以下、図1〜図7を用いて本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概略)
次に、図1に基づき、実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は、実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
図1に示すように、複合機100の前面に操作パネル1(破線で図示)が、上部に原稿搬送部2aと画像読取部2bが設けられる。又、複合機100の内部には、用紙に印刷を行う印刷部3が設けられる。印刷部3は、給紙部3a、搬送部3b、画像形成部3c、定着部3dを含む。
操作パネル1は、複合機100の状態、メッセージ、設定画面を表示する表示部11を備える。また、表示部11の上面にタッチパネル部12が設けられる。タッチパネル部12は、表示部11に表示された、使用者により操作された(押された)ソフトキーを検知するためのものである。また、操作パネル1には、スタートキーやテンキーや主電源スイッチ14や節電キー15のような複数のハードキーを含むハードキー群13も設けられる。操作パネル1は、使用者によるタッチパネル部12やハードキー群13に対する入力を、設定操作として受け付ける。
原稿搬送部2aは、送り読取用コンタクトガラス(読み取り位置、不図示)に向けて、セットされた原稿を1枚ずつ連続的、自動的に搬送する。画像読取部2bは、送り読取用コンタクトガラスを通過する原稿や、載置読取用コンタクトガラス(不図示)にセットされた原稿を読み取り、画像データを生成する。
印刷部3のうち、給紙部3aは、複数の用紙を収容する。本実施形態の複合機100では、給紙部3aとして2つのカセット3fが設けられる。印刷ジョブを実行するときいずれかのカセット3fが用紙を1枚ずつ搬送部3bに送り込む。搬送部3bは、給紙部3aから供給された用紙を搬送する。画像形成部3cは、画像データ(画像情報)に基づきトナー像(画像)を形成し、搬送用紙にトナー像を転写する。定着部3dは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。トナー定着後の用紙は、排出トレイ3eに排出される。
(画像形成装置のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、複合機100の構成の一例を示す図である。
複合機100内に、主制御部4が設けられる。主制御部4は、基板である(コントローラー基板)。主制御部4は、画像形成装置の動作制御を司る。主制御部4には、CPU40、画像処理回路5(ASICのような画像処理に関する専用回路)が取り付けられる。なお、本説明では、CPU40と画像処理回路5が別体である例を説明するが、CPU40が画像処理回路5を含んでいてもよい。言い換えると、CPU40と画像処理回路5がワンチップ化されていてもよい。
また、主制御部4には、記憶部41が取り付けられる。記憶部41は、ROM、フラッシュROM、HDD(ハードディスクドライブ)のような不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置の組合せである。
CPU40は、記憶部41に記憶されたデータ、プログラムに基づき、演算、制御、処理を行う。そして、CPU40は、複合機100の動作を制御する。一方、画像処理回路5は、画像読取部2bによる原稿読み取りで得られた画像データや、複合機100に入力された画像データの画像処理を行う。操作パネル1でなされた設定や、複合機100に入力されたデータに付された印刷の設定に基づき、この画像処理がなされる。画像処理回路5は、設定に応じて、濃度変換、拡大、縮小、形式変換のような印刷や送信に必要な画像処理を行う。
また、主制御部4とは別に、エンジン制御部6が設けられる。エンジン制御部6は、主制御部4の指示を受け、印刷部3の動作を実際に制御する。エンジン制御部6は、基板である(エンジン基板)。
更に、複合機100には、各種ソケット、通信制御用のチップを備えた通信部42が設けられる。通信部42は、ネットワーク300(例えば、LAN)、ファクシミリ装置400と通信可能に接続される。そして、通信部42は、ネットワーク300を介し、コンピューター200(例えば、PCやサーバー)とデータの送受信を行える。なお、ケーブルでコンピューター200と通信部42を直接接続することにより、ネットワークを介さず、通信部42とコンピューター200間のデータ通信を行うこともできる。
そして、複合機100は、ページ記述言語で記述されたデータや画像データを含む印刷用データをコンピューター200やファクシミリ装置400から受信できる。画像処理回路5は、印刷用データに対し画像処理を行って画像情報を生成する。そして、印刷部3は画像情報に基づき印刷を行う(プリンター機能、ファクシミリ機能)。また、複合機100は、原稿読み取りで得られた画像データに対し画像処理回路5が画像処理を行って生成した送信用画像データをコンピューター200やファクシミリ装置400に送信できる(送信機能)。
又、主制御部4は、操作パネル1、原稿搬送部2a、画像読取部2b、エンジン制御部6、通信部42の各部とバスのような信号線で接続される。主制御部4は、信号線を介して、各部の存在、状態を認識する。そして、主制御部4は、操作パネル1、原稿搬送部2a、画像読取部2b、エンジン制御部6、通信部42に動作命令を与え、複合機100の動作(スキャン動作や印刷動作)を制御する。
(通常モードと省電力モード)
次に、図3、図4を用いて、実施形態の複合機100のモードを説明する。図3は、省電力モードへの移行と、省電力モードから通常モードへの復帰を説明するための図である。図4は、実施形態に係る複合機100での主制御部4とエンジン制御部6への電力供給を説明するための図である。
まず、本実施形態の複合機100には、電源部8が設けられる。電源コード(不図示)とコンセントを接続することにより電源部8に、商用電源Pからの電力が入力される。電源部8は、商用電源Pからの電力に基づき、直流電圧を生成する。具体的に、電源部8は、商用電源Pから供給される交流電圧を整流し、直流電圧を生成する1次電源回路81を含む。例えば、1次電源回路81は、トランス、トランジスタ、コンデンサーのような素子を含むスイッチング電源である。
複合機100の主電源スイッチ14によって主電源がONされると、複合機100は、通常モードで起動する。通常モードは、複合機100の全ての機能を利用できるモードである。そのため、通常モードでは、電源部8は、原稿搬送部2a、画像読取部2b、操作パネル1、主制御部4、エンジン制御部6、印刷部3のような複合機100を構成する電源部8以外の全ての部分に対して、電力を供給する。尚、主電源スイッチ14によって主電源がOFFされると、電源部8は、通常モードで電力供給をしている部分に対する電力供給を停止する。
具体的に、通常モードでは、電源部8は、主制御部4、記憶部41、エンジン制御部6のような回路に電力を供給して動作させる。また、印刷部3の定着部3dの温度を定着に適した温度で維持するために、ヒーター310への通電がなされる。そのため、ジョブを実行していなくても、複合機100では比較的大きな電力が消費される。
そこで、通常モードで予め定められた移行条件が満たされると、主制御部4は、複合機100を省電力モードとする。省電力モードは、通常モードで電力供給をしていた部分のうち、予め定められた供給停止部分への電力供給を停止し、消費電力を減らすモードである。例えば、原稿搬送部2a、画像読取部2b、操作パネル1、印刷部3、主制御部4、エンジン制御部6が供給停止部分とされる。このように、本実施形態の複合機100は、通常モードと省電力モードを有する。なお、コンピューターやファクシミリ装置からのデータを受信できるようにするため、省電力モードでは、少なくとも、通信部42に対しては、電力が供給される。
通常モードと省電力モードでは、電源部8の電力供給先が変わる。そこで、電源部8には、通常モードでは、供給停止部分に電力供給を行い、省電力モードでは、供給停止部分への電力供給を停止するように、複合機の部分ごとの電力供給のON/OFF制御を行う供給制御部82が設けられる。供給制御部82は、1又は複数の半導体スイッチのようなスイッチング素子を含む。供給制御部82は、通常モードではスイッチング素子をON状態とすることで供給停止部分に電力を供給し、省電力モードでは、スイッチング素子をOFF状態とすることで供給停止部分への電力供給を停止する(図3、図4参照)。
〈通常モード→省電力モード〉
通常モードから省電力モードへの移行条件は予め定められる。本実施形態の複合機100では、操作パネル1に設けられ、通常モードから省電力モードの移行を指示するための節電キー15の操作(押下)が、省電力モードへの移行条件の1つとされる。節電キー15が押されたとき、操作パネル1は、節電キー15が押された旨を主制御部4のCPU40に通知する。これにより、CPU40は、移行条件が満たされたことを認識する。
また、通常モードとなってから、又は、ジョブ完了後、操作検知部による複合機100に対する操作、入力の検知がないまま(操作がなく待機状態のまま)、予め定められた省電力モード移行時間(例えば、数十秒〜数分)が経過したことも、省電力モードへの移行条件とされる。例えば、主制御部4のCPU40が、省電力モード移行時間を計時する。
ここで、図3に示すように、複合機100に対する操作、入力を検知する操作検知部が複数設けられる。複合機100は、操作検知部として、通信部42、タッチパネル部12、挿脱検知センサーS1、カバー開閉検知センサーS2、原稿載置検知センサーS3、開閉検知センサーS4を含む。尚、電源部8(供給制御部82)は、省電力モード中でも電力を操作検知部に供給する。
通信部42は、コンピューター200やファクシミリ装置400から送信された印刷用データや画像データを受信する。印刷用データや画像データを受信したとき、通信部42は、主制御部4や記憶部41に印刷用データを転送する。また、タッチパネル部12は、使用者による操作パネル1への操作を検知し、操作があったとき、主制御部4のCPU40に通知する。
挿脱検知センサーS1は、給紙部3aの用紙を収容するカセット3f(図1参照)の挿脱を検知するためのセンサーである。例えば、挿脱検知センサーS1は、カセット3fと接するインターロックスイッチである。カバー開閉検知センサーS2は、ジャム処理やメンテナンス等のために設けられた複合機100のカバー(例えば、右側面のカバー)の開閉を検知するセンサーである。例えば、カバー開閉検知センサーS2は、光センサーやカバーと接するインターロックスイッチである。
また、原稿載置検知センサーS3は、原稿搬送部2aに設けられ、原稿を載置するための原稿トレイ上の原稿の有無を検知するためのセンサーである。例えば、原稿載置検知センサーS3は、光センサーである。また、開閉検知センサーS4は、原稿搬送部2aが持ち上げられたか否か(開閉されたか)を検知するためのセンサーである。例えば、開閉検知センサーS4は、光センサーである。
これらの操作検知部の出力は、主制御部4に入力される。これにより、主制御部4は、複合機100への操作の有無を認識し、複合機100に対する操作、入力がないことを検知したまま省電力モード移行時間が経過したとき、省電力モード移行条件が満たされたと判断する。そして、主制御部4(CPU40)は、省電力モード移行条件が満たされたと認識すると、電源部8の供給制御部82に省電力モードへの移行を指示する。これにより、電源部8は、供給停止部分への電力供給を停止させる。
〈省電力モード→通常モード〉
省電力モードでは、印刷のようなジョブを実行できない。ジョブを実行するには、複合機100を通常モードに戻す必要がある。そこで、予め定められた通常モード復帰条件が満たされたとき、複合機100は、通常モードに復帰する。省電力モードから通常モードへの復帰条件は予め定められる。本実施形態の複合機100では、操作パネル1に設けられた主電源スイッチ14の操作(押下)が、通常モードへの復帰条件の1つとされる。また、本実施形態の複合機100では、上述の操作検知部が、複合機100に対する操作、入力を検知したことが、復帰条件とされる。
主電源スイッチ14や各操作検知部の出力は電源部8(供給制御部82)に入力される。これにより、電源部8は、復帰条件が満たされたことを認識する。そして、電源部8の供給制御部82は、供給停止部分への電力供給を再開する。その結果、複合機100のモードは、省電力モードから通常モードに復帰する。
尚、本説明では、供給制御部82が、復帰条件が満たされたことを検知する例を説明した。しかし、CPU40が、復帰条件が満たされたことを検知するようにしてもよい。この場合、省電力モードでも主制御部4のCPU40内の必要な回路に電力供給を行っておく。そして、主電源スイッチ14や各操作検知部の出力をCPU40に入力し、CPU40に復帰条件が満たされたことを検知させる。そして、CPU40は、電源部8に通常モードへの復帰を指示し、これに応じて電源部8が供給停止部分への電力供給を再開する。
(主制御部4、エンジン制御部6への電力供給)
次に、図4に基づき、実施形態に係る複合機100での主制御部4とエンジン制御部6への電力供給を説明する。図4では、電力供給の経路を太い破線で図示している。
1次電源回路81が生成した直流電圧は、供給制御部82を介して、主制御部4の2次電源回路831に入力される。また、1次電源回路81が生成した直流電圧は、供給制御部82を介して、エンジン制御部6の2次電源回路832や印刷部3に入力される。
主制御部4の2次電源回路831は、1次電源回路81が生成した直流電圧を変換する。言い換えると、2次電源回路831は、1次電源回路81が生成した直流電圧の降圧を行う。2次電源回路831は、CPU40、記憶部41、画像処理回路5のような主制御部4に取り付けられた素子、回路、装置の駆動に要する電圧を生成する。DCDCコンバーターやレギュレーターを2次電源回路831として用いることができる。なお、主制御部4用の2次電源回路831を電源部8(電源基板)に設けてもよい。
ここで、CPU40だけでも複数種類の電圧を入力する必要な場合があるように、主制御部4に取り付けられた回路、素子、装置の駆動に必要な電圧の種類が複数となる場合がある。このような場合、2次電源回路831は、DCDCコンバーターやレギュレーターを複数含み、複数種の電圧を生成する。尚、便宜上、図4では、2次電源回路831の電力供給出力を太い破線1本で示している。
主電源スイッチ14によって複合機100の主電源が投入されたとき、電源部8は、主制御部4の2次電源回路831への電力供給を開始する。例えば、主電源スイッチ14の操作に応じて、供給制御部82が主制御部4に対する電力供給を開始する。
そして、主制御部4には、電源制御回路841が設けられる。電源制御回路841は、主電源ONのとき、予め定められた順番でCPU40、記憶部41、画像処理回路5のような主制御部4に取り付けられた素子、回路、装置への電力供給を開始する。これは、適当な順番で電力供給を行うと、誤動作が生ずることや、不適切な方向に電流が流れる場合があるためである。例えば、電力供給の順番は、CPU40が最初とされる。言い換えると、電源制御回路841は、主制御部4内の各部分への電力供給の順番を制御するシーケンス回路である。
電力供給の開始にあわせ、CPU40、記憶部41、画像処理回路5のような主制御部4に取り付けられた素子、回路、装置のそれぞれで起動処理が開始される。起動処理では、記憶部41に記憶された起動用のプログラムやデータの読み出しと、読み出したプログラムの実行がなされる。
主電源スイッチ14によって複合機100の主電源がOFFされたとき、電源部8(供給制御部82)は、2次電源回路831への電力供給を停止する。CPU40は、主電源スイッチ14の操作によって、主電源がOFFされたことを認識する。そして、CPU40は、遮断時の予め定められた処理をした後、電源部8(供給制御部82)に主電源のOFFを通知する。そして、電源部8は、主制御部4に対する電力供給を停止する。
また、省電力モードに移行するときにも、電源部8(供給制御部82)は、主制御部4への電力供給を停止する。これにより、CPU40、画像処理回路5、記憶部41への電力供給は停止される。
操作、入力に基づく操作検知部や主電源スイッチ14からの信号に基づき、省電力モードから通常モードに復帰するとき、主制御部4への電力供給が再開される。そして、電源制御回路841は、予め定められた順番で主制御部4に取り付けられた素子、回路、装置への電力供給を再開する。これにより、画像処理回路5のような主制御部4の回路での起動処理が開始される。
次に、エンジン制御部6(エンジン基板)への電力供給を説明する。まず、エンジン制御部6は、エンジンCPU7(エンジン処理部に相当)、エンジンメモリー60のような回路が取り付けられた(実装された)基板である。
エンジンメモリー60は、ROMやRAMを含み、印刷部3を制御するためのデータ、プログラムを記憶する。コピーやプリントのような印刷ジョブを実行するとき、主制御部4からエンジン制御部6(エンジンCPU7)に向けて、どのような印刷動作を行うべきか(印刷内容)を示す指示が送信される。エンジンCPU7は、主制御部4からの指示、及び、エンジンメモリー60に記憶されたプログラム、データに基づき、印刷部3の動作を制御し、印刷部3に印刷を行わせる。
そして、エンジン制御部6には、2次電源回路832が設けられる。1次電源回路81が生成した直流電圧は、供給制御部82を介して、エンジン制御部6の2次電源回路832に入力される。なお、エンジン制御部6用の2次電源回路832を電源部8(電源基板)に設けてもよい。
エンジン制御部6の2次電源回路832は、1次電源回路81が生成した直流電圧を変換する。言い換えると、2次電源回路832は、1次電源回路81が生成した直流電圧の降圧を行う。2次電源回路832は、エンジンCPU7、エンジンメモリー60のようなエンジン制御部6に取り付けられた素子、回路、装置の駆動に要する電圧を生成する。2次電源回路831と同様に、DCDCコンバーターやレギュレーターを2次電源回路832として用いることができる。
ここで、エンジンCPU7だけでも複数種類の電圧を入力する必要な場合があるように、エンジン制御部6に取り付けられた回路、素子、装置の駆動に必要な電圧が複数種類に及ぶ場合がある。そのため、2次電源回路832も、DCDCコンバーターやレギュレーターを複数含み、複数種の電圧を生成する。尚、便宜上、図4では、2次電源回路832からエンジンCPU7、エンジンメモリー60への電力供給ラインを太い破線の1本だけで示している。
主電源スイッチ14によって主電源がONされたとき、電源部8は、エンジン制御部6の2次電源回路832への電力供給を開始する。例えば、主電源スイッチ14の操作によって、供給制御部82がエンジン制御部6に対する電力供給を開始する。
そして、エンジン制御部6には、電源制御回路842が設けられる。電源制御回路842は、主電源ON時、予め定められた順番でエンジンCPU7、エンジンメモリー60のようなエンジン制御部6に取り付けられた素子、回路、装置への電力供給を開始する。例えば、エンジンCPU7から電力供給が開始される。言い換えると、電源制御回路842は、エンジン制御部6内の各部分への電力供給の順番を制御するシーケンス回路である。そして、電力供給開始に伴って、エンジンCPU7、エンジンメモリー60のようなエンジン制御部6に取り付けられた素子、回路、装置のそれぞれで起動処理が開始される。起動処理では、エンジンメモリー60や記憶部41に記憶された起動用のプログラムやデータの読み出しと、読み出したプログラムの実行がなされる。
主電源スイッチ14によって主電源がOFFされたとき、電源部8は、エンジン制御部6の2次電源回路832への電力供給を停止する。例えば、CPU40は、主電源スイッチ14の操作による主電源OFFを認識する。そして、主制御部4はエンジンCPU7に主電源OFFを通知する。エンジンCPU7は、主電源OFF時に必要と定められた処理(遮断時処理)を行う。そして、電源部8(供給制御部82)は、エンジン制御部6に対する電力供給を停止する。これにより、エンジン制御部6への電力供給が停止され、エンジン制御部6(エンジンCPU7)の動作が停止する。
省電力モードに移行するときにも、電源部8(供給制御部82)は、エンジン制御部6への電力供給を停止する。省電力モードに移行するとき、画像処理回路5は、エンジンCPU7に省電力モード移行を通知する。そして、エンジンCPU7は、省電力モードへの移行時に予め定められた処理(移行時処理)を行う。例えば、移行時処理は、エンジンCPU7が保持するデータや、エンジンCPU7が認識している印刷部3の状態をエンジンメモリー60や記憶部41の不揮発領域に退避させる処理である。そして、電源部8(供給制御部82)は、エンジン制御部6に対する電力供給を停止する。これにより、エンジン制御部6への電力供給が停止される。
省電力モードから通常モードに復帰するとき、電源部8の供給制御部82は、エンジン制御部6への電力供給を再開する。エンジン制御部6への電力供給再開に際し、電源制御回路842は、エンジンCPU7やエンジンCPU7への電力供給を予め定められた順番で再開する。これにより、エンジンCPU7の起動処理が開始される。
(エンジンCPU7によるレジスタ51の設定)
次に、図5を用いて、エンジンCPU7によるレジスタ51の設定を説明する。図5は、エンジンCPU7によるレジスタ51の設定を説明するための図である。
まず、実施形態に係る複合機100の画像形成部3cは、露光装置30と、感光体ドラム31を含む(図1参照)。また、画像形成部3cは、帯電装置32、現像装置33、及び、転写ローラー34を含む(図1参照)。帯電装置32は、感光体ドラム31を所定の電位に帯電させる。露光装置30は、帯電した感光体ドラム31をレーザーにより走査、露光して画像情報に基づいた静電潜像を感光体ドラム31に生成する。現像装置33は、トナーにより静電潜像を現像する。転写ローラー34は、感光体ドラム31に形成されたトナー像を用紙に転写する。定着部3dは、転写後の用紙の加熱、加圧を行って、トナー像を用紙に定着させる。
エンジンCPU7は、印刷部3の給紙部3aに含まれる給紙モーター35や、搬送部3bに含まれるクラッチ36や搬送モーター37、画像形成部3cに含まれるトナー像形成のための電圧印加回路38、トナー像形成用の回転体を回転させるメインモーター39、露光装置30、定着部3dに含まれるヒーター310、定着用の回転体を回転させる定着モーター311のような印刷に関する部材を制御する。このように、エンジンCPU7は印刷での給紙、搬送、画像形成、定着を制御する。
一方、上述したように、主制御部4には、画像処理回路5が設けられる。画像処理回路5は、ビデオ部50とレジスタ51を含む。ビデオ部50は、形成させる画像の画像情報を画像形成部3c(露光装置30)に出力する。レジスタ51は、ビデオ部50の動作設定に用いられる
画像処理回路5は、設定にあわせ、原稿読み取りで得られた画像データや複合機100に入力された画像データに対し画像処理を行う。ビデオ部50は、設定にあわせて画像処理がなされた画像データを変換し、露光装置30での露光に用いる画像情報を生成する。画像情報は、各画素(レーザーの走査位置)で露光装置30の半導体レーザー(不図示)を点灯させるか、消灯させるか示す情報(信号)である。そして、ビデオ部50は、生成した画像情報を露光装置30に出力する(図5参照)。露光装置30は、画像情報に基づき、感光体ドラム31の走査露光を行う。
ここで、本実施形態の画像処理回路5は、様々な機種に搭載できるように設計されている。画像形成装置によって、印刷速度(1分あたりの印刷枚数)が異なる。露光装置30のバッファのオーバーフローが生じず、かつ、走査、露光しようとするラインの画像情報が遅延なく露光装置30に到達しているように、ビデオ部50は、露光装置30の走査速度及び画像形成装置の印刷速度に合った適切な速度で画像情報を露光装置30に送信する必要がある。また、1ビーム式、2ビーム式のように、画像形成装置によって、搭載される露光装置30の形式が異なる場合がある。そして、ビデオ部50は、画像形成装置に搭載された露光装置30に適したデータ形式で画像情報を送信する必要がある。
そこで、画像処理回路5には、ビデオ部50の動作を設定するためのレジスタ51が設けられる(図5参照)。ビデオ部50は、レジスタ51に設定された値に応じた速度、形式で画像情報を露光装置30に送信する。そして、本実施形態の複合機100では、レジスタ51の設定をエンジンCPU7が行う。エンジンCPU7は、印刷部3の動作を制御するとともに、レジスタ51の設定を行う。なお、主電源OFFや省電力モード移行によって画像処理回路5への電力供給が停止されるため、レジスタ51の値が失われる。そこで、主電源スイッチ14による主電源ON時や、省電力モードから通常モードへの復帰に伴う起動処理中に、エンジンCPU7は、レジスタ51の設定値を設定する。
レジスタ51の設定のため、エンジンCPU7(エンジン処理回路)と画像処理回路5を接続し、レジスタ51の設定用の信号線であるレジスタ設定用信号線90が設けられる(図5参照)。レジスタ設定用信号線90は、エンジンCPU7からのクロック信号を画像処理回路5に伝えるクロック信号線901と、レジスタ51に設定すべき値を伝える設定値線902と、割込信号線903である。
エンジンメモリー60は、レジスタ51に設定すべき設定値(レジスタ設定値D1)を記憶する。そして、エンジンCPU7は、レジスタ設定用信号線90を用いエンジンメモリー60から読み出したレジスタ設定値D1を画像処理回路5に送信する。これにより、露光装置30の仕様や印刷速度に応じた設定値がレジスタ51に設定される。
また、レジスタ設定用信号線90とは別の信号線であって、エンジンCPU7(エンジン処理回路)とビデオ部50を接続する1本の通知信号線91が設けられる。通知信号線91は、主電源ON時や省電力モードから通常モードへの復帰時の起動処理中では、レジスタ51が設定可能な状態になったことをエンジンCPU7に通知し、起動処理後では、省電力モードの移行をエンジンCPU7に通知する信号線として用いられる。
更に、エンジンCPU7と画像処理回路5間には、レジスタ設定用信号線90及び通知信号線91とは別に設けられ、画像処理回路5とエンジンCPU7(エンジン処理回路)間で通信を行うための信号線であって、エンジンCPU7と画像処理回路5を接続するデータ通信信号線92が設けられる。データ通信信号線92は、画像処理回路5からエンジンCPU7にクロック信号を伝えるクロック信号線921と、画像処理回路5からエンジンCPU7にデータを伝えるデータ線922と、エンジンCPU7から画像処理回路5にデータを伝えるデータ線923を含む。
例えば、データ通信信号線92を用いて、印刷ジョブで用いる用紙のサイズ、印刷ジョブの枚数、濃度、印刷速度のような印刷ジョブの内容を示すデータが画像処理回路5からエンジンCPU7に向けて送信される。また、データ通信信号線92を用いて、印刷部3の状態や、印刷ジョブの開始、完了や、印刷でのエラー発生を示すデータがエンジンCPU7から画像処理回路5に向けて送信される。
(レジスタ51の設定)
次に、図6、図7を用いて、実施形態に係る複合機100でのレジスタ51の設定の流れを説明する。図6は、実施形態に係る複合機100でのレジスタ51の設定の流れの一例を示すフローチャートである。図7は、実施形態に係る複合機100でのレジスタ51設定を説明するためのタイミングチャートである。
図6のスタートは、主電源スイッチ14の操作によって複合機100の主電源がONされた時点である。言い換えると、電源部8が主制御部4(画像処理回路5)とエンジン制御部6(エンジンCPU7)への電力供給を開始する時点である(図7のa1の時点に対応)。これにより、画像処理回路5とエンジンCPU7は、起動処理(ウォームアップ処理)を開始する。
主電源ONに伴い、画像処理回路5とエンジンCPU7は、起動を開始する(ステップ♯1)。そして、起動開始に合わせ、画像処理回路5は、通知信号線91の状態をLowからHighに立ち上げて変化させる(ステップ♯2、図7のa2の時点に対応)。
そして、画像処理回路5は、レジスタ51が設定可能になったか否かの確認を続ける(ステップ♯3、ステップ♯3のNo→ステップ♯3)。設定可能となったとき(ステップ♯3のYes)、画像処理回路5は、レジスタ51が設定可能になったことをエンジンCPU7に通知するため、通知信号線91の状態を、HighからLowに立ち下げる(ステップ♯4、図7のa3の時点に相当)。即ち、画像処理回路5は、主電源投入又は省電力モードから通常モードへの復帰に伴う起動処理中に、レジスタ51が設定可能な状態になったことにあわせ、通知信号線91の状態をレジスタ51の設定不可を示す状態からレジスタ51設定可能を示す状態に変化させる。この通知を受けて、エンジンCPU7は、レジスタ設定用信号線90を用いてレジスタ51を設定する(ステップ♯5、図7のa4の時点に相当)。即ち、エンジンCPU7は、起動処理中に通知信号線91の状態がレジスタ51設定可能を示す状態になったとき、レジスタ51の設定を開始する。
その後、データ通信信号線92が開通する(ステップ♯6、図7のa5の時点に相当)。続いて、画像処理回路5は、通知信号線91の状態をLow→Highに立ち上げて、通知信号線91の状態を通常モードであることを示す状態とする(ステップ♯7、図7のa6の時点に相当)。即ち、画像処理回路5は、レジスタ51の設定開始後、省電力モードに移行する前に、通知信号線91を通常モードを示す状態に変化させる。そして、複合機100(主制御部4、エンジン制御部6、電源部8)は、起動処理を完了し、通常モードを維持する(ステップ♯8)。
そして、通常モードの間、主制御部4(CPU40)は、省電力モードに移行すべきか否か(省電力モード移行条件がみたされたか否か)を確認する(ステップ♯9)。通常モードを維持すべきとき(ステップ♯9のNo)、フローは、ステップ♯8に戻る。一方、省電力モードに移行するとき(ステップ♯9のYes)、省電力モードに移行する旨のCPU40からの通知に基づき、画像処理回路5は、通知信号線91の状態をHigh→Lowに立ち下げて、通知信号線91の状態を省電力モードであることを示す状態とする(ステップ♯10、図7のa8の時点に相当)。即ち、画像処理回路5は、省電力モードに移行するとき通知信号線91の状態を、省電力モードを示す状態に変化させることによって、通知信号線91を省電力モードへの移行を通知するスリープ信号線としても用いる。
エンジンCPU7は、通知信号線91の状態変化に基づき、省電力モードへの移行を認識し、省電力モード移行時に行うと予め定められた処理(移行時処理)を行う(ステップ♯11)。そして、複合機100(主制御部4、エンジン制御部6)は省電力モードに移行し、電源部8は、画像形成部3c、画像処理回路5、エンジンCPU7のような供給停止部分への電力供給を停止する(ステップ♯12、図7のa8の時点に相当)。
省電力モードの間、主制御部4(CPU40)は、通常モードに復帰すべきか否か(復帰条件がみたされたか否か)を確認する(ステップ♯13)。省電力モードを維持すべきとき(ステップ♯13のNo)、フローは、ステップ♯12に戻る。一方、通常モードに復帰するとき(ステップ♯13のYes)、画像処理回路5は、通知信号線91の状態を通常モードであることを示す状態とする(ステップ♯14、図7のa9の時点に相当、通知信号線91の状態はLow→High)。そして、電源部8が主制御部4(画像処理回路5)とエンジン制御部6(エンジンCPU7)への電力供給を再開する(ステップ♯15、図7のa9の時点に相当)。そして、フローはステップ♯1に戻る。
具体的に、省電力モードから通常モードに復帰したときも、レジスタ51が設定可能となったとき(ステップ♯3のYes)、画像処理回路5は、レジスタ51が設定可能になったことをエンジンCPU7に通知するため、通知信号線91の状態を、HighからLowに立ち下げる(ステップ♯4、図7のa10の時点に相当)。この通知を受けて、エンジンCPU7は、レジスタ設定用信号線90を用いて、エンジンメモリー60から読み出したレジスタ設定値D1を画像処理回路5に送信し、省電力モードへの移行により失われたレジスタ51のデータを再設定する(ステップ♯5、図7のa11の時点に相当)。なお、図7のa12の時点は、通常モードへの復帰により、エンジンCPU7と画像処理回路5間のデータ通信信号線92が再度開通した時点である(ステップ♯6)。
まとめると、画像処理回路5は、主電源投入又は省電力モードから通常モードへの復帰に基づく起動開始にあわせ、通知信号線91の状態を第1状態(High)に変化させ、起動処理中にレジスタ51が設定可能な状態になると通知信号線91の状態を第2状態(Low)に変化させ、レジスタ51の設定完了後、省電力モード移行前に通知信号線91の状態を第1状態(High)に変化させ、省電力モードに移行するとき、通知信号線91の状態を第2状態(Low)に変化させる。これにより、1本の信号線で4種類の通知を行える。
(省電力モード移行前の事前通知)
次に、図7を用いて、省電力モード移行前の事前通知について説明する。
主電源ONや通常モードへの復帰が開始されると、画像処理回路5は通知信号線91の状態を通常モードを示す状態(High)とする(図7のa2、a9の時点)。
節電キー15が操作されたときのように省電力モードへの移行条件が満たされたことに基づき、画像処理回路5は、通知信号線91の状態をLowに変化させる。一方、レジスタ51が設定可能となった場合にも、画像処理回路5は、通知信号線91の状態をLowに変化させる。このように、通知信号線91の第1状態から第2状態への変化が、省電力モードへの移行を意味するときもあれば、レジスタ51が設定可能となったことを意味する場合がある。
このように、通知信号線91の第1状態から第2状態への変化には、複数の意味を持たせるので、エンジンCPU7は、通知信号線91の状態をLowになったとき、省電力モードの移行を通知するための通知信号線91の状態変化であるのか、レジスタ51が設定可能になったことによる通知信号線91の状態変化であるのか見分けることができない場合がある。
そこで、画像処理回路5は、通知信号線91の状態を、省電力モードを示す状態に変化させる前に、データ通信信号線92によって省電力モードへの移行をエンジンCPU7に事前通知する。図7の例では、省電力モードに移行する前のa7の時点で、画像処理回路5は、エンジンCPU7に事前通知する。なお、省電力モードへの移行条件が満たされたとき、画像処理回路5は、CPU40から省電力モードへの移行する旨の通知を受け、この通知に基づき、画像処理回路5は、事前通知を行う。また、エンジンCPU7は、事前通知を受けずに通知信号線91の状態が第1状態から第2状態になったとき(High→Lowに変化したとき)、レジスタ51が設定可能になった旨の通知と判断すればよい。
また、起動処理中に、データ通信信号線92が開通する前に(事前通知を行える状態となる前に)節電キー15がおされた場合のようなイレギュラーな場合には、画像処理回路5は、事前通知を行える状態となってから、一度、通知信号線91の状態を第1状態で固定し、事前通知をエンジンCPU7に送信してから、通知信号線91の状態を第1状態から第2状態に変化させればよい。本実施形態の複合機100は、起動に要する時間が短くなっているので、使用者にとっては、複合機100は速やかに省電力モードに移行したように見える。
事前通知を受けてから長時間が経過しても、通知信号線91の状態が省電力モードを示す状態にならないとき、誤った通知である可能性がある。そこで、エンジン制御部6側では、エンジンCPU7は、事前通知を受けた後、所定時間内に通知信号線91の状態が省電力モードを示す状態になったときに限り、通知信号線91の状態変化が省電力モードに移行する旨の信号であると認識するようにしてもよい。その結果、エンジンCPU7は、図6のステップ♯11のような移行時処理を開始する。
このようにして、本実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、電力供給を行う電源部8と、画像を形成する画像形成部3cを含み、用紙に印刷を行う印刷部3(給紙部3a、搬送部3b、画像形成部3c、定着部3d)と、形成させる画像の画像情報を画像形成部3cに出力するビデオ部50とビデオ部50の動作設定用のレジスタ51を含む画像処理回路5と、印刷部3の動作を制御し、レジスタ51の設定を行うエンジン処理回路(エンジンCPU7)と、エンジン処理回路と画像処理回路5を接続し、レジスタ51の設定用の信号線であるレジスタ設定用信号線90と、レジスタ設定用信号線90とは別の信号線であって、エンジン処理回路と画像処理回路5を接続する1本の通知信号線91を含む。画像処理回路5は、主電源投入又は省電力モードから通常モードへの復帰に伴う起動処理中に、レジスタ51が設定可能な状態になったことにあわせ、通知信号線91の状態をレジスタ51の設定不可を示す状態からレジスタ51設定可能を示す状態に変化させる。エンジン処理回路は、起動処理中に通知信号線91の状態がレジスタ51設定可能を示す状態になったとき、レジスタ51の設定を開始する。
これにより、画像処理回路5のビデオ部50のレジスタ51が設定可能となった時点で、設定可能となった旨がエンジン処理回路(エンジンCPU7)に通知される。そのため、エンジン処理回路は、レジスタ51が設定可能となったことを速やかに知ることができる。そして、エンジン処理回路は、レジスタ51が設定可能になると直ちにレジスタ51の設定を開始できる。従来のように、エンジン処理回路の起動からマージンを含む待ち時間を経過した後にレジスタ51の設定を開始する場合にくらべ、レジスタ51の設定完了までの時間を短くすることができる。従って、エンジン処理回路と画像処理回路5の起動に要する時間を短くすることができる。その結果、主電源投入や省電力モードから通常モードへの復帰時での画像形成装置(複合機100)の全ての起動処理完了までの時間(ウォームアップ時間)を短くすることができる。
また、画像処理回路5は、レジスタ51の設定開始後、省電力モードに移行する前に、通知信号線91を通常モードを示す状態に変化させ、省電力モードに移行するとき通知信号線91の状態を省電力モードを示す状態に変化させることによって通知信号線91を省電力モードへの移行を通知するスリープ信号線としても用い、電源部8は、省電力モードへの移行に伴い、画像処理回路5とエンジン処理回路(エンジンCPU7)への電力供給を停止する。このように、従来、設けられているスリーブ信号線を、レジスタ51が設定可能な状態となったことを通知する信号線としても用いる。従って、エンジン処理回路(エンジンCPU7)と画像処理回路5間の信号線を増やすこと無く、レジスタ51が設定可能な状態となったことをエンジン処理回路に速やかに通知することができる。
1本の通知信号線91は、省電力モードの移行を知らせる信号線として用いられるとともに、レジスタ51が設定可能な状態となったことを通知する信号線としても用いられる。従って、画像処理回路5は、レジスタ51が設定可能な状態となったことを通知するために通知信号線91を状態変化させたのに、エンジン処理回路(エンジンCPU7)が省電力モードの移行を知らせる通知と誤認してしまう場合があり得る。反対に、画像処理回路5は、省電力モードへの移行を知らせるために通知信号線91を状態変化させたのに、エンジン処理回路(エンジンCPU7)は、レジスタ51が設定可能な状態となったことの通知と誤認してしまう場合があり得る。
そこで、画像形成装置(複合機100)は、レジスタ設定用信号線90及び通知信号線91とは別に設けられ、画像処理回路5とエンジン処理回路(エンジンCPU7)間で通信を行うための信号線であって、エンジン処理回路と画像処理回路5を接続するデータ通信信号線92を含む。そして、画像処理回路5は、通知信号線91の状態を、省電力モードを示す状態に変化させる前に、データ通信信号線92によって省電力モードへの移行をエンジン処理回路に事前通知する。エンジン処理回路は、事前通知を受けた後、所定時間内に通知信号線91の状態が省電力モードを示す状態になったとき、省電力モードに移行する旨の通知であると認識する。これにより、事前通知があったときのみ省電力モードへの移行がなされるので、誤認に基づいた省電力モードへの移行を防ぐことができる。
また、画像処理回路5は、主電源投入又は省電力モードから通常モードへの復帰に基づく起動開始にあわせ、通知信号線91の状態を第1状態(High状態)に変化させ、起動処理中にレジスタ51が設定可能な状態になると通知信号線91の状態を第2状態(Low状態)に変化させ、レジスタ51の設定完了後、省電力モード移行前に通知信号線91の状態を第1状態に変化させ、省電力モードに移行するとき、通知信号線91の状態を第2状態に変化させる。これにより、1本の信号線で4つを意味合いの通知を行うことができ、1本信号線だけで、エンジン処理回路(エンジンCPU7)に4つの状態の遷移を示すことができる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。