JP6190558B1 - 装着具、履物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、従来の草鞋は、足に装着するために多大な手間がかかり、また不慣れな場合には足に絞めた紐がその当接部位を傷付けるおそれもある。これらのことは草鞋の特性を履物として実用化することの障害となっていた。
このことから、発明者は草鞋の持つ特性を例えば靴下などの足にまとう履物に再現することが課題であると認識した
本発明は、このような認識に基づいてなされたもので、実施形態により具体的な内容を説明する。
以下、本発明を好適な第1実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。第1実施形態、変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において第1実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
装着具100は爪先側で足の指を収容するための爪先収容部117を備える。図1、図2に示すように、爪先収容部117は拇指袋112と指袋116とを含む。拇指袋112は、拇指131の少なくとも一部を収容する袋状の部分である。拇指袋112は拇指131を他の指から独立して収容する袋部である。指袋116は人差指132から小指134までの4本の指を収容する袋部である。爪先収容部117は、例えば糸を袋状に編成することによって形成されてもよい。
伸縮部110は、人の足に装着されることで、足形状に沿って伸び、その復元力によって縮む方向の収縮力を足に付与する帯状体である帯状部を複数含む。具体的には、伸縮部110は、人の足に装着したときにそれぞれ所定部位に当接する程度の伸縮性を有する、第1帯状部102と、第2帯状部104と、接続帯状部106と、第3帯状部108と、を含む。装着具100は、伸縮部110が拇指屈筋群に荷重を加えることで、伸筋に弛緩をもたらし、ふくらはぎのむくみや足の疲労を緩和することができる。伸縮部110は胴部120より大きな伸縮性を有する材料から形成される。特に、伸縮部110は胴部120より弾性限界が大きく弾性率が小さいシート状の生地から形成される。伸縮部110は、例えばゴムなど大きな弾性を有する素材が織り込まれた織物から形成されてもよい。伸縮部110は胴部120より厚い生地から形成されてもよい。
図1〜図5に示すように、第1帯状部102は、足裏128側の拇指131の付け根から足の内側部137を越えて足甲129側のくるぶし127の近傍に至る部位に当接するように形成される。第1帯状部102は、足裏128側の拇指131の付け根から内側部137を越えてくるぶし127の近傍に至る部位に収縮力を付与することができる。特に、第1帯状部102の爪先側の端部は人差指132の付け根から拇指131の付け根にかけて形成される。一例として、第1帯状部102の幅は18mmから28mmであり、好ましくは20mm以上で26mm以下の範囲に形成されてもよい。なお、この明細書においてくるぶし127の近傍とは、くるぶし127の範囲およびくるぶし127の裾から周囲30mm以内の範囲をいう。
第2帯状部104は、足甲129側の拇指131の付け根から内側部137を越えて足裏128側を通り外側部138を越えてくるぶし127の近傍に至る部位に当接するように形成される。特に、第2帯状部104の爪先側の端部は人差指132の付け根から拇指131の付け根にかけて形成される。第2帯状部104を含むことで、足甲129側の拇指131の付け根から内側部137を越えて足裏128側を通り外側部138を越えてくるぶし127の近傍に至る部位に収縮力を付与することができる。一例として、第2帯状部104の幅は11mmから19mmであり、好ましくは13mm以上で17mm以下の範囲に形成されてもよい。第2帯状部104の幅は第1帯状部102の幅より小さく形成されてもよい。
主に図3〜図5を参照して接続帯状部106を説明する。第1実施形態において、接続帯状部106は、第1帯状部102の延長線上の近傍から足の後側を越えて第2帯状部104の延長線上の近傍に至る部位に当接するように形成される。特に、接続帯状部106は第1帯状部102と第2帯状部104とに直接的または間接的に繋げられる。接続帯状部106を含むことで、足の後側の部位を含めて接続帯状部106が当接する部位に収縮力を付与することができる。また、第1帯状部102および第2帯状部104と一体に繋がることで、これらの帯状部が当接する部位に連続して収縮力を付与することができる。接続帯状部106は、例えばくるぶし127の近傍の領域で踵135の上側を外側部138から内側部137にわたる部位に当接する。一例として、接続帯状部106の幅は11mmから19mmであり、好ましくは13mm以上で17mm以下の範囲に形成されてもよい。接続帯状部106の幅は第1帯状部102の幅より小さく形成されてもよい。
収縮力が足の内側部137側に過度に偏ると装着者に違和感を与える懸念がある。そこで、第1実施形態では、伸縮部110は足の外側部138側に寄った領域に当接する第3帯状部108を含む。図1、図4に示すように、第3帯状部108は、足甲129側の拇指131の付け根から外側部138を越えてくるぶし127の近傍に至る部位に当接して、第2帯状部104及び接続帯状部106に繋げられるように形成される。第1実施形態では、特に、第3帯状部108の爪先側の端部は人差指132の付け根から拇指131の付け根にかけて形成される。一例として、第3帯状部108の幅は18mmから28mmであり、好ましくは20mm以上で26mm以下の範囲に形成されてもよい。第3帯状部108の幅は第1帯状部102の幅と略等しく形成されてもよい。
(1)例えば編成によって、伸縮部110の第1帯状部102と、第2帯状部104と、接続帯状部106と、第3帯状部108とを一体に形成する(S141)。
(2)例えば編成によって、別に形成された伸縮部110と一体に胴部120を形成する(S142)。この際、足首部122は胴部120と一体に形成してもよい。
(3)例えば編成によって、拇指袋112と指袋116とを含む爪先収容部117を形成する(S143)。
(4)例えば編成によって、踵収容部114を形成する(S144)。
(5)例えば縫合によって、胴部120の前側の開口120bに爪先収容部117を結合する(S145)。
(6)例えば縫合によって、胴部120の踵孔120cに踵収容部114を結合する(S146)。
さらに検査や梱包などの工程を経て装着具100が製造される。なお、製造工程140は、必要に応じて工程の順序を入れ替えてもよく、一部の工程を削除し、複数の工程を併合し、複数の工程に分割しあるいは別工程を追加してもよい。
(1)拇指袋112を拇指131に被せ、伸縮部110の前側の端部110bを拇指131および人差指132側にセットする。
(2)踵収容部114を踵135に被せ、伸縮部110の後側の端部110cをくるぶし127側にセットする。
(3)第1帯状部102を、足裏128側の拇指131の付け根から足の内側部137を越えて足甲129側のくるぶし127の近傍に至る部位に当接するように位置合わせする。
(4)第2帯状部104を、足甲129側の拇指131の付け根から内側部137を越えて足裏128側を通り外側部138を越えてくるぶし127の近傍に至る部位に当接するように位置合わせする。
(5)接続帯状部106を、第1帯状部102の延長線上の近傍から足の後側を越えて第2帯状部104の延長線上の近傍に至る部位に当接するように位置合わせする。
(6)第3帯状部108を、足甲129側の拇指131の付け根から外側部138を越えてくるぶし127の近傍に至る部位に当接するように位置合わせする。
第1実施形態の装着具100を、このように使用することで、拇指屈筋群を圧縮して伸筋群の弛緩をもたらし、ふくらはぎのむくみや足の疲労を緩和することができる。
第1実施形態の装着具100は、人の足に装着したときにそれぞれ所定部位に当接する程度の伸縮性を有する、第1帯状部102と、第2帯状部104と、接続帯状部106と、を備え、第1帯状部102は、足裏128側の拇指131の付け根から足の内側部137を越えてくるぶし127の近傍に至る部位に当接するように形成され、第2帯状部104は、足甲129側の拇指131の付け根から足の内側部137を越えて足裏128側を通り足の外側部138を越えてくるぶし127の近傍に至る部位に当接するように形成され、接続帯状部106は、第1帯状部102の延長線上の近傍から足の後側を越えて第2帯状部104の延長線上の近傍に至る部位に当接するように形成される。この構成によれば、容易に装着できる装着具に、歩行に適した草鞋に類似する特性を再現することができる。特に拇指131の付け根からくるぶし127の近傍及び足の後側にかけて収縮力を付与できる。この結果、拇指屈筋群を圧縮することで伸筋群の弛緩をもたらし、ふくらはぎのむくみや足の疲労を緩和することができる。
図7〜図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る装着具200について説明する。図7は装着具200を装着した状態を右面から視た説明図である。図7は主に装着具200の内側面を示している。図8は装着具200を装着した状態を左面から視た説明図である。図8は主に装着具200の外側面を示している。図9は装着具200を背面から視た説明図である。図7〜図9は装着具200を左足である脚139に装着した状態を示している。
図10〜図12を参照して、本発明の第3実施形態に係る装着具300について説明する。図10は装着具300を装着した状態を右面から視た説明図である。図10は主に装着具300の内側面を示している。図11は装着具300を装着した状態を左面から視た説明図である。図11は主に装着具300の外側面を示している。図12は装着具300を背面から視た説明図である。図10〜図12は装着具300を左の脚139に装着した状態を示している。
図13〜図16を参照して、本発明の第4実施形態に係る装着具400について説明する。図13は装着具400を装着した状態を右面から視た説明図である。図13は主に装着具400の内側面を示している。図14は装着具400を装着した状態を左面から視た説明図である。図14は主に装着具400の外側面を示している。図15は装着具400を背面から視た説明図である。図13〜図15は装着具400を左の脚139に装着した状態を示している。図16は装着具400の非装着状態を示す説明図である。
脛帯状部148はレッグ部147のふくらはぎ154側に設けられている。脛帯状部148は、脛150に装着されることで、脛150のふくらはぎ154側に沿って伸び、その復元力によって縮む方向の収縮力を脛150に付与する。具体的には、脛帯状部148は、脛150に装着したときに脛150に当接する程度の伸縮性を有する。装着具400は、脛帯状部148が脛150のふくらはぎ154の屈筋(腓腹筋、ヒラメ筋)に荷重を加えることができる。
図17〜図21を参照して、本発明の第5実施形態に係る装着具500について説明する。図17は、第5実施形態に係る装着具500を装着した状態を上面から視た説明図である。図18は、装着具500を装着した状態を下面から視た説明図である。図19は装着具500を装着した状態を右面から視た説明図である。図19は主に装着具500の内側面を示している。図20は装着具500を装着した状態を左面から視た説明図である。図20は主に装着具500の外側面を示している。図21は装着具500を背面から視た説明図である。図17〜図21は装着具500を左足に装着した状態を示している。
装着具500は爪先側で足の指を収容するための爪先収容部118を備える。装着具100の爪先収容部117が、拇指131を収容する拇指袋112と、人差指132から小指134までの4本の指を収容する指袋116とを有するのに対して、装着具500の爪先収容部118は指袋118bを有する。図17、図18に示すように、指袋118bは拇指131から小指134までの5本の指を収容する袋状の部分である。爪先収容部118は、例えば糸を袋状に編成することによって形成されてもよい。
各実施形態の説明では、装着具100が靴下と一体に形成される例について説明したが、これに限られない。装着具100はタイツ、ストッキング、足袋、サポーターまたはインソールなどの足に纏う着用物と一体に形成されてもよい。あるいは、装着具100はこれらの着用物とは別に独立して形成されてもよい。
各実施形態の説明では、指袋116が爪先の人差指132から小指134までの4本の指を収容する例について説明したがこれに限られない。例えば、指袋は個々の指ごとに独立して設けられてもよい。
Claims (10)
- 人の足に装着したときにそれぞれ所定部位に当接する程度の伸縮性を有する、第1帯状部と、第2帯状部と、接続帯状部と、を備え、
前記第1帯状部は、足裏側の拇指の付け根から足の内側部を越えてくるぶしの近傍に至る部位に当接するように形成され、
前記第2帯状部は、足甲側の拇指の付け根から足の内側部を越えて足裏側を通り足の外側部を越えてくるぶしの近傍に至る部位に当接するように形成され、
前記接続帯状部は、前記第1帯状部の延長線上の近傍から足の後側を越えて前記第2帯状部の延長線上の近傍に至る部位に当接するように形成されることを特徴とする装着具。 - 前記第1帯状部は前記第2帯状部と交差することを特徴とする請求項1に記載の装着具。
- 人の足に装着したときに所定部位に当接する程度の伸縮性を有し、足甲側の拇指の付け根から足の外側部を越えてくるぶしの近傍に至る部位に当接するように形成される第3帯状部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の装着具。
- 前記第1帯状部と、前記第2帯状部と、前記接続帯状部と、前記第3帯状部と、は一体に形成されることを特徴とする請求項3に記載の装着具。
- 前記第1帯状部は拇指球の少なくとも一部に当接する部分を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装着具。
- 拇指と人差指の間の指股に対応する切込部を有する爪先収容部を備え、
前記第1帯状部の拇指側の端部は前記切込部の切込み縁に沿って延長した延長線を跨ぐように配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装着具。 - 脚の脛に装着したときに当該脛に当接する程度の伸縮性を有する脛帯状部をさらに備え、
前記脛帯状部は、前記脛のふくらはぎ側に当接するように形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の装着具。 - 前記脛帯状部は、前記接続帯状部に接続されることを特徴とする請求項7に記載の装着具。
- 人の足に装着したときにそれぞれ所定部位に当接する程度の伸縮性を有する、第1帯状部と、第2帯状部と、第3帯状部と、を備え、
前記第1帯状部は、足裏側の拇指の付け根から足の内側部を越えてくるぶしの近傍に至る部位に当接するように形成され、
前記第2帯状部は、足甲側の拇指の付け根から足の内側部を越えて足裏側を通り足の外側部を越えてくるぶしの近傍に至る部位に当接するように形成され、
前記第3帯状部は、足甲側の拇指の付け根から足の外側部を越えてくるぶしの近傍に至る部位に当接するように形成されることを特徴とする装着具。 - 請求項1から9のいずれかに記載の装着具が一体に編成される履物。
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