JP6139117B2 - シリコン系粒子分散塗液およびその製造方法 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は下記を趣旨とするものである。
・イミド系高分子を0.5〜15質量%含有してなる平均粒径1μm未満、最大粒径2μm未満のシリコン系粒子分散塗液。
・分散媒がアミド系溶媒である前記塗液。
・平均粒径が1μm以上のシリコン系粒子をアミド系溶媒中で粒径2mm以下のメディアを用いてビーズミルにより粉砕して、平均粒径1μm未満のシリコン系粒子分散体とし、この分散体からシリコン系粒子を単離することなく、この分散体にイミド系高分子を添加することを特徴とする前記塗液の製造方法。
・前記製造法において、イミド系高分子を添加する際、イミド系高分子を含有した溶液として添加、混合し、その溶液の溶媒をアミド系溶媒とすることを特徴とする前記塗液の製造方法。
本発明の塗液は、例えば、平均粒径が1μm以上のシリコン系粒子をアミド系溶媒中で湿式粉砕して、平均粒径1μm未満のシリコン系粒子分散体とし、この分散体からシリコン系粒子を単離することなく、この分散体にイミド系高分子を添加、混合することにより製造することができる。
略等モルのBPDA(3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)と4,4’ODA(4,4’−オキシジアニリン)もしくはPDA(パラフェニレンジアミン)とをNMP中で反応させることにより、固形分濃度20質量%、30℃での粘度が5.4Pa・sおよび6.5Pa・sの均一なポリアミック酸溶液をそれぞれ得た。この溶液をP−1およびP−2とする。
市販のシリコン粒子からなる粉体(純度99質量%、平均粒径3.5μm、最大粒径8.3μm)を表1に示す所定の分散媒に加え、シリコン分散体を濃度が25質量%のシリコン粒子分散体を得た。この分散体を表1に示す所定の粒径を有するジルコニア粒子をメディアとして用いたビーズミルで30℃、2時間で湿式粉砕し、湿式粉砕されたシリコン粒子を含有する分散体A〜Fを得た。このシリコン系粒子分散体の粒径をレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装製マイクロトラックUPA)により体積基準での粒径分布を測定した所、その平均粒径及び最大粒径は表1に示す通りであった。
シリコン系粒子分散体A〜Cにポリアミック酸溶液P−1,P−2を撹拌しながら加え、さらに25℃で1時間撹拌を行い、均一なシリコン系粒子分散塗液a〜dを得た。ここで塗液のポリアミック酸濃度は4.8質量%とし、シリコン系粒子の濃度は17.2質量%とした。この分散塗液の平均粒径、最大粒径を、レーザー回折式粒度分布測定定装置(日機装製マイクロトラックUPA)により体積基準での粒径分布を測定した所、その平均粒径及び最大粒径は表2に示す通りであった。次に前記シリコン系粒子分散塗液a〜dを厚み18μmの電解銅箔上に、熱硬化後の被膜の厚みが30〜50μmになるようにバーコータを用いて枚様で均一に塗布し、130℃で10分間乾燥した。この積層体を窒素ガス雰囲気下で100℃から350℃まで2時間かけて昇温した後、350℃で1時間熱処理し、ポリアミック酸を熱硬化させてイミド化することによりシリコン粒子が分散しているポリイミド塗膜を得た。得られた塗膜表面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S-4000)を用いて倍率1000倍で撮影し、その像から、塗膜表面1mm2中に現れる直径10μm以上の凝集物の数を調べた所、結果は表2に示す通りであった。また、この実施例で得られた塗液のシリコン粒子の平均粒径は良好な保存安定性を有していた。
シリコン系粒子分散体D〜Eを濾過後乾燥してシリコン系粒子を単離した。この粒子を撹拌しながらNMP溶液に再分散し濃度が25質量%のシリコン粒子分散体を得た。しかる後、このシリコン粒子分散体にポリアミック酸溶液P−1を撹拌しながら加え、さらに25℃で1時間撹拌を行い、シリコン系粒子分散塗液e〜fを得た。ここで塗液のポリアミック酸濃度は4.8質量%とし、シリコン系粒子の濃度は17.2質量%とした。この分散塗液の平均粒径、最大粒径を、レーザー回折式粒度分布測定定装置(日機装製マイクロトラックUPA)により体積基準での粒径分布を測定した所、その平均粒径及び最大粒径は表2に示す通りであった。次に実施例1〜4と同様にして、塗膜表面に現れる直径10μm以上の凝集物の数を調べた所、結果は表2に示す通りであった。
[比較例3]
シリコン系粒子分散体Fにポリアミック酸溶液P−1を撹拌しながら加え、さらに25℃で1時間撹拌を行い、シリコン系粒子分散塗液gを得ようとしたが、ポリアミック酸溶液とP−1を加えた際に、ポリアミック酸が一部不溶化し、均一な塗液を得ることができなかった。
Claims (4)
- イミド系高分子を0.5〜15質量%含有してなる平均粒径1μm未満、最大粒径2μm未満のシリコン系粒子分散塗液。
- 分散媒がアミド系溶媒であることを特徴とする請求項1記載の塗液。
- 平均粒径が1μm以上のシリコン系粒子をアミド系溶媒中で粒径2mm以下のメディアを用いてビーズミルにより粉砕して、平均粒径が1μm未満のシリコン系粒子分散体とし、この分散体からシリコン系粒子を単離することなく、この分散体にイミド系高分子を添加、混合することを特徴とする請求項1または2記載の塗液の製造方法。
- イミド系高分子を添加し混合する際、イミド系高分子を含有した溶液として添加、混合し、その溶液の溶媒をアミド系溶媒とすることを特徴とする請求項3記載の塗液の製造方法。
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