[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6193162B2 - ハニカムセグメント、ハニカム連結体、およびハニカム構造体 - Google Patents

ハニカムセグメント、ハニカム連結体、およびハニカム構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP6193162B2
JP6193162B2 JP2014061216A JP2014061216A JP6193162B2 JP 6193162 B2 JP6193162 B2 JP 6193162B2 JP 2014061216 A JP2014061216 A JP 2014061216A JP 2014061216 A JP2014061216 A JP 2014061216A JP 6193162 B2 JP6193162 B2 JP 6193162B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honeycomb
honeycomb segment
face
segment
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014061216A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015182020A (ja
Inventor
飛鳥 水本
飛鳥 水本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2014061216A priority Critical patent/JP6193162B2/ja
Publication of JP2015182020A publication Critical patent/JP2015182020A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6193162B2 publication Critical patent/JP6193162B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。さらに詳しくは、複数のハニカムセグメントを組み合わせて構成されるハニカム構造体に関する。
自動車エンジン等の内燃機関から排出される排ガスには、粒子状物質、さらには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)などの有害物質が含まれている。上述の粒子状物質、一酸化炭素等の有害物質を排ガスから除去する際には、ハニカム構造体が用いられている。
ハニカム構造体は、隔壁によって蜂の巣構造(ハニカム構造)が形作られている。ハニカム構造体を粒子状物質除去用のフィルタとして用いる場合には、隔壁を多孔質とし、排ガスの入り口側を開口し且つ出口側を目封止したセル(以下、「第1セル」)と、排ガスの入り口側を目封止し且つ出口側を開口したセル(以下、「第2セル」)とを交互に配置する形態とする。こうした形態とすることにより、排ガスは、第1セル内に流入し、当該第1セルの出口側を目封止されているために、隔壁を通り抜けて第2セルに流入して、第2セルの出口側から外部に排出される。こうした排ガスの流れの中で、排ガスが隔壁を通り抜ける際に、排ガスに含まれる粒子状物質が隔壁に捕捉される。そして、排ガスは粒子状物質の濃度を低減した浄化された状態で第2セルに流入し、この浄化された排ガスが外部に排出される。
また、ハニカム構造体を一酸化炭素(CO)等の浄化に用いる場合には、触媒を担持させるための触媒担体(ハニカム触媒担体)としてハニカム構造体を使用する。ハニカム触媒担体では、隔壁に触媒を担持させる。隔壁に触媒を担持させることにより、排ガスをセル内に通過させている最中に、排ガス中の一酸化炭素などの有害物質を、触媒との化学反応によって二酸化炭素などのより有害性の低い物質に変えることが可能になる。
近年、排ガス規制が強化され、建設用機械や農業用機械のエンジン、あるいは船舶のエンジンや大型の発電機から排出させる排ガスも規制対象に加えられる傾向にある。建設用機械や農業用機械のエンジン、船舶のエンジンや大型の発電機は排気量が大きい。そのため、これらのエンジンや発電機から排出される排ガスを浄化する際には、ハニカム構造体の大型化が求められている。
通常、ハニカム構造体は押出成形により一体型として製造することとが可能であるが、大型のハニカム構造体となると、一体型として製造するにはサイズ的な限界がある。そこで、大型のハニカム構造体を得る技術として、接合型ハニカム構造体が提案されている(例えば、特許文献1)。接合型ハニカム構造体は、複数個のハニカムセグメントを接合層を介して接合させて作られたものである。
特開2012−046417号公報
ところが、従来の接合型ハニカム構造体では、大型化した場合に、接合層にクラックを生じたり、接合層に剥離を生じたりして、接合型ハニカム構造体の中からハニカムセグメントが抜け落ちてしまう恐れがある。
上記の問題に鑑みて、本発明の目的は、安定した構造的強度を有する大型のハニカム構造体を得ることを可能にする技術を提供することにある。
本発明は、以下に示すハニカムセグメント、ハニカム連結体、およびハニカム構造体である。
[1] ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)を複数個と、前記穴部に嵌合可能な嵌合部材と、を備え、前記複数個のハニカムセグメント(A)は、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、前記ハニカムセグメント(A)同士を互いの前記穴部を対向させて前記穴部に前記嵌合部材を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
[2] ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)と、前記ハニカムセグメント(A)の前記外周壁において外側方向に突出する凸部を更に有するハニカムセグメント(B)と、前記穴部に嵌合可能な嵌合部材と、を備え、前記ハニカムセグメント(A)と前記ハニカムセグメント(B)とは、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、互いの前記穴部を対向させて前記穴部に前記嵌合部材を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
[3] ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)を複数個と、前記ハニカムセグメント(A)の前記外周壁において外側方向に突出する凸部を更に有するハニカムセグメント(B)と、を備え、前記ハニカムセグメント(A)と前記ハニカムセグメント(B)とは、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、前記ハニカムセグメント(A)の前記穴部に前記ハニカムセグメント(B)の前記凸部を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
[4] ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)と、ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、前記外周壁において外側方向に突出する凸部を有するハニカムセグメント(C)と、を備え、前記ハニカムセグメント(A)と前記ハニカムセグメント(C)とは、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、前記ハニカムセグメント(A)の前記穴部に前記ハニカムセグメント(C)の前記凸部を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
[5] ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)の前記外周壁において外側方向に突出する凸部を更に有するハニカムセグメント(B)を複数個備え、前記複数個のハニカムセグメント(B)は、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、一方の前記ハニカムセグメント(B)の前記穴部に他方の前記ハニカムセグメント(B)の前記凸部を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
[6] ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)の前記外周壁において外側方向に突出する凸部を更に有するハニカムセグメント(B)と、ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、前記外周壁において外側方向に突出する凸部を有するハニカムセグメント(C)と、を備え、前記ハニカムセグメント(B)と前記ハニカムセグメント(C)とは、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、前記ハニカムセグメント(B)の前記穴部に前記ハニカムセグメント(C)の前記凸部を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
前記ハニカムセグメント(A)の前記外周壁は、複数の平面状の側壁より構成され、前記セルの延びる方向に垂直な断面において多角形状であり、前記開口部は、1つの面の前記側壁の外表面内に収まるように設けられている前記[1]〜[6]のいずれかに記載のハニカム連結体
前記ハニカムセグメント(A)の前記開口部の開口面積は、前記開口部を設けられている前記側壁の前記外表面の面積の0.6倍以下であり、前記穴部の前記深さは、前記穴部の深さ方向に沿った前記ハニカム構造部の幅の0.4倍以下である前記[]に記載のハニカム連結体
[9] 前記ハニカムセグメント(A)の前記外周壁は、前記セルの延びる方向に垂直な断面において四角形状である前記[]または[]に記載のハニカム連結体
10] 前記[]〜[]に記載のハニカム連結体のうちの少なくともいずれか1種以上から構成されるハニカム構造体。
本発明によれば、ハニカムセグメントに穴部および/または凸部を有し、穴部、凸部、嵌合部材を介した嵌合によりハニカムセグメント同士を連結させることにより、安定した構造的強度を有する大型のハニカム構造体を構成することが可能になる。例えば、上述のように穴部の開口部が第1端面および第2端面には達せず且つ外周壁の周方向の全域にはわたらないので、ハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの抜け落ちや位置ずれを、従来の接合型ハニカム構造体と比較して抑制しやすくなる。
本発明のハニカムセグメント(A)の一実施形態の斜視図である。 図1中のA−A’断面の模式図である。 図1中のB−B’断面の模式図である。 本発明のハニカムセグメント(A)の他の実施形態の斜視図である。 本発明のハニカムセグメント(B)の一実施形態の斜視図である。 図5中のC−C’断面の模式図である。 図5中のD−D’断面の模式図である。 本発明のハニカムセグメント(C)の一実施形態の斜視図である。 図8中のE−E’断面の模式図である。 図8中のF−F’断面の模式図である。 本発明のハニカムセグメント(A)の更に他の実施形態の斜視図である。 図11中のG−G’断面の模式図である。 本発明のハニカム連結体(I)の一実施形態を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態のハニカム連結体(I)の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態のハニカム連結体(II)およびハニカム連結体(III)を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態のハニカム連結体(II)およびハニカム連結体(III)の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態のハニカム連結体(IV)の模式的な断面図である。 本発明の他の実施形態のハニカム連結体(III)、並びに本発明の一実施形態のハニカム連結体(V)およびハニカム連結体(VI)の模式的な断面図である。 本発明のハニカム構造体の一実施形態の模式的な斜視図である。 本発明のハニカム構造体の他の実施形態の模式的な平面図である。 実施例1〜4のハニカム連結体(IV)における連結強度および圧力損失を示すグラフである。 実施例3,5〜7のハニカム連結体(IV)における連結強度および圧力損失を示すグラフである。 実施例3,8〜10のハニカム連結体(IV)における連結強度および圧力損失を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.ハニカムセグメント:
本発明のハニカムセグメントは、ハニカム構造体を構成するためのものであり、以下の3種のハニカムセグメント(A)〜(C)に分類される。
1−1.ハニカムセグメント(A):
図1〜図3に示されているように、本発明の一実施形態のハニカムセグメント(A)1aは、ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメント1である。ハニカムセグメント(A)1aは、ハニカム構造部10と、ハニカム構造部10の外周を取り囲む外周壁31とを備えている。ハニカム構造部10は、一方の端面である第1端面3から他方の端面である第2端面5まで通じる流体の流路となる複数のセル7を区画形成する隔壁9を有する。さらに、ハニカムセグメント(A)1aは、穴部41を有する。穴部41は、外周壁31に開口部43を有するとともに開口部43から所定の深さDまでの隔壁9を貫通する。また、開口部43は、第1端面3および第2端面5には達せず且つ外周壁31の周方向の全域にはわたらない。なお、図1は、本発明の一実施形態のハニカムセグメント(A)1aの斜視図である。図2は、図1中のA−A’断面の模式図である。図3は、図1中のB−B’断面の模式図である。
ハニカムセグメント(A)1aでは、外周壁31は、複数の平面状の側壁33より構成される多角柱形状であり、開口部43は、1つの面の側壁33の外表面34内に収まるように設けられていることが好ましい。上述のように外周壁31が多角柱形状である場合、ハニカムセグメント1の側壁33同士を合わせた際に対面する側壁33の間に隙間が生じにくくなるので、安定した構造的強度のハニカム構造体を構成させ易くなる。例えば、セル7の延びる方向(以下、「Z方向」という)に垂直な断面において、外周壁31の形状が、図3に示されているハニカムセグメント(A)1aのような四角形の他に、三角形、六角形、八角形等の多角形形状などとすることができる。
また、ハニカムセグメント(A)1aでは、外周壁31が多角柱形状である場合、開口部43の開口面積は、「側壁33の外表面34」の面積の0.6倍以下であり、穴部41の深さDは、「ハニカム構造部10の幅」の0.4倍以下であることが好ましい。ただし、上記の「側壁33の外表面34」は、側壁33の外表面34うち、開口部43が開口している1面に限る。また、上記の「ハニカム構造部10の幅」は、穴部41の深さ方向に沿って測定したハニカム構造部10の幅である。開口部43の開口面積および穴部41の深さDが上記の条件を満たす場合、構造的強度が高く、且つ、ガス通過時の圧力損失を抑制することが可能になる。
本明細書にいう「穴部41の深さD」とは、図2を参照し述べると、側壁33の外表面34のレベルから、穴部41の深さ方向(穴部41の貫通方向)で突き当たる隔壁9の表面までの距離のことを意味する。また、図6に示されているように、隔壁9が遮蔽材49によって被覆されている場合には、「穴部41の深さD」とは、側壁33の外表面34のレベルから、隔壁9を被覆する遮蔽材49の表面までの距離のことを意味する。なお、図6および遮蔽材49については後で詳しく説明する。
さらに、図1〜図3に示されているハニカムセグメント(A)1aのように、外周壁31は四角柱形状であることが好ましい。
図4は、本発明の他の実施形態のハニカムセグメント(A)20aの模式的な斜視図である。図4に示されているハニカムセグメント(A)20aのように、外周壁31は円柱形状であってもよい。また、図示しないが、ハニカムセグメント(A)の外周壁31は、Z方向に垂直な断面の形状が、楕円や、その他の任意の形状となるようなものであってもよい。
1−2.ハニカムセグメント(B):
図5は、本発明の一実施形態のハニカムセグメント(B)1bの斜視図である。図6は、図5中のC−C’断面の模式図である。図7は、図5中のD−D’断面の模式図である。図示されているように、ハニカムセグメント(B)1bは、上述のハニカムセグメント(A)のうちで、外周壁31において外側方向に突出する凸部45を更に有する。ハニカムセグメント(B)1bにおいて、凸部45の形状や大きさは、特に制限されない。後述するように、ハニカムセグメント(B)1bの凸部45は、ハニカムセグメント(A)1aの穴部41やハニカムセグメント(B)1bの穴部41に嵌め込むためのものである。よって、凸部45の形状は、嵌め込もうとする穴部41の形状と相補的であるとよい。特に、凸部45の長さは、嵌め込もうとする穴部41の深さと同じであることが好ましい。また、凸部45の長さ方向に垂直な断面の形状は、嵌め込もうとする穴部41の開口部43の形状と略一致する形状である、あるいは、嵌め込もうとする穴部41の開口部43内に僅かな隙間をもって収まるような形状であることが好ましい。なお、図5〜図7に示されているハニカムセグメント(B)1bの凸部45は、四角柱状の部材をハニカムセグメントの側壁33に接合することにより形成されている。
1−3.ハニカムセグメント(C):
図8は、本発明の一実施形態のハニカムセグメント(C)1cの模式的な斜視図である。図9は、図8中のE−E’断面の模式図である。図10は、図8中のF−F’断面の模式図である。ハニカムセグメント(C)1cは、ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメント1である。ハニカムセグメント(C)1cは、ハニカム構造部10と、ハニカム構造部10の外周を取り囲む外周壁31とを備えている。ハニカム構造部10は、一方の端面である第1端面3から他方の端面である第2端面5まで通じる流体の流路となる複数のセル7を区画形成する隔壁9を有する。さらに、ハニカムセグメント(C)1cは、外周壁31において外側方向に突出する凸部45を有する。なお、ハニカムセグメント(C)1cは、上述のハニカムセグメント(A)1aおよびハニカムセグメント(B)1bとは異なり、穴部41を有していない。
ハニカムセグメント(C)1cの凸部45は、ハニカムセグメント(B)1bの凸部45と同様に、ハニカムセグメント(A)1aの穴部41やハニカムセグメント(B)1bの穴部41に嵌め込むためのものである。よって、凸部45の形状は、嵌め込もうとする穴部41の形状と相補的であるとよい。特に、凸部45の長さは、嵌め込もうとする穴部41の深さと同じであることが好ましい。また、凸部45の長さ方向に垂直な断面の形状は、嵌め込もうとする穴部41の開口部43の形状と略一致する形状である、あるいは、嵌め込もうとする穴部41の開口部43内に僅かな隙間をもって収まるような形状であることが好ましい。
図9および図10に示されている凸部45から理解できるように、ハニカムセグメント(C)1cの凸部45は、ハニカム構造部10を研削することにより形成されたものである。具体的には、四角柱形状の外周壁31とその内側のハニカム構造部10とを有するハニカムセグメントを一旦形成しておき、その後、凸部45を設ける面において側壁33およびその内側の隔壁9を、凸部45を形成する部分を除いて研削する。こうして、凸部45となる部分のハニカム構造部10だけが突出した状態としておき、研削された部分の外表面に外周コート材36を塗布して外周壁31を修復する。そのため、ハニカムセグメント(C)1cでは、凸部45を設けられた面の外周壁31(側壁33)が、隔壁9に由来する部分と外周コート材36に由来する部分との2層構造になっている。
以下、本発明のハニカムセグメントにおける「その他の特徴」を説明する。なお、以下において、単に「ハニカムセグメント1」という場合には、ハニカムセグメント(A)〜(C)の全てについて言及していることとする。
ハニカムセグメント1では、Z方向に垂直な断面において、セル7の断面形状は、特に限定されず、例えば、三角形、四角形、六角形、八角形等の多角形形状、あるいは、円形や楕円形などとすることができる。
ハニカムセグメント1を構成する隔壁9の、Z方向に垂直な断面における厚さ(以下、単に、「隔壁9の厚さ」ということがある)は、基本的に均一なものとする。「基本的に均一」とは、成形時の変形等により、僅かに隔壁9の厚さに差異が生じた場合を除き、隔壁9の厚さが均一であることを意味する。例えば、ハニカムセグメント1を押出成形する口金(金型)のスリットを、スライサー加工により製造した場合に、上記均一な厚さの隔壁9が実現される。
隔壁9の厚さは、64〜508μmであることが好ましく、89〜483μmであることが更に好ましく、110〜381μmであることが特に好ましい。隔壁9の厚さを上記範囲とすることにより、ハニカムセグメント1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。隔壁9が64μmより薄いと、ハニカムセグメント1の強度が低くなることがある。隔壁9が508μmより厚いと、ハニカムセグメント1の初期の圧力損失が高くなることがある。上記「隔壁9の厚さ」は、ハニカムセグメント1のZ方向に垂直な断面における隔壁9の幅のことを意味する。
隔壁9の気孔率は、35〜70%であることが好ましく、40〜70%であることが更に好ましく、40〜68%であることが特に好ましい。隔壁9の気孔率を上記範囲とすることにより、ハニカムセグメント1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。隔壁9の気孔率が35%より小さいと、ハニカムセグメント1の初期の圧力損失が高くなることがある。隔壁9の気孔率が70%より大きいと、ハニカムセグメント1の強度が低くなることがある。隔壁9の気孔率は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
隔壁9の平均細孔径は、7〜30μmであることが好ましく、8〜27μmであることが更に好ましく、9〜25μmであることが特に好ましい。隔壁9の平均細孔径を上記範囲とすることにより、ハニカムセグメント1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。隔壁9の平均細孔径が7μmより小さいと、ハニカムセグメント1の初期の圧力損失が高くなることがある。隔壁9の平均細孔径が30μmより大きいと、アッシュ、粒子状物質の捕集性能が低下することがある。隔壁9の平均細孔径は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
ハニカムセグメント1のセル密度は、特に制限されないが、16〜186個/cmであることが好ましく、23〜116個/cmであることが更に好ましく、31〜93個/cmであることが最も好ましい。セル密度が上記範囲であると、ハニカムセグメント1の強度を保ちつつ圧力損失を低く抑えることができる。セル密度が16個/cmより小さいと、ハニカムセグメント1の強度が低下するため、キャニング時に破壊してしまうおそれがある。セル密度が186個/cmより大きいと、初期圧力損失が高くなりすぎるため、エンジン出力が低下したり、燃費が悪くなったりするおそれがある。本明細書において「セル密度(個/cm)」とは、Z方向に垂直な断面における単位面積当たり(1cm当たり)のセル7の個数を意味する。
隔壁9の材料としては、セラミックが好ましい。セラミックの中では、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種がさらに好ましい。これらの材料を用いることにより、強度および耐熱性に優れたものとなる。特に、隔壁9の材料としては、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される1種を主成分とすることが最も好ましい。「珪素−炭化珪素系複合材料」とは、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材として形成されたものである。なお、本明細書において「主成分」というときは、全体の50質量%以上含有することをいう。例えば、「隔壁9が炭化珪素を主成分とする」とは、隔壁9が炭化珪素を50質量%以上含有していることをいう。
外周壁31の材料は、上述の隔壁9の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、隔壁9と外周壁31とを押出成形により一体的に成形する場合には、外周壁31の材料と隔壁9の材料とを同じものとできる。
ハニカムセグメント1は、Z方向の長さHが50.8〜508mmであることが好ましく、76.2〜482.6mmであることが更に好ましく、101.6〜431.8mmであることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、各種エンジンからの排ガスの浄化に必要最小限のスペースの範囲で確保できる。
ハニカムセグメント1は、Z方向に垂直な断面における最大幅Lが25〜254mmであることが好ましく、30〜229mmであることが更に好ましく、33〜203mmであることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、各種エンジンからの排ガスの浄化に必要最小限のスペースの範囲で確保できる。
ハニカムセグメント1は、「長さH/最大幅L」の値が0.10〜12.00であることが好ましく、0.2〜10.00であることが更に好ましく、0.25〜8.50であることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、リングクラックを抑制することができる。
図5〜図7に示されているハニカムセグメント(B)1bのように、穴部41に開いているセル7の開口部分48を、遮蔽材49が塞いでいるとよい。遮蔽材49を設けることにより、セル7の開口部分48からのガス漏れを防止することができ、排ガスの浄化に使用する際に浄化性能を向上させることができる。
図11は、本発明の更に他の実施形態のハニカムセグメント(A)30aの模式的な斜視図である。図12は、図11中のG−G’断面の模式図である。ハニカムセグメント(A)30aから構成されるハニカム構造体をディーゼルパテキュレートフィルタとして用いる場合、図示されているように、目封止部19を所定のセル7の端部に設けてもよい。このとき、目封止部19の材料としては、隔壁9の材料と同じものを挙げることができ、隔壁9の材料と同じものを用いることが好ましい。ハニカムセグメント(A)30aでは、複数のセル7は、所定のセル7である第1セル11と、残余のセル7である第2セル15とから構成される。目封止部19は、第1セル11の第2端面5側の開口部および第2セル15の第1端面3側の開口部を封止する。こうした目封止部19の配置態様によって、ハニカムセグメント(A)30aでは、ガスGが第1端面3から第1セル11内に流入する。続いて、第1セル11の第2端面5側の端部が目封止部19によって塞がれているため、第1セル11内に流入したガスGは、当該第1セル11を取り囲む隔壁9を通り抜け、隣の第2セル15に流れていく。このとき、ガスGに含まれる粒子状物質(PM)が隔壁9によって捕捉されていく。そして、第2セル15に流入したガスGは、第2セル15の第2端面5側の開口部から排出される。
2.ハニカム連結体:
本発明のハニカム連結体は、ハニカム構造体を構成するためのものであり、以下の3種のハニカム連結体(I)〜(VI)に分類される。
図13は、本発明の一実施形態のハニカム連結体(I)51を説明するための斜視図である。図14は、本発明の一実施形態のハニカム連結体(I)51の模式的な断面図である。図14は、Z方向に垂直な断面で、ハニカムセグメント(A)1aについては輪郭のみを表している。
図13および図14に示されているように、本発明の一実施形態のハニカム連結体(I)51は、複数個のハニカムセグメント(A)1aと、嵌合部材47とを備える。嵌合部材47は、ハニカムセグメント(A)1aの穴部41に嵌合することが可能な部材である。ハニカム連結体(I)51では、複数個のハニカムセグメント(A)1aは、互いのZ方向を揃えつつ、ハニカムセグメント(A)1a同士を互いの穴部41を対向させて穴部41に嵌合部材47を嵌合させることにより連結している。
図15は、本発明の一実施形態のハニカム連結体(II)52およびハニカム連結体(III)53を説明するための斜視図である。図16は、本発明の一実施形態のハニカム連結体(II)52およびハニカム連結体(III)53の模式的な断面図である。図16は、Z方向に垂直な断面で、ハニカムセグメント(A)1aおよびハニカムセグメント(B)1bについては輪郭のみを表している。
図15および図16に示されているように、ハニカム連結体(II)52は、ハニカムセグメント(A)1aと、ハニカムセグメント(B)1bと、嵌合部材47とを備えている。嵌合部材47は、ハニカムセグメント(A)1aの穴部41およびハニカムセグメント(B)の穴部41に嵌合することが可能な部材である。ハニカム連結体(II)52では、ハニカムセグメント(A)1aとハニカムセグメント(B)1bとは、互いのZ方向を揃えつつ、互いの穴部41を対向させて穴部41に嵌合部材47を嵌合させることにより連結している。
また、ハニカム連結体(III)53は、ハニカムセグメント(A)1aとハニカムセグメント(B)1bとを備えている。ハニカム連結体(III)53では、ハニカムセグメント(A)1aとハニカムセグメント(B)1bとは、互いのZ方向を揃えつつ、ハニカムセグメント(A)1aの穴部41にハニカムセグメント(B)1bの凸部45を嵌合させることにより連結している。
図17は、本発明の一実施形態のハニカム連結体(IV)54の模式的な断面図である。図17は、Z方向に垂直な断面で、ハニカムセグメント(A)1aおよびハニカムセグメント(C)1cについては輪郭のみを表している。
ハニカム連結体(IV)54は、ハニカムセグメント(A)1aと、ハニカムセグメント(C)1cとを備えている。ハニカムセグメント(A)1aとハニカムセグメント(C)1cとは、互いのZ方向を揃えつつ、ハニカムセグメント(A)1aの穴部41にハニカムセグメント(C)1cの凸部45を嵌合させることにより連結している。
さらに、図17に示されているハニカム連結体(IV)54では、ハニカムセグメント(A)1aの側壁33とハニカムセグメント(C)1cの側壁33とが接合層23を介して接合している。また、図17に示されているハニカム連結体(IV)54では、接合層23が穴部41と凸部45との間に介在している。このように接合層23が介在している場合、ハニカムセグメント1同士の連結強度が高くなる。
図18は、本発明の他の実施形態のハニカム連結体(III)53、並びに本発明の一実施形態のハニカム連結体(V)55およびハニカム連結体(VI)56の模式的な断面図である。図18は、Z方向に垂直な断面で、ハニカムセグメント(A)1a、ハニカムセグメント(B)1b、およびハニカムセグメント(C)1cについては輪郭のみを表している。
図18に示されているように、ハニカム連結体(V)55は、複数個のハニカムセグメント(B)1bを備える。ハニカム連結体(V)55では、複数個のハニカムセグメント(B)1bは、互いのZ方向を揃えつつ、一方のハニカムセグメント(B)1bの穴部41に他方のハニカムセグメント(B)1bの凸部45を嵌合させることにより連結している。
また、ハニカム連結体(VI)56は、ハニカムセグメント(B)1bと、ハニカムセグメント(C)1cとを備えている。ハニカム連結体(VI)56では、ハニカムセグメント(B)1bとハニカムセグメント(C)1cとは、互いのZ方向を揃えつつ、ハニカムセグメント(B)1bの穴部41にハニカムセグメント(C)1cの凸部45を嵌合させることにより連結している。
ここで、ハニカム連結体(I)〜(VI)の特定の仕方について説明する。図16には、1個のハニカム複合体70が示されている。この1個のハニカム複合体70は、2個のハニカムセグメント(A)1aと、1個のハニカムセグメント(B)1bとから構成されている。ハニカム複合体70は、3個のハニカムセグメント1が一方向に縦列した形態となっている。真ん中に配置されているハニカムセグメント(B)1bは、ハニカム連結体(II)52を構成する一方で、ハニカム連結体(III)53をも構成する。また、図18に示されているハニカム複合体73は、1個のハニカムセグメント(A)1aと、2個のハニカムセグメント(B)1bと、1個のハニカムセグメント(C)1cとから構成されている。そして、ハニカム複合体73は、ハニカム連結体(III)53、ハニカム連結体(V)55、ハニカム連結体(VI)56とから構成されている。
ハニカム連結体(I)51〜ハニカム連結体(VI)56では、隣接するハニカムセグメント1同士を、穴部41と嵌合部材47との嵌合、あるいは、穴部41と凸部45との嵌合によって連結している。ハニカム連結体(I)51〜ハニカム連結体(VI)56によれば、上記のハニカムセグメント1同士を嵌合状態で連結できるため、従来の接合型ハニカム構造体のようなハニカムセグメント同士を接合させるための接合層を必須とはしない。従来のように、ハニカムセグメント同士を接合層を介して接合する場合、ハニカムセグメントと接合層との間で熱膨張の度合いを合わせる必要が生じる。ハニカム連結体(I)51〜ハニカム連結体(VI)56において、接合層を有しない場合には、上述の熱膨張の調節を要しないので、使用可能な温度の範囲を拡張させ易くなる。
また、ハニカム連結体(I)51〜ハニカム連結体(VI)56によれば、穴部41の開口部43が第1端面3および第2端面5には達しない。そのため、ハニカムセグメント1同士が連結した状態の時に、嵌合部材47および凸部45が、外周壁31の開口部43よりも第1端面3側にある部分および外周壁31の開口部43よりも第2端面5側にある部分によって支持される。その結果、ハニカム連結体(I)51〜ハニカム連結体(VI)56によれば、ハニカムセグメント1がZ方向にずれて脱落してしまうことが生じにくい。
ハニカム連結体(I)51〜ハニカム連結体(VI)56によれば、穴部41の開口部43が外周壁31の周方向の全域にはわたらないので、ハニカムセグメント1が周方向に大きな位置ずれを生じにくい。換言すると、ハニカム連結体(I)51〜ハニカム連結体(VI)56によれば、ハニカムセグメント1が横滑りしにくくなる。特に、ハニカムセグメント1の外周壁31が多角柱形状であり、且つ開口部43が1つ面の側壁33の外表面34内に収まるように設けられている場合、ハニカムセグメント1は周方向に大きな位置ずれをより生じにくくなる。
なお、ハニカム連結体(I)〜(IV)では、例えば、図17に示されているハニカム連結体(IV)54のように、隣接するハニカムセグメント1の側壁33同士を接合層23を介して接合させてもよい。このとき、接合層23は、ハニカムセグメント1の第1端面3から第2端面5まで配設されていることが好ましい。
また、ハニカム連結体(I)〜(IV)では、図17に示されているハニカム連結体(IV)54のように穴部41と凸部45との間に接合層23を介在させたり(図17を参照)、あるいは図示しないが、穴部41と嵌合部材47の間に接合層23を介在させたりしてもよい。上記のように接合層23を介在させる場合、ハニカムセグメント1同士の連結強度を補強することが可能になる。
接合層23の材料については特に制限はないが、例えば、炭化珪素、アルミナ、窒化珪素、等のセラミック粒子を、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナにより結合した材料等を好適例として挙げることができる。このような材料を用いることによって、ハニカムセグメント1(更には、ハニカム複合体や後述のハニカム構造体)に生じる熱応力を良好に緩和することができる。また、このような材料を用いることにより、接合層23が、ハニカム複合体やハニカム構造体に負荷がかかったときの緩衝材としての役割も果たす。
ハニカム連結体(I)およびハニカム連結体(II)において、嵌合部材の材質は、セラミッス、金属、樹脂など、ハニカム連結体(I)およびハニカム連結体(II)の用途に応じて適当な材質を適用するとよい。例えば、嵌合部材の材質をハニカムセグメントの材質と同一とすることが好ましい。ハニカム連結体(I)およびハニカム連結体(II)において、これらを構成するハニカムセグメントの材質と嵌合部材の材質とが同じ場合、ハニカムセグメントと嵌合部材との間で熱膨張係数の差が生じにくくなり、耐熱衝撃性に優れるものとなる。
3.ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体は、ハニカム連結体(I)〜(VI)のうちの少なくともいずれか1種以上から構成されるものである。なお、ハニカム構造体を構成する各ハニカムセグメントがハニカム連結体(I)〜(VI)のいずれかを構成するものであれば、本発明のハニカム構造体に該当するものとする。なお、本発明のハニカム構造体では、当該ハニカム構造体を構成する全てのハニカムセグメント1が、自身が隣接する全てのハニカムセグメントとの間で、ハニカム連結体(I)〜(VI)のうちのいずれかを構成していなくともよい。
ただし、本発明のハニカム構造体では、ハニカム構造体を構成する全てのハニカムセグメントが、自身が隣接する全てのハニカムセグメントとの間で、ハニカム連結体(I)〜(VI)のうちのいずれかを構成することが好ましい。このような形態の場合、ハニカムセグメントの位置ずれや脱落をより抑制することが可能になる。
図19は、本発明の一実施形態のハニカム構造体100の模式的な斜視図である。図20は、本発明の他の実施形態のハニカム構造体110の平面図である。
図20に示されているハニカム構造体110は、外周壁が円柱形状のハニカムセグメント1(ここでは説明の便宜上、「円柱ハニカムセグメント」という)から構成されている。複数個の円柱ハニカムセグメント1を互いのZ方向を揃えつつ束ねた場合、隣接する円柱ハニカムセグメント1の外周壁31同士の間で接触面積は少ない。言い換えると、複数個の円柱ハニカムセグメント1を互いのZ方向を揃えつつ束ねた場合、隣接する円柱ハニカムセグメント1の外周壁31同士の間に隙間74ができてしまう。従来の接合型ハニカム構造体では、上記の隙間を接合層で埋めなければ十分な接合強度を確保することができない。その結果として、従来の接合型ハニカム構造体では、複数個の円柱ハニカムセグメントから構成されている場合、円柱ハニカムセグメント間の隙間を埋める接合層によってガス流通時の圧力損失が増大してしまう。これに対して、上記のハニカム構造体110では、円柱ハニカムセグメント1同士が穴部41と嵌合部材47との嵌合状態あるいは穴部41と凸部45との嵌合状態により連結されているので、隙間74を埋める接合層を必ずしも要しない。そのため、本発明の一実施形態に該当するハニカム構造体110では、複数個の円柱ハニカムセグメント1から構成されているにもかかわらず、安定した構造的強度とガス流通時の圧力損失の抑制とを両立するものとなる。
ハニカム構造体100,110を排ガス浄化に使用する際には、ここでは図示しないが、ハニカム構造体100,110の外周をクッション材で包んだ状態で缶体の内部に収めるとよい。すなわち、例えば、ハニカム構造体100と、ハニカム構造体の外周を包むクッション材と、缶体と、備え、ハニカム構造体100をクッション材に包まれた状態で缶体内部に収めている排ガス浄化装置とするとよい。この排ガス浄化装置では、クッション材がハニカム構造体100と缶体の内壁面との間で圧縮され、この圧縮による反発力により、クッション材がハニカム構造体100を外周から締め付ける。そのため、上記の排ガス浄化装置によれば、ハニカム構造体100は、ハニカムセグメント1同士の穴部41、嵌合部材47、凸部45による嵌合状態と、クッション材による外周からの締め付けにより、構造的に安定しやすい。また、上記の排ガス浄化装置では、ハニカム構造体100において上記の嵌合状態と外周からの締め付けとが存在するため、ハニカムセグメント1がZ方向にずれ落ちることが生じにくい。その結果、上記の排ガス浄化装置では、構成するハニカムセグメント1の数を増やすなどして、ハニカム構造体100を大型化することにより、船舶のエンジンなどの排気量の大きな内燃機関からの排ガス浄化に良好に適用することが可能になる。
4.ハニカムセグメントの製造方法:
次に、本実施形態のハニカムセグメントを製造する方法について説明する。まず、ハニカムセグメントを作製するための坏土を調製し、この坏土を成形して、ハニカムセグメントの成形体を作製する(成形工程)。得られたハニカムセグメントの成形体を、乾燥して、ハニカムセグメントの乾燥体を得ることが好ましい。
次に、得られたハニカムセグメントの成形体(或いは、必要に応じて行われた乾燥後のハニカムセグメントの乾燥体)を焼成してハニカムセグメントを作製する(焼成工程)。
さらに、ハニカムセグメント(A)およびハニカムセグメント(B)を作製する場合には、ハニカムセグメントに穴部を形成する(穴部形成工程)。また、ハニカムセグメント(B)およびハニカムセグメント(C)を作製する場合には、ハニカムセグメントに凸部を形成する(凸部形成工程)。
このようにして本実施形態のハニカムセグメントを製造することができる。以下、各製造工程について更に詳細に説明する。
4−1.成形工程:
まず、成形工程においては、セラミック原料を含有するセラミック成形原料を成形して、流体の流路となる複数のセルを区画形成するハニカム成形体を形成する。例えば、ハニカム成形体は、隔壁と外周壁とを押出成形によって一体的に成形してもよい。
セラミック成形原料に含有されるセラミック原料としては、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素、チタン酸アルミニウムなどを挙げることができる。そして、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素、及びチタン酸アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。なお、「珪素−炭化珪素系複合材料」とは、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材として形成されたものである。「コージェライト化原料」とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミック原料であって、焼成されてコージェライトになるものである。
また、このセラミック成形原料は、上記セラミック原料に、分散媒、有機バインダ、無機バインダ、造孔材、界面活性剤等を混合して調製することが好ましい。各原料の組成比は、特に限定されず、作製しようとするハニカム構造部の構造、材質等に合わせた組成比とすることが好ましい。
セラミック成形原料を成形する際には、まず成形原料を混練して坏土とし、得られた坏土をハニカム形状に成形することが好ましい。成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては特に制限はなく、押出成形、射出成形等の従来公知の成形方法を用いることができる。例えば、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する口金を用いて押出成形してハニカム成形体を形成する方法等を好適例として挙げることができる。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
また、上記成形後に、得られたハニカム成形体を乾燥してもよい。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができ、なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組合せて行うことが好ましい。
4−2.焼成工程:
次に、得られたハニカム成形体を焼成してハニカムセグメント(ハニカム焼成体)を得る。なお、目封止を設けたハニカムセグメントを作製する場合には、ハニカム成形体の焼成は、ハニカム成形体に目封止部を配設した後に行ってもよい。
また、ハニカム成形体を焼成(本焼成)する前には、そのハニカム成形体を仮焼することが好ましい。仮焼は、脱脂のために行うものであり、その方法は、特に限定されるものではなく、中の有機物(有機バインダ、分散剤、造孔材等)を除去することができればよい。一般に、有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔材の燃焼温度は200〜800℃程度であるので、仮焼の条件としては、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、3〜100時間程度加熱することが好ましい。
ハニカム成形体の焼成(本焼成)は、仮焼した成形体を構成する成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われる。焼成条件(温度、時間、雰囲気)は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。
4−3.穴部形成工程:
穴部形成工程は、ハニカムセグメントの外周壁に所望の形状の開口部を形成し、さらにその内側で所望の深さまでの隔壁を切り欠くことにより、穴部を形成する工程である。穴部を形成する際には、ドリルや研削機などを適宜用いるとよい。
また、焼成前のハニカム成形体の段階で、外周壁およびその内側の隔壁にドリルなどを用いて予め穴を開けてもよい。これに引き続き、焼成後に、予め開けておいた穴を研削し、開口部の形状や穴部の深さを整えてもよい。
4−4.凸部形成工程:
凸部は、焼成前のハニカム成形体、またはハニカムセグメント(ハニカム焼成体)の外周壁に所望の形状の部材を接着することにより形成してもよい(例えば、図7中に示されている凸部45を参照)。この時、凸部の材質は、ハニカム焼成体の外周壁と同じ材質とすることが好ましい。凸部とハニカム焼成体の外周壁とが同じ材質である場合、熱膨張係数の差が生じにくくなり、耐熱衝撃性に優れるものとなる。
あるいは、例えば、図8〜図10に示されているハニカムセグメント1の凸部45を形成する場合には、以下の内容で行うとよい。まず、ハニカムセグメント(ハニカム焼成体)において、凸部を形成する部分領域(多角柱形状の場合には凸部を形成する面)の外周を一部分(将来凸部となる部分)を残しながら研削する。次いで、研削部分の表面に外周コート材を塗布することにより、研削部分の外周壁(凸部の外周壁を含む)を形成する。この時、外周コート材の材質は、研削前のハニカムセグメント(ハニカム焼成体)の外周壁と同じ材質とすることが好ましい。上述のように外周コート材と外周壁とが同じ材質である場合、熱膨張係数の差が生じにくくなり、耐熱衝撃性に優れるものとなる。
4−5.目封止工程
なお、目封止部を設けたハニカムセグメント(目封止ハニカムセグメント)を作製する場合には、ハニカムセグメントにおける複数のセルを、第1セルとなる群と第2セルとなる群とに振り分ける。そして、第1セルの第2端面側の端部と、第2セルの第1端面側の端部とに、目封止材(目封止部の材料)を充填して、目封止部を形成する。
ハニカムセグメントに目封止材を充填する際には、例えば、まず、第1端面側の端部に目封止材を充填し、その後、第2端面側の端部に目封止材を充填する。端部に目封止材を充填する方法としては、以下のマスキング工程と圧入工程とを有する方法を挙げることができる。マスキング工程は、ハニカムセグメントの一方の端面(例えば、第1端面)にシートを貼り付け、シートにおける、「目封止部を形成しようとするセル」(この場合は第2セル)と重なる位置に孔を開ける工程である。圧入工程は、「ハニカムセグメントの、シートが貼り付けられた側の端部」を目封止材が貯留された容器内に圧入して、目封止材をハニカムセグメントのセル内に圧入する工程である。目封止材をハニカムセグメントのセル内に圧入する際には、目封止材は、シートに形成された孔を通過し、シートに形成された孔と連通するセルのみに充填される。
次に、ハニカムセグメントに充填された目封止材を乾燥させて、目封止部を形成し、目封止ハニカムセグメントを得る。なお、ハニカムセグメントの両端部に目封止材を充填した後に、目封止材を乾燥させてもよいし、ハニカムセグメントの一方の端部に充填した目封止材を乾燥させた後に、他方の端部に目封止材を充填し、その後、他方の端部に充填した目封止材を乾燥させてもよい。更に、目封止材を、より確実に固定化する目的で、焼成してもよい。また、乾燥前のハニカム成形体又は乾燥後のハニカム成形体に目封止材を充填し、乾燥前のハニカム成形体又は乾燥後のハニカム成形体と共に、目封止材を焼成してもよい。
5.ハニカム連結体の製造方法:
ハニカム連結体(I)を作製する場合には、まず、複数個のハニカムセグメント(A)を用意する。そして、ハニカムセグメント(A)同士を、互いのZ方向を揃えつつ穴部を対向させて穴部に嵌合部材を嵌合させることにより連結するとよい(図13を参照)。
ハニカム連結体(II)を作製する場合には、まず、ハニカムセグメント(A)およびハニカムセグメント(B)を用意する。そして、ハニカムセグメント(A)とハニカムセグメント(B)とを、互いのZ方向を揃えつつ穴部を対向させて穴部に嵌合部材を嵌合させることにより連結するとよい(図15を参照)。
ハニカム連結体(III)を作製する場合には、まず、ハニカムセグメント(A)およびハニカムセグメント(B)を用意する。そして、ハニカムセグメント(A)とハニカムセグメント(B)とを、互いのZ方向を揃えつつ、ハニカムセグメント(A)の穴部にハニカムセグメント(B)の凸部を嵌合させることにより連結するとよい(図15を参照)。
ハニカム連結体(IV)を作製する場合には、まず、ハニカムセグメント(A)およびハニカムセグメント(C)を用意する。そして、ハニカムセグメント(A)とハニカムセグメント(C)とを、互いのZ方向を揃えつつ、ハニカムセグメント(A)の穴部にハニカムセグメント(C)の凸部を嵌合させることにより連結するとよい。
ハニカム連結体(V)を作製する場合には、まず、複数個のハニカムセグメント(B)を用意する。そして、複数個のハニカムセグメント(B)を、互いのZ方向を揃えつつ、一方のハニカムセグメント(B)の穴部に他方のハニカムセグメント(B)の凸部を嵌合させることにより連結するとよい。
ハニカム連結体(VI)を作製する場合には、ハニカムセグメント(B)およびハニカムセグメント(C)を用意する。そして、ハニカムセグメント(B)とハニカムセグメント(C)とを、互いのZ方向を揃えつつ、ハニカムセグメント(B)の穴部にハニカムセグメント(C)の凸部を嵌合させることにより連結するとよい。
なお、ハニカム連結体(I)〜(IV)を作製する際には、ハニカムセグメントの側壁における接合部分となる領域に接合材(接合層の材料)を塗布した上で連結を行ってもよい。このとき、接合材は、ハニカムセグメントの側壁において第1端面から第2端面までの接合部分全体を一様に塗布していくことが好ましい。この工程を経ると、ハニカムセグメントの対向する側面同士が接合層により接合されたものとなる。
あるいは、穴部の壁面、嵌合部材の表面、凸部の表面に予め接合材(接合層の材料)を塗布しておいた状態で、穴部と嵌合部材との嵌合、穴部と凸部との嵌合を行ってもよい。この工程を経ると、穴部と嵌合部材、穴部と凸部とが接合層により接合されたものとなる。
接合材を塗布する方法は、特に限定されず、刷毛塗り等の方法を用いることができる。
接合材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材を加えたものに水を加えて混練したスラリー等を挙げることができる。
6.ハニカム構造体の製造方法:
本実施形態のハニカム構造体の製造方法は、上述のハニカム連結体(I)〜(IV)の製造方法の少なくともいずれか1種以上を適宜組合せることにより行うとよい。また、排ガス浄化に使用する際には、得られたハニカム構造体の外周をクッション材で包み、このクッション材で包まれた状態のハニカム構造体をそのまま缶体の内部に収めることにより、排ガス浄化装置を作製するとよい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
セラミック原料として、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合したものを用いた。そして、これに、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加するとともに、水を添加して成形原料を作製した。得られた成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。
次に、得られた坏土を、真空押出成形機を用いて成形し、隔壁によって複数のセルが区画形成されたハニカムセグメントの成形体を複数個作製した。
次に、得られたハニカムセグメントの成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥した。なお、乾燥時には、ハニカムセグメントの成形体の流出端面が、鉛直下向きになるように配置して乾燥を行った。
そして、ハニカムセグメントの成形体を脱脂し、焼成して、ハニカムセグメントの焼成体を得た。脱脂の条件は、550℃で3時間とした。焼成の条件は、アルゴン雰囲気下で、1450℃、2時間とした。
得られたハニカムセグメントの焼成体は、隔壁厚さが300μmであり、セル密度が47個/cmであった。また、ハニカムセグメントは、長さ143.8mmで、四角柱形状(36mm×36mmの正方形の断面形状)であった。
上記のハニカムセグメントの焼成体を2個用意し、1個のハニカムセグメントの焼成体についてはハニカムセグメント(A)とするために穴部を形成し、もう1個のハニカムセグメントの焼成体についてはハニカムセグメント(C)とするために凸部を設けた。ハニカムセグメント(A)については、穴部の開口部が55.7mm(ハニカムセグメントの1つの側面の面積の60%)で、深さが21.6mm(ハニカムセグメントの幅の60%)となるように形成した。ハニカムセグメント(C)については、凸部は外側方向への長さ21.6mm(ハニカムセグメントの幅の60%)、外側方向に垂直な断面形状が55.7mm(ハニカムセグメントの1つの側面の面積の60%)となる部材を所定の位置に配設した。なお、ハニカムセグメント(A)の穴部とハニカムセグメント(C)の凸部とは相補的な形状となるようにした。なお、穴部および凸部は、穴部および凸部のZ方向での中心位置が、ハニカムセグメントの第1端面からハニカムセグメントの全長の20%の長さの分だけ離れた位置となるように設けた。
続いて、ハニカムセグメント(A)の穴部にハニカムセグメント(C)の凸部を嵌合し、実施例1のハニカム連結体(IV)を得た。
(実施例2〜4)
実施例2〜4については、穴部および凸部のZ方向での中心位置が、ハニカムセグメントの第1端面からハニカムセグメントの全長の40%(実施例2)、60%(実施例3)、80%(実施例4)の長さの分だけ離れた位置となるように設けた以外は、実施例1と同様にした。
(実施例5〜7)
実施例5〜7については、ハニカムセグメント(A)の穴部の開口部およびハニカムセグメント(C)の凸部の外側方向に垂直な断面形状が正方形で、断面積が32.2mm(ハニカムセグメントの1つの側面の面積の20%)(実施例5)、45.5mm(ハニカムセグメントの1つの側面の面積の40%)(実施例6)、64.4mm(ハニカムセグメントの1つの側面の面積の80%)(実施例7)となるようにした以外は、実施例3と同様にした。
(実施例8〜10)
実施例8〜10については、ハニカムセグメント(A)の穴部の深さおよびハニカムセグメント(C)の凸部の外側方向への長さを、7.2mm(ハニカムセグメントの幅の20%)(実施例8)、14.4mm(ハニカムセグメントの幅の40%)(実施例9)、28.8mm(ハニカムセグメントの幅の80%)とした以外は、実施例3と同様にした。
実施例1〜10のハニカム連結体(IV)については、[連結強度]、および[圧力損失]の各評価を行った。各評価の評価方法を以下に示す。
[連結強度]
連結強度の測定は、次のように行った。まず、ハニカム連結体(IV)を載せるためのアルミ板を用意した。アルミ板には、ハニカム連結体(IV)を構成するハニカムセグメント(A)の端面の輪郭と同形状の穴を開けたものを用いた。そして、ハニカム連結体(IV)のいずれか一方の端面をアルミ板の表面に当てるかたちで、ハニカム連結体(IV)をアルミ板の上に載せた。このとき、アルミ板に開いている上記の穴の中にハニカムセグメント(A)の端面を収めるように、ハニカム連結体(IV)の位置を定めた。このようにハニカム連結体(IV)の位置を定めてアルミ板の上に載せておくと、ハニカムセグメント(A)とハニカムセグメント(C)との連結状態が破壊された時に、アルミ板の穴からハニカムセグメント(A)が落ちることになる。続いて、上記のように、ハニカム連結体(IV)をアルミ板の上に載せた状態で、ハニカムセグメント(A)の上方の端面(アルミ板とは反対側にある端面)に、加重を、順次増加させていく態様で加えた。そして、ハニカムセグメント(A)とハニカムセグメント(C)との連結状態が破壊され、ハニカムセグメント(A)がアルミ板の穴から抜け落ちた時の加重(kg)を、ハニカム連結体(IV)の連結強度(kg)とした。
[圧力損失(kPa)の測定]:
室温条件下において0.5m/分の流量でエアーをハニカム連結体(IV)に流通させた。この状態で、エアー流入側の圧力とエアー流出側の圧力との差を測定した。この圧力の差を圧力損失として算出した。
図21は、実施例1〜4のハニカム連結体(IV)における連結強度および圧力損失を示すグラフである。図22は、実施例3,5〜7のハニカム連結体(IV)における連結強度および圧力損失を示すグラフである。図23は、実施例3,8〜10のハニカム連結体(IV)における連結強度および圧力損失を示すグラフである。
[考察]
実施例5,6,8,9は、「開口部の開口面積が当該開口部を設けられている側壁の前記外表面の面積の0.6倍以下」および「穴部の深さが当該穴部の深さ方向に沿った前記ハニカム構造部の幅の0.4倍以下」の条件を満たす。実施例5,6,8,9は、連結強度が高く、かつ、圧力損失が適度に抑制されたものであることが判明した。
本発明は、排ガス浄化用のフィルタおよび排ガス浄化用の触媒担体として利用できる。
1:ハニカムセグメント、1a:ハニカムセグメント(A)、1b:ハニカムセグメント(B)、1c:ハニカムセグメント(C)、3:第1端面、5:第2端面、7:セル、9:隔壁、10:ハニカム構造部、11:第1セル、15:第2セル、19:目封止部、20a:ハニカムセグメント(A)、23:接合層、30a:ハニカムセグメント(A)、31:外周壁、33:側壁、34:(側壁の)外表面、36:外周コート、41:穴部、43:開口部、45:凸部、47:嵌合部材、48:(セルの)開口部分、49:遮蔽材、51:ハニカム連結体(I)、52:ハニカム連結体(II)、53:ハニカム連結体(III)、54:ハニカム連結体(IV)、55:ハニカム連結体(V)、56:ハニカム連結体(VI)、70:ハニカム複合体、73:ハニカム複合体、74:隙間、100:ハニカム構造体、110:ハニカム構造体、D:(穴部の)深さ。

Claims (10)

  1. ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、
    一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、
    前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、
    前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)を複数個と、
    前記穴部に嵌合可能な嵌合部材と、を備え、
    前記複数個のハニカムセグメント(A)は、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、前記ハニカムセグメント(A)同士を互いの前記穴部を対向させて前記穴部に前記嵌合部材を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
  2. ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、
    一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、
    前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、
    前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)と、
    前記ハニカムセグメント(A)の前記外周壁において外側方向に突出する凸部を更に有するハニカムセグメント(B)と、
    前記穴部に嵌合可能な嵌合部材と、を備え、
    前記ハニカムセグメント(A)と前記ハニカムセグメント(B)とは、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、互いの前記穴部を対向させて前記穴部に前記嵌合部材を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
  3. ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、
    一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、
    前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、
    前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)を複数個と、
    前記ハニカムセグメント(A)の前記外周壁において外側方向に突出する凸部を更に有するハニカムセグメント(B)と、を備え、
    前記ハニカムセグメント(A)と前記ハニカムセグメント(B)とは、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、前記ハニカムセグメント(A)の前記穴部に前記ハニカムセグメント(B)の前記凸部を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
  4. ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、
    一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、
    前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、
    前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)と、
    ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、
    一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、
    前記外周壁において外側方向に突出する凸部を有するハニカムセグメント(C)と、を備え、
    前記ハニカムセグメント(A)と前記ハニカムセグメント(C)とは、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、前記ハニカムセグメント(A)の前記穴部に前記ハニカムセグメント(C)の前記凸部を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
  5. ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、
    一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、
    前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、
    前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)の前記外周壁において外側方向に突出する凸部を更に有するハニカムセグメント(B)を複数個備え、
    前記複数個のハニカムセグメント(B)は、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、一方の前記ハニカムセグメント(B)の前記穴部に他方の前記ハニカムセグメント(B)の前記凸部を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
  6. ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、
    一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、
    前記外周壁に開口部を有するとともに前記開口部から所定の深さまでの前記隔壁を貫通する穴部を有し、
    前記開口部は、前記第1端面および前記第2端面には達せず且つ前記外周壁の周方向の全域にはわたらないハニカムセグメント(A)の前記外周壁において外側方向に突出する凸部を更に有するハニカムセグメント(B)と、
    ハニカム構造体を構成するためのハニカムセグメントであり、
    一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、
    前記外周壁において外側方向に突出する凸部を有するハニカムセグメント(C)と、を備え、
    前記ハニカムセグメント(B)と前記ハニカムセグメント(C)とは、互いの前記セルの延びる方向を揃えつつ、前記ハニカムセグメント(B)の前記穴部に前記ハニカムセグメント(C)の前記凸部を嵌合させることにより連結しているハニカム連結体。
  7. 前記ハニカムセグメント(A)の前記外周壁は、複数の平面状の側壁より構成され、前記セルの延びる方向に垂直な断面において多角形状であり、
    前記開口部は、1つの面の前記側壁の外表面内に収まるように設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカム連結体
  8. 前記ハニカムセグメント(A)の前記開口部の開口面積は、前記開口部を設けられている前記側壁の前記外表面の面積の0.6倍以下であり、
    前記穴部の前記深さは、前記穴部の深さ方向に沿った前記ハニカム構造部の幅の0.4倍以下である請求項に記載のハニカム連結体
  9. 前記ハニカムセグメント(A)の前記外周壁は、前記セルの延びる方向に垂直な断面において四角形状である請求項またはに記載のハニカム連結体
  10. 請求項に記載のハニカム連結体のうちの少なくともいずれか1種以上から構成されるハニカム構造体。
JP2014061216A 2014-03-25 2014-03-25 ハニカムセグメント、ハニカム連結体、およびハニカム構造体 Active JP6193162B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014061216A JP6193162B2 (ja) 2014-03-25 2014-03-25 ハニカムセグメント、ハニカム連結体、およびハニカム構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014061216A JP6193162B2 (ja) 2014-03-25 2014-03-25 ハニカムセグメント、ハニカム連結体、およびハニカム構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015182020A JP2015182020A (ja) 2015-10-22
JP6193162B2 true JP6193162B2 (ja) 2017-09-06

Family

ID=54349211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014061216A Active JP6193162B2 (ja) 2014-03-25 2014-03-25 ハニカムセグメント、ハニカム連結体、およびハニカム構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6193162B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6687438B2 (ja) * 2016-03-25 2020-04-22 日本碍子株式会社 ハニカムフィルタ
JP7274401B2 (ja) * 2019-12-05 2023-05-16 日本碍子株式会社 ハニカム構造体
JP7406359B2 (ja) * 2019-12-05 2023-12-27 日本碍子株式会社 ハニカム構造体

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2705731B2 (ja) * 1989-11-28 1998-01-28 日本碍子株式会社 ハニカム構造体
JP2009256187A (ja) * 2008-03-24 2009-11-05 Ibiden Co Ltd ハニカム構造体及びハニカム構造体の製造方法
WO2009118810A1 (ja) * 2008-03-24 2009-10-01 イビデン株式会社 ハニカム構造体
JP5156701B2 (ja) * 2009-07-13 2013-03-06 日本碍子株式会社 セラミックハニカム構造体の製造方法
WO2013047790A1 (ja) * 2011-09-30 2013-04-04 日本碍子株式会社 ハニカム構造体
JP6084497B2 (ja) * 2013-03-26 2017-02-22 日本碍子株式会社 ハニカムフィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015182020A (ja) 2015-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5805039B2 (ja) ハニカム構造体
US9212589B2 (en) Honeycomb filter
KR101025849B1 (ko) 허니컴 구조체
KR20070097347A (ko) 허니컴 구조체
US10857499B2 (en) Plugged honeycomb structure
KR20130137673A (ko) 밀봉된 하니컴 구조체 및 배기 가스 정화 장치
EP2698191B1 (en) Plugged honeycomb structure
JP6847724B2 (ja) 目封止ハニカム構造体
CN110307060B (zh) 蜂窝结构体
JP6068274B2 (ja) ハニカム構造体
JP6014526B2 (ja) ハニカム構造体
JP6193162B2 (ja) ハニカムセグメント、ハニカム連結体、およびハニカム構造体
JP5351678B2 (ja) ハニカム構造体
US11059754B2 (en) Honeycomb structure
JP2008100408A (ja) セラミックスハニカム構造体
JP6521683B2 (ja) ハニカム構造体
JP6144946B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP6084497B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP5324423B2 (ja) ハニカム構造体
JP7057691B2 (ja) ハニカム構造体
JP6174511B2 (ja) ハニカム構造体
JP2014180600A (ja) ハニカムフィルタ
JP6068219B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP2020159337A (ja) ハニカム構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6193162

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150