JP6257160B2 - 半芳香族ポリアミドおよびその成形体 - Google Patents
半芳香族ポリアミドおよびその成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6257160B2 JP6257160B2 JP2013054488A JP2013054488A JP6257160B2 JP 6257160 B2 JP6257160 B2 JP 6257160B2 JP 2013054488 A JP2013054488 A JP 2013054488A JP 2013054488 A JP2013054488 A JP 2013054488A JP 6257160 B2 JP6257160 B2 JP 6257160B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- semi
- aromatic polyamide
- acid
- aromatic
- acid component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polyamides (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
すなわち、本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
[1]芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジアミン成分および脂肪族モノカルボン酸成分からなり、以下の条件(a)および(b)を満たすことを特徴とする半芳香族ポリアミド。
(a)96%硫酸中、25℃、濃度1g/dLで測定した場合の相対粘度が1.6以上、2.5未満である。
(b)広角X線解析より求めた結晶化度が50%以上である。
[2]脂肪族モノカルボン酸成分の含有量が、半芳香族ポリアミドを構成する全モノマーに対して、0.3〜3.5モル%であることを特徴とする請求項1に記載の半芳香族ポリアミド。
[3]脂肪族モノカルボン酸成分が、ステアリン酸であることを特徴とする[3]記載の半芳香族ポリアミド。
[4]脂肪族モノカルボン酸成分として、ステアリン酸を含有することを特徴とする[3]記載の半芳香族ポリアミド。
[5]脂肪族ジアミン成分が、1,10−デカンジアミンまたは1,12−ドデカンジアミンであることを特徴とする[1]〜[4]いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
[6]芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸であることを特徴とする[1]〜[5]いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
[7]半芳香族ポリアミドの融点が300℃以上であることを特徴とする[1]〜[6]いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
[8][1]〜[7]いずれかに記載の半芳香族ポリアミドと繊維状強化材からなることを特徴とする樹脂組成物。
[9][1]〜[7]いずれかに記載の半芳香族ポリアミドまたは[8]に記載の樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
半芳香族ポリアミドの物性測定は以下の方法によりおこなった。
リガク社製X線回折装置RINT−TTR III(CBO)を用い、WAXD粉末反射法で測定をおこない、得られた回折パターンから多重ピーク分離法により結晶部面積と非晶部面積を計算した。その後、下記式から、結晶部面積比率を求め、結晶化度とした。
(結晶部面積比率)=(結晶部面積)/((結晶部面積)+(非晶部面積))×100
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温した。25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。
96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で、相対粘度を測定した。
半芳香族ポリアミドを十分に乾燥した後、東芝機械社製射出成形機EC100を用いて射出成形をおこない、20mm×20mm×2mmの成形試験片を作製した。その際、シリンダー温度は350℃、射出圧力は100MPa、射出時間は10秒、取り出し時間は5秒とした。
得られた成形試験片を用いて、以下の薬品に23℃で7日間浸漬後、試験片を取り出し、以下の評価基準に従い、試験片の表面を目視にて観察した。
1.非極性溶媒
・ガソリン
・エンジンオイル
2.極性溶媒
・メタノール
・メタクレゾール
・ヘキサフルオロイソプロパノール
3.酸
・硫酸水(40質量%)
・蟻酸
4.アルカリ
・水酸化ナトリウム水溶液(40質量%)
・塩化カルシウム水溶液(50質量%)
<評価基準>
◎:完全に溶解せず、形状が保持された。
○:完全に溶解しなかったが、変形した。
×:完全に溶解した。
上記(4)と同様にして、127mm×12.7mm×3.2mmの成形体を作製した。得られた成形体を用いて、ASTM D790に従って測定した。
上記(4)と同様にして、100mm×40mm×2mmの成形体を作製した。得られた成形体を用いて、JIS Z8730に従い、ハンターの色差式による明度(L値)を算出した。
上記(5)で作製した成形体を用いて、ASTM D648に従い、荷重1.8MPaで荷重たわみ温度を測定した。
用いた原材料を以下に示す。
(1)芳香族ジカルボン酸成分
・TPA:テレフタル酸
・IPA:イソフタル酸
・DDA:1,10−デカンジアミン
・HMDA:1,6−ヘキサンジアミン
・NDA:1,9−ノナンジアミン
・DDDA:1,12−ドデカンジアミン
・STA:ステアリン酸(分子量:284)
・CP:カプリル酸(分子量:144)
・LA:ラウリン酸(分子量:200)
・BHA:ベヘン酸(分子量:341)
・BA:安息香酸(分子量:122)
・CA:カプロン酸(分子量:116)
・GF:旭ファイバーグラス社製03JAFT692、平均繊維径:10μm、平均繊維長:3mm
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)4.70kgと、モノカルボン酸成分として分子量284のステアリン酸(STA)0.32kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物9.3gとを、ダブルヘリカル翼を備えた反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数40rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を40rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)4.98kgを、3時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=49:50:1であった。
続いて、得られた反応物を、同じ反応装置で、窒素気流下、255℃、回転数40rpmで8時間加熱して重合し、半芳香族ポリアミドの粉末を作製した。
その後、得られた半芳香族ポリアミドの粉末を、二軸混練機を用いてストランド状とし、ストランドを水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして半芳香族ポリアミド(P−1)ペレットを得た。
樹脂組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作をおこなって、半芳香族ポリアミドのペレット(P−2〜P−15)を得た。
半芳香族ポリアミド(P−1)100質量部を、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の東芝機械社製同方向二軸押出機TEM37BSの主供給口に供給し、サイドフィーダーより繊維状強化材(GF)30質量部を供給し、溶融混練をおこなった。押出機のシリンダー温度は320〜340℃、スクリュー回転数は250rpm、吐出量は35kg/時間であった。
次いで、溶融樹脂組成物をダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして半芳香族ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
半芳香族ポリアミド樹脂組成物の樹脂組成を表2に示すように変更した以外は、実施例10と同様の操作をおこなって、半芳香族ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
実施例1、3〜9の半芳香族ポリアミドに繊維状強化材を配合した実施例10、12〜20の樹脂組成物も、同様に、耐薬品性に優れていることがわかる。
比較例3の半芳香族ポリアミドは、用いるモノカルボン酸の含有量が多かったため、相対粘度が低かった。また、耐薬品性にも劣っていた。
Claims (9)
- 芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジアミン成分および脂肪族モノカルボン酸成分からなり、以下の条件(a)および(b)を満たすことを特徴とする半芳香族ポリアミド。
(a)96%硫酸中、25℃、濃度1g/dLで測定した場合の相対粘度が1.6以上、2.5未満である。
(b)広角X線解析より求めた結晶化度が50%以上である。 - 脂肪族モノカルボン酸成分の含有量が、半芳香族ポリアミドを構成する全モノマーに対して、0.3〜3.5モル%であることを特徴とする請求項1に記載の半芳香族ポリアミド。
- 脂肪族モノカルボン酸成分として、分子量が140以上の脂肪族モノカルボン酸を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の半芳香族ポリアミド。
- 脂肪族モノカルボン酸成分が、ステアリン酸であることを特徴とする請求項3記載の半芳香族ポリアミド。
- 脂肪族ジアミン成分が、1,10−デカンジアミンまたは1,12−ドデカジアミンであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
- 芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
- 半芳香族ポリアミドの融点が300℃以上であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
- 請求項1〜7いずれかに記載の半芳香族ポリアミドと繊維状強化材からなることを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜7いずれかに記載の半芳香族ポリアミドまたは請求項8に記載の樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013054488A JP6257160B2 (ja) | 2013-03-18 | 2013-03-18 | 半芳香族ポリアミドおよびその成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013054488A JP6257160B2 (ja) | 2013-03-18 | 2013-03-18 | 半芳香族ポリアミドおよびその成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014181243A JP2014181243A (ja) | 2014-09-29 |
JP6257160B2 true JP6257160B2 (ja) | 2018-01-10 |
Family
ID=51700280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013054488A Active JP6257160B2 (ja) | 2013-03-18 | 2013-03-18 | 半芳香族ポリアミドおよびその成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6257160B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61163935A (ja) * | 1985-01-14 | 1986-07-24 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | ポリアミド樹脂およびその製造法 |
JPH07126381A (ja) * | 1993-11-02 | 1995-05-16 | Toray Ind Inc | ポリアミドの製造方法 |
JP3549623B2 (ja) * | 1995-06-27 | 2004-08-04 | 株式会社クラレ | 樹脂組成物 |
JP2000281897A (ja) * | 1999-03-30 | 2000-10-10 | Toyobo Co Ltd | ポリアミド組成物 |
JP6004770B2 (ja) * | 2011-06-20 | 2016-10-12 | ユニチカ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 |
-
2013
- 2013-03-18 JP JP2013054488A patent/JP6257160B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014181243A (ja) | 2014-09-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101721465B1 (ko) | 방염성의, 부분 방향족 폴리아미드 몰딩 조성물 | |
JP5546623B2 (ja) | 半芳香族ポリアミドの製造方法 | |
JP5451940B2 (ja) | 半芳香族ポリアミドおよびそれからなる成形体 | |
JP5647244B2 (ja) | 高いアミン末端を有する耐熱性ポリアミド組成物 | |
JP2000103847A (ja) | ポリアミドの製造方法 | |
US20110152450A1 (en) | Polyamide compositions having high acid ends | |
US9624416B2 (en) | Polyamide resin composition and molded article comprising the same | |
KR20180019553A (ko) | 폴리아미드 수지 및 성형품 | |
JP4707431B2 (ja) | 長繊維強化半芳香族ポリアミド樹脂組成物 | |
JP2013057003A (ja) | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 | |
JP2016094508A (ja) | 半芳香族ポリアミドおよびそれからなる成形体 | |
WO2011072026A2 (en) | Salt resistant polyamides | |
JP2015209521A (ja) | 車載カメラ用部品 | |
JP6257160B2 (ja) | 半芳香族ポリアミドおよびその成形体 | |
JP6312364B2 (ja) | 半芳香族ポリアミドおよびその成形体 | |
JP6854032B1 (ja) | ポリアミド樹脂組成物ならびにそれからなる成形体および車載カメラ用部品 | |
JP6370037B2 (ja) | 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体 | |
TW202144496A (zh) | 阻燃性聚醯胺樹脂組成物 | |
JP6198422B2 (ja) | 半芳香族ポリアミドおよびその製造方法 | |
JP2014139274A (ja) | 半芳香族ポリアミド樹脂組成物 | |
JP6042114B2 (ja) | 共重合ポリアミド及び共重合ポリアミド組成物 | |
US11970612B2 (en) | Polyamide composition and molded product composed of said polyamide composition | |
US11898035B2 (en) | Polyamide composition, and molded article including same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160310 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20161124 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161206 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20170113 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170327 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20170327 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170606 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170710 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20171107 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6257160 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |