JP6287566B2 - 交流電動機の制御装置 - Google Patents
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例えば特許文献1に開示された構成では、回転角センサによる電気角信号、電流センサによる相電流信号、電圧センサによるインバータ入力電圧信号が、いずれもMG−ECU(主演算部)に入力される。主演算部は、これらのセンサ信号に基づいてインバータへの指令電圧を制御演算することで、交流電動機の通電を制御する。
この構成では、強電センサ信号をアナログ信号で送信すると、ノイズによるセンサ情報のずれにより交流電動機の制御が正常にできなくなるおそれがある。そこで、パワー部で強電センサ信号をデジタル信号に変換して制御演算部に送信することが考えられる。
仮にこのような通信異常の発生及び正常復帰を検出し、その都度、通電遮断と再通電とを繰り返す制御を行うと、交流電動機の駆動が不安定になるおそれがある。
また、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機モータに適用される交流電動機の場合、通信異常の発生の度に車両を停止させることが安全上好ましいとは限らず、重度の異常でない限りできるだけ交流電動機の駆動を継続したいという要求がある。
ここで、「交流電動機」は、交流駆動のモータ、発電機、及びモータジェネレータを含むものであり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機として用いられ駆動輪を駆動するためのトルクを発生するモータジェネレータが該当する。また、モータジェネレータを駆動するMG制御装置が「交流電動機の制御装置」に該当する。
主演算部は、パワー部と離間して設けられ、第1伝達装置と通信線によって接続されている。主演算部の第2制御装置は、パワー部から送信された強電センサ信号の情報、及び、交流電動機の回転角を検出する回転角センサから取得した電気角信号の情報に基づいて駆動回路の制御信号を生成する。
ここで「現在値」とは、厳密に現在の瞬間値に限らず、通常のフィードバック制御において最新の値として用いられる常識的な時間範囲の値を意味する。
これにより、通信異常の発生時に駆動回路の駆動を停止することなく、交流電動機への通電を継続することができる。したがって、通信異常の発生及び復帰が繰り返される場合に、都度、通電を遮断したり再通電したりしないため、交流電動機の駆動を安定させることができる。また、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機モータに適用される交流電動機の場合、通信異常の発生のみによって車両を停止させる事態を回避することができる。
[1]通常制御から例外制御に切り替わったとき、当該切替以前の同じタイミングの強電センサ信号と電気角信号とを用いてフィードバック演算を行う過去値保持制御。
この場合、例外制御手段は、通常制御時にパワー部から送信された強電センサ信号の過去値、及び、回転角センサから取得した電気角信号の過去値を保持しておく。例えば、通信異常が発生したとき、当該通信異常が発生する以前の同じタイミングの強電センサ信号と電気角信号とを用いる。通信異常が一時的であり短期間で正常復帰することを前提とすると、強電センサ信号の現在値を一時的に過去値で代用することで、通常時と同じロジックのフィードバック制御を継続することができる。
フィードフォワード制御ではそもそも相電流の情報を用いないため、例えば通信の正常又は異常による強電情報の有無に拘わらず演算結果に違いがない。また、過去値保持のための記憶領域を必要としない。さらに、最新のdq軸電流指令値を用いることができる点で好適である。
駆動回路の駆動に直接関わる駆動信号(例えばPWM信号)の生成をパワー部の内部で行うことにより、各種情報に基づいて制御演算を行う主演算部の機能と、駆動回路を駆動して交流電動機へ電力を供給するパワー部の機能とを明確に区別することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の交流電動機の制御装置について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態の交流電動機の制御装置は、ハイブリッド自動車に適用される。
図1に示すハイブリッド自動車は、いわゆるシリーズパラレルハイブリッド自動車であり、車両の駆動力源として、エンジン92、及び2つのモータジェネレータ81、82を備える。
ここで、第1MG81及び第2MG82に対応する電気角、及び後述の相電流の記号に関して、後の説明の都合により、第1MG81に対応する記号には添え字「g」を付し、第2MG82に対応する記号には添え字を付さないで記す。
エンジンECU91は、図示しないクランク角センサから入力されるクランク角信号等に基づいてクランク軸93のクランク角やエンジン回転速度等の情報を取得し、エンジン92の運転を制御する。
昇圧コンバータ20、第1インバータ(図中「MG1インバータ」と記す。」)30、及び第2インバータ(図中「MG2インバータ」と記す。」)40は、まとまって配置され、MG81、82へ駆動電力を供給するパワー部5のユニットを構成している。
「駆動回路」としての第1インバータ30及び第2インバータ40は、直流電力と三相交流電力とを相互に変換する。第1MG81が発電した三相交流電力は、第1インバータ30で直流電力に変換され、昇圧コンバータ20を経由してバッテリ15に回生される。第2MG82は、第2インバータ40が変換した三相交流電力を用いて力行動作によりトルクを出力する。第2MG82による駆動力は、プロペラ軸95、デファレンシャルギア機構96、車軸97を介して車輪98に伝達される。
本実施形態では、第1MG81の三相電流Iug、Ivg、Iwg、及び、第2MG82の三相電流Iu、Iv、Iwが主な強電情報に相当する。パワー部5で取得された強電センサ信号は、パワー部5の第1制御装置51から、第1伝達装置55、及び「通信線」としての第1通信線56を経由してMG−ECU6に送信される。
そして、パワー部5とMG−ECU6とを含むMG制御装置101が、本発明の「交流電動機の制御装置」に相当する。
以下では、第2MG82の通電制御に係る構成のみを説明し、第1MG81の通電制御に係る構成は第2MG82と同様であるため省略する。それに伴い、第2MG82を単に「MG82」といい、第2インバータ40を単に「インバータ40」という。
昇圧コンバータ20の回路には、入力側コンデンサ21と並列に設けられバッテリ15から入力される入力電圧VLを検出する電圧センサ27、出力側コンデンサ25と並列に設けられ昇圧コンバータ20の出力電圧VHを検出する電圧センサ28、及び、リアクトル22を流れるリアクトル電流ILを検出する電流センサ29が設けられている。
インバータ40の回路には、MG82の三相巻線に流れる各相電流Iu、Iv、Iwを検出する電流センサ47、48、49が設けられている。
本実施形態では、インバータ40は、PWM制御によって各相のスイッチング素子がオン/オフされることにより、昇圧コンバータ20で昇圧された出力電圧VHの直流電力を三相交流電力に変換し、MG82に供給する。
第1制御装置51は、昇圧コンバータ20の回路に設けられた電圧センサ27、28が検出した入力電圧VL、出力電圧VH、及び、電流センサ29が検出したリアクトル電流IL、並びに、インバータ40の回路に設けられた各電流センサ47、48、49が検出した相電流の各強電センサ信号が入力される。
ここで、図3中、MG82から第1制御装置51に向かう相電流Iu、Iv、Iwの矢印は、電流センサ47、48、49が検出した相電流のセンサ信号が第1制御装置51に入力されることを意味している。また、相電流Iu、Iv、Iwに代えて、相電圧Vu、Vv、Vwを強電センサ信号として第1制御装置51に入力してもよい。
また、本実施形態の第1制御装置51は、MG−ECU6の第2伝達装置68から送信された電圧指令信号Vu*、Vv*、Vw*に基づきPWM信号を生成し、インバータ40に出力する。なお、昇圧コンバータ20の昇圧制御に関して、例えば昇圧PWM信号を第1制御装置51から昇圧コンバータ20に出力することも考えられるが、本明細書では、詳しい言及を省略する。
第1伝達装置55は、第1制御装置51でデジタル信号に変換された強電センサ信号を、第1通信線56を経由してMG−ECU6の第2制御装置61に送信する。
第2制御装置61は、車両制御回路90からのトルク指令値trq*、第1制御装置51からの相電流Iu、Iv、Iw等の情報、及び回転角センサ84からの電気角θの情報等を取得し、これらの情報に基づいて、MG82の通電に係る制御量を演算する。本実施形態の第2制御装置61は、「駆動回路の制御信号」として相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を生成し、第2伝達装置68に出力する。
第2伝達装置68は、第2制御装置61が生成した相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を、第2通信線57を経由して第1制御装置51に送信する。
異常判定手段54、65、66による通信異常判定、並びに、通常制御手段62及び例外制御手段63の具体的な制御構成等について詳しくは後述する。
図11に示す第1比較例のMG制御装置108は、パワー部508とMG−ECU608とが別の基板に離間して設けられている点で、本実施形態と同様である。ただし、MG制御装置108では、パワー部508に設けられた各強電センサから出力されたアナログ信号は、アナログ信号線59を経由して、そのままMG−ECU608に入力される。
なお、インバータ回路内に電流センサが取り付けられる構成は、例えば特開2013−258843号の図1に開示されている。
通常制御手段64は、アナログ信号線59を経由して入力される信号の異常を監視し、異常の場合、インバータ40への制御信号の出力を遮断することでMG82への電力供給を遮断する。
MG制御装置109のパワー部5の構成は、本実施形態のMG制御装置101と同等である。一方、MG制御装置109のMG−ECU609は、第1比較例のMG制御装置108と同等の第2制御装置618、及び、本実施形態のMG制御装置101と同等の第2伝達装置68を有している。
第2制御装置618には、通常制御手段64のみが設けられており、第1通信線56を経由して送信される強電センサ信号の異常を監視し、異常の場合、第1制御装置51への電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*の出力を遮断することで、MG82への電力供給を遮断する。
仮にこのような通信異常の発生及び正常復帰を検出し、その都度、通電遮断と再通電とを繰り返す制御を行うと、MG82の駆動が不安定になるおそれがある。
また、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機モータに適用されるMGの場合、通信異常の発生の度に車両を停止させることが安全上好ましいとは限らず、重度の異常でない限りできるだけMGの駆動を継続したいという要求がある。
図4は、図3中の通信異常判定に関する構成のみを抽出して示したブロック図である。本実施形態では、パワー部5側に送信診断手段54、MG−ECU6側に受信診断手段65及び更新確認手段66の3つの異常判定手段を設けている。ただし他の実施形態では、少なくとも1つの異常判定手段を有していればよい。
第1伝達装置55の送信エラーが検出されたとき、送信診断手段54は、第1伝達装置55からの通信に通常用いられる第1通信線56、又は、エラー信号専用の通信線58を経由してエラー信号Errを切替手段67に送信する。
更新確認手段66は、第1伝達装置55の送信内容又は第2制御装置61の受信内容を前回の送信又は受信内容と比較し、更新の有無を確認する。MG82の動作状態が経時変化しており通信内容が変わるはずであるのに変わらないとき、又は、MG82がロック状態であり通信内容が変わるはずがないのに変わったとき、更新エラーであると判定する。更新エラーが検出された場合、エラー信号Errを切替手段67に送信する。
S2では、受信診断手段65による受信診断がOK(異常なし)であるか判断する。
S3では、更新確認手段66による更新確認がOK(異常なし)であるか判断する。
S1〜S3はどの順に実施されてもよい。S1〜S3の全てでYESのとき、S4にて通信正常と判定し、S5にて通常制御手段62によるフィードバック(FB)制御を実行する。S1〜S3のいずれかでNOのとき、S6にて通信異常と判定し、S7にて例外制御手段63による過去値保持制御又はフィードフォワード(FF)制御を実行する。
電流指令値演算部71は、トルク指令値trq*、及び、MG82の現在の回転数ωに基づき、マップ又は数式を用いてdq軸電流指令値Id*、Iq*を演算する。
電流減算器72は、dq軸電流指令値Id*、Iq*と、3相2相変換部77からフィードバックされるdq軸電流Id、Iqとの電流偏差ΔId、ΔIqを算出する。
PI演算部73は、dq軸電流偏差ΔId、ΔIqが0に収束するように、PI演算によりdq軸電圧指令値Vd*、Vq*を算出する。
2相3相変換部75は、回転角センサ84から取得される電気角θを用いて、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*を三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に逆dq変換する。
そして、PWM信号に基づいてインバータ40のスイッチング素子41〜46のオン/オフが制御されることにより、三相交流電圧Vu、Vv、Vwが生成される。この三相交流電圧Vu、Vv、VwがMG82に印加されることにより、トルク指令値trq*に応じたトルクが出力されるように、MG82の駆動が制御される。
通常制御手段62の3相2相変換部77は、回転角センサ84から取得される電気角θを用いて、三相電流Iu、Iv、Iwをdq軸電流Id、Iqにdq変換する。
こうして、通常制御手段62の3相2相変換部77は、三相電流の現在値Iu_now、Iv_now、Iw_now、及び、電気角の現在値θnowを用いてdq変換演算を行う。よって、MG82の動作状態を適確に反映したフィードバック制御が実行される。ここで、「現在値」とは、厳密に現在の瞬間値に限らず、通常のフィードバック制御において最新の値として用いられる常識的な時間範囲の値を意味する。
第1の制御である「過去値保持制御」について、図7、図8を参照して説明する。
図7に示す例外制御手段631は、通常制御手段62の構成に加え、過去値保持部76及び角度調整部78を有している。
過去値保持部76は、第1制御装置51から送信された三相電流Iu、Iv、Iwの過去値を保持する。詳しくは、通信異常が発生する直前又はそれ以前に受信した三相電流の過去値Iu_old、Iv_old、Iw_oldを保持し、且つ、3相2相変換部77に出力する。
なお、図6、図7では電流フィードバック制御の構成を示しているが、トルクフィードバック制御の場合は、3相2相変換部77の後、dq軸電流から式(1)を用いて推定トルクtrqを算出し、トルク指令値trq*に対してフィードバックする。トルクフィードバック制御の場合も、例外制御手段631の構成上の特徴は上記と同様である。
ただし、
pm:電動機の極対数
φ:永久磁石の電機子鎖交磁束
Ld、Lq:d軸インダクタンス、q軸インダクタンス
時刻t1、t2では、第1制御装置51からMG−ECU6への強電センサ信号の通信は正常である。したがって、通常制御手段62により、各時刻におけるU相電流の現在値及び電気角の現在値の組(Iu1とθ1、Iu2とθ2)が3相2相変換部77に入力され、通常のフィードバック制御が実行される。
例外制御手段631の過去値保持部76は、通信異常が発生する直前、すなわち時刻t2のU相電流過去値Iu2を3相2相変換部77に出力する。また、角度調整部78は、過去値保持部76が出力するU相電流過去値Iu2と同じ時刻t2の電気角過去値θ2を3相2相変換部77に出力する。
なお、角度調整部78は、時刻t3、t4において通常制御の通り取得した電気角の現在値θ3、θ4を2相3相変換部75に出力する。
このように、通信異常が一時的である場合には、同じタイミングの相電流及び電気角の情報を一組の過去値とし、通信異常期間中に現在値を過去値で代用することで、通常時と同じロジックのフィードバック制御を継続することができる。
通信異常が発生した場合に実行可能な第2の制御である「フィードフォワード制御」について、図9を参照して説明する。
図9に示す例外制御手段632は、電流指令演算部71、フィードフォワード演算部74及び2相3相変換部75を有している。
フィードフォワード演算部74は、周知の電圧方程式においてdq軸電流Id、Iqとしてdq軸電流指令値Id*、Iq*を用いた式(2.1)、(2.2)により、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。
Vq*=(R+sLq)×Iq*+ω×Ld×Id*+ω×φ ・・・(2.2)
ただし、
R:電機子抵抗
s:微分演算子
Ld、Lq:d軸インダクタンス、q軸インダクタンス
ω:電気角速度
φ:永久磁石の電機子鎖交磁束
例外制御手段63は、通信異常の発生時に過去値保持制御又はフィードフォワード制御のいずれか一方を実行してもよく、或いは、状況に応じて過去値保持制御及びフィードフォワード制御を選択する構成としてもよい。例えば、通信異常が発生した直後は過去値保持制御を選択し、通信異常が長期化して現在値と過去値との乖離が大きくなった場合にフィードフォワード制御を選択するというような切り替えが考えられる。
(1)パワー部5とMG−ECU6とが離間して設けられ、パワー部5に入力された強電センサ信号をパワー部5からMG−ECU6に通信する構成のMG制御装置において、本実施形態では、強電センサ信号が第1制御装置51でデジタル変換されて送信される。これにより、強電センサ信号をアナログ信号のまま送信する第1比較例に対し、ノイズによるセンサ情報のずれによりMG82の制御が正常にできなくなることを防止することができる。
これにより、通信異常の発生時にインバータ40の駆動を停止することなく、MG82への通電を継続することができる。したがって、通信異常の発生及び正常復帰が頻繁に繰り返される場合に、都度、通電を遮断したり再通電したりしないため、MG82の駆動を安定させることができる。また、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機モータとして適用されるMG82の場合、通信異常の発生のみによって車両を停止させる事態を回避することができる。
過去値保持制御では、通信異常が一時的であり短期間で正常復帰することを前提とすると、強電センサ信号の現在値を一時的に過去値で代用することで、通常時と同じロジックのフィードバック制御を継続することができる。
フィードフォワード制御は、例えば、通信異常が長期化して現在値と過去値との乖離が大きくなり、過去値を代用することが困難な場合に有効である。また、電流指令値として最新の値を用いることができる点で好適である。
本発明の第2実施形態について、図10を参照して説明する。
図10に示すように、第2実施形態のMG制御装置102は、MG−ECU602の第2制御装置61からパワー部5へのインバータ40の制御信号の出力に関する構成が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、第2制御装置61が演算した電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づいて、MG−ECU602内部のPWM信号生成部69でPWM信号を生成し、直接インバータ40に出力する。すなわち、第1実施形態のようにパワー部5の第1制御装置51を経由することなくインバータ40を駆動するため、構成が単純になる。
(ア)本発明の「交流電動機の制御装置」として、上記実施形態では、シリーズパラレルハイブリッド自動車において2つのMG81、82の駆動を制御するMG制御装置を例示した。他の実施形態では、本発明の「交流電動機の制御装置」は、1つ、又は3つ以上のMGを備えるハイブリッド自動車や電気自動車に適用されてもよい。また、車両の主機モータ以外に、車両の補機用や、車両以外の電車、昇降機、一般機械等に用いられる交流電動機の制御装置として適用されてもよい。
さらに本発明は、三相交流電動機に限らず、三相以上の多相の交流電動機に広く適用可能である。
さらに、MG−ECU6は、昇圧制御においてパワー部5から入力電圧VLを取得する代わりに、バッテリECU14からバッテリ電圧VBを取得してもよい(図1参照)。
(エ)インバータの制御は、PWM制御に限らず、位相制御や瞬時電流制御等を用いてもよい。
(カ)上記実施形態では、回転角センサからの電気角信号をアナログデジタル変換器でサンプリングしているが、回転角センサがレゾルバの場合、レゾルバデジタル(R/D)変換器を用いて角度変換を実施してもよい。
また、電流センサを一相のみに設け、通常制御手段62及び例外制御手段631は、一相のセンサ値から他の二相の電流を推定してフィードバック制御を行うようにしてもよい(特開2013−172591号公報等参照)。
一方、特に高回転領域では、制御周期1周期での電流変化が少なくなるため、例外制御手段63により、過去値保持制御又はフィードフォワード制御を採用してもよい。
15・・・バッテリ、
29、37、38、39、47、48、49・・・電流センサ(強電センサ)、
27、28・・・電圧センサ(強電センサ)、
30、40・・・インバータ(駆動回路)、
5 ・・・パワー部、 51・・・第1制御装置、
55・・・第1伝達装置、 56・・・第1通信線(通信線)、
6 ・・・MG−ECU(主演算部)、 61・・・第2制御装置、
62・・・通常制御手段、 63・・・例外制御手段、 67・・・切替手段、
81、82・・・MG(モータジェネレータ、交流電動機)。
Claims (5)
- 直流電源(15)からの直流電力を変換し三相以上の多相の交流電動機(81、82)を駆動する駆動回路(30、40)、前記直流電源から前記交流電動機までの電力経路における電流又は電圧を検出する強電センサ(37、38、39、47、48、49)から強電センサ信号が入力される第1制御装置(51)、及び、前記第1制御装置に入力された前記強電センサ信号をデジタル信号として送信する第1伝達装置(55)を含むパワー部(5)と、
前記パワー部と離間して設けられ、前記第1伝達装置と通信線(56)によって接続されており、前記パワー部から送信された前記強電センサ信号の情報、及び、前記交流電動機の回転角を検出する回転角センサ(83、84)から取得した電気角信号の情報に基づいて前記駆動回路の制御信号を生成する第2制御装置(61)を含む主演算部(6、602)と、
を備え、
前記パワー部または前記主演算部は、
前記パワー部から前記主演算部への前記強電センサ信号の通信に異常が発生したことを判定する異常判定手段(54、65、66)を有しており、
前記主演算部の前記第2制御装置は、
前記強電センサ信号の現在値を用いて前記駆動回路の制御信号を生成する通常制御手段(62)と、
前記強電センサ信号の現在値以外の情報を用いて前記駆動回路の制御信号を生成する例外制御手段(63)と、
前記通常制御手段による通常制御と前記例外制御手段による例外制御とを切り替える切替手段(67)と、
を有しており、
前記切替手段は、
前記強電センサ信号が正常に通信されているとき、前記通常制御手段による通常制御を選択し、
前記強電センサ信号の通信に異常が発生したとき、前記例外制御手段による例外制御を選択することを特徴とする交流電動機の制御装置(101、102)。 - 前記例外制御手段(631)は、
前記通常制御時に前記パワー部から送信された前記強電センサ信号の過去値、及び、前記回転角センサから取得した電気角信号の過去値を保持し、
前記通常制御から前記例外制御に切り替わったとき、当該切替以前の同じタイミングの前記強電センサ信号と前記電気角信号とを用いてフィードバック演算を行う過去値保持制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の交流電動機の制御装置。 - 前記例外制御手段(632)は、
電流指令値、及び、前記交流電動機の回転数に基づくフィードフォワード制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の交流電動機の制御装置。 - 直流電源(15)からの直流電力を変換し三相以上の多相の交流電動機(81、82)を駆動する駆動回路(30、40)、前記直流電源から前記交流電動機までの電力経路における電流又は電圧を検出する強電センサ(37、38、39、47、48、49)から強電センサ信号が入力される第1制御装置(51)、及び、前記第1制御装置に入力された前記強電センサ信号をデジタル信号として送信する第1伝達装置(55)を含むパワー部(5)と、
前記パワー部と離間して設けられ、前記第1伝達装置と通信線(56)によって接続されており、前記パワー部から送信された前記強電センサ信号の情報、及び、前記交流電動機の回転角を検出する回転角センサ(83、84)から取得した電気角信号の情報に基づいて前記駆動回路の制御信号を生成する第2制御装置(61)を含む主演算部(6、602)と、
を備え、
前記主演算部の前記第2制御装置は、
前記強電センサ信号の現在値を用いて前記駆動回路の制御信号を生成する通常制御手段(62)と、
前記強電センサ信号の現在値以外の情報を用いて前記駆動回路の制御信号を生成する例外制御手段(63)と、
前記通常制御手段による通常制御と前記例外制御手段による例外制御とを切り替える切替手段(67)と、
を有しており、
前記例外制御手段(631)は、
前記通常制御時に前記パワー部から送信された前記強電センサ信号の過去値、及び、前記回転角センサから取得した電気角信号の過去値を保持し、
前記通常制御から前記例外制御に切り替わったとき、当該切替以前の同じタイミングの前記強電センサ信号と前記電気角信号とを用いてフィードバック演算を行う過去値保持制御を実行することを特徴とする交流電動機の制御装置(101、102)。 - 前記主演算部は、前記第2制御装置が演算した相電圧指令値を前記駆動回路の制御信号として前記パワー部の前記第1制御装置に送信し、
前記第1制御装置は、当該相電圧指令値に基づいて前記駆動回路を駆動する駆動信号を生成し前記駆動回路に出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置(101)。
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