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JP6132606B2 - 杭圧入装置におけるクランプ装置の取付方法 - Google Patents

杭圧入装置におけるクランプ装置の取付方法 Download PDF

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JP6132606B2 JP2013051278A JP2013051278A JP6132606B2 JP 6132606 B2 JP6132606 B2 JP 6132606B2 JP 2013051278 A JP2013051278 A JP 2013051278A JP 2013051278 A JP2013051278 A JP 2013051278A JP 6132606 B2 JP6132606 B2 JP 6132606B2
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Description

本発明は、杭圧入装置におけるクランプ装置の取付方法に関する。
従来、杭を地盤に打ち込んで埋設する装置として、既設の杭から反力を取って杭を地中に圧入する杭圧入機が知られている。
杭圧入機は、装置本体と、装置本体の下部に設けられ、既設の杭を掴むクランプ装置と、装置本体の前端部に設けられ、既設の杭に隣接した位置に圧入する杭を挟んで保持するチャック装置とを備えている。また、杭圧入機の装置本体は、クランプ装置が配されたサドルと、サドルに対して前後動可能なスライドベースと、スライドベース上に配されてチャック装置が昇降可能に取り付けられているリーダーマストとを備えている。
そして、杭圧入機は、クランプ装置で既設杭の上端側を掴み、その既設杭から反力を取った状態で杭を把持するチャック装置を降下させるようにして、杭を地中に圧入するようになっている。
また、固定クランプ爪と可動クランプ爪とからなるクランプ爪をクランプ装置に配設し、そのクランプ装置を備えた杭圧入機においてクランプ爪の取り付け位置を調整することによって、クランプ装置間のクランプピッチを切り替えることを可能にした杭圧入機が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
この杭圧入機は、クランプ装置間のクランプピッチを切り替えることで、多様な継手ピッチサイズの鋼矢板に対応し、さらにU形鋼矢板及びZ形鋼矢板の双方に対応できるようになっている。
ここで、U形鋼矢板Pu及びZ形鋼矢板Pzの双方に対応できる杭圧入機100の施工姿勢について説明する。
杭圧入機100がU形鋼矢板Puを杭打ちする際、クランプ装置110はU形鋼矢板Puのウエブ部分を把持し、杭圧入機100がZ形鋼矢板Pzを杭打ちする際、クランプ装置110はZ形鋼矢板Pzの継手部分を把持するようになっている。
なお、U形鋼矢板PuとZ形鋼矢板Pzの継手ピッチは、どちらもAであるとする。
例えば、図6(a)(b)に示すように、杭圧入機100がU形鋼矢板Puを1枚打ちする場合は、杭圧入機100の進行方向の先頭に位置するクランプ装置110が挟持している鋼矢板Puの1枚前にチャック装置15で掴んだ鋼矢板Puを圧入するようになる。このときチャック装置15は、サドル12の前端からストローク量Aの配置にある。なお、ここでいうストローク量とは、チャック装置15による杭の圧入中心とサドル12の前端との距離に相当する。
また、図7(a)(b)に示すように、杭圧入機100がU形鋼矢板Puを2枚打ちする場合は、杭圧入機100の進行方向の先頭に位置するクランプ装置110が挟持している鋼矢板Puの2枚前にチャック装置15で掴んだ鋼矢板Puを圧入するようになる。このときチャック装置15は、サドル12の前端からストローク量2Aの配置にある。なお、全長Bのサドル12に対し前方にスライド移動したスライドベース13の姿勢を安定させ、好適にスライドベース13およびチャック装置15等を作動させるためには、スライドベース13がサドル12に乗り掛かる範囲の長さとして、例えば、図中に示した最少残り量Cが必要になる。
これに対し、図8(a)(b)に示すように、杭圧入機100がZ形鋼矢板Pzを1枚打ちする場合であって、杭圧入機100の進行方向の先頭に位置するクランプ装置110が挟持している鋼矢板Pzの1枚前にチャック装置15で掴んだ鋼矢板Pzを圧入する際、チャック装置15は、サドル12の前端からストローク量1.5Aの配置にある。
このとき、U形鋼矢板Puの1枚打ち(図6参照)に比べて、サドル12に対しスライドベース13はA/2の長さ分、前方にスライド移動している。
そのため、図9(a)(b)に示すように、杭圧入機100がZ形鋼矢板Pzを2枚打ちする場合であって、杭圧入機100の進行方向の先頭に位置するクランプ装置110が挟持している鋼矢板Pzの2枚前にチャック装置15で掴んだ鋼矢板Pzを圧入する際、チャック装置15は、サドル12の前端からストローク量2.5Aの配置で作動するので、スライドベース13がサドル12に乗り掛かる範囲の長さは、最少残り量CよりもA/2の長さ分、短くなってしまう。
そこで、杭圧入機100がZ形鋼矢板Pzを2枚打ちするときに、スライドベース13がサドル12に最少残り量Cで乗り掛かるようにするためには、図10(a)(b)に示すように、スライドベース13の配置をサドル12(リーダーマスト14)に対し、A/2の長さ分、後ろ側にずらした配置にする必要がある。
但し、サドル12に対しスライドベース13をA/2の長さ分、後ろ側にずらした配置にした場合、杭圧入機100が好適にU形鋼矢板Puを1枚打ちできるようにするため、図11(a)(b)に示すように、スライドベース13がサドル12上に収まるように、サドル12を後方にA/2の長さ分、長くする必要が生じる。
特開2008−267015号公報 特開2011−226209号公報
上記した従来の杭圧入機100の場合、サドル12の全長を長くすることに伴い、スライドベース13およびチャック装置15のストローク長が長くなるので、スライドベース13を前後動させるシリンダが長く大型化し、また、装置全長が長くなるので装置自体が大型化してしまう。
杭圧入機100が大型化すると小回りが利きにくくなり、施工性が低下してしまうことがある。
本発明の目的は、装置を大型化せずに、各種鋼矢板の圧入に対応可能な杭圧入装置におけるクランプ装置の取付方法を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
地中に圧入された既設杭の上端側を掴んで支持する複数のクランプ装置によって前記既設杭から反力を取り、昇降可能なチャック装置で杭を把持して下降させることにより前記既設杭に隣接する位置に杭を圧入する杭圧入装置におけるクランプ装置の取付方法であって、
複数の前記クランプ装置は、全て杭圧入装置本体に取り付けられる側の基部と、前記既設杭を挟持する側の先端部とが偏心した形状を有しており、
当該杭圧入装置において杭圧入施工に用いる杭がU形鋼矢板である場合、全ての前記クランプ装置を、前記クランプ装置の前記先端部を前記基部よりも当該杭圧入装置の進行方向の前方に配するように、杭圧入装置本体に取り付け、
当該杭圧入装置において杭圧入施工に用いる杭がZ形鋼矢板である場合、全ての前記クランプ装置を、前記クランプ装置の前記先端部を前記基部よりも当該杭圧入装置の進行方向の後方に配するように、杭圧入装置本体に取り付けることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の杭圧入装置におけるクランプ装置の取付方法において、
当該杭圧入装置において杭圧入施工に用いる杭の継手ピッチをAとした場合、前記基部に対する前記先端部の偏心量は、A/4であることを特徴とする。
本発明によれば、装置を大型化せずに、各種鋼矢板の圧入に対応可能な杭圧入装置を得ることができる。
本発明に係る杭圧入装置を示す概略図であり、U形鋼矢板を1枚打ちする際の施工姿勢を側方視して示す説明図(a)と、その際のサドル、スライドベース、チャック装置の配置を上面視して示す説明図(b)である。 本発明に係る杭圧入装置が着脱可能に備えるクランプ装置を示す拡大図である。 本発明に係る杭圧入装置を示す概略図であり、U形鋼矢板を2枚打ちする際の施工姿勢を側方視して示す説明図(a)と、その際のサドル、スライドベース、チャック装置の配置を上面視して示す説明図(b)である。 本発明に係る杭圧入装置を示す概略図であり、Z形鋼矢板を1枚打ちする際の施工姿勢を側方視して示す説明図(a)と、その際のサドル、スライドベース、チャック装置の配置を上面視して示す説明図(b)である。 本発明に係る杭圧入装置を示す概略図であり、Z形鋼矢板を2枚打ちする際の施工姿勢を側方視して示す説明図(a)と、その際のサドル、スライドベース、チャック装置の配置を上面視して示す説明図(b)である。 従来の杭圧入機を示す概略図であり、U形鋼矢板を1枚打ちする際の施工姿勢を側方視して示す説明図(a)と、その際のサドル、スライドベース、チャック装置の配置を上面視して示す説明図(b)である。 従来の杭圧入機を示す概略図であり、U形鋼矢板を2枚打ちする際の施工姿勢を側方視して示す説明図(a)と、その際のサドル、スライドベース、チャック装置の配置を上面視して示す説明図(b)である。 従来の杭圧入機を示す概略図であり、Z形鋼矢板を1枚打ちする際の施工姿勢を側方視して示す説明図(a)と、その際のサドル、スライドベース、チャック装置の配置を上面視して示す説明図(b)である。 従来の杭圧入機を示す概略図であり、Z形鋼矢板を2枚打ちする際の施工姿勢を側方視して示す説明図(a)と、その際のサドル、スライドベース、チャック装置の配置を上面視して示す説明図(b)である。 従来の杭圧入機を示す概略図であり、Z形鋼矢板を2枚打ちする際のスライドベースの好ましい位置を説明するための側面図(a)と、上面図(b)である。 従来の杭圧入機を示す概略図であり、サドルを後方に長く大型化する場合を説明するための側面図(a)と、上面図(b)である。
以下、図面を参照して、本発明に係る杭圧入装置の実施形態について詳細に説明する。なお、図中、杭圧入装置におけるクランプ装置、サドル、スライドベース、チャック装置や杭(鋼矢板)の配置を視認しやすくするため、一部透視した状態で図示している。
杭圧入装置10は、図1(a)(b)に示すように、所定の杭(例えば、U形鋼矢板Pu、Z形鋼矢板Pzなど)をチャック装置15で掴んで地中に圧入するパイル圧入機であり、既に地中に圧入された既設杭(Pu)の上端側を挟んで支持する複数のクランプ装置11…を備えたサドル12と、サドル12に対して前後動可能なスライドベース13と、スライドベース13上で左右に旋回可能なリーダーマスト14と、リーダーマスト14の前面に昇降可能に取り付けられたチャック装置15と、リーダーマスト14に対してチャック装置15を昇降駆動するメイン油圧シリンダ16等を備えている。
クランプ装置11は、サドル12の下面に設けられている。このクランプ装置11は、例えば、先に圧入された既設の杭である鋼矢板の上端側を挟んだ状態で、図示しない油圧シリンダの駆動によりその鋼矢板の上端部を挟持して掴むことができる。つまり、クランプ装置11は、既設杭(Pu)を掴むことで杭圧入装置10を既設杭(Pu)の上端部に固定する固定手段として機能する。
特に、クランプ装置11は、掴んで支持した既設杭(Pu)から反力を取って、杭圧入装置10が新たに杭(Pu)を圧入することができるように、杭圧入装置10を既設杭(Pu)の上端部に固定し設置するようになっている。
なお、クランプ装置11が備える固定クランプ爪と可動クランプ爪とからなるクランプ爪や、可動クランプ爪を駆動させる油圧シリンダの構成や動作は周知であるので、ここでは詳述しない。
スライドベース13は、サドル12に対し前方に移動してチャック装置15を水平に前側に移動させることにより、サドル12を移動することなく、先頭のクランプ装置11が支持している既設杭(Pu)の先に、新たな杭を順次圧入することを可能にする。なお、サドル12に対しスライドベース13が前後方向にスライド移動するストローク量については後述する。
リーダーマスト14は、スライドベース13に対し左右に旋回してチャック装置15の向きを変えることにより、順次並んで圧入される杭の列の方向を直角に曲げたり、湾曲して曲げたりすることが可能となっている。
チャック装置15は、その背面側がリーダーマスト14の前面側に昇降可能に嵌合した状態とされるとともに、リーダーマスト14とチャック装置15に接続されたメイン油圧シリンダ16により昇降駆動されるようになっている。
そして、チャック装置15が保持した杭(Pu)を地中に圧入する際、チャック装置15の昇降範囲は限られているので、杭(Pu)を保持してチャック装置15を下降させることと、杭(Pu)を離してチャック装置15を上昇させることを繰り返すようになっている。これにより、チャック装置15が昇降する1ストローク分ずつ杭(Pu)を圧入することが繰り返され、チャック装置15の昇降範囲より深く杭(Pu)を地中に圧入することが可能になっている。
上記した杭圧入装置10は、既設杭(Pu)の先に新たな杭(Pu)をチャック装置15で圧入する動作と、クランプ装置11による既設杭(Pu)の上端部の挟持と解除の動作と、サドル12に対するスライドベース13の前後動の動作と、を組み合わせることで、既設杭(Pu)からなる杭列上を自走し移動することができる。
なお、杭圧入装置10が杭列上を自走する動作は周知であるので、ここでは詳述しない。
次に、本発明に係る杭圧入装置10のクランプ装置11の形状について説明する。
図1(a)(b)、図2に示すように、クランプ装置11は、杭圧入装置本体のサドル12に取り付けられる側の基部11aと、杭(Pu)の上端を挟持する側の先端部11bとを有している。このクランプ装置11を側面視した場合、クランク状に曲がり、基部11aと先端部11bとが前後方向にずれた形状を呈している。具体的に、図2に示すように、クランプ装置11の基部11a側の軸(側面視の中心線)と先端部11b側の軸(側面視の中心線)とは前後方向にずれており、クランプ装置11は偏心した形状を有している。
特に、杭圧入装置10において杭圧入施工に用いる杭(Pu,Pz)の継手ピッチをAとした場合、図2に示すように、クランプ装置11の基部11aに対する先端部11bの偏心量は、A/4であることが好ましい。
なお、クランプ装置11の基部11aに対する先端部11bの偏心量は、寸分違わずA/4であることに限定されず、寸法誤差や設計事情等によって略A/4となることがあってもよい。ここでいう略A/4とは、本発明の作用効果を奏する偏心量の範囲を含む。つまり、クランプ装置11の基部11aに対する先端部11bの偏心量は、実質A/4であればよく、本発明の作用効果を奏する偏心量であればよい。
このクランプ装置11の基部11aは、サドル12の下面側に設けられた案内部に摺動可能に配設されており、図示しない機構により案内部に沿ってクランプ装置11がスライド移動されるようになっている。例えば、クランプ装置11は、掴む対象の既設杭(Pu)の位置に応じてスライド移動される。
また、クランプ装置11は、サドル12の案内部に沿ってスライド移動させることで、サドル12から取り外すことができ、また容易に取り付けることができる。
そして、サドル12に着脱可能に備えられているクランプ装置11は、クランプ装置11の先端部11bを前方に振った向きと、後方に振った向きとに付け替えることが可能になっている。
つまり、クランプ装置11は、先端部11bが基部11aよりも当該杭圧入装置10の進行方向の前方に配される向きと、先端部11bが基部11aよりも当該杭圧入装置の進行方向の後方に配される向きとに、切り替え可能にサドル12に取り付けられている。
このクランプ装置11の向きを切り替えるように付け替えることで、クランプ装置11に対するサドル15およびチャック装置15の配置を前後に調整することができる。
なお、クランプ装置11の向きを切り替えるように付け替えることと、クランプ装置11に対するサドル15の配置の調整については、後述する。
次に、本発明に係る杭圧入装置10が、U形鋼矢板Puを杭打ちする際の施工姿勢と、Z形鋼矢板Pzを杭打ちする際の施工姿勢とについて説明する。
例えば、クランプ装置11の先端部11bを基部11aよりも当該杭圧入装置10の進行方向の前方に配するように、クランプ装置11の向きを切り替えてサドル12に取り付けることで、クランプ装置11に対するサドル15およびチャック装置15の相対位置を前後に調整して、杭圧入装置10がU形鋼矢板Puの杭打ち施工を行うことに適した配置にクランプ装置11やチャック装置15を配することができるようになる。つまり、杭圧入装置10は、U形鋼矢板Puの杭打ち施工を行うことに適した姿勢になっている。
また、クランプ装置11の先端部11bを基部11aよりも当該杭圧入装置10の進行方向の後方に配するように、クランプ装置11の向きを切り替えてサドル12に取り付けることで、クランプ装置11に対するサドル15およびチャック装置15の相対位置を前後に調整して、杭圧入装置10がZ形鋼矢板Pzの杭打ち施工を行うことに適した配置にクランプ装置11やチャック装置15を配することができるようになる。つまり、杭圧入装置10は、Z形鋼矢板Pzの杭打ち施工を行うことに適した姿勢になっている。
なお、杭圧入装置10がU形鋼矢板Puを杭打ちする際、クランプ装置11はU形鋼矢板Puのウエブ部分を把持し、杭圧入装置10がZ形鋼矢板Pzを杭打ちする際、クランプ装置11はZ形鋼矢板Pzの継手部分を把持するようになっている。
以下に、杭圧入装置10の施工姿勢を具体的に説明する。
まず、杭圧入装置10が、U形鋼矢板Puを杭打ちする際の施工姿勢について説明する。
杭圧入施工に用いる杭が継手ピッチAのU形鋼矢板Puであり、杭圧入装置10がそのU形鋼矢板Puを杭打ちする際には、図1(a)に示すように、クランプ装置11の先端部11bを基部11aよりも当該杭圧入装置10の進行方向の前方(図中右側)に配するように、クランプ装置11をサドル12に取り付ける。
ここではクランプ装置11の先端部11bを前方に振った向きに、クランプ装置11をサドル12に取り付けていることで、クランプ装置11の先端部11bを基準にしてサドル12を相対的に後ろに下げた状態になっている。なお、クランプ装置11の先端部11bに対してサドル12は、A/4の長さ分、相対的に後ろに下がった配置になっている。
そして、図1(a)(b)に示すように、杭圧入装置10がU形鋼矢板Puを1枚打ちする場合は、杭圧入装置10の進行方向の先頭に位置するクランプ装置11が挟持しているU形鋼矢板Puの1枚前にチャック装置15で掴んだU形鋼矢板Puを圧入するようになる。このときチャック装置15は、サドル12の前端からストローク量Aの配置にある。なお、ここでいう「ストローク量」とは、チャック装置15による杭の圧入中心とサドル12の前端との距離に相当する。
また、図3(a)(b)に示すように、杭圧入装置10がU形鋼矢板Puを2枚打ちする場合は、スライドベース13がチャック装置15を前方に移動させ、杭圧入装置10の進行方向の先頭に位置するクランプ装置11が挟持しているU形鋼矢板Puの2枚前にチャック装置15で掴んだU形鋼矢板Puを圧入するようになる。このときチャック装置15は、サドル12の前端からストローク量2Aの配置にあり、サドル12に対し前方にスライド移動したスライドベース13は、最少残り量Cでサドル12に乗り掛かっている。
このように、本発明に係る杭圧入装置10がU形鋼矢板Puを杭打ちする場合、従来技術の杭圧入機100と変わりなく作動する。
具体的に、杭圧入装置10がU形鋼矢板Puを1枚打ちする場合、チャック装置15はサドル12の前端からストローク量Aの配置で作動し、杭圧入装置10がU形鋼矢板Puを2枚打ちする場合、チャック装置15はサドル12の前端からストローク量2Aの配置で作動する。また、杭圧入装置10がU形鋼矢板Puを2枚打ちする場合、サドル12に対し前方にスライド移動したスライドベース13は、最少残り量Cでサドル12に乗り掛かり、安定した姿勢を維持している。
ついで、杭圧入装置10が、Z形鋼矢板Pzを杭打ちする際の施工姿勢について説明する。
杭圧入施工に用いる杭が継手ピッチAのZ形鋼矢板Pzであり、杭圧入装置10がそのZ形鋼矢板Pzを杭打ちする際には、図4(a)に示すように、クランプ装置11の先端部11bを基部11aよりも当該杭圧入装置10の進行方向の後方(図中左側)に配するように、クランプ装置11をサドル12に取り付ける。
ここではクランプ装置11の先端部11bを後方に振った向きに、クランプ装置11をサドル12に取り付けていることで、クランプ装置11の先端部11bを基準にしてサドル12を相対的に前に出した状態になっている。なお、クランプ装置11の先端部11bに対してサドル12は、A/4の長さ分、相対的に前に出た配置になっている。
そして、図4(a)(b)に示すように、杭圧入装置10がZ形鋼矢板Pzを1枚打ちする場合は、杭圧入装置10の進行方向の先頭に位置するクランプ装置11が挟持しているZ形鋼矢板Pzの1枚前にチャック装置15で掴んだZ形鋼矢板Pzを圧入するようになる。このときチャック装置15は、サドル12の前端からストローク量Aの配置にある。
また、図5(a)(b)に示すように、杭圧入装置10がZ形鋼矢板Pzを2枚打ちする場合は、スライドベース13がチャック装置15を前方に移動させ、杭圧入装置10の進行方向の先頭に位置するクランプ装置11が挟持しているU形鋼矢板Puの2枚前にチャック装置15で掴んだZ形鋼矢板Pzを圧入するようになる。このときチャック装置15は、サドル12の前端からストローク量2Aの配置にあり、サドル12に対し前方にスライド移動したスライドベース13は、最少残り量Cでサドル12に乗り掛かっている。
このように、本発明に係る杭圧入装置10がZ形鋼矢板Pzを杭打ちする場合、従来技術の杭圧入機100に比べて、サドル12前端からのチャック装置15のストローク量が短くなっている。
具体的に、杭圧入装置10がZ形鋼矢板Pzを1枚打ちする場合、チャック装置15はサドル12の前端からストローク量Aの配置で作動し、杭圧入装置10がZ形鋼矢板Pzを2枚打ちする場合、チャック装置15はサドル12の前端からストローク量2Aの配置で作動しており、従来技術の杭圧入機100に比べて、それぞれストローク量が0.5A短くなっている。つまり、本発明に係る杭圧入装置10が、U形鋼矢板Puを1枚打ちする場合も、Z形鋼矢板Pzを1枚打ちする場合も、チャック装置15はサドル12の前端からストローク量Aの配置で作動する。また、杭圧入装置10が、U形鋼矢板Puを2枚打ちする場合も、Z形鋼矢板Pzを2枚打ちする場合も、チャック装置15はサドル12の前端からストローク量2Aの配置で作動する。
特に、杭圧入装置10がZ形鋼矢板Pzを2枚打ちする場合、サドル12に対し前方にスライド移動したスライドベース13は、最少残り量Cでサドル12に乗り掛かり、安定した姿勢を維持している。つまり、Z形鋼矢板Pzの2枚打ちの際、従来技術の杭圧入機100に比べて、杭圧入装置10のスライドベース13は、A/2の長さ分長くサドル12に乗り掛かっている。
以上のように、本発明に係る杭圧入装置10は、U形鋼矢板Puを杭打ちする際も、Z形鋼矢板Pzを杭打ちする際も、サドル12前端からのチャック装置15のストローク量は同じ条件でチャック装置15を作動させて、杭打ち施工することができる。
これは、クランプ装置11の基部11aに対する先端部11bの偏心量をA/4にしたことで、クランプ装置11の先端部11bを前方に振った向き(図1(a)参照)でのサドル12の配置に対し、クランプ装置11の先端部11bを後方に振った向き(図4(a)参照)でのサドル12の配置を、クランプ装置11の偏心量の2倍のA/2の長さ分、相対的に前側に切り替えることを可能にしたことによる。つまり、クランプ装置11の先端部11bを後方に振った向きでのサドル12の配置を、クランプ装置11の偏心量の2倍のA/2の長さ分、相対的に前側に切り替えることで、前方に移動するチャック装置15のストローク量をA/2短くすることを可能にした。
その結果、杭圧入装置10が、U形鋼矢板Puを杭打ちする際も、Z形鋼矢板Pzを杭打ちする際も、サドル12に対し前方にスライド移動したスライドベース13は、最少残り量Cでサドル12に乗り掛かることが可能になるので、従来技術のように、サドル12に対しスライドベース13をA/2の長さ分後ろ側にずらした配置(図10(a)参照)にすることや、それに応じてスライドベース13がサドル12上に収まるように、サドル12を後方にA/2の長さ分長くする(図11(a)参照)必要がない。
このように、本発明に係る杭圧入装置10は、従来技術の杭圧入機100に比べて、Z形鋼矢板Pzを杭打ちする際のストローク量を短くすることができ、サドル12に対し前方にスライド移動したスライドベース13が、最少残り量Cでサドル12に乗り掛かることが可能になるので、サドル12を後方に長くするといった装置の大型化は不要になる。
従って、本発明に係る杭圧入装置10であれば、装置を大型化せずに、U形鋼矢板Pu及びZ形鋼矢板Pzの双方に対応する圧入施工を行うことができる。
そして、杭圧入装置10を大型化させずに、装置のコンパクト化および軽量化を図ることで、小回りが利いた良好な施工が可能になる。また、杭圧入装置10のコンパクト化および軽量化によって、コストダウンを図ることが可能になる。
また、従来技術に比べて、ストローク量を短くすること、特に、Z形鋼矢板Pzを杭打ちする際のストローク量を短くすることで、スライドベース13やサドル12に生じる負荷を軽減することができる。
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
10 杭圧入装置
11 クランプ装置
11a 基部
11b 先端部
12 サドル
13 スライドベース
14 リーダーマスト
15 チャック装置
Pu U形鋼矢板(杭、既設杭)
Pz Z形鋼矢板(杭、既設杭)

Claims (2)

  1. 地中に圧入された既設杭の上端側を掴んで支持する複数のクランプ装置によって前記既設杭から反力を取り、昇降可能なチャック装置で杭を把持して下降させることにより前記既設杭に隣接する位置に杭を圧入する杭圧入装置におけるクランプ装置の取付方法であって、
    複数の前記クランプ装置は、全て杭圧入装置本体に取り付けられる側の基部と、前記既設杭を挟持する側の先端部とが偏心した形状を有しており、
    当該杭圧入装置において杭圧入施工に用いる杭がU形鋼矢板である場合、全ての前記クランプ装置を、前記クランプ装置の前記先端部を前記基部よりも当該杭圧入装置の進行方向の前方に配するように、杭圧入装置本体に取り付け、
    当該杭圧入装置において杭圧入施工に用いる杭がZ形鋼矢板である場合、全ての前記クランプ装置を、前記クランプ装置の前記先端部を前記基部よりも当該杭圧入装置の進行方向の後方に配するように、杭圧入装置本体に取り付けることを特徴とする杭圧入装置におけるクランプ装置の取付方法
  2. 当該杭圧入装置において杭圧入施工に用いる杭の継手ピッチをAとした場合、前記基部に対する前記先端部の偏心量は、A/4であることを特徴とする請求項1に記載の杭圧入装置におけるクランプ装置の取付方法。
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