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JP6134143B2 - 中空多芯プラスチック光ファイバ - Google Patents

中空多芯プラスチック光ファイバ Download PDF

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JP6134143B2 JP2013003858A JP2013003858A JP6134143B2 JP 6134143 B2 JP6134143 B2 JP 6134143B2 JP 2013003858 A JP2013003858 A JP 2013003858A JP 2013003858 A JP2013003858 A JP 2013003858A JP 6134143 B2 JP6134143 B2 JP 6134143B2
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Description

本発明は、先端部の先方を照らすライトガイドなどに使用される中空多芯プラスチック光ファイバに関する。
ファイバスコープや電子スコープ等の画像伝送体を用いて画像を伝送する際に、観察対象物付近が暗い場合には、ライトガイドをイメージファイバや信号線の外側に配置して、別途設けられた光源から照明光を、該ライトガイドを通して観察対象物を照らすということが行われている。
ライトガイドとしては石英ガラス製、多成分ガラス製、プラスチック製の光ファイバが用いられる。対象物全体を一様に照らすことが望ましいため、画像伝送体の対物側端部においては多数の細いライトガイドファイバがイメージファイバ(または撮像素子)の周囲を取り囲むように配置される。しかし多数の細いライトガイドファイバは取り扱いが難しく、所望の位置に配置するには煩雑な加工作業が必要となる。
これに対し、特許文献1には、中空部を有する多芯プラスチック光ファイバすなわち中空多芯プラスチック光ファイバが提案されている。中空多芯プラスチック光ファイバは一体化された光ファイバであるため、画像伝送体のライトガイドとして利用する際には中空多芯プラスチック光ファイバの中に画像伝送体を挿入するという方法を用いることができ、格段に作業性が向上する。
特開平06−186445号公報
しかしながら、中空多芯プラスチック光ファイバは、中空部を有するために側圧や曲げ等の外力によりファイバ断面が楕円状に変形しやすく、さらに外力が加わると亀裂が入って芯樹脂と鞘樹脂の接着性が低下し、漏光が引き起こされ伝送光量が低下するという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、側圧や曲げ等の外力に強い中空多芯プラスチック光ファイバを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、中空部を有し、その周辺部がプラスチックよりなる中空多芯光ファイバにおいて、中空多芯プラスチック光ファイバの直径をAmm、光ファイバの外周部から島部までの最小距離をamm、中空部と周辺部の境界から島部までの最小距離をbmmとしたとき、0.002≦a/A≦0.040、0.002≦b/A≦0.040とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)中空部を有し、その周辺部がプラスチックよりなる中空多芯光ファイバであって、該周辺部の横断面が、1)海島構造をとり、2)島部は少なくとも鞘樹脂よりも屈折率の高い芯樹脂からなり、3)海部は鞘樹脂または第3の樹脂からなり、4)芯樹脂は鞘樹脂または第3の樹脂に取り囲まれており、5)ファイバの軸方向にその片端部から他端部にわたって前記横断面を連続して有しており、光ファイバの直径をAmm、光ファイバの外周部から島部までの最小距離をamm、中空部と周辺部の境界から島部までの最小距離をbmmとしたとき、0.002≦a/A≦0.040、0.002≦b/A≦0.040の部分を有する中空多芯光ファイバ。
(2)0.1mm≦A≦5mmであって、中空部の直径をBmmとしたとき、(A−B)/Aの値が0.2以下である上記(1)に記載の中空多芯光ファイバ。
(3)開口数NAが0.55以上である上記(1)または上記(2)に記載の中空多芯光ファイバ。
(4)1≦a/b≦2.5である上記(1)または上記(2)に記載の中空多芯光ファイバ。
本発明によれば、側圧や曲げ等の外力に強く、伝送光量の低下が起こりにくい中空多芯プラスチック光ファイバを提供することができる。
本実施形態の中空多芯光ファイバ裸線の端断面図の例1 本実施形態の中空多芯光ファイバ裸線の端断面図の例2
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。そして、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。なお、本明細書において、「中空多芯光ファイバ」とは、所謂「中空多芯プラスチック光ファイバ裸線」、及び該多芯プラスチック光ファイバ裸線を被覆層等でさらに被覆した「中空多芯プラスチック光ファイバケーブル」の両方を総称するものである。以下、一例として「中空多芯プラスチック光ファイバ裸線」の場合を中心に説明する。
図1は、本実施形態の中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の一例の端断面図を表す。中空多芯プラスチック光ファイバ裸線1は、中空部2を有し、その周辺部がプラスチックによりなる光ファイバであって、海島構造をとり、島部3は少なくとも鞘樹脂よりも屈折率の高い芯樹脂からなり、海部4は鞘樹脂からなり、芯樹脂は鞘樹脂に取り囲まれており、光ファイバの外径をAmm、光ファイバの外周部から島部までの最小距離をamm、中空部と周辺部の境界から島部までの最小距離をbmmとしたとき、0.002≦a/A≦0.040、0.002≦b/A≦0.040の部分を有するように構成されている。
図2は、本実施形態の中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の別の一例の端断面図である。中空多芯プラスチック光ファイバ5は、中空部2を有し、その周辺部がプラスチックによりなる光ファイバであって海島構造をとり、島部3は少なくとも鞘樹脂よりも屈折率の高い芯樹脂からなり、海部4は第3の樹脂6及び鞘樹脂からなり、芯樹脂は海部4に取り囲まれており、0.002≦a/A≦0.040、0.002≦b/A≦0.040の部分を有するように構成されている。
中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の全領域において、a/A及びb/Aを0.002以上とすることにより、中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の外周部及び内周部が厚くなり亀裂が入りにくくなり、裂けにくいため側圧や曲げ等の外力に強くなる。また、a/A及びb/Aを0.040以下とすることにより、出射光の照射範囲が外側及び内側に広くとれる。
0.002≦a/A≦0.040、0.002≦b/A≦0.040の範囲が80%以上であれば、実質的に本発明の効果を奏する。
中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の外径Aを0.1mm以上とすることによりファイバが折れにくく、5mm以下とすることでファイバが曲げやすくなるため好ましい。また、中空部の直径をBmmとしたとき、(A−B)/Aの値が0.2以下の場合に周辺部が相対的に薄いため本発明の効果が大きい。(A−B)/Aの値が0.05以上であれば、曲げ時の変形・亀裂に対する強度が維持されるため好ましい。
また、a/bの値を1〜2.5とすることにより、中空多芯プラスチック光ファイバの伝送光量を確保しつつ強度が向上されるため好ましい。
本実施形態の中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の端断面における芯の配置は、特に限定されず、ランダム状配置、放射状配置、俵積み状配置等を採用することができる。これらの中でも、芯を高密度に配置できるという観点から、放射状配置が好ましい。ここでいう、放射状配置とは、ファイバ端断面の中心から一定の距離の位置に複数の芯を円形上に配置し、その周囲にさらに円形上に複数の芯を数層配置していくものである。この構成により、芯の配置において無駄な空間を極力低減することができ、芯の充填率を向上させることができるため、好ましい。
本実施形態の中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の断面における芯の占める面積の比率は大きいほど伝送光量が多くなるため、60〜90%が好ましい。また、中空部をどのように設けるにせよ、本発明の条件を満たす限りにおいて、中空部の形状は限定されない。具体的な構造としては、例えば、中空部が2個以上あるもの、断面形状が楕円のような非円形状であるもの、中空部と周辺部が偏心しているもの、などが挙げられる。これらは用途に応じて適宜選択できる。
本実施形態の中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の芯の数は、6以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。芯数が多いほうが、曲げたときの光ロスが小さくなる。また、製造容易性の観点から、2000芯数以下であることが好ましい。
以下、本実施形態の多芯光ファイバ裸線に用いられる各部材の材料について説明する。
本実施形態の中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の芯の材料については、特に限定されない。芯の材料としては各種の透明樹脂が使用できる。芯を構成する透明樹脂(以下、「芯樹脂」という場合がある。)としては、メチルメタクリレート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、下記式(a)で表されるラクトン系化合物及びアモルファスのポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、これらの中でもメチルメタクリレート系樹脂がより好ましい。
Figure 0006134143
(式中、Rは、メチル基、エチル基又はプロピル基を表し、Xは、下記式(b)又は式(c)で表される。)
Figure 0006134143
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の含フッ素アルキル基、フェニル基又はシクロヘキシル基を表し、同じであっても異なっていても良い。)
メチルメタクリレート系樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート単独重合体;メチルメタクリレートと、メチルメタクリレートと共重合可能な他の成分(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、n−アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルのメタクリル酸エステル類、マレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、スチレン等)1種類以上との共重合体が挙げられる。メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体において、メチルメタクリレートの含有量は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。メチルメタクリレート系樹脂は透明性が高いので、光ファイバ裸線において長距離の光伝送が可能であるという利点を有する。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン単独重合体;スチレンと、スチレンと共重合可能な他の成分(アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−六員環酸無水物共重合体等)1種類以上との共重合体が挙げられる。スチレンと他の単量体との共重合体において、スチレンの含有量は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。スチレン系樹脂は吸湿性が低いので、水分の影響を受け難いという利点を有する。
上記式(a)で表されるラクトン系化合物としては、例えば、α−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトン(βMMBL)、α−メチレン−β−エチル−γ−ブチロラクトン(βEMBL)、α−メチレン−β−プロピル−γ−ブチロラクトン(βPMBL)、α−メチレン−β−メチル−γ−メチル−γ−ブチロラクトン(βMγMMBL)、α−メチレン−β−メチル−γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン(βMγDMMBL)、α−メチレン−β−メチル−γ−エチル−γ−ブチロラクトン(βMγEMBL)、α−メチレン−β−メチル−γ−プロピル−γ−ブチロラクトン(βMγPMBL)、α−メチレン−β−メチル−γ−シクロヘキシル−γ−ブチロラクトン(βMγCHMBL)、α−メチレン−β−エチル−γ−メチル−γ−ブチロラクトン(βEγMMBL)、α−メチレン−β−エチル−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン(βEγDMMBL)、α−メチレン−β−エチル−γ−エチル−γ−ブチロラクトン(βEγEMBL)、α−メチレン−β−エチル−γ−プロピル−γ−ブチロラクトン(βEγPMBL)、α−メチレン−β−エチル−γ−シクロヘキシル−γ−ブチロラクトン(βEγCHMBL)が挙げられる。芯樹脂としてラクトン系化合物を用いる場合、上記したラクトン系化合物のみ;上記ラクトン系化合物と(メタ)アクリル酸エステル単量体との共重合体;又はこれらの混合物等であってもよい。
ラクトン系化合物と(メタ)アクリル酸エステル単量体との共重合体において、ラクトン系化合物の含有量は、樹脂のガラス転移温度(Tg)や機械的強度等の諸物性が、プラスチック光ファイバの用途や使用環境に適した値となるように適宜決めれば選択することができるが、5〜50質量%であることが好ましい。
特に、上記式(b)においてR、Rが共に水素原子である化合物(α−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトン(βMMBL)、α−メチレン−β−エチル−γ−ブチロラクトン(βEMBL)、α−メチレン−β−プロピル−γ−ブチロラクトン(βPMBL))を芯樹脂として用いることが好ましい。これらを芯樹脂として用いる多芯光ファイバ裸線は非常に高い光学的透明性を有するため、好ましい。これらの中でも、βMMBL及びβEMBLは、少量の添加であっても、樹脂のガラス転移温度を大幅に高くすることができるため、より好ましい。
ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、脂肪族ポリカーボネートや芳香族ポリカーボネート等、また、これらと4,4−ジオキシフェニルエーテル、エチレングリコール、p−キシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオキシ化合物との共重合体や、カーボネート結合の他にエステル結合をも有するヘテロ結合共重合体等が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂は、耐熱性が高く、吸湿性が低いという利点を有する。
アモルファスのポリオレフィン樹脂としては、市販品を用いることもできる。例えば、JSR社製の商品名「アートン」、三井化学社製の商品名「アペル」、日本ゼオン社製の商品名「ZEONEX」等のような市販品を用いることができる。アモルファスのポリオレフィン樹脂は耐熱性に優れているという利点を有する。
芯樹脂のメルトインデックス(MI)は、0.5〜10.0g/10分であることが好ましい。ここでいう、メルトインデックスは、ASTM−D1238に従い、試験温度230℃、荷重3.8kg、ダイスの内径2.0955mmの条件で測定したものである。芯樹脂のメルトインデックスを上記範囲とすることにより、後述する鞘樹脂との複合紡糸が容易となる。
鞘及び鞘層を構成する材料としては、樹脂(以下、「鞘樹脂」という場合がある。)を用いることができる。
鞘樹脂の種類は、特に限定されないが、メタクリレート系樹脂、アクリレート系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、下記式(d)で表されるラクトン化合物等が好ましい。
Figure 0006134143
(式中、R及びRは、各々独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R及びRの炭素数の合計が1〜3であって、同じであっても異なっていても良い。)
メタクリレート系樹脂としては、例えば、フッ化メタクリレート(トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロプロピルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、オクタフルオロプロペンチルメタクリレート等)、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリレート系モノマーの単独重合体;メタクリレート系モノマー50質量%以上と、メチルメタクリレートと共重合可能な他の成分1種類以上との共重合体が挙げられる。メタクリレート系樹脂は、透明性が高く、光の伝送損失が小さいという利点を有する。
アクリレート系樹脂としては、フッ化アクリレート(トリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート等)、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリレート系モノマーの単独共重合体;アクリレート系モノマー50質量%以上と、アクリレート系モノマーと共重合可能な他の成分1種類以上との共重合体が挙げられる。
また、上記したメタクリレート系モノマーと上記したアクリレート系モノマーとの共重合体であってもよい。
エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体としては、エチレン、テトラフルオロエチレン、これらと共重合可能な他の成分(例えば、ヘキサフルオロプロペン、ヘキサフルオロイソブテン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等)との共重合体が挙げられる。
上記式(d)で表されるラクトン化合物としてはα−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−β−エチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの中でも、R及びRのいずれか一方が水素原子を表し、他方がメチル基を表す、α−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトンは、少量の添加であっても、樹脂のガラス転移温度を大幅に高くすることができ、フルオロアルキル(メタ)アクリレートとの共重合性が良好であり、得られる共重合体の透明性が一層高くなるため好ましい。
上記ラクトン化合物との共重合に好ましいフルオロアルキル(メタ)アクリレートとしては、メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FMA)、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル(3FMA)、(メタ)アクリル酸2、2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(5FMA)、メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FMA)、αーフルオロアクリル酸2、2、2−トリフルオロエチル(α3FA)、αーフルオロアクリル酸2、2、3、3、3−ペンタフルオロプロピル(α5FA)、(メタ)アクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(4FMA)、(メタ)アクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(8FMA)、α−フルオロアクリル酸メチル(αFMe)等が挙げられる。特に、メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FMA)との共重合が、透明性を損なうことなく、かつ鞘材に機械的強度も付与することができる点でより好ましい。
フッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂;フッ化ビニリデンと、フッ化ビニリデンと共重合可能な他の成分(テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、ヘキサフロロプロペン、ヘキサフロロアセトン等)1種以上との共重合体が挙げられる。フッ化ビニリデンと他の単量体との共重合体において、フッ化ビニリデンの含有量は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
鞘樹脂は、上記した樹脂1種単独でもよいし、これらのブレンド物でもよい。さらに、必要に応じ、例えば、上記した樹脂に対して、メタクリル酸、o−メチルフェニルマレイミド、マレイミド、無水マレイン酸、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸六員環化物等の変性剤を導入して変性させることもできる。変性剤は、樹脂100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましい。このような変性(共)重合体の具体例としては、例えば、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体、テトラフルオロプロピルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体、トリフルオロエチルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体、ペンタフルオロプロピルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレートとテトラフルオロプロピルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレートとトリフルオロエチルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレートとトリフルオロエチルメタクリレートとテトラフルオロプロピルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体等が挙げられる。
鞘樹脂としては、芯の屈折率と鞘(鞘層)の屈折率等を考慮して、適宜選択することができるが、中空多芯プラスチック光ファイバの開口数NAが0.55以上であることが好ましい。ここで開口数NAは、芯樹脂の屈折率をncore、鞘樹脂の屈折率をncladとしたとき、NA=(ncore −nclad 0.5で定義される値である。ここでいう屈折率とは、アッベ屈折計を用いて23℃の恒温室内で、ナトリウムD線を光源として測定したときの値である。NAを0.55以上とすることで、外力に強いことに加え、伝送光量が大きくかつ照射範囲が広くなる。特に、中空部の直径Bが2.0mm以下であって、中空部と周辺部の境界から島部までの最小距離bが0.06mm以下であれば、NAを0.55以上とすることで、十分な出射角度を得ることができ、中空多芯光ファイバの中央部の照度を向上できるため好ましい。中空部の直径Bは、より好ましくは1.6mm以下であり、0.1mm以上あれば、内挿作業容易性の観点から好ましい。また、周辺部の境界から島部までの最小距離bは、より好ましくは0.04mm以下であり、0.003mm以上あれば、外力に対する強度保持の観点から好ましい。なお、光ファイバの外周部から島部までの最小距離aは伝送光量保持の観点から0.003mm以上0.1mm以下とすることが一般的である。
鞘樹脂のメルトインデックス(MI)は、1〜200g/10分であることが好ましい。鞘樹脂のメルトインデックスを上記範囲とすることにより、上記芯樹脂との複合紡糸が容易となる。
なお、芯及び鞘以外に、海樹脂として第3の樹脂を用いる場合、第3の樹脂の材料としては、鞘樹脂と同じものを用いることができる。
第3の樹脂としては、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂が挙げられる。
また、図示はしないが、中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の外周に、保護層や被覆層を設けてもよい。保護層としては、フッ化ビニリデン系樹脂などが挙げられる。被覆層としては、ポリオレフィン系樹脂やポリアミド系樹脂などが挙げられる。
本実施形態の製造方法は、例えば、複合紡糸ダイを用いた紡糸法が挙げられる。本実施形態の中空多芯プラスチック光ファイバ裸線を製造する方法としては、例えば、芯樹脂と鞘樹脂、必要により第3の樹脂を溶融状態で複合紡糸ダイに供給し、溶融状態の芯樹脂を中空多芯プラスチック光ファイバ裸線の芯数に対応する数の孔が設けられた分配板に流入させ、そこから溶融状態の芯樹脂を押し出し、溶融状態の芯を用意する。続いて、溶融状態の芯樹脂の周りに溶融状態の鞘樹脂を満遍なく供給することにより、溶融状態の芯(芯樹脂)の周りを溶融状態の鞘樹脂で直接被覆した、溶融状態の単芯の光ファイバ裸線を一体化して、溶融状態の多芯光ファイバ裸線束を形成する。第3の樹脂を用いる場合には、溶融状態の単芯の光ファイバの周りに溶融状態の第3の樹脂を満遍なく供給することにより、溶融状態の多芯光ファイバ裸線を形成する。この溶融状態の多芯光ファイバ裸線の中央部に、別の流体を導入し中空部を形成する。そしてこの中空多芯光ファイバ裸線束を引き落とし、ファイバ状に延伸し、硬化させる方法が好ましい。
すべての島樹脂に対して、海樹脂を供給する供給部の断面積を同じにしたダイで紡糸した場合、島部は海部にほぼ均一な分布となる。そこで、一例として、最外周及び最内周の島部に導入する海樹脂供給部の断面積をそれ以外の島部に導入する海樹脂供給部の断面積の2〜4倍としたダイとし、押し出し圧力を制御しながら紡糸することで、0.002≦a/A≦0.040、0.002≦b/A≦0.040とすることができる。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
芯を構成する樹脂(芯樹脂)としてポリメチルメタクリレート(屈折率1.492)、鞘層を構成する樹脂(鞘樹脂)としてカーボネート変性エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(ダイキン工業社製「ネオフロンEFEP RP4020」、屈折率1.385)を使用し、1本のファイバ中の芯線が250である中空多芯プラスチック光ファイバ裸線(NA0.555)を製造した。なお屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ社製「アッベ屈折率計1型」)を用いて23℃の恒温室内で、ナトリウムD線を光源として測定した。
最外周、最内周の島部に導入する海樹脂供給部の断面積をそれ以外の島部に導入する海樹脂供給部の断面積のそれぞれ3.5倍、2.5倍とした複合紡糸ダイを使用し、中央部には空気を導入し、外径Aが1500μm、中空部の直径Bが1250μm、光ファイバ外周部から島部までの最小距離aが8μm、中空部と周辺部の境界から島部までの最小距離bが5μmの裸線とした。
製造した中空多芯プラスチック光ファイバ裸線を2mとり、両端にコネクタをつけて、光パワーメータ(グレイテクノス社製「photom205A」)に接続し、650nmのLED光源から光を入射させて、出射光の光パワー変化を測定した。マイクロメータ(ミツトヨ社製「MDC−25MJ」)の測定部に該ファイバの中間点を挟み、徐々に測定面の間隔を小さくすることでファイバに側圧を加えた。測定面間隔が750μm(外径の50%)になるまで側圧を加えたが、ファイバ断面が楕円状に変形したものの亀裂が入ることはなかった。その後、側圧を開放しファイバ断面を真円状に戻した。このとき、側圧を加える前を基準として光パワーの変化は0.0dBであった。
(比較例1)
実施例に対して、aを2μm、bを2μmとした以外は、実施例1と同様の条件で中空多芯プラスチック光ファイバ裸線を製造した。
製造した中空多芯プラスチック光ファイバ裸線を2mとり、両端にコネクタをつけて、光パワーメータ(グレイテクノス社製「photom205A」)に接続し、650nmのLED光源から光を入射させて、出射光の光パワー変化を測定した。マイクロメータ(ミツトヨ社製「MDC−25MJ」)の測定部に該ファイバの中間点を挟み、徐々に測定面の間隔を小さくすることでファイバに側圧を加えた。測定面間隔が1100μm(外径の73%)となった時点で最外周に亀裂が入り、750μm(外径の50%)になるまで側圧を加えると裂けた。その後、側圧を開放しファイバ断面を真円状に戻した。このとき、側圧を加える前を基準として光パワーが0.3dB低下していた。
本発明に係る中空多芯プラスチック光ファイバは、内視鏡等のライトガイド用光ファイバ等として幅広い分野で利用することができる。
1 中空多芯プラスチック光ファイバ裸線
2 中空部
3 島部
4 海部
5 中空多芯プラスチック光ファイバ裸線
6 第3の樹脂(海部)

Claims (4)

  1. 中空部を有し、その周辺部がプラスチックよりなる中空多芯光ファイバであって、
    該周辺部の横断面が、1)海島構造をとり、2)島部は少なくとも鞘樹脂よりも屈折率の高い芯樹脂からなり、3)海部は鞘樹脂及び第3の樹脂からなるか、又は鞘樹脂からなり、4)芯樹脂は鞘樹脂に取り囲まれており、5)ファイバの軸方向にその片端部から他端部にわたって前記横断面を連続して有しており、
    光ファイバの直径をAmm、光ファイバの外周部から島部までの最小距離をamm、中空部と周辺部の境界から島部までの最小距離をbmmとしたとき、0.002≦a/A≦0.040、0.002≦b/A≦0.040の部分を有し、
    芯が放射状配置した、中空多芯光ファイバ。
  2. 0.1mm≦A≦5mmであって、中空部の直径をBmmとしたとき、(A−B)/Aの値が0.2以下である請求項1に記載の中空多芯光ファイバ。
  3. 開口数NAが0.55以上である請求項1または請求項2に記載の中空多芯光ファイバ。
  4. 1≦a/b≦2.5である請求項1または請求項2に記載の中空多芯光ファイバ。
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