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JP6271898B2 - 液体吐出ヘッド及び記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド及び記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドから液体を吐出する吐出方法及びその液体吐出ヘッドから液体を吐出させて記録を行う記録装置に関する。
インクジェット記録装置における液体吐出方法として、発熱抵抗素子を用いてインクを吐出する方式が広く採用されている。この方式のインクジェット記録装置では、発熱抵抗素子上で気泡を発生させることによって記録ヘッドからインクを吐出して記録行っている。この方式のインクジェット記録装置によって記録が行われる際には、発熱抵抗素子上で発生した気泡がそこで消泡したときにキャビテーションが生じてしまう。そのキャビテーションにより、発熱抵抗素子の寿命が影響を受ける可能性がある。
特許文献1には、キャビテーションによる発熱抵抗素子の影響を抑えるために、インク流路の中心を発熱抵抗素子の中心からインクの供給される方向に直交する方向にオフセットされた液体吐出ヘッドが開示されている。このように液体吐出ヘッドが構成されているので、気泡の消泡を、発熱抵抗素子から外れた位置で行わせることができる。そのため、発熱抵抗素子上でキャビテーションが生じることが抑えられ、発熱抵抗素子の寿命が影響を受けることを抑えることができる。
特開2002−321369号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている記録ヘッドの構成では、気泡の消泡位置を発熱抵抗素子からインクの供給される方向に直交する方向にオフセットさせるための発泡室のスペースが必要となる。そのため、それぞれの発泡室の占めるスペースが大きくなってしまい、吐出口を高密度に配置することができず、液体吐出ヘッドが大型化してしまう可能性がある。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、キャビテーションによる発熱抵抗素子への影響を抑えながら、インクの供給される方向に直交する方向への発泡室の占めるスペースが少なく抑えられた液体吐出ヘッド及び記録装置を提供することを目的とする。
本発明は、液体を貯留することが可能な発泡室と、前記発泡室に面して配置され、前記発泡室の内部に貯留された液体を加熱することが可能な発熱抵抗素子と、前記発泡室の内部に貯留された液体を吐出するために開口された吐出口と、前記吐出口と前記発泡室の間で液体を流通させる吐出部と、前記発泡室に液体を供給する液体供給口とを有し、前記発熱抵抗素子が駆動されることによって液体が加熱されることで前記発泡室に貯留された液体の内部で気泡が生成されて液体が吐出され、気泡が大気と連通せずに消泡する液体吐出ヘッドであって、前記発熱抵抗素子における液体の供給される方向に沿う長さをLとすると、液体の吐出される方向に沿って見たときに、前記吐出口の重心の位置が、前記発熱抵抗素子における表面の重心の位置よりも、前記液体供給口の位置する側にL/7以上離れており、前記吐出部における液体の吐出される方向に沿う長さをl、前記発泡室における液体の吐出される方向への長さをhとすると、l/hが2以下であることを特徴とする。
本発明によれば、キャビテーションによる発熱抵抗素子への負荷が少なく抑えられるので、液体吐出ヘッドの耐久性を向上させることができる。そのため、液体吐出ヘッドの運転コストを少なく抑えることができる。また、液体吐出ヘッドにおいて、吐出口を高密度に配置することができるので、高精細な画像の記録を行うことができると共に、液体吐出ヘッドを小型化することができ、液体吐出ヘッドの製造コストを少なく抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置を示した斜視図である。 図1のインクジェット記録装置で用いられる記録ヘッドの基板、吐出口プレート及び流路構成部について、内部の構成を説明するために一部を破断して示した斜視図である。 図2の記録ヘッドのIII−III線に沿う断面図である。 図2の記録ヘッドにおける吐出口の周辺について示した断面図である。 図2の記録ヘッドによってインクの吐出が行われる際の気泡及びメニスカスの状態について、側面から見て時系列に示した断面図である。 図2の記録ヘッドによってインクの吐出が行われる際の気泡の状態について、上方から見て時系列に示した断面図である。 比較例のそれぞれの場合について、吐出口及び発熱抵抗素子の位置関係について示した断面図である。 比較例におけるインクの吐出が行われる際の気泡及びメニスカスの状態について、側面から見て時系列に示した断面図である。 比較例におけるインクの吐出が行われる際の気泡の状態について、上方から見て時系列に示した断面図である。 別の比較例におけるインクの吐出が行われる際の気泡及びメニスカスの状態について、側面から見て時系列に示した断面図である。 別の比較例におけるインクの吐出が行われる際の気泡の状態について、上方から見て時系列に示した断面図である。 さらに別の比較例におけるインクの吐出が行われる際の気泡及びメニスカスの状態について、側面から見て時系列に示した断面図である。 さらに別の比較例におけるインクの吐出が行われる際の気泡の状態について、上方から見て時系列に示した断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッド及び記録装置について説明する。
まず、本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置1001について示した斜視図である。記録装置としてのインクジェット記録装置1001に取り付けられたキャリッジ1002には、液体吐出ヘッドとしての記録ヘッド1003と共に、記録ヘッド1003に供給するインクを貯留するインクカートリッジ1006が搭載可能に構成されている。このように、インクジェット記録装置1001は、記録ヘッド1003を搭載可能なキャリッジ(搭載手段)1002を有している。インクカートリッジ1006は、キャリッジ1002に対して着脱自在になっている。なお、記録ヘッド1003とインクカートリッジ1006とは、一体に形成されていても良い。
インクジェット記録装置1001は、カラー記録が可能であり、キャリッジ1002にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のそれぞれの色のインクを収容した4つのインクカートリッジ1006を搭載している。これら4つのインクカートリッジ1006は、それぞれ独立に着脱可能である。
キャリッジ1002と記録ヘッド1003とは、両部材同士の間の電気的な接触部が適正に接触することで、それぞれの部材の間が電気的に接続されるようになっている。記録ヘッド1003は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを記録媒体(媒体)に選択的に吐出して記録を行う。特に、本実施形態の記録ヘッド1003は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。
インクジェット記録装置1001には、キャリッジ1002の主走査方向に沿って延びるように、ガイドシャフト1013が配置されている。キャリッジ1002は、ガイドシャフト1013によって貫通されて支持されている。これにより、キャリッジ1002は、ガイドシャフト1013に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。
キャリッジ1002はキャリッジモータからの駆動力を伝達するための伝達機構としての駆動ベルト1007の一部に連結されている。記録ヘッド1003を搭載したキャリッジ1002は、キャリッジモータの駆動力によって往復移動される。このように、キャリッジ1002は、キャリッジモータの正転及び逆転によってガイドシャフト1013に沿って、記録媒体の搬送方向に交差する主走査方向に往復移動する。また、インクジェット記録装置1001には、キャリッジ1002の移動方向(矢印A方向)に沿ったキャリッジ1002の位置を示すための不図示のスケールが備えられている。記録ヘッド1003が主走査方向へ走査しながらインクの吐出が行われることで、記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。また、インクジェット記録装置1001には、記録ヘッド1003の吐出口が形成された吐出口面に対向してプラテンが設けられている。
インクジェット記録装置1001は、記録媒体Pを搬送するために不図示の搬送モータによって駆動される搬送ローラ1014を有している。また、インクジェット記録装置1001は、バネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ1014に当接させるピンチローラ1015を有している。また、インクジェット記録装置1001は、ピンチローラ1015を回転自在に支持する不図示のピンチローラホルダ、搬送ローラ1014に接続された不図示の搬送ローラギアを有している。搬送モータが回転を行うと、搬送モータの回転駆動による駆動力が搬送ローラギアを介して搬送ローラ1014に伝達され、搬送ローラ1014が駆動される。このように、インクジェット記録装置1001は、記録媒体を搬送させる搬送手段を有している。搬送ローラ1014とピンチローラ1015との間に記録媒体Pが挟まれた状態で搬送ローラ1014が回転駆動されることによって、記録媒体Pが搬送方向に沿って搬送される。
また、インクジェット記録装置1001には、記録ヘッド1003の吐出口をキャッピングして、記録ヘッド1003から吐出されるインクを受容可能なキャップ1226が配置されている。キャップ1226によって記録ヘッド1003の吐出口をキャッピングした状態で、顔料インクによる予備吐出が行われ、キャップ内でインクが吸引されることで、顔料インクによる予備吐出で吐出されたインクを回収することが可能である。また、図1における記録媒体Pの外側には、プラテン上で予備吐出が行われた際に吐出されたインクを受容できるプラテン予備吐出位置ホーム1224及びプラテン予備吐出位置アウェイ1225が配置されている。
図2に、本実施形態の記録ヘッドの斜視図を示す。また、図3に、図2の記録ヘッドにおけるIII−III線に沿う断面図を示す。
記録ヘッド1003は、基板34、流路構成部4及び吐出口プレート8を有しており、基板34の上に流路構成部4及び吐出口プレート8が設けられている。基板34には、インク供給室10及びインク供給口(液体供給口)3が形成されており、インク供給室10は、基板表面に設けられた開口部のインク供給口3を介して、共通液室6及び液流路7に連通している。基板34に、流路構成部4及び吐出口プレート8が取り付けられることで、これらの間に発泡室5が画成されている。吐出口プレート8には、発泡室5に貯留されたインクを吐出するための外部への開口として吐出口2が形成されている。吐出口プレート8の内部には、発泡室5に貯留されたインクを吐出口2に供給する流路としての吐出部40が形成されている。吐出部40によって吐出口2と発泡室5の間でインクを流通させている。
図2に示されるように、基板34における流路構成部4及び吐出口プレート8の取り付けられた面には、長細い矩形のインク供給口3が形成されている。インク供給口3は基板34の表面に形成された長溝状の開口部であり、インク供給室10への開口に相当する。インク供給室10は、基板34に溝として設けられ、インク供給口3及び液流路7を介して発泡室5及び吐出口2と連通している。
基板34における発泡室5に面する位置には、インク吐出に作用する吐出エネルギー発生素子としての発熱抵抗素子1が配置されている。発熱抵抗素子1は、インク供給口3の長手方向の両側にそれぞれ1列ずつ発熱抵抗素子1の間隔が600dpiのピッチで配列されている。吐出口プレート8には、発熱抵抗素子1に対応して吐出口2が設けられている。
基板34は、流路構成部4の一部として機能し、その材質は、吐出エネルギー発生手段、並びに吐出口2及び後述の流路を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、特に限定されるものではない。本実施形態では、基板34としてシリコン基板が用いられている。図3に示されるように、インク供給口3とそれぞれの発泡室5との間には、インク供給口3からそれぞれの発泡室5にインクを導くための液流路7が形成されている。なお、本実施形態では、吐出口プレート8と流路構成部4は同一部材であるが、別の部材であっても同様の効果が得られる。
図4に、本実施形態の記録ヘッド1003に形成された吐出口2の周辺の形状について示す。図4は、発泡室5における吐出口2の周辺の部分について拡大して示した断面図である。図4に示されるように、吐出口2は円形状で、半径10μmの円であり、本実施形態では発熱抵抗素子1の中心に対する吐出口2の中心のオフセット量はインク供給口3の側に8μmずれている。発熱抵抗素子1は、インクの供給方向に直交する方向への長さが23.2μm、インクの供給方向への長さが38.8μmであり、縦横比が1.67(=38.8/23.2)の長方形状である。ここで、本実施形態では、円形の吐出口が用いられているので、吐出口の中心は、円の中心の位置である。また、本実施形態では、発熱抵抗素子1は、インク供給口3から発泡室5へインクの供給される供給方向に沿って長い辺を有した長方形の形状を有している。そのため、発熱抵抗素子1の中心は、長方形の発熱抵抗素子1における対角線の交点が用いられている。
また、本実施形態では、図3において、流路構成部4の高さhは20μmであり、吐出口プレート8の厚みlは23μmである。発熱抵抗素子1から吐出口2を通して吐出されるインク液滴の吐出量は約13ngである。
吐出口2をこのように配置することにより、本発明では、発熱抵抗素子1の上面におけるキャビテーションおよびそれに伴う、発熱抵抗素子1への影響を抑制している。その原理について以下に説明する。
図5(a)〜(c)は、本実施形態における記録ヘッド1003によるインクの吐出の際の気泡の消泡過程(収縮過程)を時系列的に説明するための模式的な断面図である。図6(a)〜(c)は、本実施形態における記録ヘッド1003によるインクの吐出の際の気泡の消泡過程を上面から見て示した模式的な断面図であり、発熱記録素子1の直上の面に沿った断面図である。
まず、図示しない配線および電極を介して発熱抵抗素子1を駆動して発熱させる。発熱抵抗素子1上で気泡が発生した状態の、発熱抵抗素子1の直上での断面図を図6(a)に示す。発熱抵抗素子1の発熱により、発泡室5内部のインクが加熱されてインク内で膜沸騰により気泡が生じる。加熱されて発生した気泡120が成長し、このときの発泡圧によって発泡室5に貯留されたインクの一部が吐出口2から吐出される。このように気泡120の体積が一旦増大して最大体積に到達した後は、図5(a)に示されるように、気泡120が縮小し、それに伴って、吐出口2に連通する吐出部40の内部に位置するインクのメニスカス123が発泡室5内の方向へ下降する。
インクの吐出が行われると、発泡室5へ吐出された分のインクが充填されてインクがインク供給口3から液流路7を介して発泡室5の内部にリフィルされる。図5(a)、(b)は、メニスカスが下降していく過程での気泡120が消泡するまでを時系列的に示したものである。本実施形態では、吐出口2の中心が発熱抵抗素子1の中心に対してインク供給口3側に大きくずれるように吐出口2が形成されているため、インク供給口3側の方からインク125が充填されていく。
インクが吐出されると、発泡室5内部のインクが外部に排出されるので、そこで負圧が生じる。発泡室5の内部に負圧が生じるので、吐出口2に位置するメニスカス123は、吐出部40の内部を下方(発熱抵抗素子側)に移動する。また、このとき、発泡室5の内部ではインクがリフィルされている。発泡室5内部へのインクのリフィルでは、インク供給口3から発泡室5へインクが供給されるので、発泡室5におけるインク供給口3側の領域と、その逆側の壁面に近い領域との間で、リフィルの際にインクの供給される程度に差が生じる。発泡室5におけるインク供給口3に近い側の領域では、インクがすぐにリフィルされるので、そこは急速にインクによって満たされ、インクによって満たされた後はそこでは比較的負圧が生じ難い。
一方、発泡室5におけるインク供給口3とは逆の奥側の領域では、インクによって満たされるまでに比較的時間がかかる。発泡室5にインクがリフィルされる間に発泡室5におけるインク供給口3側と逆側の壁面に近い側との間でインクの充填される程度に差が生じるので、発泡室5内で生じる負圧に差が生じる。インクが吐出された際に発泡室にインクがリフィルされるまでの間では、発泡室のインク供給口3側の領域で負圧が比較的小さく、逆側の壁面に近い領域で負圧が比較的大きい。
このように、発泡室5におけるインク供給口3側と、その逆側の壁面に近い側との間で、負圧の程度に差が生じる。従って、気泡120が、奥側の比較的強い負圧に引っ張られ、インク供給口3とは逆側の方向の壁面に近い側の部分が比較的厚く、インク供給口3側の部分の薄い、偏った形状に形成される。また、吐出部40から下降するメニスカス123が、発泡室の奥側に向かって曲がり、メニスカス123がインク供給口3とは逆側に向かって偏って変形する。
メニスカス123が吐出部40を通って発泡室5の中に下降したときの状態の吐出口2の周辺についての断面図を図5(b)に示す。また、そのときの発熱抵抗素子1の直上の面に沿った断面図を図6(b)に示す。図5(b)、図6(b)に示されるように、インクが吐出されて発泡室5にインクがリフィルされるまでの間では、吐出部40から下降するメニスカス123が、発泡室5の奥側で生じる負圧によって引っ張られ、奥側に偏って変形している。また、気泡も同様に、発泡室の奥側で生じる負圧によって引っ張られ、奥側に偏って変形している。吐出部40から下降するメニスカスと共に、吐出部40と気泡120との間のインクが負圧によって引っ張られる。このように、発泡室5の奥側部分の負圧は、発泡室5のインク供給側の負圧よりも高いので、メニスカス123は、発泡室5の内部まで下降すると、奥側に向かう方向に大きく曲がって下降していく。
次に、消泡直前の気泡120とメニスカス123の状態を図5(c)に示し、そのときの発熱抵抗素子1の直上の面に沿った断面図を図6(c)に示す。本実施形態では、吐出口100の中心は、発熱抵抗素子1の中心よりもインク供給口3側に位置している。気泡は、発泡室5の奥側に大きな偏りを持ちながら消泡していくために、最終的な消泡は、図6(c)に示されるように、発泡室5の奥側付近の比較的広い領域で生じる。また、メニスカス123は、気泡120の消泡箇所に吐出ごとに落ち込んでくる。図6(c)には、白抜きの部分及び点線の部分によって消泡の生じる位置が示されている。気泡は、大気と連通せずに、発泡室5の内部で消泡する。
メニスカス123は、インク吐出の際の気泡の縮小によって発泡室5の奥側からの比較的強い負圧により、インク供給口3から奥側の壁面に向かう方向への力を受けながら奥側に偏って発熱抵抗素子1の方へ近づいていく。このときの吐出口2と発熱抵抗素子1との間のずれ量と、メニスカス123のインク流れによる偏りとが相殺されるので、吐出口2から下降するメニスカス123は、気泡120における中心付近の位置に近づく。そのため、気泡120は、吐出口から下降するメニスカス123によって、インク供給口3から発泡室の奥側へ向かう方向に押されながら縮小していく。
本実施形態では、吐出口から下降するメニスカス123は、気泡120の中心に近い位置で気泡に近接するので、気泡120は、メニスカス123によって分断され難い。
インクが吐出された後にメニスカス123が吐出口プレート8よりも下降して発熱抵抗素子1に近づく際には、メニスカス123は、発泡室5内で生じた負圧により吐出口プレート8の吐出部40から勢い良く飛び出して発熱抵抗素子1の方へ移動する。そのため、メニスカス123が吐出口プレート8の吐出部40から発熱抵抗素子1の方に向かって移動する移動量は一定せずに、インクの吐出ごとに異なることがある。
また、インクの吐出の際に発泡室5内で生じる負圧の程度は、必ずしも一定ではない。従って、メニスカス123が発泡室5の奥側に向かって引っ張られる程度がインクの吐出ごとに変化することがある。メニスカス123における発泡室5の奥側への偏り具合が、インクの吐出ごとに一定しないことがある。そのため、メニスカス123によって気泡120が押される程度が、インク吐出ごとに変化することがある。
このような理由から、インクの吐出のために発熱抵抗素子1が駆動されて発泡され、その後に消泡する際に、消泡位置が一定しない。また、本実施形態では、吐出口2が発熱抵抗素子1に対してインク供給口3側にずれて形成されていることから、メニスカス123の位置がインク供給口3側にずれており、消泡位置が分散されるのに十分なスペースが確保されている。
ここでは、気泡は、図6(c)に示される白抜きの位置で消泡しているが、点線部で示される位置で消泡することもある。このように、本実施形態の記録ヘッド1003によってインクの吐出が行われる際には、気泡120は、一定の範囲内でばらつきをもって消泡することになる。このように気泡120の消泡位置が分散されるので、消泡の際に生じる衝撃が一箇所に集中して作用し続けることを抑えることができる。そのため、発熱抵抗素子1への負荷を少なく抑えることができ、キャビテーションによる影響を低減させることができる。
このように発泡室5内で気泡120を発生させた後に消泡位置を分散させるには、発熱抵抗素子1の中心と吐出口2の中心と位置ずれ量dおよび、流路構成部4の高さhと吐出口プレート8の厚みlの比が重要なパラメータとなる。本出願人は、この位置ずれ量dおよび、流路構成部4の高さhと吐出口プレート8の厚みlの比が消泡位置の分散に及ぼす影響を確認するための実験を行った。
実験内容について、図7〜13を参照して説明する。図7(a)〜(c)は、複数の比較例についての、それぞれの記録ヘッドにおける液流路7を示す模式的な断面図である。図7(a)〜(c)では、吐出口2の中心と発熱抵抗素子1の中心との間の位置ずれ量dと、流路構成部4の高さhと吐出口プレート8との厚みlの比と、を変えている。
図7(a)〜(c)に示すように、これらの記録ヘッドの位置ずれ量dは0μmから−8μmまでの範囲である。ここでは、位置ずれ量dがマイナスの範囲(図6(b)、(c))では、吐出口2の中心は、発熱抵抗素子1の中心よりもインク供給口3側にずれている。図7(a)〜(c)に示す構成を有する記録ヘッドにおけるインク吐出時の、流路7内でのキャビテーションの程度と、吐出耐久試験における発熱記録素子1の損傷の有無を確認した。その試験の結果について、表1に示す。表1では、キャビテーションの発生の防止の程度と発熱記録素子1の耐久性(損傷防止の程度)をそれぞれ○、△、×の3段階で表している。試験の結果、○は、良い(余裕あり)を示しており、△は、軽微ではあるがキャビテーションが生じていることを示しており、×は、消泡位置が集中した結果、発熱抵抗素子1に損傷が生じたことを示している。
Figure 0006271898
表1を見ると、l/h≦2の場合には、吐出口2の中心を発熱記録素子1の中心に対するずらし量の絶対値を大きくすればするほど発熱記録素子1のキャビテーションの分散の程度が良化していき、発熱抵抗素子の耐久性が向上していることがわかる。つまり、l/hが2以下の場合に、吐出口2の中心と発熱記録素子1の中心との間のずれ量dを大きくすることにより、消泡時のキャビテーションによる発熱抵抗素子1への負荷を少なくしている。
図8(a)〜(c)は、図7(a)に示されるように、吐出口2の中心と発熱記録素子1の中心との間の位置ずれ量が0μmの場合の液体吐出ヘッドにおける消泡過程の様子を時系列的に説明するための模式的な断面図である。また、図9(a)〜(c)は、位置ずれ量が0μmの場合の記録ヘッドにおける液体吐出方法の消泡過程を上面から見て示した模式的な断面図であり、発熱記録素子の直上の面に沿った断面図である。図9(a)に示されるように、発熱抵抗素子1の駆動により気泡が生成された後、図8(a)に示される気泡120の縮小過程において、インク流路の中心線近傍のインクは流路壁近傍のインクよりも流体摩擦抵抗を受け難く、動き易い。そのため、気泡の消泡過程が始まると、ごく短時間でインク流路中心線近傍のインクが発泡室5内へ向かって流れ、気泡120は凹んだ形状になる。
次に、メニスカス123が発泡室5の中に落ち込んできた状態を図8(b)に示す。メニスカス123が吐出部から発泡室内部に下降すると、気泡120の中心に近い位置に向かってメニスカス123が下降していく。図9(b)は、気泡120が分断されていく過程について示したものである。このとき、気泡120は、流路壁近傍の×印がついた細い部分を起点に分断されていく傾向にある。
次に、消泡直前の気泡120とメニスカス123の状態を図8(c)に示す。このときの発熱抵抗素子1の気泡120の様子について説明するために、発熱抵抗素子1の直上の面に沿う断面図を図9(c)に示す。
吐出口の中心と発熱抵抗素子の中心との間でずれの無い液体吐出ヘッドでは、リフィルの際の奥側へのインクの流れが生じ難く、リフィルの際のインクの流れによるメニスカスの偏りが比較的小さい。そのため、吐出口の中心と発熱抵抗素子の中心との間のずれが無い場合には、インクが吐出された後、吐出口プレート8から下降して発熱抵抗素子1の方へ移動するメニスカスは、奥側に向かう方向への偏りが生じ難い。
発泡室奥側の領域で分断された気泡120は、メニスカスによる影響を受け難いので、気泡120は定位置で消泡することになる。そのため、キャビテーションが発熱抵抗素子1上の同じ位置に集中して起こり、発熱抵抗素子1の耐久性に影響を及ぼす可能性がある。
次に、図7(b)に示される、吐出口2の中心が発熱抵抗素子1の中心に対して−4μmずれている場合の液体吐出ヘッドにおける消泡過程について説明する。図10(a)〜(c)は、ずれが−4μmの場合の記録ヘッドにおける消泡過程を時系列的に説明するための模式的な断面図である。図11(a)〜(c)は、ずれが−4μmの場合の記録ヘッドにおける消泡過程を上面から見て示した模式的な断面図であり、発熱抵抗素子1の直上の面に沿った断面図である。
ここでは、吐出口2が発熱抵抗素子1よりもインク供給口側に4μmずれて配置されている。そのため、インクの吐出の際には、インク供給口とは逆側の壁面に近いインクが多く使用されることになる。従って、発泡室におけるインク供給口3とは逆側の壁面に近い位置で負圧が生じ、メニスカスがインク供給口3とは逆側の方向に向かって曲がる。このように、インク供給口とは逆側の方向に偏って移動するメニスカスによって気泡が押され、気泡120は、発泡室5の奥側に近い領域が盛り上がった(手前側が低い)形状となる。
図11(a)に示されるように、発熱抵抗素子が駆動されると、気泡が生成される。その後、気泡が縮小すると共に、吐出口プレートからメニスカスが下降する。メニスカス123が発泡室5に下降している状態の発泡室5の内部について図10(a)、(b)に示
す。メニスカス120が発泡室5の内部まで下降してくると、気泡120の凹形状の盛り上がった負圧の高い部分に向かってメニスカス123が移動する。図11(b)は、メニスカスが吐出口プレートから下降していく過程での気泡120の消泡していくまで(収縮中)を時系列的に示したものである。吐出口2がインク供給口3側にずれているために、発熱記録素子1上の共通液室6側のほうからインク125が充填されていく。気泡120は、流路壁近傍の×印のついた細い部分を起点に分断されていく傾向にある。
次に、消泡直前の気泡120とメニスカス123の状態を図10(c)に示し、そのときの吐出口2の上面から発熱記録素子1の気泡120の様子を図11(c)に示す。発泡室奥側に偏りを持ちながら気泡120が消泡していく(手前側が低い状態を維持したまま消泡する)。また、メニスカス123は、主気泡120の方向に曲がって下降していく。しかしながら、この液体吐出ヘッドは、ずれが−4μmなので、ずれが−8μmの液体吐出ヘッドの場合と比べて、メニスカスにおける発泡室の奥側への偏りの程度が小さい。
このときのメニスカスを、吐出口の発熱抵抗素子1に対する位置ずれ量が−8μmの場合の図5(c)の状態と比較すると、インク供給口とは逆側へ偏った量が比較的小さい。そのため、気泡がメニスカスによってインク供給口とは逆側へ押される程度が小さく、メニスカスによって押されることで気泡がインク供給口とは逆側へ移動する移動量が比較的小さい。従って、気泡は、点線部で示される位置でも消泡するようにばらつきをもって消泡するが、消泡のばらつきの程度は、ずれが−8μmの場合と比べて比較的小さい。このように、ずれが−4μmの液体吐出ヘッドの場合、気泡120とメニスカス123の干渉の程度が小さいために、このばらつきの範囲も図6(c)に示される範囲と比べて小さくなっている。従って、最終的な消泡箇所の分散の度合いも少ないため、発熱抵抗素子1上で集中する度合いが高まり、発熱抵抗素子1上にキャビテーションによる軽微な損傷があった。
次に、吐出口プレートの厚みが大きい場合の液体吐出ヘッドについて説明する。これまでの検討結果は、吐出口プレートの厚みl、液流路7及び発泡室5のインク吐出方向に沿う長さ(高さ)をhとすると、全てl/h≦2の場合である。表1の検討結果におけるl/h≦2の部分から、吐出口2を発熱記録素子1の中心からずらせばずらす程耐久性が向上されている。しかしながら、1/h>2の場合では、その傾向が異なる。以下にその説明を行う。
図12(a)〜(c)は、図7(c)の吐出口の中心と発熱抵抗素子1の中心との間の位置ずれ量が−8μmであって、1/h>2の場合の液体吐出ヘッドにおける消泡過程の様子を時系列的に示した断面図である。また、図13(a)〜(c)は、その場合の液体吐出ヘッドにおける消泡過程を上面から見て示した模式的な断面図であり、発熱記録素子1の直上の面に沿った断面図である。
この場合の液体吐出ヘッドは、図7(c)に示されるように、吐出口の中心が、インク供給口側に8μmずれて配置されている。そのため、インク供給口3とは逆側の壁面に近い位置のインクが吐出の際に多く使用されることになる。そのため、図12(a)に示されるように、消泡過程で、気泡120は、発泡室5の奥側が盛り上がった形状となる。
次に、メニスカス123がさらに落ち込んできた状態を図12(b)に示す。吐出部の厚みと液流路7及び発泡室5の高さとの関係が1/h>2である場合には、吐出口プレート8の厚みlが長いために、メニスカス123における発泡室5の内側へ突出する量が少ない。
図13(b)は、メニスカス123が下降していく過程での気泡120が消泡するまでを時系列的に示したものである。図13(a)に示されるように、発熱抵抗素子1の駆動により気泡が生成されると、吐出口からインクが吐出され、その後、発泡室にインクがリフィルされる。気泡120は、流路壁近傍の×印のついた細い部分を起点に分断されていく傾向にある。
次に、消泡直前の気泡120とメニスカス123の状態を図12(c)に示し、そのときの吐出口2の上面から見た発熱抵抗素子1上の気泡120の様子について図13(c)に示す。
この場合の液体吐出ヘッドは、吐出口の中心が発熱抵抗素子1の中心に対してインク供給口3側にずれているので、発泡室の内部に下降したメニスカスは、発泡室の奥側に偏りを持ちながら移動する。しかしながら、この場合の液体吐出ヘッドでは、吐出口プレート8の厚みlが長く形成されているために、メニスカス123は、発泡室5の入り口付近までしか下降していない。このため、本実施形態の液体吐出ヘッドである図5(c)の状態と比較すると、気泡の形状はあまり変わらないが、メニスカスによる発泡室内部への突出量が大きく変わっている。
図12(c)に示されるように、1/h>2である場合の記録ヘッドでは、メニスカスが吐出部から発泡室の内部へあまり突出しないので、気泡はメニスカスによって押されず、気泡の発泡室奥側への移動はあまり生じない。このように、1/h>2の記録ヘッドでは、気泡120とメニスカス123の干渉の程度が小さいために、最終的な消泡箇所が分散する度合いも少ない。そのため、発熱抵抗素子1上の特定の領域で消泡位置が集中してしまい、そこでキャビテーションが繰り返し生じた結果、比較的程度の大きな損傷が生じてしまう。
以上の検討結果から、消泡位置の集中する度合いを低減させるためには、発熱記録素子1の中心と吐出口2の中心との位置ずれ量d及び流路構成部4の高さhと吐出口プレート8の厚みlの比が重要なパラメータとなっていることがわかる。検討の結果、気泡とメニスカスの干渉の程度は発熱抵抗素子1から吐出されるインク液滴の吐出量とも相関があることがわかる。吐出量が小さくなれば、メニスカスの落ち込みの程度も緩和されるので同じl/hでも気泡120とメニスカス123の干渉の程度が小さくなる。吐出量が大きくなれば、同じl/hでも気泡120とメニスカス123の干渉の程度が小さくなる。本発明の効果が得られる好ましい吐出量は、6〜20ng、より好ましくは10〜15ngである。
さらに、この位置ずれ量dと発熱抵抗素子1の形状とがキャビテーションの生じる位置に及ぼす影響について、発明者は鋭意検討を重ねた。その結果、効果を得るには、吐出口の中心が、発熱抵抗素子1の中心から発熱抵抗素子1における長手方向(液体の供給される方向)への長さLの1/7以上共通液室6側にずれて配置されることが重要であることがわかった。つまり、記録ヘッドをインクの吐出される方向に沿って見たときに、吐出口の中心の位置が、発熱抵抗素子における中心の位置よりも、インク供給口の位置する側にL/7以上離れていることが重要であることがわかった。これは、発熱抵抗素子1がより細長い長方形の形状になるにつれて、吐出口2の中心と発熱抵抗素子1の中心との間のずれ量を大きくしないと、消泡過程での気泡120の形状が奥側に盛り上がった(湾曲した)形状になり難いからである。
以上から、本実施形態の記録ヘッド1003によれば、吐出部が適切な長さに形成され、吐出口の中心が発熱抵抗素子の中心から適切な量だけずらされることによって、吐出口から発泡室へ移動するメニスカスを偏って移動させることができる。従って、メニスカスによって気泡を発泡室の奥側へ移動させることができ、消泡位置を適度に分散させることができる。気泡の消泡位置が一箇所に集中せずに分散されて消泡されるので、消泡による衝撃が一部の領域に集中することを抑えることができる。これにより、記録ヘッドへの負荷を少なく抑えることができ、記録ヘッドの耐久性を向上させることができる。また、記録ヘッドの寿命を長くすることができるので、記録ヘッドの運転コストを少なく抑えることができる。また、記録ヘッドの交換回数を少なくすることができるので、記録装置の運転コストを少なく抑えることができる。
なお、本発明では吐出口の形状を円形としているが、その他の形状でもよく、長円形状や突起付き吐出口でも構わない。また、液流路7についても必ずしも対称な構造である必要ではなく、非対称な流路や偏りをもった構造でも本発明と同様の効果が得られる。その場合には、吐出口の中心の位置としては、吐出口の面積上の重心の位置が用いられる。また、発熱抵抗素子についても、上記実施形態では、長方形のものが用いられているが、本発明はこれに限定されない。別の形状を有する発熱抵抗素子が用いられてもよい。その場合には、発熱抵抗素子の中心として、発熱抵抗素子における表面の面積上の重心の位置が用いられる。
また、上述した記録装置は、記録ヘッドの主走査方向の移動と、記録媒体の副走査方向の搬送と、を伴って画像を記録するいわゆるシリアルスキャンタイプの記録装置である。しかしながら、本発明は記録媒体の幅方向の全域に亘って延在する記録ヘッドを用いるフルラインタイプの記録装置にも適用可能である。
また、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わずに用いられる。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または記録媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録装置」とは、プリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置などのプリント機能を有する装置、ならびにインクジェット技術を用いて物品の製造を行なう製造装置を含む。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものを表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
1 発熱抵抗素子
2 吐出口
3 インク供給口
5 発泡室
40 吐出部
1003 記録ヘッド

Claims (4)

  1. 液体を貯留することが可能な発泡室と、
    前記発泡室に面して配置され、前記発泡室の内部に貯留された液体を加熱することが可能な発熱抵抗素子と、
    前記発泡室の内部に貯留された液体を吐出するために開口された吐出口と、
    前記吐出口と前記発泡室の間で液体を流通させる吐出部と、
    前記発泡室に液体を供給する液体供給口とを有し、
    前記発熱抵抗素子が駆動されることによって液体が加熱されることで前記発泡室に貯留された液体の内部で気泡が生成されて液体が吐出され、気泡が大気と連通せずに消泡する液体吐出ヘッドであって、
    前記発熱抵抗素子における液体の供給される方向に沿う長さをLとすると、液体の吐出される方向に沿って見たときに、前記吐出口の重心の位置が、前記発熱抵抗素子における表面の重心の位置よりも、前記液体供給口の位置する側にL/7以上離れており、
    前記吐出部における液体の吐出される方向に沿う長さをl、前記発泡室における液体の吐出される方向への長さをhとすると、l/hが2以下であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記吐出口は円形であり、前記吐出口における断面の重心は、中心であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記発熱抵抗素子は、長方形であり、前記発熱抵抗素子における表面の重心は、長方形の前記発熱抵抗素子における対角線の交点であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 液体を貯留することが可能な発泡室と、
    前記発泡室に面して配置され、前記発泡室の内部に貯留された液体を加熱することが可能な発熱抵抗素子と、
    前記発泡室の内部に貯留された液体を吐出するために開口された吐出口と、
    前記吐出口と前記発泡室の間で液体を流通させる吐出部と、
    前記発泡室に液体を供給する液体供給口とを有し、
    前記発熱抵抗素子が駆動されることによって液体が加熱されることで前記発泡室に貯留された液体の内部で気泡が生成されて液体が吐出され、気泡が大気と連通せずに消泡する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドを搭載可能な搭載手段とを有し、
    液体を吐出することによって記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    前記発熱抵抗素子における液体の供給される方向に沿う長さをLとすると、液体の吐出される方向に沿って見たときに、前記吐出口の重心の位置が、前記発熱抵抗素子における表面の重心の位置よりも、前記液体供給口の位置する側にL/7以上離れており、
    前記吐出部における液体の吐出される方向に沿う長さをl、前記発泡室における液体の吐出される方向への長さをhとすると、l/hが2以下であることを特徴とする記録装置。
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