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JP6247777B2 - 異常診断装置および異常診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、異常診断装置および異常診断方法に関する。
特許文献1には、「少なくともコンピュータ装置の障害予測並びに改善情報の提供を行う障害対策支援システムであって、前記コンピュータ装置の保守作業を行うための保守部門端末と、前記コンピュータ装置において発生する障害情報と復旧作業の内容とを前記保守部門端末からネットワークを介して取込む修理部門端末と、前記修理部門端末に取込まれた前記障害情報と前記復旧作業の内容と修理部門にて行った修理情報とを前記ネットワークを介して取込みかつそれらの情報に対して大量に蓄積されているデータを解析し、その中から少なくとも項目間の相関関係パターンを探し出して必要な情報を出力するマイニング技術を用いて前記コンピュータ装置において発生する障害情報と復旧作業の内容に関する相関関係パターンを解析し、今後発生する障害予測とその予測された障害が多発する場合に必要な改善対策を示す改善対策方法とを見つけ出す改善方法解析部と、前記改善方法解析部によって見つけ出した前記改善対策方法を前記ネットワークを介して受信し、当該改善対策方法から改善対策を立案してその改善対策の内容を前記保守部門端末に送信する製品管理部門端末とを有し、前記改善方法解析部は、前記障害情報と復旧作業の内容とを蓄積しかつ少なくとも前記マイニング技術によって解析された障害情報及び前記改善対策方法を管理するマイニング用データベースを含み、前記製品管理部門端末にて実施した改善対策の内容を前記保守部門端末に送信するとともに、前記保守部門端末に属する保守員が実施した改善対策方法にて改善された場合にのみ当該改善対策方法及び障害情報に基づいて前記マイニング用データベースのデータを自動的に更新して前記コンピュータ装置における障害傾向の解析精度を向上させることを特徴とする障害対策支援システム。」との記載がある。また、特許文献2には、「プラント又は設備の異常或いはその予兆を検知し、前記プラント又は設備を診断する異常検知・診断方法であって、複数のセンサから取得したデータを対象に前記プラント又は設備の異常を検知し、前記プラント又は設備の前記異常と関連付けられた保守履歴情報からキーワードを抽出し、該抽出したキーワードと、複数の前記センサから取得した前記異常に対して定義されたキーワードとを用いて前記プラント又は設備の診断モデルを生成し、この該生成した診断モデルを用いて前記プラント又は設備の診断を行うことを特徴とする異常検知・診断方法。」との記載がある。
特許第4796925号公報 特許第5439265号公報
上記技術においては、特許文献1に記載された方法では、過去の履歴において装置の状態や特徴(以下、装置状態と記載する)を示す情報が少ないほど、蓄積された情報から事象および対策を適切に判定することは困難といえる。異常を診断する対象の装置の状態や特徴を示す情報としては、使用時間(導入からの経過時間)や異常の種類、アラームコード、製造年などの複数の項目が挙げられる。例えばこれらの項目がそれぞれ10種類の値を取ることができる場合には、使用時間、異常の種類、アラームコード、製造年の取りうる値の組合せは10の4乗通りとなり、対策作業をもれなく提示するためには少なくとも10の4乗のオーダーの履歴情報が必要となる。現実には、10種類以上の値を取る項目も多いため、それ以上の数の履歴情報が必要となる。
また、特許文献2に記載された方法は、センサから算出した装置状態を示すキーワードの1項目と診断モデルとを用いて対策作業を提示する方法である。そのため、複数の情報を考慮して、装置の状態に合致した適切な対策作業を提示することは困難である。例えば、故障の時期(初期故障期や摩耗故障期等と、センサから算出した装置状態を示すキーワードとを考慮して適切な対策作業を提示することは困難である。
本発明の目的は、より少ない装置状態を示す情報を用いて、適切な対策作業を推定し提示する技術を提供することにある。
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本発明に係る異常診断装置は、他の装置に発生した異常の対策作業を提示する異常診断装置であって、記憶部には、異常発生時の装置の状態を示す装置状態情報および装置状態情報の履歴を含む装置状態履歴情報と、当該装置に異常が発生した際に実施した対策作業を対応付けた対策作業履歴情報と、が記憶され、制御部は、対策作業の頻度を計算する診断モデルを、装置状態情報の項目ごとに少なくとも2つ作成し、診断モデルを用いて、少なくとも2つの装置状態情報の項目ごとに対策作業の適切さを示す指標をそれぞれ計算し、対策作業の適切さを示す指標を少なくとも2つ組み合わせることで、他の装置に発生した異常の対策作業を特定して提示する。
本発明によると、より少ない装置状態を示す情報を用いて、適切な対策作業を推定し提示することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第一の実施形態に係る異常診断システムの概略を示す図である。 保守履歴データ記憶領域に格納されるデータ構造を示す図である。 個別診断項目データ記憶領域に格納されるデータ構造を示す図である。 装置状態データ記憶領域に格納されるデータ構造を示す図である。 質的診断モデルデータ記憶領域に格納されるデータ構造を示す図である。 別の質的診断モデルデータ記憶領域に格納されるデータ構造を示す図である。 量的診断モデルデータ記憶領域に格納されるデータ構造を示す図である。 個別診断処理結果データ記憶領域に格納されるデータ構造を示す図である。 対策作業総頻度データ記憶領域に格納されるデータ構造を示す図である。 統合診断処理結果データ記憶領域に格納されるデータ構造を示す図である。 異常診断装置のハードウェア構成を示す図である。 異常診断装置の概要の動作フローを示す図である。 対策作業の診断処理の動作フローを示す図である。 異常診断処理の入力画面の例を示す図である。 異常診断処理の出力画面の例を示す図である。 装置状態項目の使用時間に関するデータの分布を示す模式図である。 装置状態項目の使用時間に関するデータの分布を示す模式図である。
工場の製造装置や昇降機、鉄道車両等のインフラ機器など(以下、装置と記載する)を高い稼働率で利用するために、装置に異常や故障(以下、異常と記載する)が発生した際には、発生した異常を解消できる適切な対策作業を迅速に特定し実施することが必要となる。このため、適切な対策を特定する方法として、過去に実施した対策作業の履歴情報を記録しておき、この対策作業の履歴情報と新規異常時の装置状態を示す情報とを用いて、新たに発生した異常の対策作業を提示する異常診断方法が提案されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下に、本発明に係る第一の実施形態を適用した異常診断システムの一例である異常診断システム1について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る異常診断システム1の概略を示す図である。異常診断システム1には、診断対象装置1000とネットワーク300を介して通信可能に接続される異常診断装置10が含まれる。異常診断装置10は、診断部20と、入力部30と、出力部31と、通信IF部32と、これらをつなぐ通信バス33と、を含んで構成される。なお、ユーザー(技術者など)は、入力部30および出力部31に接続される入出力装置の操作を通じて異常診断装置10の機能を利用する。異常診断装置10は、一般的な計算機(PC等)で構成可能であり、例えばソフトウェアプログラム処理により特徴的な処理機能(異常診断装置10の各処理部)を実現する。
入力装置および出力装置は、それぞれ入力部30、出力部31に接続され、ユーザーの操作により、入力画面において入力を受け付ける入力装置や、診断結果などの出力を行う出力装置を含む。例えば、入力装置には、キーボード、マウスが含まれ、出力装置には、ディスプレイ、プリンタなどが含まれる。本システムでは、入力装置および演算部21の処理に基づいて、出力装置の画面において、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を構成し、各種の情報が表示される。
診断部20では、演算部21と、記憶部22と、IF部211と、が互いに接続される。演算部21は、各種の記憶部22の保守履歴データ記憶領域223に格納された保守履歴データと、個別診断項目データ記憶領域224に格納された個別診断項目データと、装置状態データ記憶領域225に記憶された装置状態データと、を用いて対策作業を推定し、提示する処理を行う。演算部21の行う診断処理の詳細については、後述する。
記憶部22は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の公知の要素により構成される。記憶部22には、過去の異常発生時に実施した対策作業の履歴と、異常発生時の装置状態の履歴を記憶する保守履歴データ記憶領域223と、対策作業の推定に用いる装置状態の項目を特定する情報を記憶する個別診断項目データ記憶領域224と、異常診断の対象となる装置の状態を記憶する装置状態データ記憶領域225と、後述する個別診断処理にて作成される第一の診断モデル(質的診断モデル)を記憶する質的診断モデルデータ記憶領域226と、後述する個別診断処理にて作成される第二の診断モデル(量的診断モデル)を記憶する量的診断モデルデータ記憶領域227と、後述する個別診断処理で計算される対策作業の適切さを示す指標を記憶する個別診断処理結果データ記憶領域228と、後述する統合診断処理にて作成される対策作業総頻度データ記憶領域229と、後述する統合診断処理で計算される対策作業を推定するための情報を記憶する統合診断処理結果データ記憶領域230と、を含む。
なお、記憶部22は、ネットワーク300あるいは図示しないネットワークを介して接続される他の装置に設けられ、演算部21は通信を介して記憶部22が格納する情報にアクセスするものであってもよい。
IF部211は、診断部20において行われる入出力のインターフェース制御を担う。
通信IF部32は、他の装置である一台または複数の診断対象装置1000との通信を、ネットワーク300を介して行う。なお、ネットワーク300は、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、携帯電話網、無線通信網等の、各種のネットワークのいずれでもよい。
図2は、保守履歴データ記憶領域223に格納されるデータ構造を示す図である。保守履歴データ記憶領域223には、診断対象装置1000もしくは診断対象装置1000と同一種類の装置において、過去の異常発生時に実施した対策作業の履歴と、異常発生時の装置状態の履歴と、を特定する情報が格納される。
保守履歴データ記憶領域223は、履歴ID223aと、装置状態項目223bと、対策作業項目223cと、を含む。
履歴ID223aには、過去に実施した対策作業を特定する情報が格納される。例えば、格納が古い順に自然数で1、2、3、・・・と連続した値が格納される。
装置状態項目223bには、過去の異常発生時の装置状態や異常の発生した装置の特徴を特定する情報が格納される。一般的には、格納される情報は、異常の種類(異常種類)、装置の発するアラームのコード(アラームコード)、装置のセンサ計測値を検査した結果や検査機器で装置を検査した結果(電流チェック)、装置の累積稼働時間(使用時間)、装置の製造に関する情報(製造年)、装置のセンサ計測値や計測器で装置を計測したときの計測値(電流計測値)、等が含まれる。しかし、これに限られるものではなく、診断対象装置1000あるいは診断対象装置1000の種類に応じた装置状態項目は複数存在しうる。
対策作業項目223cには、過去の異常発生時に行った対策作業を特定する情報が格納される。格納される情報には、対策した装置の箇所や部品を示す対策箇所と、部品の交換や補修を示す対策内容と、の少なくともいずれかを含む。本実施形態においては、対策箇所が含まれているものとする。
なお、保守履歴データ記憶領域223の各レコードは、異常が1回発生したときのデータを示しており、したがって、同一レコードに含まれるデータは、それぞれ関連付けられている。例えば、第1行目(第1レコード)には、過去に診断対象装置1000もしくは診断対象装置1000と同一種類の装置に異常が発生した事象において、当該診断対象装置1000は装置状態項目223bの第1行目に格納された情報で特定される装置状態にあり、対策作業項目223cの第1行目に格納された情報で特定される対策作業を実施したこと、を示している。なお、対策作業項目223cに格納される情報は、異常を解消した対策作業のみが格納されることが望ましいが、異常を解消できなかった対策作業や異常を解消できたか不明瞭な対策作業が含まれていても良い。
装置状態項目223bに格納された情報は、診断対象装置1000が出力したデータ、あるいは作業者により入力された情報である。また、対策作業項目223cに格納された情報は、実際の作業後に作業者により特定・確認された情報である。新たに異常が発生した場合において、作業者が対策作業を行うと、保守履歴データ記憶領域223には、新たに発生した異常の情報およびその対策が追加されることとなり、ノウハウが更に蓄積されるといえる。その処理の詳細は、後述する。
なお、装置状態項目223bに格納される情報は、診断対象装置1000の出力したデータの特定の一部であってもよい。例えば、アラームコード(例:A001−11)の文頭部(例:A001)のみを格納しても良い。
図3は、個別診断項目データ記憶領域224に格納されるデータ構造を示す図である。個別診断項目データ記憶領域224には、後述する個別診断処理において、対策作業の推定に用いる装置状態の項目を特定する情報が格納される。
個別診断項目データ記憶領域224は、個別診断項目ID224aと、個別診断項目224bと、項目タイプ224cと、を含む。
個別診断項目ID224aには、個別診断項目224bと、項目タイプ224cに格納された情報と、の組み合わせを特定する情報が格納される。例えば、個別診断項目224bと、項目タイプ224cと、の組み合わせの格納が古い順に自然数で1、2、3、・・・と連続した値が格納される。
個別診断項目224bには、後述する個別診断処理において診断モデルの作成に用いる、装置状態の項目を特定する情報が格納される。たとえば、個別診断項目224bには、保守履歴データ記憶領域223の装置状態項目223bのいずれかの項目を特定する情報が格納される。後述の個別診断処理では、保守履歴データ記憶領域223に格納されている各レコードについて、個別診断項目224bに格納された情報により特定された装置状態項目223bの値と、対策作業項目223cの値と、を用いて診断モデルが作成され、対策作業の推定に用いられる。
項目タイプ224cには、個別診断項目224bで特定される保守履歴データ記憶領域223の装置状態項目223bに格納される情報の種類を特定する情報が格納される。例えば、文字列などの質的変数を示す「質的」項目タイプと、数値などの連続変数を示す「量的」項目タイプと、のいずれかを示す記号等が格納される。後述の個別診断処理では、ここに格納された情報に従い、質的変数と量的変数の区別に応じて作成する診断モデルを選択するのに用いられる。
個別診断項目データ記憶領域224には、予め設計者などによって与えられた情報がそれぞれ格納される。また、個別診断項目224bには、個別診断項目ID224aが「2」の行(レコード)に例示しているように、装置状態項目223bを複数指定する情報が格納されても良い。
図4は、装置状態データ記憶領域225に格納されるデータ構造を示す図である。装置状態データ記憶領域225には、診断を行う新規の異常が発生した診断対象装置1000の状態を特定する情報が格納される。
装置状態データ記憶領域225には、新規異常時の装置状態項目225aが含まれる。新規異常時の装置状態項目225aは、保守履歴データ記憶領域223の装置状態項目223bと対応する項目である。新規異常時の装置状態項目225aに格納される情報は、装置状態項目223bと同様に、異常の種類(異常種類)と、装置の発するアラームのコード(アラームコード)と、装置のセンサ計測値を検査した結果や検査機器で装置を検査した結果(電流チェック)と、装置の累積稼働時間(使用時間)と、装置の製造に関する情報(製造年)と、装置のセンサ計測値や計測器で装置を計測したときの計測値(電流計測値)、等が含まれる。しかし、これに限られるものではなく、診断対象装置1000あるいは診断対象装置1000の種類に応じた装置状態の項目は複数存在しうる。
演算部21による診断処理を行う前に、装置状態データ記憶領域225には、入力部30を介して作業者により情報が格納される。または、演算部21は、作業者からの指示を受けて、装置状態データ記憶領域225に、ネットワーク300を介して診断対象装置1000の出力したデータを読み込むことによって、情報を格納するものであってもよい。なお、新規異常時の装置状態項目225aに格納される情報は、診断対象装置1000の出力したデータの特定の一部であってもよい。例えば、アラームコード(例:A001−11)の文頭部(例:A001)のみが格納されても良い。
装置状態データ記憶領域225に格納された情報は、作業者が対策作業を行った後に、保守履歴データ記憶領域223に追加される。この処理の詳細についても、後述する。
図5は、質的診断モデルデータ記憶領域226に格納されるデータ構造を示す図である。特に、質的診断モデルデータ記憶領域226に格納されるモデルデータは、個別診断項目データ記憶領域224の個別診断項目224bにおいて特定される装置状態項目223bの1つの項目を診断項目とする質的診断モデル、言い換えると第一の診断モデルである。質的診断モデルデータ記憶領域226には、個別診断項目226aと、対策作業項目(対策箇所)との組み合わせ頻度226bと、組合せ頻度合計226cと、が含まれる。
個別診断項目226aには、個別診断項目224bに格納された情報で特定される装置状態項目223bに格納された情報の種類を特定する情報が格納される。
対策作業項目(対策箇所)との組み合わせ頻度226bには、装置状態項目223bに格納された情報と、対策作業項目223cに格納された情報と、の組合せ頻度(当該組み合わせにより解決した事象の発生回数)を特定する情報が格納される。また、対策作業項目(対策箇所)との組み合わせ頻度226bには、複数の項目が含まれ、それぞれの項目は、対策作業項目223cに格納された対策作業を示す情報、または対策作業項目223cに格納される可能性のある対策作業を示す情報と対応する項目である。これらの項目は、対策作業項目223cに格納された情報を検索することで自動作成されるものであっても良いし、予め定義され、適時に拡張変更されるものであっても良い。また、本実施形態においては、対策作業項目(対策箇所)との組み合わせ頻度226bには、後述の頻度計算の都合上、初期値として全ての項目に「1」が格納されているが、他の値を初期値として格納するものであっても良い。
組合せ頻度合計226cには、対策作業項目(対策箇所)との組み合わせ頻度226bに格納された情報の各行の和を特定する情報が格納される。このように、質的診断モデルデータ記憶領域226は、装置状態情報の項目ごとに、所定の装置状態における対策作業の実施頻度を表す第一の診断モデルが格納されるといえる。
図6は、別の質的診断モデルデータ記憶領域226´に格納されるデータ構造を示す図である。特に、別の質的診断モデルデータ記憶領域226´に格納されるモデルデータは、個別診断項目データ記憶領域224の個別診断項目224bにおいて特定される装置状態項目223bの2つ以上の項目を診断項目とする質的診断モデル、言い換えると別の第一の診断モデルである。別の質的診断モデルデータ記憶領域226´には、個別診断項目226dと、対策作業項目(対策箇所)との組み合わせ頻度226bと、組合せ頻度合計226cと、が含まれる。
個別診断項目226dには、個別診断項目224bに格納された情報で特定される装置状態項目223bに格納された情報の種類を複数、特定する情報が格納される。
本実施形態においては、第一の診断モデルすなわち質的診断モデルデータ記憶領域226および別の質的診断モデルデータ記憶領域226´を、異常診断の処理開始を指示されてから作成するようにしているが、そのような構成に限られるわけではなく、異常診断の指示がされる前後を問わず、定期的なタイミングで作成されるようにしても良い。
図7は、量的診断モデルデータ記憶領域227に格納されるデータ構造を示す図である。特に、量的診断モデルデータ記憶領域227に格納されるモデルデータは、量的診断モデル、言い換えると第二の診断モデルである。量的診断モデルデータ記憶領域227には、対策作業項目(対策箇所)の近傍頻度227a、近傍頻度合計227bが含まれる。
対策作業項目(対策箇所)の近傍頻度227aには、診断する項目に応じて個別診断項目224bに格納された情報で特定される新規異常時の装置状態項目225aの項目に格納された情報と、装置状態項目223bの対応する項目に格納された情報と、の間の距離が近いデータの個数(近傍頻度)を特定する情報が格納される。なお、対策作業項目(対策箇所)の近傍頻度227aは、複数の項目を含む。それぞれの項目は、対策作業項目223cに格納された対策作業を示す情報、または対策作業項目223cに格納される可能性のある対策作業を示す情報と対応する項目である。これらの項目は、対策作業項目223cに格納された情報を検索することで自動作成されるものであっても良いし、予め定義され、適時に拡張変更されるものであっても良い。また、本実施形態においては、対策作業項目(対策箇所)の近傍頻度227aには、後述の頻度計算の都合上、初期値として「1」が格納されているが、他の値を初期値として格納するものであっても良い。
近傍頻度合計227bには、対策作業項目(対策箇所)の近傍頻度227aの各項目に格納された情報の和を特定する情報が格納される。
図8は、個別診断処理結果データ記憶領域228に格納されるデータ構造を示す図である。個別診断処理結果データ記憶領域228には、個別診断項目に対応付けられた対策作業項目の比率が格納される。すなわち、個別診断項目ごとに、対策を行った実績が対策を行った箇所ごとに比率として格納される。
個別診断処理結果データ記憶領域228には、個別診断項目ID228aと、対策作業項目(対策箇所)の比率228bと、が含まれる。
個別診断項目ID228aには、個別診断項目データ記憶領域224の個別診断項目ID224aと対応付けられた情報が格納される。対策作業項目(対策箇所)の比率228bには、個別診断項目ID228aに関して対策を行った件数の比率が、対策箇所の項目別に格納される。具体的には、保守履歴データ記憶領域223の対策作業項目223cと対応付けられる項目ごとに、実施件数の比として格納される。
図9は、対策作業総頻度データ記憶領域229に格納されるデータ構造を示す図である。対策作業総頻度データ記憶領域229には、対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aと、個別診断項目に対応付けられた対策作業項目の比率が格納される。すなわち、対策を行った実績が、対策を行った箇所ごとに比率として格納される。
対策作業総頻度データ記憶領域229には、対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aと、総頻度合計229bと、が含まれる。
対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aには、装置状態項目223bの項目に格納された情報のデータの個数(総頻度)を特定する情報が格納される。なお、対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aは、複数の項目を含む。それぞれの項目は、対策作業項目223cに格納された対策作業を示す情報、または対策作業項目223cに格納される可能性のある対策作業を示す情報と対応する項目である。これらの項目は、対策作業項目223cに格納された情報を検索することで自動作成されるものであっても良いし、予め定義され、適時に拡張変更されるものであっても良い。また、本実施形態においては、対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aには、後述の頻度計算の都合上、初期値として「1」が格納されているが、他の値を初期値として格納するものであっても良い。
総頻度合計229bには、対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aの各項目に格納された情報の和を特定する情報が格納される。
図10は、統合診断処理結果データ記憶領域230に格納されるデータ構造を示す図である。統合診断処理結果データ記憶領域230には、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aと、処理結果合計230bと、が含まれる。
対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aには、個別診断処理結果データ記憶領域228と、対策作業総頻度データ記憶領域229に格納された情報との積を算出した結果を特定する情報が格納される。なお、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aには、複数の項目が含まれる。それぞれの項目は、対策作業項目223cに格納された対策作業を示す情報、または対策作業項目223cに格納される可能性のある対策作業を示す情報と対応する項目である。これらの項目は、対策作業項目223cに格納された情報を検索することで自動作成されるものであっても良いし、予め定義され、適時に拡張変更されるものであっても良い。また、本実施形態においては、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aには、対策作業項目(対策箇所)の比率228bおよび対策作業総頻度データ記憶領域229の対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aの各項目と一致するように構成されている。例えば、対策作業項目(対策箇所)の比率228bおよび対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aの第1項目が同様に「軸受」を示す場合には、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aの第1項目も同様に「軸受」を示す。
処理結果合計230bには、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aの各項目に格納された情報の和を特定する情報が格納される。
図11は、異常診断装置10のハードウェア構成を示す図である。異常診断装置10は、典型的にはパーソナルコンピュータ装置であるが、これに限らず、スマートフォン、携帯電話端末あるいはPDA(Personal Digital Assistant)等の電子情報端末であってもよい。
異常診断装置10は、CPU(Central Processing Unit)111等の演算装置と、メモリ112等の主記憶装置と、ハードディスク(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の外部記憶装置113と、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬記憶媒体114Dに対して電子データの読み書きを行う読取装置114と、キーボードやマウス等の入力装置115と、ディスプレイやプリンタ等の出力装置116と、NIC(Network Interface Card)等の通信装置117と、これらをつなぐバスと、を含んで構成される。
通信装置117は、ネットワークケーブルを介して有線通信を行う有線の通信装置、又はアンテナを介して無線通信を行う無線通信装置である。通信装置117は、ネットワークに接続される他の装置との通信を行う。
演算装置は、例えばCPU111である。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ112である。外部記憶装置113は、デジタル情報を記憶可能な、いわゆるハードディスクやSSD、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
入力装置115は、キーボードやマウス等のポインティングデバイス、あるいは音声入力装置であるマイク等を含む入力情報を受け付ける装置である。
出力装置116は、ディスプレイやプリンタ、あるいは音声出力装置であるスピーカ等を含む出力情報を生成する装置である。
上記した演算部21は、CPU111に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、メモリ112、外部記憶装置113または可搬記憶媒体114D内に記憶され、実行にあたってメモリ112上にロードされ、CPU111により実行される。
また、記憶部22は、メモリ112及び外部記憶装置113により実現される。
また、通信IF部32は、通信装置117により実現される。また、入力部30、出力部31は、それぞれ、入力装置115および出力装置116により実現される。
以上が、本実施形態における異常診断システム1の異常診断装置10のハードウェア構成例である。しかし、これに限らず、その他のハードウェアを用いて構成されるものであってもよい。例えば、ネットワークに接続しないスタンドアロン型の異常診断装置10であってもよい。
また、記憶部22に格納される各記憶領域は、ネットワークに接続された他のサーバ装置や外部記憶装置に記憶されている情報をクローリングして収集して情報を更新するものであってもよいし、サプライヤからデータの送信を受けて更新するものであってもよい。
なお、異常診断装置10は、図示しないが、OS(Operating System)、ミドルウェア、アプリケーションなどの公知の要素を有し、特にディスプレイなどの入出力装置にGUI画面を表示するための既存の処理機能を備える。演算部21は、上記の既存の処理機能を用いて、所定の画面を描画し表示する処理や、画面を介してユーザーにより入力されるデータ情報の処理などを行う。
[動作の説明]次に、本実施形態における異常診断システム1の動作を説明する。
図12は、本実施形態における異常診断装置10が実施する概要の動作フローを示す図である。全体の動作フローとしては、異常診断装置10が起動している状態で、利用者(作業者)から異常診断処理の開始指示を受け付けると、開始される(ステップS101)。
異常診断装置10の演算部21は、対策作業の診断処理を行う(ステップS102)。具体的には、異常診断装置10の演算部21は、後述する対策作業の診断処理を行う。
作業者は、対策作業の実行を行う(ステップS103)。具体的には、作業者は、異常診断装置10から提示された対策作業を実際の診断対象装置1000に適用させて、対策作業を行う。
作業者は、対策作業を完了させると、結果を入力する(ステップS104)。具体的には、作業者は、提示された対策作業のうちどの対策作業を行ったのか、異常診断装置10に入力情報を受け渡す。
異常診断装置10は、保守履歴データの蓄積処理を行う(ステップS105)。具体的には、異常診断装置10は、対策作業の診断処理において提示した対策作業のうちいずれの対策作業がなされたかについての入力を受け付けて、保守履歴データとして事象と対応付けて記憶部22に格納する。
以上が、全体の動作フローである。全体の動作フローを実行することで、作業者は異常の診断の結果を見て、対策が必要であれば対策作業を実施し、その記録を取ることができる。また、記録を取ることにより、より精度の高い異常診断に資するべき対策の情報を蓄積させることができる。
図13は、対策作業の診断処理の処理フロー図である。対策作業の診断処理は、異常診断装置10が起動している状態で、利用者から処理の開始指示を受け付けると、開始される。
本実施形態における対策作業の診断処理においては、装置状態を示す情報項目ごとに、または装置状態を示す情報項目の組合せごとに、対策作業の適切さを示す指標を計算する個別診断処理と、個別診断処理で計算された対策作業の適切さを示す指標を組み合わせて適切な対策作業を算出する統合診断処理と、を行う。
概要を示すと、ステップS200の処理は、個別診断処理および統合診断処理において使用するデータを格納するための処理であり、ステップS201からステップS206までの各処理が個別診断処理に該当し、ステップS207からステップS209までの各処理が統合診断処理に該当する。
個別診断処理では、演算部21は、個別診断項目データ記憶領域224に格納された情報を用いて、個別診断項目224bに含まれる装置状態を示す項目ごとに質的な診断を行うための第一の診断モデルあるいは量的な診断を行うための第二の診断モデルを作成し(ステップS201、ステップS202、ステップS204)、作成した診断モデルを用いて対策作業の適切さを示す指標として対策作業ごとの実施の比率を算出し、算出した比率を個別診断処理結果データ記憶領域228に格納する処理を行う(ステップS203、ステップS205)。また、演算部21は、診断モデルを作成して個別診断処理結果データ記憶領域28に適切さを示す指標である比率を格納する処理を、個別診断項目データ記憶領域224に格納された全ての個別診断項目224bの情報について行う(ステップS206)。
統合診断処理では、演算部21は、保守履歴データ記憶領域223全体における対策作業の比率を算出し(ステップS207)、対策作業の適切さを示す指標を組み合わせた値として、ステップS203、ステップS205、ステップS207で算出された対策作業の比率の積を算出し(ステップS208)、比率の積の大きい対策作業を推定結果として提示する(ステップS209)。
まず、演算部21は、装置状態を示すデータの格納を行う(ステップS200)。具体的には、演算部21は、図14に示す入力画面400にて、装置状態を示す情報が装置状態の入力欄401に入力され、異常診断実行指示のボタン402の押下を検出すると、装置状態を示すデータを装置状態データ記憶領域225に格納する。
なお、装置状態の入力欄401に入力を受け付ける情報は、装置状態データ記憶領域225の新規異常時の装置状態項目225aと対応付けられ、演算部21は、入力されたデータをそれぞれ対応付く項目に格納する。
なお、装置状態の入力欄401に入力を受け付ける情報は、一部または全てがネットワーク300を介して診断対象装置1000から出力されるデータであっても良い。また、装置状態の入力欄401には、情報が入力されない項目があっても良い。入力画面400については、後述する。
次に、演算部21は、i番目(iは自然数)の診断項目は質的変数か否かを判定する(ステップS201)。具体的には、演算部21は、個別診断項目データ記憶領域224のi番目の行(iは自然数)の個別診断項目224bに格納された情報について、情報の種類(質的変数または量的変数)を、対応するレコードの項目タイプ224cの情報を用いて判定する。
情報の種類が、質的変数を示す「質的」であった場合(ステップS201にて「Yes」の場合)には、演算部21は、i番目の個別診断項目について、第一の診断モデルを作成する(ステップS202)。具体的には、演算部21は、個別診断項目データ記憶領域224の個別診断項目224bのi番目の行に格納された情報について、質的変数を対象とした第一の診断モデルを作成し、質的診断モデルデータ記憶領域226に格納する。
そして、演算部21は、対策作業ごとの組合せ頻度の比率を算出する(ステップS203)。具体的には、演算部21は、個別診断項目224bのi番目の行に格納された項目の情報により、装置状態項目223bの列を特定し(以下において、ステップS202で特定された列を、装置状態項目223bの「特定列」と記載する)、装置状態項目223bの特定列に格納された情報と、対策作業項目223cに格納された情報の組合せごとの頻度を、第一の診断モデル(質的診断モデル)として算出する。
第一の診断モデルの算出に関しては、特定列が1列すなわち1項目のみの場合と、複数列すなわち複数項目の場合とでは、それぞれ異なるモデルを備え、異なる算出方法を取る。図5、図6に、質的診断モデルデータ記憶領域226と、別の質的診断モデルデータ記憶領域226´と、のそれぞれの構成例が示されている。
質的診断モデルデータ記憶領域226については、個別診断項目226aが1つの項目から成り、質的診断モデルデータ記憶領域226´については、個別診断項目226dが2つあるいはそれ以上の項目から成り、個別診断項目226dについては、項目の組合せごとに組み合わせ頻度の合計が算出される。
質的診断モデルデータ記憶領域226に関して、演算部21は、ステップS202の処理において、装置状態項目223bの特定列(例:異常種類)に格納された情報を第1行から順に読込み、個別診断項目226aに格納されていない情報であれば、個別診断項目226aに追加することで、情報を作成する。なお、装置状態項目223bの特定列に格納される情報のリストを予め作成しておき、個別診断項目226aのデータとして用いても良い。
また、演算部21は、保守履歴データ記憶領域223の第1行から順に、装置状態項目223bの当該列に格納された情報と対策作業項目223cに格納された情報の組合せを読み込み、格納された情報の組合せで特定される組合せ頻度合計226cに、その組合せの頻度を示す値として1を追加する(カウントアップする)処理を行う。演算部21は、この値の追加の処理を、保守履歴データ記憶領域223の最終行まで、すなわち保守履歴データ記憶領域223に格納されている全レコードについて行う。
なお、演算部21は、保守履歴データ記憶領域223の全件についてカウントアップ処理を行うのではなく、途中の行から処理を開始する構成や、途中の行で処理を終了する構成としても良い。
また、保守履歴データ記憶領域223のある行において、装置状態項目223bの特定列に格納された情報と、対策作業項目223cに格納された情報と、の組合せに係る項目が質的診断モデルデータ記憶領域226に存在しない場合や、装置状態項目223bの特定列や対策作業項目223cのデータが欠損している場合(データが格納されていない場合)には、組合せ頻度をカウントアップしないこととしても良い。
また、演算部21は、個別診断項目226aごとに、対策作業項目(対策箇所I)との組合せ頻度226bについて、格納された値の和を算出し、組合せ頻度合計226cに格納する。
別の質的診断モデルデータ記憶領域226´に関しては、演算部21は、ステップS202の処理において、装置状態項目223bの特定列(例:アラームコードと電流チェックの2列)に格納された情報を第1行から順に読込み、個別診断項目226dに格納されていない情報であれば、個別診断項目226dに追加することで、情報を作成する。なお、装置状態項目223bの特定列に格納される情報のリストを予め作成しておき、個別診断項目226dのデータとして用いても良い。
また、演算部21は、保守履歴データ記憶領域223の第1行から順に、装置状態項目223bの当該列に格納された情報の組合せと対策作業項目223cに格納された情報の組合せを読み込み、格納された情報の組合せで特定される組合せ頻度合計226cに、その組合せの頻度を示す値として1を追加する(カウントアップする)処理を行う。演算部21は、この値の追加の処理を、保守履歴データ記憶領域223の最終行まで、すなわち保守履歴データ記憶領域223に格納されている全レコードについて行う。
なお、演算部21は、保守履歴データ記憶領域223の全件についてカウントアップ処理を行うのではなく、途中の行から処理を開始する構成や、途中の行で処理を終了する構成としても良い。
また、保守履歴データ記憶領域223のある行において、装置状態項目223bの特定列に格納された情報の組合せと、対策作業項目223cに格納された情報と、の組合せに係る項目が別の質的診断モデルデータ記憶領域226´に存在しない場合や、装置状態項目223bの特定列の組合せや対策作業項目223cのデータが欠損している場合(データが格納されていない場合)には、組合せ頻度をカウントアップしないこととしても良い。
また、演算部21は、個別診断項目226dごとに、対策作業項目(対策箇所I)との組合せ頻度226bについて、格納された値の和を算出し、組合せ頻度合計226cに格納する。
本実施形態においては、第一の診断モデルを異常診断の処理が指示されてから作成するが、そのような構成に限らず、異常診断の指示がされる前に定期的なタイミングで作成するようにしても良い。
そして、演算部21は、対策作業ごとの組合せ頻度の比率を算出する(ステップS203)。具体的には、演算部21は、質的診断モデルデータ記憶領域226または別の質的診断モデルデータ記憶領域226´に格納された情報を用いて、新規異常時の装置状態における対策作業ごとの組合せ頻度の比率を、対策作業の適切さを示す指標として算出し、個別診断処理結果データ記憶領域228に格納する。
そして、演算部21は、個別診断項目224bのi番目の行に格納された情報で、装置状態データ記憶領域225の新規異常時の装置状態項目225aの項目(1つないし複数の項目)を特定し、その列に格納された情報を取得する。演算部21は、取得した情報を、新規異常時の装置状態値と記載する。
個別診断項目224bで特定される項目が1つの場合には、演算部21は、質的診断モデルデータ記憶領域226の個別診断項目226aについて、新規異常時の装置状態値に一致するレコードを特定する(例:「異音」の行を特定する)。
また、演算部21は、対策作業項目(対策箇所)との組合せ頻度226bの各項目について、特定したレコードに格納された値を、組合せ頻度合計226cの当該レコードに格納された値で除することによって、組合せ頻度の比率を算出する。そして、演算部21は、算出した組合せ頻度の比率を、対策作業の適切さを示す指標として、個別診断処理結果データ記憶領域228に格納する。
なお、個別診断項目226aに、新規異常時の装置状態値に一致するレコードが存在しなかった場合には、対策作業の適切さを示す指標は全ての対策作業について同一の値(例えば、1)を、個別診断処理結果データ記憶領域228に格納する。
なお、個別診断処理結果データ記憶領域228の対策作業項目(対策項目)の比率228bには、ステップS203で算出された対策作業ごとの組合せ頻度の比率、または、後述のステップS205で算出された対策作業ごとの近傍頻度の比率を特定する情報が格納される。
ここで、算出した組合せ頻度の比率の値は、新規異常と一致する装置状態で発生した過去の異常を解消できた対策作業の比率を示していることとなる。装置状態が一致していれば、同様の対策で異常を解消できる可能性が高いため、この比率の値の大きさは、対策作業の適切さを表す指標になっているといえる。
個別診断項目224bで特定される項目が複数の場合には、演算部21は、別の質的診断モデルデータ記憶領域226´を用いて同様の処理を行い、組合せ頻度の比率を算出し、対策作業項目(対策項目)の比率228bに格納する。
このようにして情報が格納された個別診断処理結果データ記憶領域228の情報は、後述の統合診断処理のステップS208の処理で利用される。
個別診断項目データ記憶領域224の項目タイプ224cのi番目の行に格納された情報の種類が、量的変数を示す「量的」であった場合(ステップS201にて「No」の場合)には、演算部21は、i番目の個別診断項目について、第二の診断モデルを作成する(ステップS204)。具体的には、演算部21は、個別診断項目224bのi番目のレコードに格納された情報を用いて、量的変数を対象とした第二の診断モデルを作成し、量的診断モデルデータ記憶領域227に格納する。
そして、演算部21は、対策作業ごとの近傍頻度の比率を算出する(ステップS205)。具体的には、演算部21は、個別診断項目224bのi番目の行に格納された項目の情報により、保守履歴データ記憶領域223の装置状態項目223bの列(特定列)と、装置状態データ記憶領域225の新規異常時の装置状態項目225aの列と、を特定し、装置状態項目223bの特定列に格納された情報と新規異常時の装置状態項目225aの特定された列に格納された情報との距離を用いて、対策作業ごとの頻度(近傍頻度)を、第二の診断モデルとして算出する。
例えば、演算部21は、ステップS204の処理において、新規異常時の装置状態項目225aの特定列(例:使用時間)に格納された情報を読み込み(読み込んだ情報を、以下では「d1」と称呼する)、演算部21は、装置状態項目223bの特定列に格納された情報とd1との距離(値の差分の絶対値)を小さいものから順にk(kは自然数)個のレコードを特定する。なお、kは予め定められた値であり、例えば10などの値を取る。また、保守履歴データ記憶領域223に格納された保守履歴データのレコード数に対して予め定められた割合(例えば、データのレコード数の10%等)をkの値としても良い。
図16は、装置状態項目の使用時間に関するデータの分布を示す模式図である。図16を例に用いて近傍k個のレコードを特定する処理の概念を示す。d1と格納された情報との間の距離が小さいデータから順にk(図16ではk=5)個特定されていることが分かる。
演算部21は、ここで特定されたk個のレコードについて、対策作業項目223cに格納された情報を取得し、取得した情報と、対策作業項目(対策箇所)の近傍頻度227aの各項目に一致するものがあれば、その一致した項目にデータの個数を追加(カウントアップ)する。この処理によって、新規異常と類似する装置状態で発生した過去の異常を解消できた対策作業の個数を取得できる。
なお、演算部21は、近傍k個のレコードを特定するのに代えて、d1から所定の距離(例:500)以内にあるレコードを特定するように、近傍の値の範囲を指定しても良い。あるいは、装置状態情報と、装置状態履歴情報から装置状態情報を除いた情報と、の間の距離を比較することで、装置状態情報に装置状態履歴情報が所定以上近い場合に、実施した対策作業の実施頻度を示す第二の診断モデルを対策作業履歴情報を用いて作成するようにしてもよい。
また、演算部21は、ユークリッド距離の計算式などを用いて、装置状態項目223bの複数の特定列に格納された情報と、新規異常時の装置状態項目225aの複数の特定された列に格納された情報との距離を算出し、k個のレコードを特定しても良い。
また、装置状態項目223bの特定列に格納される情報は、新規異常時の装置状態項目225aと、装置状態項目223bと、に格納された情報の間の距離が定義できるものであれば、数値に限らず、文章、画像、動画、音声などのデータであっても良い。
例えば、サーモグラフィ等の画像データについては、画像データごとに計算できる画素の頻度の情報を用いて画像データ間の距離を計算できる。そのため、画像データを対策作業と対応付くように保守履歴データ記憶領域223に格納しておけば、演算部21は新たに撮影された画像データとの間で距離を計算し、距離の近い画像データについて対策作業の個数を計算することで、近傍頻度の情報を算出することができる。動画データについても、動画データを静止画として切り出して扱えば、同様の計算ができる。
また、作業報告書などの文章データについては、格納された文章データに含まれる単語と、新たに作業者によって作成された文章データに含まれる単語について、単語の一致する個数を算出すれば、文章データ間の距離を計算できる。そのため、文章データを対策作業と対応付くように保守履歴データ記憶領域223に格納しておけば、演算部21は、新たに入力された文章との間で距離を計算し、距離の近い文章データについて対策作業の個数を計算することで、近傍頻度の情報を算出することができる。音声データも一度文字列に変換することで、同様の計算ができる。
また、d1との距離が近い保守履歴データ記憶領域223のレコード程、頻度を大きくカウントする等、距離に応じてカウントする頻度に重みを付けても良い。
そして、演算部21は、量的診断モデルデータ記憶領域227に格納された情報を用いて、対策作業の適切さを示す指標として対策作業ごとの近傍頻度の比率を算出し、個別診断処理結果データ記憶領域228に格納する。
演算部21は、対策作業項目(対策箇所)の近傍頻度227aの各項目に格納された値を取得し、取得した値を近傍頻度合計227bに格納された情報で除することによって、近傍頻度の比率を算出する。演算部21は、算出した近傍頻度の比率を、対策作業の適切さを示す指標として、個別診断処理結果データ記憶領域228の個別対策作業項目(対策箇所)の比率228bの個別診断項目ID228aで特定される行に、列が対応付くように格納する。
第一の診断モデルでの説明と同様に、ここで算出した近傍頻度の比率の値も、新規異常と類似する装置状態で発生した過去の異常を解消できた対策作業、の比率を示しているといえる。装置状態が類似していれば、同様の対策で異常を解消できる可能性が高いため、この近傍頻度の比率の値の大きさは、対策作業の適切さを表す指標になっている。
なお、量的変数であっても、質的変数に変化させ、第一の診断モデルで組合せ頻度を計算することができることはいうまでもない。例えば、3000以上4000未満の使用時間の値を、“3000台”という質的変数に割り当てるように、量的変数の区間を定義すれば質的変数として扱うことができる。
しかしながら、予め区間を定義すると新規異常時の装置状態に類似した過去の保守履歴を特定できないことがある。そのような例を、図17に示す。
図17は、保守履歴データテーブルの装置状態項目の使用時間に関するデータの分布を示す模式図である。図17において、「S」552で示されるデータは、新規異常時の装置の使用時間と最も近いが、特定から漏れている。使用時間3000以上4000未満という質的変数による特定を行う場合には、このように使用時間が近いがあらかじめ定義した区間から外れるために特定できないことがあるためである。このような、予め定義した区間では特定できない保守履歴データであっても、k個の近傍という考え方および近傍の算出処理を行うことで漏れなく特定することができる。
そして、演算部21は、全ての個別診断項目を計算したか否かを判定する(ステップS206)。具体的には、演算部21は、個別診断項目データ記憶領域224に格納された全てのレコードについて個別診断処理結果データ記憶領域228の対策作業項目(対策箇所)の比率228bに情報を格納する処理を行った場合には、ステップS207に制御を進める。全てのレコードについて処理を行っていない場合には、演算部21は、iをインクリメントして再びステップS201に制御を戻す。
全ての個別診断項目を計算した場合(ステップS206において「Yes」の場合)には、演算部21は、対策作業の総頻度を算出する(ステップS207)。具体的には、演算部21は、保守履歴データ記憶領域223の対策作業項目223cに格納された情報を用いて、対策作業ごとの実施頻度を算出し、対策作業総頻度データ記憶領域229に格納する。
より詳細には、演算部21は、ステップS207の処理において、対策作業項目223cの各レコードに格納された情報を読み込み、格納された情報で特定される対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aの列に、1を追加(カウントアップ)していく。
また、演算部21は、対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aの各レコードに格納された値の和をとり、総頻度合計229bに格納する処理を行う。
このようにして情報を格納された対策作業総頻度データ記憶領域229の情報は、後述のステップS208の処理において利用される。
そして、演算部21は、対策作業ごとに比率の積を算出する(ステップS208)。具体的には、演算部21は、個別診断処理結果データ記憶領域228と対策作業総頻度データ記憶領域229とに格納された情報を用いて、対策作業ごとに比率の積を算出し、統合診断処理の結果として、統合診断処理結果データ記憶領域230に格納する。
より詳細には、演算部21は、ステップS208の処理において、下式(1)に従って対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aの各項目に格納する情報を算出する。
Figure 0006247777
式(1)に従って計算することで、対策作業の適切さを示す指標である、比率の積が算出される。この比率の積が、個別診断項目について計算した結果を組み合わせたときの、対策作業ごとの適切さを示す指標となる。
演算部21は、統合診断処理結果230aの全ての項目のそれぞれについて式(1)を用いて値pを算出し、算出した値を格納する。
なお、式(1)においてpごとに係数を掛けても良い。また、xnmの変わりにxnmの対数やルートを取った値を用いても良い。
また、演算部21は、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aの各項目に格納された情報の和を計算し、処理結果合計230bに格納する。
そして、演算部21は、比率の積の大きい対策作業を推定結果として提示する(ステップS209)。具体的には、演算部21は、統合診断処理結果データ記憶領域230に格納された情報を用いて、対策作業の推定結果を作業者に提示する。
さらに詳細には、演算部21は、統合診断処理結果データ記憶領域230の対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aに格納された値の大きい項目から順に、当該列に対応付く対策作業を推定結果として提示する。
図15は、異常診断処理の出力画面420の例を示す図である。順位421には、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aに格納された値の大きさの順位を示す情報が表示される。なお、順位421に表示する順位は、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aの各列に格納された情報を、各対策作業にかかるコストの情報等で補正して計算しても良い。
対策作業項目(対策箇所)422には、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aの各項目に対応付く対策作業を示す情報が表示される。
ポイント423には、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aの各列に格納された値を特定する情報が表示される。本実施形態では、対策作業項目(対策箇所)の統合診断処理結果230aに格納された値を、処理結果合計230bに格納された値で除した値が表示される。
異常解消確認領域424には、異常が解消した対策作業であることを入力するためのボタンが表示される。
作業者は、順位421に表示される順位が上位の対策作業もしくはポイント423に表示されるポイントの大きな対策作業を実施することで、迅速に異常を解消することができる。
個別診断項目ID431、個別診断項目432、項目タイプ433、対策作業項目(対策箇所)の比率434は、診断処理の詳細を示す情報である。
個別診断項目ID431には、個別診断項目データ記憶領域224の個別診断項目ID224aに格納された情報が表示される。
個別診断項目432には、個別診断項目224bに格納された情報が表示される。
項目タイプ433には、項目タイプ224cに格納された情報が表示される。
対策作業項目(対策箇所)の比率434には、個別診断処理結果データ記憶領域228の対策作業項目(対策箇所)の比率228bに格納された情報が、個別診断項目ID228aと個別診断項目224aに格納された情報と対応付くように表示される。また、順位が1位と計算された対策作業がハイライト等強調表示される。
項目を除外して再計算435には、個別診断項目432に表示された個別診断項目に関して作業者からの指定を受け付けるボタンが表示される。本ボタンへの入力がなされると、演算部21は、その個別診断項目を除いたときの推定結果を式(1)を用いて再度計算し、対策作業の推定結果を再出力する。これによって、作業者が過去の作業経験により推定に利用できないと判断した個別診断項目を、除外することが出来る。
頻度総計441には、対策作業総頻度データ記憶領域229の対策作業項目(対策箇所)の総頻度229aに格納された情報が、項目が対応付くように表示される。また、順位が1位と計算された対策作業の項目がハイライト等強調表示される。
これによって、作業者は推定結果に寄与している個別診断項目を把握することができる。また、対策作業項目(対策箇所)の比率434または頻度総計441に表示されるデータは、レコードごとの格納された数値の順位としても良い。
以上が、対策作業の診断処理の処理フローである。対策作業の診断処理の処理フローを行うことで、少数の履歴情報しか蓄積されていない場合であっても、装置状態の複数の項目を考慮して適切な対策作業の提示を実現できる。
例えば、新規異常時の装置状態を示す情報が図4に示すように「異常種類:異音」、「アラームコード:A002」、「電流チェック:OK」であったときに、特許文献1に示す方法では、過去の保守履歴に同様の装置状態の組合せがなければ、対策作業の推定と提示はできない。しかしながら、本発明の方法では、「異常種類:異音」である保守履歴と、「アラームコード:A002」、「電流チェック:OK」である保守履歴がそれぞれ存在すれば、対策作業を推定し提示することができるため、「異常種類:異音」かつ「アラームコード:A002」かつ「電流チェック:OK」の組合せが成り立つ履歴情報が蓄積されていない場合であっても対策作業を推定できる。このようにして、少数の履歴情報しか蓄積されていない場合であっても、装置状態の複数の項目を考慮して適切な対策作業の提示を実現できる。
なお、異常診断装置10が実施する概要の動作フローのステップS104(作業者による結果入力)については、異常解消確認領域424への作業者による入力に相当する。
また、異常診断装置10が実施する概要の動作フローのステップS105(保守履歴データの蓄積処理)については、演算部21は、保守履歴データ記憶領域223に情報を蓄積する。具体的には、演算部21は、保守履歴データ記憶領域223に新たなレコードを追加し、履歴ID223aの追加されたレコードに新規のIDを格納し、装置状態項目223bの追加されたレコードに装置状態データ記憶領域225の新規異常時の装置状態項目225aに格納された情報を読み出して格納し、対策作業項目223cの追加されたレコードに、異常解消確認領域424のボタンがクリックされた対策作業を示す情報を格納することで、保守履歴データ記憶領域223に情報を蓄積する。このようにして情報を蓄積することで、より適切に対策作業を推定することが可能となる。
以上、第一の実施形態に係る異常診断システムについて説明した。第一の実施形態によると、より少ない装置状態を示す情報を用いて、適切な対策作業を推定し提示することができる。
本発明は、上記の第一の実施形態に制限されない。上記の第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記した実施形態では本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品のような複数の部分に分けられて適用されるようにしてもよい。
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
1・・・異常診断システム、10・・・異常診断装置、20・・・診断部、21・・・演算部、22・・・記憶部、30・・・入力部、31・・・出力部、32・・・通信IF部、211・・・IF部、300・・・ネットワーク、1000・・・診断対象装置

Claims (5)

  1. 他の装置に発生した異常の対策作業を提示する異常診断装置であって、
    記憶部には、異常発生時の前記他の装置の状態を示す装置状態情報および前記装置状態情報の履歴を含む装置状態履歴情報と、当該装置に異常が発生した際に実施した対策作業を対応付けた対策作業履歴情報と、が記憶され、
    制御部は、
    前記対策作業の頻度を計算する診断モデルを、前記装置状態情報の項目ごとに少なくとも2つ作成し、
    前記診断モデルを用いて、少なくとも2つの前記装置状態情報の項目ごとに対策作業の適切さを示す指標をそれぞれ計算し、
    前記対策作業の適切さを示す指標を少なくとも2つ組み合わせることで、前記他の装置に発生した異常の対策作業を特定して提示する、異常診断装置。
  2. 請求項1に記載の異常診断装置であって、
    前記制御部は、
    前記装置状態履歴情報と、前記対策作業履歴情報と、を用いて、前記装置状態情報の項目ごとに、所定の装置状態における対策作業の実施頻度を表す第一の診断モデルを作成し、
    前記第一の診断モデルを用いて、前記装置状態情報の項目ごとに対策作業の適切さを示す指標を計算する、異常診断装置。
  3. 請求項1に記載の異常診断装置であって、
    前記制御部は、
    前記対策作業の適切さを示す指標として、対策作業が実施された回数の比率を用いる、異常診断装置。
  4. 請求項1に記載の異常診断装置であって、
    前記制御部は、
    前記装置状態情報として、前記装置の発するアラームコードと、装置の検査結果と、装置センサの計測値と、装置の使用時間と、のいずれか1つを含む情報を用いる、異常診断装置。
  5. 他の装置に発生した異常の対策作業を提示する異常診断装置を用いた異常診断方法であって、
    前記異常診断装置は、記憶部と制御部とを備え、
    前記記憶部には、異常発生時の前記他の装置の状態を示す装置状態情報および前記装置状態情報の履歴を含む装置状態履歴情報と、当該装置に異常が発生した際に実施した対策作業を対応付けた対策作業履歴情報と、が記憶され、
    前記制御部は、
    前記対策作業の頻度を計算する診断モデルを、前記装置状態情報の項目ごとに少なくとも2つ以上作成するステップと、
    前記診断モデルを用いて、少なくとも2つ以上の前記装置状態情報の項目ごとに対策作業の適切さを示す指標をそれぞれ計算するステップと、
    前記対策作業の適切さを示す指標を少なくとも2つ以上組み合わせることで、前記他の装置に発生した異常の対策作業を特定して提示するステップと、を実行する異常診断方法。
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