以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の構成]
図1に外観を示すように、現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、利用者との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行う。以下では、現金自動預払機1のうち利用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した利用者から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2は、その前側に利用者が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に顧客応対部3が設けられている。顧客応対部3は、金融機関の顧客等の利用者との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになっており、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7、及びレシート発行口8が設けられている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部4A(図3)が設けられている。入出金口5は、利用者が入金する紙幣が投入されると共に、利用者へ出金する紙幣が排出される部分である。また入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞する。
操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部8A(図3)が設けられている。
筐体2内には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。
主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等の種々の処理を行う。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部9Mを有しており、この記憶部9Mに種々の情報を記憶させる。
また現金自動預払機1内には、各種取引に関する動作や処理の履歴を記録する電子ジャーナル部21が設けられている。この電子ジャーナル部21は、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリでなり、利用者との間で取引が行われた日時、利用者の口座番号、取引の種類、取り扱われた紙幣の金種や枚数、さらには各紙幣の記番号等が電子ジャーナルEJ(後述する)に電子データとして記録される。
紙幣入出金機10は、図2に側面図を示すように、その内部に紙幣制御部11、入出金部12、搬送部13、鑑別部14、一時保留部15、紙幣収納庫16、リジェクト庫17及び取忘収納庫18が設けられている。
紙幣制御部11は、図3に現金自動預払機1全体を含む紙幣入出金機10のブロック構成を示すように、主制御部9と連携しながら、当該紙幣入出金機10を統括的に制御するようになっている。紙幣制御部11は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金処理や出金処理等、種々の処理を行う。
また紙幣制御部11は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部11Mを有しており、この記憶部11Mに出金プログラム等の各種プログラムや紙幣に関する情報等の種々の情報を記憶させる。
入出金部12(図2)は、上方が開放された箱状の収容器12Aを中心に構成されている。収容器12Aは、利用者へ受け渡すべき紙幣又は利用者から受け渡される紙幣を前後方向に沿って整列した状態で収容する。この収容器12Aの上方には、開閉可能なシャッタ12Bが設けられている。
搬送部13は、図示しないモータ、ローラ、ベルト及びガイド等により紙幣入出金機10内の各部を結ぶような搬送経路を形成している。この搬送部13は、ローラを適宜回転させ、またベルトを適宜走行させることにより、紙幣の短辺に沿った方向を進行方向として、この搬送経路に沿って搬送する。
鑑別部14は、内部に光学センサ、イメージセンサや磁気センサ等の各種センサを有しており、その内部で紙幣を搬送しながら、各センサによる鑑別結果を得て紙幣制御部11へ供給する。これに応じて紙幣制御部11は、取得した鑑別結果に基づいて当該紙幣の金種及び真偽、並びに損傷の程度等を判別すると共に記番号を読み取り、各紙幣の搬送先を決定する。また紙幣制御部11は、この判別結果及び記番号を主制御部9へも通知する。
因みに紙幣の記番号は、各紙幣に一意に割り当てられた識別番号であり、複数の文字の組み合わせで構成されている。この記番号は、個別の紙幣を特定する場合等に利用される。この記番号を構成する文字としては、数字や英文字の他、ロシア文字や漢字等、種々の言語の文字が用いることができ、さらには「−」や「@」、「&」等の種々の記号も広義の「文字」として用いることができる。
一時保留部15は、いわゆるテープエスクロ方式を採用しており、円筒状のドラムの周側面に紙幣をテープと共に巻き付けることで当該紙幣を収納し、またこの周側面から当該テープを引き剥がすことで紙幣を繰り出すようになっている。因みに一時保留部15は、最大で例えば200枚の紙幣を収納することができる。
紙幣収納庫16は、内部に多数の紙幣を集積して収納するようになっている。この紙幣収納庫16は、例えば入金取引において、鑑別部14において損傷の程度が小さく再利用可能と鑑別された紙幣が金種ごとに振り分けられ搬送部13により搬送されてくると、これを取り込んで収納する。また紙幣収納庫16は、出金取引において、紙幣制御部11の制御に基づき、指示された枚数の紙幣を1枚ずつに分離して繰り出し、搬送部13に順次受け渡す。
リジェクト庫17は、鑑別部14において損傷の程度が大きく再利用すべきでないと鑑別された紙幣(いわゆるリジェクト紙幣)を収納する。取忘収納庫18は、出金取引等において利用者が入出金部12から取り忘れた紙幣を上下方向に重ねて整列した状態で収納する。
[1−2.入金処理]
次に、紙幣入出金機10における紙幣の入金処理について説明する。現金自動預払機1において利用者との間で入金取引が行われる場合、紙幣入出金機10の紙幣制御部11は、記憶部11Mから所定の入金処理プログラムを読み出して実行することにより、入金処理を開始する。
まず紙幣制御部11は、主制御部9(図1)と連携しながら操作表示部6を介して入金取引の開始操作を受け付けると、入出金部12のシャッタ12Bを開いて収容器12A内へ紙幣を投入させる。入出金部12は、利用者により収容器12Aに紙幣が投入された上で、操作表示部6を介して取込開始の操作指示を受け付けると、シャッタ12Bを閉塞し、収容器12Aから紙幣を1枚ずつ取り込んで搬送部13へ受け渡す。搬送部13は、紙幣を短辺方向に沿って進行させ、鑑別部14へ搬送する。
鑑別部14は、その内部で紙幣を搬送しながら、各センサによる検知結果を紙幣制御部11へ通知する。紙幣制御部11は、鑑別部14から得られた鑑別結果を基に、紙幣の金種及び真偽、並びに損傷の程度等を判別し、さらに記番号を読み取ると共に、各紙幣の判別結果を基にその搬送先を決定する。
具体的に紙幣制御部11は、正当であり取引すべきと鑑別された紙幣を搬送部13により一時保留部15へ搬送させ収納させる一方、取引すべきでないと鑑別されたリジェクト紙幣を搬送部13により入出金部12へ搬送し、利用者へ返却する。
やがて紙幣制御部11は、入出金部12に投入された全ての紙幣を取り込み終えると、鑑別部14から得られた鑑別結果を基に入金額を算出し、これを操作表示部6(図1)に表示して利用者に提示して、入金取引を継続するか否かを問い合わせる。ここで利用者から入金取引を継続する旨の指示を受け付けた場合、紙幣制御部11は、一時保留部15に保留している紙幣を搬送部13により鑑別部14へ搬送してその金種及び損傷の程度等を鑑別させ、その鑑別結果を取得する。
続いて紙幣制御部11は、搬送部13を制御することにより、紙幣の損傷の程度が小さい紙幣については、これを再利用すべき紙幣として、搬送部13により金種ごとに振り分けた上で紙幣収納庫16へ搬送して収納させる。その一方で紙幣制御部11は、損傷の程度が大きい紙幣を再利用すべきでないリジェクト紙幣としてリジェクト庫17へ搬送して収納させる。
一方、紙幣制御部11は、利用者から入金取引を継続しない旨の指示を受け付けた場合、一時保留部15に保留している全ての紙幣を順次繰り出させ、これを搬送部13により入出金部12へ順次搬送して収容器12A内へ順次収容させる。紙幣制御部11は、全ての紙幣を収容器12A内に収容すると、シャッタ12Bを開放して紙幣を利用者に取り出させる。
このとき紙幣制御部11は、シャッタ12Bを開放してから所定の待機時間(例えば30秒間)が経過しても収容器12A内に紙幣が残っていた場合、利用者が当該紙幣を取り忘れて立ち去ったものと、すなわち紙幣の取り忘れが発生したものと判断する。続いて紙幣制御部11は、収容器12A内の紙幣を1枚ずつ取り込み、搬送部13により鑑別部14へ搬送して各紙幣を鑑別させた上で、一時保留部15へ搬送する。
ここで、鑑別部14から得られる鑑別結果を基に、紙幣制御部11が各紙幣を正常でないと判別する場合、大きく分けて2種類の要因がある。そのうち1種類は、紙幣自体に起因するものであり、偽券と判別された場合や金種を判別できなかった場合、すなわち不当な紙幣と判別された場合である。以下、このように判別された紙幣を不当紙幣と呼ぶ。
もう1種類は、紙幣の搬送に起因するものであり、2枚以上の紙幣が重なって搬送される、いわゆる重送の場合や、紙幣の搬送方向に対する傾斜角度が極めて大きい、いわゆる斜行の場合、すなわち正常に搬送されていないと判別された場合である。以下、このように判別された紙幣を搬送不良紙幣と呼ぶ。
紙幣制御部11は、鑑別部14から得られる鑑別結果を基に、不当紙幣が含まれていない場合、仮に搬送不良紙幣が含まれていたとしても、全ての紙幣を取忘収納庫18へ搬送して収納させ、次の取引の開始を待ち受ける。一方、紙幣制御部11は、不当紙幣が1枚以上含まれていた場合、全ての紙幣を入出金部12へ搬送して収容器12A内に収容させ、シャッタ12Bを閉塞したまま、主制御部9と協働して現金自動預払機1の運用を停止させる。
[1−3.出金処理]
次に、紙幣入出金機10における紙幣の出金処理について説明する。現金自動預払機1において利用者との間で出金取引が行われる場合、紙幣入出金機10の紙幣制御部11は、記憶部11Mから所定の出金処理プログラムを読み出して実行することにより、出金処理を開始する。
まず紙幣制御部11は、主制御部9(図3)と連携しながら、操作表示部6を介して利用者による出金取引の開始操作や出金額の入力操作を受け付ける。次に紙幣制御部11は、出金額に応じた金種及び枚数の紙幣を決定した上で、この金種及び枚数の紙幣を紙幣収納庫16から順次繰り出し、搬送部13により鑑別部14へ搬送して鑑別させる。
このとき紙幣制御部11は、複数の紙幣が重なって搬送される重送のように、正常と判別できなかった紙幣をリジェクト紙幣としてリジェクト庫17へ搬送する一方、正常な紙幣を出金額に相当する金額分だけ入出金部12へ搬送させ、収容器12A内に収容する。最後に紙幣制御部11は、入出金部12のシャッタ12Bを開放させて収容器12A内の紙幣を利用者に取り出させる。
このとき紙幣制御部11は、シャッタ12Bを開放してから所定の待機時間(例えば30秒間)が経過しても収容器12A内に紙幣が残っていた場合、入金処理の場合と同様、紙幣の取り忘れが発生したものと判断する。続いて紙幣制御部11は、収容器12A内の紙幣を1枚ずつ取り込み、鑑別部14により各紙幣を鑑別させた上で一時保留部15へ搬送する。
さらに紙幣制御部11は、鑑別部14から得られる鑑別結果を基に、不当紙幣が含まれていない場合には全ての紙幣を取忘収納庫18して次の取引の開始を待ち受け、また不当紙幣が1枚以上含まれていた場合には全ての紙幣を入出金部12へ搬送して現金自動預払機1の運用を停止させる。
[1−4.取忘情報の記録]
ところで紙幣入出金機10は、入金取引及び出金取引の何れにおいても、紙幣の取り忘れが発生した場合、上述したように各紙幣を入出金部12から取り込んで鑑別部14へ搬送して鑑別させ、紙幣制御部11により各紙幣の真偽等を判別させる。このとき主制御部9は、紙幣制御部11から各紙幣の判別結果を取得し、取引に関する他の情報と共に、電子ジャーナル部21(図3)の電子ジャーナルEJに記録する。
具体的に主制御部9は、紙幣の取り忘れが1回発生する度に、取忘紙幣に関する情報を表す取忘情報Nを電子ジャーナルEJに記録する。取忘情報Nは、図4に示すように、複数行の文字により構成されており、このうち1行目が日付及び時刻を表す日時情報NAであり、残りの各行が紙幣の情報を表す紙幣情報NBである。
紙幣情報NBは、1枚の紙幣について1行ずつ情報が記録されており、各行において左から順に順序情報NB1、金種情報NB2、記番号情報NB3及び正当性情報NB4が記録される。
順序情報NB1は、鑑別部14において鑑別された順序を表す整数であり、基本的に取忘収納庫18又は入出金部12に収納されている取忘紙幣の整列順序と対応する。また順序情報NB1は、紙幣情報NBにおける行番号としても機能する。金種情報NB2は、鑑別部14から得られた鑑別情報を基に紙幣制御部11において判別された金種を表しており、「1000」、「5000」及び「10000」のように、各紙幣の金額が数字により記録される。
また金種情報NB2は、紙幣制御部11において金種を判別できなかった場合、例えば図4における行番号「5」のように、金種を判別できなかったことを表す金種不明文字列「UNKNOWN」が記録される。ここで紙幣の金種を判別できなかった場合とは、記憶部11M(図3)に予め記憶されている各金種の正常な画像データに対し、鑑別部14から得られた画像データが何れも合致しなかった場合である。因みに紙幣の金種を判別できなかった場合、紙幣制御部11は、金種ごとに異なる記番号の位置を特定することができず、当該記番号を読み取ることもできない。
記番号情報NB3は、鑑別部14から得られた鑑別情報を基に紙幣制御部11において読み取られた記番号を表す。ここで記番号に読み取れない桁、例えば何れの文字とも判定できなかった桁や複数候補の何れかを判定できなかった桁があった場合には、この桁を不読桁として、例えば行番号「3」の7文字目や行番号「4」の1、2及び8文字目のように、不読文字「?」が記録される。
正当性情報NB4は、鑑別部14からの鑑別結果を基に紙幣制御部11において偽券と判別された場合や金種を判別できなかった場合に、不当紙幣であることを表す不当文字列「REJECTED」が記録される。因みに正当性情報NB4は、正当な紙幣であった場合には空欄のままとなる。
因みに主制御部9は、紙幣の取り忘れが発生すると、不当紙幣の有無に拘わらず、記憶部9Mを一時的な記憶領域として利用しながら、取忘紙幣それぞれについての紙幣情報NBを生成して取忘情報Nとし、これを電子ジャーナルEJに供給して記録させるようになっている。
次に、主制御部9により取忘情報Nを電子ジャーナルEJに記録する場合の処理手順について説明する。入金取引や出金取引において紙幣の取り忘れが発生すると、紙幣制御部11は、入出金部12から紙幣が1枚ずつ取り込まれて鑑別部14へ搬送させ、当該鑑別部14から鑑別結果を取得する。
続いて紙幣制御部11は、得られた鑑別結果を基に、各紙幣の真偽及び金種等の判別並びに記番号の読み取り(認識)等の各処理を行い、これらの処理結果を表す情報(以下、これを取忘紙幣情報と呼ぶ)を主制御部9へ通知する。
主制御部9は、紙幣制御部11から取忘紙幣情報を取得すると、記憶部9Mから取忘情報記録プログラムを読み出して実行することにより、図5に示す取忘情報記録処理手順RT1を開始してステップSP1へ移る。ステップSP1において主制御部9は、現在の日時を基に日時情報NAを生成して電子ジャーナルEJに記録し、次のステップSP2へ移る。因みにこのとき主制御部9は、複数枚の紙幣についての取忘紙幣情報を取得していた場合、最初の紙幣に着目し、その取忘紙幣情報を処理対象とする。
ステップSP2において主制御部9は、得られた取忘紙幣情報を基に、当該紙幣の金種を判別できたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは当該紙幣が少なくとも複数の金種のうちいずれかの紙幣として認識でき、その記番号を読み取れた可能性が高いことを表している。このとき主制御部9は、次のステップSP3へ移って金種情報NB2を確定し、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において主制御部9は、得られた取忘紙幣情報を基に、紙幣が偽造紙幣であったか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは当該紙幣が偽造紙幣であり、電子ジャーナルEJにその旨を記録するべきであることを表している。このとき主制御部9は、次のステップSP5へ移って当該紙幣を不当紙幣と判別し、その次のステップSP6へ移る。一方、ステップSP4において否定結果が得られると、このことは当該紙幣が正常であることを表しており、このとき主制御部9は、次のステップSP6へ移る。
ステップSP6において主制御部9は、得られた取忘紙幣情報を基に、記番号の中に不読桁があるか否かを判別する。ここで肯定結果が得られると、このことはこの不読桁の文字を読み取れなかったことを電子ジャーナルEJに記録する必要があることを表している。このとき主制御部9は、この不読桁に不読文字「?」を割り当て、次のステップSP10へ移る。一方、ステップSP6において否定結果が得られると、このことは記番号の全桁を読み取ることができ、当該記番号をそのまま電子ジャーナルEJに記録できることを表している。このとき主制御部9は、次のステップSP10へ移る。
また、ステップSP2において否定結果が得られると、このことは当該紙幣の金種を判別できず、これに伴って金種ごとに異なる記番号の位置を特定できないことから当該記番号も読み取れなかったこと、及びその旨を電子ジャーナルEJに記録するべきことを表している。このとき主制御部9は、次のステップSP8へ移り、ステップSP5と同様、当該紙幣を不当紙幣と判別して、その次のステップSP9へ移る。ステップSP9において主制御部9は、金種情報NB2として、金種が不明であったことを表す金種不明文字列「UNKNOWN」を設定し、さらに記番号情報NB3に空白を表す文字列を設定して、次のステップSP10へ移る。
ステップSP10において主制御部9は、電子ジャーナルEJに対し、当該紙幣に関する紙幣情報NBの一部として、順序情報NB1を行頭に記録した上で、金種情報NB2及び記番号情報NB3を順次記録し、次のステップSP11へ移る。
ステップSP11において主制御部9は、当該紙幣が不当紙幣として判別されたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき主制御部9は次のステップSP12へ移り、正当性情報NB4として不当文字列「REJECTED」を記録し、次のステップSP13へ移る。一方、ステップSP11において否定結果が得られると、このことは当該紙幣が正当であり正当性情報NB4として何ら記録する必要が無いことを表している。このとき主制御部9は、次のステップSP13へ移る。
ステップSP13において主制御部9は、取忘紙幣情報を得た全ての紙幣について紙幣情報NBを電子ジャーナルEJに記録したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは残りの紙幣についても紙幣情報NBを記録すべきであることを表している。このとき主制御部9は、ステップSP2へ戻って一連の処理を繰り返すことにより、次の紙幣について同様に紙幣情報NBを記録する。
一方、ステップSP13において肯定結果が得られると、このことは全ての取忘紙幣についての紙幣情報NBが含まれる取忘情報Nを電子ジャーナルEJに記録し終えたことを表している。このとき主制御部9は、次のステップSP14へ移って取忘情報記録処理手順RT1を終了する。
因みに主制御部9は、取忘情報記録処理手順RT1を終了した後も、各紙幣情報NB(すなわち取忘情報N)を記憶部9Mから消去せず、記憶したままとしておく。
[1−5.取忘情報の印字]
さらに現金自動預払機1では、金融機関の職員や保守作業者等の操作により、電子ジャーナルEJの内容をレシート処理部8A(図1、図3)によりレシートに印字できるようになっている。
例えば現金自動預払機1は、出金取引において紙幣の取り忘れが発生し、且つ取忘紙幣の中に不当紙幣が含まれており、取忘紙幣を入出金部12へ搬送して運用を停止した状態であったとする。このとき主制御部9は、保守作業者等により操作表示部6等を介して所定の保守操作がなされると、図6に示す印字操作画面D1を当該操作表示部6に表示させる。
印字操作画面D1には、「印字」の文字が表示された印字ボタンB1が設けられている。主制御部9は、印字ボタンB1がタッチ操作されると、入出金部12に収納されている取忘紙幣に関する取忘情報Nを電子ジャーナルEJから読み出し、これをレシート処理部8A(図1、図3)へ供給する。
レシート処理部8Aは、図7に示すように、取得した取忘情報NをレシートRCに印字し、レシート発行口8(図1)から排出する。このときレシートRCには、電子ジャーナルEJに記録されている取忘情報Nと同一の内容が印字される。
保守作業者は、このレシートRCを受け取り、入出金部12から取り出した取忘紙幣と見比べることにより、不当紙幣の特定や当該不当紙幣の目視確認、或いは現金自動預払機1の運用再開操作等を行う。
[1−6.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態による現金自動預払機1の主制御部9は、入金取引又は出金取引において紙幣の取り忘れが発生すると、取忘紙幣ごとの紙幣情報NBにより構成された取忘情報Nを生成して電子ジャーナルEJに記録する。
このとき主制御部9は、紙幣の金種を判別できなかった場合、紙幣情報NBの金種情報NB2として、金種不明文字列「UNKNOWN」を記録する。このため主制御部9は、取忘情報Nを目視した保守作業者等に対し、各取忘紙幣の金種や記番号を認識させ得ると共に、取忘紙幣の中に金種を判別できなかった紙幣が含まれていることを認識させることができる。
また主制御部9は、紙幣の金種を判別できなかった場合、記番号を読み取ることができないため、紙幣情報NBとして記番号を記録することができない。すなわち主制御部9は、保守作業者に対し、記番号を頼りにしてこの紙幣を特定させることができない。
しかしながら主制御部9は、電子ジャーナルEJに対し、順序情報NB1と対応付けて金種情報NB2としての金種不明文字列「UNKNOWN」を記録しており、また鑑別部14により鑑別した順序のまま各取忘紙幣の紙幣情報NBを1行ずつ記録している。
このため主制御部9は、保守作業者等に対し、取忘情報Nにおける各紙幣情報NBの順序と、入出金部12から取り出させた取忘紙幣の順序とを対比させることで、金種を判別できず記番号も不明であった取忘紙幣を容易に特定させることができる。これにより主制御部9は、取忘情報Nとして記録されている各紙幣情報NBを、現実の取忘紙幣とそれぞれ容易に対応付けさせ、各取忘紙幣の判別結果等を容易に把握させることができる。
また主制御部9は、記番号中に不読桁があった場合、記番号情報NB3に記番号を全く記録しないのでは無く、正常に読み取った桁の文字をそのまま記録し、不読桁を不読文字「?」として記録する。このため主制御部9は、保守作業者等に対し、記番号のうち読み取れた桁の文字を参酌させながら、取忘紙幣と取忘情報Nとを対比させることができる。
さらに主制御部9は、保守作業者等により所定の操作がなされた場合、電子ジャーナルEJの内容をレシートRCに印字する。これにより主制御部9は、例えば金融機関内の各部署間で取忘紙幣を順次受け渡すような場合に、このレシートRCを当該取忘紙幣に添付しておくことで、口頭での詳細な説明等を行わせること無く、当該取忘紙幣を見た各部署の担当者に対し、直ちにその状態を認識させることができる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による現金自動預払機1の主制御部9は、紙幣の取り忘れが発生すると、金種を判別できなかった場合に金種情報NB2を金種不明文字列「UNKNOWN」とし、また記番号情報NB3において記番号中の不読桁を不読文字「?」として、各取忘紙幣の紙幣情報NBを生成して取忘情報Nとし、これを電子ジャーナルEJに記録する。これにより主制御部9は、電子ジャーナルEJの取忘情報Nを保守作業者等に提示することで、各取忘紙幣と各紙幣情報NBとの対応付けを容易なものとし、各取忘紙幣の判別結果等を直ちに把握させることができる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による現金自動預払機101(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、主制御部9、紙幣入出金機10及び電子ジャーナル部21に代わる主制御部109、紙幣入出金機110及び電子ジャーナル部121を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
主制御部109は、第1の実施の形態による主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、所定のプログラムを実行することにより種々の処理を行う。また主制御部109は、記憶部9Mに代わる記憶部109Mを有している。記憶部109Mは、記憶部9Mと同様、取忘情報記録プログラム等の各種プログラムや種々の情報を記憶する。
紙幣入出金機110は、第1の実施の形態による紙幣入出金機10と比較して、紙幣制御部11に代わる紙幣制御部111を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。紙幣制御部111は、第1の実施の形態による紙幣制御部11と比較して、入金取引及び出金取引において紙幣の取り忘れが発生した際に、鑑別部14から取忘紙幣の鑑別結果を取得した後に行う処理が一部相違している。
すなわち紙幣制御部111は、鑑別部14から得られる鑑別結果を基に、全ての紙幣が正常であった場合、すなわち不当紙幣及び搬送不良紙幣が何れも含まれていない場合、全ての紙幣を取忘収納庫18へ搬送して収納させ、次の取引の開始を待ち受ける。一方、紙幣制御部111は、不当紙幣又は搬送不良紙幣が1枚以上含まれていた場合、全ての紙幣を入出金部12へ搬送して収容器12A内に収容させ、シャッタ12Bを閉塞したまま、主制御部109と協働して現金自動預払機101の運用を停止させる。
電子ジャーナル部121(図3)は、第1の実施の形態による電子ジャーナル部21と同様、電子ジャーナルEJに取忘情報N等の取引に関する情報を記録するものの、当該取忘情報Nの内容において第1の実施の形態と一部相違している。
具体的に主制御部109は、電子ジャーナルEJ対し、図4と対応する図8に示すように、紙幣情報NBに理由情報NB5が追加された取忘情報Nを記録する。理由情報NB5は、正当性情報NB4として不当文字列「REJECTED」が記録された行のみ記録され、例えば「E01」や「E02」のように英文字及び数字が組み合わされた文字列となっている。
この理由情報NB5は、いわゆるエラーコードとなっており、各文字列に対し、「金種情報不明」や「偽券」、或いは「重送」や「斜行」等、紙幣が不当紙幣又は搬送不良紙幣と判別された場合の判別理由が予め対応付けられている。
また主制御部109は、電子ジャーナルEJに対する取忘情報Nの記録においても、第1の実施の形態による主制御部9と一部相違している。具体的に主制御部109は、取忘情報記録処理手順RT1(図5)に代えて、図9に示す取忘情報記録処理手順RT2に従った処理を実行する。この取忘情報記録処理手順RT2におい主制御部109は、ステップSP21〜SP30において、取忘情報記録処理手順RT1のステップSP1〜SP10とそれぞれ同様の処理を行い、ステップSP31へ移る。
ステップSP31において主制御部109は、当該紙幣が不当紙幣又は搬送不良紙幣の何れかとして判別されたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき主制御部9は次のステップSP32へ移り、正当性情報NB4として不当文字列「REJECTED」を記録し、次のステップSP33へ移る。ステップSP33において主制御部109は、電子ジャーナルEJに対し、当該紙幣が不当紙幣又は搬送不良紙幣として判別された理由を表す理由情報NB5を記録して、次のステップSP34へ移る。
一方、ステップSP31において否定結果が得られると、このことは当該紙幣が正当であり正当性情報NB4及び理由情報NB5として何ら記録する必要が無いことを表している。このとき主制御部109は、次のステップSP34へ移る。
ステップSP34において主制御部109は、ステップSP13(図5)と同様、取忘紙幣情報を得た全ての紙幣について紙幣情報NBを電子ジャーナルEJに記録したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、主制御部109は、ステップSP22へ戻って一連の処理を繰り返す。一方、ステップSP34において肯定結果が得られると、主制御部109は、次のステップSP35へ移って取忘情報記録処理手順RT2を終了する。
さらに現金自動預払機101では、第1の実施の形態と同様、金融機関の職員や保守作業者等の操作により、電子ジャーナルEJの内容をレシート処理部8A(図1、図3)によりレシートに印字することもできる。このときレシートRCには、理由情報NB5(図8)も印字される。
以上の構成において、第2の実施の形態による現金自動預払機101の主制御部109は、入金取引又は出金取引において紙幣の取り忘れが発生すると、取忘情報Nを生成して電子ジャーナルEJに記録する。このとき主制御部109は、各取忘紙幣の紙幣情報NBとして、順序情報NB1、金種情報NB2及び記番号情報NB3を記録し、さらに不当紙幣又は搬送不良紙幣と判別された紙幣について正当性情報NB4及び理由情報NB5を記録する。
このため主制御部109は、取忘情報Nを目視した保守作業者等に対し、各取忘紙幣の金種や記番号を認識させ得ると共に、何れの紙幣が正常で無いと判別されたのか、及びその理由を容易に把握させることができる。
特にこの第2の実施の形態では、紙幣入出金機110の紙幣制御部111が、紙幣の取り忘れが発生した際に、不当紙幣があった場合に加えて搬送不良紙幣があった場合にも、取忘紙幣を入出金部12へ搬送して現金自動預払機101の運用を停止させてしまう。このため現金自動預払機101では、取忘情報Nに正当性情報NB4が記録されていたとしても、不当紙幣であるか搬送不良紙幣であるかの区別がつきにくく、保守作業者に紙幣の状態を正しく把握させ得ないおそれがあった。
この点において主制御部109は、正当性情報NB4と併せて理由情報NB5を記録しているため、保守作業者に紙幣の状態をより詳細に且つ短時間で把握させることができ、直ちにこれに対応した的確な処置をさせることができる。これにより、例えば金融機関の職員が顧客に対し取忘紙幣の状態を説明するような場合にも、理由情報NB5を参照することで、詳細な理由を含めて顧客の納得を得られるような説明をすることができる。
その他の点においても、第2の実施の形態による現金自動預払機101は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による現金自動預払機101の主制御部109は、紙幣の取り忘れが発生すると、電子ジャーナルEJに対し、紙幣情報NBとして金種情報NB2及び記番号情報NB3を記録し、さらに不当紙幣又は搬送不良紙幣と判別された紙幣について、正当性情報NB4及び理由情報NB5を記録する。これにより主制御部109は、電子ジャーナルEJの取忘情報Nを保守作業者等に提示することで、各取忘紙幣と各紙幣情報NBとの対応付けを容易なものとし、不当紙幣又は搬送不良紙幣と判別された場合の理由も含めて、各取忘紙幣の判別結果等を直ちに且つ詳細に把握させることができる。
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、記番号情報NB3において、読み取れた桁についてはその読み取れた文字を記録し、読み取れなかった桁については不読文字「?」を記録する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば読み取れなかった桁を空白としても良く、また不読文字として「*」や「_」等の種々の記号を用いても良い。さらには、全桁が読み取れなかった場合に、例えば「<ERROR>」等のように、その旨を表す専用の文字列を記録しても良い。要は、記番号情報NB3として、読み取れた桁の文字を極力記録し、且つ読み取れなかった桁の存在や位置を明らかにすることで、各桁の位置を正しく記録できれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、現金自動預払機1が複数の金種の紙幣を取り扱う場合に、取忘情報Nに金種を表す金種情報NB2を記録する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば現金自動預払機1が1種類の金種の紙幣のみを取り扱う場合等に、取忘情報Nから金種情報NB2を省略しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、金種を判別できなかった場合に、金種情報NB2を金種不明文字列「UNKNOWN」とし、これに加えて金種ごとに記番号の位置が相違するために記番号を全く読み取れないことから、記番号情報NB3を空欄とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば金種間で記番号の位置が同一である場合に、金種を判別できたか否かに拘わらず、記番号の読取結果を基に記番号情報NB3を記録するようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、理由情報NB5として「E01」や「E02」のようなエラーコードを表示する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば「SLANTED」や「OVERLAP」のように状態を表す語を理由情報NB5として記録しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、1枚の取忘紙幣についての紙幣情報NBを1行に記録する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば1枚の取忘紙幣についての紙幣情報NBを2行以上に渡って記録しても良く、或いは1行に2枚以上の取忘紙幣についての紙幣情報NBを繋げて記録しても良い。この場合、順序情報NB1が記録されていることにより、取忘紙幣の整列順序と対応付けることができ、且つ取忘情報Nにおける1枚の取忘紙幣についての紙幣情報NB同士を区切ることができれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、紙幣情報NBとして順序情報NB1を記録する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、当該順序情報NB1を省略しても良い。この場合、紙幣情報NBの1行目からの行数が紙幣の順序を表すことになるため、この行数を数えることで、取忘紙幣の整列順序と対応付けることが可能となる。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、電子ジャーナル部21の電子ジャーナルEJに対し、電子情報でなる取忘情報Nを記録する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば紙のジャーナルに対し、文字を印字することにより取忘情報Nを記録しても良い。この場合、保守作業者に対し、改めてレシートRC等に印字させること無く、印字済みの紙のジャーナルから所望の取忘情報Nを探し出させて参照させることができる。
さらにこの場合、紙のジャーナルに取忘情報Nを記録しながらも、保守作業者等の操作により、取忘紙幣に関する取忘情報Nを別途レシートRCに印字しても良い。具体的には、記憶部9Mに記憶している取忘情報Nを読み出してレシートRCに印字すれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、保守作業者等の操作により取忘情報NをレシートRC(図7)に印字する際に、取忘紙幣に関する取忘情報Nを電子ジャーナルEJから読み出して印字する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば当該取忘情報Nを記憶部9Mから読み出して印字しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、保守作業者等の操作により、取忘情報NをレシートRC(図7)に印字する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば印字機能を省略し、取忘情報Nを操作表示部6に表示し、これを保守作業者に目視確認させるようにしても良く、或いは例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリのような着脱可能な情報記憶媒体に電子情報としての取忘情報Nを転送して記憶させ、これを保守作業者の端末装置等で参照させても良い。要は、文字情報を保守作業者等に提示することができる種々の提示手段により取忘情報Nを提示することができれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、鑑別部14において得られた鑑別結果を基に、紙幣制御部11において金種や真偽等の判別処理、及び記番号の読取処理(認識処理)を行う場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば鑑別部14に所定の判別処理部を組み込み、当該判別処理部においてこれらの判別処理や認識処理を行うようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、取忘紙幣に不当紙幣が1枚以上含まれていた場合、全ての紙幣を入出金部12へ搬送して収容器12A内に収容させ、シャッタ12Bを閉塞したまま、主制御部9と協働して現金自動預払機1の運用を停止させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば取忘紙幣に不当紙幣が含まれているか否かに拘わらず、全ての紙幣を取忘収納庫18へ搬送して収納させ、次の取引の開始を待ち受けるようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、現金自動預払機1の主制御部9により取忘情報記録処理手順RT1(図5)に従った取忘情報の記録処理を実行する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば紙幣入出金機10の紙幣制御部11単独又は当該紙幣制御部11及び主制御部9の協働により取忘情報の記録処理を実行しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、取忘情報記録プログラムを主制御部9の記憶部9Mに予め記憶させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば紙幣制御部11の記憶部11Mに記憶させておいても良く、また図示しないネットワークを介して外部のサーバ等からダウンロードして取得しても良く、さらには図示しないインタフェースを介してUSBメモリのような着脱可能な情報記憶媒体から取得しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、利用者との間で媒体としての紙幣を取引する現金自動預払機1に本発明を適用した場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば金融機関の窓口に設置され紙幣の入金処理や出金処理を行う装置、いわゆるテラーキャッシャーや、或いは各種金券や証券等の媒体を利用者との間で授受する種々の装置において、特に利用者が取り忘れた媒体を装置内に取り込む場合に本発明を適用しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、受渡部としての入出金部12と、鑑別部としての鑑別部14と、判別部としての紙幣制御部11と、記録部としての主制御部9及び電子ジャーナル部21とによって媒体取引装置としての現金自動預払機1を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる受渡部と、鑑別部と、判別部と、記録部とによって媒体取引装置を構成するようにしても良い。