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JP6272007B2 - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドに関する
従来、一般に用いられているインクジェット記録装置における液体吐出ヘッドとしての記録ヘッドにおいては、オリフィスプレートと液体供給口等が形成された基板とが貼り合わされて形成されたものが多く製造されている。この形式の記録ヘッドにおいては、基板とオリフィスプレートとが貼り合わされることで、それらの間の空間の一部に、共通液室が形成されている。基板には、基板を貫通するように液体供給口が形成されており、その液体供給口は共通液室に連通している。また、共通液室に連通して流路が延びており、流路における共通液室と逆側の端部には、圧力室が形成されている。オリフィスプレートには、圧力室に連通して吐出口が形成されている。吐出口に対応した位置には、圧力室内の液体に吐出エネルギーを供給するための吐出エネルギー発生素子としてのヒータが配置されている。液体供給口を介して共通液室に供給された液体は、流路を介して圧力室に供給され、圧力室内でヒータによって液体にエネルギーが供給されて吐出口から液体が吐出される。ここで述べた記録ヘッドでは、液体は液体供給口から吐出口へ一方向のみに供給される。
一般に、このような液体吐出ヘッドにおいては、共通液室の両端にしか吐出口列を配置できない。共通液室両端の限られた面積に多くの吐出口を配置しようとすると、流路や圧力室の形状や大きさに対する制約が大きい。
特許文献1には、基板の一部を薄くし、その薄い部分に多数の液体供給口を設ける方法が開示されている。すなわち、従来技術では基板の広い範囲にわたる液体供給口が形成されているため、液体供給口の両側にしか吐出口を配置できなかった。しかし、特許文献1では、小さな液体供給口が多数配列されているため、液体供給口間に前記エネルギー発生素子に電気的エネルギーを送るための配線を通すことが可能となる。これにより、前記基板の一部が薄くなった部分の上に圧力室・吐出エネルギー発生素子・吐出口を配列することが可能になる。よって、吐出口や圧力室の設計自由度が広がり、例えば、吐出口列を3列以上配置することが可能になる。
特開2010−201926号公報
高品位な画像を得るために、圧力室と液体供給口とを連通する流路を長くする方が有利な場合がある。例えば、流路を長くして濃縮した液体の拡散を抑制することで、濃度ムラを抑制することができる。また、流路を長くして前後の流抵抗バランスを調整することで、液体の吐出速度を適正にし、液滴形成を良好にすることで、液体を安定的に吐出することができる。その結果、高品位な画像を得ることができる。しかし、特許文献1の構成のまま流路を長くすると、圧力室と液体供給口との距離が広がり、吐出口列を複数配列する場合、隣接する吐出口列の間隔が広がる。結果として、基板が大型化する。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、基板を大型化することなく、圧力室と液体供給口とを連通する流路の、長い流路長を確保し、高品位な画像を得ることのできる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子を内部に備え、前記エネルギー発生素子によってエネルギーの付与された液体を吐出する吐出口と連通する複数の圧力室と、前記圧力室に液体を供給するための液体供給口と、前記圧力室と、前記液体供給口との間に接続され、前記液体供給口から液体を前記圧力室に導く液体流路とを有し、複数の前記吐出口が第1の方向に沿って配列される吐出口列と、複数の前記液体供給口が配列される液体供給口列と、が並列して配される液体吐出ヘッドにおいて、前記圧力室は、当該圧力室に最も近接して配される前記液体供給口を除く二つの前記液体供給口と二つの前記液体流路を介して連通し、前記圧力室に接続された二つの前記液体流路のそれぞれは、前記圧力室における対向する位置で接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、基板を大型化することなく、圧力室と液体供給口とを連通する流路の、長い流路長を確保することができる。そのため、液体が増粘して液体に含まれた成分が濃縮されたときに、濃縮された液体が拡散する前に回収することができる。その結果、濃度ムラを抑制し、高品位な画像を得ることができる。また、記録素子の駆動によって発生されたエネルギーを効率的に使用することができ、エネルギーの消費量を少なくすることができる。
本発明の第1実施形態に係る記録ヘッドの搭載されるインクジェット記録装置について示した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る記録ヘッドについて示した斜視図である。 図2の記録ヘッドにおける吐出口の形成された面について示した平面図である。 図2の記録ヘッドにおける3列の吐出口列について抜き出して拡大し、オリフィスプレートを取り外した状態について示した平面図である。 図4の記録ヘッドにおけるオリフィスプレートを取り付けた状態のV―V線に沿う断面図である。 図4の記録ヘッドの変形例について示した平面図である。 本発明の第2実施形態に係る記録ヘッドにおける3列の吐出口列について抜き出して拡大し、オリフィスプレートを取り外した状態について示した平面図である。 本発明の第3実施形態に係る記録ヘッドにおける3列の吐出口列について抜き出して拡大し、オリフィスプレートを取り外した状態について示した平面図である。 本発明の第4実施形態に係る記録ヘッドにおける3列の吐出口列について抜き出して拡大し、オリフィスプレートを取り外した状態について示した平面図である。 本発明の第5実施形態に係る記録ヘッドにおける3列の吐出口列について抜き出して拡大し、オリフィスプレートを取り外した状態について示した平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドについて説明する。
(第1実施形態)
図面を参照して本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録ヘッドについて説明する。図1に、本実施形態のインクジェット記録ヘッドが搭載されるインクジェット記録装置(液体吐出装置)100の斜視図を示す。
本実施形態のインクジェット記録装置100には、インクジェット記録ヘッド(液体吐出ヘッド)及びインクタンクが搭載されるキャリッジ111と、キャリッジ111を走査移動させるキャリッジ駆動モータ112が設けられている。インクジェット記録装置100では、記録の行われる際には、キャリッジ111の内部に、図2に示されるインクジェット記録ヘッド19がキャリッジ111における記録媒体(媒体)と対向するように搭載されると共に、不図示のインクタンクが搭載される。
キャリッジ111は、ガイドシャフト106に沿って矢印Aの主走査方向に移動自在にガイドされている。ガイドシャフト106は、記録媒体の幅方向に沿って延びるように配置されている。キャリッジ111に搭載されたインクジェット記録ヘッド19は、キャリッジ駆動モータ112の駆動により、記録媒体の搬送される搬送方向と交差する方向に走査しながら記録を行う。このように、インクジェット記録装置100は、インクジェット記録ヘッド19の主走査方向の移動と、記録媒体の副走査方向の搬送と、を伴って画像を記録するいわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置である。インクタンクに貯留されたインクがインクジェット記録ヘッド19に供給され、インクジェット記録ヘッド19に供給されたインクが記録媒体に向けて吐出されることによって記録が行われる。インクジェット記録ヘッド19には、インク滴を吐出するためのエネルギー発生素子が設けられている。記録媒体は、給紙トレイ115に積載された後、搬送ローラによって副走査方向に搬送される。
また、インクジェット記録装置100は、制御部(不図示)から電気信号をインクジェット記録ヘッドに送るためのフレキシブルケーブル113を有している。記録の際には、フレキシブルケーブル113を介して、記録データに応じて所定のタイミングでエネルギー発生素子に電気信号が送信される。このようにエネルギー発生素子に電流が供給されることによって、エネルギー発生素子が駆動される。本実施形態ではエネルギー発生素子として、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する電気熱変換素子としての発熱素子が用いられている。発熱素子が駆動されることで熱エネルギーが与えられたインクが液室の内部で膜沸騰が引き起こされる。これによって吐出口から記録媒体に向かってインクが吐出され、記録媒体に記録が行われる。
また、インクジェット記録装置100は、インクジェット記録ヘッドの回復処理を行なうための回復処理部114とを備えている。また、インクジェット記録装置100は、キャリッジ111の位置を光学的に読み取る光学式位置センサ116を備えている。また、インクジェット記録装置100は、記録が行われて、排出された記録媒体を保持する排紙トレイ117を備えている。
以上のように構成されるインクジェット記録装置100においては、記録の行われる際に、キャリッジ111を、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に走査させる。このように、インクジェット記録装置100は、記録ヘッドを主走査方向に移動させつつ、インクを吐出させる記録動作と、記録媒体を副走査方向に搬送する搬送動作と、を繰り返すことによって、記録媒体上に順次画像を記録する。キャリッジ111が移動することによって、インクジェット記録ヘッドが記録媒体に対して移動される。そして、インクジェット記録ヘッドは、記録媒体に対して相対的に移動しながら吐出口から記録媒体にインク滴を吐出し、吐出口の形成された範囲に対応した幅で記録が行われる。また、非記録時には、記録媒体の非記録領域に応じて、記録媒体が予め設定されている搬送量だけ間欠的に搬送される。
なお、上記実施形態では、インクジェット記録ヘッドとインクタンクとが別々に構成されたものについて説明しているが、本発明はこれに限定されず、インクジェット記録ヘッドとインクタンクとが一体的に構成されたものが採用されても良い。また、インクタンクは、キャリッジ111とは異なる位置に取り付けられ、インクタンクからチューブ等を介してキャリッジ111に搭載されたインクジェット記録ヘッドにインクが供給される形態であってもよい。
また、上述した記録装置は、インクジェット記録ヘッドの主走査方向の移動と、記録媒体の副走査方向の搬送と、を伴って画像を記録するいわゆるシリアルスキャンタイプの記録装置である。しかし、本発明は記録媒体の幅方向の全域に亘って延在する記録ヘッドを用いるフルラインタイプの記録装置にも適用可能である。その場合には、記録媒体の幅方向の全域に亘って延在するインクジェット記録ヘッドに向けて、インクタンクからインクが供給され、インクジェット記録ヘッドからインクが吐出される。
また、本実施形態のインクジェット記録ヘッドは発熱素子によりインク内で膜沸騰を発生させて発泡させインク滴を吐出する方式としたが、本発明はこれに限定されない。圧電素子を変形させ、これによってインクジェット記録ヘッド内部の液体を吐出する形式の記録ヘッドが記録装置に適用されても良く、また、他の形式のインクジェット記録ヘッドが本発明の記録装置に適用されても良い。
図2に、インクジェット記録ヘッド19についての斜視図を示す。インクジェット記録ヘッド19には、キャリッジ111の走査方向に直交する方向に沿って配列された吐出口列が複数設けられている。記録の行われる際には、インクジェット記録ヘッド19は、キャリッジ111に搭載される。
図3に、インクジェット記録装置に搭載される液体吐出ヘッドとしての記録ヘッド19の平面図を示す。本実施形態では、記録ヘッド19は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色のインクについて吐出することが可能である。記録ヘッド19には、図3に示されるように、複数の吐出口列含む吐出口列群C1,M1,Y,M2,C2が形成されている。吐出口列群C1及びC2はシアンインク吐出用の吐出口列群であり、それぞれ3つずつの吐出口列La,Lb,Lc及び吐出口列Lm,Ln,Loを含む。吐出口列群M1及びM2はマゼンタインク吐出用の吐出口列群であり、それぞれ3つずつの吐出口列Ld,Le,Lf及び吐出口列Lj,Lk,Llを含む。吐出口列群Yは、イエローインク吐出用の吐出口列群であり、3つの吐出口列Lg,Lh,Liを含む。このように、記録ヘッド19は、吐出口列が複数配列されている。
図4は、図3の記録ヘッド19における吐出口列Ld,Le,Lfについて抜き出し、オリフィスプレート3を取り外した状態について拡大して示した平面図である。
図5に、図4のV−V線に沿う断面図を示す。記録ヘッド19は、支持部材(不図示)上に基板2が取り付けられ、基板2上に流路形成部材5及びオリフィスプレート3が取り付けられて形成されている。支持部材と、基板2との間には、共通液室4が画成されている。また、基板2とオリフィスプレート3との間には、流路形成部材5によって形成された空間に、液室11、流路8、圧力室9が画成されている。基板2、オリフィスプレート3、流路形成部材5は、それぞれ一つの部材に記録ヘッド19における全ての吐出口列が配置されるように、全ての吐出口列に対して共通化されて形成されている。
圧力室9は、内部に液体としてのインクを貯留可能であって、貯留されたインクに熱エネルギーを付与するエネルギー発生素子としての発熱素子6を備えている。また、圧力室9には、発熱素子6の駆動によって熱エネルギーがインクに付与された結果、圧力室9内で発泡することによってインクを吐出する吐出口が形成されている。また、液体供給口10は、圧力室9に液体を供給するために、共通液室4からのインクを流通させるように形成されている。液室11は、液体供給口10に対応する位置に形成されている。ここでは、液室11は、インクの吐出される方向に沿って、液体供給口10に接する位置に形成されている。従って、液室11は、液体供給口10を通った後に圧力室9に供給されるインクを、一旦貯留可能に形成されている。また、圧力室9が吐出口列の配列方向(第1の方向)Yに沿って複数配置され、吐出口列の配列方向Yに沿って吐出口が複数配置されることで、吐出口列が形成されている。
図3において、基板を支持する支持部材(不図示)と基板2の間には、色ごとに、複数の吐出口列に共通して形成された共通液室4が形成されている。また、基板2には、共通液室4に連通し、基板2を貫通するように、液体供給口10が形成されている。インク供給口10に連通するように、液体供給口10の上方には、液室11が形成されている。液室11と圧力室9との間には、液室11に連通するように、液室11と圧力室9との間でインクを流通させるための流路8が形成されている。また、二つの流路8に挟まれるように、それぞれの流路8に接続されるように、圧力室9が形成されている。圧力室9には、圧力室9内部の空間と記録ヘッド19の外部との間が連通するように、吐出口7が形成されている。また、圧力室9には、吐出口7と対向する位置に発熱素子6が配置されている。
ここで、液室11と流路8とは、圧力室9と液体供給口10との間の位置で接続され、液体供給口10からインクを圧力室9に導く液体流路として機能している。つまり、液室11は、液体供給口10と圧力室9との間に形成された液体流路の一部として機能している。
記録ヘッド19にインクが供給される際には、共通液室4に、対応するインクタンク(不図示)からインクが供給される。インクタンクから共通液室4に供給されて一旦貯留されたインクは、基板2を貫通する複数の液体供給口10を通して、液室11に供給される。液室11に供給されたインクは、流路8を通って、圧力室9に供給される。圧力室9は、圧力室9を挟むように、それぞれが対向する二つの位置で、二つの流路8によって接続されているので、圧力室9にはそれぞれの流路8からバランス良くインクが供給される。このとき、それぞれ対向する位置の両方からインクが供給されることにより、圧力室9の内部でインク流れに偏りが生じ難く、安定したインクの吐出を行うことができる。
図4に示されるように、基板2には、複数の発熱素子6が列状に備えられており、オリフィスプレート3における各発熱素子6と対向する位置に、吐出口7が形成されている。
図4において、それぞれの吐出口列に沿って、複数の発熱素子6によって構成される発熱素子列が配置されている。発熱素子列において、それぞれの発熱素子6は、隣り合う発熱素子列の間で、吐出口列の配列方向Yに交差(本実施形態では直交)する方向(第2の方向)Xに沿ってピッチPx(1/300インチ)の間隔を有している。また、発熱素子列の発熱素子6は、吐出口列の配列方向に沿ってピッチPy(1/300インチ)の間隔を有して、それぞれ配置されている。また、隣接する発熱素子列同士で、対応する発熱素子6同士の位置を比較すると、吐出口列の配列方向Yに沿ってピッチPy’(1/1200インチ)ずれて配置されている。本実施形態では、隣り合う吐出口列同士の間で、それぞれの吐出口列内で吐出口の配置された間隔ピッチPyの半分だけずれるように、それぞれの吐出口列が配列されている。このように吐出口及び発熱素子が、隣り合う吐出口列同士の間で、ピッチPyの半分だけずれて配置されているので、記録ヘッドからのインクの吐出による記録の際に、解像度を向上させることができる。従って、記録によって得られる記録画像の品質を向上させることができる。
また、本実施形態では、一つの圧力室9に接続された二つの流路8は、それぞれ長さが異なる。例えば、図4に示される圧力室9aに接続された二つの流路8a、8bについてそれらの長さを比較すると、流路8bの方が流路8aよりも長く形成されている。なお、一つの圧力室9に接続された二つの流路8は、長さが等しく形成されてもよい。
各発熱素子6と対向するオリフィスプレート3の位置に備えられている各吐出口7は、発熱素子6と、Px、Py、Py’について、同ピッチで配置されている。
複数の吐出口列に対して、吐出口列方向に対して概ね垂直方向に隣接し、それぞれの吐出口列を間に挟むように複数の液体供給口10が配置され、吐出口列方向に複数の液体供給口10によって構成される液体供給口列が配置されている。吐出口列と、液体供給口列とは、並列して配置されている。
本実施形態では、圧力室9と液室11とが、交互に、一直線上に並べられて配置されている。圧力室9及び液室11が並べられた方向は、吐出口列の配列された方向に対して傾斜している。本実施形態では、それぞれの圧力室9に接続された複数の流路8の間で、吐出口列の配列方向Yに対して傾斜した角度はそれぞれの流路8の間で等しく、記録ヘッド19内で、全ての流路8が平行に配置されている。それぞれの圧力室9では、圧力室9に接続された流路8が、圧力室9における対向する位置にそれぞれ接続されている。また、吐出口列の配列方向Yに直交する方向Xについての端部に形成された液室11以外の液室11では、液室11に接続されたそれぞれの流路8が、液室11における対向する位置で接続されている。
また、圧力室9及び液室11の並べられた方向が、吐出口列の配列方向に対して直交する方向ではなく、吐出口列の配列方向Yに対して斜めの方向に延びるように、圧力室9及び液室11が配置されている。従って、吐出口列の形成された面に沿って、圧力室9に接続された、流路8及び液室11を含む液体供給口10からインクを圧力室9に導く液体流路が、吐出口列の配列方向Yに対して斜めの方向に延びている。また、圧力室9に接続された流路8が、吐出口列の配列方向Yに対して斜めの方向に延びている。図4に示されるように、本実施形態では、流路8が、吐出口列の配列方向Yに対して、角度α傾いた方向に延びている。ここで、流路8が、吐出口列の配列方向Yに対して斜めの方向に延びることは、流路8が、吐出口列の配列方向Yに対して直交せずに、90度以外の角度を有して吐出口列の配列方向Yと交差していることを意味している。このように圧力室9及び液室11が並べられるので、吐出口列の配列方向Yに直交する方向Xに沿った液室11と圧力室9との間の短い距離を保ちつつ、圧力室9と液室11との間の流路8の長さを長くすることができる。
流路8の長さを長くすることができるので、圧力室9内部における吐出口周辺のインクが増粘し、インクに含まれた成分が濃縮され、濃度が局所的に高い濃縮インクが生じたときに、濃縮インクが液室11や液体供給口10に入り込むことを抑えることができる。圧力室9と、液室11あるいは液体供給口10との間の距離が長いので、濃縮インクが生じたときに、液室11あるいは液体供給口10まで到達するのに時間がかかる。そのため、圧力室9内部に存在する濃縮インクは、液室11あるいは液体供給口10に拡散する前に、インクの吐出や回復処理による吐出口周辺のインクの排出等により記録ヘッドの外部に排出され易くなる。従って、増粘して濃縮されたインクが回収され易く、記録のためにインクの吐出が行われる際に、濃縮インクが吐出されることを抑えることができる。インクの吐出の際に濃縮インクが吐出されることによって記録画像に濃度ムラが発生することを抑えることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、流路8の長さを長くすることができるので、流路8を流通するインクの流抵抗を大きくすることができる。流路8内部の流抵抗が大きいので、気泡が生成され、圧力室9内部の圧力が上昇したときに、流路8内部のインクが移動し難く、圧力室9内部の圧力の上昇がインクの吐出に効率的に用いられる。そのため、発熱素子6に印加される電気エネルギーがインクの吐出に効率的に用いられるので、発熱素子6に印加する電力量を少なくすることができ、インクジェット記録装置における消費電力を少なくすることができる。
また、流路8を短く形成し、流路8を流れるインクの流抵抗を小さくしても良い。流路8の延びる方向を、吐出口列の配列された方向に対して傾斜させて流路8を形成することにより、流路の抵抗を調節するために流路の長さを調節することができ、記録ヘッド19における設計の幅を広げることができる。
また、本実施形態では、流路8が吐出口列の配列方向Yに対して斜めの方向に延びるように形成されることによって、圧力室9から、吐出口列の配列方向に対して傾斜した、斜めに向かう方向に沿うスペースが有効に使用される。記録ヘッド19におけるスペースが効率的に使用されるので、吐出口7の配置される密度を高くすることができ、記録ヘッド19を小型化することができる。
また、本実施形態では、記録ヘッド19に形成された複数の流路8が一直線上に配置されると共に、それぞれが平行に配置されている。そのため、それぞれの流路8の間の隔壁の部分も平行に配置される。従って、記録ヘッド19の製造工程において、基板2にレジスト等の感光性樹脂を塗布してオリフィスプレート3を形成する際に、感光性樹脂の流れにおいて、澱みとなる部分が生じ難い。これにより、感光性樹脂が流路8となる部分同士の間をスムーズに流れ、感光性樹脂を所定領域に容易に行き渡らせることができる。感光性樹脂の流れをスムーズにすることができるので、オリフィスプレート3を精度良く形成することができる。
また、本実施形態では、吐出口列の配列方向Yに直交する方向Xに沿った端部に配置されている液室11以外の液室11には、二つの流路8が、それぞれ対向する位置で接続されている。液室11にそれぞれの流路8が対称な位置で連通しているので、液体供給口10及び液室11の内部でインク流れの澱みが生じ難い。そのため、液体供給口10や液室11の内部に気泡が残ったとしても、インクの吐出や、回復処理による強制的なインクの排出によって、容易に気泡を吐出口から外部に排出することができる。液室11や液体供給口10で気泡が生じたときに、気泡の排出を容易に行うことができるので、圧力室9の内部で気泡が残ったまま発熱素子6を駆動させることを抑えることができる。仮に、圧力室9の内部に気泡が残ったまま発熱素子6を駆動させた場合には、発熱素子6の駆動によって生成された気泡の成長が残った気泡によって影響を受け、気泡が偏った状態で成長し、インクの吐出の精度が低下してしまう可能性がある。
また、本実施形態では、一つの液体供給口10に接続された二つの圧力室9に形成された吐出口が、それぞれ別々の吐出口列を構成している。一つの液体供給口10(例えば、10b)に、ゴミ詰まりや液体供給口10自身の開口不良等の理由により過度の流量の変化が生じた場合に、その液体供給口10bと流路8b、8cを介してそれぞれ連通した圧力室9a、9b同士は、比較的離れている。圧力室9a、9bに形成された吐出口のそれぞれは、異なる吐出口列の吐出口を構成しているので、それぞれの吐出口が図4のX方向にずれ、且つ、流路8が斜めに延びているので、それぞれの吐出口が図4のY方向にもずれている。このように、同一の液体供給口10からインクの供給される吐出口同士がそれぞれ比較的離れているので、ある液体供給口10に大きな変化が生じたとしても、そのことによってインクの吐出が影響を受ける吐出口同士が離れている。影響を受ける吐出口同士が離れているので、これらの吐出口のそれぞれからのインクの吐出の精度が低下したとしても、そのことによる記録画像への影響が視認され難く、記録画像への影響を少なく抑えることができる。
仮に、圧力室9及び液室11の並べられた方向が、吐出口列の配列方向に対して直交する方向である場合には、記録ヘッド19を小型化させるために圧力室9と液室11との間の距離を短くすると、その分圧力室9と液室11との間の流路8が短くなる。流路8が短い場合には、液室11から圧力室9にインクが供給される際のインク流れへの抵抗が小さいので、発熱素子6の駆動によって気泡が生成された際に、流路8の内部で、液室11に向かって戻るインクの量が多い。そのため、気泡の生成によって上昇した圧力室9内部の圧力が逃げてしまい、発熱素子6を駆動させるために印加した電気エネルギーがインクの吐出に有効に用いられない可能性がある。そのため、インクの吐出に多くの電力を使用することになり、インクの吐出の際の消費電力が増加し、インクジェット記録装置の運転コストが嵩んでしまう可能性がある。また、流路8の長さを確保したい場合には、流路8の分のスペースが新たに必要になり、記録ヘッドが大型化してしまう可能性がある。また、一つの液体供給口10に接続される二つの圧力室9は、X方向に隣り合って配置される。従って、ある液体供給口10の流量に変化が生じた場合に、そのことによる影響の及ぶ吐出口が比較的近い位置に形成される。そのため、そのことによる記録画像への影響が視認され易く、記録画像への影響が大きくなる可能性がある。
なお、図4に示されるように、本実施形態においては、隣り合う吐出口列の間のピッチのずれがPy’となるように、それぞれの吐出口列が配列されているが、本発明はこれに限定されない。隣り合う吐出口列の間で、ピッチのずれの無い(Py’=0)ように、それぞれの吐出口列が配列されてもよい。
また、本実施形態では、インクの吐出される方向に沿って見た圧力室9の形状が長方形に形成されているが、本発明はこれに限定されない。図6に示されるように、圧力室に流路8が接続された位置以外の部分について、角部がなだらかに形成された形状の圧力室が形成されてもよい。圧力室がこのように形成されることにより、インクの流れがスムーズになり、インクの吐出のために気泡が生成された後に、気泡が圧力室内部に残ることを抑えることができる。インクの吐出後に気泡が圧力室の内部に残ることが抑えられるので、残った気泡によってインクの吐出が影響を受けることが抑えられる。これにより、インクの着弾精度が低下することが抑えられ、記録画像の品質が低下することを抑えることができる。このように、圧力室9は、気泡を容易に排出できるように、画成する壁面の少なくとも一部が、曲面となるように形成されてもよい。
また、圧力室9に接続された流路8は、その本数に限りは無く、1本でも2本以上でも可能とする。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る記録ヘッドについて図面を参照して説明する。上述した実施形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第1実施形態の記録ヘッドでは、圧力室9に接続される二つの流路8が、圧力室におけるそれぞれ対向する位置に接続される形態について説明した。これに対し、第2実施形態では、圧力室9に接続される二つの流路が、圧力室9における吐出口列の配列方向Yに関して一方の側にのみ接続される形態について説明する。
図7に、第2実施形態に係る記録ヘッド19’において、オリフィスプレート3が取り外された状態についての平面図を示す。図7は、図3に示される吐出口列Ld,Le,Lfに対応する吐出口列について拡大して示した図である。第2実施形態の記録ヘッドの構成は、圧力室9、液室11、液体供給口10、流路8の構成以外については、第1実施形態の構成と同様である。
第2実施形態では、圧力室9に二つの流路8が接続されており、これらの流路8が圧力室9で交差し、そこでなす角度が鋭角となるように、圧力室9及び流路8が構成されている。すなわち、圧力室9に接続された二つの液体流路8は、液体流路同士のなす角度が鋭角となるように交差している。本実施形態では、吐出口列の配列方向であるY方向に沿って、一方の側の端部に二つの流路8が接続されている。また、それぞれの流路8は、それぞれの圧力室9において、吐出口列の配列方向に直交するX方向に沿った両方の外側の端部に接続されている。
また、本実施形態では、X方向に沿った端部に形成された液室11以外では、液室11においても二つの流路8が接続されており、これらの流路8が液室11で交差している。また、そこでそれぞれの流路8のなす角度が鋭角となるように、それぞれの流路8が液室11に接続されている。
また、第1実施形態と同様に、吐出口列の形成された面に沿って、圧力室9に接続された流路8が、吐出口列の配列方向に対して斜めの方向に延びている。また、3列の吐出口列Ld、Le、Lfが、それぞれの吐出口列の間で、吐出口列におけるピッチPyの半分のPy’だけずれている。また、圧力室9に接続された二つの流路8のうち、一方の流路が比較的長く形成され、他方の流路が比較的短く形成されている。例えば、圧力室9cに接続された流路8d、8eについて、流路8dが、流路8eよりも長く形成されている。
このように圧力室9、液室11及び流路8が形成されるので、記録ヘッド19’におけるX方向に沿った長さをあまり変えずに流路8の長さを長くすることができる。流路8の長さを長くすることができるので、圧力室9内部における吐出口周辺のインクが増粘し、インクに含まれた成分が濃縮されたときに、濃縮インクが、液室11あるいは液体供給口10に拡散する前に、記録ヘッドの外部に排出され易くすることができる。従って、インクの吐出の際に濃縮インクが吐出されることによって記録画像に濃度ムラが発生することを抑えることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、流路8の長さを長くすることにより、流路8におけるインクの流抵抗を大きくすることができ、吐出口7からのインクの吐出の効率を向上させることができる。また、流路8の長さを長くすることができるので、流路8の抵抗を調節するために流路8の長さを調節することができ、記録ヘッド19’の設計における幅を広げることができる。
また、本実施形態の構成によれば、圧力室9と液室11とが交互に配置され、圧力室9と液室11との間が流路8によって接続され、圧力室9あるいは液室11で流路8が屈曲している。また、圧力室9あるいは液室11で屈曲した流路8は、それぞれの流路8の間でなす角度が鋭角をなしている。このように、本実施形態の構成では、圧力室9と液室11とで接続された流路8が、圧力室9及び液室11で屈曲している。圧力室9同士が一直線の流路で連通していないので、ある圧力室9でインクの吐出の際に生じた圧力波の伝播は、流路が屈曲したところで遮られる。そのため、ある圧力室9で生じた圧力波が、他の圧力室9に伝搬し難い。これにより、ある圧力室9で発生した圧力波が他の圧力室9に伝わる、いわゆるクロストークが生じることが抑えられるので、他の圧力室9でのインクの吐出が圧力波によって影響を受けることが抑えられ、全体的に安定したインクの吐出を行うことができる。従って、インクの着弾精度を向上させることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、本実施形態では、1つの圧力室9に対して2つの流路8が鋭角を成して接続されているので、インク吐出後に圧力室9内にインクを再充填(以下、「リフィル」とも言う)する際に、圧力室9内にインクによる渦流が生じる。これにより、インクの吐出のために生成された気泡の消泡位置が圧力室9の内部で分散され、気泡の消泡時に生じるキャビテーションの発生位置が一か所に集中することを抑えることができる。これにより、キャビテーションの集中によって発熱素子6の寿命が影響を受けることを抑えることができ、記録装置の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、隣り合う吐出口列の間で、吐出口7の位置が、吐出口列の配列方向Yに沿って、吐出口列における吐出口7同士の間隔であるピッチPyの半分のPy’だけずれることとしたが、本発明はこれに限定されない。隣り合う吐出口列の間で、それぞれの吐出口列の間における吐出口7の位置のずれPy’は無くてもよい(Py’=0)。また、圧力室9から気泡をスムーズに排出させるために、圧力室9の形状は、圧力室9に流路8が接続された位置以外の部分について、角部がなだらかに形成されてもよい。
また、圧力室9に接続された流路8は、その本数に限りは無く、1本でも2本以上でも可能とする。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る記録ヘッドについて図面を参照して説明する。上述した実施形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第3実施形態の記録ヘッド19’’は、同一の吐出口列における吐出口7に対応する圧力室9同士を一つおきに液室11及び流路8を介して接続している。また、圧力室9に接続される流路8同士のなす角が、鈍角をなして交差している点で、上記第1実施形態及び第2実施形態の記録ヘッドと異なる。
図8は、本発明の第3実施形態における記録ヘッド19’’において、オリフィスプレート3が取り外された状態についての平面図である。図8に、第3実施形態に係る記録ヘッド19’’において、オリフィスプレート3が取り外された状態についての平面図を示す。図8は、図3に示される吐出口列Ld,Le,Lfに対応する吐出口列について拡大して示した図である。第3実施形態の記録ヘッド19’’の構成は、圧力室9、液室11、液体供給口10、流路8の構成以外については、第1実施形態の構成と同様である。
第3実施形態においても、吐出口列の形成された面に沿って、圧力室9に接続された流路8が、吐出口列の配列方向に対して斜めの方向に延びている。また、第3実施形態では、配列方向Yに沿って配列されている吐出口列における一つおきの圧力室9と、配列方向Yに沿って、その一つおきの圧力室9同士の間に配置された液室11とが連続的に接続されている。また、一つの圧力室9につき、二つの流路8が接続されている。本実施形態では、圧力室9に接続された二つの流路8のなす角が鈍角となるように、記録ヘッド19’’が形成されている。また、本実施形態では、圧力室9への流路8の接続位置は、吐出口列の配列方向Yに直交する方向Xについて、一方の端部のみである。従って、圧力室9における吐出口列の配列方向Yに直交する方向Xの一方の端部に接続された二つの流路8は連続的に形成され、圧力室9及び液室11で屈曲している。
記録ヘッド19’’がこのように形成されているので、記録ヘッド19’’におけるX方向に沿った長さをあまり変えずに流路8の長さを長くすることができる。これにより、流路8におけるインクの流抵抗を大きくすることができ、吐出口7からのインクの吐出の効率を向上させることができると共に、記録ヘッド19’’の大型化を抑えることができる。また、流路8の長さを長くすることができるので、流路8の抵抗を調節するために流路8の長さを調節することができ、記録ヘッド19’’の設計における幅を広げることができる。また、流路8の長さを長くすることができるので、吐出口7周辺のインクが増粘し、インクに含まれた成分が濃縮されたときに、濃縮インクが、液室11あるいは液体供給口10に拡散する前に、記録ヘッド19’’の外部に排出され易くすることができる。従って、インクの吐出の際に濃縮インクが吐出されることによって記録画像に濃度ムラが発生することを抑えることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、本実施形態では、圧力室9に接続される接続位置が対向せずに、吐出口列の配列方向Yに直交するX方向に沿った一方の側でのみ流路8と圧力室9とが接続されているので、圧力室9に供給されるインクの流れに渦流が生じる。従って、圧力室9内部での気泡の消泡位置を分散させることができ、キャビテーションによる発熱素子6への負荷を軽減させることができる。これにより、記録ヘッド19’’の耐久性を向上させることができる。
また、圧力室9に接続された流路8が、液室11の部分で屈曲して形成されている。そのため、連続的に形成された流路8が、液室11の部分で屈曲しているので、一つの圧力室9で生じた圧力波が、他の圧力室9に伝播することを抑えることができる。その圧力波が、他の圧力室9からのインクの吐出に影響を与えることを抑えることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、本実施形態では、吐出口列に配列された吐出口に対応する圧力室のうち、一つおきの圧力室9が流路によって接続されてインク流路が形成されている。そのため、一つの液体供給口10に流路8を介して接続された圧力室9同士が比較的離れている。従って、仮に、一つの液体供給口10がゴミ詰まり等によって、流量の過度な変化が生じた場合に、そのことによって吐出が影響を受ける吐出口7同士が比較的離れている。一つの液体供給口10の流量に大きな変化が生じたときに、それによって影響を受ける吐出口7が一箇所に集中しているわけではないので、変化の生じた液体供給口10による影響は記録画像で視認され難い。そのため、一つの液体供給口10に大きな変化が生じても、そのことによる記録画像への影響を少なく抑えることができる。
また、本実施形態においては、隣り合う吐出口列の間で、吐出口の位置が、吐出口列の配列方向Yに沿って、吐出口列における吐出口のピッチのPyの半分のPy’だけずれることとしたが、本発明はこれに限定されない。隣り合う吐出口列の間で、それぞれの吐出口列の間における吐出口の位置のずれPy’は、ピッチずれ無し(Py’=0)でもよい。また、圧力室9から気泡をスムーズに排出させるために、圧力室の形状は、圧力室に流路8が接続された位置以外の部分について、角部がなだらかに形成されてもよい。
また、圧力室9に接続された流路8は、その本数に限りは無く、1本でも2本以上でも可能とする。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る記録ヘッドについて図面を参照して説明する。上述した実施形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図9は、本発明の第4実施形態における記録ヘッド19’’’において、オリフィスプレート3が取り外された状態についての平面図である。第4実施形態の記録ヘッド19’’’では、圧力室9に二つの流路8が接続され、これら二つの流路8は、圧力室9におけるそれぞれ対向する位置に接続されている。これらの流路8は、圧力室9を挟んで、対称に配置されている。また、圧力室9では、インク流路は屈曲せずに、インク流路が一直線となるように形成されている。また、液室11においても、圧力室9にインクを供給するための二つの流路8が接続されている。これら二つの流路8は、液室11における吐出口列の配列方向Yにおける一方の側のみに接続されている。液室11に接続された二つの流路8は、それぞれのなす角が鋭角をなすように、液室に接続されている。
図9は、図3に示される吐出口列Ld,Le,Lfに対応する吐出口列について拡大して示した図である。第4実施形態の記録ヘッド19’’’の構成は、圧力室9、液室11、液体供給口10、流路8の構成以外については、第1実施形態の構成と同様である。第4実施形態においても、吐出口列の形成された面に沿って、圧力室9に接続された流路8が、吐出口列の配列方向に対して斜めの方向に延びている。
記録ヘッド19’’’がこのように形成されているので、記録ヘッド19’’’におけるX方向に沿った長さをあまり変えずに流路8の長さを長くすることができる。これにより、流路8におけるインクの流抵抗を大きくすることができ、吐出口7からのインクの吐出の効率を向上させることができると共に、記録ヘッド19’’’の大型化を抑えることができる。また、流路8の長さを長くすることができるので、流路8の抵抗を調節するために流路8の長さを調節することができ、記録ヘッド19’’’の設計における幅を広げることができる。また、流路8の長さを長くすることができるので、吐出口7周辺のインクが増粘し、インクに含まれた成分が濃縮されたときに、濃縮インクが、液室11あるいは液体供給口10に拡散する前に、記録ヘッド19’’’の外部に排出され易くすることができる。従って、インクの吐出の際に濃縮インクが吐出されることによって記録画像に濃度ムラが発生することを抑えることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、本実施形態では、圧力室9に接続された二つの流路8が、それぞれ対向する位置に接続されており、圧力室9を挟んで流路8が対称に配置されている。従って、隣り合う液体供給口10から圧力室9へインクが供給される際には、それぞれの流路8からバランス良くインクが供給されるので、インクの吐出のために圧力室9内部で気泡を生成する際に、気泡が偏って生成されることを抑えることができる。気泡が偏らずにインクが吐出されるので、インクの吐出の際に、着弾精度を向上させることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、本実施形態の記録ヘッド19’’’は、流路8が液室11の部分で屈曲されて一直線とならないように形成されている。そのため、ある圧力室9でインク吐出の際に生じた圧力波が、他の圧力室に伝播する、いわゆるクロストークが生じることを抑えることができる。従って、ある圧力室9で生じた圧力波によって、他の圧力室9からのインクの吐出が影響を受けることを抑えることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、本実施形態においては、隣り合う吐出口列の間で、吐出口の位置が、吐出口列の配列方向Yに沿って、吐出口列における吐出口のピッチPyの半分のPy’だけずれることとしたが、本発明はこれに限定されない。隣り合う吐出口列の間で、それぞれの吐出口列の間における吐出口の位置のずれPy’は、ピッチずれ無し(Py’=0)でもよい。また、圧力室9から気泡をスムーズに排出させるために、圧力室9の形状は、圧力室9に流路8が接続された位置以外の部分について、角部がなだらかに形成されてもよい。
また、圧力室9に接続された流路8は、その本数に限りは無く、1本でも2本以上でも可能とする。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る記録ヘッドについて図面を参照して説明する。上述した実施形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図10は、本発明の第5実施形態における記録ヘッド19’’’’において、オリフィスプレート3が取り外された状態についての平面図である。第5実施形態の記録ヘッド19’’’’では、それぞれの吐出口列を構成する吐出口7が、吐出口列の配列方向Yに沿って、別の吐出口列を構成する吐出口7と同じ位置に配置されている。従って、それぞれの吐出口列の間で吐出口7の位置だけを比較した場合、ピッチずれの無い(Py’=0)ように、それぞれの吐出口列が配置されている。また、同じ液体供給口10に隣り合う二つの吐出口7の位置を比較すると、1ピッチ分だけ、吐出口列の配列方向Yにずれている。このようにそれぞれの吐出口列を構成する吐出口7が配列されている点で、第5実施形態の記録ヘッド19’’’’が上記実施形態の記録ヘッドと異なる。
図10は、図3に示される吐出口列Ld,Le,Lfに対応する吐出口列について拡大して示した図である。第5実施形態の記録ヘッド19’’’’の構成は、圧力室9、液室11、液体供給口10、流路8の構成以外については、第1実施形態の構成と同様である。第5実施形態においても、吐出口列の形成された面に沿って、圧力室9に接続された流路8が、吐出口列の配列方向に対して斜めの方向に延びている。
本実施形態の記録ヘッド19’’’’では、圧力室9に二つの流路8が接続され、これら二つの流路8は、圧力室9における吐出口列の配列方向Yの一方の側にのみ接続されている。圧力室9に接続された二つの流路8は、それぞれ鋭角をなして形成されている。また、液室11に接続された二つの流路8においても、液室11における吐出口列の配列方向Yの一方の側にのみ接続されている。液室11に接続された二つの流路8も、それぞれ鋭角をなすように形成されている。
また、本実施形態では、吐出口7の位置だけを比較すると、それぞれの吐出口列の間で、吐出口7の間のピッチずれが無いように、吐出口列が配置されている。また、同一の液室11に接続された二つの圧力室9の位置を比較すると、これらの圧力室9は、1ピッチ分だけお互いずれて、それぞれの吐出口7が配列されている。このように、流路8を介して連続的に配置された圧力室同士が1ピッチ分だけずれて形成するために、液室11に接続されたそれぞれの流路8は、一方の流路8と他方の流路8との間で長さが異なるように形成されている。同一の液室11に接続された圧力室9のうち、一方の圧力室9に向かう流路8の長さと、他方の圧力室9に向かう流路8の長さとが異なっているので、一方の圧力室9が液室11に近接し、一方の圧力室9が液室11から離間している。このように同一の液室から長さの異なる流路8によってそれぞれの圧力室9に接続されているので、これらの圧力室9の間で、吐出口列の配列方向Yに沿った圧力室9の位置が異なる。例えば、同一の液室9gに接続された二つの流路の長さを比較すると、流路8mよりも流路8nの長さの方が長い。
記録ヘッド19’’’’がこのように形成されているので、記録ヘッド19’’’’におけるX方向に沿った長さをあまり変えずに流路8の長さを長くすることができる。これにより、流路8におけるインクの流抵抗を大きくすることができ、吐出口7からのインクの吐出の効率を向上させることができると共に、記録ヘッド19’’’’の大型化を抑えることができる。また、流路8の長さを長くすることができるので、流路8の抵抗を調節するために流路8の長さを調節することができ、記録ヘッド19’’’’の設計における幅を広げることができる。また、流路8の長さを長くすることができるので、吐出口7周辺のインクが増粘し、インクに含まれた成分が濃縮されたときに、濃縮インクが、液室11あるいは液体供給口10に拡散する前に、記録ヘッド19’’’’の外部に排出され易くすることができる。従って、インクの吐出の際に濃縮インクが吐出されることによって記録画像に濃度ムラが発生することを抑えることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、本実施形態では、一つの圧力室9に、長さの異なる2つの流路8が接続されている。そのため、それぞれの流路8の間で、インクが流路8内を通過する際のインクへの流抵抗の大きさが異なる。一般に、流路が長くなると、インクが流れる際のインクへの流抵抗は大きくなるが、その分、インクの吐出後に圧力室9にインクを再充填する際のインクの流速が遅くなり、リフィルの時間が長くなる。一方、流路8が短くなると、インクへの流抵抗が少なくなり、リフィルにかかる時間が短縮される。液室11及び液体供給口10に濃縮インクが拡散することを抑え、高品位な画像を得るために長い流路8を確保しつつ、リフィル時間を短縮させるために流路8を短くしたい場合には、本実施形態のように、折衷的な構造を採用することも可能である。
また、本実施形態の記録ヘッド19’’’’では、圧力室9に接続された二つの流路8は、それぞれ対向した位置に接続されるわけではなく、二つの流路8のいずれも圧力室9における吐出口列の配列方向Yの端部に接続されている。また、圧力室9に接続された二つの流路8は、それぞれが鋭角をなして交差するように構成されている。従って、インクの吐出のために圧力室9に供給されるインクの流れに渦流が生じる。これによって圧力室9内部での気泡の消泡位置を分散させることができ、キャビテーションによる発熱素子6への負荷を軽減させることができる。これにより、記録ヘッド19’’’’の耐久性を向上させることができる。
また、圧力室9に接続されたインク流路が、液室11の部分で屈曲して形成されている。そのため、連続的に形成されたインク流路が、液室11の部分で屈曲し、一つの圧力室9で生じた圧力波が、他の圧力室9に伝播することを抑えることができる。その圧力波によって、他の圧力室9からのインクの吐出に影響を与えることを抑えることができ、記録画像の品質を向上させることができる。
また、本実施形態の記録ヘッド19’’’’では、同一の液室11に流路8を介して接続された二つの圧力室同士が、お互いから比較的離れた位置に配置されている。これらの二つの圧力室11は、異なる吐出口列に配置され、且つ、吐出口列の配列方向Yに沿って、吐出口列における1ピッチ分ずれて配置されている。そのため、仮に、一つの液体供給口10にゴミ詰まり等によって流量の変化が生じた場合に、そのことによって吐出が影響を受ける吐出口同士が比較的離れている。影響を受ける吐出口7が一箇所に集中しているわけではないので、流量の変化が生じた液体供給口10による影響は、記録画像で視認され難い。そのため、一つの液体供給口10を流れるインクの流量に変化が生じたとしても、そのことによる記録画像への影響を少なく抑えることができる。
また、本実施形態においては、隣り合う吐出口列の間で、吐出口7の位置だけを比較したときに、吐出口列の配列方向Yに沿って、ピッチずれの無い(Py’=0)構成としたが、本発明はこれに限定されない。記録ヘッド19’’’’は、隣り合う吐出口列の間で、それぞれの吐出口列の間における吐出口7の位置のずれが存在する構成であってもよい。隣り合う吐出口列の間での、吐出口列の配列方向Yに沿った吐出口7の位置のずれは、例えば、ピッチずれPy’=1/1200インチであってもよい。また、圧力室9から気泡をスムーズに排出させるために、圧力室9の形状は、圧力室9に流路8が接続された位置以外の部分について、角部がなだらかに形成されてもよい。
また、圧力室9に接続された流路8は、その本数に限りは無く、1本でも2本以上でも可能とする。
なお、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わずに用いられる。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または記録媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録装置」とは、プリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置などのプリント機能を有する装置、ならびにインクジェット技術を用いて物品の製造を行なう製造装置を含む。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものを表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
7 吐出口
8 流路
9 圧力室
10 液体供給口
11 液室

Claims (12)

  1. 液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子を内部に備え、前記エネルギー発生素子によってエネルギーの付与された液体を吐出する吐出口と連通する複数の圧力室と、
    前記圧力室に液体を供給するための液体供給口と、
    前記圧力室と、前記液体供給口との間に接続され、前記液体供給口から液体を前記圧力室に導く液体流路とを有し、
    複数の前記吐出口が第1の方向に沿って配列される吐出口列と、複数の前記液体供給口が配列される液体供給口列と、が並列して配される液体吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力室は、当該圧力室に最も近接して配される前記液体供給口を除く二つの前記液体供給口と二つ前記液体流路を介して連通し、
    前記圧力室に接続された二つの前記液体流路のそれぞれは、前記圧力室における対向する位置で接続されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記圧力室と前記液体供給口とが、前記液体流路を介して交互に配置されていることを特徴とする請求項に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子を内部に備え、前記エネルギー発生素子によってエネルギーの付与された液体を吐出する吐出口と連通する複数の圧力室と、
    前記圧力室に液体を供給するための液体供給口と、
    前記圧力室と、前記液体供給口との間に接続され、前記液体供給口から液体を前記圧力室に導く液体流路とを有し、
    複数の前記吐出口が第1の方向に沿って配列される吐出口列と、複数の前記液体供給口が配列される液体供給口列と、が並列して配される液体吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力室は、当該圧力室に最も近接して配される前記液体供給口を除く二つの前記液体供給口と二つの前記液体流路を介して連通し、
    前記圧力室に接続された二つの前記液体流路のそれぞれは、前記液体流路同士のなす角度が鋭角となるように接続されるとともに、いずれも前記圧力室における前記第1の方向の一方の端部で接続されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子を内部に備え、前記エネルギー発生素子によってエネルギーの付与された液体を吐出する吐出口と連通する複数の圧力室と、
    前記圧力室に液体を供給するための液体供給口と、
    前記圧力室と、前記液体供給口との間に接続され、前記液体供給口から液体を前記圧力室に導く液体流路とを有し、
    複数の前記吐出口が第1の方向に沿って配列される吐出口列と、複数の前記液体供給口が配列される液体供給口列と、が並列して配される液体吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力室は、当該圧力室に最も近接して配される前記液体供給口を除く二つの前記液体供給口と二つの前記液体流路を介して連通し、
    前記圧力室に接続された二つの前記液体流路のそれぞれは、前記液体流路同士のなす角度が鋭角となるように接続され、
    前記圧力室と前記液体供給口とが、前記液体流路を介して交互に配置され、
    前記液体供給口に接続された二つの前記液体流路のそれぞれは、前記液体流路同士のなす角度が鋭角となるように接続されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子を内部に備え、前記エネルギー発生素子によってエネルギーの付与された液体を吐出する吐出口と連通する複数の圧力室と、
    前記圧力室に液体を供給するための液体供給口と、
    前記圧力室と、前記液体供給口との間に接続され、前記液体供給口から液体を前記圧力室に導く液体流路とを有し、
    複数の前記吐出口が第1の方向に沿って配列される吐出口列と、複数の前記液体供給口が配列される液体供給口列と、が並列して配される液体吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力室は、当該圧力室に最も近接して配される前記液体供給口を除く二つの前記液体供給口と二つの前記液体流路を介して連通し、
    前記圧力室に接続された二つの前記液体流路のそれぞれは、前記液体流路同士のなす角度が鈍角となるように接続されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 前記圧力室に接続された二つの前記液体流路のそれぞれは、いずれも前記圧力室における前記第1の方向に交差する第2方向の一方の端部で接続されていることを特徴とする請求項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記液体供給口には、二つの前記液体流路が接続され、
    前記圧力室と前記液体供給口とが、前記液体流路を介して交互に配置されていることを特徴とする請求項またはに記載の液体吐出ヘッド。
  8. 液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子を内部に備え、前記エネルギー発生素子によってエネルギーの付与された液体を吐出する吐出口と連通する複数の圧力室と、
    前記圧力室に液体を供給するための液体供給口と、
    前記圧力室と、前記液体供給口との間に接続され、前記液体供給口から液体を前記圧力室に導く液体流路とを有し、
    複数の前記吐出口が第1の方向に沿って配列される吐出口列と、複数の前記液体供給口が配列される液体供給口列と、が並列して配される液体吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力室は、当該圧力室に最も近接して配される前記液体供給口を除く二つの前記液体供給口と二つの前記液体流路を介して連通し、
    前記圧力室に接続された二つの前記液体流路のそれぞれは、前記圧力室における対向する位置で接続され、
    前記液体供給口には、二つの前記液体流路が接続され、
    前記圧力室と前記液体供給口とが、前記液体流路を介して交互に配置され、
    前記液体供給口に接続された二つの前記液体流路のそれぞれは、前記液体流路同士のなす角度が鋭角となるように接続されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子を内部に備え、前記エネルギー発生素子によってエネルギーの付与された液体を吐出する吐出口と連通する複数の圧力室と、
    前記圧力室に液体を供給するための液体供給口と、
    前記圧力室と、前記液体供給口との間に接続され、前記液体供給口から液体を前記圧力室に導く液体流路とを有し、
    複数の前記吐出口が第1の方向に沿って配列される吐出口列と、複数の前記液体供給口が配列される液体供給口列と、が並列して配される液体吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力室は、当該圧力室に最も近接して配される前記液体供給口を除く二つの前記液体供給口と二つの前記液体流路を介して連通し、
    前記吐出口列が複数配列され、
    同一の前記液体供給口に前記流路を介して接続された二つの前記圧力室は、それぞれ隣り合う前記吐出口列に含まれ、
    前記第1の方向に沿って、二つの前記圧力室が、お互いに前記吐出口列に配列された吐出口同士の間隔である1ピッチだけずれて配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 液体にエネルギーを付与するエネルギー発生素子を内部に備え、前記エネルギー発生素子によってエネルギーの付与された液体を吐出する吐出口と連通する複数の圧力室と、
    前記圧力室に液体を供給するための液体供給口と、
    前記圧力室と、前記液体供給口との間に接続され、前記液体供給口から液体を前記圧力室に導く液体流路とを有し、
    複数の前記吐出口が第1の方向に沿って配列される吐出口列と、複数の前記液体供給口が配列される液体供給口列と、が並列して配される液体吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力室は、当該圧力室に最も近接して配される前記液体供給口を除く二つの前記液体供給口と二つの前記液体流路を介して連通し、
    前記圧力室に接続された二つの前記液体流路のそれぞれの長さがお互いに異なっていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  11. 前記圧力室が、前記第1の方向に沿って複数配列されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記圧力室を画成する壁面の少なくとも一部が、曲面であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
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