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JP6285194B2 - ハニカム構造体及び排ガス浄化装置 - Google Patents

ハニカム構造体及び排ガス浄化装置 Download PDF

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JP6285194B2 JP2014020601A JP2014020601A JP6285194B2 JP 6285194 B2 JP6285194 B2 JP 6285194B2 JP 2014020601 A JP2014020601 A JP 2014020601A JP 2014020601 A JP2014020601 A JP 2014020601A JP 6285194 B2 JP6285194 B2 JP 6285194B2
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Description

本発明は、ハニカム構造体及び排ガス浄化装置に関する。更に詳しくは、その内部の温度を高精度で測定することができ、熱電対などの温度測定用プローブの交換が容易であるハニカム構造体及び排ガス浄化装置に関する。
従来、各種エンジン等から排出される排ガスに含まれる微粒子を除去して排ガスを浄化するために、ハニカム構造のフィルタ(ハニカム構造体)を備える排ガス浄化装置が用いられている。この排ガス浄化装置は、フィルタの一方の端部側から微粒子を含む排ガスを流入させると、フィルタの隔壁で微粒子を濾過し、浄化されたガスをフィルタの他方の端部側から排出する。このようにして、上記排ガス浄化装置は、排ガスを浄化する。
そして、この排ガス浄化装置には、ハニカム構造体の内部の温度を把握するために、ハニカム構造体の後方に熱電対が用いられ、この熱電対が、ハニカム構造体から排出されたガスの温度を測定する(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−10654号公報
しかしながら、特許文献1に記載の排ガス浄化装置は、ハニカム構造体から排出されたガスの温度を測定しているため、ハニカム構造体内部の温度とは誤差が生じているおそれがあった。即ち、ハニカム構造体内部の温度を直接測定するものではないため、測定される排ガスの温度と本来のハニカム構造体の温度との間で、ずれが生じていることがあった。このようなずれが生じているため、触媒劣化の判定について余裕を持たせる必要があった。つまり、所定の期間以上、所定以上の温度に曝されると、触媒は、劣化して、触媒機能が十分に得られなくなってしまう。そのため、熱電対からの温度情報に基づいて触媒の劣化の基準を設定し、触媒劣化の有無を判定している。この「触媒の劣化の基準」は、上記のように温度にはずれが生じているため、必要以上に余裕を持たせて設定されている。
このようなことから、ハニカム構造体内部の温度を高い精度で測定可能であり、また、熱電対などの温度測定用プローブが破損した場合などにおいて、温度測定用プローブを容易に交換できるハニカム構造体及び排ガス浄化装置の開発が切望されていた。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。その課題とするところは、内部の温度を直接測定することができ、熱電対などの温度測定用プローブの交換が容易であるハニカム構造体及び排ガス浄化装置を提供することにある。
本発明によれば、以下に示す、ハニカム構造体及び排ガス浄化装置が提供される。
[1] 流体の流路となり前記流体が流入する一方の端面である流入端面から前記流体が流出する他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム基材と、前記ハニカム基材の所定のセルである入口セルの前記流出端面側の開口部及び残余のセルである出口セルの前記流入端面の開口部に配設された目封止部と、を備え、前記ハニカム基材に、前記ハニカム基材の側面に開口部を有する温度測定用プローブ挿入用の溝部が少なくとも1つ形成され、前記溝部の前記開口部の、前記ハニカム基材の周方向の長さが、0.5〜20mmであり、前記ハニカム基材の外周部の前記隔壁を貫通しないように形成されているハニカム構造体。
[2] 前記ハニカム基材が、複数のハニカムセグメントと前記複数のハニカムセグメントを互いに接合する接合層とを有し、前記ハニカム基材の前記接合層のみに、前記溝部が形成されている前記[1]に記載のハニカム構造体。
] 前記溝部の深さが、1mm以上である前記[1]または[2]に記載のハニカム構造体。
] 前記溝部の前記開口部の、前記ハニカム基材のセルの延びる方向の長さが、0.5mm以上である前記[1]〜[]のいずれかに記載のハニカム構造体。
] 前記[1]〜[]のいずれかに記載のハニカム構造体と、排ガスが流入する流入口、浄化された排ガスが流出する流出口、及び前記流入口と前記流出口との間に位置する胴部を有し、前記胴部に前記ハニカム構造体を収納する缶体と、を備え、前記缶体は、前記胴部に、前記ハニカム構造体の前記ハニカム基材に形成された前記溝部の開口部の面積以上の面積の開口部を有する貫通孔が少なくとも1つ形成され、前記ハニカム構造体は、前記ハニカム基材に形成された前記溝部と前記缶体の前記貫通孔とが連通する位置に配置され、更に、前記缶体の前記貫通孔を通り、前記ハニカム構造体の前記ハニカム基材の前記溝部に挿入されて、前記ハニカム構造体内部の排ガスの温度を測定する温度測定用プローブを備える排気浄化装置。
本発明のハニカム構造体は、ハニカム基材に溝部を形成し、この溝部に熱電対などの温度測定用プローブを挿入してハニカム構造体内部に配置できるのでハニカム構造体内部の温度を直接測定できる。その結果、ハニカム構造体内部の温度を高精度で測定することができる。また、本発明のハニカム構造体は、溝部に挿入されている温度測定用プローブを抜き取り、その後、新しい温度測定用プローブを溝部に挿入すればよいので温度測定用プローブの交換が容易である。
本発明の排ガス浄化装置は、ハニカム構造体のハニカム基材に溝部を形成し、この溝部に測定用プローブを挿入してハニカム構造体内部に配置できるのでハニカム構造体内部の温度を直接測定できる。その結果、ハニカム構造体内部の温度を高精度で測定することができる。また、本発明の排ガス浄化装置は、缶体の貫通孔とハニカム構造体のハニカム基材の溝部に挿入されている温度測定用プローブを抜き取り、その後、新しい温度測定用プローブを缶体の貫通孔とハニカム構造体のハニカム基材の溝部に挿入すればよいので温度測定用プローブの交換が容易である。
本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態におけるハニカム構造体のセルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。 温度測定試験におけるエンジン、DOC、及び排ガス浄化装置の配列を示す模式図である。 温度測定試験における測定条件(時間、エンジントルク、エンジン回転数)を示すグラフである。 ハニカム構造体の一方の端面側から見た、温度測定試験における温度の測定位置を模式的に示す平面図である。 図6Aに示すA−A’断面を模式的に示す断面図である。 図6Aに示すB−B’断面を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体の一実施形態は、図1に示すハニカム構造体100である。ハニカム構造体100は、流体の流路となり流体が流入する一方の端面である流入端面11から流体が流出する他方の端面である流出端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1を有するハニカム基材10を備える。更に、ハニカム構造体100は、セル2のうちの所定のセルであるの一方の端部及び残余のセルの他方の端部に配設される目封止部25を備える。そして、ハニカム構造体100は、ハニカム基材10の側面に開口部を有する温度測定用プローブ挿入用の溝部20が少なくとも1つ形成されている。そして、ハニカム基材10の周方向における溝部20の開口部の長さ(即ち、溝部20の開口部の、ハニカム基材10の周方向の長さ)は、0.5〜20mmである。そして、溝部20は、ハニカム基材10の外周部の隔壁1を貫通しないように形成されている
具体的には、ハニカム構造体内部の温度は、ハニカム構造体の軸方向(即ち、ハニカム構造体のセルの延びる方向)、及び径方向において均一ではない。また、実際にハニカム構造体が高温になるのは、ハニカム構造体の内部のうちの一部である。そのため、ハニカム構造体の数十mm下流(即ち、ハニカム構造体の外部)に配置した熱電対でハニカム構造体内部の温度を正確に把握することは難しく、測定される排ガスの温度と本来のハニカム構造体の温度との間には大きな誤差が生じているという問題がある。このように、測定される排ガスの温度と本来のハニカム構造体の温度との間で、ずれが生じていることがあった。そのため、触媒劣化の判定について余裕を持たせる必要があった。つまり、所定の期間以上、所定以上の温度に曝されると、触媒は、劣化して、触媒機能が十分に得られなくなってしまう。そのため、熱電対などの温度測定用プローブ(以下、単に「測定用プローブ」と記す場合がある)からの温度情報に基づいて触媒の劣化の基準を設定し、触媒劣化の有無を判定している。この「触媒の劣化の基準」は、上記のように温度にはずれが生じているため、必要以上に余裕を持たせて設定されている。このように、温度の誤差を考慮して、担持させる触媒の量を多く見積もる必要があった。つまり、触媒が無駄になっていることがあった。一方、ハニカム構造体100は、ハニカム基材10に溝部20を形成し、この溝部20に熱電対(測定用プローブ)30(図3参照)を挿入してハニカム構造体100内部の温度を直接測定している。そのため、上記のような問題は生じず、ハニカム構造体100内部の温度を高精度で測定することができる。また、触媒を無駄にすることを防止できる。
また、ハニカム構造体100は、溝部20に挿入されている熱電対30を抜き取り、その後、新しい熱電対30を溝部20に挿入すればよいので熱電対30の交換が容易である。例えば、熱電対の故障時の修理が容易である。
更に、従来技術であってもハニカム構造体内部に測定用プローブを挿入することも可能ではある。この場合、出口端面側から測定用プローブを挿入することになるが、測定用プローブを挿入する際に、測定用プローブが隔壁と接触して隔壁が破損することがある。また、排ガスの流路であるセル内に沿って測定用プローブを挿入することになるため、流路抵抗が高くなり、その結果、圧力損失が増大してしまうという問題がある。また、上記のように測定用プローブをセル内に挿入するため、長い測定用プローブが必要になり、その結果、コストアップになってしまう。また、測定用プローブが長くなると、排ガスの流れによる影響が大きくなる。具体的には、排ガスによって測定用プローブが、セル内で動き、ハニカム構造体(隔壁)を破損する。更に、測定用プローブは、特定のセル内に挿入する必要があるが、その場合には、一度コンバーターを解体した後に測定用プローブを挿入する必要がある。そのため、コストや作業時間がかかってしまう。
図1は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。
[1−1]ハニカム基材:
ハニカム基材10には、上述のように、測定用プローブ挿入用の溝部20が少なくとも1つ形成されている。この溝部20は、開口部のハニカム基材10の周方向の長さが、0.5〜20mmである。「溝部」は、ハニカム構造体の内部の温度を測定する測定用プローブを挿入するための穴であり、更に言えば、測定用プローブ(特に測定用プローブのセンサの先端部)と嵌り合う穴のことである。
溝部の開口部の形状は、測定用プローブを挿入可能であれば特に制限はない。即ち、測定用プローブの形状(特に、測定用プローブのセンサの先端部)にあわせて適宜設定することができる。溝部の開口部の形状としては、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形などを挙げることができる。なお、開口部の形状が長方形である場合、溝部は「スリット」ということもできる。図1に示す溝部20は、開口部の形状が長方形であり、「スリット」ということもできる。
溝部の開口部の、ハニカム基材の周方向の長さ(以下、「溝部の幅」と記す場合がある)は、0.5〜10mmであることが好ましく、0.5〜3.0mmであることが更に好ましく、0.5〜1.0mmであることが特に好ましい。溝部の幅が上記下限値未満であると、測定用プローブが挿入できないおそれがある。溝部の幅が上記上限値超であると、熱電対などの測定用プローブを溝部に挿入した際に、測定用プローブがあることに起因して圧力損失が増加しすぎてエンジン出力の低下を引き起こすおそれがある。「溝部の開口部の、ハニカム基材の周方向の長さ」は、「溝部の開口部の、ハニカム基材の周方向の長さ」が1つの溝部において複数得られるときは、「溝部の開口部の、ハニカム基材の周方向の長さ」の最大の長さをいう。なお、「1つの溝部において複数得られるとき」とは、1つの溝部においても上記「溝部の開口部の、ハニカム基材の周方向の長さ」が均一でないときのことを意味する。「溝部の幅」は、図1中の符号「H」で示す。
溝部の開口部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ(以下、「溝部の長さ」と記す場合がある)は、下限値が0.5mmであることが好ましい。また、溝部の長さは、上限値が、ハニカム基材の全長の50%であることが好ましく、ハニカム基材の全長の30%であることが更に好ましく、ハニカム基材の全長の15%であることが特に好ましい。溝部の長さが上記下限値未満であると、熱電対などの測定用プローブを挿入できないおそれがある。溝部の長さが上記上限値超であると、ハニカム基材の全長方向に対する耐せん断応力性能が低下するおそれがある。「溝部の開口部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ」は、「溝部の開口部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ」が1つの溝部において複数得られるときは、「溝部の開口部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ」の最大の長さをいう。なお、「1つの溝部において複数得られるとき」とは、1つの溝部においても上記「溝部の開口部の、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さ」が均一でないときのことを意味する。「溝部の長さ」は、図3中の符号「L」で示す。
溝部の深さは、1mm以上であることが好ましい。溝部の深さが1mm未満であると、ハニカム基材の内部の温度を精度良く推定することができないおそれがある。なお、「溝部の深さ」は、1つの溝部において複数得られるときは、つまり、1つの溝部においても上記深さが均一でないときは、溝部の開口部からの距離が最も遠い位置における深さをいう。「溝部の深さ」は、図3中の符号「D」で示す。
また、溝部の深さは、1mm以上であり且つ「外周から面積重心までの距離に対する溝部の深さの比([溝部の深さ/外周から面積重心までの距離]×100)が10%以上である」ことを満たすことが好ましい。このようにすることで、より測定精度を高くすることができる。なお、「面積重心」とは、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直行する断面において、ハニカム構造体の外周縁により描かれる図形の重心のことである。また、「外周から面積重心までの距離」とは、上記断面において上記「面積重心」から「ハニカム基材の外周縁」に引いた直線のうち最も短いものを意味する。即ち、ハニカム構造体が円柱状である場合には、「外周から面積重心までの距離」は、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直行する断面におけるハニカム構造体の半径ことである。
更に、溝部の深さは、1mm以上であり且つ「外周から面積重心までの距離に対する溝部の深さの比([溝部の深さ/外周から面積重心までの距離]×100)が25%以上である」ことを満たすことが好ましい。このようにすることで、更に測定精度を高くすることができる。
なお、溝部の深さは、深い方が好ましく、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面における中央部まで溝部が延びていることが好ましい。「中央部」は、具体的には、面積重心のことをいう。
溝部は、1〜5個形成されることが好ましく、1〜4個形成されることが更に好ましく、1〜3個形成されることが特に好ましい。溝部を複数形成することにより、より正確にハニカム構造体内部の排ガスの温度を測定できる。
なお、溝部が複数形成される場合、各溝部は同じ形状であってもよいし異なっていてもよい。
溝部を形成する位置は特に制限されない。例えば、ハニカム基材が、複数のハニカムセグメントと複数のハニカムセグメントを互いに接合する接合層とを有する場合(セグメント構造のハニカム基材)、ハニカム基材の接合層(即ち、接合層のみ)に溝部を形成することができる。また、接合層以外の部分に溝部を形成してもよい。つまり、溝部が、ハニカム基材の外周部の隔壁を貫通するように形成されていてもよい。なお、セグメント構造のハニカム基材では、溝部を、接合層またはこの接合層以外の部分のいずれか、或いは両方に形成できる。一方で、図2に示すハニカム構造体100のように押出成形等により一体に成形されるハニカム構造体(ハニカム基材)では、接合層が存在しないため、溝部は、ハニカム基材の外周部の隔壁を貫通するように形成されることになる。本明細書において「ハニカムセグメント」は、「ハニカムセグメント焼成体」と記す場合がある。
「セグメント構造のハニカム基材」の場合、溝部がハニカム基材の接合層に形成されていることが好ましい。即ち、「セグメント構造のハニカム基材」である場合、溝部を形成する位置は、ハニカム基材の接合層であることが好ましい。このように溝部を形成すると、セル内を流れる排ガスが溝部を通って外部に漏れ出てしまうことを防止できる。また、セル内に測定用プローブ(以下、「熱電対」と記す場合がある)が配置されることに起因して排ガスの流れが悪くなり、圧力損失が増大してしまうことを防止できる。
「セグメント構造のハニカム基材」である場合、溝部の全てがハニカム基材の接合層に形成されていることが好ましい。このようにすることにより、上記排ガスが溝部を通って外部に漏れ出てしまうこと、及び圧力損失が増大してしまうことを更に良好に防止できる。
図1に示すハニカム構造体100は、複数のハニカムセグメント22と複数のハニカムセグメント22を互いに接合する接合層24とを有している。そして、このハニカム構造体100は、ハニカム基材10の接合層24に、3つの溝部20の全てが形成されている。3つの溝部20の全ては、ハニカム構造体100の側面においてハニカム構造体100の流入端面から流出端面12まで延びる1つの接合層24に、ハニカム基材10のセル2の延びる方向における位置を異ならせて形成されている。ハニカム構造体100の溝部20の開口部の形状は、ハニカム構造体100のセル2の延びる方向に長い長方形である。
また、図2に示すハニカム構造体101は、押出成形等により一体に成形されたものであり、このハニカム構造体101は、溝部20が、ハニカム基材10の外周部の隔壁1を貫通するように形成されている。ハニカム構造体101のように、溝部20がハニカム基材10の外周部の隔壁を貫通するように形成されている場合、溝部20に測定用プローブを挿入した後、溝部の開口部をセメント材などによって塞ぐことが好ましい。この溝部の開口部から排ガスが漏れ出てしまうことを防止するためである。セメント材としては、例えば、無機繊維、無機バインダ、有機バインダ、無機粒子、及び発泡樹脂から構成される材料を挙げることができる。具体的には、無機繊維としては、例えば、アルミノシリケート及びアルミナ等の酸化物繊維、その他の繊維(例えば、SiC繊維)等を挙げることができる。無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、粘土等を挙げることができる。有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルローズ(CMC)、メチルセルロース(MC)等を挙げることができる。無機粒子としては、例えば、炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト等のセラミックスを挙げることができる。また、このようなセメント材以外に、外周コート層を構成する外周コート材によって溝部の開口部(熱電対の挿入後の溝部の開口部)を塞いでもよい。図2は、本発明のハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。
溝部の、ハニカム基材のセルの延びる方向における形成位置(長さ方向の形成位置)は、入口端面からの距離が、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さの5〜95%の範囲内であることが好ましい。更に、上記「長さ方向の形成位置」は、入口端面からの距離が、ハニカム基材のセルの延びる方向の長さの10〜90%の範囲内であることが更に好ましく、10〜50%の範囲内であることが特に好ましい。上記「長さ方向の形成位置」が上記上限値超であると、測定精度の向上が十分に図れないおそれがある。
溝部を複数形成する場合、溝部の配置は適宜決定することができるが、例えば、以下のように溝部を配置することが好ましい。1つ目の溝部を入口端面側の端部に配置し、2つ目の溝部をハニカム基材のセルの延びる方向における中央(入口端面と出口端面との中間)に配置する。このように溝部を配置することにより、従来の方法では温度の推定精度が十分でない領域(具体的には、入口端面から中央部までの領域)の温度を精度良く推定できる。
溝部には、温度測定用プローブの他に、特定のガスの種類や濃度を検知できるセンサを挿入することもできる。
ハニカム基材10の隔壁の厚さは、120〜500μmであることが好ましく、200〜450μmであることが更に好ましく、250〜400μmであることが特に好ましい。上記隔壁の厚さが120μm未満であると、隔壁の強度が不足するおそれがある。一方、500μm超であると、圧力損失が増加するおそれがある。
ハニカム基材10の隔壁の気孔率は、30〜75%であることが好ましく、35〜70%であることが更に好ましく、40〜65%であることが特に好ましい。上記気孔率が30%未満であると、圧力損失が増加するおそれがある。一方、75%超であると、隔壁の強度が低下してしまうおそれがある。ここで、本明細書において「気孔率」は、水銀ポロシメータで測定した値である。
ハニカム基材10の隔壁の平均細孔径は、5〜35μmであることが好ましく、8〜30μmであることが更に好ましく、10〜25μmであることが特に好ましい。上記平均細孔径が5μm未満であると、圧力損失が増加するおそれがある。一方、35μm超であると、排ガスの浄化性能が低下するおそれがある。ここで、本明細書において「平均細孔径」は、水銀ポロシメータで測定した値である。
ハニカム基材10のセル密度は、15〜70セル/cmであることが好ましく、30〜65セル/cmであることが更に好ましく、38〜55セル/cmであることが特に好ましい。上記セル密度が15セル/cm未満であると、ススが堆積した後の圧力損失が増加するおそれがある。一方、70セル/cm超であると、圧力損失が増加するおそれがある。
隔壁の材料としては、セラミック材料が好ましい。強度及び耐熱性に優れるという観点からは、コージェライト、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましい。これらの中でも、コージェライトが好ましい。
ハニカム基材10のセル2の延びる方向に直交する断面におけるセル2の形状は、四角形状、六角形状などをとすることができる。
ハニカム基材10(ハニカム構造体100)のセルの延びる方向の長さは、50〜400mmとすることができる。また、ハニカム構造体100の端面が円形である場合、端面の直径は、100〜400mmとすることができる。
ハニカム基材10の形状は、円柱状、楕円柱状、四角柱状、六角柱状などをとすることができる。これらの中でも、円柱状、四角柱状が好ましい。
ハニカム基材は、複数のハニカムセグメントと複数のハニカムセグメントを互いに接合する接合層とを有する接合体であってもよい。この場合、上述したように、溝部は、接合層に形成することが好ましい。
[1−2]目封止部:
ハニカム構造体100は、ハニカム基材10の所定のセル2である入口セルの流出端面12側の開口部と残余のセル2である出口セルの流入端面11の開口部とに配設された目封止部25を備えるものである。
目封止部は、流入端面側及び流出端面側のいずれかの端部でセルを目封止するように形成されている限り、その配置状態は特に限定されるものではない。例えば、目封止部25は、入口セルと出口セルとが交互に配置されるように配設されることが好ましい。
目封止部の深さ(セルの延びる方向の長さ)は、1〜20mmであることが好ましく、2〜15mmであることが更に好ましく、3〜10mmであることが特に好ましい。
目封止部の材質は、隔壁の材質と同じものとすることができる。
図1に示すハニカム構造体100は、外周コート層26を有しているが、外周コート層26を有さなくてもよい。外周コート層26は、セラミック材料をハニカム構造体の外周に塗工して形成することができる。また、外周コート層26は、ハニカム構造体が押出成形等により一体に成形されるものである場合、ハニカム基材10を作製する過程において隔壁とともに形成されてもよい。
[1−3]触媒:
本発明のハニカム構造体は、ハニカム基材の隔壁の表面や隔壁の細孔の内表面に触媒が担持されていてもよい。
触媒としては、例えば、三元触媒、NO吸蔵還元触媒、酸化触媒、NO選択還元触媒などを挙げることができる。また、上述した触媒以外にも、排ガス中の有害成分や煤等の酸化、NOxの浄化に適切な触媒種を適宜選択することができる。
[2]排ガス浄化装置:
本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態は、図3に示す排ガス浄化装置200である。この排ガス浄化装置200は、上述したハニカム構造体100と、ハニカム構造体100を収納する缶体150と、を備えている。缶体150は、排ガスが流入する流入口51、浄化された排ガスが流出する流出口52、及び流入口51と流出口52との間に位置する胴部53を有し、胴部53にハニカム構造体100を収納している。缶体150は、「ハニカム構造体100のハニカム基材10に形成された溝部20の開口部の面積以上の面積」の開口部を有する貫通孔55が少なくとも1つ形成されている。そして、ハニカム構造体100は、ハニカム基材10に形成された溝部20と缶体150の貫通孔55とが連通する位置に配置されている。排ガス浄化装置200は、缶体150の貫通孔55を通り、ハニカム構造体100のハニカム基材10の溝部20に挿入されてハニカム構造体100内部に配置され、ハニカム構造体100内部の排ガスの温度を測定する熱電対(測定用プローブ)30を備えている。図3は、本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態におけるハニカム構造体のセルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。図3は、3つの熱電対のうち、1つを取り外した状態を示す。
このような排ガス浄化装置200は、ハニカム構造体100のハニカム基材10に溝部20を形成し、この溝部20に熱電対(測定用プローブ)30を挿入してハニカム構造体100内部の温度を直接測定している。そのため、ハニカム構造体100内部の温度を高精度で測定することができる。また、排ガス浄化装置200は、以下の操作で熱電対(測定用プローブ)30を交換できるので測定用プローブの交換が容易である。即ち、缶体150の貫通孔55とハニカム構造体100のハニカム基材10の溝部20に挿入されている熱電対30を抜き取り、その後、新しい熱電対30を缶体150の貫通孔55とハニカム構造体100のハニカム基材10の溝部20に挿入すればよい。このように排ガス浄化装置200は、熱電対などの測定用プローブの交換が容易である。
「溝部の開口部の面積以上の面積の開口部を有する貫通孔」とは、貫通孔が、以下のような開口部を有することを意味する。即ち、缶体とハニカム構造体との位置を調整し、溝部と缶体の貫通孔とを連通させたときに、貫通孔の開口部の面積が小さ過ぎて溝部の一部が缶体の胴部によって覆われてしまうことがない程度の面積の開口部を、貫通孔が有することを意味する。つまり、溝部が、缶体の胴部によって覆われてしまうことが防止できる。
[2−1]缶体:
缶体には、上述したように、ハニカム構造体のハニカム基材に形成された溝部の開口部の面積以上の面積の開口部を有する貫通孔が少なくとも1つ形成されている。
缶体の貫通孔は、ハニカム基材に形成された溝部の開口部と同じ形状、同じ数、及び同じ配置で形成されていることが好ましい(図3参照)。
本発明の排ガス浄化装置において、ハニカム構造体は、その外周面を覆うように配置された保持材により保持された状態で、缶体内に固定された状態で収納される。
排ガス浄化装置200の缶体150は、流入口51から胴部53まで口径が漸増する拡管部56と、胴部53から流出口52まで口径が漸減する狭管部57とを更に有している。
缶体150の材質としては、例えば、ステンレス製であることが好ましく、クロム系、クロム・ニッケル系のステンレス製であることが特に好ましい。
[2−2]測定用プローブ:
測定用プローブは、センサ部分がハニカム構造体の溝部に挿入可能な大きさである限り特に制限はなく、従来公知の測定用プローブを用いることができる。測定用プローブとしては、例えば、温度測定用プローブなどを挙げることができる。温度測定用プローブとしては、熱電対、サーミスタなどを挙げることができる。熱電対としては、例えば、K熱電対、J熱電対、T熱電対、E熱電対、N熱電対、R熱電対などを挙げることができる。これらの熱電対やサーミスタのセンサ(溝部に挿入される部分)としては、直径が0.5mmなどのものを採用することができる。
[3]ハニカム構造体の製造方法:
本発明のハニカム構造体は、例えば以下のように製造することができる。セグメント構造のハニカム構造体について説明する。
まず、ハニカム基材を作製するための坏土を調整し、この坏土を成形して、ハニカムセグメント成形体を作製する(成形工程)。
次に、得られたハニカムセグメント成形体(または、必要に応じて行われた乾燥後のハニカムセグメント乾燥体)を焼成してハニカムセグメント焼成体を複数個作製する(ハニカムセグメント焼成体作製工程)。
次に、複数のハニカムセグメント焼成体を接合材で接合して、ハニカムセグメント接合体を作製する(接合工程)。この接合工程において、ハニカムセグメント焼成体を接合材で接合する際には、溝部に相当する形状の治具(溝部と相補的な形状の治具)をハニカムセグメント焼成体で挟むようにして配置する。このようにして、治具が配置された部分には、接合材が塗布されないようにする。すると、ハニカムセグメント接合体を得たときに、上記治具を取り除くと溝部を形成することができる。つまり、上記治具を接合材中に埋め込むことにより、所望の空間をなす溝部を簡易に形成することができる。
「溝部に相当する形状の治具」は、この治具を取り除いたときに所望の空間が得られるものであれば特に制限はない。例えば、アルミニウム製などの金属の棒などを挙げることができる。
なお、溝部は、上記治具を用いて形成する方法以外に、切削加工により形成することもできる。
次に、ハニカムセグメント接合体の流入端面における所定のセルである入口セルの開口部、及び流出端面における残余のセルである出口セルの開口部に目封止を施して目封止部を形成する(目封止工程)。このようにして、ハニカム基材がセグメント構造であるハニカム構造体を作製することができる。
[4]排ガス浄化装置の製造方法:
本発明の排ガス浄化装置は、例えば以下のように製造することができる。
まず、上記のようにして、ハニカム構造体を作製する。次に、作製したハニカム構造体の外周面をセラミック繊維製マット等の保持材で包み、缶体の胴部に圧入する。缶体には、上記のように胴部に貫通孔が形成されており、ハニカム構造体を缶体に圧入する際には、ハニカム基材に形成された溝部と缶体の貫通孔とが連通するようにハニカム構造体を調整して配置する。次に、熱電対のセンサの先端部を缶体の貫通孔に通し、ハニカム構造体のハニカム基材の溝部に挿入する。このようにして、本発明の排ガス浄化装置を作製することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合してセラミック原料を得た。得られたセラミック原料に、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加すると共に、水を添加して成形原料とし、成形原料を真空土練機により混練して坏土を作製した。バインダの含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに7質量部であり、造孔材の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに3質量部であり、水の含有量は炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末の合計を100質量部としたときに42質量部であった。
次に、得られた坏土を、押出成形機を用いて成形し、ハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、両端面を所定量切断した。次に、乾燥したハニカム成形体を脱脂し、焼成してハニカム焼成体を得た。脱脂の条件は、550℃で3時間とした。焼成の条件は、アルゴン雰囲気下で、1450℃、2時間とした。このようにしてハニカムセグメント焼成体を得た。そして、このようなハニカムセグメント焼成体を16個作製した。
得られたハニカムセグメント焼成体は、全て、セルの延びる方向に直交する断面が一辺36mmの正方形であり、セルの延びる方向における長さが152mmであった。
次に、得られた16個のハニカムセグメント焼成体について、それぞれの側面同士を接合材で接合し(縦4個×横4個)、乾燥させて、中心軸に直交する断面の形状が正方形のハニカムセグメント接合体(四角柱状のハニカムセグメント接合体)を得た。接合材としては、有機バインダ、発泡樹脂を混合したものに、無機接着剤、分散剤、水を更に混合し、ミキサーにて30分間混練を行って得られたものを用いた。
ハニカムセグメント焼成体を接合材で接合する際には、溝部に相当する板状の治具(溝部と相補的な形状の治具)をハニカムセグメント焼成体で挟むようにして配置した。この治具としては、具体的には、縦1mm、横1mm、長さ100mmのアルミニウム製の棒状部材を1つ用いた。治具は、ハニカムセグメント焼成体の流入端面から治具までの距離が76mmの位置に配置し、ハニカムセグメント焼成体で挟まれる部分の長さ(つまり、「溝部の深さ」に相当する長さ)を54mmとした。このようにして、治具が配置された部分には、接合材が塗布されないようにした。その後、ハニカムセグメント接合体を得たときに、上記治具を取り除き、溝部を形成した。上記治具を接合材中に埋め込むことにより、所望の空間をなす溝部を簡易に形成することができた。
次に、得られた四角柱状のハニカムセグメント接合体の外周部分を切削して円柱状のハニカムセグメント接合体とした。その後、この円柱状のハニカムセグメント接合体の外周部に外周コート材を塗布し外周コート層を形成した。
次に、得られた円柱状のハニカムセグメント接合体について、所定のセルの一方の端部と、残余のセルの他方の端部とに目封止部を形成してハニカム構造体を得た。なお、所定のセルと残余のセルとは、交互に(互い違いに)並ぶようにした。その結果、両端面に、セルの開口部と目封止部とにより市松模様が形成されるようになった。目封止用の充填材には、ハニカムセグメント焼成体と同様の原料を用いた。
次に、得られたハニカム構造体について、出口端面からセル内に熱電対(K熱電対、直径0.5mm)を挿入し、配置した。この熱電対によって測定される温度測定位置は、図6A,図6Bに示す「TC−01」、「TC−02」、及び「TC−03」であった。具体的には、「TC−01」、「TC−02」、及び「TC−03」は、以下のように決定される。即ち、ハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体の中心軸を原点O(図6A参照)として、X軸、Y軸を想定したとき、原点からX軸方向に18mm、Y軸方向に18mmの位置とした。更に、「TC−01」は、流入端面からの距離が15mmの位置である。「TC−02」は、流入端面からの距離が76mmの位置である。「TC−03」は、流入端面からの距離が137mmの位置である。なお、「TC−01」、「TC−02」、及び「TC−03」が、ハニカム構造体内部の温度を測定すべき測定対象部位となる。つまり、この測定対象部位において測定される温度と後述する推定元温度との差が小さいほど、高い精度でハニカム構造体内部の温度を測定できていると考えることができる。図6Aは、ハニカム構造体の一方の端面側から見た、温度測定試験における温度の測定位置を模式的に示す平面図である。図6Bは、図6Aに示すA−A’断面を模式的に示す断面図である。なお、図6A〜図6Cでは、溝部を省略している。
ハニカム構造体は、接合層に1つの溝部が形成されていた。溝部の形成位置は、流入端面から溝部までの距離(ハニカム構造体のセルの延びる方向の距離)が76mmとなる位置であった。溝部の幅(溝部の開口部の、ハニカム基材の周方向の長さ)は1mm(接合層の厚さ(表1,2中、「接合幅」と記す))であった。溝部の長さ(溝部の開口部の、ハニカム基材のセルの延びる方向(表1〜表3中、「全長方向」と記す)の長さ)は1mmであった。溝部の深さ(表1〜表3中、「径方向」と記す)は54mmであった。結果を表1に示す。
また、ハニカム構造体は、直径が144mmであり、セルの延びる方向の長さが152mmであった。また、ハニカム構造体は、隔壁の厚さが0.305mmであり、セル密度が465,000セル/mであった。また、ハニカム構造体は、目封止部の深さが6mmであり、接合層の厚さが1mmであり、外周コート層の厚さが1mmであった。また、ハニカム構造体は、隔壁の気孔率が60%であった。気孔率は水銀ポロシメータで測定した値である。
次に、得られたハニカム構造体に、触媒を担持して、ハニカム触媒体を作製した。触媒としては、CuゼオライトSCR触媒(240g)を用いた。
次に、作製したハニカム触媒体を筒状の缶体内に収納した。缶体は、流入口、流出口、及びこれらの間に胴部を有し、この胴部に貫通孔が形成されていた。ハニカム触媒体は、溝部と缶体の貫通孔とが連通する位置に配置した。その後、溝部に熱電対(K熱電対:直径0.5mm)を挿入して、排ガス浄化装置を作製した。熱電対の配置位置は、図6C中に「TC−B1」で示す位置であった。図6Cは、図6Aに示すB−B’断面を模式的に示す断面図である。
作製した排ガス浄化装置について、以下の方法で、「温度測定試験」を行った。
[温度測定試験]
まず、2リッターのディーゼルエンジン60(図4参照)の直下に、酸化触媒を担持させたフロースルーハニカム担体(DOC)62(図4参照)を配置した。このDOCは、直径が144mmでセルの延びる方向の長さが76mmの円柱状のものであった。また、このDOCは、隔壁の厚さが0.1mmであり、セル密度が620,000セル/mであった。そして、このDOCの後方に排ガス浄化装置200(図4参照)を配置し、この排ガス浄化装置のハニカム構造体の後方10cmの位置(ハニカム構造体の流出端面から10cmの位置)に熱電対64(図4参照)を配置した。図4は、温度測定試験におけるエンジン、DOC、及び排ガス浄化装置の配列を示す模式図である。
次に、ハニカム触媒体内に22g/Lのススを堆積させた。ススを堆積させる条件は、エンジン回転数を2000rpm、エンジントルクを60Nmとした。次に、エンジン回転数1700rpm、エンジントルク80Nmにおいてポストインジェクションを90秒間行い、その後、エンジン回転数1000rpm、トルクを無負荷状態とした状態を200秒間継続した(図5参照)。このときの排ガスの温度変化を熱電対で測定した。なお、図5は、実施例5の温度測定試験における測定条件(時間、エンジントルク、エンジン回転数)を示すグラフである。図5中、「DPF IN」は、フロースルーハニカム担体62と排ガス浄化装置200との中間における排ガスの温度を示す。
そして、推定元温度と実際の温度との最大の差を算出した。具体的には、推定元温度と実測温度との最大誤差は、「推定元となる温度(推定元温度)」と「実際のハニカム構造体内部の温度(実測温度)」との相関から最小二乗法により線形近似を行い、推定元温度と実測温度との最大誤差を算出した値である。なお、「推定元となる温度」は、比較例1の場合、ハニカム構造体の後方の熱電対で測定される温度である。「実際のハニカム構造体内部の温度」は、ハニカム構造体内部(「TC−01」、「TC−02」、及び「TC−03」のそれぞれの位置)を熱電対で直接測定したときの温度である。結果を表1に示す。
Figure 0006285194
表1中、「推定元温度」は、比較例1の場合、ハニカム構造体の後方(TC−OUTの位置)の熱電対64で測定される温度である。「推定元温度」の欄中の「TC−OUT」は、ハニカム構造体の流出端面から10cmの位置の温度を示す。実施例1〜5の場合、「推定元温度」の欄で示す各部位の温度を示す。「TC−A1」、「TC−B1」、及び「TC−C1」は、それぞれ、接合層中に位置し、ハニカム構造体の外周面からの距離L1が54mm位置の温度を示す(図6A,図6C参照)。「TC−B2」は、接合層中に位置し、ハニカム構造体の外周面からの距離L2が17mm位置の温度を示す(図6A,図6C参照)。「TC−B3」は、接合層中に位置し、ハニカム構造体の外周面からの距離L3が5mm位置の温度を示す(図6A,図6C参照)。「TC−B4」は、接合層中に位置し、ハニカム構造体の外周面からの距離L4が1mm位置の温度を示す(図6A,図6C参照)。また、表1中、「外周から面積重心までの距離と溝部の深さの比」は、外周から面積重心までの距離に対する溝部の深さの比のことを示す。
また、表1中、「推定元温度と実測温度との最大誤差(℃)」の欄の「TC−01(入口側)」は、図6A,図6Bに示す「TC−01」の位置における温度を測定したことを示す。「TC−02(中央)」は、図6A,図6Bに示す「TC−02」の位置における温度を測定したことを示す。「TC−03(出口側)」は、図6A,図6Bに示す「TC−03」の位置における温度を測定したことを示す。
(実施例2〜5,比較例1)
まず、実施例1と同様にして表1に示す条件を満たす排ガス浄化装置を作製した。次に、実施例1と同様にして、「温度測定試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
まず、実施例1と同様にして表2に示す条件を満たすハニカム構造体を作製した。次に、作製したハニカム構造体について、「押抜き強度試験」を行い、更に「熱電対挿入容易性」の評価を行った。
[押抜き強度試験]
まず、作製したハニカム構造体のハニカムセグメント焼成体を1つ選択する。選択するハニカムセグメント焼成体は、このハニカムセグメント焼成体と他のハニカムセグメント焼成体とを接合する接合層に溝部が形成されているものとした。次に、選択した1つのハニカムセグメント焼成体の一方の端面に直径30mmの金属製の円柱部材により直接荷重をかけ、ハニカムセグメント焼成体の押抜き強度を測定する。結果を表2に示す。表2に記載する押抜き強度は、比較例2の押抜き強度を100とした場合(比較例2の押抜き強度を基準とした場合)における実施例6〜11の押抜き強度を「比」で表している。なお、80〜100である場合は、『押抜き強度が「良好」である』ということができる。0〜79である場合は、『押抜き強度が「不良」である』ということができる。
表2中、「外周セグメント」は、ハニカム構造体の外周面を構成するハニカムセグメント焼成体のことを示す。「中央セグメント」は、「外周セグメント」以外のハニカムセグメント焼成体のことを示す。
[熱電対挿入容易性]
K熱電対(直径0.5mm)をハニカム構造体の溝部に5回挿入した。その後、以下の評価基準で熱電対の挿入のし易さ(熱電対挿入容易性)の評価を行った。「比較的容易に挿入可能である」場合を「○」とし、「挿入できるが、位置合わせに時間がかかる」場合を「△」とする。
Figure 0006285194
(実施例7〜11,比較例2)
まず、実施例6と同様にして表2に示す条件を満たすハニカム構造体を作製した。次に、実施例6と同様にして、「押抜き強度試験」を行い、更に「熱電対挿入容易性」の評価を行った。結果を表2に示す。なお、実施例9では、「溝部の位置」について実施例5と同じ条件を採用した。つまり、実施例9においては、3つの溝部が実施例5と同様の位置となるように形成されていた。
(実施例12)
まず、実施例1と同様にして表3に示す条件を満たす排ガス浄化装置を作製した。次に、作製した排ガス浄化装置を用いて、以下の方法で「圧力損失」の試験を行った。なお、本実施例においても、ハニカム基材の接合層に溝部が形成されるようにした。
[圧力損失]
排ガス浄化装置に、空気(室温(25℃))をガス流量10m/分の条件で供給して、排ガス浄化装置の前後における圧力を測定し、排ガス浄化装置の圧力損失を算出した。結果を表3に示す。
Figure 0006285194
参考例13〜15,比較例3)
まず、実施例12と同様にして表3に示す条件を満たす排ガス浄化装置を作製した。次に、実施例12と同様にして、「圧力損失」の試験を行った。結果を表3に示す。なお、各実施例においては、ハニカム基材の接合層に溝部が形成されるようにした。このとき、溝部の幅が、ハニカム基材の接合層の厚さ(接合幅(1mm))よりも大きいため、溝部は、接合層からはみ出るように(即ち、接合層以外の部分にも)形成されていた。
本発明のハニカム構造体は、実施例1〜12、参考例13〜15、及び比較例1〜3から明らかなように、内部の温度を高精度で測定でき、熱電対などの温度測定用プローブの交換が容易であることが確認できた。

本発明のハニカム構造体は、自動車等から排出される排ガスを浄化するフィルタとして使用することができる。本発明の排ガス浄化装置は、自動車等から排出される排ガスを浄化するフィルタとして使用することができる。
1:隔壁、2:セル、10:ハニカム基材、11:流入端面、12:流出端面、20:溝部、22:ハニカムセグメント、24:接合層、25:目封止部、26:外周コート層、30:熱電対、51:流入口、52:流出口、53:胴部、55:貫通孔、56:拡管部、57:狭管部、60:ディーゼルエンジン、62:DOC、64:熱電対、100,101:ハニカム構造体、150:缶体、200:排ガス浄化装置、H:溝部の幅、L:溝部の長さ、D:溝部の深さ、L1,L2,L3,L4:距離。

Claims (5)

  1. 流体の流路となり前記流体が流入する一方の端面である流入端面から前記流体が流出する他方の端面である流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム基材と、
    前記ハニカム基材の所定のセルである入口セルの前記流出端面側の開口部及び残余のセルである出口セルの前記流入端面の開口部に配設された目封止部と、を備え、
    前記ハニカム基材に、前記ハニカム基材の側面に開口部を有する温度測定用プローブ挿入用の溝部が少なくとも1つ形成され、
    前記溝部の前記開口部の、前記ハニカム基材の周方向の長さが、0.5〜20mmであり
    記ハニカム基材の外周部の前記隔壁を貫通しないように形成されているハニカム構造体。
  2. 前記ハニカム基材が、複数のハニカムセグメントと前記複数のハニカムセグメントを互いに接合する接合層とを有し、
    前記ハニカム基材の前記接合層のみに、前記溝部が形成されている請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記溝部の深さが、1mm以上である請求項1または2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記溝部の前記開口部の、前記ハニカム基材のセルの延びる方向の長さが、0.5mm以上である請求項1〜のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のハニカム構造体と、
    排ガスが流入する流入口、浄化された排ガスが流出する流出口、及び前記流入口と前記流出口との間に位置する胴部を有し、前記胴部に前記ハニカム構造体を収納する缶体と、を備え、
    前記缶体は、前記胴部に、前記ハニカム構造体の前記ハニカム基材に形成された前記溝部の開口部の面積以上の面積の開口部を有する貫通孔が少なくとも1つ形成され、
    前記ハニカム構造体は、前記ハニカム基材に形成された前記溝部と前記缶体の前記貫通孔とが連通する位置に配置され、
    更に、前記缶体の前記貫通孔を通り、前記ハニカム構造体の前記ハニカム基材の前記溝部に挿入されて、前記ハニカム構造体内部の排ガスの温度を測定する温度測定用プローブを備える排気浄化装置。
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