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JP6254458B2 - 繊維強化複合材の端面加工装置 - Google Patents

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JP6254458B2 JP2014036654A JP2014036654A JP6254458B2 JP 6254458 B2 JP6254458 B2 JP 6254458B2 JP 2014036654 A JP2014036654 A JP 2014036654A JP 2014036654 A JP2014036654 A JP 2014036654A JP 6254458 B2 JP6254458 B2 JP 6254458B2
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Description

本発明は、繊維で強化された繊維強化樹脂シートを積層して形成した繊維強化複合材の端面を切削加工するための装置に関する。
繊維強化複合材は、比強度、比弾性率が大きいことから、近年、航空機や車両の構造体等として使用されている。一般的に上記繊維強化複合材製品は、品質確保のため、その成形時において外周部に幾分かの余肉を持たせた状態で成形される。このため、次工程でその余肉を除去する加工(トリミング、ミーリング加工等)が必要となっている。
従来、繊維強化複合材の余肉除去をする場合、一般的にエンドミル等の工具を用いて切削する方法が知られている。
しかし、上記のエンドミル等の工具で繊維強化複合材を切削した場合、繊維強化複合材の表面層に層間剥離やバリ等の欠陥が発生しやすい。そのため、強度低下や疲労破壊の原因となっている。
現在までに、これらの欠陥を防止する技術が種々提案されており、従来技術として知られている。
例えば、特許文献1では、繊維強化複合材をトリミング治具によって上下から挟んだ後にルーターで切削する事で、層間剥離やバリの発生を防ぐ切削方法が知られている。また、一定位置を基準点として刃のねじれ角を異にして形成した工具を用いて切削することで、切断面での欠陥の発生を防ぐ切削方法も知られている。
一方、特許文献2では、繊維強化複合材の表面層の繊維方向に対して工具のすくい面と90〜180度の角度をなすようにしながら上記繊維強化複合材の端面を切削する事で、表面層の繊維に対して工具の刃がせん断方向に作用され、切削抵抗が小さくなり、層間剥離やバリ等の欠陥の発生を防ぐ切削方法が知られている。また、成形時に繊維強化複合材の両表面にガラス繊維織物を貼付して加熱硬化した後に切削加工することで、上記欠陥の発生を防ぐ切削方法も知られている。
特開昭57−107718号公報 特開平5−318218号公報
しかしながら、上記特許文献1では、繊維強化複合材形状や加工ルートに合わせた専用治具を製作する必要があるため、製品の種類が増えた場合は治具の種類も増え、加工コストが増大する問題がある。また、繊維強化複合材のサイズが大きい場合、全周にわたって均一な力で挟むことは困難となり、挟む力の弱い部分では層間剥離やバリ等の欠陥が発生する問題もある。
また、上記特許文献2では、材料を選定する際、常に表面層の繊維方向に対して工具のすくい面と90〜180度の角度をなすような繊維強化複合材に限定され、汎用性に乏しい。このために、市販されている一般的な繊維強化複合材の切削には採用されにくい問題がある。また、繊維強化複合材の両表面にガラス繊維織物を貼付する工程が余分に必要となり、加工コストが増大する問題もある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、加工コストを抑えつつ、加工点付近を均一な力で押さえる事で、層間剥離やバリ等の欠陥の発生を抑制しつつ、自在に移動可能な繊維強化複合材の端面加工装置を提供することを目的とする。
この発明の端面加工装置は、繊維強化複合材を、繊維強化複合材の上下に備えられた自己潤滑性部材で押し当てたまま、主軸に取り付けられた工具を用いて切削加工することで、層間剥離やバリ等の欠陥の発生を抑制しつつ自在に移動可能としている。
具体的には、第1の発明は、繊維強化複合材を掴持する掴持機構と、繊維強化複合材の上方に間隔をおいて主軸を覆うように取り付けられている第1の押し出し機構と、繊維強化複合材を下から押圧する第2の押し出し機構とを備え、この第1の押し出し機構の下面に備えられた自己潤滑性部材と、第1の押し出し機構の下面に形成され、主軸に取り付けられた工具が突出可能な第1の開口部とを備え、第2の押し出し機構は、第2の押し出し機構の上面に備えられた自己潤滑性部材と、第2の押し出し機構の上面に形成され、主軸に取り付けられた工具が挿入可能な第2の開口部とを備えていることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置である。
上記構成によれば、第1の押し出し機構に備えられた自己潤滑性部材と、第2の押し出し機構に備えられた自己潤滑性部材を繊維強化複合材に当てたまま、主軸をXY方向へ自在に移動させる事ができる。このように、摩擦係数の小さい自己潤滑性部材を使用する事で、繊維強化複合材の両表面を傷付けることなく滑らせる事が可能となる。すなわち、常に加工点に近い箇所を上下から押さえた状態でXY方向へ自在に移動させる事ができ、繊維強化複合材の端面加工時の表面層の層間剥離やバリの発生等の欠陥の発生を抑制しながら端面加工ができる。
また、専用治具を製作する必要がないため、加工コストを抑えることができる。
また、特許文献1にあるように、特殊な刃の形をした工具を用いる必要がないため、汎用的な工具を用いても層間剥離やバリの発生の抑制に一定の効果が得られる。
また、特許文献2にあるように、繊維方向と工具のすくい面との角度を限定する必要がないため、汎用的な材料を用いても層間剥離やバリの発生の抑制に一定の効果が得られ、ガラス繊維織物を表面に貼る必要も無いため、余分に工数や材料費がかかることもない。また、ガラス繊維織物を付加することによる繊維強化複合材の物性の変化の心配もなくなる。
また、繊維強化複合材は加工点付近で常に上下から挟まれた状態にあるため、薄板等の剛性が低い材料を切削する際も加工による振動が起きにくく、加工面が荒れる等の品質劣化がなくなる。
第2の発明は、自己潤滑性部材が黒鉛であることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置である。
上記構成によれば、自己潤滑性部材として熱伝導率の高い黒鉛を用いることで、加工により繊維強化複合材に発生した加工熱を、黒鉛を通して外部に拡散するため、熱による加工面の劣化を防ぐことが可能である。また、黒鉛は熱膨張率が低いため、加工熱によって黒鉛の寸法が大きく変化する心配もなくなる。
第3の発明は、第1の押し出し機構が緩衝機構を備えていることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置である。
上記構成によれば、加工点に近い箇所を均一な力で挟むことができるため、大きいサイズの繊維強化複合材でも押さえ方が不十分になることがなく、層間剥離やバリが発生するという心配がなくなる。また、繊維強化複合材を過大な力で押さえて傷つけるという心配もなくなる。
第4の発明は、第1の押し出し機構と連結可能な集塵手段を備えていることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置である。
上記構成によれば、第1の押し出し機構と集塵手段とを連結することで、繊維強化複合材を加工することによって発生する切屑を第1の開口部から回収することが可能となる。つまり、工具と切屑とが擦れることによる工具摩耗が低減し、工具の寿命を延ばすことが可能である。また、端面加工装置内への切屑の散乱を防ぐことも可能である。つまり、端面加工装置の摺動部に切屑が入り込む事が原因による装置の故障がなくすことが可能となる。また、作業者が切屑を吸い込むことが原因による健康面での悪影響も緩和される。
第5の発明は、第2の押し出し機構と連結可能なコンプレッサーを備えていることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置である。
上記構成によれば、第2の押し出し機構とコンプレッサーとが連結していることで、第2の開口部から圧縮空気を噴出することが可能である。つまり、繊維強化複合材と工具との間の切屑排出及び集塵をさらに促す効果が可能となる。また、噴出した圧縮空気によって工具を冷却できるため、加工熱による工具表面の変質や劣化を防ぎ、工具の寿命を延ばすことが可能である。また、第2の押し出し機構内への切屑の侵入を防ぐことも可能である。
本発明によれば、上下の押し出し機構に自己潤滑性のある黒鉛を組み込む事で、繊維強化複合材を上下から押さえたままXY方向へ自在に移動しながら端面加工をすることができる。
また、摩擦係数の小さい自己潤滑性部材を使用する事で、繊維強化複合材の両表面を傷付けることなく滑らせる事が可能となる。
また、上下から押さえることで、同時に層間剥離やバリ等の欠陥の発生を抑制することができる。
また、加工時に発生する加工熱を、黒鉛を介して外部に分散させることで、熱による加工面の劣化を防ぐことができる。
また、加工時に発生した切屑を回収することで、工具と切屑が擦れることによる工具摩耗が低減し、工具の寿命を延ばすことができる。
本実施形態の端面加工装置を好適に適用可能な繊維強化複合材を示した斜視図である。 本実施形態に係わる端面加工装置を正面から見た様子の一例を示す模式図である。 本実施形態の加工方法により繊維強化複合材の端面加工を行う加工装置を示す断面図である。 本実施形態の端面加工装置の加工動作を説明する図で、(a)が緩衝機構に圧縮空気が供給されている状態の模式図、(b)が第2の押し出し機構を繊維強化複合材に押し当てている状態の模式図、(c)が第1の押し出し機構を繊維強化複合材に押し当てている状態の模式図、(d)が工具によって繊維強化複合材の端面加工をしている状態の模式図である。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の端面加工装置を好適に適用可能な繊維強化複合材1を示した斜視図である。図1に示すように、繊維強化複合材1は、繊維で強化した樹脂からなる繊維強化樹脂シート2を複数枚積層した積層体である。なお、積層体を構成する繊維強化樹脂シート2には、シートの一端からもう一端まで連続して繋がった繊維で強化された樹脂シートや、不連続な繊維で強化された樹脂シートがある。なお、前記繊維として本実施形態では炭素繊維を使用しているが、これに限らず任意の繊維を選択すればよく、例えば、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)繊維、ピッチ系繊維、セルロース系繊維、レーヨン、及びその他のポリマー繊維等が挙げられる。また、繊維に含浸させる樹脂として本実施例ではエポキシ樹脂を使用しているが、これに限らず任意の樹脂を選択すればよく、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、及びその他の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が挙げられる。この場合、物性改良のために複数の樹脂を混合して用いたものでもよい。
図2は、本実施形態に係わる端面加工装置を正面から見た様子の一例を示す模式図である。図2に示すように、本実施形態の端面加工装置3は、主軸4と、繊維強化複合材1を掴持する掴持機構5とを備え、配管6を介して集塵手段7と、配管8を介してコンプレッサー9とが連結されている。
なお、以下の説明では、繊維強化複合材1に対して主軸4側を「上側」、反対側を「下側」とし、上下に沿った鉛直方向を「Z軸方向」、Z軸に垂直な水平方向を「XY軸方向」と定義する。
図3は、本実施形態により繊維強化複合材の加工を行う端面加工装置3を示す断面図である。図3に示すように、本実施形態の主軸4に取り付けられた工具10を用いて切削する繊維強化複合材の端面加工装置3は、繊維強化複合材1を掴持する掴持機構5と、繊維強化複合材1の上方に間隔をおいて主軸4を覆うように取り付けられている第1の押し出し機構11と、繊維強化複合材1を下から押圧する第2の押し出し機構12とを備えている。
掴持機構5は、上面に繊維強化複合材1を設置可能としたベース部材13と、ベース部材13に設置した繊維強化複合材1を上側から押さえる押さえ部材14と、ベース部材13と押さえ部材14とを締結するボルト15とが備えられている。また、掴持機構5は端面加工装置3内に1つまたは2つ以上備えられており、掴持機構5が第1の押し出し機構11と第2の押し出し機構12とに干渉しない位置に配置されている。
第1の押し出し機構11は、ジャケット16と、上ノズル17と、押さえ板18と、ジャケット16が繊維強化複合材1を押さえつける力を緩衝することを可能とする緩衝機構19とが備えられている。
ジャケット16は、略円筒形状をしており、ボルト20によって主軸4の下側端面に固定されている。また、配管26を取り付け可能な貫通穴(図示せず)と、内径部にシール材21を取り付け可能なシール溝21aとが備えられている。
上ノズル17は、大小の外径を有した断面凸形の円筒形状をしており、ジャケット16の内径に沿って上下方向への動きが可能な形状となっている。また、下側端面には凹型の溝を有しており、その溝には自己潤滑性部材25が備えられている。また、下側端部には主軸4に取り付けられた工具10が突出可能な第1の開口部24が備えられている。また、外径部にシール材22を取り付け可能なシール溝22aが備えられている。また、ジャケット16と組み合わせることで、ジャケット16の内径部と上ノズル17の外径部によって、円筒形状の圧力室23を形成することが可能な形状となっている。
自己潤滑性部材25は黒鉛を使用しており、黒鉛は略円筒形状をしており、上ノズル17の下側端面よりも幾分か下側にはみ出した状態で、上ノズル17の凹型の溝にはめ込まれて固定されている。
第1の開口部24は、円形状をしており、開口部の直径は好適には工具直径の+0〜+1.0mmが好ましく、さらに好適には+0〜+0.5mmが好ましい。
押さえ板18は、円筒形状をしており、ボルト(図示せず)によってジャケット16の下側端面に固定されている。また、押さえ板18は、上ノズル17の下方向への移動を規制可能な形状となっている。
緩衝機構19は、ジャケット16に設けたシール溝21aに取り付けられたシール材21と、上ノズル17に設けたシール溝22aに取り付けられたシール材22と、ジャケット16と、上ノズル17と、圧力室23と、外部から圧縮空気を送りこむ事が可能な配管26とで構成されている。
圧力室23は、円筒形状をしており、ジャケット16の内径部と、上ノズル17の外径部と、2つのシール材21、22によって密閉空間となっており、外部から圧縮空気を送りこむ事が可能な配管26が連結されている。
第2の押し出し機構12は、下ノズル27と、シリンダー28とが備えられている。
下ノズル27は、上側が開口したカップ形状をしている。また、上側端面には凹型の溝を有しており、その溝には自己潤滑性部材30が備えられている。また、上側端部には主軸4に取り付けられた工具10が挿入可能な第2の開口部29が備えられ、下側端面には配管8を取り付け可能な貫通穴(図示せず)が備えられている。また、配管8を介して、コンプレッサー(図示せず)が連結されている。
自己潤滑性部材30は黒鉛を使用しており、黒鉛は略円筒形状をしており、下ノズル27の上側端面よりも幾分か上側にはみ出した状態で、下ノズル27の凹型の溝にはめ込まれて固定されている。
第2の開口部29は、円形状をしており、開口部の直径は好適には工具直径の+0〜+1.0mmが好ましく、さらに好適には+0〜+0.5mmが好ましい。
シリンダー28は、外部から送られた信号によって推力、停止位置、速度等を任意に設定可能な電動シリンダーであり、主軸4のXY方向への動きと同期して動くことが可能な駆動部(図示せず)を介して、端面加工装置3に固定されている。また、シリンダー28の昇降部(図示せず)と下ノズル27とがボルト(図示せず)によって連結されている。
主軸4は、第1の押し出し機構11の内部空間と連結する位置に、切屑を回収する集塵口31を備えている。また、配管6を介して、集塵装置(図示せず)が連結されている。
次に、本発明の端面加工装置3によって繊維強化複合材1の端面を切削加工する手順について、図4(a)〜(d)を用いて、以下に説明する。
図4(a)が緩衝機構19に圧縮空気が供給されている状態の模式図、図4(b)が第2の押し出し機構12を繊維強化複合材1に押し当てている状態の模式図、図4(c)が第1の押し出し機構11を繊維強化複合材1に押し当てている状態の模式図、図4(d)が工具10によって繊維強化複合材1の端面加工をしている状態の模式図である。なお、各図の構成要素の説明については、前述した符号を付すことで省略する。

繊維強化複合材1の端面加工は、例えば、図4(a)から、図4(b)、さらに図4(c)、図4(d)といった流れで行われる。
まず、第1工程として、図4(a)に示すように、ジャケット16と上ノズル17で形成された圧力室23に、配管26を介して装置外部から圧縮空気が送り込まれる。圧縮空気が圧力室23に送り込まれると、圧縮空気の圧力によって、上ノズル17はジャケット16の内径に沿って下方向へ移動し、上ノズル17と押さえ板18が当接した位置で停止する。なお、上ノズル17の下方向への移動が停止した後も、常に圧力室23には圧縮空気が送り続けてられている。また、圧力室23の近傍にはシール材21、22が設けられており、シール材21、22によって圧力室23は密閉空間となっている。
次に、第2工程として、図4(b)に示すように、第2の押し出し機構12に備えられたシリンダー28が矢印Aの方向へ作動すると、掴持機構5に固定した繊維強化複合材1の下面に、下ノズル27に備えられた自己潤滑性部材30が押し当てられる。この際、下ノズル27のうち、自己潤滑性部材30のみが繊維強化複合材1に当接した状態となっている。また、繊維強化複合材1の板厚、形状、材質等の違いによって適宜シリンダー28の推力、停止位置、速度等を任意の値に設定することで、繊維強化複合材1の変形や傷付きを防ぐことが可能となっている。
次に、第3工程として、図4(c)に示すように、主軸4がZ軸方向に沿って矢印Bの方向に移動すると、上ノズル17に備えられた自己潤滑性部材25は繊維強化複合材1の上面に当接する位置まで移動する。この際、上ノズル17のうち、自己潤滑性部材25のみが繊維強化複合材1に当接した状態となっている。
これにより繊維強化複合材1は、加工点付近で上下のノズルに備えられた自己潤滑性部材に挟まれた状態となっている。その後、さらに主軸4が矢印Bの方向へ移動すると、圧力室23内蓄えられた圧縮空気によって、自己潤滑性部材25は繊維強化複合材1に押さえつけられた状態となっている。
この際、工具10は、第2の押し出し機構12に備えられた第2の開口部29を貫通した状態となっている。また、繊維強化複合材1の板厚、形状、材質等の違いによって圧力室23内へ送る圧縮空気の圧力を任意の値に設定し、繊維強化複合材1の変形や傷付きを防ぐことも可能となっている。
なお、前記第1工程、第2工程の順番は入れ替わっても、同時でも良く、また、繊維強化複合材1の上側、下側の片側しか層間剥離やバリ等の欠陥が発生しないことが事前に確認できている場合は、第1工程、または第2工程のみでも構わない。
次に、第4工程として、図4(d)に示すように、工具10を回転させながらXY軸の矢印Cの方向へ主軸4を動かし、繊維強化複合材1に工具10を押し当てる事で端面加工を行う。加工中は、主軸4と第2の押し出し機構12は同期して矢印Cの方向へ動いており、工具10と、第1の開口部24と、第2の開口部29は常に同軸上に配置されている。
なお、本実施形態では主軸4と第2の押し出し機構12をXY軸方向へ動かすことで切削を行っているが、繊維強化複合材1をXY軸方向へ動かすことで切削を行っても構わない。
これにより、本実施形態の端面加工装置を用いた加工手順が終了する。
以上のように、本実施形態の端面加工装置によると、上ノズル17と下ノズル27に自己潤滑性部材を組み込むことで、常に加工点に近い箇所を上下から押さえたまま主軸4をXY軸方向へ移動させることができる。
このように、摩擦係数の小さい自己潤滑性部材を使用する事で、繊維強化複合材の両表面を傷付けることなく滑らせる事が可能となる。
すなわち、常に加工点に近い箇所を上下から押さえた状態でXY方向へ自在に移動させる事が可能となり、繊維強化複合材の端面加工時の表面層の層間剥離やバリの発生等の欠陥の発生を抑制しながら端面加工が可能となる。さらに、薄板等の剛性が低い材料を切削する際も振動が起きにくいため、加工面が荒れる等の品質劣化がなくなる。
また、第1の押し出し機構11に緩衝機構19が備えられている事によって、加工点に近い箇所を均一な力で挟むことができるため、大きいサイズの繊維強化複合材1でも押さえ方が不十分になることがなく、一部で層間剥離やバリが発生するという心配がなくなる。また、繊維強化複合材1を過大な力で押さえて傷つけるという心配もなくなる。
また、上下の自己潤滑性部材に熱伝導率の高い黒鉛を用いることで、加工により繊維強化複合材に発生した加工熱を、黒鉛を通して外部に拡散するため、熱による加工面の劣化を防ぐことも可能である。また、黒鉛は熱膨張率が低いため、加工熱によって黒鉛の寸法が大きく変化する心配もなくなる。
加工中に繊維強化複合材1から発生した切屑は、集塵口31を経由して、装置外部に設けた集塵装置(図示せず)へ回収されるようになっている。つまり、工具10と切屑とが擦れることによる工具摩耗が低減し、工具10の寿命を延ばす事が可能となる。また、端面加工装置3内への切屑の散乱を防ぐことが可能となる。つまり、端面加工装置3の摺動部に切屑が入り込む事が原因による装置の故障がなくなり、また、作業者が切屑を吸い込むことが原因による健康面での悪影響も緩和される。
さらに、加工中、コンプレッサー(図示せず)から配管8を介して第2の押し出し機構12に圧縮空気を送り込む事で、第2の開口部29から圧縮空気が噴出される。つまり、繊維強化複合材1から発生した切屑は気流によって第1の開口部24を通過して上昇するため、集塵装置(図示せず)による切屑回収はさらに促される。また、噴出された圧縮空気によって工具10を冷却可能となり、加工熱による工具10表面の変質や劣化を防ぎ、工具10の寿命を延ばす事が可能となる。また、第2の押し出し機構12内への切屑の侵入を防ぐ事が可能となる。
また、使用する治工具に関しても、繊維強化複合材1に合わせた専用治具を製作する必要がないため、加工コストを押さえる事ができる。さらに、特殊な刃の形をした工具10を用いる必要がないため、汎用的な工具10を用いても層間剥離やバリの発生の抑制に一定の効果を得ることが可能となる。
また、使用する繊維強化複合材1に関しても、繊維方向と工具10のすくい面との角度を限定する必要がないため、汎用的な材料を用いても層間剥離やバリの発生に一定の効果が得られる。さらに、繊維強化複合材1の表面層にガラス繊維織物を貼る必要が無いため、余分に工数や材料費がかかることもなくなる。また、ガラス繊維織物を付加することによる繊維強化複合材の物性の変化の心配もなくなる。
(その他の実施形態)
以上のように、実施形態を説明したが、本発明は、その目的の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜、変更をしてもよく、この実施形態に限定されるものではない。
例えば、掴持機構5の構成は、繊維強化複合材1の下側端面を吸引して固定する事が可能な構成であっても良いし、また、レバーの力によって繊維強化複合材を抑え込む事が可能な構成でも良いし、特に制限するものでもない。
また、ジャケット16の主軸4への固定する構成は、例えば、シリンダーの推力によってジャケット16の上側端面を主軸4の下側端面に押さえつけて固定する構成でも良いし、主軸4の下側端面に備えた凹型の溝にはめ込んで固定する構成でも良いし、主軸4の下側端面もしくはジャケット16の上側端面に磁石を取り付け磁力で固定する構成等、特に制限するものでもない。
また、ジャケット16に備えたシール溝21aと、上ノズル17に備えたシール溝22aの構成は、例えば、ジャケット16のみに2ヶ所のシール溝を備えても良いし、上ノズル17のみに2ヶ所のシール溝を備えても良い。
また、自己潤滑性部材25、26の固定構造は、例えば、上ノズル17、下ノズル27夫々の端面にネジ穴を設け、ボルトで自己潤滑性部材を固定しても良いし、また、部材の種類についても、黒鉛、ポリアセタール、及びその他の自己潤滑性を持つ材料等、特に制限するものでもない。
また、緩衝機構19の緩衝構成についても、例えば、圧力室23にスプリングを組み込む構成であっても良いし、また、ゴムなどの弾性体であっても良い。
また、シール材21、22は、Oリングを使用しているが、例えば、Xリング、及びその他の樹脂性シール材または金属製シール材でも良い。
また、シリンダー28は、電動シリンダーを使用しているが、例えば、エアーシリンダー、油圧シリンダー、及びその他の昇降機構でも良い。
また、集塵口31は主軸4に備えられているが、例えば、第1の押し出し機構11に集塵口を備えても良い。
以上説明したように、本発明にかかる端面加工装置は、例えば、繊維強化複合材の端面を加工する際に有用である。
1 繊維強化複合材
2 繊維強化樹脂シート
3 端面加工装置
4 主軸
5 掴持機構
6、8、26 配管
7 集塵手段
9 コンプレッサー
10 工具
11 第1の押し出し機構
12 第2の押し出し機構
13 ベース部材
14 押さえ部材
15、20 ボルト
16 ジャケット
17 上ノズル
18 押さえ板
19 緩衝機構
21、22 シール材
21a、22a シール溝
23 圧力室
24 第1の開口部
25、30 自己潤滑性部材
27 下ノズル
28 シリンダー
29 第2の開口部
31 集塵口

Claims (5)

  1. 繊維で強化された繊維強化樹脂シートを積層した繊維強化複合材の端面を主軸に取り付けられた工具を用いて切削する加工装置において、
    前記繊維強化複合材を掴持する掴持機構と、前記繊維強化複合材の上方に間隔をおいて主軸を覆うように取り付けられている第1の押し出し機構と、前記繊維強化複合材を下から押圧する第2の押し出し機構とを備え、
    前記第1の押し出し機構は、該第1の押し出し機構の下面に備えられた自己潤滑性部材と、該第1の押し出し機構の下面に形成され、前記主軸に取り付けられた前記工具が突出可能な第1の開口部とを備え、
    前記第2の押し出し機構は、該第2の押し出し機構の上面に備えられた自己潤滑性部材と、該第2の押し出し機構の上面に形成され、前記主軸に取り付けられた前記工具が挿入可能な第2の開口部とを備えていることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置。
  2. 請求項1に記載の端面加工装置において、前記自己潤滑性部材が黒鉛であることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置。
  3. 請求項1または2に記載の端面加工装置において、前記第1の押し出し機構が緩衝機構を備えていることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の端面加工装置において、前記第1の押し出し機構と連結可能な集塵手段を備えていることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の端面加工装置において、前記第2の押し出し機構と連結可能なコンプレッサーを備えていることを特徴とする繊維強化複合材の端面加工装置。
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