JP6284498B2 - トルクコンバータ装置 - Google Patents
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Description
入力された回転駆動力(トルク)が、コンバータカバーに圧接させたピストンを介して、
タービンランナに直接伝達されるようになっている。
そこで、ピストンの差動時の差圧変化に伴うトルク伝達容量の変化を細かく設定できるようにすることが求められている。
駆動源の出力回転が入力されるコンバータカバーと、当該コンバータカバーと一体に回転するポンプインペラとで構成したコンバータハウジング内に、共通の回転軸上で前記ポンプインペラに対向配置されたタービンランナと、前記ポンプインペラと前記タービンランナとの間に介在させたステータと、前記ポンプインペラとで形成した流体伝導部を備えており、
前記タービンランナのハブに支持させたロックアップクラッチピストンを、前記タービンランナと前記コンバータカバーとの間に配置して、前記ロックアップクラッチピストンの前記流体伝導部側をアプライ室、前記コンバータカバー側をリリーフ室としたロックアップクラッチ付きトルクコンバータ装置において、
前記ロックアップクラッチピストンを、第1ピストンと、前記第1ピストンよりも外径が小さい第2ピストンとから構成し、
前記第2ピストンを、前記第1ピストンの前記コンバータカバー側で、前記アプライ室と前記リリーフ室との間に差圧を発生させた際に前記第1ピストンよりも先に前記コンバータカバーに接触する位置に配置し、
前記第1ピストンと前記第2ピストンとを、前記第1ピストンと前記第2ピストンとの間に介在させた弾性部材により、前記回転軸方向に相対変位可能、かつ前記回転軸回りに相対回転不能に連結したことを特徴とするロックアップクラッチ付きトルクコンバータ装置。
ここで、第1ピストンと第2ピストンとの間に弾性部材が介在しているので、
弾性力の異なる複数の弾性部材の中から、適切な弾性力の弾性部材を選択することで、第2ピストンに遅れてコンバータカバーに接触した第1ピストンの圧接力を調整できるので、トルク伝達容量の変化を細かく設定できることになる。
図1は、実施の形態にかかるトルクコンバータ装置1を説明する断面図である。
図2は、トルクコンバータ装置1のロックアップクラッチピストン周りを説明する図であり、(a)ロックアップクラッチピストン(第1ピストン8、第2ピストン9)周りの拡大図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図であり、(c)は、内径側壁部401とフェーシング材92との間の隙間Saを説明する図であり、(d)は、変形例に係るフェーシング材92Aを説明する図である。
このステータ6は、図示しない変速機ケースに固定されたステータシャフト61に、ワンウェイクラッチOWCを介して支持されており、回転軸X回りの周方向における一方向にのみ回転できるようになっている。
そのため、タービンランナ5は、ハブ7を介して、入力軸10に相対回転不能に連結されており、コンバータハウジング2内のオイルを介して、ポンプインペラ3側からタービンランナ5に伝達されたエンジンの回転駆動力は、最終的に入力軸10に伝達されるようになっている。
凹溝710、710には、回転軸X方向から見てリング状を成すシールリングS、Sが外嵌して取り付けられており、シールリングS、Sの各々は、基部71に外挿された第1ピストン8の筒部81の内周と第2ピストン9の筒部91の内周に、それぞれ圧接している。
この状態において、ハブ7と、第1ピストン8および第2ピストン9とは、回転軸X周りの周方向で相対回転可能となっており、これら第1ピストン8と第2ピストン9は、筒部81、91の内周にシールリングS、Sが圧接する範囲内で、回転軸X方向(図1、図2の(a)における左右方向)に変位可能となっている。
アプライ室R1は、ポンプインペラ3から延びるコンバータスリーブ32の内壁とステータシャフト61の外壁との間の油路16と連通している。
この差圧は、ロックアップクラッチピストン(第1ピストン8、第2ピストン9)を、回転軸X方向でコンバータカバー4の壁部40に向けて変位させるので、差圧が発生すると、第1ピストン8と第2ピストン9のフェーシング材82、92が、コンバータカバー4の壁部40に押し付けられるようになっている。
これにより、ロックアップクラッチピストン(第1ピストン8、第2ピストン9)とコンバータカバー4の壁部40とは、互いに相対回転するスリップ状態を経て、相対回転不能なロックアップ状態に変更されるようになっている。
回転軸X方向において基部801は、壁部40から最も離れた位置に配置されており、接続部802は、基部801よりも壁部40で、基部801と、壁部40(外径側壁部402)に近接配置された支持部803とを接続している。
このディスク部90は、筒部91を第1ピストン8側に向けて設けた状態で、ハブ7の基部71で支持されている。
ディスク部90は、回転軸X方向から見てリング状を成しており、内径側よりも外径側の方が、第1ピストン8側(図中左側)に位置するように、断面視において屈曲した形状に形成されている。
第2ピストン9のディスク部90は、回転軸X方向で、第1ピストン8のディスク部80との間に間隔を開けて配置されており、第2ピストン9の基部901と、第1ピストン8の基部801の間に、ダンパ装置30を収容可能な空間が確保されている。
そのため、アプライ室R1とリリーフ室R2の間の差圧により、第1ピストン8と第2ピストン9が、コンバータカバー4の壁部40側(図中、右側)に変位すると、第2ピストン9のフェーシング材92のほうが、第1ピストン8のフェーシング材82よりも先に、壁部40に接触するようになっている。
この皿バネ20の外周部21は、リベットRaにより第1ピストン8の接続部802に固定されており、皿バネ20と第1ピストン8との回転軸X周りの周方向の相対回転が、リベットRaにより規制されている。
そのため、第1ピストン8と第2ピストン9の回転軸X周りの周方向の相対回転が、保持部材25の凹部25aに係合させた皿バネ20の突出部22aにより規制されている。
そのため、皿バネ20の突出部22aと保持部材25とが干渉して、第1ピストン8の第2ピストン9に近づく方向への変位が阻害されないようにするために、アプライ室R1とリリーフ室R2の間に差圧を生じさせていない状態(トルコン状態)で、皿バネ20の突出部22aと、保持部材25の凹部25aとの間に、回転軸Xの径方向の間隙W3が確保されている。
図4は、トルクコンバータ装置1が、トルコン状態からロックアップ状態に移行する過程でのトルク伝達容量の変化と、差圧の大きさとの関係を説明する図である。
この状態においてトルクコンバータ装置1では、駆動源から入力された回転駆動力をコンバータハウジング2内の流体を介して入力軸10に伝達している。
そして、差圧が大きくなって、油圧により押されたフェーシング材92の内径側壁部401に対する圧接力が高くなるにつれて、第2ピストン9と内径側壁部401との相対回転が少なくなってスリップ状態が徐々に解消することになる。
そのため、フェーシング材92の内径側壁部401への接触により、第2ピストン9を介したトルクの伝達が開始される(図4、差圧p1)と共に、スリップ状態の解消に伴って第2ピストン9を介したトルク伝達量が増加することになる(図4、符号A参照)。
そのため、第2ピストン9が回転軸X回りに回転すると、第1ピストン8もまた、回転軸X回りに回転することになる。
そのため、アプライ室R1とリリーフ室R2の間の差圧がより大きくなって、第1ピストン8を外径側壁部402側に押圧する押圧力が、皿バネ20の弾性力よりも大きくなるまで(差圧p2まで)の間は、第2ピストン9のみが壁部40(内径側壁部401)に締結した状態で保持されることになる。
例えば、皿バネを変更することで、第1ピストン8のフェーシング材82が接触する差圧p2を、この差圧p2よりも大きい差圧p2’までとして、第1ピストン8のフェーシング材82を外径側壁部402に当接させるまでに必要とされる差圧の変化量P1’を大きくすることも可能である。
すなわち、第2ピストン9のフェーシング材92の内径側壁部401との接触から、第1ピストン8のフェーシング材82の外径側壁部402との接触までの差圧変化量(P1)を、皿バネ20の弾性力を変更することで、適切に調節できるようになっている。
そして、差圧がさらに大きくなって、油圧により押されたフェーシング材82の外径側壁部402に対する圧接力が高くなるにつれて、第1ピストン8と外径側壁部402との相対回転が少なくなってスリップ状態が徐々に解消することになる。
そのため、フェーシング材82の外径側壁部402への接触により、第1ピストン8を介したトルクの伝達が開始される(図4、差圧p2)と共に、スリップ状態の解消に伴って第1ピストン8を介したトルク伝達量が増加することになる(図4、符号B参照)。
ここで、保持部材25の凹部25aと突出部22aの内周との間に、皿バネ20の内周部22の内径側への変位を許容するための間隙W3が設けられている。そのため、皿バネ20の内周部22の内径側への変位が規制されて、第1ピストン8の壁部40(外径側壁部402)側への移動が阻止されないようになっている(図3の(d)、(e)参照)。
そして、トルクコンバータ装置1によるトルク伝達容量が、差圧の増大と共に大きくなる(図4、符号C参照)。
例えば、皿バネの弾性力を変更することで、第1ピストン8のフェーシング材82の外径側壁部402への接触から、第1ピストン8と壁部40(外径側壁部402)とが相対回転不能に締結されるまでのトルク伝達容量の変化率(図中、符号B1〜B3)を適宜調節して、第1ピストン8と壁部40(外径側壁部402)とが相対回転不能に締結されるまでに必要な差圧変化量P2、P2’を変更できるようになっている。
なお、実施の形態では、皿バネの弾性力は、車両におけるトルク要求値に応じて設定されている。
(1)駆動源の出力回転が入力されるコンバータカバー4と、当該コンバータカバー4と一体に回転するポンプインペラ3とで構成したコンバータハウジング2内に、共通の回転軸X上でポンプインペラ3に対向配置されたタービンランナ5と、ポンプインペラ3とタービンランナ5との間に介在させたステータ6と、ポンプインペラ3とで形成した流体伝導部15を備えており、
タービンランナ5のハブ7に支持させたロックアップクラッチピストンを、タービンランナ5とコンバータカバー4との間に配置して、ロックアップクラッチピストンの流体伝導部15側をアプライ室R1、コンバータカバー4側をリリーフ室R2としたロックアップクラッチ付きトルクコンバータ装置1において、
ロックアップクラッチピストンを、第1ピストン8と、第1ピストン8よりも外径が小さい第2ピストン9とから構成し、
第2ピストン9を、第1ピストン8のコンバータカバー4の壁部40側で、アプライ室とリリーフ室の間に差圧を発生させた際に第1ピストン8よりも先にコンバータカバー4に接触する位置に配置し、
第1ピストン8と第2ピストン9とを、第1ピストン8と第2ピストン9との間に介在させた皿バネ20(弾性部材)により、回転軸X方向に相対変位可能、かつ回転軸X回りに相対回転不能に連結した構成のロックアップクラッチ付きトルクコンバータ装置1とした。
ここで、第1ピストン8と第2ピストン9との間に皿バネ20が介在しているので、弾性力の異なる複数の皿バネの中から、適切な弾性力の皿バネ20を選択して採用することで、第2ピストン9に遅れてコンバータカバー4の壁部40に接触した第1ピストン8の圧接力を、適切に調整できるので、トルク伝達容量の変化を細かく設定できることになる
皿バネ20の外周部21は、第1ピストン8の接続部802にリベットRaによりに固定され、
皿バネ20の内周部22には、径方向内側に突出部22aが、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられており、
突出部22aの各々は、第2ピストン9の接続部902に固定された保持部材25の凹部25aで、回転軸Xの径方向に移動可能に支持されており、
凹部25aに支持された突出部22aにより、第1ピストン8と第2ピストン9の回転軸X周りの相対回転が規制され、
凹部25aで、回転軸Xの径方向に移動可能に支持された突出部22aにより、第1ピストン8と第2ピストン9の回転軸X方向の相対移動が可能とされている構成とした。
前記した実施の形態のフェーシング材82、92の場合、コンバータカバー4の壁部40(外径側壁部402、内径側壁部401)との対向面821、921が壁部40(外径側壁部402、内径側壁部401)に対して平行であるので、ロックアップクラッチピストンの内径側のほうが外径側よりも壁部40側に位置すると、フェーシング材82、92の外径側で、壁部40(外径側壁部402、内径側壁部401)との間に隙間Saが生じることがある(フェーシング材92の場合を例示する図2の(c)参照)。
そうすると、この発生した隙間Saの分だけトルク伝達容量が低下してしまう。
図5は、変形例に係るトルクコンバータ装置1Aを説明する図であり、(a)は、断面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図であって、弾性部材として採用された板バネ27を説明する図であり、(c)は、板バネ27を回転軸X方向から見た平面図である。
図5の(b),(c)に示すように、板バネ27は、帯状の基部270を有しており、この板バネ27は、回転軸Xの径方向から見て、回転軸Xに直交する向きで設けられている。
この板バネ27の第1ピストン8との連結部(他端270b)と、第2ピストン9との連結部(一端270a)は、回転軸X周りの周方向でオフセットしており、板バネ27を介して連結された第1ピストン8と第2ピストン9は、回転軸X周りの周方向の相対回転が規制された状態で、回転軸X方向に相対変位可能に設けられている。
(4)変形例に係るトルクコンバータ装置1Aでは、弾性部材として、帯状の板バネ27を採用し、板バネ27の基部270の長手方向における他端270bは、第1ピストン8の基部801に固定され、一端270aは、第2ピストン9の基部901に固定されている構成とした。
2 コンバータハウジング
3 ポンプインペラ
4 コンバータカバー
5 タービンランナ
6 ステータ
7 ハブ
71 基部
71a 外周
72 連結部
710 凹溝
8 第1ピストン
80 ディスク部
81 筒部
82、82A フェーシング材
82a 対向面
801 基部
802 接続部
803 支持部
9 第2ピストン
90 ディスク部
91 筒部
92、92A フェーシング材
901 基部
902 接続部
10 入力軸
15 流体伝動部
20 皿バネ
22a 突出部
25 保持部材
25a 凹部
30、30A ダンパ装置
40 壁部
401 内径側壁部
402 外径側壁部
27 板バネ
270 基部
270a 一端
270b 他端
B スラストベアリング
OWC ワンウェイクラッチ
R、Ra、Rb リベット
R1 アプライ室
R2 リリーフ室
S シールリング
Sa 隙間
X 回転軸
Claims (4)
- 駆動源の出力回転が入力されるコンバータカバーと、当該コンバータカバーと一体に回転するポンプインペラとで構成したコンバータハウジング内に、共通の回転軸上で前記ポンプインペラに対向配置されたタービンランナと、前記ポンプインペラと前記タービンランナとの間に介在させたステータと、前記ポンプインペラとで形成した流体伝導部を備えており、
前記タービンランナのハブに支持させたロックアップクラッチピストンを、前記タービンランナと前記コンバータカバーとの間に配置して、前記ロックアップクラッチピストンの前記流体伝導部側をアプライ室、前記コンバータカバー側をリリーフ室としたロックアップクラッチ付きトルクコンバータ装置において、
前記ロックアップクラッチピストンを、第1ピストンと、前記第1ピストンよりも外径が小さい第2ピストンとから構成し、
前記第2ピストンを、前記第1ピストンの前記コンバータカバー側で、前記アプライ室と前記リリーフ室との間に差圧を発生させた際に前記第1ピストンよりも先に前記コンバータカバーに接触する位置に配置し、
前記第1ピストンと前記第2ピストンとを、前記第1ピストンと前記第2ピストンとの間に介在させた弾性部材により、前記回転軸方向に相対変位可能、かつ前記回転軸回りに相対回転不能に連結したことを特徴とするロックアップクラッチ付きトルクコンバータ装置。 - 前記弾性部材の弾性力は、トルクコンバータ装置を備える自動変速機を搭載した車両でのトルク要求値に応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチ付きトルクコンバータ装置。
- 前記弾性部材は、前記回転軸方向から見てリング状を成す皿バネであり、
前記回転軸の径方向における前記皿バネの内周部と外周部のうちの一方は、前記第1ピストンと前記第2ピストンのうちの一方に固定され、
前記皿バネの内周部と外周部のうちの他方には、前記径方向に突出部が設けられており、
前記突出部は、前記第1ピストンと前記第2ピストンのうちの他方に固定された保持部材で、前記径方向に移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチ付きトルクコンバータ装置。 - 前記弾性部材は、帯状の板バネであり、
前記板バネの長手方向における一端は、前記第1ピストンと前記第2ピストンのうちの一方に固定され、他端は、前記第1ピストンと前記第2ピストンのうちの他方に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロックアップクラッチ付きトルクコンバータ装置。
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2015
- 2015-03-25 JP JP2015062309A patent/JP6284498B2/ja active Active
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