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JP6273728B2 - 内容物非付着性包材 - Google Patents

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Description

本発明は、内容物非付着性包材に関するものである。特に食品、飲料、医薬品、化粧品、化学品等を包装する内容物非付着性包材、更に具体的には、ヨーグルト、ゼリー、プリン、シロップなどの容器の蓋材や、お粥、スープなどのレトルト食品用包装袋等の液体、半固体、ゲル状物質などの付着しやすい内容物を包装するのに用いる内容物非付着性包材に関するものである。
通常の蓋材や包装袋は、内容物が付着して取りづらく、内容物の無駄や汚れの原因となることが多かった。また、シール面にフッ素材やシリコーンを用いると、撥水性や付着防止効果はあるものの、熱シール性に乏しく、蓋材や包装袋といった容器包装に使用することが困難であった。
また、安全衛生上の観点から、表面エネルギーの小さいハロゲン系の撥水剤は、使われているC8系の主鎖を持つ撥水剤が、体内残存率が高い可能性があるため、やや撥水性の劣ると思われるC6系やシリコーン系がよく使われ、その分撥水性もやや劣るという欠点があった。
これらの問題を解決するために、下記、特許文献1〜5に示されるようなさまざまな提案がされている。
特許文献1には、基材層及び熱接着層を有する積層体からなり、熱接着層が他の層と隣接していない最外面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着し、疎水性酸化物微粒子が三次元網目状構造からなる多孔質層を形成している蓋材が記載されている。
網目状に疎水性酸化物微粒子が配してあるため機械強度が弱く、剥離しやすい。また、疎水性酸化物微粒子が熱シール性樹脂上に付着しているだけで、基材への固着性が悪く、脱落の危険性がある。さらには、加熱により疎水性微粒子が熱シール樹脂中に埋包されて撥水性能が低下する恐れがある。
特許文献2は、スプレー用撥水剤であるが、疎水性金属酸化物微粒子とシリコーンオイル、ワックス/パラフィン、界面活性剤および水系溶剤を含むことが記載されている。
特許文献3には、基材に熱封緘性層、内容物付着防止層が順に積層され、内容物付着防止層の組成物がワックスと、そのワックス中に分散された充填剤とからなり、充填剤が無機の粉体、有機の粉体、粉末撥水性樹脂、ワックスに対して非相溶性を有する液状撥水性樹脂から選択される一種以上である、内容物付着防止性を有する包装容器用熱封緘性蓋材が記載されている。この蓋材の場合、ワックスに充填剤が分散しているだけであるので、表面の凹凸が不十分で、撥水性が不足する。
特許文献4には、内容物と接触する面の一部又は全部に疎水性酸化物微粒子が付着している非付着性容器が記載されている。この容器の製造では、高温(120〜200℃)で疎水性酸化物微粒子を固着させないと膜凝集力が上がらないが、高温にすると、シーラント層が熱溶解しやすく、形状も変化しやすい。
特許文献5には、熱可塑性樹脂を含有する層の表面に、疎水性酸化物微粒子が付着して
いる積層体ならびに包装材料が記載されている。さらに有機成分及び無機成分の少なくとも1種を含む充填粒子が、熱可塑性樹脂を含有する層に含まれていることが記載されている。
凹凸付与に用いる充填粒子が熱可塑性樹脂で埋まっており、その上に疎水性酸化物微粒子が付着している構造で、シールヒーター等で表面が加熱されると疎水性微粒子が熱可塑性樹脂内に埋包されて撥水機能が低下する恐れがある。また、充填粒子の密着強度が不十分で、加工工程において充填粒子脱落の危険性がある。
以上のように、疎水性微粒子を使用した撥水コート剤は膜凝集力および密着力が弱く、疎水性微粒子の脱離が起こりやすい。さらにシール剤に気泡を混ぜてその上に撥水剤をコートする方法では、フィルムが加熱された際に熱シール性樹脂中に疎水性微粒子が沈んでしまい、撥水性が損なわれるという懸念があった。さらに、粒子の固着が不十分になり、充填加工工程や輸送等の衝撃で脱離する可能性もある。
気泡により凹凸を形成させる場合、気泡が固着のための熱硬化性アンカーコート樹脂と密度が近い場合、混合して塗布したときに気泡は基材側に沈みやすく、アンカーコートの塗布量によっては凹凸が樹脂で埋まって十分な粗さが得られない場合がある。この場合、アンカーコート層の上にシール性熱可塑性樹脂層、撥水機能層と積層したときの撥水性能が不足する。
公知文献を以下に示す。
特許第4348401号公報 特許第4060333号公報 特開2009−73523号公報 特開2010−254377号公報 特開2011−93315号公報
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、高い撥水性、撥乳性が付与され、内容物の残留が少ない包装袋や、内容物付着による汚染を防止した蓋材などに用いる内容物非付着性包材を提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、基材層に熱硬化性樹脂層、ヒートシール層、撥水機能層が順次積層され、前記熱硬化性樹脂層には、平均径10〜100μmの気泡が分散されていて、該気泡により前記ヒートシール層側に凹凸面が形成され、前記ヒートシール層は前記凹凸面に積層された熱可塑性樹脂からなり、撥水機能層は平均粒径5nm〜1μmの疎水性微粒子と無機バインダーからなることを特徴とする内容物非付着性包材である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記撥水機能層の表面の表面粗さ(Rz)がRz>5μmであることを特徴とする請求項1に記載の内容物非付着性包装フィルムである。
本発明の請求項3に係る発明は、前記ヒートシール層に平均径10〜100μmの気泡が分散されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内容物非付着性包装フィルムである。
本発明の内容物非付着性包材は、良好な熱シール性を保ちながら優れた撥水性、撥乳性を有し、内容物の残量低減や付着防止に効果がある。そして、高い撥水性、撥乳性が付与されているので、容器包装に用いる包材として、低残存包装袋や、内容物付着による汚染を防止する蓋材、容器を提供することが可能となる。
気泡による表面に現れた凹凸形状と最内層の撥水機能層の表面の疎水性微粒子により表面粗さを付与でき、フラットな基材の上に撥水剤を設けたフィルムよりも撥水性が向上されている。
また、凹凸を形成するものは気泡であるため、粒子の脱落は起こらず、形状が変化しない。熱硬化性樹脂により強固に固化した気泡による凹凸が、ヒートシール層ならびに疎水性微粒子による撥水機能層に強固に結びついているため、熱や摩擦に対しても形状変化がなく、非付着性能を損ねることがない。
本発明の内容物非付着性包材の一例の層構成を模式的に断面で示した説明図である。 本発明の内容物非付着性包材の一例をプラスチック容器の蓋材として用いることを模式的に示した説明図である。 本発明の内容物非付着性包材の他の例の層構成を模式的に断面で示した説明図である。
以下本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明の内容物非付着性包材の一例の層構成を模式的に断面で示した説明図である。
本発明の一例の内容物非付着性包材100は、図1の断面図のように、外層側から基材層1、熱硬化性樹脂層2、ヒートシール層3、撥水機能層4が順次積層されている。熱硬化性樹脂層2は、熱硬化性樹脂2aに平均径10〜100μmの気泡2bが分散されていて、気泡2bによりヒートシール層3側に凹凸面が形成されている。
ヒートシール層3は、熱硬化性樹脂層2の凹凸面に積層された熱可塑性樹脂からなっている。撥水機能層4は平均粒径5nm〜1μmの疎水性微粒子4aと無機バインダー4bからなっている。
尚、平均粒径は、疎水性微粒子が凝集した状態の粒径を言い、本発明においては、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径である。
基材層1には、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックフィルムや紙、セロファンなどが使用できるが、熱硬化性樹脂層2の凹凸付与のための気泡2bを固着する熱硬化性樹脂2aと、強固に密着するものであれば限定されない。
基材層1の表面には、表面凹凸構造を付与するものとして気泡2bが熱硬化性樹脂2aからなる熱硬化性樹脂層2が設けられ、その表面に凹凸面が形成され、固着している。この凹凸面の影響によって、撥水機能層4の表面が、表面粗さRz(JIS B0601:
1994)、5μm以上の凹凸面を形成している。
また、この気泡2bは熱硬化性樹脂自体の塗布−乾燥工程で発生、または、発泡剤を混合して加熱などの発泡処理によって発生させる。例えば、熱硬化性樹脂2aに気泡2bの発泡剤を混合して樹脂アンカーコート剤として、基材層1に塗布し、加熱して、発泡させて気泡2bを生成させる。
熱硬化性樹脂層2では、気泡2bは軽いので、表面に浮き上がりやすく、表面に凹凸面を形成することができ、撥水機能層4の表面に撥水性能を発揮する上で十分な粗さの表面を形成することができる。
気泡2bの径はバインダーとして作用する熱硬化性樹脂2aのみでの層厚より大きいものが多く、熱可塑性樹脂層2の表面に凹凸を発生させることのできる径であることが必要である。
そして、気泡2bが熱硬化性樹脂2aに覆われていることにより、つぶれにくく、熱に対して変形することもなく、安定した形状の表面を保持することが可能である。また、気泡が割れてクレーター上に陥没していても良い。
これら気泡により生成される表面凹凸によって、ヒートシール層3を設け、撥水機能層4を塗布した後の表面形状がフラクタル状になり、撥水効果が向上する。
気泡2bの平均径は、10〜100μmが好ましい。より好ましくは10〜50μmが良い。平均径が10μmより小さいと、凹凸の上にヒートシール層3および撥水機能層4を設けた際に、撥水機能を向上させるために十分な大きさ(Rz>5μm)の凹凸を付与することが困難である。また、平均径が100μmより大きいと、高密度で凹凸を付与させることが困難になり、撥水機能を向上させることができない、
気泡2bの平均径の測定方法は、加工後の積層体の表面および断面をマイクロスコープによって観察し、一定面積内に含まれる全気泡の直径を、直接読み取って平均値を算出した。
また、気泡2bにより、凹凸が形成されているので、ヒートシール層3および撥水機能層4を設けて、内容物非付着性包材100を熱圧着により他のフィルムやカップ等にシールする時、気泡2bがつぶれてシール面がフラットに近くなり、表面の凹凸によるシール強度のムラやシール不良が起こりづらい。
熱硬化性樹脂2aとしては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。1液硬化型でも、2液硬化型(主剤+硬化剤)でも構わない。
気泡2bの形状は問わないが、球形粒子が扱いやすく、表面に配置したときに急峻な立ち上がり形状を持つ凹凸を形成しやすい。これら気泡2bと熱硬化性樹脂2aからなる熱硬化性樹脂層2の凹凸面の上に、熱シール性を付与するためのヒートシール層3が配置されている。
ヒートシール層3は熱可塑性樹脂からなっている。例えば、アクリル系のヒートシールニス、ホットメルト、熱可塑性のポリエチレン、アイオノマー、ポリプロピレンなどが好ましく、中でも、アクリル系ヒートシールニスやホットメルトが好ましい。
ヒートシール層3がヒートシールニスの場合、塗布方法は、ロールコート、グラビアコ
ート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコートなど公知の方法を用いることが出来る。
さらに、熱可塑性樹脂からなるヒートシール層3の上に、疎水性微粒子4aを含む撥水機能層4を塗布する。撥水機能層4は、疎水性微粒子4aと無機バインダー4bから構成されており、熱硬化性樹脂2a中に分散された気泡2bにより表面が凹凸になった熱硬化性樹脂層2により、ヒートシール層3の表面も凹凸となっていて、その凹凸の表面に全面に付与されている。
疎水性微粒子4aの微粒子は、無機酸化物であることが望ましく、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニアなどの無機酸化物微粒子であれば特に限定されないが、無機バインダー4bとの密着性を上げるためにはシリカの微粒子が好ましい。
無機酸化物微粒子は燃焼法、アーク法などの乾式製法や沈殿法、ゲル法などの湿式製法から得られる合成シリカ、または天然シリカでも構わない。微粒子の表面に疎水化処理を行うことで撥水機能を付与させる。
疎水化処理方法は乾式法、湿式法など特定しなくて良いが、微粒子全面を処理するためにCVD法、プラズマ法等による乾式処理を施すのが好ましい。疎水性官能基がジメチルシリル(CHSi(0−R)、トリメチルシリル(CHSiO−R、アミノアルキルシリル、アルキルシリル、メタクリルシリルの何れかであれば良い。これらの官能基を生成することで、あるいは、ジメチルポリシロキサン(CH−Si−O−Si(O−R)で処理することで、臨界表面張力(表面エネルギー)を小さくして撥水性が良くなる。
疎水処理は微粒子の凝集体の表面を処理していればよく、凝集体の内部が親水性であっても構わない。つまり、凝集体の表面に存在しない凝集体内部の個々の一次粒子は、表面が疎水処理されてなく、親水性であっても良い。
乾式製法の酸化物微粒子であれば、ナノレベルの凝集体で疎水処理できる。平均粒径は5nm〜1μmであれば表面により均一に塗布しやすい。平均粒径のバラツキは特に制約しないが、大小様々な粒径が存在することで、フラクタル構造を形成しやすい。
無機バインダー4bとして金属アルコキシド、あるいは、この金属アルコキシドの加水分解物を用いることが良い。金属アルコキシドとは、テトラエチルオルソシリケート(Si(OC)、トリイソプロピルアルミニウム(Al(OC)、など一般式M(OR)n(MはSi、Ti、Al、Zrなどの金属元素、RはCH、Cなどのアルキル基)で表せるものである。その中でもMがSi、Al、Tiである金属アルコキシドの特性が優れている。
また、金属アルコキシド、あるいは、この金属アルコキシドの加水分解物の中に、密着向上や表面改質などの目的で、シランカップリング剤を混合しても良い。シランカップリング剤は、官能基としてビニル、エポキシ、スチリル、メタクリル、アクリル、アミノ、ウレイド、メルカプト、スルフィド、イソシアネートのうちのいずれか1つを持つものがよい。
撥水機能層4は、金属アルコキシドあるいは金属アルコキシドとシランカップリング剤の混合物を、あるいは、金属アルコキシドの代わりに金属アルコキシドの加水分解反応させたものを無機バインダー4bとして用い、疎水性微粒子4aと混合して分散し塗工液を作成する。
疎水性微粒子4aの重量と、金属アルコキシドとシランカップリング剤と金属アルコキシドの加水分解物とを金属酸化物に換算したときの金属酸化物の重量との重量比率が、5:95〜95:5であるとよい。
疎水性微粒子4aの重量比が5%より低いと、疎水性微粒子4aが内容物非付着性包材100の内側表面を覆う面積が小さくなり、十分な撥水性能が出せない。また、95%以上だと疎水性微粒子4aが無機バインダー4bと結合することなく内側表面に出てくるために、摩擦や振動などの外部応力によって疎水性微粒子4aが欠落し、撥水性能が損なわれる。
撥水機能層4は無機バインダー4bに疎水性微粒子4aを混合して分散し作成した塗工液をコーティングして形成させるものである。その膜厚はその膜厚は10〜5000nmの範囲内であることが望ましい。
内容物非付着性包材100の内側表面の撥水機能層4の疎水性微粒子4aは、内側表面のほぼ全面を覆う様に被覆されているのがもっとも好ましい。少なくとも、全体の30%以上、さらに好ましくは70%以上覆われていることが好ましい。被覆面積比が30%未満だと、内容物が疎水性のない表面と接触する面積が大きくなり、十分な撥水性能を発揮することができない。
撥水機能層4を形成する塗工液の塗布方法は、ロールコート、ダイレクトグラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコートなどの公知の方法を採用することができる。
以上のような本例の内容物非付着性包材100は、図2のようにプラスチックの成形容器200の蓋材として用いたり、あるいは、その2枚を、撥水機能層4を対向して重ね合わせて、周縁部をシールして包装袋に製袋して用いたりすることができる。
図3は、本発明の内容物非付着性包材の他の例の層構成を模式的に断面で示した説明図である。
本例の内容物非付着性包材300は、図3の断面図のように、内容物非付着性包材100と同様に、外層側から基材層1、熱硬化性樹脂層2、ヒートシール層3、撥水機能層4が順次積層されていて、ヒートシール層3にも平均径10〜100μmの気泡3bが熱可塑性樹脂3aに分散されている点が異なっている。
このヒートシール層3の気泡3bと、熱硬化性樹脂層2の気泡2bによって、撥水機能層4を塗布した後の表面形状がフラクタル状になり、撥水効果が向上する。また、撥水機能層4の表面が、表面粗さRz(JIS B0601:1994)5μm以上の凹凸面を形成している。
また、内容物非付着性包材300を熱圧着により他のフィルムやカップ等にシールする時、ヒートシール層3の気泡3bがつぶれてシール面がフラットに近くなり、表面の凹凸によるシール強度のムラやシール不良が起こりづらい。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
ドライラミネートで貼り合わせたコート紙/二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの2層の基材層1の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側に、熱硬化性樹脂2aとなる2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤を溶剤で希釈した溶液に、ポリスチレン樹脂からなる平均粒径1μmの発泡剤を気泡2b用の発泡剤として混合し、30wt%の固形分に調整した分散液を、ウェット塗布量4.0g/mでグラビアコートにより塗布し、平均径15μmの気泡2bを発生させ、凹凸面を形成し、基材層1と熱硬化性樹脂層2からなる積層体を作成した。
さらに、この積層体の熱硬化性樹脂層2の面に、アクリル系ヒートシールニス剤をグラビアコートによってウェット塗布量で10.0g/mになるようにコートし、ヒートシール層3を設けた。
さらにその上に疎水性微粒子4aのトリメチルシリル処理した平均一次粒子径16nmの疎水性シリカ微粒子をメタノールに分散した溶液と、無機バインダー4bとなるテトラエトキシシラン(TEOS)と酸を混合して、加水分解反応させて作製したシリカゾル溶液からなるシリカゾルバインダーを1:2で混合し、メタノールで固形分10wt%に希釈した撥水機能層4となる塗工液を、ウェット塗布量1.5g/mでグラビアコートにより全面塗布し、実施例1の内容物非付着性包材を作製した。
<実施例2>
ヒートシール層3のアクリル系ヒートシールニス剤にポリスチレン樹脂からなる平均粒径1μmの発泡剤を気泡3b用の発泡剤として混合し、30wt%の固形分に調整した分散液を、ウェット塗布量10.0g/mでグラビア印刷により塗布し、150℃で乾燥させ、平均径15μmの気泡3bを発生させ、撥水機能層4となる塗工液を、キッスリバースコートにより塗布した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の内容物非付着性包材を作製した。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
気泡2b用の発泡剤を混合しない2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤を塗布することにより、熱硬化性樹脂層2を設け、ヒートシール層3には、アクリル樹脂からなる平均粒径20μmの球形粒子とアクリル樹脂からなるヒートシール剤を酢酸エチルに分散して30wt%の固形分に調整した分散液を、4.0g/mの塗布量でグラビアコートにより塗布して設けた。それ以外は実施例1と同様にして、比較例1の内容物非付着性包材を作製した。
<比較例2>
熱硬化性樹脂層2を設ける代わりに、2層の基材層1の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム面に、押出しラミネートによって15μmのポリエチレンをコートした。
ヒートシール層3には、ホットメルト剤中に平均粒径15μmのアクリル樹脂からなる球形粒子を分散したヒートシール性コート剤を、20.0g/mの塗布量でグラビアコートにより塗布し、球形粒子による凹凸がホットメルト上に出るようにし、撥水機能層4となる塗工液を、ウェット塗布量1.5g/mでリバースコートにより全面塗布した。これ以外は実施例1と同様にして、比較例2の内容物非付着性包材を作製した。
<評価方法>
実施例と比較例の内容物非付着性包材を下記の方法で試験し、比較評価した。
<ヒートシール強さ>
実施例と比較例の内容物非付着性包材を、蓋材として、それぞれ、ポリスチレン製容器に、シール温度200℃、押圧0.2MPa、シール時間1.0secの条件で熱シールし、引張試験機でヒートシール強さを測定した(引張速度 300mm/min、剥離角度150°、サンプル幅5mm)。サンプル数は3とし、その平均を求めた。その結果を表1にまとめた。
<表面粗さ>
表面粗さ測定器(株式会社東京精密製 サーフコム(登録商標)型番130A)を用いて、実施例と比較例の内容物非付着性包材の撥水機能層4側の表面を、スキャンし、表面粗さを測定した。その結果を表1にまとめた。
Figure 0006273728
<接触角>
実施例と比較例の内容物非付着性包材に水滴およびヨーグルト(ダノンビオ(登録商標)ヨーグルト/プレーン加糖)を垂らし、その接触角を測定した。その結果を表2にまとめた。
<転落角>
実施例と比較例の内容物非付着性包材に水およびヨーグルト(ダノンビオ(登録商標)ヨーグルト/プレーン加糖)を滴下し、各包材を傾けながらにその落ち始める角度を転落角として、目視で評価した。
また、実施例と比較例の内容物非付着性包材を基材層1側から150℃の熱風を30秒当てて加熱処理し、冷却後、同様に転落角を測定した。その結果を表2にまとめた。
Figure 0006273728
<耐磨耗試験>
学振試験機(JIS K 5701−1)にて、実施例と比較例の内容物非付着性包材の撥水機能層4の面を、SUS製ヘッド部に当てて200gの荷重で100往復擦り、撥水機能層4の表面の外観を観察した。さらに水およびヨーグルトを滴下し、接触角、及び転落角を前述の方法で測定した。その結果を表3にまとめた。
Figure 0006273728
以下に、実施例と比較例との比較結果について説明する。
<比較結果>
実施例1、2の内容物非付着性包材は、ヒートシール強さも充分にあり、水及びヨーグルトに対する接触角、転落角の値も未処理、加熱処理後、耐磨耗試験のいずれも良好であった。また、耐磨耗試験後の外観も良好であった。
一方、比較例1、2の内容物非付着性包材は、ヒートシール強さも低く不十分であった。また、水及びヨーグルトに対する接触角、転落角の値は、加熱処理後、及び、耐磨耗試験で、著しく悪くなり、耐磨耗試験後の外観も粒子の脱落や、擦傷痕があって白濁していたりして、悪くなっていた。
100、300・・・内容物非付着性包材
200・・・成形容器
1・・・基材層
2・・・熱硬化性樹脂層
2a・・・熱硬化性樹脂
2b・・・気泡
3・・・ヒートシール層
3a・・・熱可塑性樹脂
3b・・・気泡
4・・・撥水機能層
4a・・・疎水性微粒子
4b・・・無機バインダー

Claims (3)

  1. 基材層に熱硬化性樹脂層、ヒートシール層、撥水機能層が順次積層され、前記熱硬化性樹脂層には、平均径10〜100μmの気泡が分散されていて、該気泡により前記ヒートシール層側に凹凸面が形成され、前記ヒートシール層は前記凹凸面に積層された熱可塑性樹脂からなり、撥水機能層は平均粒径5nm〜1μmの疎水性微粒子と無機バインダーからなることを特徴とする内容物非付着性包材。
  2. 前記撥水機能層の表面の表面粗さ(Rz)がRz>5μmであることを特徴とする請求項1に記載の内容物非付着性包材。
  3. 前記ヒートシール層に平均径10〜100μmの気泡が分散されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内容物非付着性包材。
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