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JP6259370B2 - 光干渉断層装置 - Google Patents

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JP6259370B2 JP2014151157A JP2014151157A JP6259370B2 JP 6259370 B2 JP6259370 B2 JP 6259370B2 JP 2014151157 A JP2014151157 A JP 2014151157A JP 2014151157 A JP2014151157 A JP 2014151157A JP 6259370 B2 JP6259370 B2 JP 6259370B2
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Description

本発明は、光干渉断層装置に関し、詳細には、主に医療で使用されている3次元断層画像を取得するための光干渉断層装置に関する。
時間に対して光の波数が連続的に変化(掃引)する光源を波長掃引光源と呼ぶが、その様な光源において、時間に対して光の波数が線形的に(1次関数的に)掃引する光源を波数リニアな波長掃引光源と呼ぶ。
光干渉断層装置としては、波数リニアではない波長可変光源を用いた場合に得た干渉波形信号を、波数リニアとなる波長可変光源を用いた場合と同等の干渉波形信号に変換(リサンプリング)して3次元断層画像を取得するSwept Source Optical Coherence Tomography(SS−OCT)システムが知られている(非特許文献1)。非特許文献1には図1に示す構成のSS−OCTシステムが記載されている。図1に示すSS−OCTシステムは、櫛歯型のスペクトルとなるように波長掃引を行なう光源101と、カップラ102と、干渉計103と、フォトディテクタ104と、ピーク時刻取得部1106と、リサンプリング部107と、フーリエ変換部108とを備えている。さらに干渉計103は、バランスフォトディテクタ1031と、サーキュレータ1032と、カップラ1033と、ファイバコリメータ1038と、ミラー1035と、ファイバコリメータ1039と、光偏向器1037とを有している。図中の各構成は光ファイバ(二重線)または電気ケーブル(一本線)で接続されている。カップラ1033からファイバコリメータ1038を通ってミラー1035までの光路を参照アーム1034と呼び、また、カップラ1033からファイバコリメータ1039と光偏向器1037を通って観察対象Oの中の反射面Bまでの光路をサンプルアーム1036呼ぶこととする。参照アーム1034にあるファイバコリメータ1038からミラー1034の間と、サンプルアーム1036にあるファイバコリメータ1039から光偏向器1037を経由した反射面Bまでの光路は空間系となっており、空間中(通常は空気中)を光が伝播する。
光源101は上述の通り櫛歯型のスペクトルとなるように波長掃引を行う光源であるが、これを実現するため、レーザ共振器内に、所定の自由スペクトル間隔(free spectral range:FSR)を持つフィルタ(櫛歯型スペクトルの透過率を持つフィルタ:櫛歯フィルタ)を入れている。このようなフィルタをレーザ共振器内に挿入したレーザは、フィルタの透過率に応じて出力光強度が変化する。たとえば、フィルタの透過率が極大/極小となる光の周波数となった場合は、出力光強度は極大/極小となる。このため、レーザ共振器の光の共振周波数を連続的に時間変化させた場合に、共振する光の周波数に応じて出力光強度が変わるが、この様子を分散分光方式(モノクロメータを使用する方式)の光スペクトルアナライザで観測すると、光源101のスペクトルは、FSRの間隔でピークを持つ櫛歯型となる。
SS−OCTでは、光源のコヒーレンス長が、SS−OCTで得られる断層画像で観測できる奥行(深達長)を決め、コヒーレンス長が長ければ深達長が長くなる。このため、コヒーレンス長の長い光源であることがSS−OCTにおいて重要である。
上記に示す櫛歯型フィルタを共振器に挿入したレーザは、フィルタの透過率が極大、つまり、レーザ出力が極大となる波長の出力光のコヒーレンス長が長くなることが知られている。したがって、光源光強度の強い光、つまり、コヒーレンス長が長い光で得られた干渉計出力のみを抽出して信号処理すると、深達長の長い観測が可能となる。以下に説明する方法は上記抽出を行う方法であり、光源光101の出力光の強度変調のピーク値で干渉計103の出力をサンプリングする方法である。
光源101からは、周期的に波長が掃引された光が出力される。その光強度は、レーザ共振器内に挿入された櫛歯型フィルタの透過率とレーザ共振器の共振周波数に応じて、時間的に変化している。その光強度の極大値(ピーク値)の間隔は、時間をt、光源出力光の波数をk(t)、hを定数としたときの、cos(2hk(t))の正のピーク間隔と同じである。hの値は観測対象において観測したいもっとも深い位置についての情報によって設計するが、これについては後述する。
光源101からの出力光はカップラ102で分岐する。カップラ102から出た一方の光を干渉計103に入れ、サーキュレータ1032を経由後、カップラ1033にて光を2つに分け、参照アーム1034とサンプルアーム1036に入れる。参照アーム1034ではミラー1035にて反射する。サンプルアーム1036では観測対象の物体Oの中の反射面にて反射される。参照アーム1034とサンプルアーム1036から返ってきた光は再度カップラ1033に入って合波されて干渉光(フリンジ光)となる。この干渉光(フリンジ光)は一方はサーキュレータ1032を経由し、もう一方は直接バランスフォトディテクタ1031に入れ光電変換し、それによって生じた電気信号であるフリンジ信号をリサンプリング部107に入れる。
参照アーム1034とサンプルアーム1036との光路長差zは、参照アーム中のミラーの配置位置である基準面Aと物体O内の反射面Bとの間の距離によって決まる光路長差である。そのフリンジ信号には、光路長差zに比例する周波数を持つ信号成分が含まれている。たとえば、時間をtとしてk(t)という関数で光源101の出力光の波数を表すと、フリンジ信号にはcos(2zk(t))の信号が含まれる。つまり、時刻tにはzk’(t)/πとなる周波数の信号が含まれる。ここで、k’(t)はk(t)を時間微分した関数であり、k’(t)=dk/dtである。物体Oの中の反射面Bは、一般に1つとは限らず、複数ある場合がある。たとえば、z1、…、zNのN個の反射面がある場合は、フリンジ信号はcos(2z1k(t))、…、cos(2zNk(t))のN個の成分を持つこととなる。
カップラ102から出たもう一方の光はフォトディテクタ104が光電変換し、ピーク時刻取得部1106へ渡す。ピーク時刻取得部1106は、入力した電気信号のピークの時刻を測定してリサンプリング部107に出力する。
図2は図1に示す構成のSS−OCTシステムの、フォトディテクタ104と干渉計103から出力された電気信号の処理手順である。
非特許文献1に記載のピーク時刻取得方法は、ピーク検出対象のデータ(フォトディテクタ104から出力された電気信号)をアップサンプリングした上でローパスフィルタをかけるものであり、高周波ノイズを除去してアップサンプリングのサンプリング間隔の時間精度でピーク時刻を取得する(S−1201)。
リサンプリング部107は、ピーク時刻取得部106から入力したピーク時刻に従って、バランスフォトディテクタ1031から入力したフリンジ信号をサンプリングし、フーリエ変換部108に出力する。(S−1202) フーリエ変換部108は、リサンプリング部107から入力した、フリンジ信号のサンプリング信号をフーリエ変換して出力する。(S−1203)
リサンプリング部107はフリンジ信号に含まれるcos(2zk(t))の成分がcos(2z(Δk/ΔT)t)となるようにフリンジ信号を時間的に伸縮するものである。ここで、Δkは光源の掃引波数幅、ΔTはΔkだけ掃引する時間である。リサンプリング前のフリンジ信号にはzk’(t)/πで表される周波数を含み、k’(t)がtに対して線形でなければ(tの一次関数でなければ)時間によって周波数が変わる。リサンプリングはフリンジ信号をz(Δk/ΔT)t/πという時間変動しない周波数を持つ信号になるように、フリンジ信号を時間的に伸縮処理するものである。これは、光源101の出力光がピークとなる時刻がcos(2hk(t))の正のピークとなる時刻となる性質を使って、そのピーク時刻でフリンジ信号をサンプリングことにより得られる。このとき、リサンプリングによってフリンジ信号は、時間当たりΔk/ΔTとなるような、kの時間変動が時間に対して線形となるように変換される。このようにkが時間に対して線形になることを波数リニアと呼ぶ。
光源101の出力光の強度変調の周期を決めるhは、観測対象において観測したいもっとも深い位置における、参照アーム1034とサンプルアーム1036の光路長差zmaxによって決める。リサンプリング部107は、光源101の出力光の強度のピーク時刻でフリンジ信号をサンプリングするが、zに関するフリンジ光の強度変調の時間tにおける周波数はzk’(t)/πであり、光源出力光の強度変調のそれはhk’(t)/πであるため、zが0からzmaxとなる全てのフリンジ信号cos(2zk(t))(ただし、0≦z≦zmax)を取得するために、サンプリング定理に基づいてサンプリング周波数はzmaxの周波数の2倍以上、つまり、2zmaxk’(t)/π≦hk’(t)/π、すなわち、2z≦hとなるようにhを決める。光源のhをどのように実現するかについては、たとえば、非特許文献1では、ファイバレーザ中にファイバファブリーペローフィルタ(fiber Fabry−Perot filter:FFPF)のFSRがc/(2h)となるように設計した例がある。ここでcは光速である。
フーリエ変換部108から出力された信号は、SS−OCTの深さ方向のスキャン信号であり、この深さ信号のスキャンのことをAスキャンという。また、このスキャン信号のことをAスキャン信号と呼ぶこととする。Aスキャンとは光偏向器等で偏向する等、物理的な光の操作を意味するのではなく、上記の通り、フリンジ信号をフーリエ変換することにより奥行方向の情報を得ることを言う。
Aスキャン信号はリサンプリングされたフリンジ信号のフーリエ変換であるため、周波数に対する強度を示す信号であるが、周波数fは深さ方向の距離zに換算でき、それらの関係はz=πf/k’と表される。ここで、k’はリサンプリング後のAスキャン信号においては、理想的にはk’=Δk/ΔTとなるので、リサンプリング後はz=πfΔT/Δkとなる。
観測対象の物体O内の反射面は、Aスキャン信号では信号強度で表されるが、Aスキャン信号上では、反射面がある位置に相当する周波数の信号が強くなる。反射面が複数ある場合は、それら反射面に対応する、参照アームとサンプルアームの光路長差に応じた成分の信号がフリンジ信号に含まれる。たとえば、N個の反射点があり、それらに対応する光路長差がz1、…、zNであった場合、フリンジ信号にはcos(2z1k(t))、…、cos(2zNk(t))のN個の成分が含まれる。リサンプリングされたフリンジ信号にも同様にcos(2z1Δk/ΔTt)、…、cos(2zNΔk/ΔTt)のN個の成分が含まれ、それらの周波数はf1=z1Δk/(πΔT)、…、fN=zNΔk/(πΔT)となる。このリサンプリングされたフリンジ信号をフーリエ変換すると、観測対象の物体O内の反射強度に応じて、上記f1、…、fNに相当する周波数の位置の強度が大きい信号が現れる。これらの周波数をz=πfΔT/Δkで換算すると、奥行距離と反射の強度の対応を取ることができる。
観測対象の物体O内の反射面が1つのみであり、その反射面がこの時の参照光とサンプル光の光路長差zに相当する箇所にある場合は、Aスキャン信号のzに相当する箇所、つまり、周波数f=z(Δk/ΔT)/πの信号が強くなり、それ以外の周波数の信号は0(デルタ関数)になることが望ましい。このような、1つの反射点を持つ場合のフリンジ信号から得られるAスキャン信号を点広がり関数(point spread function:PSF)と呼ぶ。しかし、ΔT内での光源光強度の変調や、光学的および電気的なノイズ、リサンプリング等の信号処理の不十分さ等が原因で、実際のPSFはデルタ関数とはならず、PSFの半値幅は大きくなり、また、SNR(PSFのピーク/ノイズフロアレベル)は低く(悪く)なる。
リサンプリングとは、波数リニアでないフリンジ信号を波数リニアとなるようにする処理であるが、サンプリングする時刻に誤差が生じると(正確なリサンプリングができないと)、正確な波数リニアなフリンジ信号を生成することはできなくなり、PSFの半値幅は大きくなり、また、PSFのSNRは悪化する。
Tsung-Han Tsaia, Chao Zhoua, Desmond Adlera, and James G. Fujimotoa, "Frequency Comb Swept Lasers for Optical Coherence Tomography," Proc. of SPIE , Vol. 7554, pp. 7554E-1-10 (2010).
ピーク時刻取得部1106において光源光の強度変調信号のピークが現れる時刻を取得する際のピーク時刻の検出精度はサンプリング周波数に依存する。したがってサンプリング周波数を高くすればピーク時刻の検出精度は向上するが、その分ピーク時刻検出処理に多大なリソースを要することになる。一方、低いサンプリング周波数でピーク時刻の検出を行うと、ピーク時刻検出精度が劣化してしまう。
すなわち、ピーク時刻検出精度が低い場合は、その後の処理で正確なリサンプリングが難しくなるため、光源101の出力光のコヒーレンス長の長い光で干渉計103で干渉させて得たフリンジ信号のみを抽出することが難しくなるので、Aスキャン信号の深達長が長くならない、つまり、断層画像が深くまで見ることができないという問題がある。また、同じ原因により、フーリエ変換部108から出力されるAスキャン信号のPSFの半値幅が大きくなりやすいという問題と、SNRが悪くなりやすいという問題がある。
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、簡素な処理で正確なリサンプリングを行うことができる光干渉断層装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、一実施形態に記載された発明は、櫛歯型のスペクトルとなるように波長掃引する光源と、前記光源から出力された光を2分岐する第1のカップラと、前記2分岐された一方の光を観測対象の物体に入射して観測対象の物体の構造に応じた干渉信号であるフリンジ信号を出力する干渉計と、前記2分岐された他方の光の強度信号の位相を算出する位相算出部と、前記位相算出部で算出された位相が2nπとなる時刻であるピーク時刻を取得する位相2nπ時刻取得部と、前記ピーク時刻におけるフリンジ信号をサンプリングするリサンプリング部とを備えることを特徴する光干渉断層装置である。
従来のSS−OCTシステムの構成例を示す図である。 図1のSS−OCTシステムのフォトディテクタから出力された信号の処理フローを示す図である。 第1の実施形態のSS−OCTシステムの構成例を示す図である。 空間光学系で構成した光源の構成例を示す図である。 図3の装置のフォトディテクタから出力された信号の処理フローを示す図である。 強度信号と位相の経時変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明の光干渉断層装置は、櫛歯型のスペクトルとなるように波長掃引する光源と、前記光源から出力された光を2分岐する第1のカップラと、前記2分岐された一方の光を観測対象の物体に入射して観測対象の物体の構造に応じた干渉信号であるフリンジ信号を出力する干渉計と、前記2分岐された他方の光の強度信号の位相を算出する位相算出部と、前記位相算出部で算出された位相が2nπとなる時刻であるピーク時刻を取得する位相2nπ時刻取得部と、前記ピーク時刻におけるフリンジ信号をサンプリングするリサンプリング部とを備えている。
上記光干渉断層装置によれば、光源出力光のピーク時刻を正確に得られるため、正確なリサンプリングを行うことができる。これにより、光源の出力光強度のピーク時刻に現れるコヒーレンス長の長い光の干渉信号を正確にサンプリングすることが可能となり、断層画像の深達長を長くすること、つまり、観察対象の物体を深くまで観測することが可能となる。
また、上記の通り、正確なリサンプリングが可能となることにより、リサンプリング部から出力されるフリンジ信号は光源が正確に波数リニアな掃引した場合のフリンジ信号と同一となるため、フーリエ変換部から出力されるAスキャン信号のPSFの半値幅は細くなり、また、SNRが大きくなるため、鮮明度は高くなる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の光干渉断層装置について説明する。図3は、第1の実施形態のSS−OCTシステムの構成例を示す図である。本実施形態のSS−OCTシステムは、図3に示すように、櫛歯型のスペクトルとなるように波長掃引を行なう光源101と、カップラ102と、干渉計103と、フォトディテクタ104と、位相算出部105と、位相2nπ時刻取得部106と、リサンプリング部107と、フーリエ変換部108とを備えている。さらに干渉計103は、バランスフォトディテクタ1031と、サーキュレータ1032と、カップラ1033と、ファイバコリメータ1038と、ミラー1035と、ファイバコリメータ1039と、光偏向器1037とを有している。カップラ1033からファイバコリメータ1038を通ってミラー1035までの光路が参照アーム1034であり、カップラ1033からファイバコリメータ1039と光偏向器1037を通って観察対象Oの中の反射面Bまでの光路がサンプルアーム1036である。図中の各構成は光ファイバ(二重線)または電気ケーブル(一本線)で接続されている。
光源101は、時間的に波長(周波数)が推移する(掃引する)レーザであり、その発振スペクトルのピークは周波数に対して等間隔に離散的な値をとる。その発振スペクトルを1掃引分重ね合わせた(1掃引分を時間積分した)スペクトルは、周波数に対して等間隔にピークがある櫛歯型のスペクトルとなる。この光源101は、周波数が時間的に推移するので、レーザ発振は時間的に強くなったり弱くなったりを繰り返す。つまりこの光源101の出力光は強度変調する。この強度変調はcos(2hk(t))の基本成分とその高調波成分を持つ。ここで、cos(x)はxの余弦、hは定数、k(t)は光の波数であり、時間tにより変化する。このhは光源内のレーザ共振器中にある光学部品のパラメータであるが、測定対象の物体の最大深さに基づいて決定される定数である。
強度変調がcos(2hk(t))となる光源101は、その光源101で生じる櫛歯型のスペクトルの隣同士の櫛歯の周波数間隔(自由スペクトル間隔:FSR)がc/(2h)となる光源である。ここでcは光速である。その光源101の構成としては、ファイバレーザ中にファイバファブリーペローフィルタ(fiber Fabry−Perot filter:FFPF)を挿入したものや、空間光学系で構成したレーザ共振器内にエタロンを挿入したものがある。このときのFFPFやエタロンはそのFSRがc/(2h)となるものを使用することで、FSRがc/(2h)となる光源が実現する。
図4に空間光学系で構成した光源1の構成例を示す。図4に示す構成は空間光学系で構成されたLittman―Metcalf型共振器であり、半導体光増幅器(semiconductor optical amplifiler:SOA)304から発した光は、コリメータレンズ306でコリメートされた後、エタロン307を通して光偏向器308で偏向されて回折格子310に入射し、回折した光をミラー311に送る。ミラー311に垂直入射された光のみが、逆の経路をたどってSOA304に戻り、SOA反射面305で折り返され、最終的にはSOA反射面305とミラー311の間でレーザ共振する。SOA反射面305はハーフミラーとなっており、レーザ発振した光の一部がSOA反射面を通って結合レンズ303、アイソレータ302を介して光ファイバ301に至り、共振器外部に出力される。なお、エタロンの光路長はhである物を使う。たとえば、エタロンの屈折率をn、エタロンの厚みをdとすると、h=ndとなる。レーザ共振器の光の共振周波数は、光偏向器308から回折格子310への入射角度によって変化するので、光偏向器制御器309によって光偏向器308から出射する光の角度(偏向角)を時間的に連続的に変えることによって、光源101の出力光の周波数を連続的に変える(掃引する)。
カップラ102は、光源101から入力された光を2分岐し、一方を干渉計103に入力し、他方をフォトディテクタ104に入力する。
カップラ102で分岐された一方の光が入力される干渉計103では、入力された光をサーキュレータ1032を介してカップラ1033に入れ、カップラ1033で2分岐した後、参照アーム1034とサンプルアーム1036に入力する。カップラ1033で分岐された一方の光は、参照アーム1034の基準位置Aに設けられたミラー1035で反射して再びカップラ1033に戻る。カップラ1033で分岐されたもう一方の光は、観測対象の物体O内の反射面B(反射面Bは物体内の一か所とは限らない)で反射されて再びカップラ1033に戻る。光源が1掃引するごとに光偏向器1037で幅方向WにAスキャンを行う位置を少しずつ移動させる。このように、物理的に光を観測対象にあてる位置(Aスキャンを行う位置)を連続的に変える操作をBスキャンという。
カップラ1033では参照アーム1034およびサンプルアーム1036からの2つの戻り光を合波して干渉させ、その干渉光(フリンジ光)を、お互いに位相が反転した状態で2分岐し、一方はサーキュレータ1032を介して、他方は直接バランスフォトディテクタ1031に入射する。バランスフォトディテクタ1031は、それぞれの入射光を電気信号に変換し、それらの差分信号をリサンプリング部107に出力する。この出力信号を干渉信号(フリンジ信号)と呼ぶこととする。
干渉計103から出力されるフリンジ信号(電気信号)は、参照アームとサンプルアームとの光路長差zに応じて変化する信号である。具体的には、フリンジ信号はcos(2zk(t))の成分を持つ。また、光源101からの出力光はcos(2hk(t))で強度変調しているので、フリンジ信号はcos(2zk(t))およびcos(2hk(t))で表される2つの基本成分とその高調波成分を持つこととなる。観測対象の物体O内の反射面の基準面Aからの最深の位置zをzmaxとすると、光源101の強度変調の周波数を決定し、また、リサンプリングする時間間隔を決定するhは2zmax以上(h≧2zmax)となるようにする。このようにする理由は次に示すような原理による。zに対するフリンジ信号はcos(2zk(t))で変調されており、その時刻tにおける周波数fz(t)はzk’(t)/πとなる。ただし、k’(t)は時刻tにおけるk(t)の微分した関数でありk’(t)=dk/dtである。一方、光源101の光出力はcos(2hk(t))で変調されており、その時刻tにおける周波数fh(t)はhk’(t)/πとなる。光源101の光出力のピークの時刻でフリンジ信号をサンプリングするので、時刻tあたりではhk’(t)/πで表されるサンプリング周波数でフリンジ信号をサンプリングすることになる。観測対象の物体O内の反射点によるフリンジの最高周波数はzmaxとなる反射点からの光で生じる干渉光の周波数zmaxk’(t)/πであるので、この周波数の信号成分の情報をすべて取得するには、サンプリング定理から、2zmaxk’(t)/π≦hk’(t)/πである必要がある。したがって、hは2zmax以上(、h≧2zmax)となるようにする。
カップラ102で分岐された他方の光が入力されるフォトディテクタ104では、入力された光を光強度に応じた光源強度信号(電気信号)に変換し、位相算出部105に送る。
図5は、位相算出部105、位相2nπ時刻取得部106、リサンプリング部107によるフォトディテクタ104と干渉計103とから出力された電気信号に対する処理手順である。
位相算出部105は、フォトディテクタ104から出力された光源光強度信号を入力し、信号の時刻ごとの位相を算出し、位相2nπ時刻取得部106に出力する(S−201)。
位相算出の一例を以下に示す。ただし、フォトディテクタ出力信号が光源強度に比例する場合は、位相算出部105の入力信号はcos(2hk(t))に比例するが、説明を簡単にするため、ここでは余弦関数の係数を1として、つまり、入力信号s(t)をcos(2hk(t))として位相算出手段とその原理を以下に説明する。
1)入力信号s(t)をフーリエ変換する。その結果S(ω)は以下のようになる。
Figure 0006259370
ここで、
Figure 0006259370
はフーリエ変換を示し、jは虚数単位を表す。上記式から、S(ω)は時刻tにおいて、±zk’(t)/πの2つの周波数(±2zk’(t)の2つの角周波数)を持つ信号であることが分かる。
2)S(ω)のマイナスの周波数成分を削除する。つまり、S(ω)の
Figure 0006259370
を削除する。マイナスの周波数成分が削除された信号をS’(ω)とすると、S’(ω)は以下のようになる。
Figure 0006259370
3)S’(ω)を逆フーリエ変換する。その結果をs’(t)とするとs’(t)は以下のようになる。
Figure 0006259370
4)s’(t)の位相を算出する。具体的な位相の算出方法としては、たとえば、s’(t)の実部と虚部から位相を算出する。算出した位相は、上式中の2zk(t)と一致する。
位相2nπ時刻取得部106は、位相算出部105から得た位相が2nπとなる(ただしnは整数)となる時刻をピーク時刻としてリサンプリング部107に出力する。位相が2nπとなる時刻について説明すると、光源強度信号はcos(2zk(t))に比例するため、2zk(t)=2nπとなる時刻tとは光源強度は正のピークとなる時刻のことである(S−202)。
図6は強度信号s(t)と位相2zk(t)を示したものである。ただし、説明を簡単化するために、位相を2πでラッピングして表記おり、図6では位相は−π〜πの範囲で示されている。したがって、図6では位相2nπは0で示されている。図6に示すように、信号の正のピーク位置において位相が0となっていることが分かる。したがって、位相が0、すなわち2nπとなる時刻を強度信号s(t)が正のピーク位置となるピーク時刻として検出することができる。
図6では、強度信号s(t)に重畳したノイズのために、位相が0付近で行ったり来たりして、強度信号s(t)のピーク位置の付近で複数回位相が0となる現象がでているが、この場合は、ローパスフィルタ等で強度信号s(t)から高周波ノイズを除去することにより、ピーク位置付近で位相を1回のみ0にすることができる。
リサンプリング部107は、位相2nπ時刻取得部106で取得した時刻で、干渉計103から出力されたフリンジ信号をサンプリングする。(S−203)
フーリエ変換部108は、リサンプリング部107でサンプリングしたフリンジ信号をフーリエ変換する。このフーリエ変換後の信号がSS−OCTのAスキャン信号となる。(S−204)
以上のOCTシステムによれば、サンプリング周波数を高くすることなく、また、それによってピーク検出に多くの計算リソースを使用することなく、光源出力光のピーク時刻を正確に得られるため、簡素な処理で正確なリサンプリングを行うことができる。
101 光源
102 カップラ
103 干渉計
1031 バランスフォトディテクタ
1032 サーキュレータ
1033 カップラ
1034 参照アーム
1035 ミラー
1036 サンプルアーム
1037 光偏向器
1038 ファイバコリメータ
1039 ファイバコリメータ
104 フォトディテクタ
105 位相算出部
106 位相2nπ時刻取得部
107 リサンプリング部
108 フーリエ変換部
1106 ピーク時刻取得部
301 光ファイバ
302 アイソレータ
303 結合レンズ
304 SOA
305 SOA反射面
306 コリメータレンズ
307 エタロン
308 光偏向器
309 光偏向器制御器
310 回折格子
311 ミラー

Claims (2)

  1. 櫛歯型のスペクトルとなるように波長掃引する光源と、
    前記光源から出力された光を2分岐する第1のカップラと、
    前記2分岐された一方の光を観測対象の物体に入射して観測対象の物体の構造に応じた干渉信号であるフリンジ信号を出力する干渉計と、
    前記2分岐された他方の光の強度信号の時刻ごとの位相を算出する位相算出部と、
    前記位相算出部で算出された位相が2nπとなる時刻であるピーク時刻を取得する位相2nπ時刻取得部と、
    前記ピーク時刻におけるフリンジ信号をサンプリングするリサンプリング部とを備えることを特徴する光干渉断層装置。
  2. 前記干渉計は、入力された光を2分岐し一方の光を参照アームに入力して基準位置Aに配置されたミラーで反射させ、他方の光をサンプルアームに入力して観測対象の物体の反射面Bで反射させた2つの光を合波して干渉した干渉光を出力する第2のカップラと、該干渉光をフリンジ信号に変換して出力するバランスフォトディテクタとを備えることを特徴とする請求項1記載の光干渉断層装置。
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