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JP6138674B2 - 衣料用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

衣料用液体洗浄剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
衣料には、泥汚れなどの粒子汚れ、食べこぼしなどの染み汚れ、皮脂汚れなど、さまざまな汚れが付着するため、衣料用洗剤にはこれらすべての汚れに対して高い洗浄力が求められる。これらの中でも泥汚れなどの粒子汚れは分散ポリマーや陰イオン界面活性剤が効果的であり、食べこぼしなどの染み汚れは漂白剤や陰イオン界面活性剤が有効であり、皮脂汚れなどは非イオン界面活性剤を用いると有効であることが一般的に知られている。そのため、通常、衣料用の洗浄剤組成物には、複数の界面活性剤を組み合わせて用いることが行われる。
界面活性剤を組み合わせた洗浄剤組成物として、特許文献1にはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩型界面活性剤、及び陽イオン界面活性剤を含有する洗浄剤組成物が開示されている。また、特許文献2には、(a)アルキレンオキシドの平均付加モル数が16〜35である非イオン界面活性剤、(b)炭素数3及び/又は4のアルキレンオキシ基を有する陰イオン界面活性剤、並びに(c)特定の溶剤を含有し、界面活性剤の濃度が高い液体洗浄剤組成物が開示されている。また、特許文献3には、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤を所定条件で含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。特許文献4には、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤を所定条件で含有する塗布用洗浄剤組成物が開示されている。
一方、全自動洗濯機においては、標準コース以外にも、洗濯時間を短くできる洗濯コース(スピードコースと呼ばれることもある)が備えられている機種が存在する。洗濯時間を短くするコースにおいては、すすぎ回数を少なくしたり、洗浄剤組成物で衣料を洗浄する時間を短くすることが行われている。
特開昭56−5895号公報 特開2011−208130号公報 特開2012−87228号公報 特開2012−87227号公報
衣料に付着する泥汚れなどの粒子汚れ、食べこぼしなどの染み汚れ、皮脂汚れについて、すべて満足できるレベルまで洗浄するためには、非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤を併用するなど、複数の界面活性剤を組み合わせれば達成できるように予想できるが、現実には、非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤の両者の特徴が期待されるほどには発揮されず、前記3種の汚れに対する洗浄力をより向上させるためには、更なる検討が必要とされている。従って、上述の3種の汚れに対して優れた洗浄力を有する衣料用洗浄剤組成物が強く求められている。
また、全自動洗濯機において洗濯時間を短くするコースを選択した場合、すすぎの回数の低減や、洗浄時間の短縮等の動作が行われる。作業者は、洗浄時間が短くても、通常の洗濯コースと同じ汚れ落ちを期待する。しかしながら、洗浄時間が短くなると洗浄性能が低下すること傾向にあることが見出された。これに対して、洗浄力を向上させることを期待して洗浄基材である界面活性剤の含有量を増加させた液体洗浄剤組成物を用いても、経済性に見合う十分な効果は得られない。
本発明は、食べこぼしなどの染み汚れに対して優れた洗浄力を有する衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。また、本発明は、泥汚れなどの粒子汚れに対して優れた洗浄力を有する衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。また、本発明は、人体由来の汚れに対して優れた洗浄力を有する衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。
本発明は、粒子汚れ、染み汚れ、及び人体由来の汚れの何れの汚れに対しても優れた洗浄力を有する衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。
更に、本発明は、洗浄時間が短くても十分な洗浄力、特に皮脂汚れに対する洗浄力が発現する衣料用液体洗浄剤組成物を提供する。
本発明は、
下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び水を含有し、
(a)成分の含有量と(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の合計量が15質量%以上、70質量%以下であり、
(c)成分の含有量と、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の合計量との質量比が、(c)成分/〔(a)成分+(b)成分〕で、0.02以上、0.2以下であり、
(b)成分の含有量と(a)成分の含有量との質量比が、(b)成分/(a)成分で、0.15以上、10以下である、
衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
(a)成分:アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩
(b)成分:下記一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤
RO−〔(AO)p/(EO)q〕−SO3M (1)
〔式中、Rは炭素数8以上、22以下の炭化水素基を示し、AOは炭素数3のアルキレンオキシ基及び炭素数4のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、p及びqは平均付加モル数を示し、pは0.5以上、5以下の数、qは0以上、10以下の数である。“/”はAO基及びEO基がランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。Mは陽イオンである。〕
(c)成分:下記一般式(2)で表される第4級アンモニウム塩
Figure 0006138674
〔式中、R1は炭素数10以上、14以下の炭化水素基であり、R2は炭素数7以上、14以下の炭化水素基、炭素数1以上、3以下の炭化水素基、及び−(A1O)s−H(式中、A1Oは、炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基、sは1以上、5以下の数である。)から選ばれる基であり、R3、R4は、それぞれ独立に、炭素数1以上、3以下の炭化水素基及び−(A1O)s−H(式中、A1O、sは前記と同じ。)から選ばれる基である。分子内に複数存在する(A1O)は同一又は異なっていても良い。X-はハロゲンイオン、CH3SO4 -又はCH3CH2SO4 -である。〕
(d)成分:下記一般式(3)で表される非イオン界面活性剤
5O−(EO)t−H (3)
〔式中、R5は炭素数8以上、18以下の炭化水素基を示し、EOはエキレンオキシ基を示し、tは平均付加モル数を示し、1以上、10以下の数である。〕
また、本発明は、水と、上記本発明の衣料用液体洗浄剤組成物0.01質量%以上、0.2質量%以下とを含有する、温度が0℃以上、35℃以下の洗浄液で、衣料の質量と前記洗浄液の量(リットル)の比で表される浴比が、洗浄液の量(リットル)/衣料の質量(kg)=3以上、50以下の条件で、衣料を1分間以上、7分間以下洗浄する、衣料の洗浄方法に関する。
本発明によれば、粒子汚れ、染み汚れ、及び人体由来の汚れの何れの汚れに対しても優れた洗浄力を有する衣料用液体洗浄剤組成物が提供される。また、本発明によれば、洗浄時間が短くても十分な洗浄力が発現する衣料用液体洗浄剤組成物が提供される。本発明の衣料用液体洗浄剤組成物では、洗浄時間が十分な標準コースと同等の洗浄力が、洗浄時間を短くした場合でも達成できる。そのため、洗浄時間を短縮することが可能である。また、洗浄時間が短くても粒子汚れ、染み汚れ、及び人体由来の汚れに対する洗浄性能が維持でき、とりわけ落ちにくい食べ残し汚れの洗浄性能に優れる。
本発明では、(a)成分及び(b)成分の特定2種の陰イオン界面活性剤を使用することで、陰イオン界面活性剤の含有量に対する、(c)成分である特定の第4級アンモニウム塩の含有量が少なくても、食べこぼし汚れに対する浸透性が高まり、食べこぼし汚れの洗浄性が優れる。また、泥汚れや食べこぼし汚れの洗浄性も高めることが出来る。
<(a)成分>
(a)成分としては、特に限定されるものではないが、例えば炭素数8以上、更に10以上、そして、20以下、更に15以下のアルキル基、更に直鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、又はマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩などを挙げることができるが、洗浄性や組成物の保存安定性の観点から、アルカリ金属塩、又はアルカノールアミン塩であることが好ましい。本発明の組成物を調製する場合、アルキルベンゼンスルホン酸(酸型)を組成物中に添加し、系内でアルカリと中和反応させアルキルベンゼンスルホン酸塩としてもよいし、予め中和した後、組成物中に添加してもよい。アルキルベンゼンスルホン酸の中和には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウムなどの強塩基を用いることができる。
<(b)成分>
(b)成分は、(a)成分と特定の比率で配合し、且つ(c)成分と併用することで、(b)成分を含む液体洗浄剤組成物と水とを含有する組成物と衣料の接触時間が短時間でも、各種汚れに対する洗浄力をより高めることが出来る。とりわけ、(b)成分と(a)成分を特定比率で配合することで、食べこぼし汚れに対する(c)成分の浸透性が高まり、食べこぼし汚れの洗浄性が高まる。
本発明で用いられる(b)成分の陰イオン界面活性剤は、下記一般式(1)で表される化合物である。
RO−〔(AO)p/(EO)q〕−SO3M (1)
〔式中、Rは炭素数8以上、22以下の炭化水素基を示し、AOは炭素数3のアルキレンオキシ基及び炭素数4のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、p及びqは平均付加モル数を示し、pは0.5以上、5以下の数、qは0以上、10以下の数である。“/”はAO基及びEO基がランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。Mは陽イオンである。〕
(b)成分の一般式(1)中、Rは炭素数8以上、22以下の炭化水素基である。Rは、皮脂汚れの洗浄性の点で炭素数8以上であり、10以上、更に12以上が好ましく、そして、染み汚れの洗浄性の点で16以下、更に14以下が好ましい。Rの炭化水素基としては、原料の入手性の点から、アルキル基、アルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。Rは、泥汚れなどの粒子汚れの洗浄性の点から、直鎖の炭化水素基が好ましい。Rは、炭素数12以上、14以下のアルキル基、直鎖アルキル基が好ましい。一般式(2)において酸素原子に結合するRの炭素原子は第1級の炭素原子が好ましい。
一般式(1)中のAOである炭素数3のアルキレンオキシ基及び炭素数4のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基としては、オキシトリメチレン基、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシブタン−1,2−ジイル基、オキシブタン−1,3−ジイル基、オキシブタン−2,3−ジイル基、オキシテトラメチレン基から選ばれる1種以上の基が挙げられる。入手性の点から、オキシプロパン−1,2−ジイル基〔一般的にプロピレンオキシ基と呼ばれることもある。〕、オキシブタン−1,2−ジイル基(一般的にブチレンオキシ基と呼ばれることもある。)がより好ましく、オキシプロパン−1,2−ジイル基が更に好ましい。
一般式(1)中のpは、AOの平均付加モル数であり、0.5以上、5以下の数である。洗浄速度が向上できる点から、pは、好ましくは0.8以上であり、より好ましくは1以上であり、より好ましくは1.1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、より好ましくは1.3以上であり、より好ましくは1.4以上であり、更に好ましくは1.5以上であり、更に好ましくは1.6以上であり、更に好ましくは1.7以上であり、より更に好ましくは1.8以上である。皮脂汚れに対する洗浄力の点から、pは、5以下であり、好ましくは4以下であり、より好ましくは3以下である。
一般式(1)中のqは、EOの平均付加モル数であり、0以上、10以下の数である。qが0でない場合、洗浄速度が向上できる点から、qは、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.8以上であり、更に好ましくは1以上、更に好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.8以上、より更に好ましくは2以上の数である。染み汚れや皮脂汚れに対する洗浄力の点から、10以下であり、好ましくは8以下であり、より好ましくは5以下であり、更に好ましくは3以下の数である。また、qが0の陰イオン界面活性剤も製造の容易性の観点から好ましい。
一般式(1)の陰イオン界面活性剤は、洗浄速度が向上できる点から、AOとEOとがブロックで結合していることが好ましい。その場合、RO−に、(AO)p−(EO)q−の順にブロック結合していることが好ましい。すなわち、一般式(1)の陰イオン界面活性剤としては、RO−(AO)p−(EO)q−SO3Mで表される化合物が好ましい。
また、一般式(1)中のMは陽イオンである。Mの好ましい例は、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、及び炭素数1以上、6以下のアルカノールアンモニウムイオンが挙げられる。
アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンが挙げられ、アルカリ土類金属イオンとしては、マグネシウムイオンが挙げられ、炭素数1以上、6以下のアルカノールアンモニウムイオンとしては、モノエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオンが挙げられる。これらの中では、洗浄力の点で、ナトリウムイオン、カリウムイオンのアルカリ金属イオン又はモノエタノールアンモニウムイオンが好ましく、モノエタノールアンモニウムイオンがより好ましい。
一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤の製法は特に限定されない。例えば、炭素数8以上、22の炭化水素基を有するアルコール、好ましくは炭素数10〜14の直鎖1級の脂肪族飽和アルコール1モルに、炭素数3のアルキレンオキサイド及び/又は炭素数4のアルキレンオキサイド、好ましくはプロピレンオキサイドを0.5モル以上、好ましくは0.8モル以上、より好ましくは1モル以上、更に好ましくは1.5モル以上、より更に好ましくは1.8モル以上、そして、5モル以下、好ましくは3モル以下の量で付加させた中間化合物(1)を得る。次に中間化合物(1)に対してエチレンオキサイドを0モル以上、好ましくは0.5モル以上、より好ましくは0.8モル以上、より好ましくは1モル以上、更に好ましくは1.5モル以上、より更に好ましくは1.8モル以上、そして、10モル以下、好ましくは8モル以下、より好ましくは5モル以下、更に好ましくは3モル以下の量で付加させて中間化合物(2)を得る。次に中間化合物(2)を硫酸化し、場合によっては中和することで一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤を得ることができる。また、前記の製造方法の例において、原料のアルコールに対して、前記アルキレンオキシド、好ましくはプロピレンオキシドと、エチレンオキシドを付加する順番を変えることや、ランダムに付加させることもできる。
<(c)成分>
(c)成分は下記一般式(2)で表される第4級アンモニウム塩である。
Figure 0006138674
〔式中、R1は炭素数10以上、14以下の炭化水素基であり、R2は炭素数7以上、14以下の炭化水素基、炭素数1以上、3以下の炭化水素基、及び−(A1O)s−H(式中、A1Oは、炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基、sは1以上、5以下の数である。)から選ばれる基であり、R3、R4は、それぞれ独立に、炭素数1以上、3以下の炭化水素基及び−(A1O)s−H(式中、A1O、sは前記と同じ。)から選ばれる基である。分子内に複数存在する(A1O)は同一又は異なっていても良い。X-はハロゲンイオン、CH3SO4 -又はCH3CH2SO4 -である。〕
(c)成分である特定の構造を有する第4級アンモニウム塩と、(a)成分であるアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩と、(b)成分である特定の構造を有する陰イオン界面活性剤とを併用することで、短時間の洗浄においても、両者の機能が阻害されず、各種汚れに対して更に高い洗浄力を得ることができる。
一般式(2)中、R1は炭素数10以上、14以下の炭化水素基であり、炭化水素基はアルキル基が好ましく、アルキル基は直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられる。R1は、炭素数12の直鎖アルキル基が好ましい。
また、一般式(2)中、R2は炭素数7以上、14以下の炭化水素基、炭素数1以上、3以下の炭化水素基、及び−(A1O)s−H(式中、A1Oは、炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基、sは1以上、5以下の数である。)から選ばれる基である。R2の炭化水素基はアルキル基、ベンジル基が好ましく、食べこぼし汚れの洗浄性の点でアルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられる。アルキル基の場合、R2の炭素数は、1以上、3以下又は10以上が好ましい。また、−(A1O)s−Hであることも好ましい。
一般式(2)中、R3、R4は、それぞれ独立に、炭素数1以上、3以下の炭化水素基及び−(A1O)s−H(式中、A1O、sは前記と同じ。)から選ばれる基であり、炭素数1以上、3以下の炭化水素基、更に炭素数1以上、3以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましい。
(c)成分の陽イオン界面活性剤としては、下記(c−1)〜(c−4)が挙げられる。種々の汚れに対する洗浄力向上の観点から、(c−1)、(c−2)及び(c−4)から選ばれる1種以上の化合物を使用することが好ましい。より好ましくは(c−1)及び(c−2)から選ばれる1種以上の化合物であり、食べこぼし汚れの洗浄性の点で、(c)成分は(c−1)の化合物が好ましい。
(c−1)一般式(2)中のR1が炭素数10以上、14以下の直鎖アルキル基であり、R2、R3、R4がそれぞれ炭素数1以上、3以下のアルキル基であるアンモニウム塩。より具体的にはn−デシルトリメチル4級アンモニウムクロリド、n−ラウリルトリメチル4級アンモニウムクロリド及びn−ミリスチルトリメチル4級アンモニウムクロリドから選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(c−2)R1の炭素数が10以上、14以下の分岐鎖アルキル基であり、R2、R3、R4がそれぞれ炭素数1以上、3以下のアルキル基であるアンモニウム塩。
(c−3)R1の炭素数が10以上、14以下の直鎖アルキル基であり、R2がベンジル基であり、R3、R4がそれぞれ炭素数1以上、3以下のアルキル基であるアンモニウム塩。より具体的には、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びミリスチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドから選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(c−4)R1の炭素数が10以上、14以下の直鎖アルキル基であり、R2が−(A1O)s−Hであり、R3、R4がそれぞれ炭素数1以上、3以下のアルキル基であるアンモニウム塩。
<(d)成分>
(d)成分は下記一般式(3)で表される非イオン界面活性剤である。
5O−(EO)t−H (3)
〔式中、R5は炭素数8以上、18以下の炭化水素基を示し、EOはエキレンオキシ基を示し、tは平均付加モル数を示し、1以上、10以下の数である。〕
(d)成分の一般式(3)中、R5は炭素数8以上、18以下の炭化水素基であり、洗浄力の点から、炭素数10以上、そして、16以下、更に14以下の炭化水素基が好ましい。R5の炭化水素基としては、洗浄力の点から、アルキル基、アルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。R5は、洗浄力や原料の入手性の点から、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基が好ましく、直鎖の炭化水素基がより好ましい。一般式(3)において酸素原子に結合するR5の炭素原子は、第1級の炭素原子でもよく、第2級の炭素原子でもよい。
一般式(3)の化合物を得る方法は、特に限定されるものではないが、炭素数8以上、18以下の炭化水素基を有するアルコールに、エチレンオキシドを付加反応することによって得ることができる。エチレンオキシドの平均付加モル数tは、1以上、10以下である。染み汚れに対する洗浄力の点から、tは1以上であり、2以上、更に2.5以上、更に3以上が好ましい。また、洗浄速度が向上できる点で、10以下であり、9以下、更に8以下が好ましい。
(d)成分としては、皮脂汚れや染み汚れに対する洗浄力の観点から、一般式(3)中のR5が炭素数10以上、14以下の直鎖の1級又は2級のアルキル基であり、平均付加モル数であるtが3以上、8以下の数である非イオン界面活性剤が好ましい。
<水>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、0℃〜40℃における状態を液体状態とする為に、水を含有する。水は脱イオン水(イオン交換水とも言う場合もある)や次亜塩素酸ソーダをイオン交換水に対して1mg/kg以上、5mg/kg以下、添加した水を使用することが出来る。
<衣料用液体洗浄剤組成物>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、泥汚れなどの粒子汚れ、食べこぼし汚れなどの染み汚れ及び皮脂汚れに対する高い洗浄力を維持する点で、(c)成分の含有量と、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の合計量との質量比が、(c)成分/〔(a)成分+(b)成分〕で、0.02以上、0.2以下である。泥汚れ、食べこぼし汚れに対する洗浄力の点から、前記質量比は、0.03以上がより好ましく、0.04以上がより好ましく、0.05以上がより好ましい。食べ残し汚れや皮脂汚れの洗浄力の点で、前記質量比は、0.15以下が好ましく、0.14以下がより好ましく、0.13以下がより好ましく、0.12以下がより好ましく、0.1以下がより好ましい。
本発明においては、(c)成分と、(a)成分と(b)成分とを併用することで、(a)成分と(b)成分と(c)成分の混合界面活性剤の皮脂汚れに対する浸透性が高まり、(c)成分の含有量が(a)成分及び(b)成分の合計に対して少なくても皮脂汚れの洗浄性が高まる。
なお、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物において、(a)成分及び(b)成分は、それぞれ、塩ではなく、酸型の化合物、すなわち対イオンを水素原子イオンと仮定した化合物の質量を(a)成分及び(b)成分の質量として質量比や質量%を算出するものとする。
また、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、洗浄速度と洗浄力の両立の点で、(b)成分の含有量と(a)成分の含有量との質量比が、(b)成分/(a)成分で、0.15以上、10以下である。洗浄速度の向上と食べ残し汚れに対する洗浄力の点で、前記質量比は、0.4以上がより好ましく、0.5以上がより好ましく、0.7以上がより好ましい。また、泥汚れに対する洗浄力の点で、前記質量比は、8以下が好ましく、6以下がより好ましく、5以下がより好ましく、3以下がより好ましく、2以下がより好ましい。
本発明では、(b)成分の含有量と(a)成分の含有量との質量比が特定範囲であることで、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の食べこぼし汚れに対する浸透性が高まり、食べこぼし汚れの洗浄性を高めることができる。
また、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、泥汚れなどの粒子汚れ、食べこぼし汚れなどの染み汚れ及び皮脂汚れに対する高い洗浄力を維持する点で、(d)成分の含有量と(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の合計量との質量比は、(d)成分/〔(a)成分+(b)成分〕で、0.1以上、2以下であることが好ましい。泥汚れ、食べこぼし汚れに対する洗浄力の点から、0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.4以上がより更に好ましい。食べ残し汚れや皮脂汚れの洗浄力の点で、1.5以下がより好ましく、1.2以下がより好ましく、1.0以下がより好ましく、0.8以下がより好ましく、0.6以下がより好ましい。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物において、一定の使用量に対してより高い着香効果を得る点、及び当該組成物の1回当たりの使用量を少なくできる点から、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の合計量は、組成物中、20質量%がより好ましく、25質量%がより好ましく、30質量%がより好ましい。また、衣料用液体洗浄剤組成物の使用量が少なすぎず適度な使用勝手で使用できる点で、(a)成分の含有量と(b)成分と(c)成分の含有量の合計は、組成物中、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより更に好ましく、45質量%以下がより更に好ましい。
水の含有量は、全配合原料の合計含有量を100質量%としたときの、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、及び後述の任意成分の合計含有量を除く残部であるが、本発明の組成物を洗浄に使用する水に添加した際に速やかに分散することで、洗浄速度が向上できる。その観点から本発明の組成物において、水の含有量は、組成物中、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましい。
また、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、洗浄速度が向上できる点で、(e1)成分として、分子内に水酸基を1つ以上有する有機溶剤を含有することが好ましい。有機溶剤は、洗浄速度が向上できる点で、分子内に水酸基及びエーテル基を有する有機溶剤が好ましい。
分子内に水酸基を1つ以上有する有機溶剤としては、以下の(e1−1)成分〜(e1−3)成分から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(e1−1)成分:炭素数2以上、6以下の2価以上、6価以下のアルコール〔(e1−3)成分を除く〕
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びグリセリンから選ばれる2価又は3価のアルコールが挙げられる。
(e1−2)成分:炭素数2以上、4以下のアルキレングリコール単位を含有するポリアルキレングリコール
例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールから選ばれるポリアルキレングリコールが挙げられる。
(e1−3)成分:炭素数2以上、4以下のアルキレングリコール単位と、炭素数1以上、4以下のアルキル基とを有する、(モノ又はポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル
例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール及び1−エトキシ−2−プロパノールから選ばれる化合物が挙げられる。
前記(e1−3)成分において「(モノ又はポリ)アルキレングリコール」なる用語は、モノアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールを意味する。また、「ポリアルキレングリコール」とは、アルキレングリコール単位が1分子内に9個以下の量で含有することを意味する。
(e1)成分は、プロピレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる有機溶剤、更にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
(e1)成分の含有量は、洗浄速度が向上できる点から、組成物中、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、13質量%以上が更に好ましい。経済性や保存安定性の点から、(e1)成分の含有量は、組成物中、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましい。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、アルカリ剤〔以下、(e2)成分という〕を含有することが洗浄力の点から好ましい。アルカリ剤は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などの他に、窒素原子に結合する基のうち、1つ以上、3つ以下が炭素数2以上、4以下のアルカノール基であり、残りが炭素数1以上、4以下のアルキル基又は水素原子であるアルカノールアミンを挙げることができる。このうちアルカノール基はヒドロキシアルキル基、更にヒドロキシエチル基であるものが好ましい。アルカノール基以外は水素原子、又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。アルカノールアミンとしては、2−アミノエタノール、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類が挙げられる。本発明では、(e2)成分として、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれるアルカノールアミンが好ましく、モノエタノールアミンがより好ましい。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、(e2)成分を、組成物中、0.01質量%以上、更に0.5質量%以上、そして、10質量%以下、更に8質量%以下含有することが好ましい。なかでも、(e2)成分としてアルカノールアミンを、0.5質量%以上、更に1質量%以上、更に3質量%以上、そして、8質量%以下、更に7質量%以下、更に6質量%以下含有することが好ましい。なお、本発明では、(e2)成分のアルカリ剤、中でもアルカノールアミンの含有量には、(a)成分や(b)成分の対イオンなど、他の成分に由来して組成物中に取り込まれる分も算入するものとする。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物の20℃のpHは、洗浄力の点で、6以上、更に6.5以上、更に7以上が好ましく、そして、11以下、更に9以下、更に8以下が好ましい。pHは、JIS K3362:1998の項目8.3に記載の方法で測定し、その際温度は記載の20℃で測定する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、洗浄時間が1分以上、7分以下の洗浄方法に用いることができる。本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、例えば10分という通常の適度な洗浄時間で十分な洗浄力が得られることに加えて、洗浄時間が1分以上、7分以下の短い洗浄時間でも、10分の洗浄時間で得られる洗浄力とほぼ同等の洗浄力を発現する。そのため、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物を洗浄時間が1分以上、7分以下の洗浄方法に用いることは、作業者に洗浄時間の短縮しても洗浄力が維持されることをより顕著に実感させるものとなる。
〔衣料の洗浄方法〕
本発明は、水と、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物0.01質量%以上、0.2質量%以下とを含有する、温度が0℃以上、35℃以下の洗浄液で、衣料の質量と前記洗浄液の量(リットル)の比で表される浴比が、洗浄液の量(リットル)/衣料の質量(kg)=3以上、50以下の条件で、衣料を1分間以上、7分間以下洗浄する、衣料の洗浄方法を提供する。
洗浄液は、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物を0.01質量%以上、更に0.02質量%以上、そして、0.2質量%以下、更に0.1質量%以下を含有することが好ましい。また、洗浄液は(a)成分の含有量と(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の合計で0.006質量%以上、更に0.01質量%以上、そして、0.08質量%以下、更に0.07質量%以下を含有することが好ましい。
洗浄液を調製する水としては、如何なる水でも良い。例えば、水道水、イオン交換水、井戸水、河川水等が挙げられる。また、洗浄に適した水の硬度としては、ドイツ硬度で1°DH以上、10°DH以下が挙げられる。
洗浄液の温度は、洗浄速度の向上の点で0℃以上が好ましく、3℃以上がより好ましく、5℃以上が更に好ましい。衣料を構成する繊維自身に含まれる油剤を落としすぎず、繊維の風合いを維持する点で、35℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。
近年、洗濯機が大型化し、洗浄液の水量(リットル)と衣料の質量(kg)との比で表される浴比の値、すなわち洗浄液の水量(リットル)/衣料の質量(kg)(以下、この比を浴比とする場合もある)の値が小さくなる傾向にある。浴比が小さくなると、家庭用洗濯機を用いた場合には、攪拌による機械力が衣料に伝わりにくくなり、洗浄力が低下すると言われている。本発明の衣料の洗浄方法は、浴比が小さい洗浄条件下でも、洗浄速度が向上できる。洗浄力の点で、浴比は、4以上、更に5以上が好ましい。また、洗浄速度の向上の効果をより得られる点で、浴比は、45以下、更に40以下、更に30以下、更に20以下が好ましい。
「洗浄速度の向上の効果がより得られる」とは、下記の実施例で示す「洗浄速度の評価」に記載の「5分/10分洗浄相対値(洗浄速度)」の値が、より1に近いことを意味する。
本発明の衣料の洗浄方法は、洗浄時間が短くても十分な洗浄力を得られる。洗浄力の点で洗浄時間は1分以上であり、2分以上が好ましく、3分以上がより好ましい。洗浄速度の向上の効果がより得られる点で、7分以下であり、5分以下が好ましい。
本発明の衣料の洗浄方法は、繊維の精練方法のように、ローラー等で繊維を送りながら、精錬に使用する液に浸漬する方法よりも、消費者の用途に合わせて繊維を構成した衣料の様に、均一に機械力がかからないような対象物に対して、本発明の効果が得られる。また、回転式洗浄方法において本発明の洗浄方法は適している。回転式洗浄方法とは、回転機器に固定されていない衣料が洗浄液と共に、回転軸の周りに回転する洗浄方法を意味する。回転式洗浄方法は回転式洗濯機により実施できる。従って、本発明では、衣料の洗浄を、回転式洗濯機を用いて行うことが好ましい。
<衣料用液体洗浄剤組成物>
300mlのガラス製ビーカーに、直径60mmのスターラーピース(テフロン(登録商標)製)を入れ、出来上がり質量が200g、且つ表1に記載の含有量になるように(a)成分、(b)成分又は(b’)成分、(c)成分及び必要量の95質量%の水を投入した。投入後、100回転/分の回転数で20分攪拌した。その後、(d)成分、(e1)成分を投入し、(e2)成分で組成物のpHを表1に記載のpHに調整し、残分の水を用いて最終出来上がり質量(200g)になるように調整し、表1の配合例の衣料用液体洗浄剤組成物を得た。pHは、JIS K3362:1998の項目8.3に記載の方法で測定した(測定時の組成物の温度は20℃)。なお、組成物の調製に用いた成分は以下のものである。
(a)成分
(a−1):炭素数10〜14の直鎖アルキル基(平均炭素数12)を有するアルキルベンゼンスルホン酸(尚、(a−1)成分は表1記載のpHが8.0の液体洗浄剤組成物中では酸塩の状態で含有している。)
(b)成分
(b−1):一般式(1)において、Rが炭素数12、14の直鎖1級アルキル基、AOがプロピレンオキシ基、pが2.0、qが0、Mがモノエタノールアンモニウムの化合物(表中の濃度は酸型の濃度とし、対塩のモノエタノールアンモニウム塩は、モノエタノールアミンの濃度に換算し、(e2)成分に含めた)。
(b−2):一般式(1)において、Rが炭素数12、14の直鎖1級アルキル基、AOがプロピレンオキシ基、pが2.0、qが2.0、Mがモノエタノールアンモニウムの化合物であり、AOとEOは、RO−(AO)2.0−(EO)2.0−の順でブロック結合している(表中の濃度は酸型の濃度とし、対塩のモノエタノールアンモニウム塩は、モノエタノールアミンの濃度に換算し、(e2)成分に含めた)。
(b’)成分((b)成分の比較化合物)
(b’−1):一般式(1)において、Rが炭素数12、14の直鎖1級アルキル基であり、pが0、qが2.0、Mがモノエタノールアンモニウムの化合物(表中の濃度は酸型の濃度とし、対塩のモノエタノールアンモニウム塩は、モノエタノールアミンの濃度に換算し、(e2)成分に含めた)。
(c)成分
(c−1):N−ラウリル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド〔一般式(2)中、R1が炭素数12の直鎖アルキル基、R2、R3、R4がそれぞれメチル基、X-がCl-である化合物〕
(c−2):N−ラウリル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド〔一般式(2)中、R1が炭素数12の直鎖アルキル基、R2が−(A1O)s−H(AOはエチレンオキシ基、sは1)、R3、R4がそれぞれメチル基、X-がCl-である化合物〕
(d)成分
(d−1):炭素数12〜14の2級アルコールにエチレンオキサイドを平均7モル付加させた化合物〔ソフタノール70(商品名)、株式会社日本触媒製〕
(d−2):炭素数12の1級アルコールにエチレンオキサイドを平均4モル付加させた化合物
(d−3):炭素数12の1級アルコールにエチレンオキサイドを平均6モル付加させた化合物
(e1)成分
(e1−1−1):プロピレングリコール
(e1−3−1):ジエチレングリコールモノブチルエーテル
(e2)成分
(e2−1):モノエタノールアミン
水:次亜塩素酸塩ナトリウムを3mg/kgの量で含むイオン交換水
Figure 0006138674
<評価>
表1の衣料用液体洗浄剤組成物を以下の評価に供することで、各種汚れに対する洗浄力や、洗浄時間を短くした場合の洗浄力を評価することができる。表1に各評価を行った結果を示した。なお、表中では、便宜的に(b’)成分を(b)成分とみなして各質量比を示した。
(1)洗浄力評価
<評価用の汚染布の調製>
・皮脂汚れ汚染布(モデル皮脂人工汚染布)の調製
下記組成のモデル皮脂人工汚染液を布に付着してモデル皮脂人工汚染布を調製する。モデル皮脂人工汚染液の布への付着は、グラビアロールコーターを用いて人工汚染液を布に印刷することで行う。モデル皮脂人工汚染液を布に付着させモデル皮脂人工汚染液を作製する工程は、グラビアロールのセル容量58cm3/m2、塗布速度1.0m/min、乾燥温度100℃、乾燥時間1minで行う。布は木綿2003(谷頭商店製)を使用する。
*モデル皮脂人工汚染液の組成:ラウリン酸0.4質量%、ミリスチン酸3.1質量%、ペンタデカン酸2.3質量%、パルミチン酸6.2質量%、ヘプタデカン酸0.4質量%、ステアリン酸1.6質量%、オレイン酸7.8質量%、トリオレイン13.0質量%、パルミチン酸n-ヘキサデシル2.2質量%、スクアレン6.5質量%、卵白レシチン液晶物1.9質量%、鹿沼赤土8.1質量%、カーボンブラック0.01質量%、水残部(合計100質量%)
・食べこぼし汚れ(ミートソース汚染布)の調製
市販のレトルトミートソース(ママー製)を木綿メリヤス布(谷頭商店製)に0.15g塗布し、均一に塗り広げて25℃、43%RHの環境下で12時間乾燥させたものを試験に供する。
・人工泥汚れ汚染布の調製
鹿沼園芸用赤玉土を120℃±5℃で4時間乾燥後、粉砕し、150メッシュ(100μm)パスのものを120℃±5℃で2時間乾燥後、±150gを1000Lのパークレン中に分散して分散液を得る。得られた分散液に金巾#2023布(木綿布、10cm×10cm)を接触させた後、ブラッシングし、分散液を除去した後、布表面に過剰に付着した泥を取り除いて泥汚れ評価用の汚染布を得る。
<洗浄試験>
・皮脂洗浄力の評価
(1)洗浄速度の評価
上記で作製したモデル皮脂人工汚染布(6cm×6cm)5枚を、ターゴトメーター(Ueshima, MS-8212)にて、85rpmで5分間又は10分間洗浄する。洗浄の際の攪拌は、ターゴトメーター用の3枚羽根付き攪拌棒(底部直径6.8cm、羽根の最大長さは攪拌棒から半径方向で4.0cm)により行った。洗浄条件は、何れも液体洗浄剤組成物濃度0.033質量%、水温は20℃であり、浴比は20(木綿2003(谷頭商店製)を6cm×6cmに裁断した布で調整)であり、洗浄後、水道水(20℃)で3分間濯ぐ。洗浄率を上記(1)の方法にて測定し、5枚の平均値を求める。洗浄時間5分、10分の各洗浄率(平均値)により、次式によって5分/10分洗浄相対値を求める。
5分/10分洗浄相対値(洗浄速度)=洗浄時間5分における洗浄率(%)/洗浄時間10分における洗浄率(%)
「5分/10分洗浄相対値(洗浄速度)」の値が、より1に近い方が好ましい。
(2)前記の「洗浄速度の評価」において、洗浄時間5分、10分の洗浄率(平均値)を、比較配合例1と比較することで、実施例又は比較例の皮脂の洗浄力を評価できる。比較配合例1よりも洗浄率(平均値)が高い方が好ましい。
・食べこぼし汚れ(ミートソース汚染布)の洗浄試験
評価用液体洗浄剤組成物を、上記で作製したミートソース汚染布(6cm×6cm)5枚に、それぞれ67μL直接塗り、その状態で5分間静置したのち、1Lの水道水に入れてターゴトメーター(Ueshima, MS-8212、攪拌部材は前記と同じ)にて85rpmで洗浄する。洗浄条件は洗浄時間10分、洗浄時洗剤組成物濃度0.033質量%、水温は20℃であり、洗浄後、水道水(20℃)で3分間濯ぐ。
汚染前の原布、及び洗浄前後の550nmにおける反射率を測色色差計(日本電色株式会社製 Z−300A)にて測定し、次式によって洗浄率(%)を求める(5枚の洗浄率の平均値を求める)。
洗浄率(%)=100×[(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/(原布の反射率−洗浄前の反射率)]
比較配合例1の組成物の洗浄率(%)を基準として、次式によって相対洗浄値を求める。
相対洗浄値=〔対比する実施例又は比較例の洗浄率(%)〕−〔比較配合例1(基準組成物)の洗浄率(%)〕
相対洗浄値の値が高い程、洗浄力が高いことを示す。相対洗浄値の差が3以上あれば有意な差が認められる。
・泥汚れ汚染布の洗浄力試験
洗浄剤水溶液1Lに、上記で作製した人工泥汚れ汚染布(人工汚染布)を5枚入れ、かき混ぜ式洗浄力試験機(ターゴトメーター、株式会社上島製作所製、攪拌部材は前記と同じ)を用いて、以下の条件で洗浄する。
・洗浄条件
回転数:100rpm、洗浄時間:10分、液体洗浄剤組成物の濃度:0.133質量%、水の硬度:4°DH、水温:20℃、濯ぎ:水道水にて5分間
洗浄力は汚染前の原布及び洗浄前後の汚染布の反射率を自記色彩計(株式会社島津製作所製)にて測定し、下記式により、洗浄率(%)(汚染布5枚の測定平均)を算出する。洗浄率(%)=[(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/(原布の反射率−洗浄前の反射率)]×100
比較配合例1の組成物の洗浄率(%)を基準として、次式によって相対洗浄値を求める。
相対洗浄値=〔対比する実施例又は比較例の洗浄率(%)〕−〔比較配合例1(基準組成物)の洗浄率(%)〕
相対洗浄値の値が高い程、洗浄力が高いことを示す。相対洗浄値の差が3以上あれば有意な差が認められる。

Claims (5)

  1. 下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び水を含有し、
    (a)成分の含有量と(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の合計量が15質量%以上、70質量%以下であり、
    (c)成分の含有量と、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の合計量との質量比が、(c)成分/〔(a)成分+(b)成分〕で、0.02以上、0.2以下であり、
    (b)成分の含有量と(a)成分の含有量との質量比が、(b)成分/(a)成分で、0.15以上、10以下である、
    衣料用液体洗浄剤組成物。
    (a)成分:アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩
    (b)成分:下記一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤
    RO−〔(AO)p/(EO)q〕−SO3M (1)
    〔式中、Rは炭素数8以上、22以下の炭化水素基を示し、AOは炭素数3のアルキレンオキシ基及び炭素数4のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、p及びqは平均付加モル数を示し、pは0.5以上、5以下の数、qは0以上、10以下の数である。“/”はAO基及びEO基がランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。Mは陽イオンである。〕
    (c)成分:下記一般式(2)で表される第4級アンモニウム塩
    Figure 0006138674
    〔式中、R1は炭素数10以上、14以下の炭化水素基であり、R2は炭素数7以上、14以下の炭化水素基、炭素数1以上、3以下の炭化水素基、及び−(A1O)s−H(式中、A1Oは、炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基、sは1以上、5以下の数である。)から選ばれる基であり、R3、R4は、それぞれ独立に、炭素数1以上、3以下の炭化水素基及び−(A1O)s−H(式中、A1O、sは前記と同じ。)から選ばれる基である。分子内に複数存在する(A1O)は同一又は異なっていても良い。X-はハロゲンイオン、CH3SO4 -又はCH3CH2SO4 -である。〕
    (d)成分:下記一般式(3)で表される非イオン界面活性剤
    5O−(EO)t−H (3)
    〔式中、R5は炭素数8以上、18以下の炭化水素基を示し、EOはエキレンオキシ基を示し、tは平均付加モル数を示し、1以上、10以下の数である。〕
  2. (d)成分の含有量と、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の合計量との質量比が、(d)成分/〔(a)成分+(b)成分〕で、0.1以上、2以下である、請求項1に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  3. 洗浄時間が1分以上、7分以下の洗浄方法に用いられる、請求項1又は2に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  4. 水と、請求項1〜3の何れかに記載の衣料用液体洗浄剤組成物0.01質量%以上、0.2質量%以下とを含有する、温度が0℃以上、35℃以下の洗浄液で、前記洗浄液の量(リットル)と衣料の質量(kg)との比で表される浴比が、洗浄液の量(リットル)/衣料の質量(kg)=3以上、50以下の条件で、衣料を1分間以上、7分間以下洗浄する、衣料の洗浄方法。
  5. 衣料の洗浄を、回転式洗濯機を用いて行う、請求項4に記載の衣料の洗浄方法。
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