JP6102331B2 - 粘着層付き位相差フィルム及びこれを用いた光学部材 - Google Patents
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剥離フィルム10は、表面に剥離処理が施された合成樹脂フィルムであればどのようなものであってもよく、ポリエステル系フィルム、オレフィン系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、TAC等が挙げられる。これらの中でも、位相差パターンを後工程で検査できる点で低配向の合成樹脂フィルムが特に好ましい。本明細書において、低配向とは、原反水平方向の配向主軸が0°から12°であることをいい、低配向の合成樹脂フィルムの例として、ポリエステル系フィルム、オレフィン系フィルム等が挙げられる。中でも、強度及び柔軟性に優れる点で、表面に剥離処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)が特に好ましい。
一般的に、剥離強度が重い重剥離フィルムと、比較的軽く剥離できる軽剥離フィルムがある。
粘着層20は、粘着剤組成物の硬化物からなり、粘着剤組成物は、主剤としてのアクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、アクリル共重合体とを必須成分とする。
好ましいアクリル系粘着剤としては、例えば、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、上記アクリル酸エステルの中でも、アクリル酸−n−ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルが、耐熱性、耐湿熱性、耐久性、透明性に優れる点において好ましい。他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−tert−ブチルアミノエチル、メタクリル酸−n−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、上記他の単量体の中でも、(メタ)アクリル酸−n−ブチルが好ましい。
粘着剤組成物は、イソシアネート系硬化剤を含有する。アクリル系粘着剤は水酸基を有するため、イソシアネート系硬化剤を用いることにより、更に部分架橋を向上させることができ、粘着層となったときに、内部破壊がなく適度な貯蔵弾性率を得られる。
粘着剤組成物はアクリル共重合体を含有するため、高温でのTACへの密着性が向上するとともに、粘着層20の凝集性が向上する。また、高温でも適度な弾性率を有することから、トリブロック共重合体系硬化剤を用いることが好ましい。トリブロック共重合体は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(M)とアクリル酸ブチル重合体ブロック(A)とからなり、アクリル酸ブチル重合体ブロック(A)の占める割合は70質量%以上であり、トリブロック共重合体の重量平均分子量は10,000〜300,000である。
粘着剤組成物は、さらに可塑剤を含有する。アクリル共重合体と可塑剤とを併用することで、高温多湿の条件下であってもTACが被着体から浮くことをよりいっそう防止できる。粘着層20に含まれる可塑剤としては、フタル酸エステル系化合物、アジピン酸エステル系化合物等が挙げられる。
粘着剤組成物は、金属キレート剤を用いることで、粘着剤を基材フィルムに塗布後、粘着剤に含まれる溶剤を揮発させる乾燥の際に、初期段階(被着体を貼り合わせる前)の架橋が行われる。金属キレート剤としては、例えば、チタンアセチルアセトネート、チタンオクチルグリコレート、チタントリエタノールアミネート、テトラ−n−ブチルチタネート、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセテート、アルミニウム ジ−n−ブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウム ジ−i−ブトキシドモノメチルアセトアセテート、アルミニウム ジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム ジ−sec−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム トリス(アセチルアセトナート)、アルミニウム トリス(エチルアセトアセトナート)、アルミニウム モノ−アセチルアセトナートビス(エチルアセトアセトナート)、ジルコニウムアセチルアセトネート及びアセチルアセトンジルコニウムブチレート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いられる。
その他の添加剤は、粘着層20に対して、耐候性、耐光性、耐熱性、耐湿性、難燃性等の付与、および、コーティング液の安定性、塗工性、乾燥性、アンチブロッキング性等を向上させるために必要に応じて添加される。特に、上記の粘着剤、硬化剤、アクリル共重合体、可塑剤及び金属キレート剤に加えて、シランカップリング剤を併用することにより、TACと被接着物との接着性をさらに高めることができる。
粘着層20の厚みは、通常、5μm以上100μm以下であるが、好ましくは15μm以上40μm以下である。厚みが5μm未満であると、TACの変形に粘着層20が追従できず浮きが発生する。100μmを超えると、光線透過率等の光学特性に悪影響を及ぼす場合があり好ましくない。
粘着層20の粘性については、上記粘着層20の60℃における損失正接と20℃における損失正接との比である、tanδ(60℃)/tanδ(20℃)が1.1以上1.3未満であることが好ましく、上記粘着層20の80℃における損失正接と20℃における損失正接との比である、tanδ(80℃)/tanδ(20℃)が1.1以上1.3未満であることがより好ましい。tanδは、粘着層20の粘性を反映し、応力緩和挙動(力が加わった場合の変形の遅れ)を示すパラメーターの1つである。tanδは、例えば、測定装置として、ティー・エイ・インスツルメント社製の固体粘弾性アナライザーRSA−IIIを用い、JIS K7244−1に準拠した動的粘弾性測定法(アタッチメントモード:圧縮モード,周波数:1Hz,温度:−50〜150℃、昇温温度:5℃/分)にて測定することができる。本発明は、高温多湿下であっても、TACから粘着層20が浮かないようにすること、さらにはTACの端部から粘着層20が僅かにでも剥がれないようにすることを目的とするため、高温下(60℃)における損失正接tanδと室温(20℃)における損失正接tanδとの比等を指標とした。tanδの比が1.1未満であると、TACの変形に対する粘着剤層の緩和挙動が速すぎるため、高温多湿下においてTACから粘着層20が浮く可能性がある点で好ましくない。tanδの比が1.3以上であると、TACの変形に対する粘着剤層の緩和挙動が遅すぎるため、この場合も高温多湿下においてTACから粘着層20が浮く可能性がある点で好ましくない。
図2は、位相差フィルム30の一例を示す。なお、本明細書において、「位相差」は「パターン位相差」と同義である。位相差フィルム30において、基材31の一方の面上にパターン配向層32が形成され、このパターン配向層32上に、液晶組成物を含む位相差層33が形成される。また、基材31の他方の面上には必要に応じて光学機能層34を設け、さらに第2粘着層(図示せず)を介して保護フィルム35が貼り合わせられていてもよい。
基材31の種類は特に限定されるものでないが、光学的等方性に優れ、光学的特性に優れたパターン配向膜を製造できる点で、基材31としてTACを用いることが好ましい。とりわけ、平均酢化度が57.5%〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のTACを用いることが好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定及び計算により求めることができる。なお、TACの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後、上記の方法により求めることができる。
Re[nm]=(Nx−Ny)×d[nm]
で表わされる値である。Re値は、例えば、位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器社製)を用い、平行ニコル回転法により測定することができる。また、本明細書においては、特に別段の記載をしない限り、Re値は波長589nmにおける値を意味するものとする。
パターン配向層32は、位相差フィルムの用途等に応じて、当該位相差フィルムに必要な機能を付与できる範囲内であればパターン形状やパターン化の方法は特に限定されないが、一例として以下に、2種類の配向パターン(図示せず)を交互に有するパターン配向層について記述する。この配向パターンは、微細な凹凸形状を有するロールで圧延し、当該凹凸形状を転写するラビング処理によって形成されてもよいし、偏光照射により光配向性を発揮する光配向材料を用いて光照射によって配向させる光配向方式によって形成されてもよい。ラビング処理によってパターン配向層32を形成する場合、パターン配向層32は、広く一般に用いられるエネルギー線硬化性樹脂(紫外線硬化樹脂等)を含有するものであれば、どのようなものであってもよい。一方、光配向方式によってパターン配向層32を形成する場合、パターン配向層32は、偏光紫外線の照射により配向規制力を発現できる光配向材料を含有する必要がある。配向規制力とは、パターン配向層32上に棒状化合物(液晶組成物)からなる層を形成したとき、棒状化合物を所定の方向に配列させる機能をいう。
位相差層33は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する棒状化合物を含む。位相差層33の用途等に応じて、パターン形状やパターン化の方法は特に限定されないが、一例として以下に、三次元立体に用いる位相差層について記述する。上記配向パターンに沿って形成されるため、右目用の領域に対応する第1位相差領域33Aと、左目用の領域に対応する第2位相差領域33Bとを有する。
棒状化合物の一例として、液晶材料が挙げられる。液晶材料は、屈折率異方性を有し、上記配向パターンに沿って規則的に配列することにより、位相差層33に所望の位相差性を付与する機能を有する。液晶材料として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶材料と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す液晶材料を用いることがより好ましい。
また、液晶材料の配列秩序を害さない範囲であれば、他の化合物を加えることもできる。他の化合物として、例えば、重合開始剤、溶媒、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
位相差層33の厚さは、所定の位相差性を達成できる範囲内とするものであれば特に限定されるものではないが、位相差層33の面内位相差がλ/4分に相当することが好ましい。ここで、λは波長500nmである。これにより、位相差層33を通過する直線偏光を互いに直交関係にある円偏光にすることができるため、より精度良く3次元映像を表示できる。
光学機能層34としては、ハードコート層、防眩層、帯電防止層、防汚層等からなる群から選択される1又はそれ以上の層が形成されていてもよい。
例えば、光学機能層34が防眩層である場合は、表面散乱及び/又は内部散乱による光拡散性と、フィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。したがって、光学機能層34を構成する組成物は、ハードコート性を付与するためのバインダー、光拡散性を付与するためのマット粒子、及び必要に応じて高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のためのフィラーを含有する。
光学機能層34を保護するため、保護フィルム35が用いられてもよい。保護フィルム35を用いる場合、保護フィルム35は、位相差層33における位相差パターンを後工程で検査することが可能な低配向の合成樹脂フィルムであることが好ましい。
(1)まず、基材31に、ハードコート(HC)/低屈折率層を設けた光散乱層34や、HC中に拡散微粒子を添加した防眩性ハードコート層39等を積層する。
(2)続いて、基材31の光散乱層34等を有する面とは反対の面に、パターン配向層32及び位相差層33を公知の方法で設け、ロール状に巻き取る。
(3)軽剥離フィルム上に、本発明に係る粘着剤組成物からなる層を積層し、乾燥させた後、そのまま、別の給紙ロールから、(2)で製造した積層体の巻取体を取り出し、位相差層33と、軽剥離フィルム上の粘着層とが接するように貼り合わせる。
上記(1)〜(3)によって、軽剥離フィルム/粘着層20/位相差層33/パターン配向層32/基材31/光散乱層34/ハードコート層39からなる積層体を得ることができる。
図3は、本発明の光学部材2の構成の一例を示す。光学部材2では、位相差フィルム30が基材31、パターン配向層32及び位相差層33の順に積層され、粘着層20を介して位相差層33と偏光板36とが積層されることによって基材31と偏光板36とが貼り合わせられるとともに、第3粘着層37を介して偏光板36とガラス基材38とが貼り合わせられている。また、基材31の他方の面上には光散乱層34(高屈折率層、低屈折率層)及びハードコート層39等が形成されている。
[粘着剤組成物の作製]
アクリル系粘着剤(商品名「OC3949」,重量平均分子量:120万,固形分:19.5%,サイデン化学社製)100質量部と、イソシアネート系硬化剤(商品名「K−130」,固形分:80%,サイデン化学社製)0.05質量部と、シランカップリング剤(商品名「S−1」,固形分:6.3%,サイデン化学社製)1質量部と、アルミニウムキレート剤(商品名「M2」,固形分:5%,サイデン化学社製)0.46質量部と、アクリルコポリマー(商品名「LA2330」,固形分:100%,メタクリル酸メチル重合体ブロック(M)とアクリル酸ブチル重合体ブロック(A)とからなる重量平均分子量160,000のM−A−M型トリブロック共重合体,クラレ社製)をトルエンにて溶解し、固形分が40%となるように調整したアクリルコポリマー溶液1.22質量部と、アジピン酸エステル系可塑剤(商品名「DOA」,アジピン酸ジオクチル,固形分:100%,ジェイプラス社製)0.488質量部とを、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT−11,質量費1:1、DICグラフィクス社製)25質量部に溶解させて粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を用いて試験例1の積層体を作製した。積層体は、TACを基材とした市販の反射防止フィルムであるAR5.5(Sony Chemical & Information Device)を用いて作製した。AR5.5は、TAC基材の一方の面にハードコート層、反射防止層を順次積層したものである。反射防止層の厚さは0.1μm、ハードコート層の厚さは10μm、TAC基材の厚さは80μmである。
光二量化部位と熱架橋部位との両方を有する光配向材料(商品名:ROP−103,ロリック社製)100質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒900質量部に溶解させて、パターン配向層用組成物を得た。その後、上記AR5.5におけるTAC基材の反射防止層のある側とは逆の表面に、上記パターン配向層用組成物を、硬化後の膜厚が200nmとなるようにダイコート法にて塗布した。そして、100℃、2分間の条件で加熱し、溶媒を蒸発させるとともにアクリル系樹脂組成物を熱硬化させた。これによって、厚さ200nmの硬化膜が形成された。
剥離可能な保護フィルム層である重剥離フィルム(商品名:POL383030,片面にシリコーン系剥離剤による剥離処理が施されてなるPETフィルム,膜厚:38μm、リンテック社製)の剥離処理面上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように上記粘着剤組成物をアプリケータにより全面塗工した後、乾燥オーブンにより92℃で2分間乾燥させた。次いで、上記重剥離フィルムと、剥離可能な保護フィルム層である軽剥離フィルム(商品名:E7006,片面にシリコーン系剥離剤による剥離処理が施されてなるPETフィルム,膜厚:38μm、東洋紡績社製)とを貼り合わせ、重剥離フィルム/粘着層/軽剥離フィルムからなるノンキャリアフィルムを得た。
上記ノンキャリアフィルムの軽剥離フィルムを剥がし、粘着層を上記AR5.5の液晶材料が塗布されている面と積層し、幅200mm、3kg荷重でローラーで圧着することで、重剥離フィルム/粘着層/位相差層からなる試験例1の粘着層付き位相差フィルムを作製した。
(1)まず、上記反射防止フィルムAR5.5の反射防止層を有する面とは反対の面に、上記〔位相差フィルムの作製〕と同じ手法にてパターン配向層及び位相差層を形成し、ロール状に巻き取る。
(2)軽剥離フィルム(製品名:POL381031,膜厚:38μm,リンテック社製)上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように上記粘着剤組成物をアプリケータにより全面塗工した後、乾燥オーブンにより92℃で2分間乾燥させる。次いで、別の給紙ロールから、(1)で製造した積層体の巻取体を取り出し、位相差層と、軽剥離フィルムキャリアフィルム上の粘着層とが接するように貼り合わせ粘着層付き位相差フィルムを作製する。
(3)そして、軽剥離フィルムを剥がし、偏光板のTAC面と貼り合わせ、更にガラス基材も貼り合わせることで、光学部材を製造できる。
上記アジピン酸エステル系可塑剤の量を0.975質量部にしたこと以外は、試験例1と同様の方法にて、試験例2の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記アジピン酸エステル系可塑剤の量を0.293質量部にしたこと以外は、試験例1と同様の方法にて、試験例3の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.1質量部にしたこと以外は、試験例1と同様の方法にて、試験例4の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.1質量部にしたこと、及び上記アジピン酸エステル系可塑剤の代わりにフタル酸エステル系可塑剤(商品名「DOP」,フタル酸ビス(2−エチルヘキシル),固形分:100%,ジェイプラス社製)0.975質量部を用いたこと以外は、試験例1と同様の方法にて、試験例5の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.2質量部にしたこと、及び上記アジピン酸エステル系可塑剤の代わりに上記フタル酸エステル系可塑剤0.975質量部を用いたこと以外は、試験例1と同様の方法にて、試験例6の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.2質量部にし、上記アルミニウムキレート剤及び上記アジピン酸エステル系可塑剤を加えなかったこと以外は、試験例1と同様の方法にて、試験例7の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.2質量部にし、上記アルミニウムキレート剤を加えなかったこと、及び上記アジピン酸エステル系可塑剤の代わりに上記フタル酸エステル系可塑剤0.975質量部を用いたこと以外は、試験例1と同様の方法にて、試験例8の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.2質量部にし、上記アジピン酸エステル系可塑剤を加えなかったこと以外は、試験例1と同様の方法にて、試験例9の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.2質量部にし、上記アクリルコポリマー及び上記アジピン酸エステル系可塑剤を加えなかったこと以外は、試験例1と同様の方法にて、比較例1の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.2質量部にし、上記アルミニウムキレート剤及び上記アクリルコポリマーを加えなかったこと、及び上記アジピン酸エステル系可塑剤の代わりに上記フタル酸エステル系可塑剤0.975質量部を用いたこと以外は、試験例1と同様の方法にて、比較例2の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.2質量部にし、上記アクリルコポリマーを加えなかったこと、及び上記アジピン酸エステル系可塑剤の代わりに上記フタル酸エステル系可塑剤0.975質量部を用いたこと以外は、試験例1と同様の方法にて、比較例3の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記アルミニウムキレート剤及び上記アジピン酸エステル系可塑剤を溶解させなかったこと以外は、試験例1と同様の方法にて、比較例4の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記イソシアネート系硬化剤の量を0.3質量部にしたこと、及び上記アジピン酸エステル系可塑剤の代わりに上記フタル酸エステル系可塑剤0.975質量部を用いたこと以外は、試験例1と同様の方法にて、比較例5の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記アクリル系粘着剤の代わりにアクリル系粘着剤(商品名「EG−655」,重量平均分子量:100万,固形分:23.5%,トーヨーケム社製)100質量部を用い、上記イソシアネート系硬化剤の代わりにイソシアネート系硬化剤(商品名「BXX5627」,固形分:50%,トーヨーケム社製)0.02質量部を用い、上記シランカップリング剤、上記アルミニウムキレート剤、上記アクリルコポリマー及び上記アジピン酸エステル系可塑剤を加えなかったこと以外は、試験例1と同様の方法にて、比較例6の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記アクリル系粘着剤の代わりにアクリル系粘着剤(商品名「SK1811L」,重量平均分子量:60万,固形分:23%,綜研化学社製)100質量部を用い、上記イソシアネート系硬化剤の代わりにイソシアネート系硬化剤(商品名「TD−75」,固形分:75%,綜研化学社製)0.4質量部を用い、上記シランカップリング剤の代わりにシランカップリング剤(商品名「A−50」,固形分:50%,綜研化学社製)0.4質量部を用い、上記アルミニウムキレート剤、上記アクリルコポリマー及び上記アジピン酸エステル系可塑剤を加えなかったこと以外は、試験例1と同様の方法にて、比較例7の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記アクリル系粘着剤の代わりにアクリル系粘着剤(商品名「SK2403」,重量平均分子量:50万,固形分:29.3%,綜研化学社製)100質量部を用い、上記イソシアネート系硬化剤の代わりにイソシアネート系硬化剤(商品名「L−45」,固形分:45%,綜研化学社製)7.7質量部を用い、上記シランカップリング剤、上記アルミニウムキレート剤、上記アクリルコポリマー及び上記アジピン酸エステル系可塑剤を加えなかったこと以外は、試験例1と同様の方法にて、比較例8の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
上記アクリル系粘着剤の代わりにアクリル系粘着剤(商品名「SK2403」,重量平均分子量:50万,固形分:29.3%,綜研化学社製)100質量部を用い、上記イソシアネート系硬化剤の代わりにイソシアネート系硬化剤(商品名「L−45」,固形分:45%,綜研化学社製)7.7質量部を用い、上記アジピン酸エステル系可塑剤の代わりにフタル酸エステル系可塑剤(商品名「DINP」,フタル酸ジイソノニル,固形分:100%,ジェイプラス社製)2.93質量部を用い、上記シランカップリング剤、上記アルミニウムキレート剤及び上記アクリルコポリマーを加えなかったこと以外は、試験例1と同様の方法にて、比較例9の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
可塑剤としてアジピン酸エステル系可塑剤の添加量を、2.44質量部にした以外は、試験例1と同様の方法にて、参考例の積層体、粘着層付き位相差フィルム及び光学部材を得た。
以下の試験を行うことによって、本発明のTAC積層体の応力緩和特性について、その粘着層の粘弾性の面から検証した。
各試験例、比較例及び参考例の光学部材を高温多湿(60℃、90%RH)の条件下で、500時間保存してから、位相差フィルムつきの粘着層が、偏光板の保護フィルムであるTAC面から浮いたか否かを目視で測定した。
評価基準は以下の通りである。
○:浮きや剥れが生じた。
×:浮きや剥れが生じなかった。
測定の結果を表3に示す。
位相差層の液晶配向等が、粘着層の組成物の影響によって乱れた場合、実際に光学部材をLCD画像表示装置として搭載し、3次元映像を鑑賞するための円偏光メガネで目視観察をすることで、実際に精度の良い良好な3次元映像が見えるかどうかで判断できる。評価には、3D用LCD−TVを用いるが、本発明の光学部材を評価するため、製品に貼られている偏光板を剥がす。剥がした後、各実施例、比較例及び参考例の光学部材を製品の偏光板の代わりに設置し、3D用メガネで目視評価した。
評価に用いた3D画像評価装置:32型 Smart CINAMA 3D TV、32LM5800(LG社製)
メガネ:円偏光メガネAG−F310(LG社製)
目視評価基準
○:良好に3次元画像が鑑賞できる。
△:3次元画像に見えるが、○ほどはっきり見えない。
×:左右の偏光バランスが異なり、二重像に見える等、良好に鑑賞できない
2 光学部材
10 剥離フィルム
20 粘着層
30 位相差フィルム
31 基材
32 パターン配向層
33 位相差層
34 光散乱層
35 保護フィルム
Claims (7)
- 基材と、パターン配向層と、液晶組成物を含む位相差層と、粘着層と、がこの順に積層され、
前記粘着層は、アクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、アクリル共重合体と、可塑剤とを含有する粘着剤組成物の硬化物であり、
前記アクリル系粘着剤は、重量平均分子量が80万以上200万以下のアクリル酸エステル共重合体であり、
前記イソシアネート系硬化剤は、前記アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して固形分換算で0.2質量部以上1.0質量部以下であり、
前記アクリル共重合体は、メタクリル酸メチル重合体ブロックとアクリル酸ブチル重合体ブロックからなる、重量平均分子量が1万以上30万以下のトリブロック共重合体であり、
前記可塑剤は、前記アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して固形分換算で1質量部以上7質量部以下であり、
前記粘着層の厚さは5μm以上100μm以下であり、
前記粘着層の60℃における損失正接と20℃における損失正接との比である、tanδ(60℃)/tanδ(20℃)が1.1以上1.3未満である、粘着層付き位相差フィルム。 - 前記アクリル共重合体の前記アクリル酸ブチル重合体ブロックの占める割合は70質量%以上である請求項1に記載の粘着層付き位相差フィルム。
- 前記アクリル共重合体の配合量は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して固形分換算で0.1〜10質量部である請求項1又は2に記載の粘着層付き位相差フィルム。
- 前記粘着層の厚さは15μm以上40μm以下である請求項1から3のいずれかに記載の粘着層付き位相差フィルム。
- 前記可塑剤はアジピン酸エステル系可塑剤又はフタル酸エステル系可塑剤である、請求項1から4のいずれかに記載の粘着層付き位相差フィルム。
- 前記基材の前記粘着層と反対側の面に、ハードコート層、防眩層、帯電防止層、防汚層、高屈折率層、低屈折率層からなる群から選択される1又はそれ以上の層が形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の粘着層付き位相差フィルム。
- 請求項1から6のいずれかに記載の粘着層付き位相差フィルムにおける前記粘着層を介して前記位相差層と偏光板とが積層され、
前記偏光板の前記粘着層と接する面はトリアセチルセルロースからなる光学部材。
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