前記(0)に記載の発明によれば、遊技盤は、その前面に、遊技球の打ち込まれる遊技領域が形成されており、遊技領域の所定箇所に遊技部品が配設されている。また、この遊技部品の裏面側は、遊技盤の裏面に露出または突出している。また、遊技盤の裏面で遊技部品と重なる所定箇所には、所定の遊技に関する制御を行う制御基板を内部に収容する基板ユニットが、取付手段によって取り付けられている。つまり、基板ユニットまたは遊技盤の一方から突出した突出部材が、基板ユニットまたは遊技盤のその他方に設けられた筒部に挿入され、そして、規制手段は、突出部材を筒部に挿入する方向への移動を許容し、それとは逆に、抜く方向への移動を規制する。
したがって、例えば遊技部品の別機種品等への交換(例えば、可変入賞装置の別機種品等への単品交換)によって、遊技盤裏面での可変入賞装置部分の突出量が交換前よりも小さくなった場合であっても、基板ユニットまたは遊技盤の一方の突出部材を、基板ユニットまたは遊技盤のその他方の筒部にさらに挿入していくことで、その交換後の遊技部品に基板ユニットを近づけることができ、突出部材が筒部に挿入されるにつれて基板ユニットから交換後の遊技部品までの隙間が小さくなっていき、基板ユニットから交換後の遊技部品までの隙間が無いあるいは低減した状態にまで基板ユニットを交換後の遊技部品に近づけた状態とすることができる。
その結果、遊技部品の別機種品等への交換によって遊技盤裏面突出量が下がった場合であっても、スペーサ部材を用いることなく基板ユニットから交換後の遊技部品までの隙間を低減できる遊技機を提供することができる。
前記(1)に記載の発明によれば、解除手段は、規制手段による突出部材の抜き方向への移動の規制を解除する。したがって、例えば遊技部品の別機種品等への交換(例えば、可変入賞装置の別機種品等への単品交換)によって、遊技盤裏面での可変入賞装置部分の突出量が前よりも大きくなった場合であっても、解除手段の解除により突出部材の抜き方向移動が許容され、基板ユニットまたは遊技盤の一方の突出部材を、基板ユニットまたは遊技盤のその他方の筒部から抜いていくことで、基板ユニットから交換後の遊技部品までの隙間が無いあるいは低減した状態とすることができる。
その結果、遊技部品の別機種品等への交換によって遊技盤裏面突出量が上がった場合であっても、スペーサ部材を用いることなく基板ユニットから交換後の遊技部品までの隙間を低減できる遊技機を提供することができる。
前記(2)に記載の発明によれば、突出部材は、基板ユニットから突出した突出棒体であり、当該突出棒体の周方向に沿って形成された環状の溝部がその突出棒体の長手方向に所定の間隔を空けて複数個形成されたものである。筒部は、遊技盤に設けられている。規制手段は、筒部の内周面の所定箇所に形成された、溝部に係止される爪部を備えている。解除手段は、筒部での遊技盤前面側の開口から挿入された解除用具を爪部に当接させて当該爪部を溝部から外れる方向に逃がすことで、規制手段による突出部材の抜き方向への移動の規制を解除するものである。したがって、突出部材の抜き方向への移動の規制を解除する場合には、解除用具を筒部の遊技盤前面側の開口から挿入しなければならない。つまり、遊技盤前面から筒部にアクセス可能な状態にしなければならないことから、その分手間がかかり、より不正対策に優れている。また、筒部での遊技盤前面側の開口から挿入された解除用具を爪部に当接させて当該爪部を溝部から外れる方向に逃がすことで、規制手段による突出部材の抜き方向への移動の規制を解除するので、規制手段による抜き方向への移動の規制を、好適に解除できる。
前記(3)に記載の発明によれば、解除用具は、内部に突出棒体が挿入可能な筒状部材であり、かつ、その先端側外周をテーパ形状としている。爪部の逆テーパ部は、解除用具の先端の差し込みを受ける。したがって、解除用具を筒部の遊技盤前面側の開口から挿入し、この解除用具の中空部分に突出棒体を挿入していくことで、解除用具を規制手段の方に案内でき、しかもこの解除用具の先端が爪部に到達すると当該爪部の逆テーパ部に差し込まれ、解除用具の先端側が爪部の逆テーパ部に差し込み進出するに連れて爪部を突出棒体の溝部から外れる方向に逃がすようにでき、解除用具の差し込みによって簡単に突出棒体の筒部への係止を解除することができる。
前記(4)に記載の発明によれば、突出棒体は、基板ユニットに一体的に設けられているので、この突出棒体を基板ユニットから取り外すことを低減でき、突出棒体を破壊や切断などして取り外すと、その破壊など痕跡から不正行為があったことを発見でき、突出棒体を不正に取り外す等による不正を低減できる。
前記(5)に記載の発明によれば、突出棒体は、基板ユニットとは別体であり、かつ、その先端側が、基板ユニットに形成された貫通孔に挿入可能で、その他端側が貫通孔に挿入不可である形状としているので、突出棒体の先端側を筒部から抜かなければ、基板ユニットから取り外すことができないし、この突出棒体の他端側を破壊したり、突出棒体を切断したりすると、その破壊など痕跡から不正行為があったことを発見でき、突出棒体を不正に取り外す等による不正を低減できる。
前記(6)に記載の発明によれば、貫通孔は、基板ユニットの所定箇所に所定方向に並べて間隔を空けて二個形成されている。筒部は、遊技盤での貫通孔にそれぞれ設けられている。突出棒体は、その先端側から他端側までの間の所定箇所を折り曲げてL字状とした部材である。突出部材は、突出棒体を二本備え、二本の突出棒体の他端同士を留める留め具を備え、かつ、基板ユニットの二個の貫通孔にそれぞれの突出棒体の先端側が挿入されることで基板ユニットから突出した構成となっており、それぞれの突出棒体の先端側が遊技盤の筒部にそれぞれ挿入される。したがって、二本のL字状の突出棒体を留め具で留めたコノ字状の突出部材の両先端を、基板ユニットの二個の貫通孔にそれぞれ挿入して遊技盤の二個の筒部にそれぞれ挿入することで、基板ユニットを遊技盤に固定することができ、そのコノ字状の突出部材を可能な限りに筒部に挿入していくことで、基板ユニットと遊技盤との隙間が無いあるいは低減した状態とすることができる。また、突出部材を構成するこの二本の突出棒体の他端同士を対向させた状態で留めているので、基板ユニットが勝手に開いてしまうことを防止できる。
前記(7)に記載の発明によれば、留め具は、二本の突出棒体の他端同士の留めを解除可能なものである。留め具による留めが解除された二本の突出棒体は、それぞれ貫通孔周りに回動可能であり、その他端側を同一方向に向けた状態とすることで、基板ユニットをその突出棒体に沿って開閉することができ、基板ユニットの裏面側の確認を行うことができる。
前記(8)に記載の発明によれば、留め具は、二本の突出棒体の一方に固定されているので、この留め具による留めを解除した場合であっても、一方の突出棒体に留め具が付いたままであり、留め具が紛失することを防止できる。
前記(9)に記載の発明によれば、遊技部品は、その裏面側の所定箇所に、基板ユニットが当接する台座を備えているので、取付手段によって基板ユニットを遊技部品に近づけていく際に、基板ユニットが台座に当接して隙間の無い状態となり、遊技部品での台座以外の箇所が基板ユニットに当接されて損傷することを防止できる。
前記(10)に記載の発明によれば、基板ユニットは、制御基板と基板ケースと封印手段とを備えている。基板ケースは、前記制御基板を内部に収容する。封印手段は、基板ケースを封印し、その所定箇所が破壊されることで、当該封印が解除されるものである。したがって、不正行為者は、制御基板に対して不正行為を行うために、基板ケースから制御基板を取り出したいのであるが、封印手段によって基板ケースが封印されており、制御基板を取り出すことが困難となっているし、封印破壊すればその破壊痕跡を見つけることで不正行為を発見できる。また、基板ユニットごと取り外そうとしても、基板ユニットが取付手段によって遊技盤に取り付けられており、突出部材を筒部から抜けないので、基板ユニットを遊技盤から不正に取り外すことが困難となっている。その結果、制御基板や基板ユニットを不正に取り外すことができず、不正行為を低減できる。
前記(11)に記載の発明によれば、基板ユニットは、制御基板と基板ケースと封印手段とベース部材とを備えている。基板ケースは、前記制御基板を内部に収容する。封印手段は、基板ケースを封印し、その所定箇所が破壊されることで、当該封印が解除されるものである。また、ベース部材には基板ケースが取り付けられている。したがって、不正行為者は、制御基板に対して不正行為を行うために、基板ケースから制御基板を取り出したいのであるが、封印手段によって基板ケースが封印されており、制御基板を取り出すことが困難となっているし、封印破壊すればその破壊痕跡を見つけることで不正行為を発見できる。また、基板ユニットごと取り外そうとしても、基板ユニットの基板ベースが取付手段によって遊技盤に取り付けられており、突出部材を筒部から抜けないので、基板ユニットを遊技盤から不正に取り外すことが困難となっている。その結果、制御基板や基板ユニットを不正に取り外すことができず、不正行為を低減できる。
前記(12)に記載の発明によれば、枠体は、その裏面側に、遊技領域を視認可能に遊技盤が取り付けられている。筒部での遊技盤前面側の開口は、枠体で隠されている。したがって、枠体から遊技盤を取り外さなければ、筒部での遊技盤前面側の開口にアクセスすることができないため、その分手間がかかり、より不正対策に優れている。
前記(13)に記載の遊技機によれば、遊技部品の別機種品等への交換によって遊技盤裏面突出量が変化した場合であっても、スペーサ部材を用いることなく基板ユニットから交換後の遊技部品までの隙間を低減できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記(14)に記載の遊技機によれば、遊技部品の別機種品等への交換によって遊技盤裏面突出量が変化した場合であっても、スペーサ部材を用いることなく基板ユニットから交換後の遊技部品までの隙間を低減できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記(15)に記載の遊技機によれば、遊技部品の別機種品等への交換によって遊技盤裏面突出量が変化した場合であっても、スペーサ部材を用いることなく基板ユニットから交換後の遊技部品までの隙間を低減できる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベースの前面側で片開き自在な前面枠セット14と、樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースに着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置するガラス枠部23とを備えている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具により固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿19の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部とを備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、前述した上皿19の上側に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。図示省略のガラスユニットは、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
加えて、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面側で窓部101の周囲(例えば、上箇所、左箇所、右箇所など)に各種の電飾部を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁でその左箇所及び右箇所には、LED等を内蔵した左側電飾部及び右側電飾部がそれぞれに設けられ、窓部101の周縁でその上箇所(パチンコ機10の最上部)には、同じくLED等を内蔵した上側電飾部が設けられている。
本パチンコ機10では、左側電飾部、右側電飾部および上側電飾部は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10のコーナー部には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側から視認可能な状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第1の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第1の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。なお、上部側の第1の始動口33aと下部側の第1の始動口33bとは、図2に示すように、単一の始動入賞装置33で構成されている。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム(図示省略)が位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム(図示省略)に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板のうちで後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを遊技盤30の裏面に個別に装着している。また、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を所定の取付台(図示省略)に搭載してユニット化し、このユニットを内枠12の裏面に装着するようにしている。ここでは、このユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット202,203の詳細な構成については後述する。
第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット202,203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
主制御装置261とサブ制御装置262とは、遊技盤30の裏面の所定箇所にそれぞれ搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース265と該ボックスベース265の開口部を覆うボックスカバー267とを備えている。これらボックスベース265とボックスカバー267とは、後述する図6に示す封印ユニット269によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット269はボックスベース265とボックスカバー267とを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、例えば5つの封印部材271が連結された構成となっており、後述の図6に示すように、この封印部材271の長孔271aに封印爪(図示省略)を挿入することでボックスベース265とボックスカバー267とが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット269による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット269(図6参照)を構成する5つの封印部材271のうち、少なくとも一つの封印部材271の長孔271aに封印爪(図示省略)を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、封印爪(図示省略)が挿入された封印部材271の所定箇所を切断し(この切断された封印部材271は当然にその切断跡、つまり破壊痕跡が残った状態となっている)、封印爪(図示省略)による封印を解除する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材271の長孔271aに封印爪(図示省略)を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について図6〜図13を用いて説明する。
図6は、取付器具420によって主制御装置261が裏面側に取り付けられた遊技盤30の概略裏面斜視図である。図7は、遊技盤30での取付器具420の箇所の断面図である。
なお、遊技盤30は、図6に示すように、その所定箇所に、破線で示す開口30bを備えており、遊技盤30の前面側からこの開口30bを通じて第3図柄表示装置42(図2参照)の表示画面が見えるようになっている。また、図6では、遊技盤30の裏面側に設けられた集合板410、主制御装置261および取付器具420を図示し、第3図柄表示装置42などのその他の装置については図示省略している。
本実施例のパチンコ機10は、図2に示すように、遊技球の打ち込まれる遊技領域30aが前面に形成された遊技盤30を備えている。また、遊技盤30は、図2に示すように、遊技領域30aの所定箇所に可変入賞装置32が配設され、かつ、図7に示すように、遊技盤30の裏面に可変入賞装置32の裏面側が突出している。つまり、遊技盤30は、図7に示すように、その所定箇所に予め貫通孔30cが形成されている。可変入賞装置32は、遊技盤30の前面側からこの貫通孔30cに挿入されて取り付けられている。
図6に示すように、遊技盤30は、その裏面側の所定箇所(例えば、裏面視で開口30bの周囲箇所)に、集合板410が固定されている。具体的には、図6に示すように、集合板410は、正面視でその外周で複数箇所に、図示省略のネジが挿入される貫通孔413が形成されており、これらの貫通孔413にネジが挿入された状態でこのネジを締結することで、集合板410が遊技盤30の裏面側に固定されている。したがって、これらのネジ(図示省略)を取り外さない限り、集合板410を遊技盤30から取り外すことができないようになっている。
この集合板410は、遊技盤30の前面側の遊技領域30aから裏面側に案内されてきた遊技球を集めて排出するためのものである。集合板410は、例えば、図2に示した遊技盤30の前面側での遊技領域30aにおける一般入賞口31や可変入賞装置32や第1の始動口33a,33bなどに入賞して遊技盤30の裏面側に案内されてきた遊技球を集めて下方向に排出するための案内通路415がそれぞれに形成されている。
なお、図7に示すように、遊技盤30の厚みはd1であり、集合板410の案内通路415(樋)の高さはd2である。また、図7に示すように、可変入賞装置32に入賞して遊技盤30の裏面側に案内されてきた遊技球Bは、集合板410の案内通路415を通って二点鎖線矢印方向に案内される。
また、本実施例のパチンコ機10は、図6に示すように、遊技盤30の裏面側の所定箇所に、所定の遊技に関する制御としての当該パチンコ機10の遊技を統括制御する主制御装置261を備えている。この主制御装置261は、前述のパチンコ機10の遊技を統括制御する主制御基板261a(図4参照)を収容する基板ボックス263を備えている。
基板ボックス263は、図6に示すように、ボックスベース265とボックスカバー267とを備え、このボックスベース265とボックスカバー267とが合わされた状態でその内部空間に主制御基板261a(図4参照)を収容するものである。この実施例では、有底箱型のボックスベース265の開口部を塞ぐように、ボックスカバー267がこのボックスベース265にスライド装着されるようになっている。
さらに、この基板ボックス263は、図6に示すように、ボックスベース265とボックスカバー267とを封印(封止)する封印部材271を複数個(本実施例では5個)有する封印ユニット269を備えている。封印ユニット269は、その所定の封印部材271の箇所が破壊されることで、その封印部材271による封印が解除されるものである。
具体的には、封印部材271の長孔271aに封印爪(図示省略)を挿入することでボックスベース265とボックスカバー267とが開封不能に連結されるようになっている。すなわち、封印ユニット269を構成する5つの封印部材271のうち、少なくとも一つの封印部材271の長孔271aに(図示省略)を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、封印爪(図示省略)が挿入された封印部材271の所定箇所を切断し(この切断された封印部材271は当然にその切断跡、つまり破壊痕跡が残った状態となっている)、封印爪(図示省略)による封印を解除する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材271の長孔271aに封印爪(図示省略)を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
さらに、本実施例のパチンコ機10は、図6に示すように、遊技盤30の裏面で、かつ、当該遊技盤30の裏面視で可変入賞装置32と重なる所定箇所に、基板ボックス263を取り付ける取付器具420を備えている。
ここで、この取付器具420について、図8〜図11も用いて以下に詳細に説明する。
図8(a)は開いた状態の留め具460の底面を示す図であり、図8(b)は開いた状態の留め具460の内部を示す正面図であり、図8(c)は閉じた状態の留め具460の底面を示す図である。図9(a)〜(c)は、解除用具480の側面図、正面図、斜視図であり、図9(d)〜(f)は、規制部材450の斜視図、正面図、側面図である。図10(a)は、L字丸棒431が挿入口から挿入された筒部440の解除口に解除用具480が挿入された状態での当該解除用具480の案内用突起部482で縦断面した縦断面図であり、図10(b)は、(a)と同じ状態での当該解除用具480の先細り先端突起部481で縦断面した縦断面図である。図11(a)は、取付器具420の両L字丸棒431を留め具460で留めた状態を示す図であり、図11(b)は、留め具460を外して両L字丸棒431を同一方向に向けた状態の底面図である。
この取付器具420は、図6に示すように、基板ボックス263から突出した突出部材430と、遊技盤30に設けられた、突出部材430が挿入される筒部440と、この突出部材430を筒部440に挿入する方向への移動は許容し、抜く方向への移動を規制する規制部材450(図7参照)と、を備えている。
突出部材430は、図7に示すように、一部が基板ボックス263から突出したL字丸棒431を含むものであり、当該L字丸棒431の周方向に沿って形成された環状の溝部432がそのL字丸棒431の長手方向に所定の間隔を空けて複数個形成されたものである。
突出部材430は、図7に示すように、L字丸棒431を二本備え、この二本のL字丸棒431の他端同士を留める留め具460を備え、かつ、基板ボックス263の二個の貫通孔264にそれぞれのL字丸棒431の先端側が挿入されることで基板ボックス263から突出した構成となっており、それぞれのL字丸棒431の先端側が遊技盤30の筒部440にそれぞれ挿入されるようになっている。
L字丸棒431は、その先端側(筒部440に挿入される一端側)から他端側(留め具460で留められる他端側)までの間の所定箇所、例えば、他端側(留め具460で留められる他端側)から基板ボックス263の短手方向長さの半分程度の箇所で折り曲げた金属製部材(例えば、L字状とした金属製部材)である。
なお、L字丸棒431は、基板ボックス263の二個の貫通孔264間の長さを考慮して当該貫通孔264に挿入可能なように折り曲げた構成としている。また、L字丸棒431のその折り曲げ程度は、図7に示すように円弧状に折り曲げた程度としてもよいし、直角に折り曲げるなど急激に折り曲げたものを採用してもよい。
また、このL字丸棒431は、図6,図7に示すように、基板ボックス263とは別体であり、かつ、その先端側が、基板ボックス263に形成された貫通孔264に挿入可能で、その他端側が貫通孔264に挿入不可である形状としている。例えば、図7に示すように、L字丸棒431の他端側は、当該他端側以外の箇所よりも大きく、かつ、貫通孔264よりも大きくした円板部433を備えており、その他端側(つまり円板部433)が貫通孔264に挿入されないようにしている。
貫通孔264は、図6,図7に示すように、基板ボックス263の所定箇所(例えば、遊技盤30の裏面側に取り付けられた状態の基板ボックス263を見た状態での左端側箇所)に所定方向(例えば、縦方向)に並べて間隔を空けて二個形成されている。
筒部440は、図6,図7に示すように、遊技盤30での貫通孔30cにそれぞれに設けられている。つまり、筒部440は、図7に示すように、その一部が遊技盤30の貫通孔30cに挿入された状態で固定されている。この筒部440での遊技盤前面側の開口(解除口)は、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態においてこの内枠12の一部により隠された状態となっていることから、遊技盤30を内枠12に対して取り外した状態とすることで、その解除口にアクセス可能となる。
規制部材450は、図7,図10(b)に示すように、筒部440の内周面の所定箇所に形成された、L字丸棒431の溝部432に係止される爪部441を備えている。
さらに、この取付器具420は、図7に示すように、規制部材450による突出部材430の抜き方向への移動の規制を解除する解除部470を備えている。
解除部470は、図7,図10(b)に示すように、筒部440での遊技盤前面側の開口(解除口)から挿入された解除用具480を爪部441に当接させて当該爪部441を溝部432から外れる方向に逃がすことで、規制部材450による突出部材430の抜き方向への移動の規制を解除するものである。
解除用具480は、図9(a)〜(c)に示すように、その内部にL字丸棒431が挿入可能な筒状部材であり、かつ、図10(b)に示すように、その先端側外周をテーパ形状とした先細り先端突起部481を備えている。
また、解除用具480は、図9(b)に示すように、その正面視で十字の四箇所に案内用突起部482を備えている。つまり、前述した先細り先端突起部481は、図9に示すように、各案内用突起部482間にそれぞれ位置するように設けられている。
規制部材450は、図9(d)に示すように、その正面視で十字の四箇所に、解除用具480の案内用突起部482が挿入される案内用溝部451を備えている。また、規制部材450の爪部441は、図9(d),図10(b)に示すように、解除用具480の先端の差し込みを受ける逆テーパ部452を備えている。
つまり、解除用具480は、規制部材450による規制を解除する場合に、図10(a)に示すように、その案内用突起部482が筒部440内の規制部材450の案内用溝部451に挿入された状態で、かつ、図10(b)に示すように、その先細り先端突起部481が筒部440内の爪部441の逆テーパ部452に当接させるように、当該筒部440の遊技盤前面側開口からその筒内に挿入されるものである。つまり、解除用具480の案内用突起部482を規制部材450の案内用溝部451に挿入させてこの解除用具480を筒内に押し込むことで、L字丸棒431の規制が解除される(つまり、L字丸棒431の抜き方向への移動が可能となる)ようになっている。
留め具460は、図7に示すように、二本のL字丸棒431の他端同士の留めを解除可能なものである。具体的には、留め具460は、図8に示すように、円筒形状の部材としており、その両端の円形平面461(両底面)の中心にL字丸棒431の直径よりも大きい円形の開口462がそれぞれ形成され、かつ、当該円筒を縦方向(高さ方向)に半分に分割した中空の半円筒体463を、その分割面と柱面とが交差する一方の線を開閉軸として開閉可能に結び付けた連結部464を備え、両方の半円筒体463の連結部464から遠い方の対向面箇所に嵌合部465を備えた構造となっている。また、この両方の半円筒体463の内側には、L字丸棒431の他端側の円板部433が抜けないように規制する半円柱状に凹んだ留め穴466をそれぞれ備えている。
一方の半円筒体463の止め穴に両L字丸棒431の円板部433を向き合わせた状態で、当該両方の半円筒体463を閉じて嵌合部465を嵌合させた状態とすることで、この留め具460が閉じられた状態となり、かつ、二本のL字丸棒431の他端同士が留め具460によって留められた状態となる。
ところで、留め具460による留めが解除された二本のL字丸棒431は、それぞれ基板ボックス263の貫通孔264および筒部440の周りに回動可能であり、かつ、その他端側を同一方向に向け得るものである。例えば、図11(a)に示すように、二本のL字丸棒431の他端側を、パチンコ機10の裏面視で左方向にそれぞれ向けることができる。つまり、図11(b)に示すように、L字丸棒431の他端側を遊技盤30の裏面視で左側に向けることができる。
可変入賞装置32は、その裏面側の所定箇所に、基板ボックス263が当接する台座32bを備えている。
なお、上述した可変入賞装置32が本発明における遊技部品に相当し、上述した主制御基板261aが本発明における制御基板に相当し、上述した基板ボックス263が本発明における基板ユニットに相当し、上述した取付器具420が本発明における取付手段に相当し、上述した規制部材450が本発明における規制手段に相当し、上述した解除部470が本発明における解除手段に相当し、上述したL字丸棒431が本発明における突出棒体に相当し、上述した封印ユニット269が本発明における封印手段に相当する。
<基板ボックス263の取り付け手順>
ここで、取付器具420を用いて、基板ボックス263を遊技盤30の裏面側に取り付ける手順について、図12も用いて詳細に説明する。
図12(a)は、両L字丸棒431の他端同士を留め具460で留めた状態の突出部材430を基板ボックス263の各貫通孔264に挿入する様子を示す図であり、図12(b)は、図12(a)の両L字丸棒431の先端側を遊技盤30の筒部440にそれぞれ挿入して基板ボックス263を遊技盤30の裏面側に取り付けた状態を示す図である。
まず、図12(a)に示すように、両L字丸棒431の他端同士を留め具460で留めた状態の突出部材430の先端側を、基板ボックス263の各貫通孔264にそれぞれ挿入する。
そして、図12(a)で基板ボックス263の貫通孔264に挿入された状態の突出部材430の先端側、つまり、両L字丸棒431の先端側を、図12(b)に示すように、遊技盤30の筒部440にそれぞれ挿入し、さらに、可変入賞装置32の台座32bに基板ボックス263が当接するまで突出部材430の挿入を続ける。こうすることで、図12(b)に示すように、基板ボックス263が可変入賞装置32の台座32bに当接しており、基板ボックス263を遊技盤30の裏面側の可変入賞装置32に対して隙間無く取り付けられている。
なお、図6に示すように、基板ボックス263は、裏面視で左端に設けられた取付器具420を用いることで、図7,図12(b)に示すように、基板ボックス263が遊技盤30の裏面側の可変入賞装置32に対して隙間無く取り付けられており、図6,図7,図12(b)に示す状態では、取付器具420の存在により、基板ボックス263が片開き不可な状態となっている。つまり、二本のL字丸棒431の他端同士を対向させた状態で留めているので、基板ボックス263が勝手に開いてしまうことを防止できる。
<基板ボックス263の片開き手順>
次に、取付器具420を用いて、遊技盤30の裏面側に取り付けられた基板ボックス263を片開きして、基板ボックス263の裏面側を確認する手順について説明する。
なお、図12(b)に示すように、突出部材430を用いることで、基板ボックス263は、遊技盤30の裏面側の可変入賞装置32に対して隙間無く取り付けられている。
まず、この突出部材430の両L字丸棒431の他端同士を留めている留め具460を外す。つまり、留め具460の嵌合部465の嵌合を解除して両方の半円筒体463を開閉軸で開いた状態にし、半円筒体463の留め穴466から両L字丸棒431の他端側の円板部433を取り出す。
そして、図11(a)に示すように、両方のL字丸棒431の他端側を遊技盤30の裏面視で左側に向ける。つまり、二点鎖線で示したL字丸棒431を、実線で示したL字丸棒431となるように向きを変える。
図11(a),(b)に示すように、両方のL字丸棒431の他端側を遊技盤30の裏面視で左側に向けた状態では、基板ボックス263を図11(b)に示すように片開きすることができる。図11(b)に示すように、基板ボックス263を片開き状態とすることで、基板ボックス263の裏面側、つまり、遊技盤30と対向して隠れていた側を目視確認などすることができる。
<裏面突出量の小さい可変入賞装置32への交換手順>
次に、可変入賞装置32を別機種のものに交換したことで裏面突出量が小さくなった場合の基板ボックス263の取付器具420による取り付け手順について、図13も用いて説明する。
図13(a)は、可変入賞装置32を別機種のものに交換したことで裏面突出量が小さくなり、交換後の可変入賞装置32との間に隙間が生じていることを示す図であり、図13(b)は、可変入賞装置32を別機種のものに交換したことで裏面突出量が小さくなった場合の基板ボックス263の取付器具420による取り付け状態を示す図である。
元々、基板ボックス263は、図12(b)に示すように、遊技盤30の裏面側の可変入賞装置32に対して隙間無く取り付けられていたのであるが、可変入賞装置32を図13(a)に示すように別機種のものに交換したとする。
図13(a)に示すように、可変入賞装置32を別機種のものに交換したことで、可変入賞装置32の裏面突出量が小さくなり、交換後の可変入賞装置32と基板ボックス263との間に隙間p1が生じている。
両方のL字丸棒431の先端側をそれぞれ筒部440にさらに挿入していく、つまり、図13(a)に二点鎖線矢印で示す方向に挿入していくことで、基板ボックス263が可変入賞装置32の裏面側に近づいていき、図13(b)に示すように、基板ボックス263が可変入賞装置32の台座32bに当接させた状態となるまで、両方のL字丸棒431の先端側の筒部440への挿入を続ける。
図13(b)に示すように、基板ボックス263が可変入賞装置32の台座32bに当接させた状態となると、この基板ボックス263は、遊技盤30の裏面側の可変入賞装置32に対して隙間無く取り付けられた状態となる。
このように、可変入賞装置32を別機種のものに交換したことで裏面突出量が小さくなった場合でも、取付器具420を用いることで、基板ボックス263を遊技盤30の裏面側の可変入賞装置32に対して隙間無く取り付けた状態に調整することができる。
<裏面突出量の大きい可変入賞装置32への交換手順>
次に、可変入賞装置32を別機種のものに交換したことで裏面突出量が大きくなった場合の基板ボックス263の取付器具420による取り付け手順について、図14も用いて説明する。
図14(a)は、可変入賞装置32を別機種のものに交換したことで裏面突出量が大きくなり、そのままでは交換後の可変入賞装置32が取り付けられないことを示す図であり、図14(b)は、可変入賞装置32を別機種のものに交換したことで裏面突出量が大きくなった場合の基板ボックス263の取付器具420による取り付け状態を示す図である。
元々、基板ボックス263は、図12(b)に示すように、遊技盤30の裏面側の可変入賞装置32に対して隙間無く取り付けられていたのであるが、可変入賞装置32を図14(a)に示すように別機種のものに交換しようとしている。
図14(a)に二点鎖線で示すように、交換後の可変入賞装置32の裏面突出量が大きいため、そのままでは交換後の可変入賞装置32が取り付けられない。
そこで、図7,図10に示すように、解除用具480を筒部440の遊技盤前面側開口(解除口)から挿入し、規制部材450による規制を解除して、両方のL字丸棒431を筒部440から必要分だけ抜く方向に移動させる。つまり、交換後の可変入賞装置32が取り付けることができる程度まで、取付器具420を抜く方向に移動させる。
なお、前述したように遊技盤30を内枠12から取り外した状態とすることで、筒部440の遊技盤前面側開口(解除口)がアクセス可能となることから、解除用具480の使用に際しては、その前提として、遊技盤30を内枠12に対して取り外した状態としておき、筒部440の遊技盤前面側開口(解除口)へのアクセスが可能な状態としている。
そして、図14(b)に示すように、交換後の可変入賞装置32を取り付け、基板ボックス263が交換後の可変入賞装置32の台座32bに当接させた状態となるまで、両方のL字丸棒431の先端側の筒部440への挿入を行う。
このように、可変入賞装置32を別機種のものに交換したことで裏面突出量が大きくなった場合でも、取付器具420を一旦緩めて、交換後の可変入賞装置32を取り付け得る状態に調整でき、この取付器具420を用いて、基板ボックス263を遊技盤30の裏面側の可変入賞装置32に対して隙間無く取り付けた状態に調整することができる。
上述したように、本実施例のパチンコ機10によれば、遊技盤30は、遊技領域30aの所定箇所に可変入賞装置32が配設され、かつ、その裏面に可変入賞装置32の裏面側が突出しており、所定の遊技に関する制御を行う主制御基板261aを内部に収容する基板ボックス263と、遊技盤30の裏面で可変入賞装置32と重なる所定箇所に基板ボックス263を取り付ける取付器具420と、を備え、この取付器具420は、基板ボックス263から突出した突出部材430と、遊技盤30に設けられた、突出部材430が挿入される筒部440と、突出部材430を筒部440に挿入する方向への移動は許容し、抜く方向への移動を規制する規制部材450と、を備えているので、例えば可変入賞装置32の別機種品等への単品交換によって、遊技盤裏面での可変入賞装置32の突出量が交換前よりも小さくなった場合であっても、突出部材430を、遊技盤30の筒部440にさらに挿入していくことで、その交換後の可変入賞装置32に基板ボックス263を近づけることができ、突出部材430が筒部440に挿入されるにつれて基板ボックス263から交換後の可変入賞装置32までの隙間が小さくなっていき、基板ボックス263から交換後の可変入賞装置32までの隙間が無い状態にまで基板ボックス263を交換後の可変入賞装置32に当接させた状態とすることができる。
その結果、可変入賞装置32の別機種品等への交換によって遊技盤裏面突出量が下がった場合であっても、スペーサ部材を用いることなく基板ボックス263から交換後の可変入賞装置32までの隙間を低減できるパチンコ機を提供することができる。
また、取付器具420は、規制部材450による突出部材430の抜き方向への移動の規制を解除する解除部470を備えているので、例えば可変入賞装置32の別機種品等への単品交換によって、遊技盤裏面での可変入賞装置32の突出量が前よりも大きくなった場合であっても、解除部470の解除により突出部材430の抜き方向移動が許容され、突出部材430を、遊技盤30の筒部440から抜いていくことで、基板ボックス263から交換後の可変入賞装置32までの隙間が無い状態とすることができる。その結果、可変入賞装置32の別機種品等への交換によって遊技盤裏面突出量が上がった場合であっても、スペーサ部材を用いることなく基板ボックス263から交換後の可変入賞装置32までの隙間を低減できるパチンコ機を提供することができる。
また、突出部材430は、基板ボックス263から突出したL字丸棒431であり、当該L字丸棒431の周方向に沿って形成された環状の溝部432がそのL字丸棒431の長手方向に所定の間隔を空けて複数個形成されたものであり、筒部440は遊技盤30に設けられており、規制部材450は、筒部440の内周面の所定箇所に形成された、L字丸棒431の溝部432に係止される爪部441を備え、解除部470は、筒部440での遊技盤前面側の開口から挿入された解除用具480を爪部441に当接させて当該爪部441を溝部432から外れる方向に逃がすことで、規制部材450による突出部材430の抜き方向への移動の規制を解除するものである。したがって、突出部材430の抜き方向への移動の規制を解除する場合には、解除用具480を筒部440の遊技盤前面側の開口から挿入しなければならない。つまり、遊技盤前面から筒部440にアクセス可能な状態にしなければならないことから、その分手間がかかり、より不正対策に優れている。また、筒部440での遊技盤前面側の開口から挿入された解除用具480を爪部441に当接させて当該爪部441を溝部432から外れる方向に逃がすことで、規制部材450による突出部材430の抜き方向への移動の規制を解除するので、規制部材450による抜き方向への移動の規制を、好適に解除できる。
また、解除用具480は、内部にL字丸棒431が挿入可能な筒状部材であり、かつ、その先端側外周をテーパ形状としており、爪部441は、解除用具480の先端の差し込みを受ける逆テーパ部452を備えている。したがって、解除用具480を筒部440の遊技盤前面側の開口から挿入し、この解除用具480の中空部分にL字丸棒431を挿入していくことで、解除用具480を規制部材450の方に案内でき、しかもこの解除用具480の先端が爪部441に到達すると当該爪部441の逆テーパ部452に差し込まれ、解除用具480の先端側が爪部441の逆テーパ部452に差し込み進出するに連れて爪部441をL字丸棒431の溝部432から外れる方向に逃がすようにでき、解除用具480の差し込みによって簡単にL字丸棒431の筒部440への係止を解除することができる。
また、L字丸棒431は、基板ボックス263とは別体であり、かつ、その先端側が、基板ボックス263に形成された貫通孔264に挿入可能で、その他端側が貫通孔264に挿入不可である形状としているので、L字丸棒431の先端側を筒部440から抜かなければ、基板ボックス263から取り外すことができないし、このL字丸棒431の他端側を破壊したり、L字丸棒431を切断したりすると、その破壊など痕跡から不正行為があったことを発見でき、L字丸棒431を不正に取り外す等による不正を低減できる。
また、貫通孔264は、基板ボックス263の所定箇所に所定方向に並べて間隔を空けて二個形成されており、筒部440は、遊技盤30での貫通孔264にそれぞれ設けられており、L字丸棒431は、その先端側から他端側までの間の所定箇所を折り曲げてL字状とした部材であり、突出部材430は、L字丸棒431を二本備え、この二本のL字丸棒431の他端同士を留める留め具460を備え、かつ、基板ボックス263の二個の貫通孔264にそれぞれのL字丸棒431の先端側が挿入されることで基板ボックス263から突出した構成となっており、それぞれのL字丸棒431の先端側が遊技盤30の筒部440にそれぞれ挿入される。したがって、二本のL字丸棒431を留め具460で留めたコノ字状の突出部材430の両先端を、基板ボックス263の二個の貫通孔264にそれぞれ挿入して遊技盤30の二個の筒部440にそれぞれ挿入することで、基板ボックス263を遊技盤30に固定することができ、そのコノ字状の突出部材430を可能な限りに筒部440に挿入していくことで、基板ボックス263と遊技盤30との隙間が無い状態とすることができる。また、突出部材430を構成するこの二本のL字丸棒431の他端同士を対向させた状態で留めているので、基板ボックス263が勝手に開いてしまうことを防止できる。
また、留め具460は、二本のL字丸棒431の他端同士の留めを解除可能なものであり、留め具460による留めが解除された二本のL字丸棒431は、それぞれ貫通孔264周りに回動可能であり、かつ、その他端側を同一方向に向け得るものである。したがって、そのL字丸棒431の他端側を同一方向に向けた状態とすることで、基板ボックス263をそのL字丸棒431に沿って開閉することができ、基板ボックス263の裏面側の確認を行うことができる。
また、可変入賞装置32は、その裏面側の所定箇所に、基板ボックス263が当接する台座32bを備えているので、取付器具420によって基板ボックス263を可変入賞装置32に近づけていく際に、基板ボックス263が台座32bに当接して隙間の無い状態となり、可変入賞装置32での台座32b以外の箇所が基板ボックス263に当接されて損傷することを防止できる。
また、基板ボックス263は、主制御基板261aを内部に収容し、封印ユニット269を備え、封印ユニット269は、基板ボックス263を封印し、その所定箇所が破壊されることで、当該封印が解除されるものである。したがって、不正行為者は、主制御基板261aに対して不正行為を行うために、基板ボックス263から主制御基板261aを取り出したいのであるが、封印ユニット269によって基板ボックス263が封印されており、主制御基板261aを取り出すことが困難となっているし、封印破壊すればその破壊痕跡を見つけることで不正行為を発見できる。また、基板ボックス263ごと取り外そうとしても、基板ボックス263が取付器具420によって遊技盤30に取り付けられており、突出部材430を筒部440から抜けないので、基板ボックス263を遊技盤30から不正に取り外すことが困難となっている。その結果、主制御基板261aや基板ボックス263を不正に取り外すことができず、不正行為を低減できる。