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JP6277115B2 - 試験光遮断フィルタおよびそれを適用したインサービス試験方法 - Google Patents

試験光遮断フィルタおよびそれを適用したインサービス試験方法 Download PDF

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JP6277115B2 JP2014247356A JP2014247356A JP6277115B2 JP 6277115 B2 JP6277115 B2 JP 6277115B2 JP 2014247356 A JP2014247356 A JP 2014247356A JP 2014247356 A JP2014247356 A JP 2014247356A JP 6277115 B2 JP6277115 B2 JP 6277115B2
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Description

この発明は、光線路のインサービス試験のために、試験光に損失を与える一方、通信光を透過させる試験光遮断フィルタ、およびそれを適用したインサービス試験方法に関する。
FTTH(Fiber To The Home)サービス開始から十年以上が経過し、現用光設備の経時的な劣化による故障発生が懸念されている。その中で光線路においては、光ファイバの曲げ部や接続部が故障の生じやすい箇所となっている。故障を未然に防ぐためには、定期的に光線路の試験を行うことにより、光ファイバの曲げ部や接続部等の潜在的な故障箇所をユーザへの影響が顕在化する前に検知し、対処することが望まれている。現用光線路の試験を行う場合、ユーザ通信に影響を及ぼさずに試験を行う必要がある。
非特許文献1では、光ファイバの曲げや接続による光線路の異常をユーザへの影響が顕在化する前に、高感度に検知することが可能な手法として、試験対象とされる光ファイバにおけるカットオフ波長よりも短い波長を用いて、後方散乱光の高次モードを測定する手法が開示されている。しかしながら、試験光がユーザ通信に影響を及ぼさない手法については言及されていない。
一方、試験光がユーザ通信に影響を及ぼさない手法として、非特許文献2では、シングルモード・ファイバのカットオフ波長よりも短い波長帯の試験光を用いたOTDR(Optical Time Domain Reflectometry)において、試験光の波長を伝送装置の受光帯域外とすることで通信への影響を低減する手法が開示されている。
A. Nakamura, K. Okamoto, I. Ogushi, N. Hanzawa, K. Katayama and T. Manabe, "Highly Sensitive Detection of Fiber Bending Using 1-μm-band Mode-detection OTDR," OECC2014, TU6C4, 2014. 吉田陽子他,"0.65μm帯OTDRによる光スプリッタ下部故障判定の一提案",2004年電子情報通信学会総合大会,B-13-33,pp.581.
このように、非特許文献2に開示された手法では、試験光の波長を伝送装置の受光帯域外とすることで通信への影響が低減されている。しかしながら、同手法では、伝送装置の受光帯域外となるような短い波長は、光ファイバ中を伝搬する際の損失が非常に大きくなるため、試験を行うことができる距離が著しく制限されてしまうという課題がある。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その第1の目的は、試験対象とされる光線路において、試験光が通信光に及ぼす影響を低減することによって、当該光線路のインサービス試験を可能とするような試験方法を提供することにある。
また、その第2の目的は、このような試験方法を可能にするために、試験光に損失を与える一方、通信光を透過させる、試験光遮断フィルタを提供することにある。
上記第1の目的を達成するために本発明の第1の観点は、以下のような構成要素を備えている。
すなわち、本発明の第の観点は、多モード動作する波長の試験光を用いて実行される光線路の試験方法である。この試験方法では、試験光の波長の光に損失を与える一方、光線路によって伝搬される通信光の波長の光を透過させる試験光遮断フィルタを用いる。試験光遮断フィルタは、第1の長周期グレーティングによって、光線路中を基本モードで伝搬する試験光の波長の光をクラッドモードに変換し、第2の長周期グレーティングによって、光線路中を高次モードで伝搬する試験光の波長の光をクラッドモードに変換する。これによって、試験光が通信に影響を及ぼすことなく、試験を行うことを可能とする。
また、本発明の第1観点、長周期グレーティングは、光線路を形成する光ファイバの長手方向に周期的な応力を付加することによって形成される、という態様を備えている。
さらに、上記第2の目的を達成するために本発明の第の観点は、以下のような構成要素を備えている。
すなわち、本発明の第の観点は、多モード動作する波長の試験光を用いて実行される光線路の試験に適用される試験光遮断フィルタである。この試験光遮断フィルタは、光線路中を基本モードで伝搬する試験光の波長の光をクラッドモードに変換する第1の長周期グレーティングと、光線路中を高次モードで伝搬する試験光の波長の光をクラッドモードに変換する第2の長周期グレーティングとを備えている。そして、これによって、試験光の波長の光に損失を与える一方、光線路によって伝搬される通信光の波長の光を透過させることを可能とする。
すなわちこの発明によれば、試験対象とされる光線路において、試験光が通信光に及ぼす影響を低減し、もって、当該光線路のインサービス試験を可能とするような試験方法を提供することができる。
また、このような試験方法を可能にするために、試験光に損失を与える一方、通信光を透過させる、試験光遮断フィルタを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るインサービス試験方法を説明するためのネットワークの構成例である。 図2は、試験光遮断フィルタの第1の例を説明するための図である。 図3は、試験光遮断フィルタの第2の例を示す機能ブロック図である。 図4は、モード変換部の機能を説明するための図である。 図5は、損失付与部の機能を説明するための図である。 図6は、試験光遮断フィルタの第3の例を示す機能ブロック図である。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るインサービス試験方法を説明するためのネットワーク100の構成例である。同試験方法は、試験対象とされる光線路である被試験光ファイバ10に対して、多モード動作する波長の試験光を用いて実行される。
図1に示すように、被試験光ファイバ10に対してなされるインサービス試験は、伝送装置11と、被試験光ファイバ10を試験するための試験装置12と、通信光と試験光を合波するカプラ13と、被試験光ファイバ10中を伝搬する試験光に損失を与えるための試験光遮断フィルタ14と、ユーザ側の伝送装置である加入者端末15とによって実施される。
試験装置12は、例えばOTDRのような光反射測定を行う装置であって、被試験光ファイバ10からの戻り光の距離に対する強度分布を解析して、被試験光ファイバ10の特性を得ることができる。
伝送装置11から出力された通信光は、被試験光ファイバ10に入射された後に、試験光遮断フィルタ14を透過し、加入者端末15で受信される。
一方、試験装置12から出力された試験光は、被試験光ファイバ10に入射された後に、試験光遮断フィルタ14で大きな損失が与えられ、加入者端末15前で遮断される。
以下、このインサービス試験に適用される試験光遮断フィルタ14について詳細に説明する。
(試験光遮断フィルタ14の第1の例)
図2は、試験光遮断フィルタ14の第1の例を説明するための図である。試験光遮断フィルタ14の第1の例は、波長フィルタ21である。この波長フィルタ21は、通信光の波長を透過し、試験光の波長を阻止する波長フィルタリング機能を有する。
(試験光遮断フィルタ14の第2の例)
図3は、試験光遮断フィルタ14の第2の例を示す機能ブロック図である。試験光遮断フィルタ14は第2の例は、モード変換部31と損失付与部32とを備える。
図4は、モード変換部31の機能を説明するための図である。
図4(a)に示されるように、モード変換部31にLP01モードで通信光が入射された場合、モード変換部31は、通信光のモード変換を行なわず、LP01モードの通信光は、損失を受けることなく、モード変換部31を透過する。
一方、図4(b)に示されるように、モード変換部31にLP01モードで試験光が入射された場合、モード変換部31は、この試験光を、LP01モードからLP11モードに変換し、モード変換部31からは、LP11モードの試験光が出力される。
このような機能を有するモード変換部31は、例えば、光ファイバ長手方向の屈折率を周期的に変化させ長周期グレーティングである。このような長周期グレーティングは、光ファイバ長手方向に周期的な応力を付加することや、光ファイバに超音波を照射することや、光ファイバに紫外線やCO2レーザを照射して屈折率を変化させること等によって形成される。
このように形成された長周期グレーティングは、その周期に対して位相整合条件を満足する光にモード結合を発生させることができる。したがって、長周期グレーティングの周期を適切な値に設計することで、所望の波長の光を、例えばLP01モードからLP11モードへのように、より高次モードに変換することや、LP01モードまたはLP11モードを、クラッドモードに結合すること等によって、所望の波長の光に損失を与えることができる。
次に、損失付与部32について説明する。
図5は、損失付与部32の機能を説明するための図である。図5に示されているように、損失付与部32にLP01モードで通信光が入射された場合、この通信光は、ほぼ損失なく、損失付与部32を透過する。一方、損失付与部32に試験光がLP11モードで入射された場合、損失付与部32は、この試験光に対して損失を与える。これによって、この試験光は、損失付与部32を透過しない。
このような機能を有する損失付与部32は、例えば、前述した長周期グレーティングや、LP01モードには損失を与えず、LP11モードには大きな損失を与えるような曲げを光ファイバに付与することによって実現される。
(試験光遮断フィルタ14の第3の例)
図6は、試験光遮断フィルタ14の第3の例を示す機能ブロック図である。試験光遮断フィルタ14の第3の例は、長周期グレーティング61と長周期グレーティング62とを連続的に配置してなる。
長周期グレーティング61は、LP01モードで伝搬される試験光をクラッドモードに変換し損失を与えることにより、LP01モードで伝搬される試験光を遮断する機能を有する。
長周期グレーティング62は、LP11モードで伝搬される試験光をクラッドモードに変換し損失を与えることにより、LP11モードで伝搬される試験光を遮断する機能を有する。
したがって、長周期グレーティング61と長周期グレーティング62とを連続的に配置することで、LP01モードおよびLP11モードで伝搬される試験光を共に遮断することが可能となる。なお、長周期グレーティング61と長周期グレーティング62を配置する順序は逆でもかまわない。
上述したように、図2乃至図6を用いて説明したような試験光遮断フィルタ14によれば、試験光にのみ損失が与えられる一方、通信光は透過する。
したがって、このような試験光遮断フィルタ14を、図1に示すように、被試験光ファイバ10の途中に配置することによって、本実施形態に係るインサービス試験方法は、被試験光ファイバ10において、試験光が通信光に及ぼす影響が低減することができるので、もって、被試験光ファイバ10のインサービス試験を実現することが可能となる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
10 被試験光ファイバ
11 伝送装置
12 試験装置
13 カプラ
14 試験光遮断フィルタ
15 加入者端末
21 波長フィルタ
31 モード変換部
32 損失付与部
61 長周期グレーティング
62 長周期グレーティング
100 ネットワーク

Claims (3)

  1. 多モード動作する波長の試験光を用いて実行される光線路の試験方法において、
    前記試験光の波長の光に損失を与える一方、前記光線路によって伝搬される通信光の波長の光を透過させる試験光遮断フィルタを設置し、
    前記試験光遮断フィルタは、第1の長周期グレーティングによって、前記光線路中を基本モードで伝搬する前記試験光の波長の光をクラッドモードに変換し、第2の長周期グレーティングによって、前記光線路中を高次モードで伝搬する前記試験光の波長の光を前記クラッドモードに変換することにより、前記試験光が通信に影響を及ぼすことなく、試験を行うことを可能とする、インサービス試験方法。
  2. 前記長周期グレーティングは、前記光線路を形成する光ファイバの長手方向に周期的な応力を付加することによって形成される、請求項に記載のインサービス試験方法。
  3. 多モード動作する波長の試験光を用いて実行される光線路の試験に適用される試験光遮断フィルタであって、
    前記光線路中を基本モードで伝搬する前記試験光の波長の光をクラッドモードに変換する第1の長周期グレーティングと、
    前記光線路中を高次モードで伝搬する前記試験光の波長の光を前記クラッドモードに変換する第2の長周期グレーティングと
    を備えることにより、前記試験光の波長の光に損失を与える一方、前記光線路によって伝搬される通信光の波長の光を透過させることを可能とする、試験光遮断フィルタ。
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