JP6111406B2 - 人工血管接続具及び人工血管ユニット - Google Patents
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Description
本発明は、人工血管を血液ポンプ又はカニューレなどの接続対象に接続するための人工血管接続具及び当該人工血管接続具が人工血管に装着されている人工血管ユニットに関する。
人工血管を血液ポンプ又はカニューレなどの接続対象に接続する際には、人工血管を接続対象に接続するための人工血管接続具が必要となる。この種の人工血管接続具は、従来から種々知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図11は、特許文献1に記載されている人工血管接続具900を説明するために示す図である。特許文献1に記載されている人工血管接続具900は、図11に示すように、雄ネジ部911を有する継手部材910と、継手部材910の雄ネジ部911に螺合可能な雌ネジ部921を有するナット920とからなる。そして、継手部材910の外周面(雄ネジ部以外の外周面)には当該継手部材910の端部側に向かって縮径するテーパー面912が形成され、ナット920の内周面(雌ネジ部以外の内周面)には、継手部材910に形成されているテーパー面912と同じ傾斜を有するテーパー面922が形成されている。なお、継手部材910はカニューレ930に一体的に形成されている。
このように構成されている人工血管接続具900は、継手部材910のテーパー面912を人工血管940に嵌入させた状態で、ナット920の雌ネジ部921を継手部材910の雄ネジ部911に螺合させて締め付けを行うことによって当該人工血管接続具900を人工血管940に接続することができる。
しかしながら、特許文献1に記載されている人工血管接続具900においては、ナット920の雌ネジ部921を継手部材910の雄ネジ部911に螺合させて締め付けを行う際に、ナット920のテーパー面922が人工血管940の表面を押圧しながら周方向に回転する動作を行う。このため、特許文献1に記載されている人工血管接続具900は、ナットの締め付けによる摩擦によって人工血管が擦れて、人工血管が損傷してしまうという課題がある。
特に、人工血管940がポリエステルなどの樹脂繊維の織物で作られている場合においては、厚みも薄く、擦れに弱いため、ナット920のテーパー面922が人工血管940の表面を押圧しながら周方向に回転する動作を行うと、当該人工血管940が損傷する可能性がより高くなる。このため、樹脂繊維の織物で作られている人工血管に接続する人工血管接続具は、ナットの締め付けによる摩擦によって当該人工血管を損傷させることのない構造とすることが重要である。
なお、特許文献1に記載されている人工血管接続具900は、図11においては、継手部材910と人工血管940との接続を、ナット920の雌ネジ部921を継手部材910の雄ネジ部911に螺合させることによって行う場合が示されているが、特許文献1には、例えば、爪部や凹凸部などにより両者を係止させることも可能であるとしている。確かに、ナットを用いずに爪部や凹凸部などによって両者を係止するようにすれば、ナット920のテーパー面922が人工血管940の表面を押圧しながら円周方向に回転する動作を行わないため、「人工血管が摩擦により擦れて人工血管を損傷させてしまう」ことを防止できるが、ナットを用いずに爪部や凹凸部などによって両者を係止するだけでは、何らかの原因により係止が外れてしまうおそれもあり、ナットによる接続に比べて、人工血管940に当該人工血管接続具900を接続した後の人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性が低いという課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、人工血管の損傷を未然に防止することができ、かつ、人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性の高い人工血管接続具を提供するとともに、このような人工血管接続具が人工血管に装着されていることにより、人工血管ユニットを構成する人工血管は、損傷のない高品質な人工血管とすることができ、しかも、人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性の高い人工血管ユニットを提供することを目的とする。
[1]本発明の人工血管接続具は、人工血管に取り付けることにより、当該人工血管を接続対象に接続するための人工血管接続具であって、前記接続対象に向く側を前方側とし、当該前方側とは反対側を後方側とし、前記人工血管の中心軸に沿った方向を軸方向としたとき、雄ネジ部と当該雄ネジ部が形成されていない平面部とが外周面の周方向に沿って交互に形成されている第1筒状体部と、当該第1筒状体部の後方側端部に形成され、当該第1筒状体部よりも外径が小径で、かつ、前記人工血管の内部に嵌入可能となっている第2筒状体部とを有するコネクタ部と、前記コネクタ部の前記第2筒状体部が前記人工血管に嵌入した状態となっているときに、前記人工血管の表面上を前方側に直線的にスライドさせることにより前記第2筒状体部の外周面に前記人工血管を介して環装可能な筒状部と、当該筒状部から軸方向に沿って突出して形成されており、前記第1筒状体部の前記平面部に当接する爪板部とを有するフェルールと、前記コネクタ部の前記第1筒状体部の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有し、前記第2筒状体部が前記人工血管に嵌入し、かつ、前記フェルールが前記コネクタ部に取り付けられている状態となっているときに、前記フェルールを覆った状態で前記雌ネジ部を前記第1筒状体部の雄ネジ部に螺合させることにより前記コネクタ部に接続されるナットと、を備えることを特徴とする。
本発明の人工血管接続具によれば、フェルールは人工血管の表面上を直線的にスライドすることによってコネクタ部に取り付けられ、当該フェルールを覆うようにしてナットをコネクタに螺合させる構造となっているため、ナットの雌ネジ部をコネクタ部の雄ネジ部に螺合させて締め付けを行う際に、当該ナットは、フェルールの存在により、人工血管の表面に接触することがない。このため、ナットを回転させながら締め付けを行う際に、人工血管に摩擦による擦れを生じさせることがなく、人工血管の損傷を未然に防止することができる。また、ナットはコネクタ部にネジ止めされるため、人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性を高くすることができる。
なお、上記したように、接続対象に向く側を前方側とし、当該前方側とは反対側を後方側としているが、本発明の人工血管接続具は、人工血管の両端部(一端部及び他端部とする。)の側にそれぞれ装着される場合もある。このように、本発明の人工血管接続具が人工血管の一端部の側及び他端部の側にそれぞれ装着される場合、人工血管の一端部の側及び他端部の側をそれぞれ別個に考えて、人工血管の一端部の側及び他端部の側それぞれにおいて接続対象に向く側を前方側とし、その反対側を後方側とする。
[2]本発明の人工血管接続具においては、前記コネクタ部の第2筒状体部には、外周面の外径が軸方向において一定となっている第1平坦外周面部と、当該第1平坦外周面部に連なって形成され、外周面が前記第1平坦外周面部から後方側に向かう方向にテーパー状に縮径している傾斜外周面部と、当該傾斜外周面に連なって形成され、外周面の外径が軸方向において一定となっている第2平坦外周面部と、が形成されており、前記フェルールにおける前記筒状部の内周面には、前記第2筒状体部における前記第1平坦外周面部に対応し、内周面の内径が軸方向において一定となっている第1平坦内周面と、前記第2筒状体部における前記傾斜外周面部に対応する傾斜内周面部と、前記第2筒状体部における前記第2平坦外周面部に対応し、内周面の内径が軸方向において一定となっている第2平坦内周面部とが形成され、前記傾斜外周面部の傾斜角度をθ1とし、前記傾斜内周面部の傾斜角度をθ2としたとき、当該傾斜内周面の傾斜角度θ2は、0≦θ2≦θ1の範囲に設定され、かつ、前記第1平坦内周面部と前記傾斜内周面部との境目には段差部が形成されており、前記フェルールの爪板部が前記第1筒状体部の前記平面部に当接するように当該フェルールを前記コネクタ部に取り付けた状態としたときに、前記段差部は、当該段差部における前記傾斜内周面部側の端部が前記コネクタ部における前記傾斜外周面部の途中に位置するように形成されていることが好ましい。
このように、フェルールをコネクタに取り付けた状態としたときに、段差部における傾斜内周面部側の端部がコネクタ部における傾斜外周面部の途中に位置するため、人工血管に後方側への引っ張り力が働いたとしても、人工血管は段差部の存在により後方側に抜けにくくなり、それにより、人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性を高くすることができる。
なお、この明細書において、コネクタ部における傾斜外周面部の傾斜角度というのは、コネクタ部における第1平坦外周面部を後方側に延長した延長面に対する傾斜角度であり、フェルールにおける傾斜内周面の傾斜角度というのは、フェルールにおける第2平坦内周面部を前方側に延長した延長面に対する傾斜角度であるとする。
[3]本発明の人工血管接続具において、前記ナットは、当該ナットを前記コネクタ部に接続する際に、前記フェルールを前方側に直線的にスライドさせるための押圧力を前記フェルールに付与する押圧力付与部を有するとともに、前記フェルールは、前記ナットの押圧力を受ける押圧力受け部を有し、前記フェルールが前記ナットの押圧力を受けて前方側に直線的にスライドすることにより、前記段差部における前記傾斜内周面部側の端部が前記人工血管を押圧しながらコネクタ部の傾斜外周面部に沿ってスライドして行く動作を行うことが好ましい。
このように、フェルールはナットの押圧力を受けて段差部における傾斜内周面部側の端部が人工血管を押圧しながらコネクタ部の傾斜外周面部に沿ってスライドして行く動作を行うことにより、人工血管は、段差部の前方側に盛り上がり部が生じる。この盛り上がり部が抜け止めの役目をなすため、人工血管に後方側への引っ張り力が働いたとしても、人工血管がコネクタ部から抜けてしまうことを確実に防止することができ、人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性をより高くすることができる。
[4]本発明の人工血管接続具において、前記ナットが有する前記押圧力付与部は、当該ナットの後方側端部に周方向に沿って径方向内側に延出するように形成されている内側延出部であり、前記フェルールが有する前記押圧力受け部は、当該フェルールの前記筒状部の後方側端部に周方向に沿って形成され、前記内側延出部を当接させることができる切り欠き部であることが好ましい。
ナット及びフェルールをこのような構造とすることにより、ナットの締め付けを行うことに伴ってフェルールを前方側にスライドさせることができる、
[5]本発明の人工血管接続具において、前記接続対象に接続可能な接続リングをさらに備え、当該接続リングは、内周面に雌ネジ部を有し、当該雌ネジ部を前記接続対象の側に設けられている雌ネジ部に螺合させることにより、前記コネクタ部を前記接続対象に接続可能とすることが好ましい。
このような接続リングを備えることにより、人工血管を接続対象に容易かつ確実に接続することができる。
[6]本発明の人工血管接続具において、前記人工血管がナットの後方側端部において急激に折れ曲がってしまうことを防止するための折れ曲がり防止部材をさらに備えることが好ましい。
このような折れ曲がり防止部材を備えることにより、人工血管がナットの後方側端部において急激に折れ曲がってしまうことを防止することができる。なお、折れ曲がり防止部材としては、例えば、シリコンゴムなどの可撓性を有する筒状の覆い体を例示することができる。
[7]本発明の人工血管接続具においては、前記人工血管は、樹脂繊維の織物によって作られている人工血管であることが好ましい。
樹脂繊維の織物によって作られている人工血管は、厚みも薄く、擦れに弱いため、ナットの締め付けによる摩擦によって当該人工血管を損傷させる可能性が高い。従って、このような人工血管に本発明の人工血管接続具を適用することにより、特に大きな効果が得られる。
[8]本発明の人工血管接続具においては、前記接続対象は、血液ポンプ又はカニューレであることが好ましい。
このように、人工血管を血液ポンプ又はカニューレに接続する際の人工血管接続具として本発明の人工血管接続具を用いることにより、樹脂繊維の織物で作られている人工血管の損傷を未然に防止することができ、かつ、人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性を高くすることができる。
[9]本発明の人工血管ユニットは、樹脂繊維の織物によって作られている人工血管と、前記人工血管を接続対象に接続するための人工血管接続具とを備え、前記人工血管に前記人工血管接続具が装着されている人工血管ユニットであって、前記人工血管接続具は、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の人工血管接続具であることを特徴とする。
本発明の人工血管ユニットによれば、人工血管接続具として、[1]〜[8]のいずれかに記載の人工血管接続具が人工血管に装着されていることにより、人工血管ユニット40を構成する人工血管は、損傷のない高品質な人工血管とすることができ、しかも、人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性の高い人工血管ユニットとすることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを説明するために示す図である。図1(a)は実施形態1に係る人工血管接続具10Aを構成する各部材が人工血管20に取り付けられ、かつ、各部材同士が相互に接続される前の状態を示しており、図1(b)は人工血管接続具10Aを構成する各部材が人工血管20に取り付けられ、かつ、各部材同士が相互に接続されている状態を示している。なお、図1(b)に示す状態のものを「実施形態1に係る人工血管ユニット30」又は単に「人工血管ユニット30」という。また、実施形態1においては、人工血管20の接続対象は血液ポンプであるとする。このため、実施形態1においては、血液ポンプに向く側を前方側とし、当該前方側とは反対側を後方側とし、人工血管の中心軸X1に沿った方向を軸方向として説明する。
図1は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを説明するために示す図である。図1(a)は実施形態1に係る人工血管接続具10Aを構成する各部材が人工血管20に取り付けられ、かつ、各部材同士が相互に接続される前の状態を示しており、図1(b)は人工血管接続具10Aを構成する各部材が人工血管20に取り付けられ、かつ、各部材同士が相互に接続されている状態を示している。なお、図1(b)に示す状態のものを「実施形態1に係る人工血管ユニット30」又は単に「人工血管ユニット30」という。また、実施形態1においては、人工血管20の接続対象は血液ポンプであるとする。このため、実施形態1においては、血液ポンプに向く側を前方側とし、当該前方側とは反対側を後方側とし、人工血管の中心軸X1に沿った方向を軸方向として説明する。
図2は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを構成する各部材のうちの接続リング100を説明するために示す図である。なお、図2は、接続リング100を人工血管20から取り外した状態を示す図であり、図2(a)は接続リング100の側面図であり、図2(b)は接続リング100を前方側から後方側に向かって見た場合の正面図である。
図3は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを構成する各部材のうちのコネクタ部200を示す図である。なお、図3は、コネクタ部200を人工血管20から取り外した状態を示す図であり、図3(a)はコネクタ部200を斜め後方側から見た場合の斜視図であり、図3(b)はコネクタ部200を斜め前方側から見た場合の斜視図であり、図3(c)はコネクタ部200の軸方向に沿った部分断面図であり、図3(d)は図3(c)の破線円C1内の拡大図である。
図4は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを構成する各部材のうちのフェルール300を示す図である。なお、図4は、フェルール300を人工血管20から取り外した状態を示す図であり、図4(a)はフェルール300を斜め後方側から見た場合の斜視図であり、図4(b)はフェルール300を斜め前方側から見た場合の斜視図であり、図4(c)はフェルール300の軸方向に沿った部分断面図であり、図4(d)は図4(c)の破線円C2内の拡大図である。
図5は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを構成する各部材のうちのナット400を示す図である。なお、図5は、ナット400を人工血管20から取り外した状態を示す図であり、図5(a)はナット400を斜め後方側から見た場合の斜視図であり、図5(b)はナット400を斜め前方側から見た場合の斜視図であり、図5(c)はナット400の軸方向に沿った部分断面図であり、図5(d)は図5(c)の破線円C3内の拡大図である。
以下、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを説明する。
実施形態1に係る人工血管接続具10Aは、図1〜図5に示すように、血液ポンプ(図1においては図示せず。)に接続するための接続リング100と、第1筒状体部210及び第2筒状体部220を有するコネクタ部200と、筒状部310及び当該筒状部310から軸方向に沿って前方側に突出して形成されている2つの爪板部320を有するフェルール300と、フェルール300を覆うようにしてコネクタ部200に接続されるナット400とを備えている。
実施形態1に係る人工血管接続具10Aは、図1〜図5に示すように、血液ポンプ(図1においては図示せず。)に接続するための接続リング100と、第1筒状体部210及び第2筒状体部220を有するコネクタ部200と、筒状部310及び当該筒状部310から軸方向に沿って前方側に突出して形成されている2つの爪板部320を有するフェルール300と、フェルール300を覆うようにしてコネクタ部200に接続されるナット400とを備えている。
なお、人工血管20は、ポリエステルなどの樹脂繊維の織物で作られており、厚みは0.2mm程度の薄いものであるとする。当該人工血管20は、前方側端部が実施形態1に係る人工血管接続具10Aによって血液ポンプの血液流出口に接続され、後方側端部が大動脈に例えば縫合によって接続されるものとする。
以下、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを構成する各部材(接続リング100、コネクタ部200フェルール300及びナット400)について個々に説明する。
まず、接続リング100は、図2に示すように、前方側端部110及び後方側端部120が開口となっている筒状をなし、後方側端部120には、径方向に沿って内側に延出している内側延出部121が周方向の全周に沿って形成されている。なお、内側延出部121は、コネクタ部200との係合を可能とする係合部としても役目をなす。
まず、接続リング100は、図2に示すように、前方側端部110及び後方側端部120が開口となっている筒状をなし、後方側端部120には、径方向に沿って内側に延出している内側延出部121が周方向の全周に沿って形成されている。なお、内側延出部121は、コネクタ部200との係合を可能とする係合部としても役目をなす。
また、接続リング100における内周面には、前方側端部110から後方側端部120に向かう所定範囲に雌ネジ部130が形成されている。当該雌ネジ部130は、接続リング100を例えば血液ポンプなどに接続する際に、血液ポンプ側の接続金具(図示せず。)に形成されている雄ネジ部に螺合させるためのものである。
また、接続リング100の軸方向における中央部付近には複数の貫通孔140が周方向に沿って所定間隔で設けられている。当該貫通孔140は、接続リング100を例えば血液ポンプ側の接続金具に形成されている雄ネジ部に螺合させて締め付けを行う際に、締め付けピンなど差し込むためのものである。
次に、コネクタ部200について説明する。
コネクタ部200は、図3に示すように、第1筒状体部210と第2筒状体部220とを有している。第1筒状体部210は、雄ネジ部211と当該雄ネジ部211が形成されていない平面部212とが外周面の周方向に沿って交互に形成されている。また、第2筒状体部220は、第1筒状体部210の後方側に連なって形成され、第1筒状体部210よりも外径が小径で、かつ、人工血管20の内部に嵌入可能となっている。
コネクタ部200は、図3に示すように、第1筒状体部210と第2筒状体部220とを有している。第1筒状体部210は、雄ネジ部211と当該雄ネジ部211が形成されていない平面部212とが外周面の周方向に沿って交互に形成されている。また、第2筒状体部220は、第1筒状体部210の後方側に連なって形成され、第1筒状体部210よりも外径が小径で、かつ、人工血管20の内部に嵌入可能となっている。
また、コネクタ部200の前方側端部には、外側に突出する鍔部230が形成されている。当該鍔部230は、接続リング100の後方側端部120に形成されている内側延出部121に係合するものである。
第2筒状体部220には、外周面の外径が軸方向において一定となっている第1平坦外周面部221と、第1平坦外周面部221に連なって形成され、外周面が第1平坦外周面部221から後方側に向かう方向にテーパー状に縮径している傾斜外周面部222と、傾斜外周面部222に連なって形成され、外周面の外径が軸方向において一定となっている第2平坦外周面部223とが形成されている。なお、第2平坦外周面部223の外径は、人工血管20の内径と同等又は人工血管20の内径よりもわずかに大きい外径を有している。
また、当該第2筒状体部220の後方側端部(第2平坦外周面部223の後方側端部)には、丸みRが形成されている。このように、第2筒状体部220の後方側端部に丸みRが形成されていることから、当該第2筒状体部220内を流れる血液が溶血しにくくなる効果が得られる。
なお、傾斜外周面部222の傾斜角度θ1は、約10度としている。なお、コネクタ部200における傾斜外周面部222の傾斜角度θ1というのは、第1平坦外周面部221を後方側に延長した延長面に対する傾斜角度であるとする。また、第1筒状体部210の内周面と第2筒状体部220の内周面とは段差及び継ぎ目が存在しない平滑面となっている。なお、傾斜角度θ1はこの場合、約10度としたが、これに限られるものではない。
ところで、コネクタ部200の第1筒状体部210の外周面には、前述したように、雄ネジ部211と当該雄ネジ部211が形成されていない平面部212とが外周面の周方向に沿って交互に形成されている。当該雄ネジ部211は第1筒状体部210の後方側端部から前方側端部に向かってほぼ中途位置まで形成されている。また、平面部212は第1筒状体部210の外周面に2箇所形成されており、各平面部212は、中心軸X1を挟んで互いに反対側となる位置に形成されていることが好ましい。なお、平面部212は、雄ネジ部211よりも一段低い平面凹部となっている。
また、各平面部212は、軸方向においては、第1筒状体部210の後方側端部から鍔部230に達するまでの間に形成されている。また、各平面部212の幅(周方向の幅)W1は、後述するフェルール300に2つの爪板部320の幅W2(図4参照。)とほぼ同等かやや大きく設定されている。
次に、フェルール300について説明する。
フェルール300は、図3に示すように、コネクタ部200の第2筒状体部220が人工血管20に嵌入した状態となっているときに人工血管20を介して環装可能な筒状部310と、当該筒状部310から軸方向に沿って突出して形成されており、第1筒状体部210の平面部212に当接する爪板部320とを有している。
フェルール300は、図3に示すように、コネクタ部200の第2筒状体部220が人工血管20に嵌入した状態となっているときに人工血管20を介して環装可能な筒状部310と、当該筒状部310から軸方向に沿って突出して形成されており、第1筒状体部210の平面部212に当接する爪板部320とを有している。
また、筒状部310の内周面には、コネクタ部200の第1平坦外周面部221に対応し、内周面の内径が軸方向において一定となっている第1平坦内周面部311と、コネクタ部200の傾斜外周面部222に対応する傾斜内周面部312と、コネクタ部200の第2平坦外周面部223に対応し、内周面の内径が軸方向において一定となっている第2平坦内周面部313とが形成されている。
傾斜内周面部312は、第2平坦内周面部312から前方側に向かう方向にテーパー状に径を大きくし、その傾斜角度はθ2であるとする。なお、フェルールにおける傾斜内周面312の傾斜角度θ2というのは、第2平坦内周面部313を前方側に延長した延長面に対する傾斜角度であるとする。また、実施形態1においては、傾斜内周面部312の傾斜角度θ2は、コネクタ部200における傾斜外周面部222の傾斜角度θ1と同じであるとする。
また、第1平坦内周面部311と傾斜内周面部312との境目には段差部S1が形成されている。段差部S1は、当該フェルール300をコネクタ部200に取り付けた状態としたときに、当該段差部S1における傾斜内周面部312側の端部e1(以下、段差部S1の端部e1と略記する場合もある。)が第2筒状体部220の傾斜外周面部222の途中に位置するように形成されている。
また、筒状部310の後方側端部には、断面がL字型の切り欠き部314が周方向の全周に沿って形成されている。当該切り欠き部314は、ナット400の押圧力を受ける押圧力受け部として機能する。
また、筒状部310の後方側端部には、断面がL字型の切り欠き部314が周方向の全周に沿って形成されている。当該切り欠き部314は、ナット400の押圧力を受ける押圧力受け部として機能する。
2つの爪板部320は、径方向において対向するように設けられており、フェルール300をコネクタ部200に取り付けた状態としたときには、各爪板部320が第1筒状体部210のそれぞれ対応する平面部212に当接した状態となり、フェルール300に対して周方向の回転力が加わってもフェルール300は回転しないようになっている。
また、第1平坦内周面部311の内径は第2筒状体部220の第1平坦外周面部221の外径よりもわずかに大きく設定されており、第2平坦内周面部313の内径は第2筒状体部220の第2平坦外周面部223の外径よりもわずかに大きく設定されている。また、2つの爪板部320の径方向の間隔は、第1平坦内周面部311の内径よりもわずかに大きく設定されている。
これにより、第2筒状体部220が人工血管20に嵌入されている状態のコネクタ部200に、フェルール300を取り付ける際には、フェルール300を周方向に回転させることなく(ネジ込むことなく)、軸方向に沿って直線的にスライドさせることによって、人工血管20に嵌入されている状態のコネクタ部200にフェルール300の取り付けが可能となる。なお、フェルール300をコネクタ部200に取り付ける際においては、各爪板部320と第1筒状体部210のそれぞれ対応する平面部212とが同一直線上となるように位置決めした状態でフェルール300を直線的にスライドさせる。
このようにしてフェルール300をコネクタ部200に取り付けたときには、第1平坦内周面部311は、第2筒状体部220の第1平坦外周面部221に人工血管20を介してほぼ対面した状態となっており、第2平坦内周面部313は、第2筒状体部220の第2平坦外周面部223に人工血管20を介してほぼ対面した状態となっている。
また、傾斜内周面部312は、コネクタ部200の傾斜外周面部222に人工血管20を介してほぼ対面した状態となっている。なお、このとき、第1平坦内周面部311と傾斜内周面部312との境目には段差部S1が位置する。具体的には、当該段差部S1の端部e1がコネクタ部200における傾斜外周面部222の中途に位置する。また、このようにコネクタ部200に取り付けられているフェルール300は、前方側にさらにわずかな量だけスライド可能となっている。これについては後述する。
次に、ナット400について説明する。
ナット400の内周面には、図5に示すように、コネクタ部200における第1筒状体部210の雄ネジ部211に螺合する雌ネジ部410が形成されている。また、ナット400の軸方向中央部付近には複数の貫通孔420が周方向に沿って所定間隔で設けられている。当該貫通孔420は、ナット400の雌ネジ部410をコネクタ部200に形成されている雄ネジ部211に螺合させて締め付けを行う際に、締め付けピンなど差し込むためのものである。
ナット400の内周面には、図5に示すように、コネクタ部200における第1筒状体部210の雄ネジ部211に螺合する雌ネジ部410が形成されている。また、ナット400の軸方向中央部付近には複数の貫通孔420が周方向に沿って所定間隔で設けられている。当該貫通孔420は、ナット400の雌ネジ部410をコネクタ部200に形成されている雄ネジ部211に螺合させて締め付けを行う際に、締め付けピンなど差し込むためのものである。
また、ナット400の後方側端部には、径方向内側にわずかに延出する内側延出部430が周方向の全周に沿って形成されている。当該内側延出部430は、フェルール300の筒状部310に形成されている切り欠き部314に当接するものであり、フェルール300に押圧力を与える押圧力付与部として機能する。
このように構成されているナット400は、コネクタ部200の第2筒状体部220が人工血管20に嵌入し、かつ、フェルール300がコネクタ部200に取り付けられた状態となっているときに、フェルール300を覆うようにして雌ネジ部410を第1筒状体部210の雄ネジ部211に螺合させることによりコネクタ部200に接続することができる。
ところで、人工血管接続具10Aを構成する上記各部材(接続リング100、コネクタ部200、フェルール300及びナット400)は、血液適合性に優れた材料である純チタンを用いている。なお、純チタンに代えてチタン合金(好ましくはTi−6A1−4V合金)を用いることもできる。
実施形態1に係る人工血管接続具10Aを人工血管20に装着する手順は、まずは、ナット400を人工血管20に環装させるとともに、フェルール300を人工血管20に環装させた状態としておく。また、コネクタ部200と接続リング100は、コネクタ部200の鍔部230が接続リング100の内側延出部121に係合するように両者を接続しておく。
そして、ナット400とフェルール300とを環装させた状態の人工血管20に、コネクタ部200の第2筒状体部220を嵌入する。その後、フェルール300の2つの爪板部320がコネクタ部200における第1筒状体部210のそれぞれ対応する平面部212に当接するようにフェルール300を軸方向に沿って直線的にスライドさせて、フェルール300をコネクタ部200に取り付けた後に、ナット400の雌ネジ部410をコネクタ部200の第1筒状体部210の雄ネジ部211に螺合させて締め付けを行う。
これにより、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを人工血管20に装着することができる(図1(b)参照。)。なお、ナット400の締め付けを行う際には、締め付けピンなどを貫通孔420に差し込んで締め付けを行うことにより、ナット400をコネクタ部200に確実に接続することができる。
このように、ナット400の締め付けを行う際においては、当該ナット400はフェルール300の存在により人工血管20には直接的には接触していない状態で、回転しながら締め付けられて行く。このため、人工血管20にはナット400が回転することによる摩擦力が与えられることはなく、「ナットの締め付けによる摩擦によって人工血管が擦れて、人工血管が損傷してしまう」といった不具合を確実に防止することができる。
ところで、ナット400の雌ネジ部410をコネクタ部200の第1筒状体部210の雄ネジ部211に螺合させて締め付けを行う際には、ナット400の後方側端部に形成されている内側延出部430が、フェルール300の後方側端部に形成されている切り欠き部314に当接した状態でナット400の締め付けが行われる。
このため、ナット400を締め付けると、フェルール300に対して後方側から前方側への押圧力を与えることとなる。これにより、フェルール300は軸方向に沿って前方側に直線的にわずかにスライドする。このように、フェルール300が前方側に直線的にわずかにスライドすることにより、フェルール300の傾斜内周面部312は、人工血管20を介してコネクタ部200の傾斜外周面部222を押圧しながらコネクタ部200の傾斜外周面部222に沿って前方側にわずかにスライドして行く。このとき、フェルール300の第1平坦内周面部311と傾斜内周面部312との境目に形成されている段差部S1もコネクタ部200の傾斜外周面部222に沿ってわずかにスライドして行く動作を行う。
図6は、ナットの締め付けを行うことよるフェルール300の動作を説明するために示す図である。なお、図6はコネクタ部200に人工血管20を介してフェルール300とナット400とが取り付けられている状態を軸方向に沿った部分断面として示す模式図である。図6(a)はナットの締め付けを開始する前の状態を示しており、図6(b)はナットの締め付けを終了した状態を示している。
また、図6において図1〜図5と同一構成要素には同一符号が付されている。但し、図6は模式図であるため、各構成要素は誇張して示されている部分もあり、また、図示が省略されている部分もある。
図6を参照して、ナット400の締め付けを行うことよるフェルール300の動作について説明する。まず、図6(a)の状態から、ナット400を時計方向に回転させて締め付けを行うと、ナット400は、回転に伴って前方側に進行して行き、それによって、ナット400の後方側端部に形成されている内側延出部430がフェルール300の筒状部310の後方側端部に形成されている切り欠き部314に当接して、フェルール300を前方側に押して行く。
これにより、フェルール300は前方側に直線的にわずかにスライドし、フェルール300の傾斜内周面部312は、人工血管20を介してコネクタ部200の傾斜外周面部222を押圧しながらコネクタ部200の傾斜外周面部222に沿って前方側にわずかにスライドして行く。このとき、フェルール300の段差部S1もコネクタ部200の傾斜外周面部222に沿ってわずかにスライドして行く動作を行う。なお、フェルール300の段差部S1がコネクタ部200の傾斜外周面部222に沿ってわずかにスライドして行く動作を行う際においては、当該段差部S1の端部e1が人工血管20を押圧しながらコネクタ部200の傾斜外周面部222に沿ってわずかにスライドして行く動作を行う。
このように、段差部S1の端部e1が人工血管20を押圧しながらコネクタ部200の傾斜外周面部222に沿ってわずかにスライドして行く動作を行うと、図6(b)に示すように、人工血管20は、段差部S1の前方側において盛り上がり部20aが生じる。この盛り上がり部20aは、人工血管20が段差部S1の端部e1によって前方側に押されることによって生じる皺であるといえる。なお、人工血管20が段差部S1の端部e1によって前方側に押されることによって、当該段差部S1の端部e1よりも後方側においては、人工血管20には皺が生じにくくなる。
図6(b)に示すように、人工血管20は段差部S1の前方側において盛り上がり部20aが生じている状態となると、当該盛り上がり部20aが抜け止めの役目を果たす。このため。仮に、人工血管20に後方側への引っ張り力が働いたとしても、人工血管20がコネクタ部200から抜けてしまうことを確実に防止することができ、人工血管20と人工血管接続具10Aとの接続の信頼性をより高くすることができる。
図7は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを人工血管20に装着した状態を示す断面図である。なお、図7は図1(b)における中心軸X1を中心として90度の角度で軸方向に沿って切断した場合の断面図である。このため、図7において、中心軸X1の図示上側はフェルール300の爪板部320がコネクタ部200における第1筒状体部210の平面部212に当接している部分が示されており、中心軸X1の図示下側はフェルール300の爪板部320が存在しない部分、すなわち、第1筒状体部210の平面部212が形成されていない部分(第1筒状体部210の雄ネジ部211が形成されている部分)が示されている。また、図7において、図1〜図6に示す構成要素と同一の構成要素には同一符号が付されている。
図7に示すように、接続リング100とコネクタ部200とは互いに係合した状態となっている。接続リング100とコネクタ部200とは、接続リング100の後方側端部120に形成されている内側延出部121がコネクタ部200の前方側端部に設けられている鍔部230に係合した状態で接続されている。なお、接続リング100は例えば血液ポンプなどの接続金具に接続する際に用いられるものであり、コネクタ部200との接続構造については本発明の要旨ではないため詳細な説明は省略する。
コネクタ部200は、当該コネクタ部200の第2筒状体部220が人工血管20に嵌入している。そして、フェルール300は、2つの爪板部320がコネクタ部200の第1筒状体部210に形成されている2つの平面部212に当接した状態となっている。ただし、図7においては、2つの爪板部320及び2つの平面部212のうち、一方の爪板部と一方の平面部のみが目視可能となっている。
また、フェルール300の筒状部310は、人工血管20を介してコネクタ部200の第2筒状体部220に環装されている(詳細は図6参照。)。ナット400は、当該ナット400の雌ネジ部410をコネクタ部200の雄ネジ部211に螺合した状態で締め付けを行うことで、フェルール300は図6において説明したようにコネクタ部200に取り付けられる。
実施形態1に係る人工血管接続具10Aを人工血管20に接続した状態(図1(b)及び図7参照。)のものが実施形態1に係る人工血管ユニット30となる。このような人工血管ユニット30を、例えば、血液ポンプの血液流出口に接続する際には、接続リング100の内周面に形成されている雌ネジ部130を、血液ポンプの血液流出口側の接続金具(図示せず。)に形成されている雄ネジ部に螺合させ、接続リング100を締め付ける。なお、接続リング100の締め付けを行う際に、締め付けピンなどを貫通孔140に差し込んで、締め付けを行うことにより、接続リング100を血液ポンプ側の接続金具に確実に接続することができる。なお、接続リング100を血液ポンプ側の接続金具に接続すると、コネクタ部200は血液ポンプ側の接続金具との間においてOリング(図示せず。)などを介在した状態で密着結合される。
図8は、実施形態1に係る人工血管ユニット30の使用例を模式的に示す図である。なお、図8においては、実施形態1に係る人工血管ユニット30を血液ポンプ50の血液流出口51と人体60の大動脈70とを接続するために用いた場合を例示している。また、図8においては、血液ポンプ50を駆動するための外部コントローラ及び人工血管に巻回されているヘリックスなどは図示が省略されている。
図8に示すように、人工血管ユニット30の一方側(人工血管接続具10Aが存在する側)は、人工血管接続具10Aの接続リング100が血液ポンプ50における血液流出口51の接続金具(図示せず。)に接続され、人工血管ユニット30の他方側は大動脈70に例えば縫合などにより接続されている。
なお、図8においては、実施形態1に係る人工血管ユニット30を血液ポンプ50の血液流出口51と大動脈70とを接続する場合を例示したが、実施形態1に係る人工血管ユニット30とほぼ同様の構造のものを、人体60の左心室80と血液ポンプ50における血液流入口52との接続にも使用することができる。
以上説明したように、実施形態1に係る人工血管接続具10Aによれば、樹脂繊維の織物で作られている人工血管の損傷を未然に防止することができ、かつ、接続後の信頼性の高いものとなる。
すなわち、ナット400をコネクタ部200に取り付ける際には、ナット400の雌ネジ部410をコネクタ部200の雄ネジ部211に螺合させてナット400を締め付けて行くが、このとき、ナット400はフェルール300の存在により人工血管20には直接的には接触していない状態で締め付けることができる。このため、人工血管20にはナット400が回転することによる摩擦力が与えられることはなく、「ナットの締め付けによる摩擦によって人工血管が擦れて、人工血管が損傷してしまう」といった不具合を確実に防止することができ、それによって、樹脂繊維の織物で作られている人工血管の損傷を未然に防止することができる。
また、ナット400の締め付けを行うと、フェルール300はナット400によって押圧されて前方側にわずかにスライドする。このため、人工血管20は段差部S1の前方側において盛り上がり部20aが生じた状態となり、盛り上がり部20aが抜け止めの役目をなすため、人工血管20がコネクタ部200から抜けにくくなる。これにより、実施形態1に係る人工血管接続具10Aによれば、仮に、人工血管20に後方側への引っ張り力が働いたとしても、人工血管20がコネクタ部200から抜けてしまうことを確実に防止することができ、人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性をより高くすることができる。
また、実施形態1に係る人工血管ユニット30によれば、人工血管接続具として、実施形態1に係る人工血管接続具10Aを用いていることにより、人工血管ユニット40を構成する人工血管20は、損傷のない高品質な人工血管とすることができ、しかも、人工血管20と人工血管接続具10Aとの接続の信頼性の高い人工血管ユニットとすることができる。
なお、実施形態1に係る人工血管ユニット30は、人工血管20を血液ポンプに接続する場合について説明したが、実施形態1に係る人工血管ユニット30は、カニューレ(図示せず。)に接続する場合にも使用することができる。実施形態1に係る人工血管ユニット30をカニューレに接続する場合においては、カニューレの側に接続リング100の雌ネジ部130が螺合可能な雄ネジ部を形成しておく。これにより、実施形態1に係る人工血管ユニット30をカニューレに接続することができる。
ところで、図1(b)及び図7においては示されていないが、人工血管20がナット400の後端部において急激に折れ曲がってしまうことを防止するための折れ曲がり防止部材を装着することが好ましい。
図9は、ナット400と人工血管20の所定範囲に折れ曲がり防止部材500を装着した場合を示す図である。図9においては、折れ曲がり防止部材500としては、例えば、シリコンゴムなどの可撓性を有する筒状の覆い体を用いた場合が例示されている。
このような折れ曲がり防止部材500を、例えば、ナット400と人工血管20の所定範囲とを覆うように装着することにより、人工血管20がナット400の後方側端部において急激に折れ曲がってしまうことを防止することができる。折れ曲がり防止部材500を覆う範囲は、ナット400側においては、ナット400全体を覆うようにしてもよく、また、ナット400の後方側端部の一部を覆うようにしてもよい。また、人工血管20側においては、当該人工血管20にヘリックス(図示せず。)が存在する場合には、ヘリックスが存在する部分まで覆うようにすることが好ましい。なお、折れ曲がり防止部材500しては、図9に示すような折れ曲がり防止部材500に限られるものではない。
[実施形態2]
図10は、実施形態2に係る人工血管接続具10Bを説明するために示す図である。実施形態2に係る人工血管接続具10Bは、コネクタ部200が人工血管20の接続対象となる側に設けられている場合である。ここでは、人工血管20の接続対象は、カニューレ90であるとする。
図10は、実施形態2に係る人工血管接続具10Bを説明するために示す図である。実施形態2に係る人工血管接続具10Bは、コネクタ部200が人工血管20の接続対象となる側に設けられている場合である。ここでは、人工血管20の接続対象は、カニューレ90であるとする。
なお、図10(a)は実施形態2に係る人工血管接続具10Bを構成する各部材が人工血管20に取り付けられ、かつ、各部材同士が相互に接続される前の状態を示しており、図10(b)は人工血管接続具10Bを構成する各部材が人工血管20に取り付けられ、かつ、各部材同士が相互に接続されている状態を示している。なお、図10(b)に示す状態のものを「実施形態2に係る人工血管ユニット40」又は単に「人工血管ユニット40」という。
実施形態2に係る人工血管接続具10Bにおいては、コネクタ部200はカニューレ90の一端部(生体側への接続部とは反対側の端部)の側に一体的に設けられている。このため、実施形態1に係る人工血管接続具10Aにおいて用いた接続リング100は不要となる。
このように、カニューレ90の一端部に側に一体的に設けられているコネクタ部200の構造は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aにおけるコネクタ部200とほぼ同様であり、また、フェルール300及びナット400の構造も実施形態1に係る人工血管接続具10Aにおけるフェルール300及びナット400と同じ構造であるため、同一部分にはそれぞれ同一符号が付されている。
実施形態2に係る人工血管接続具10Bを人工血管20に装着する手順は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aと同様の手順で行うことができるため、その説明は省略する。実施形態2に係る人工血管接続具10Bを人工血管20に装着した状態のもの(図10(b)参照。)が、実施形態2に係る人工血管ユニット40となる。なお、実施形態2においては、人工血管接続具10Bにおけるコネクタ部200はカニューレ90に一体的に形成されているため、実施形態2に係る人工血管ユニット40においては、当該人工血管ユニット40はカニューレ90をも含むものとする。
実施形態に係る人工血管接続具10Bにおいても、ナット400の雌ネジ部410(図5参照。)をコネクタ部200の雄ネジ部211に螺合させて締め付けを行う際は、実施形態1に係る人工血管接続具10Aの場合と同様、ナット400はフェルール300の存在により人工血管20には直接的には接触していない状態で、回転しながら締め付けられて行く。このため、人工血管20にはナット400が回転することによる摩擦力が与えられることはなく、「ナットの締め付けによる摩擦によって人工血管が擦れて、人工血管が損傷してしまう」といった不具合を確実に防止することができる。
また、ナット400の締め付けを行うと、実施形態1に係る人工血管接続具10Aの場合と同様、フェルール300は軸方向に沿って前方側に直線的にわずかにスライドする。このとき、段差部S1の端部e1も人工血管20を押圧しながらコネクタ部200の傾斜外周面部222に沿ってスライドして行く動作を行う。これにより、図6(b)に示すように、人工血管20は、段差部S1の前方側に盛り上がり部20aが生じる。このため、仮に、人工血管20に後方側への引っ張り力が働いたとしても、人工血管20がコネクタ部200から抜けてしまうことを確実に防止することができる。
以上説明したように、実施形態2に係る人工血管接続具10Bによれば、実施形態1に係る人工血管接続具10Aと同様に、樹脂繊維の織物で作られている人工血管の損傷を未然に防止することができ、かつ、人工血管と人工血管接続具との接続の信頼性を高くすることができる。
また、実施形態2に係る人工血管ユニット40によれば、人工血管接続具として、実施形態2に係る人工血管接続具10Bを用いていることにより、人工血管ユニット40を構成する人工血管20は、損傷のない高品質な人工血管とすることができ、しかも、人工血管20と人工血管接続具10Bとの接続の信頼性を高い人工血管ユニットとすることができる。
なお、実施形態2に係る人工血管接続具10Bにおいては、カニューレ90と一体的にコネクタ部200を設けた場合を例示したが、血液ポンプの接続金具にコネクタ部200を一体的に設けるようにしてもよい。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。例えば、下記に示すような変形実施も可能である。
(1)上記各実施形態においては、フェルール300の爪板部320は2本設けられている場合を例示したが、フェルール300の爪板部320は2本に限られるものではなく、3本以上であってもよい。例えば、爪板部を3本設ける場合においては、筒状部310における周方向に120度間隔で爪板部320を設ける。このように、爪板部を3本設ける場合においては、コネクタ部200における第1筒状体部210の平面部212も、第1筒状体部210の周方向に120度間隔で形成する。
(2)上記各実施形態においては、人工血管は、樹脂繊維の織物によって作られている人工血管であるとして説明したが、本発明の人工血管接続具及び人工血管ユニットは、樹脂繊維の織物によって作られている人工血管に限られるものではなく、他の素材(例えば、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)など)を用いた人工血管においても適用できる。
(3)上記各実施形態においては、フェルール300における筒状部310の傾斜内周面部312の傾斜角度θ2は、コネクタ部200における第2筒状体部220の傾斜外周面部222の傾斜角度θ1と同じであるとして説明したが、傾斜内周面部312の傾斜角度θ2は、傾斜外周面部222の傾斜角度θ1と必ずしも同じである必要はなく、第1平坦内周面部311と傾斜内周面部312との間に段差部S1が存在すれば、傾斜外周面部222の傾斜角度θ1よりも小さい傾斜角度であってもよい。なお、フェルール300の傾斜内周面部312の傾斜角度θ2をコネクタ部200の傾斜外周面部222の傾斜角度θ1よりも小さい傾斜角度とする場合、傾斜内周面部312の傾斜角度θ2は0度であってもよい。すなわち、傾斜内周面312の傾斜角度θ2は、0≦θ2≦θ1の範囲に設定されていればよい。
このように、フェルール300の傾斜内周面312の傾斜角度が、0≦θ2≦θ1の範囲に設定され、かつ、第1平坦内周面部311と傾斜内周面部312との間に段差部S1が存在すれば、当該段差部S1の端部e1が人工血管20を押圧しながらコネクタ部200の傾斜外周面部222に沿ってわずかにスライドして行く動作を行うことによって、図6(b)に示すように、人工血管20には、段差部S1の前方側において盛り上がり部20aを生じさせることができる。これにより、仮に、人工血管20に後方側への引っ張り力が働いたとしても、人工血管20がコネクタ部200から抜けてしまうことを確実に防止することができ、人工血管20と人工血管接続具10Aとの接続の信頼性をより高くすることができる。
10A,10B・・・人工血管接続具、20・・・人工血管、30、40・・・人工血管ユニット、50・・・血液ポンプ、90・・・カニューレ、100・・・接続リング、121,430・・・内側延出部、200・・・コネクタ部、210・・・第1筒状体部、211・・・雄ネジ部、212・・・平面部、220・・・第2筒状体部、221・・・第1平坦外周面部、222・・・傾斜外周面部、223・・・第2平坦外周面部、230・・・鍔部、300・・・フェルール、310・・・筒状部、311・・・第1平坦内周面部、312・・・傾斜内周面部、313・・第2平坦内周面部、314・・・切り欠き部、320・・・爪板部、400・・・ナット、410・・・雌ネジ部、500・・・折れ曲がり防止部材、e1・・・段差部S1における傾斜内周面部312側の端部(段差部S1の端部)、S1・・・段差部、θ1・・・傾斜外周面部222の傾斜角度、θ2・・・傾斜内周面部312の傾斜角度
Claims (9)
- 人工血管に取り付けることにより、当該人工血管を接続対象に接続するための人工血管接続具であって、
前記接続対象に向く側を前方側とし、当該前方側とは反対側を後方側とし、前記人工血管の中心軸に沿った方向を軸方向としたとき、
雄ネジ部と当該雄ネジ部が形成されていない平面部とが外周面の周方向に沿って交互に形成されている第1筒状体部と、当該第1筒状体部の後方側端部に形成され、当該第1筒状体部よりも外径が小径で、かつ、前記人工血管の内部に嵌入可能となっている第2筒状体部とを有するコネクタ部と、
前記コネクタ部の前記第2筒状体部が前記人工血管に嵌入した状態となっているときに、前記人工血管の表面上を前方側に直線的にスライドさせることにより前記第2筒状体部の外周面に前記人工血管を介して環装可能な筒状部と、当該筒状部から軸方向に沿って突出して形成されており、前記第1筒状体部の前記平面部に当接する爪板部とを有するフェルールと、
前記コネクタ部の前記第1筒状体部の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有し、前記第2筒状体部が前記人工血管に嵌入し、かつ、前記フェルールが前記コネクタ部に取り付けられている状態となっているときに、前記フェルールを覆った状態で前記雌ネジ部を前記第1筒状体部の雄ネジ部に螺合させることにより前記コネクタ部に接続されるナットと、
を備えることを特徴とする人工血管接続具。 - 請求項1に記載の人工血管接続具において、
前記コネクタ部の第2筒状体部には、
外周面の外径が軸方向において一定となっている第1平坦外周面部と、
当該第1平坦外周面部に連なって形成され、外周面が前記第1平坦外周面部から後方側に向かう方向にテーパー状に縮径している傾斜外周面部と、
当該傾斜外周面に連なって形成され、外周面の外径が軸方向において一定となっている第2平坦外周面部と、
が形成されており、
前記フェルールにおける前記筒状部の内周面には、
前記第2筒状体部における前記第1平坦外周面部に対応し、内周面の内径が軸方向において一定となっている第1平坦内周面と、前記第2筒状体部における前記傾斜外周面部に対応する傾斜内周面部と、前記第2筒状体部における前記第2平坦外周面部に対応し、内周面の内径が軸方向において一定となっている第2平坦内周面部とが形成され、前記傾斜外周面部の傾斜角度をθ1とし、前記傾斜内周面部の傾斜角度をθ2としたとき、当該傾斜内周面の傾斜角度θ2は、0≦θ2≦θ1の範囲に設定され、かつ、前記第1平坦内周面部と前記傾斜内周面部との境目には段差部が形成されており、
前記フェルールの爪板部が前記第1筒状体部の前記平面部に当接するように当該フェルールを前記コネクタ部に取り付けた状態としたときに、前記段差部は、当該段差部における前記傾斜内周面部側の端部が前記コネクタ部における前記傾斜外周面部の途中に位置するように形成されていることを特徴とする人工血管接続具。 - 請求項2に記載の人工血管接続具において、
前記ナットは、当該ナットを前記コネクタ部に接続する際に、前記フェルールを前方側に直線的にスライドさせるための押圧力を前記フェルールに付与する押圧力付与部を有するとともに、前記フェルールは、前記ナットの押圧力を受ける押圧力受け部を有し、
前記フェルールが前記ナットの押圧力を受けて前方側に直線的にスライドすることにより、前記段差部における前記傾斜内周面部側の端部が前記人工血管を押圧しながらコネクタ部の傾斜外周面部に沿ってスライドして行く動作を行うことを特徴とする人工血管接続具。 - 請求項3に記載の人工血管接続具において、
前記ナットが有する前記押圧力付与部は、当該ナットの後方側端部に周方向に沿って径方向内側に延出するように形成されている内側延出部であり、
前記フェルールが有する前記押圧力受け部は、当該フェルールの前記筒状部の後方側端部に周方向に沿って形成され、前記内側延出部を当接させることができる切り欠き部であることを特徴とする人工血管接続具。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の人工血管接続具において、
前記接続対象に接続可能な接続リングをさらに備え、当該接続リングは、内周面に雌ネジ部を有し、当該雌ネジ部を前記接続対象の側に設けられている雌ネジ部に螺合させることにより、前記コネクタ部を前記接続対象に接続可能とすることを特徴とする人工血管接続具。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の人工血管接続具において、
前記人工血管がナットの後方側端部において急激に折れ曲がってしまうことを防止するための折れ曲がり防止部材をさらに備えることを特徴とする人工血管接続具。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の人工血管接続具において、
前記人工血管は、樹脂繊維の織物によって作られている人工血管であることを特徴とする人工血管接続具。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の人工血管接続具において、
前記接続対象は、血液ポンプ又はカニューレであることを特徴とする人工血管接続具。 - 樹脂繊維の織物によって作られている人工血管と、前記人工血管を接続対象に接続するための人工血管接続具とを備え、前記人工血管に前記人工血管接続具が装着されている人工血管ユニットであって、
前記人工血管接続具は、請求項1〜8のいずれかに記載の人工血管接続具であることを特徴とする人工血管ユニット。
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