〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る電子装置の構成例を示している。図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
図1に示す電子装置2は、本開示の電子装置の一例であり、検出対象4が電子装置2の近傍に近接状態か否かを監視する監視手段6を備え、この監視結果に基づいて電子装置2に搭載される一部の機能部品の動作を制限する。この電子装置2は、携帯電話機やスマートフォンなどの携帯型の情報処理装置であり、たとえば外装ケース8の内部にスピーカ10(図3)が設置され、このスピーカ10に対して利用者が耳を近づけて利用する通話機能、その他音声出力機能などを備えている。
電子装置2の一面側には、たとえば外装ケース8に一定の光透過率を備えたパネル12が設置されている。このパネル12は、たとえば外装ケース8の一面側に嵌め合わされ、電子装置2の内部に配置される機能部品を覆っている。また、パネル12には、たとえば背面側に接触して入力表示手段14が設置されており、画像情報の表示のほか、利用者の接触による入力操作などが行われる。この入力表示手段14は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示機能や、生体指などの接触により入力操作が行えるセンサを備えたタッチパネルを含んでいる。パネル12は、たとえばガラスなどで形成されており、タッチパネルを含む入力表示手段14の外装表面側に設置される外装部品として機能する。
パネル12の一部には、たとえば外装ケース8内に形成される監視手段6の位置に合わせて開口部15が形成されている。この開口部15は、監視手段6の監視方向に向けて開口されている。
監視手段6は、たとえば発光手段16および受光検出手段18を備えており、発光手段16が開口部15側に向けて光20を発光させ、近接する検出対象4によって反射した光20を受光検出手段18で検出する。監視手段6は、受光検出手段18が受光した光量によって検出対象4が近接しているか否かを監視する。発光手段16は、たとえば赤外線を照射している。これにより電子装置2の近接監視では、開口部15側から照射される光20が利用者に目視させず、入力表示手段14による映像表示に影響を与えない。
パネル12の開口部15には、発光手段16から発した光20を通過させる複数の光通路22が形成された蓋部24が設置されている。この蓋部24は、赤外線透過性樹脂などのIR(Infrared)パネルで形成されている。この蓋部24に利用されるIRパネルは、たとえば赤外線波長が800〔nm〕の場合の透過率が65〔%〕より大きく、可視光線波長が550〔nm〕の場合の透過率が10〔%〕より大きいものが利用される。ここに示す透過率は一例であり、たとえば近接監視に利用する赤外線の波長などに応じて透過率が異なる材質のIRパネルを利用することはいうまでもない。
蓋部24は、たとえば発光手段16から発した光20の一部を透過させるとともに、光通路22内を通過させる。蓋部24を通じて電子装置2の前面側に照射された光20は、たとえば電子装置2に対して一定の範囲内に接近した人や物によって反射する。この反射した光20は、蓋部24を透過するほか、光通路22を通過して開口部15内に入射する。受光検出手段18は、反射によって開口部15内に入射した光20の光量を検出する。そして監視手段6は、受光検出手段18の検出光量に基づいて、検出対象4が電子装置2に近接状態か否かを判断する。
<監視処理について>
監視手段6は、たとえば受光した光20の光量が所定の基準値以上か否かで近接状態の判断を行っている。発光手段16から発した光20は、設定した検出方向に向けて照射されるほか、発光手段16から開口部15に向けて所定の角度をもって拡散する。そのため、検出に利用する光20の照射角度は、一定方向に限られない。このように拡散した光20は、検出対象4に照射されても、受光検出手段18側に反射しない場合もある。すなわち近接監視では、たとえば検出対象4が監視手段6に近いほど受光量が増え、離間するほど受光量が減る。そのため、電子装置2は、受光光量が一定値に達しない場合には、検出対象4が近くに無い、または監視範囲外に離れていると判断して、入力表示手段に対する駆動制限などを行わない。
また、この監視手段6では、発光手段16から発した光20が光通路22内を通過可能にすることで、パネル12の内面部での光20がパネル24の内面側で反射するのを抑えられる。そしてパネル12内の光20の反射が減少することで、受光検出手段18による検出感度が上げられる。すなわち、監視処理では、受光検出手段18で受けた光20がパネル12以外のもので反射したものであるので、検出結果に補正処理などを行わずに、近接状態の精度を高めた監視が行える。
そのほか電子装置2の内部には、発光手段16や受光検出手段18のほか電子装置の機能部品を実装する基板26などが備えられている。また監視手段6の周囲には、たとえば光20の電子装置2内部への拡散防止や、受光検出手段18側に向けて集光させるための立壁部28が設置されてもよい。
<蓋部24の設置例について>
蓋部24は、図2に示すように、たとえばパネル12の開口部14に対し、電子装置2の外装側を覆うように設置してもよい。この場合、蓋部24は、たとえば平面側の一部に接着剤などを塗布してパネル12の表面側に接着してもよい。
<近接状態例について>
図3は、電子装置2に搭載された通話機能を利用することで、利用者30の顔の一部が電子装置2のパネル12の前面側に近接した状態例を示している。検出対象4は、たとえば電子装置2の利用者の体の一部が含まれる。このとき、利用者30の体の一部としてたとえば電子装置2の筐体を把持する手32などがパネル12に接触する場合がある。このように通話機能の利用時において電子装置2は、たとえば顔がパネル12側に近接し、パネル12に対する表示機能や入力機能は利用されないので、パネル12に設置される入力表示手段14の機能を制限する。
近接監視を行う監視手段6は、たとえば近接状態で利用されるスピーカ10の近くに配置される。また、監視手段6の設置位置は、たとえば通話機能を利用しない場合に入力表示手段14が制限されるのを回避できる位置に設置する必要がある。そこで、監視手段6は、たとえば表示画面外であり、かつパネル12の使用時に利用者30の手32などが監視範囲内に入らない位置に設置されればよい。
なお、近接状態の監視を行う機能は、通話機能を利用する場合に限られない。
斯かる構成によれば、蓋部24に複数の光通路22を形成し、発光手段16から発した光20の通過量を増加させることで、近接した物や人体の一部に対する照射量が増え、監視機能を向上させることができる。また、光通路22の形成により、蓋部24の内側での反射量や、検出対象4で反射した光20が蓋部24の外装側で反射するのを減少させ、受光検出手段18に対して検出対象4からの反射光をより多く到達させることができるので、監視機能を向上させることができる。光通路22の形成により、監視対象以外で反射した光の受光検出の入射量を減少させることで、近接部材で反射した光の取り込み量または取り込みの割合が増やせ、監視精度の向上が図れる
〔第2の実施の形態〕
図4は、第2の実施の形態に係る電子装置の構成例を示している。図4に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
図4に示す電子装置40は、たとえばフロントケース42の一面側にフロントパネル44を備えている。このフロントパネル44は、たとえばフロントケース42内に設置されたLCDユニット64(図5)が表示する表示画像を透過させるほか、図示しないタッチセンサなどが搭載され、利用者30の生体指などの接触を入力操作として検出する。また電子装置40には、たとえば通話機能などに利用されるスピーカ46とともに、フロントパネル44の前面側への近接状態を監視する近接センサ48を備えている。
フロントパネル44は、スピーカ46を電子装置40の前面外部側に開放するために開口した放音開口部50や、近接センサ48の監視方向を一定の範囲で開放するセンサ開口部52が形成されている。そしてセンサ開口部52には、近接監視に利用する光を通過または透過させるとともに、近接センサ48がセンサ開口部52から露出するのを阻止するセンサパネル60が設置される。
<電子装置40の筐体構造について>
電子装置40は、たとえば図5に示すように、フロントケース42とリアケース54とを接合させて筐体が構成されている。この筐体内部には、たとえばフロントケース42側に収納部62が形成され、その内部にLCDユニット64が配置される。また、フロントケース42には、フロントパネル44側に向けてスピーカ46や近接センサ48を挿通させる挿通孔66、68が形成されてもよい。挿通孔68は、たとえば後述するセンサパネル60の周囲を包囲する大きさに形成されている。
リアケース54には、たとえば収納部62に連通する収納部70が形成されており、内部に基板72が配置されている。この基板72には、たとえばスピーカ46や近接センサ48を構成するIR−LED(Light Emitting Diode)74や受光センサ76が実装されている。そのほか基板72には、電子装置40をコンピュータとして機能させるプロセッサやメモリなどの電子部品が実装される。
IR−LED74は、本開示の発光手段の一例であり、既述のように反射光の検出による近接監視処理において赤外線を監視方向に照射する。IR−LED74は、たとえば電子装置40の制御コンピュータによって発光処理の実行または停止が制御されている。受光センサ76は、本開示の受光検出手段の一例であり、IR−LED74から発せられた赤外線が近接する物体によって反射した光や、その他の赤外線または可視光線なども受光する。受光センサ76は、赤外線や可視光線を受光する手段として、たとえばフォトダイオードが利用されてもよい。検出する光の種類や検出実行タイミングは、電子装置40の制御部によって制御される。
<フロントパネル44に対するセンサパネル60の設置について>
センサパネル60は、たとえばフロントパネル44の背面側からセンサ開口部52内に向けて平面側の一部または外形全体が挿通される。センサパネル60は、たとえばフロントパネル44の背面側の一部またはセンサ開口部52の側壁に対して接着部材を介して設置されてもよく、またはセンサ開口部52に対して圧入させてもよい。
<センサパネル60の構成例について>
図6ないし図8は、センサパネル60の外観構成例を示している。図6〜図8に示す構成は一例である。
センサパネル60は、たとえば図6に示すようにフロントパネル44の背面側に対して接触させるように幅広に形成された本体部80と、フロントパネル44のセンサ開口部52内に挿通される挿通部82が形成されている。センサパネル60は、たとえば全体または平面部分の一部を赤外線透過性の樹脂材料で形成されており、本体部80と挿通部82とを一体成形または接着などによって一体化している。
センサパネル60には、平面部分に対し、本体部80と挿通部82とを貫通した貫通孔84が複数形成されている。貫通孔84は、本開示の光通路の一例であり、本体部80と挿通部82の積層範囲内に形成されており、内部を通じてIR−LED74から発した光や、外部から電子装置40側に向けて発せられた光を通過させる。貫通孔84は、たとえば開口形状が円形に限られず、四角形やその他、メッシュ(網目)状に形成してもよい。外部から発せられた光には、近接物体によって反射したIR−LED74の赤外光線も含まれる。
センサパネル60の前面側は、たとえば図7に示すように挿通部82の平面部分に貫通孔84が配列されている。また、本体部80の平面部分には、たとえば挿通部82の周囲に、フロントパネル44の平面上に接触させる接触面部86が形成されている。この接触面部86は、たとえばフロントパネル44との間に接着部材を介在させて接着する接着面として利用されるほか、センサパネル60がをロントパネル44のセンサ開口部52に対して設定した位置まで挿通させるストッパとして機能する。
センサパネル60は、たとえば図8のAに示すように本体部80が長辺部と短辺部を備えた長方形状で形成されており、平面部上に挿通部82が形成されている。本体部80の長辺部の長さL1は、挿通部82の長辺部の長さL2よりも大きく形成されている。また図8のCに示すように本体部80の短辺側の幅W1は、挿通部82の短辺側の幅W2よりも大きく形成されている。これにより本体部80の平面上には、たとえば長辺側に長さ(L1−L2)/2で、かつ短辺側に横幅(W1−W2)/2をもつ接触面部86が挿通部82の周囲に形成される。
貫通孔84は、たとえば直径R1としてたとえば、0.5〔mm〕の孔が形成されている。この貫通孔84の直径R1の大きさは、たとえば電子装置40の前面側からセンサパネル60の内部側を目視させないように設定してもよく、または赤外光の通過しやすい大きさなどに基づいて設定してもよい。
図8Bに示すセンサパネル60の厚さD1は、たとえば本体部80の厚さD2および挿通部82の厚さD3で決まる。本体部80の厚さD2は、たとえば近接センサ48とフロントパネル44との間の距離に応じて設定されており、近接センサ48に接触しないように形成される。また、挿通部82の厚さD3は、たとえばフロントパネル44の厚さに応じて設定すればよい。すなわち、フロントパネル44のセンサ開口部52に対し、センサパネル60が突出しないようにする場合には、挿通部82の厚さD3は、フロントパネル44の厚さと同等またはフロントパネル44の厚さよりも薄く形成すればよい。
貫通孔84は、図8のCに示すように、たとえば本体部80と挿通部82の内部を直線状に開口しており、この内部に赤外線や外光を通過させる。近接センサ48は、IR−LED74から発した光がセンサパネル60の内部を透過するとともに貫通孔84を通過して電子装置40の監視方向に照射させることができる。そして、照射した光は、電子装置40の前面側の一定距離範囲内に近接する物体で反射して、センサパネル60を透過し、または貫通孔84を通過して入射する。これにより、電子装置40は、IR−LED74から発した光がセンサパネル60の内面で反射するのを阻止し、または反射量を低下させることができる。また、電子装置40は、近接物で反射した光がセンサパネル60の外部表面で反射するのを低減させることができる。
<センサパネル60の他の構成例について>
図9は、センサパネル60の他の構成例を示している。図9に示す構成は一例である。
図9に示すセンサパネル60は、たとえば樹脂材料で構成された本体部80の平面部分に赤外線透過性材料のIRシート90を貼付してもよい。本体部80とIRシート90とは、たとえば平面部分において接着材などを介して密着されている。この本体部80は、IRシート90を保持するとともに、フロントパネル44に対して設置する手段として機能する。本体部80は、IRシート90を貼付する平面部の反対面側にフロントパネル44のセンサ開口部52に挿通させる挿通部82およびフロントパネル44の平面部分に嵌合させて接着する嵌合部の一例として、接着面部86が形成される。
本体部80およびIRシート90には、光通路である貫通孔84が形成されており、この貫通孔84がIRシート90と本体部80とで直通するように設定されている。本体部80および挿通部82は、たとえば近接センサ48から発する光を透過可能にするために、透明または光透過性の高い色で形成されればよい。またIRシート90は、外部から近接センサ48が目視できないように着色されており、たとえばフロントパネル44または内部のLCDユニット64と同色で設定される。これにより、電子装置40では、フロントパネル44側から近接センサ48の設置位置が特定されない。
本体部80の厚さD5は、たとえばセンサパネル60の厚さD1とIRシート90の厚さD4の厚さに応じて設定すればよい。挿通部82の厚さD3は、既述のように、設置されるフロントパネル44の厚さおよびフロントパネル44に対する設置状態に応じて設定される。
IRシート90は、たとえば図10に示すように、長辺および短辺をもった四角形状に形成されている。長辺側の長さL3は、たとえば貼付される本体部80の長さL1と同等に設定すればよい。また短辺側の幅W3は、本体部80の幅W1と同等に設定すればよい。さらに、図10Bに示すように、貫通孔84は、本体部80の貫通孔84と同様の開口径R1で形成される。
センサパネル60は、たとえば図11に示すように、フロントパネル44の背面側からセンサ開口部52に対して挿通部82を嵌合させて設置される。またセンサパネル60の側面側は、たとえばフロントケース42の挿通孔68に接触させて配置される。挿通孔68は、たとえばセンサパネル60の本体部80の大きさおよび形状に合わせて形成される。
近接監視処理では、IR−LED74から発した光がIRシート90を透過するとともに、本体部80や挿通部82に形成される貫通孔84を通過してフロントパネル44の前面側に照射される。このとき、IRシート90は、貫通孔84内に光を通過させることで、センサパネル60の表面上で光が反射するのを防止できる。そして、近接した検出対象4で反射した光が挿通部82の貫通孔84を通じて電子装置40内に入射し、受光センサ76で受光される。
<センサパネル60の第2の他の構成例について>
図12は、センサパネル60の第2の他の構成例を示している。センサパネル60は、たとえばフロントパネル44の背面側から設置されるものに限られず、その前面側、すなわち、電子装置40の表面側に設置してもよい。図12に示すセンサパネル60は、たとえばフロントパネル44のセンサ開口部52よりも幅広に形成された本体部80と、その平面部分の一面に厚さD6のIRパネル92を設置して形成されている。
IRパネル92は、たとえば図12Aに示すように長辺側の長さL4を本体部80の長さL1よりも小さく形成している。この長辺側の長さL4は、たとえばフロントパネル44のセンサ開口部52と同等またはそれよりも小さく設定されている。すなわちこのセンサパネル60では、IRパネル92がセンサ開口部52に対する挿通部として機能する。また図12Bに示すIRパネル92の厚さD6は、フロントパネル44の厚さと同等に形成してもよく、またはフロントパネル44の背面側までIRパネル92が突出するように設定してもよい。
そして、センサパネル60は、フロントパネル44の前面側に配置され、IRパネル92を近接センサ48側が設置された筐体側に向けて設置させる。このとき、本体部80の厚さD2は、たとえばフロントパネル44の前面側への突出量を考慮して、薄く形成してもよい。
このような構成によっても、既述のように、近接センサ48の光をセンサパネル60の貫通孔84内に通過させることで、電子装置40の内部側で反射するのを防止できる。
<電子装置40のコンピュータ構成例について>
図13は、近接監視機能を実現するための電子装置40のコンピュータ構成例を示している。図13に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明は限定されない。
電子装置40には、たとえば制御部を構成する実装部品として、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ100や記憶部を構成するメモリ102を備える。また電子装置40は、通信機能を制御するためのベースバンド(Digital Base Band)部104のほか、タッチセンサを含むフロントパネル44を制御するタッチパネルコントローラ108、近接・照度センサIC(Integral Circuit)110などが含まれる。
プロセッサ100は、メモリ102に記憶された各制御プログラムを実行する演算処理部であり、制御プログラムを実行することで、電子装置40の制御部として機能する。
メモリ102は、たとえば電子装置40の各種機能を実行させるプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、これらのプログラムを実行するためのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などが含まれる。ROMには、たとえば電子装置40の基本制御を行うOS(Operating System)プログラムや通信制御を行うプログラム、近接監視を実行するプログラム、その他のアプリケーションプログラムなどが含まれる。
ベースバンド部104は、通信制御部の一例であり、電子装置40に設置されたアンテナ106と接続されており、たとえば電話回線を利用した通話機能や、インターネット回線を利用したデータ通信などを実行する。
そのほかプロセッサ100には、LCDユニット64やそのバックライトが電気的に接続されるほか、IR−LED74に対する発光指示の出力や受光検出手段76に対する受光検出指示の出力または受光光量の情報を取り込む近接・照度センサIC110が接続される。また、プロセッサ100は、スピーカ46やマイクロフォン114を介した音声データを変換するA/D変換器およびD/A変換器112が接続される。
<近接監視処理について>
図14は、近接センサを利用した近接監視処理の一例を示している。図14に示す処理内容、処理手順は一例である。
図14に示す近接監視処理は、電子装置40の近接監視方法または近接監視プログラムの一例であり、たとえば近接監視処理の実行の判断処理、検出値と閾値の比較処理、LCDバックライトの点灯または消灯制御処理が含まれる。
<近接監視処理の実行判断処理>
電子装置40は、たとえば近接センサ48による近接監視処理の実行判断として、通話状態か否かを判断する(S1)。近接監視処理の実行判断では、電子装置40に搭載される特定の機能が実行中か否かを判断する。この特定の機能は、たとえば利用者がフロントパネル44を覆う位置に接近して利用される機能や、フロントパネル44側を目視せずに利用される機能が設定されればよい。これらの機能を実行する場合、利用者は意識せずにフロントパネル44に指などを接触させて利用する場合がある。この近接監視の実行判断対象となる機能として、たとえば通話機能が設定されている。
通話状態の場合(S1のYES)、電子装置40は、近接センサ48の受光センサ76について、近接監視処理を実行する近接センサモードに切替える(S2)。近接センサモードの切替えでは、たとえば電子装置40のプロセッサ100により近接監視プログラムを実行させるほか、受光センサ76からの受光データの判断を開始する。また、電子装置40の制御機能および受光センサ76は、取り込んだ光に対する解析機能として、赤外光の波長または周波数を検出するように設定を切替える。
通話状態でない場合(S1のNO)には、利用者の接近によるタッチパネルへの誤操作の可能性が低いと判断し、近接監視処理を終了する。
<検出値と閾値の比較処理>
電子装置40は、たとえば受光センサ76が取り込んだ受光光量の検出データを参照し、予め設定された閾値TH以上か否かを判断する(S3)。この閾値THは、受光センサ76から取り込んだ受光光量に対し、近接した物体の有無を判断するための基準値の一例である。受光光量が閾値TH以上の場合には、受光光量が多いことから監視方向に近接した物体がある可能性が高いと判断する。
<LCDバックライトの点灯または消灯制御処理>
受光光量が閾値TH以上の場合(S3のYES)、利用者の体の一部などが接近していると判断し、LCDのバックライトを消灯することで、表示機能をOFFにする(S4)。またタッチパネルの応答を抑止させて、入力機能を停止させる(S5)。
また、受光光量が閾値THより小さい場合(S3のNO)、通話中であるが利用者が近接していないと判断し、LCDのバックライトを点灯させて表示機能を維持させる(S6)。また、既にタッチパネルの応答抑止が実行されている場合には、その応答抑止を解除し、入力操作を可能にする(S7)。これにより、通話機能とともにインターネットやメールなど、表示機能や入力操作機能などを併用させることができる。
図15は、受光光量の検出量の一例を示す図である。
図15に示す実線の測定結果は、本開示のセンサパネル60を利用した電子装置40の受光光量である。また、破線の測定結果は、従来のIRパネルのみを利用した場合の電子装置の受光光量である。そして、従来の近接監視処理では、近接センサの受光光量の測定値を示すコード値に対し、閾値TH0が設定されている。この閾値TH0は、本開示の電子装置40に設定された閾値THよりも高い値に設定されている。これらの閾値THおよび閾値TH0は、受光光量の検出値に応じて算定、または設定される近接センサコード値に対し、電子装置40に対して一定の距離の範囲内に近接するものがあるか否かを判定するための基準値の一例である。この判定では、たとえば電子装置40に対する物体の距離に応じて受光光量が変化することに基づき、一定の監視距離に基づいて閾値が設定される。
従来の測定結果は、センサに対する物体の距離Xが大きくなっても一定の受光光量が検出されている。すなわち、IR−LEDから発した光が直接受光センサに入光し、またはIRパネルで反射することで常に光量が検出される。そのため、従来の検出値に対して設定された閾値TH0は、受光検出手段76が検出した受光光量について、センサパネル60の内側で反射した光を判断から除外するために高めの値で設定されている。
これに対し、本発明のセンサパネル60を用いた場合の検出結果では、物体からの距離が離れることで、受光光量のコード値が小さくなっており、0に近似している。すなわち、近接センサ48に対して物体が離れることで、反射光が少なくなることから、近接状態が解消されていることが示されている。このような結果から、本開示のセンサパネル60を利用することで、近接センサ48の検出機能の正確性が確保される。
このように適切な状態で検出が可能であることから、近接状態を判断するための閾値THを低く設定することができる。そして、本開示の電子装置40では、近接センサコード値の最大値P1から閾値THまでの監視幅(ダイナミックレンジ)を大きくとることができるので、近接監視機能が高められる。
<監視手段の他の構成例について>
図16および図17は、電子装置40に搭載される監視手段の他の構成例を示している。
図16に示す電子装置40−2は、たとえばIR−LED74と受光センサ76との間に高さh1の仕切壁120が設置される。この仕切壁120は、IR−LED74から発した赤外光が受光センサ76側に照射されるのを阻止する遮光手段の一例である。仕切壁120は、たとえば基板72上に板状の部品を立設してもよく、またはフロントケース42に一体的に形成してもよい。そのほか、仕切壁120は、たとえばセンサパネル60と一体的に形成してもよい。
仕切壁120は、たとえばセンサパネル60の平面側に接触させ、または近接する高さで形成される。これにより仕切壁120は、たとえばセンサパネル60との間から回り込む光や、微量であるがセンサパネル60の内側表面で反射した光を受光センサ76側に対して遮断することができる。
また、図17に示す電子装置40−3は、たとえばセンサパネル60と近接センサ48との間を離間させた場合、その距離に応じて仕切壁120を高さh2に設定している。このように仕切壁120を高さh2に設定することで、IR−LED74と受光センサ76との間を遮断することができる。
仕切壁120を設置することで、直接受光センサ76側への光の照射や、センサパネル60の貫通孔84以外の部分で反射する光を受光センサ76側に回り込ませないので、IR−LED74と受光センサ76との近接配置が可能となり、電子装置40の小型化に寄与する。また、センサパネル60と近接センサ48との距離が大きくなる場合、たとえば挿通孔68の内壁での光の反射の可能性が高くなるが、仕切板120により発光側と受光側を仕切ることで、受光センサ76側に反射光が照射されるのを阻止できる。また、仕切壁120により光の照射方向が制限されることで、監視方向に対する照射量を確保でき、監視機能の正確性を高めることができる。
<センサパネルの他の構成例について>
図18に示す電子装置40−4は、たとえばフロントパネル122の背面側にIRパネル92を直接設置してもよい。IRパネル92は、複数の貫通孔84が形成されており、貫通孔84にIR−LED74から発した光20を通過させて監視方向に照射させる。また、フロントパネル122は、たとえば近接センサ48の設置位置に対して貫通孔84と同径の複数の開口部124が形成されている。この開口部124は、近接センサ48の監視方向に向けて開口されており、IRパネル92の貫通孔84の位置に一致するように形成される。これにより、フロントパネル122には、IRパネル92との間で光通路が形成される。また、フロントパネル122は、たとえば光が透過可能な部材で形成されており、IR−LED74から発した光をIRパネル92およびフロントパネル122に対して透過させ、さらに貫通孔84および開口部122を通じて照射させることができる。
斯かる構成によれば、IRパネル92に対して複数の貫通孔84を形成し、IR−LED74から発した光の通過量を増加させることで、近接した物や人体の一部に対する照射量が増え、監視機能を向上させることができる。貫通孔84の形成により、IRパネル92の内側での反射や、近接する物体からの反射光がフロントパネル122で反射するのを防止でき、反射光をより多く取り込むことができるので、近接監視機能の向上が図れる。貫通孔84により、監視対象以外からの反射光の入射が減少し、監視判断の閾値を下げられるので監視感度を広げることができ、監視精度の向上が図れる。本開示のフロントパネル122およびIRパネル92を利用することで、近接監視処理の閾値THを低く設定でき、検出のダイナミックレンジが大きく取れるので、光が反射しにくい物体が近接した場合でも近接状態の監視機能が高められる。
〔第3の実施の形態〕
図19は、第3の実施の形態に係る電子装置の構成例を示している。図19に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
図19に示す電子装置130は、受光光量を検出する受光センサ76を近接監視機能として利用するほか、外光131による使用環境の照度監視機能として併用する。電子装置130の監視手段には、受光センサ76が含まれる。この受光センサ76は、近接監視で利用する赤外線の光のほか、太陽光や蛍光灯などの可視光による外光131の受光光量を検出する手段の一例である。そのほか監視手段には、近接監視処理の発光手段として、IR−LED74が含まれる。
電子装置130の表示面として機能するフロントパネル44には、監視手段の前面側にセンサ開口部52が形成され、そのセンサ開口部52には、赤外線透過部材を含み、貫通孔84が形成されたセンサパネル60が設置されている。センサパネル60は、電子装置130の使用環境における外光131を平面部分で透過させるとともに、貫通孔84を通過させている。貫通孔84は、内部が空洞に形成されていることで、取り込んだ外光131を受光センサ76側に通過させている。すなわちセンサパネル60の貫通孔84を通過した光は、外光131と同等の照度となる。
また電子装置130には、フロントパネル44の内側にLCDユニット64を備えるほか、LCDユニット64に対して照光する照光手段134を備える。この照光手段134は、照光することでLCDユニット64を設定した明るさ(輝度)で光らせる手段の一例である。照光手段134は、たとえばLCDユニット64の背面側または周囲側に配置されており、電子装置130の使用環境の照度に応じて、利用者が表示画面を把握しやすい輝度で発光する。
そこで、電子装置130は、受光センサ76による外光監視処理により、使用環境の照度を把握し、その照度に応じて照光手段134の輝度を調整する。
<電子装置130のコンピュータ構成例について>
図20は、電子装置130の制御機能を示すコンピュータ構成例を示している。図20において図13と同一部分には同一符号を付してある。この電子装置130では、外光131の受光により照度監視とともに、LCDユニット64に対する輝度調整機能が含まれる。
そこで、制御部であるプロセッサ100には、LEDドライバIC132が接続され、このLEDドライバIC132によって照光手段134が制御される。また、近接・照度センサIC110によって受光センサ76による検出対象の切替えや検出処理などが含まれる。この近接・照度センサIC110は、たとえばプロセッサ100からの制御指示により近接センサモードまたは照度監視モードの実行を切替え、受光センサ76に対して検出対象として、取り込む光の波長や周波数の切替え指示を出力する。また、照度監視では、たとえば受光センサ76によって取り込んだ光について、近接・照度センサIC側で検出対象として設定された光の波長や周波数に基づいて、受光光量の判定処理を行ってもよい。
<検出照度に対する輝度制御について>
図21は、検出照度に対する輝度の設定テーブルの一例を示している。図21に示す数値情報などは一例である。
照光手段134に対する輝度設定処理では、たとえば検出した外光131の照度情報に基づいて予め輝度が設定された輝度設定テーブル140が利用される。輝度設定テーブル140は、たとえばメモリ102内に格納されており、プロセッサ100の照度監視処理、または輝度調整処理の実行開始のタイミングでメモリ102から読み出される。
輝度設定テーブル140は、たとえば端末である電子装置130の照度情報142、LEDドライバの設定値情報144、LCDのバックライトの輝度情報146が設定されている。この輝度設定テーブル140は、たとえば検出した外光131の照度に対し、利用者が表示画面を目視し易い、または表示内容を把握させ易い明るさの輝度が設定される。端末照度情報142には、たとえば受光センサ76で検出した照度情報に対し、所定の補正処理後の値に対する照度の範囲が特定されている。LEDドライバ設定値情報144には、たとえばプロセッサ100による照度の判断に応じて、LEDドライバIC132に対する輝度制御指示の設定値が含まれる。またLCDのバックライトの輝度情報146には、LEDドライバIC132から照光手段134に対して出力される輝度が含まれる。
<照度検出処理について>
図22は、電子装置の照度検出処理の一例を示している。図22に示す処理内容、処理手順は一例である。
照度検出処理では、電子装置130に搭載された特定の機能が実行中か否かの判断が行われ、照度検出を行うか否か決定される。そこで、特定の機能として、電子装置130は、たとえば通話機能が利用中か否かを判断する(S21)。ここで特定される機能は、たとえば上記のように近接監視モードの実行判断と同じ機能を設定すればよい。すなわちこの判断では、近接監視と照度監視を併用する監視手段において、どちらの監視機能を実行するかを判断している。また、通話機能の利用中は、利用者が顔をフロントパネル側に近接させて利用することが多く、表示画面を利用しない可能性がある。
そのため、通話状態である場合(S21のYES)、電子装置130は、近接・照度センサIC110に対して、近接センサモードの実行を指示する(S25)。監視モードの切替えは、たとえば受光センサ76によって取り込む光の波長や周波数の設定を切替えるほか、近接・照度センサIC110による受光光量の検出判断の対象を特定の波長や周波数に切替えてもよい。
また、通話状態でない場合(S21のNO)には、照度監視処理として、LCDバックライトが点灯状態か否かの判断に移行する(S22)。つまり、電子装置130は、表示機能が利用中か否かの判断が行われる。LCDバックライトが消灯状態で(S22のNO)、LCDが表示処理を行っていない場合、照度監視処理を終了する。
LCDバックライトが点灯中の場合(S22のYES)、照度センサモードに切替える(S23)。そして、電子装置130は、受光センサ76によって検出した照度に応じてLCDバックライトとして、たとえば照光手段134の輝度設定を行う(S24)。
<輝度設定処理について>
図23は、電子装置の輝度設定処理を示すフローチャートであり、図22のS24に対するサブルーチンの一例である。
照度に応じたLCDバックライトの調整では、近接・照度センサIC110によって受光センサ76から検出した受光光量から照度値の読み出し処理が行われる(S31)。次に、読み出した照度値の検出値に対し、所定の補正処理が行われる(S32)。この補正処理は、たとえば取り込んだ受光光量のデータ値(照度情報)に対して特定の計算処理が行われる。この計算処理では、たとえば設置されるセンサパネル60の透過率などが考慮されればよい。
制御部を構成するプロセッサ100は、たとえば輝度設定テーブル140から補正処理された照度値をLED調整値に変換するとともに、LEDドライバIC132に読み出した値を設定する(S33)。これにより、照光手段134は、輝度設定テーブル140に設定された値に基づいて、輝度が設定される。電子装置130は、受光センサ76を利用して、LCDユニットの表示制御において、適切な輝度が設定できる。
〔比較例〕
従来の電子装置では、近接センサの受光センサを照度監視に利用する場合、この受光センサを外部から隠すために、センサの前面側に対してパネル設置されていた。受光センサに可視光を取り込む場合、パネルは、光透過性の高い透明色に設定する必要がある。しかし、パネルは、透明色になるほど内部表面での光の反射性が高くなり、近接センサの発光手段からの光をパネル内部に反射させる可能性があった。
また、パネルは、赤外光を透過させるためにIRパネルで形成されると、可視光の波長ではパネルの透過性が低くなるものがある。そのため照度監視機能を併用する場合、電子装置は、受光光量の検出値の補正を行っているが、可視光に対するIRパネルの透過率が低い場合には、照度監視が適切に行えなくなるおそれがあった。また、周囲の照度が低い場合、IRパネル透過率の違いが区別できず、IRパネルの透過率に基づく検出値の補正が適切に行えず、監視精度の低下を招くおそれがあった。
これに対し、本開示の電子装置130は、監視手段の前面側に光が通過可能な貫通孔84が形成されたセンサパネル60を設置することで、入射する外光131がセンサパネル60の透過率などによって減衰するのを防止している。つまりセンサパネル60は、貫通孔84の部分について、外光131が100〔%〕の透過率と同等にすることができる。従って、この照度監視では、監視手段が外部へ露出するのを阻止するセンサパネル60について、赤外線を透過させるIRパネルを利用して形成した場合でも、高い受光光量が得られる。
斯かる構成によれば、貫通孔84が形成されたセンサパネル60によって受光光量が増やせるので、センサの目隠しなどで可視光の光透過率が低い部材を利用した場合でも、可視光の照光監視精度を上げることができる。またセンサパネル60によって受光光量が増やせるので、近接監視機能と受光監視機能の双方の機能の監視精度を高めて併用させることができる。
〔第4の実施の形態〕
図24は、第4の実施の形態に係る電子装置の構成例を示している。
図24に示す電子装置150は、本開示の電子装置の一例であり、フロントパネル44の一部にセンサパネル154を設置する開口部152が形成されている。このセンサパネル154は、たとえば近接センサ48の上面側を覆うとともに、近接する機能部品として、たとえばスピーカ46の表面を覆う面積に形成されている。センサパネル154は、たとえば赤外線透過性の材料を含んで形成されており、フロントパネル44の色や、電子装置150の内部に設置された表示手段などの色と同色で形成されている。これにより、電子装置150は、フロントパネル44側から近接センサ48やスピーカ46が露出するのを抑えることができる。
このセンサパネル154は、たとえば図25に示すように、開口部152から露出する部分に対し、複数の微少な貫通孔84が形成されている。この貫通孔84は、たとえば既述のように、近接センサ48の設置位置のみならず、スピーカ46の上面側にも形成されている。この貫通孔84により、スピーカ46の設置位置に対して、空気を通過させることができる。そのほか、センサパネル154には、たとえば利用者に対してスピーカ46の位置を視認させるための目印が形成されてもよい。
斯かる構成によれば、フロントパネル44に対してセンサパネル154の接着面積を増やせ、設置状態の安定化を図ることができる。また、センサパネル154が通常、放音孔として開口されているスピーカ46のカバーとして併用されることで、電子装置150の外部から近接センサ48とともにスピーカ46の設置位置を把握させることがない。また、センサパネル154に貫通孔84を設けることで、IR−LED74から発した光の通過量を増加させることができ、近接監視機能を向上させることができる。
以上説明した実施の形態について、変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、近接監視処理と照度監視処理との切替えについて、通話機能が実行中か否かを判断の基準としたがこれに限られない。電子装置130は、たとえば先に近接監視処理を実行し、近接状態でないことを判断した後に照度監視処理に切替えて実行してもよい。このような処理手順により、電子装置130は、たとえば近接監視をしたことで、表示手段を利用する可能性があるか否かを判断することができる。そして、通話などによって近接状態であれば照度の監視を行う必要がなくなる。
(2) また、照度監視処理への切替え処理として、IR−LED74で赤外光を照射し、これに対し、受光センサ76が取り込んだ光の波長や周波数を近接・照度センサIC110で解析することで、近接監視と照光監視とを切替えてもよい。
(3) 上記実施の形態では、発光手段であるIR−LED74と受光検出手段である受光センサ76の実装高さを同等に設定した場合を示したがこれに限られない。近接センサ48は、たとえば受光光量を増加させるために受光センサ76をIR−LED74よりも高い位置に実装してもよい。また、外部への発光光量の増加、フロントケース42内での光の反射や回り込みを防止するために、IR−LED74を受光センサ76よりも高い位置に実装してもよい。
(4) 上記実施の形態では、センサパネル60、154の貫通孔84は、たとえばセンサパネル60、154の平面に対して略直交方向に形成された場合を示したがこれに限らない。図26のAに示すセンサパネル160は、平面部分に複数の貫通孔162が形成されている。これらの貫通孔162は、たとえば図26Bに示すように、センサパネル160の平面部に対して傾斜方向に開口している。貫通孔162の傾斜方向は、たとえばセンサパネル160を電子装置のフロントパネルに設置したときの、近接監視方向に向けた角度が設定されればよい。この貫通孔162は、たとえば図26Cに示すように、センサパネル160の短辺側について、センサパネル160の側壁に対して厚さ方向に平行に形成されている。そのほか、貫通孔162は、たとえばセンサパネル160の側壁に対して一定の方向に傾斜させてもよい。この貫通孔162の傾斜方向は、たとえばスピーカ46など、通話時に利用者が近接する位置に合わせて設定してもよい。
また、貫通孔162は、たとえばIR−LED74側と受光センサ76側とで傾斜方向を変えてもよい。この傾斜方向は、たとえばセンサパネル160から一定の距離で交差する角度に設定されてもよい。これにより、センサパネル160を通過した光の照射角度に対し、近接した物体で反射した光が効率よく受光センサ76側に入射させるように設定させることができる。また、この傾斜した貫通孔162同士の交差範囲を近接監視範囲として設定すればよい。
そのほか、図27に示すセンサパネル170は、たとえば貫通孔172の開口を傾斜させて形成するとともに、センサパネル170の平面部分に曲面部174を形成してもよい。この曲面部174は、たとえば電子装置の表面形状に応じて形成してもよく、または貫通孔172に対する光の照射または入射角度に応じて形成してもよい。
次に、以上述べた実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。以下の付記に本発明が限定されるものではない。
(付記1)発光手段と、光を取り込み、その受光光量を検出する受光検出手段とを備え、該発光手段から発した光の反射光の受光光量から監視方向に近接する物体の有無を監視する監視手段と、
前記監視手段の前面側に配置され、前記監視方向に向けて開口部が形成されたパネルと、
前記開口部を覆い、光を通過させる複数の光通路が形成された蓋部と、
を備えることを特徴とする、電子装置。
(付記2)前記蓋部は、前記発光手段が発する赤外線を透過する赤外線透過部材を含んで形成されることを特徴とする、付記1に記載の電子装置。
(付記3)前記監視手段は、前記受光検出手段が取り込んだ受光光量が閾値以上か否かを判定し、閾値以上の場合に近接状態であると判断する制御部を備えることを特徴とする、付記1または付記2に記載の電子装置。
(付記4)前記発光手段と前記受光検出手段との間には、前記発光手段から発した光を遮断する仕切壁が立設されることを特徴とする、付記1ないし付記3のいずれかに記載の電子装置。
(付記5)前記仕切壁は、前記蓋部と一体に形成され、または前記蓋部に接触して設置されることを特徴とする、付記4に記載の電子装置。
(付記6)前記発光手段と前記受光検出手段は、前記監視方向に向けて同一高さで設置されることを特徴とする、付記1ないし付記5のいずれかに記載の電子装置。
(付記7)前記蓋部は、前記パネルに形成された前記開口部の周縁部分に嵌合する嵌合部を備えることを特徴とする、付記1ないし付記6のいずれかに記載の電子装置。
(付記8)前記パネルは、前記監視手段の近傍に配置される他の機能部品の前面側を含む大きさで前記開口部が形成され、
前記蓋部は、前記監視手段および前記開口部内に配置された他の機能部品の前面側を覆うことを特徴とする、付記1ないし付記7のいずれかに記載の電子装置。
(付記9)さらに、照光手段を備え、
前記監視手段は、前記受光検出手段で外光を取り込み、
前記制御部は、設定された機能が実行中か否かを判断し、該機能が実行中でない場合、近接する物体の監視から外光による照度監視に切替え、前記受光検出手段が取り込んだ外光の受光光量に基づいて前記照光手段の輝度調整を行うことを特徴とする、付記3ないし付記8のいずれかに記載の電子装置。
(付記10)前記制御部は、前記受光検出手段が取り込んだ光の検出周波数の切替えにより前記照度監視を実行することを特徴とする、付記9に記載の電子装置。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。