以下、本発明の一実施形態に係る製氷用容器について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態に係る製氷用容器1は、水を入れて製氷するための容器本体2と、容器本体2に挿入される中子3と、中子3を容器本体2に対して固定するための固定手段4とを備える。図4に示すように、中子3が容器本体2に挿入された状態で、容器本体2の内周面201と中子3の外周面301との間には、氷S(図7〜図9参照)を生成するための製氷領域Qが形成される。製氷用容器1は、該製氷領域Qに水が充填されて製氷するように構成されている。容器本体2と中子3とは、氷Sが所定の厚みで形成されるように離間している。具体的には、製氷領域Q内に形成される氷Sは、容器本体2の把持による(押圧による)変形に応じて破砕される厚みで形成される。本実施形態の製氷用容器1では、容器本体2の内周面201及び中子3の外周面301のうちの少なくとも一方に、リブ5が突設されている。リブ5は、製氷領域Qに向かって延びるように形成されている。
図5及び図6に示すように、容器本体2は、上端が開口したカップ状の容器である。即ち、容器本体2は、使用者が把持する部分である側壁部21と、底部22とを備える。本実施形態の容器本体2は、中子3が挿入された状態で該中子3を固定可能に構成されている。そのため、容器本体2は、中子3を固定するための固定部23を備える。
容器本体2は、把持可能に構成されている。容器本体2は、把持により変形可能な柔軟性を有する。具体的には、図8に示すように、使用者は、片手又は両手の親指と親指以外の4本の指(人差し指から小指)との間で側壁部21を挟むようにして把持し、側壁部21を押さえる。容器本体2は、側壁部21の両側から押さえ付けられることにより、対向する内周面201同士が接近するように変形する。容器本体2は、例えば、エラストマーやポリエチレン等の樹脂材料によって形成されている。しかしながら、容器本体2は、把持により変形可能な柔軟性を有していればよく、材料については特に限定されるものではない。
本実施形態では、側壁部21は、片手又は両手で押圧されることで弾性変形し、且つ押圧されていない状態で元の形状に復元するように構成されている。そのため、使用者は、容器本体2の側壁部21を押圧して変形させ、手(指)に入れた力を緩めることで側壁部21を元の形状に戻す。使用者は、側壁部21を変形させる動作(押圧する動作)と側壁部21の形状を元に戻す動作(手(指)に入れた力を緩める動作)を複数回繰り返すことによって、容器本体2内の氷Sを破砕する。
側壁部21は、筒状に形成されている。本実施形態の側壁部21は、円筒状に形成されている。また、本実施形態の側壁部21は、上端の外径が下端の外径よりも大きくなるように形成されている。具体的には、側壁部21は、上端から下端に向けて細くなるテーパー状に形成されている。しかしながら、側壁部21は、上端から他端に向けてストレートに形成されていてもよい。
図1及び図3に示すように、側壁部21は、使用者の手が滑るのを防止するための滑り止め手段210を備える。本実施形態では、滑り止め手段210は、側壁部21の外周面202に形成された凹凸である。具体的には、側壁部21の外周面202には溝203が形成されている。該溝203は、側壁部21の厚み方向に窪み、側壁部21の上端から下端に向かって延びている。また、溝203は、複数形成されている。複数の溝203は、隣り合う溝203同士の間隔が等間隔となるように配置され、側壁部21の周方向に並んで形成されている。
底部22は、板状に形成されている。本実施形態の底部22は、円盤状に形成されている。本実施形態の底部22は、平らな板状に形成されている。
図3及び図4に示すように、固定部23は、側壁部21に設けられている。固定部23は、中子3の後述する蓋部32が固定される部分である。固定部23は、側壁部21の上端部に設けられている。具体的には、固定部23は、側壁部21の内周面201に形成された凹部24である。該凹部24に、蓋部32の後述する凸部34が嵌合することで、容器本体2と中子3とが固定される。即ち、容器本体2の凹部24と中子3の凸部34とによって固定手段4が構成されている。
本実施形態の容器本体2は、底部22が円盤状に形成され、且つ側壁部21が円筒状に形成された円形状の容器である。図4に示すように、本実施形態では、底部22は、側壁部21の下端側の中途部に設けられている。そのため、容器本体2を平坦面に載置すると、底部22は、載置面から浮いた状態となる。即ち、容器本体2は、側壁部21の下端面F1が載置面に当接することによって載置される。載置された状態で底部22が載置面から浮いた状態となっているので、氷が固まるに伴って底部22が変形しても、冷凍庫内で容器本体2の姿勢を安定させることができる。容器本体2の形状は、円形状に限定されるものではなく、容器本体2の形状として、四角形状、三角形状、楕円形状等、種々の形状を採用し得る。
容器本体2は、下端部側が上端部側よりも剛性が高くなるように形成されている。具体的には、容器本体2は、使用者が容器本体2を変形させるに伴って、又は氷が固まるに伴って下端側が変形し難く構成されている。そのため、容器本体2は、載置部20(底部分)の形状が安定し、転倒し難くなっている。
図3及び図4に示すように、中子3は、容器本体2に対して挿入脱可能に構成されている。中子3は、容器本体2に挿入された状態で、容器本体2の内周面201との間に製氷領域Qを形成する中子本体31と、容器本体2の蓋となる蓋部32とを備える。本実施形態の中子3は、例えば、エラストマーやポリエチレン等の樹脂材料によって形成されている。しかしながら、中子3の材料については特に限定されるものではない。中子3は、容器本体2と同じ材料で形成されていてもよく、容器本体2と異なる材料で形成されていてもよい。また、中子3は、容器本体2よりも硬い材料で形成されていてもよく、容器本体2よりも柔らかい材料で形成されていてもよい。
図3及び図4に示すように、中子本体31は、有底状の上面開口型(中空状)に形成されている。中子本体31は、容器本体2の底部22に対向する一端が底を構成し、他端が開口した筒状に形成されている。即ち、中子本体31は、底板311と該底板311の周縁から延びる周壁312とを備え、底板311とは反対側の他端が開口している。本実施形態の中子本体31は、底板311が円盤状に形成され、且つ周壁312が円筒状に形成された円形状の部材である。本実施形態では、中子本体31は、容器本体2に対して同心円状に挿入される。そのため、製氷された氷Sは、中子3の外周面301を1周覆うリング状(筒状)に形成される。また、氷Sは、厚みが周方向に亘って略一定となるように形成される。
本実施形態では、底板311は薄板状に形成され、周壁312は薄壁となるように形成されている。そのため、底板311と周壁312とが薄い分、底板311と周壁312とによって画定される中空領域SPが広く形成され、該中空領域SPに冷気を十分に導入することができると共に、冷気を効率よく容器本体2内(製氷領域Q内の水)に伝えることができる。
中子本体31は、底板311側の一端の外径が開口側の他端の外径よりも小さく形成されている。具体的には、中子本体31は、上端から下端に向けて細くなるテーパー状に形成されている。このテーパー形状により、製氷後、中子3を容器本体2から抜き易くなっている。しかしながら、中子本体31は、上端から下端に向けてストレートに形成されていてもよい。本実施形態の中子本体31は、外周面301が凹凸無く滑らかに形成されている。
蓋部32は、容器本体2を閉じる部分である。蓋部32は、中子本体31から該中子本体31の径外方向に広がるように形成されている。蓋部32は、容器本体2を密閉(密封)するように構成されている。蓋部32は、容器本体2の開口を覆うベース部321と、該ベース部321から上方側に延出した第1延出部322と、該第1延出部322から更に上方側に延出し、該第1延出部322よりも大径に形成された第2延出部323とを備える。蓋部32は、ベース部321上に、他の製氷用容器1を載置可能に構成されている。即ち、図4に示すように、中子本体31の周壁312は、上端の開口径D1が容器本体2の載置部20の外径D2よりも小さくなるように形成されており、蓋部32は、別の製氷用容器1の容器本体2をベース部321の上面に載置可能となっている。
ベース部321は、中子本体31の周壁312の上端縁に接続され、該上端縁から中子本体31の径外方向に広がる環状の部材である。本実施形態のベース部321は、円環状に形成されている。ベース部321の上面には、第1延出部322及び第2延出部323に連結された凸片Pが設けられている。該凸片Pは、ベース部321、第1延出部322、及び第2延出部323を連結して、中子3(蓋部32)の強度を上げるだけではなく、ベース部321上に載置された別の製氷用容器1の容器本体2が、ベース部321の径方向に位置ずれするのを防止するためのスペーサーとしても機能している。
第1延出部322は、ベース部321の上面から上方側に延出している。本実施形態の第1延出部322は、ベース部321の端縁から上方側に延出している。第1延出部322には、外周面322aに周方向に沿って凸部34が形成されている。該凸部34は、容器本体2の凹部24に嵌合するように構成されている。該凸部34が容器本体2の凹部24に嵌合することで、中子3が容器本体2に固定される。本実施形態の凸部34は、第1延出部322の外周面322aを1周するように形成されている。
第2延出部323は、第1延出部322よりも径外方向から上方側に延出している。即ち、第2延出部323は、第1延出部322との間に段差Eを形成している。
図4に示すように、蓋部32は、第1延出部322が容器本体2に嵌め込まれることで、容器本体2に固定される。即ち、中子3が容器本体2に固定された状態で、ベース部321及び第1延出部322は容器本体2内に位置し、第2延出部323が容器本体2の外側に露出した状態となっている。また、中子3が容器本体2に固定されると、第1延出部322と第2延出部323との間の段差Eが、容器本体2の上端面F2に載置された状態となる。即ち、段差Eによって、中子3が容器本体2に対して落ち込むのが規制されている。
ベース部321には、容器本体2内でオーバーフローした水を排出するための排出部33が形成されている。排出部33は、ベース部321を厚み方向に貫通する孔として形成されている。排出部33は、水が入れられた容器本体2に中子3が挿入される際や、水が冷却されるに伴って体積が膨張する際に、余剰の水を逃がす部分である。
容器本体2の内周面201と中子3(中子本体31)の外周面301との間に形成される製氷領域Qは、容器本体2の把持による変形に応じて氷Sが破砕される領域として形成されている。即ち、容器本体2の内周面201と中子本体31の外周面301とは、容器本体2が把持により手で(片手で又は両手で)押さえられることで、氷Sが破砕される程度の距離離間するように設定(調整)されている。本実施形態では、容器本体2の内周面201と中子本体31の外周面301との間のクリアランスC(図4参照)は、7mm以上15mm以下となるように設定されている。具体的には、クリアランスCは、10mmで設定されている。
図5及図6に示すように、リブ5は、容器本体2の内周面201に突設されている。本実施形態では、リブ5は、容器本体2の深さ方向に延び、容器本体2の内周面201に周方向に所定の間隔をあけて複数形成されている。複数のリブ5は、容器本体2の内周面201に等間隔で配置されている。複数のリブ5は、互いに別体として(分離された状態で)形成されている。リブ5の本数が多い場合には、1区画当たりの氷Sの体積が小さくなり、クラッシュアイスが細かくなり過ぎる。これに対して、リブ5の本数が少ない場合には、1区画当たりの氷Sの体積が大きくなり、氷Sを破砕しにくくなる(破砕に力を要する)。そのため、本実施形態では、リブ5の本数は、容器本体2の大きさに応じて適切に設定されており、リブ5によって区画された氷S(リブ5とリブ5との間にある氷S)の体積が小さくなり過ぎず、且つ大きくなり過ぎないようにしている。具体的には、図5に示すように、隣り合うリブ5の幅中心T(製氷用容器1の周方向基準の幅の幅中心T)と容器本体2の中心Mとにより形成される扇形の中心角Rが15度以上40度以下となるようにリブ5の本数が設定されている。本実施形態では、容器本体2には、14本のリブ5が設けられている。
図5には、製氷領域Qを示すため、中子3の底板311が仮想的に示されている。図5に示すように、リブ5は、製氷領域Q側に延びる先端部51が容器本体2に接続された基端部52側よりも細くなるように形成されている。本実施形態では、リブ5は、基端部52側から先端部51側に向けて縮径するテーパー状に形成されている。リブ5は、先端部51が基端部52に対して傾倒又は揺動し難い剛性で形成されている。そのため、リブ5は、氷Sが破砕される際に氷Sにまとわり付きにくい(氷Sから離れ易い)。具体的には、リブ5は、三角柱状に形成されている。また、リブ5は、容器本体2の外周面202に形成された溝203と対応する位置に形成されている。即ち、リブ5の背面の外周面202に溝203が形成されている。
図6に示すように、リブ5は、容器本体2の上端部から下端部に亘って形成されている。そのため、リブ5は、製氷領域Qで生成された氷Sを深さ方向に亘ってしっかりと区画することができ、女性や子供等の力の弱い使用者でも容易に氷Sを破砕することができるように構成されている。本実施形態のリブ5は、基端部52の幅Wが、容器本体2の上端部から下端部に向けて大きくなるように形成されている。即ち、リブ5は、容器本体2の下端部側の幅W1が上端部側の幅W2がよりも太くなるように形成されている。また、リブ5の突出高さが低いほど、製氷される氷Sの体積を大きくすることができる一方、氷Sが浅く区画されるので、使用者が氷Sを破砕しにくくなってしまう。そのため、リブ5は、製氷された氷Sを破砕し易い程度に深く区画すると共に、氷Sの体積を必要量確保できるように最適な高さに設定されている。本実施形態では、リブ5は、先端部51が中子3の外周面301に当接(到達)しない高さで設定されている。即ち、リブ5は、容器本体2の内周面201と中子3の外周面301との離間距離よりも短く形成されている。本実施形態のリブ5高さは、3mm以上クリアランスC以下となるように設定されている。具体的には、リブ5高さは、5mmで設定されている。
図7に示すように、本実施形態では、容器本体2を変形させると、側壁部21が湾曲した状態(破線の状態)から平坦に近い状態(実線の状態)に変形する。この変形に伴って氷Sは、リブ5によって薄く形成されていた部分で割れる。そして、棒状の氷Sが複数形成される。リブ5は、容器本体2の変形前の状態では、先端部51同士が接近した状態となっているが(破線の状態)、容器本体2の変形に伴って、隣り合うリブ5の先端部51同士が離間する(実線の状態、矢印参照)。これにより、リブ5とリブ5との間の氷Sが容器本体2の内周面201から離れ易くなっている。
本実施形態に係る製氷用容器1の説明は以上である。次に、製氷用容器1の使用方法について図面を参照しつつ説明する。
使用者は、容器本体2に水を入れ、該容器本体2に中子3を挿入する。中子3の蓋部32を容器本体2に嵌合させて固定し、中子3が浮力によって浮かない状態とする。この状態で製氷用容器1を冷凍庫に入れる。複数の製氷用容器1で製氷する場合には、製氷用容器1のベース部321に他の製氷用容器1を載置し、上方に積み重ねる。
製氷後、中子3内の中空領域SPに水を注ぐ。使用者は、注いだ水によって中子3の外周面301に固着した氷Sを溶かしつつ、中子3を把持して周方向の一方向に少し回転させ、続いて反対方向に少し回転させる。そして、使用者は、中子3から氷Sが離れたところで中子3を容器本体2から引き抜く。
続いて、図8に示すように、使用者は、両手又は片手で容器本体2を把持し、容器本体2を押圧することで氷Sを破砕する。氷Sが十分に破砕されたら、図9に示すように、容器本体2から別の容器に直接クラッシュアイスを注ぐ。
以上のように、上記実施形態に係る製氷用容器1は、把持により変形可能な柔軟性を有する容器本体2と、該容器本体2内に挿入脱自在に構成された中子3とから成り、該中子3が前記容器本体2内に挿入された状態で、容器本体2の内周面201と中子3の外周面301との間に氷Sを生成するための製氷領域Qが形成され、製氷領域Qは、容器本体2の把持による変形に応じて氷Sが破砕される領域として形成されている。
上記実施形態によれば、水が入れられた容器本体2に中子3を挿入し、中子3が容器本体2に挿入された状態で製氷用容器1を冷凍庫に入れることで製氷領域Qに氷Sを生成する。製氷領域Qは、容器本体2の把持による変形に応じて氷Sが破砕される領域として形成されている。そのため、製氷後、使用者が容器本体2を把持して変形させると、容器本体2内で氷Sを破砕することができる。そして、破砕された氷Sは容器本体2内に溜まった状態となっているので、使用者は破砕された氷Sを容器本体2から別の容器にそのまま移し替える(注ぐ)ことができる。このように、上記構成の製氷用容器1によれば、使用者が破砕された氷Sに触れることなく別の容器に移し替えることができるので衛生的である。
上記実施形態では、前記容器本体2の内周面201及び前記中子3の外周面301のうちの少なくとも一方には、リブ5が突設されている。
上記実施形態によれば、前記容器本体2の内周面201及び前記中子3の外周面のうちの少なくとも一方に突設されたリブ5によって、製氷領域Q内に生成された氷Sが複数のブロックに区画される。そのため、区画された分氷Sの体積が小さくなるので、氷Sを破砕し易いものとなっている。
上記実施形態では、前記リブ5は、前記容器本体2の深さ方向に延び、容器本体2の内周面201に周方向に所定の間隔をあけて複数形成されている。
上記実施形態によれば、使用者が容器本体2を押圧して変形させると、押圧部分に位置する隣り合うリブ5同士は容器本体2の変形に伴って氷Sから離れる方向に離間する。そのため、上記構成の製氷用容器1は氷離れがよいものとなっている。
上記実施形態では、前記中子3は、有底状の上面開口型に形成されている。
上記実施形態によれば、水の入った容器本体2に中子3を底側から挿入し、製氷領域Qに水を充填した状態で製氷用容器1を冷凍庫へ入れると、中子3の開口から該中子3内に冷気を導入することができる。そのため、製氷領域Q内の水を容器本体2の外側及び内側から冷却することができ製氷効率がよい。
更に、製氷後、中子3を容器本体2から抜く際には、中子3内に水を入れることで中子3の外周面301に固着した氷Sを溶かし、中子3に対する氷離れを良くすることができる。そのため、上記実施形態の製氷用容器1は、製氷後に中子3を容器本体2から抜き易いものとなっている。
上記実施形態では、容器本体2は、下端部側が上端部側よりも剛性が高くなるように形成され、リブ5は、容器本体2の下端部側の幅W1が上端部側の幅W2よりも太くなるように形成されている。そのため、上記実施形態の製氷用容器1は、容器本体2を変形させ難い下端部側では氷Sの幅を細く形成することができ、容器本体2の下端部側でも氷Sを破砕し易いものとなっている。そのため、上記実施形態の製氷用容器1によれば、均一なクラッシュアイスを生成することができる。
上記実施形態では、中子3の蓋部32は、容器本体2を密閉(密封)するように構成されているので、氷Sに冷凍庫内の臭いが移りにくくなっている。
上記実施形態では、蓋部32は、ベース部321上に、他の製氷用容器1を載置可能に構成されている。そのため、冷凍庫内で製氷用容器1を縦に積むことができるので、製氷用容器1を複数使用する場合でも、省スペースに収めることができる。
尚、本発明の製氷用容器1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態では、製氷後、中子3を容器本体2から取り外した状態で氷Sを破砕する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、中子本体31が容器本体2の変形に応じて変形可能な軟質樹脂で形成されることによって、中子3を容器本体2内に挿入した状態で、即ち、中子3で容器本体2を塞いだ状態で、氷Sを破砕するようにしてもよい。
上記実施形態では、底部22は、平らな板状に形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。底部22は、周縁から中心に向かって下方側に傾斜するように形成されていてもよい。即ち、底部22は、中心部が周縁部に対して下方側に突出するように形成されていてもよい。この形状とすることで、中子3を容器本体2から取り外した後に、底部22の中心部を押すことで、底部22に固着した氷Sを容器本体2から剥離させることができる。また、底部22にはリブ5が突設されていてもよい。
上記実施形態では特に言及するものではないが、製氷領域Qに適量の水が充填されるように、容器本体2に、入れる水の量を示す目印が設けられていてもよい。
上記実施形態では、リブ5は、容器本体2の内周面201に形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。図10に示すように、リブ5は、中子3の外周面301に形成されていてもよい。また、リブ5は、容器本体2の内周面201及び中子3の外周面301の両方に形成されていてもよい。
上記実施形態では、リブ5が複数形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。リブ5は形成されていなくてもよいし、容器本体2の内周面201及び中子3の外周面301のうちの少なくとも一方に1つ形成されていてもよい。リブ5が1つ形成されることで、製氷された氷Sが少なくとも1か所で区画されるため、破砕する氷Sの体積を小さくするという機能を発揮することができる。
また、上記実施形態では、リブ5は、容器本体2の深さ方向に延び、容器本体2の内周面201に周方向に所定の間隔をあけて複数形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。リブ5は、容器本体2の内周面201の周方向に沿って延び、容器本体2の深さ方向に所定の間隔をあけて複数形成されていてもよい。即ち、リブ5は、容器本体2の内周面201にリング状に形成されていてもよい。
上記実施形態では、リブ5は、製氷領域Q側に延びる先端が容器本体2に接続された基端側よりも細くなるように形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。リブ5は、基端側と先端側とが同じ厚みとなるように形成されていてもよい。
上記実施形態では、リブ5の先端は、中子3の外周面301に当接(到達)しない高さに設定されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。リブ5の先端は、中子3の外周面301に当接する高さで形成されていてもよい。
上記実施形態では、中子3が有底状の上面開口型(中空状)に形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。中子3は、柱状(中実状)に形成されていてもよい。
上記実施形態では、製氷された氷Sは中子3の外周面301を1周覆うリング状(筒状)に形成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、中子3が板状に形成され、且つ中子3が矩形状の容器本体2の対辺同士を連結するように容器本体2内に配置されることで、該中子3を介して板状の氷Sが作られてもよい。
上記実施形態では、固定部23は、側壁部21に形成された凹部24であり、該凹部24と中子3の凸部34とが嵌合することによって容器本体2と中子3とが固定される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、固定部23は、側壁部21の上端部から延びるフック状に形成されていてもよい。そして、蓋部32には、該固定部23が掛止される掛止部が形成されていてもよい。
上記実施形態では特に言及するものではないが、中子3は、弾性変形可能な材料で形成されていてもよい。中子3を弾性変形可能な材料で形成することで、中子3を容器本体2から引き抜く際に使用者による回転動作に伴って若干変形させることができるので、中子3を回転させやすく容器本体2から引き抜き易くすることができる。
上記実施形態では、複数のリブ5は、互いに別体として形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。複数のリブ5は、互いに連結されていてもよい。複数のリブ5は、互いに連結され、例えば、V字状、W字状等に形成されていてもよい。
上記実施形態では、容器本体2の内周面201と中子本体31の外周面301との間のクリアランスC及びリブ5の本数が所定の範囲となるように設定されている場合について説明したが、クリアランスC及びリブ5の本数は自由に設定することができる。例えば、クリアランスCを更に大きくする(例えば20mm)一方で、リブ5の数を増やし、リブ5同士の間隔を狭めることで氷Sを破砕可能な程度に薄く(例えば10mm)形成してもよい。