (ja) バイト切削装置
JP4481668B2 (ja) 切削装置
JP2007000967A (ja) 切削装置
JP5954978B2 (ja) バイト切削装置
JP2016083738A (ja) 板ガラスの研削方法
JP2005103734A (ja) 三次元造形装置および三次元造形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6206205

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250