JP6186715B2 - Daylighting sheet, daylighting device, and building - Google Patents
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Description
本発明は、建物等の内部に日光等の外光を採り入れるための採光シート、採光装置、及び該採光装置を備えた建物に関する。 The present invention relates to a daylighting sheet, a daylighting device, and a building including the daylighting device for taking outside light such as sunlight into a building or the like.
いわゆる窓ガラスにより、建物の内部に日光等の外光を採り入れて明るく快適な室内空間を形成することはよく知られている。しかし一方で、当該窓ガラスに入射した外光をそのまま室内に採り入れると、まぶしさを感じる等の不具合を生じることもある。これに対して、直射日光を制御してより快適な態様で室内側に採り入れる技術がいくつか提案されている。 It is well known to use a so-called window glass to form a bright and comfortable indoor space by taking in outside light such as sunlight inside a building. However, on the other hand, if the outside light incident on the window glass is taken into the room as it is, there may be a problem such as feeling glare. On the other hand, several techniques for controlling the direct sunlight and adopting the indoor side in a more comfortable manner have been proposed.
特許文献1には、太陽光を建物内に取り入れる部位に配置される太陽光取り入れ制御用の光制御シートが開示されている。これは太陽光を透過する光透過性部と、太陽光を吸収する遮光部群とからなり、遮光部群はシート内の一方向に所定ピッチで、遮光部を複数配列させているものである。
また特許文献2には、太陽光を採り入れるよう建物の開口部に設けられる板状の採光用光学素子が開示されている。これは、同一平面上に詰めて設けられた多数のプリズム部から成り、各プリズム部の斜面は、太陽の仰角が臨界仰角より小さい場合には太陽光を透過させ臨界仰角以上の場合には全反射させる角度となっており、太陽の仰角が臨界仰角以上の場合の全体の採光量は、臨界仰角より小さい場合の全体の採光量に比べて少なくなる形態を備えている。
しかしながら、特許文献1に開示されているような構成の光制御シートでは、外光(太陽光)の一部を遮光部群が吸収してしまう。すなわち、該光制御シートを建物等の窓に適用した場合、外光の一部を遮光部群が吸収してしまうことによって、効率良く外光を室内に採り入れることが難しかった。
また、特許文献2に開示されている技術では、外側から入射する光について制御できるが、室内側から外を見たときに像が屈折するため、外の景色を見るための鮮明さに不足があった。さらに、特許文献2に開示されている採光用光学素子は、プリズム状の凹凸が室内側に露出しているため、設置場所によっては損傷を受けやすく、耐久性に問題があった。
また、これまでの技術では、主に斜め上方から斜め下方に向かって室内に入射する光の制御について考えられており、斜め下方から斜め上方に向かって室内に入射する光の制御について詳細に検討されていなかった。例えば、ライトシェルフなどを用いた場合は、斜め下方から斜め上方に向かって室内に光が入射することがある。
However, in the light control sheet having a configuration as disclosed in
In addition, the technique disclosed in
In addition, the technology so far has mainly considered the control of light incident into the room from diagonally upward to diagonally downward, and examined in detail the control of light incident into the room from diagonally downward to diagonally upward. Was not. For example, when a light shelf or the like is used, light may enter the room from obliquely downward to obliquely upward.
そこで本発明は上記した問題点に鑑み、太陽光の直射(直達光)を抑制するとともに斜め下方から斜め上方に向かって入射する光を制御して効率良く採光でき、室内側から室外側を見ることも可能な採光シートを提供することを課題とする。また、これを用いた採光装置及び建物を提供する。 Therefore, in view of the above-described problems, the present invention suppresses direct sunlight (direct light) and can control light incident from obliquely downward to obliquely upward so that the light can be efficiently collected. It is an object of the present invention to provide a daylighting sheet that can also be used. Moreover, the lighting apparatus and building using this are provided.
以下、本発明について説明する。 The present invention will be described below.
請求項1に記載の発明は、シート面が鉛直となるように建物開口部に配置されるシート状である採光シートであって、透光性を有するシート状の基材層と、基材層の一方の面に形成され、光を散乱する光散乱層と、を備え、光散乱層は、基材層の一方の面に沿って複数並べて配置され、光を透過する光透過部と、隣り合う光透過部間に配置され、光を散乱する光散乱部と、を有し、採光シートが建物開口部に配置された姿勢での光散乱層の厚さ方向の鉛直断面において、光散乱部は上方および下方に光透過部との界面を有し、下方の界面は、室内側端部が室外側端部より高い位置にあり、上方の界面の室内側端部と室外側端部とを結ぶ線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角をθ U とし、下方の界面のうち室内側端部と室外側端部とを結ぶ線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角をθ D とすると、θ D >θ U が成立するとともに、θ D は0°以上30°以下である、採光シートである。
The invention according to
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の採光シートにおいて、採光シートが建物開口部に配置された姿勢での光散乱層の厚さ方向の鉛直断面において、光散乱部は上下方向に並列されており、隣接する2つの光散乱部のうち下方に配置された光散乱部の上方の界面の室内側端部と、隣接して上方に配置される光散乱部の下方の界面の室外側端部とを結ぶ見込み線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角を見込み角θ1、隣接する2つの光散乱部のうち上方に配置される光散乱部の下方の界面の室内側端部と、隣接して下方に配置される光散乱部の上方の界面の室外側端部とを結ぶ見込み線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角を見込み角θ2、としたとき、θ2>θ1が成立する。
According to a second aspect of the present invention, in the daylighting sheet according to the first aspect, in the vertical section in the thickness direction of the light scattering layer in a posture in which the daylighting sheet is disposed in the opening of the building, the light scattering portion is in the vertical direction. Of the two adjacent light scattering parts, the indoor side end of the upper interface of the light scattering part disposed below, and the lower interface of the light scattering part adjacently disposed above Of the angle formed by the prospective line connecting the outdoor end with the horizontal plane, the angle smaller than 90 ° is the prospective angle θ 1 , and the lower interface of the light scattering part disposed above the adjacent two light scattering parts The angle that is smaller than 90 ° out of the angle formed by the prospective line connecting the indoor-side end portion and the outdoor-side end portion of the upper interface of the light scattering portion adjacently disposed below and the horizontal plane is the prospective angle θ. 2 , θ 2 > θ 1 is established.
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の採光シートにおいて、採光シートが建物開口部に配置された姿勢での光散乱層の厚さ方向の鉛直断面において、光散乱部は上下方向に並列されており、隣接する2つの光散乱部のうち下方に配置された光散乱部の上方の界面の室内側端部と、隣接して上方に配置される光散乱部の下方の界面の室外側端部とを結ぶ見込み線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角を見込み角θ1、一年のうちで太陽の南中高度が最も高いときの仰角をθSH、光透過部を構成する材料の屈折率をNP、空気中の屈折率をN0としたとき、下記(1)式が成立する。
The invention according to claim 3 is the daylighting sheet according to
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の採光シートにおいて、一年のうちで太陽の南中高度が最も低い時の仰角をθSLとしたとき、下記(2)式が成立する。
In the invention according to claim 4 , in the daylighting sheet according to claim 3 , when the elevation angle when the sun's south-intermediate altitude is the lowest in one year is θ SL , the following equation (2) is established.
請求項5に記載の発明は、建物の開口部に備えられる採光装置であって、透光性を有する板状のパネルと、パネルの一方の面に貼付される請求項1乃至4のいずれか記載の採光シートと、少なくともパネルの周囲を囲むように配置される枠と、を備える採光装置である。
Invention of
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の採光装置において、さらに、採光シート及びパネルより室外側にライトシェルフを備える。
According to a sixth aspect of the present invention, in the daylighting device of the fifth aspect , a light shelf is further provided on the outdoor side of the daylighting sheet and the panel.
請求項7に記載の発明は、開口部に請求項5または6に記載の採光装置が設置された建物である。
The invention of claim 7 is a building lighting device according to
本発明によれば、太陽光の直射(直達光)を抑制するとともに斜め下方から斜め上方に向かって入射する光を制御して効率良く採光でき、室内側から室外側を見ることも可能となる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, while suppressing the direct sunlight (direct light) and controlling the light which injects from diagonally downward toward diagonally upward, it can light efficiently and it also becomes possible to look at the outdoor side from the indoor side. .
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明は当該実施形態に限定されるものではない。なお、以下に示す各図では、分かりやすさのため寸法や形状を誇張して記載することがある。また、各図では見易さのため、繰り返しとなる符号は一部を省略することがある。 The above-described operation and gain of the present invention will be clarified from embodiments for carrying out the invention described below. Hereinafter, the present invention will be described based on embodiments shown in the drawings. However, the present invention is not limited to the embodiment. In the following drawings, dimensions and shapes may be exaggerated for easy understanding. In addition, for ease of viewing in each figure, a part of the reference numerals that are repeated may be omitted.
図1は第一実施形態を説明する図であり、採光シート20(図3参照)が備えられた建物1の外観斜視図である。建物1はいわゆるオフィスビルである。建物1の南側などに面する外壁には室内外を連通する複数の開口部が設けられる。採光シート20を具備する採光装置10は当該開口部に配置されている。
図2には1つの採光装置10を室外側から正面視した図を表した。図2に示したように、採光装置10は枠11と該枠11の枠組み内に配置された採光パネル12と採光パネル12の室外側(外光が入射する側)に略水平に設置されたライトシェルフ30とを備えている。採光装置10はいわゆる窓として構成されており、当該採光装置10が上記のように建物1の開口部に配置される。
FIG. 1 is a diagram illustrating the first embodiment, and is an external perspective view of a
FIG. 2 is a front view of one
図3には図2にIII−IIIで示した線に沿った採光装置10の鉛直方向断面のうち、採光パネル12の層構成を模式的に表した。図3では採光パネル12のパネル面が鉛直になるように建物1に取り付けられた姿勢で表されており、図3の紙面左が室外側、紙面右が室内側、紙面上方が天側、紙面下方が地側となる。
FIG. 3 schematically illustrates the layer configuration of the
採光パネル12は、図3からわかるように、パネル13、及び該パネル13に貼合された採光シート20を備えている。また、採光シート20は、室内側からハードコート層21、基材層22、光散乱層23、及び接着層26を備えている。以下、これらの各層について説明する。
As can be seen from FIG. 3, the
パネル13は、ガラスパネルや樹脂パネル等、通常の建物や乗り物の窓等に用いられる透光性を有する板状の透光パネルである。従って、パネル13を構成する部材としては公知の板ガラスや樹脂板を用いることができる。上記した枠11は少なくとも当該パネル13の周囲に配置されることにより、採光パネル12が枠11の枠組み内に取り付けられる。
The
ハードコート層21は、表面保護を目的として、採光シート20のうちパネル13とは反対側の最表面に設けられる層である。ハードコート層21は透明な樹脂層として形成することができる。擦り傷、表面汚染に対する耐性の観点から、ハードコート層21は硬化性樹脂が硬化してなる樹脂硬化層として形成することが好ましい。
The
ハードコート層21を構成する樹脂としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂や、その他公知の硬化性樹脂等を要求性能に応じて適宜採用すればよい。当該電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等が挙げられる。また、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂としては、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
As the resin constituting the
また、ハードコート層21には、耐汚染性向上の機能を追加してもよい。これは例えばシリコーン系化合物、フッ素系化合物などを添加することにより可能となる。さらにその他の機能として帯電防止性向上、撥水性向上の機能を有するものとしてもよい。
Further, the
帯電防止性向上のために用いることができる材料としては、電子伝導タイプではPEDOT−PSS(PEDOT(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene);3,4−エチレンジオキシチオフェンポリマー)とPSS(poly(styrenesulfonate);スチレンスルホン酸ポリマー)とを共存)などが挙げられ、イオン導電タイプではリチウム塩系材料等が挙げられる。 As a material that can be used for improving the antistatic property, PEDOT-PSS (PEDOT (Poly (3,4-ethylenedioxythiophene); 3,4-ethylenedioxythiophene polymer) and PSS (polynesulfonate) are used in the electron conduction type. ); A styrene sulfonic acid polymer)), and the ionic conductive type includes lithium salt materials.
また、撥水性向上のために用いることができる材料としては、フッ素系化合物等が挙げられる。 Examples of materials that can be used to improve water repellency include fluorine compounds.
基材層22は、光散乱層23を形成するための基材となる層である。従って基材層22は、透光性を有するとともに光散乱層23の変形を防止できるように支持する。かかる観点から、基材層22を構成する材料の具体例としては、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等のうちの1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)等を挙げることができる。
The
基材層22の厚さは特に限定されないが、25μm以上300μm以下であることが好ましい。基材層22の厚さを上記範囲とすることによって、加工しやすくなる。例えば、基材層22をある程度厚くすることによって皺の発生を防止しやすくなる。また、基材層22をある程度薄くすることによって、採光シート20を製造する工程のうち中間工程において、基材層22を含むシートの巻き取りが容易になる。
Although the thickness of the
光散乱層23は光透過部24及び光散乱部25を有している。光透過部24は、図3に示した断面を有して基材層22の面に沿った一方向(建物1に配置された姿勢で水平方向)に延びるように配置されるとともに、基材層22の面に沿った該一方向とは異なる方向(建物1に配置された姿勢で鉛直方向)に複数の光透過部24が所定の間隔で配列されている。本実施形態では隣り合う光透過部24は基材層22側の端部で連結され、一体化されている。
一方、光散乱部25は隣り合う光透過部24の間に配置されている。
The
On the other hand, the
図4には光散乱層23の一部を拡大した図を示した。
光透過部24は、光を透過する部位であり、光散乱層23のうち光透過部24が配置された部位における基材層22側の面とその反対側面(接着層26側の面)とは平行且つ平滑に形成されている。これによって、後に説明するように採光シート20を通して室外側の景色がさらに見やすくなる。好ましくは、光透過部24は光を散乱させることなく透過する。これにより背面側の景色の見易さが向上する。ここに「光を散乱させることなく透過する」とは、意図的に散乱させる材料等を添加することなく形成された部位であることを意味し、材料中を光が透過するときに不可避的に散乱が生じることは許容される。
FIG. 4 shows an enlarged view of a part of the
The
本実施形態では光透過部24は図3、図4に表れる断面で2つの光散乱部25間において略台形の断面を有しており、室外側が短い上底、室内側が長い下底であり、光散乱部25との界面を構成する辺が脚部となっている。
In the present embodiment, the
光透過部24を構成する材料としては、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
ここで光透過部24を構成する材料の屈折率は、基材層22の屈折率と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし両者間で屈折率差があるとその界面で光が偏向されてしまう可能性が高まるので、同じ材料であること、又は異なる材料であっても屈折率差が小さい、あるいは屈折率差がないことが好ましい。
Examples of the material constituting the
Here, the refractive index of the material constituting the
光散乱部25は、隣り合う2つの光透過部24間に形成される部位である。すなわち、上記したように光透過部24はシート面に沿った方向に所定の間隔で並列され、光透過部24間には、略台形断面を有する凹部が形成されている。本実施形態における凹部は、室外側(パネル13側)に長い下底、室内側(基材層22側)に短い上底を有する断面の溝であり、ここに光散乱部25を構成する材料が充填されることにより光散乱部25が形成されている。従って光散乱部25は凹部に基づいた断面を具備している。
The
光散乱部25は、ここに照射された光を散乱反射することができるように構成された層である。そのため、光散乱部25には光を散乱反射するための材料が充填されている。光を散乱させるための材料は特に限定されることはないが、例としては、透明なバインダー樹脂に白色顔料や銀色顔料等の光散乱剤を混ぜた材料が挙げられる。白色顔料は、例えば、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物が挙げられる。銀色顔料としては、例えば、アルミニウム、クロムなどの金属が挙げられる。これにより効率よく光を散乱反射させることができる。また、バインダー樹脂は光透過部24を構成する材料と同様のものを用いることもできる。
The
また、光散乱部25は、透明なバインダー樹脂と該バインダー樹脂とは屈折率が異なる透明な散乱剤とを混合させた材料で構成してもよい。透明なバインダー樹脂としては光透過部24と同様なものを用いることができる。一方、当該透明な散乱剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレンを中心としたモノマーを重合して得られた架橋粒子が挙げられる。当該架橋粒子の具体例としては、アイカ工業株式会社製のガンツパール(登録商標)が挙げられる。上記架橋粒子は、アクリル酸エステル及びスチレンとの混合比を変えることによって、屈折率を制御することができる。例えば、アクリル比を高くすることで屈折率を1.49程度にすることができ、スチレン比を高くすることで屈折率を1.59程度にすることができる。また、散乱剤にはウレタン架橋粒子を用いることも可能である。当該ウレタン架橋粒子の具体例としては、根上工業株式会社製のアートパール(登録商標)が挙げられる。また、散乱剤は中空粒子にすることも可能である。
Further, the
光散乱部25に用いる上記バインダー樹脂の屈折率は特に限定されることはないが、汎用性から1.56から1.49の範囲が好ましい。また、光散乱部25に用いるバインダー樹脂の屈折率は光透過部24を構成する材料の屈折率よりも低いことが好ましい。これにより、後述するように光透過部24と光散乱部25との界面において、該界面に全反射臨界角より大きい角度で入射した光を全反射して偏向することが可能となる。偏向された光は、その向きが変わり、例えば天井に照射されるなどしてまぶしさを与える直達光でなくすことができる。ただし、これに限らず光散乱部25と光透過部24との屈折率を同じ、又は近い大きさとしてもよい。
The refractive index of the binder resin used for the
さらに、本実施形態では光散乱部25は次のような形状を有している。図4を参照しつつ説明する。
Furthermore, in this embodiment, the
2つの光散乱部25の間には上記のように光透過部24が配置される。従って、図4にIVa、IVbで示したように光透過部24の対角線に相当する線を定義することができる。より詳しくは、採光シート20が建物開口部に配置された姿勢での光散乱層23の厚さ方向の鉛直断面において、光散乱部25は上下方向に並列されており、隣り合う2つの光散乱部25のうち下方に配置された光散乱部25の上方の光透過部24との界面の室内側端部と、隣り合って上方に配置される光散乱部25の下方の光透過部24との界面の室外側端部と、を結ぶ線を見込み線IVaとする。そして、この見込み線IVaが水平面となす角のうち90°より小さい方の角を見込み角θ1とする。また、隣り合う2つの光散乱部25のうち上方に配置される光散乱部25の下方の光透過部24との界面の室内側端部と、隣接して下方に配置される光散乱部25の上方の光透過部24との界面の室外側端部と、を結ぶ線を見込み線IVbとする。そして、この見込み線IVbが水平面となす角のうち90°より小さい方の角を見込み角θ2とする。本実施形態では当該θ1、θ2が所定の値をとることが好ましく、θ2>θ1が成立することが好ましい。θ2、θ1の具体的な説明は太陽光の光路に関係するので、後で光路例とともに説明する。
Between the two
また、図4からわかるように、採光シート20が建物開口部に配置された姿勢での光散乱層23の厚さ方向の鉛直断面において、一つの光散乱部25と該光散乱部25を挟む光透過部24との界面のうち下側の界面は、室内側端部が室外側端部より高い位置にある。すなわち、採光シート20が建物開口部に配置された姿勢での光散乱層23の厚さ方向の鉛直断面において、光散乱部25は上方および下方に光透過部24との界面を有し、下方の界面は、室内側端部が室外側端部より高い位置にある。これにより、後述するように、ライトシェルフ30の上面で反射されて斜め下方から斜め上方に向かって採光シート20に入射した光をできるだけ光散乱部25に到達させないようにして透過させることができる。
Further, as can be seen from FIG. 4, in the vertical cross section in the thickness direction of the
また、図4からわかるように、一つの光散乱部25と該光散乱部25を挟む光透過部24との界面のうち上方の界面の室内側端部と室外側端部とを結ぶ線は水平面(採光シート20のシート面の法線)に対してθU(水平面とのなす角のうち90°より小さい方の角)を有して傾斜し、一つの光散乱部25と該光散乱部25を挟む光透過部24との界面のうち下側の界面の室内側端部と室外側端部とを結ぶ線は水平面(採光シート20のシート面の法線)に対してθD(水平面とのなす角のうち90°より小さい方の角)を有して傾斜している。
Further, as can be seen from FIG. 4, the line connecting the indoor side end and the outdoor side end of the upper interface among the interfaces of one
θUは後述するように、斜め上方から斜め下方に向かって採光シート20に入射した外光を光散乱部25と光透過部24との界面で全反射させてできるだけ上方に偏向させる観点から決められることが好ましい。すなわち、θUはある程度小さいことが好ましく、θUを0°とすることもできる。一方、θDは、ライトシェルフ30の上面で反射されて斜め下方から斜め上方に向かって採光シート20に入射した光をできるだけ光散乱部25に到達させないように透過させる観点から決められることが好ましい。すなわち、θDはある程度大きいことが好ましい。よって、ライトシェルフ30の上面で反射されて斜め下方から斜め上方に向かって採光シート20に入射した光をできるだけ光散乱部25に到達させないように透過させつつ、斜め上方から斜め下方に向かって採光シート20に入射した光を光散乱部25と光透過部24との界面で全反射させてできるだけ上方に偏向させる観点からは、θD>θUが成立することが好ましい。ただし、θDおよびθUは光散乱層23の製造し易さの観点からそれぞれ0°以上30°以下とすることが好ましい。
As will be described later, θ U is determined from the viewpoint of totally reflecting external light incident on the
光散乱部25が並列されるピッチは、上記θ1、θ2が所定の値を満たす範囲であることが好ましいが、例えば20μm以上200μm以下であることが好ましい。光散乱部25のピッチを上記範囲の下限以上とすることによって、光散乱部25が微細になりすぎず、光散乱層23を形成しやすくなる。一方、光散乱部25のピッチを上記範囲の上限以下とすることによって、後述するようにして金型で光透過部24を成形する際に光透過部24の離型性が低下することを抑制できる。
The pitch at which the
また、光散乱部25の断面のうち、室外側(基材層22と反対側で光透過部間の凹部の開口側)の大きさは特に限定されないが、5μm以上150μm以下であることが好ましい。この幅を上記範囲の下限以上とすることによって、光散乱部25が微細になりすぎず、光散乱層23を形成しやすくなる。一方、この幅を上記範囲の上限以下とすることによって、後述するようにして金型で光透過部24を成形する際に光透過部24の離型性が低下することを抑制できる。
In addition, the size of the outdoor side (the opening side of the concave portion between the light transmitting portions on the side opposite to the base material layer 22) in the cross section of the
光散乱部25の厚さ方向の大きさ(図4の紙面左右方向)は、上記θ1、θ2が所定の値を満たす範囲であることが好ましいが、例えば20μm以上200μm以下であることが好ましい。光散乱部25の厚さ方向の大きさを上記範囲の下限以上とすることによって、光散乱部25が微細になりすぎず、光散乱層23を形成しやすくなる。一方、光散乱部25の厚さ方向の大きさを上記範囲の上限以下とすることによって、後述するようにして光透過部24を成形する際に用いる金型の製造、及び該金型で光透過部24を成形する際に光透過部24の離型することが容易になり、光散乱層23の生産性を高めやすくなる。
The size in the thickness direction of the light scattering portion 25 (the left-right direction in FIG. 4) is preferably in a range where the above θ 1 and θ 2 satisfy a predetermined value, for example, 20 μm or more and 200 μm or less. preferable. By setting the size of the
本実施形態では光散乱部25の断面が台形の例を説明したが、必ずしもこれに限らず、台形の脚部に相当する辺が曲線状や折れ線状であってもよい。図5に各例の光散乱部の断面形状を表した。
図5(a)は台形の脚部が凸状の曲線の光散乱部25aの例、図5(b)は台形の脚部が凹状の曲線の光散乱部25bの例、及び図5(c)は台形の脚部が折れ線状の光散乱部25cの例である。
図5(d)には、光散乱部の台形断面うち下底側(光透過部間に形成される溝の開口側)が凹状に形成されている例の光散乱部25dを表した。この場合、当該凹状の内側には隣接する接着層26の接着剤が充填される。
図5(e)には、光散乱部の断面形状が三角形である例の光散乱部25eを表した。このように光散乱部は三角形断面を有するものであってもよい。
In the present embodiment, an example in which the
5A shows an example of a
FIG. 5D shows a
FIG. 5E shows an example of the
また、光散乱部25と光透過部24との界面で光を散乱反射させ易くするという観点からは、光散乱部25と光透過部24との界面を微小な凹凸が無数に形成された面であるマット面としてもよい。
Further, from the viewpoint of facilitating the scattering and reflection of light at the interface between the
図3に戻って他の構成についても説明を続ける。 Returning to FIG. 3, the description of other configurations will be continued.
接着層26は、パネル13に採光シート20を接着するための層である。接着層26を構成する材料としては、パネル13に採光シート20を接着できるものであれば特に限定されない。すなわち、接着層26を構成する材料としては、公知の粘着剤、接着剤、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を挙げることができる。接着層26を構成する材料のより具体的な例としては、アクリル系の粘着剤を挙げることができ、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物とを組み合わせた粘着剤を挙げることができる。ただし、接着層26を構成する材料は、採光シート20の性質上、透光性、耐候性に優れた材料であることが好ましい。
The
接着層26の厚さは特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。接着層26の厚さを10μm以上とすることによって、パネル13と採光シート20との密着性を向上させやすくなる。また、接着層26の厚さを100μm以下とすることによって、接着層26の厚さを均一にしやすくなる。
The thickness of the
次に、ライトシェルフ30について説明する。ライトシェルフ30としては、従来公知のライトシェルフを特に限定することなく用いることができる。ライトシェルフとは、窓の室外側に設けられた庇であり、該庇より下部の窓への太陽光の直射を抑制しつつ、該庇の上面で反射した光を該庇より上部にある窓から室内に取り入れ、該光を室内の天井部などに反射させて柔らかな拡散光を室内に導入するための部材である。ライトシェルフ30は、例えばアルミニウムやステンレス鋼などの金属光沢面を有する板材を用いて構成することができる。
Next, the
以上説明した採光シート20を具備する採光パネル12とライトシェルフ30とにより採光装置10を構成し、これを図1に示したように建物1の開口部に配置する。次に、このように採光装置10が配置された場面における作用、及び上記説明した見込み角θ1、θ2の好ましい条件について、主要な光路に基づいて説明する。説明に必要な光路例を以下に示す図面に適宜表した。なお各図面に表した光路例は概念的なものであり、屈折、反射の程度等を厳密に表したものではない。
The
図6に1つの光路例である太陽からの光LS1を示した。図6からわかるようにLS1はライトシェルフ30の上面で反射されて斜め上方に向かって所定の角(水平面に対してなす角)θS1で採光パネル12に入射する。採光パネル12に入射した光LS1は採光パネル12を透過するうちに光散乱層23の光透過部24内を進む。光透過部24の屈折率をNP、室外の屈折率をN0とすれば、光LS1は光透過部24内を下記式(3)で表される太陽光進行角θP1で進む。
FIG. 6 shows light L S1 from the sun as an example of one optical path. As can be seen from FIG. 6, L S1 is reflected by the upper surface of the
一方、上述したように、採光シート20が建物開口部に配置された姿勢での光散乱層23の厚さ方向の鉛直断面において、一つの光散乱部25と該光散乱部25を挟む光透過部24との界面のうち、該光散乱部25の下側の界面の室内側端部と室外側端部とを結ぶ線は水平面に対してθDを有して傾斜している。ここで、光透過部24に入射したLS1が光散乱部25に到達するか否かは、太陽光進行角θP1及び光散乱部25の傾斜角であるθDに依存する。太陽光進行角θP1で進行した太陽光が光散乱部25に到達せずに光透過部24を透過すれば、該太陽光は室内の天井等に照射されるので、まぶしさの原因となる直達光が室内にいる人に到達することを抑制できる。従って、ライトシェルフ30の上面で反射されて斜め下方から採光パネル12に照射された光を光散乱部25に到達させずに室内の天井部などに照射させるためには、θDがある程度大きいことが好ましい。具体的には、θD>θP1であることが好ましい。
On the other hand, as described above, in the vertical cross section in the thickness direction of the
図7に他の光路例である太陽からの光LS2を示した。図7からわかるようにLS2はそのときの太陽高度に基づいて仰角(水平面からなす角)θS2で採光パネル12に入射する。採光パネル12に入射した光LS2は採光パネル12を透過するうちに光散乱層23の光透過部24内を進む。光透過部の屈折率をNP、室外の屈折率をN0とすれば、光LS2は光透過部24内を下記式(4)で表される太陽光進行角θP2で進む。
FIG. 7 shows light L S2 from the sun, which is another example of the optical path. As can be seen from FIG. 7, L S2 is incident on the
太陽光進行角θP2で進行した太陽光が光透過部24と光散乱部25との界面に達したとき、光透過部24と光散乱部25との屈折率差、及び太陽光進行角θP2の関係が全反射臨界角以上であれば、図7のように太陽光が光透過部24と光散乱部25との界面で全反射する。これにより太陽光が偏向されて、該太陽光は室内の天井等に照射されるので、まぶしさの原因となる直達光が室内にいる人に到達することを抑制できる。
When the sunlight traveling at the sunlight traveling angle θ P2 reaches the interface between the light transmitting
ここで、太陽光が偏向される向きは界面に入射する角度である太陽光進行角θP2、及び光散乱部25の傾斜角であるθUに依存する。従って、ここで全反射した光が水平より上向きとなるようにθUが決められることが好ましい。その中でも、全反射光の全てが上向きとなるように偏向することができることから、θU=0°にすることができる。
Here, the direction in which sunlight is deflected depends on the sunlight traveling angle θ P2 that is an angle incident on the interface and θ U that is the inclination angle of the
図8にはさらに他の光路例である太陽からの光LS3を示した。図8からわかるようにLS3はそのときの太陽高度に基づいて仰角(水平面からなす角)θS3で採光パネル12に入射する。採光パネル12に入射した光LS3は採光パネル12を透過するうちに光散乱層23の光透過部24内を進む。光透過部の屈折率をNP、室外の屈折率をN0とすれば、光LS3は光透過部24内を下記式(5)で表される太陽光進行角θP3で進む。
FIG. 8 shows light L S3 from the sun, which is still another example of the optical path. As can be seen from FIG. 8, L S3 enters the
太陽光進行角θP3で進行した太陽光が光透過部24と光散乱部25との界面に達したとき、光透過部24と光散乱部25との屈折率差、及び太陽光進行角θP3の関係が全反射臨界角以下であれば図8のように光LS3は光散乱部25内に侵入し、ここで散乱反射されて室内側に出射される。また、光透過部24と光散乱部25との間に屈折率差が無ければ全ての光は光散乱部25内に入射して同様に散乱反射して室内側に出射される。
When sunlight traveling at the sunlight traveling angle θ P3 reaches the interface between the light transmitting
以上からわかるように、採光シート20によれば、見込み角θ1、θ2によらず光LS1、LS2、LS3のように太陽光の少なくとも一部を室内の天井等に照射させ、及び/又は散乱反射させて室内側に提供することができるので、太陽光の室内への入射量を大きく減じることなく、かつ、少なくとも一部の直達光(いわゆる直射日光)が室内の人に到達することを抑制できる。これにより明るく、快適な室内空間を形成することができる。
As can be seen from the above, according to the
さらに、採光シート20には上記したように光透過部24が備えられており、光透過部24が配置される部位の光散乱層23の表裏面は平行、平滑に形成されている。これにより、図8に示したように室外側の景色を伴う光LK1は歪が抑制されて室内に入射することがでる。すなわち、室内側から室外側の景色を視認することができる。従って、採光シート20は、さらに室外側の景色を視認し易い構造を具備している。
Further, the
上記のように採光シート20によれば、見込み角θ1、θ2によらず、効率よく室内に太陽光を取り入れつつも直達光の少なくとも一部をなくすことができる。
ただし、上方から採光シート20に入射する太陽光をより多く光透過部24と光散乱部25との界面に到達させる観点から、見込み角θ1を所定の角度範囲に規定することが好ましい。以下に詳しく説明する。
As described above, according to the
However, from the viewpoint to reach the interface with more
図9に説明図を示した。ここでは、一年のうち最も南中高度が高いときの仰角θSHを考える。すなわち、少なくとも一年のうちで最も南中高度が高いときの仰角θSHで太陽光が採光パネル12に入射したときに、太陽光からの直接光を全て光散乱部25に到達させる観点からθ1を規定することができる。図9からわかるように、仰角θSHで入射した光LSHが必ず光散乱部25に達するための限度は、光透過部24内を光LSHが見込み線IVaに沿って進む状況である。すなわち、光透過部24内における太陽光進行角θPHが見込み角θ1と同じとなっていればよい。従って、これは、空気の屈折率をN0、光透過部の屈折率をNpとしたとき、屈折率、及び入射角の関係式により下記式(6)で表される。
An explanatory diagram is shown in FIG. Here, the elevation angle θ SH when the south-high altitude is highest in a year is considered. That is, when sunlight enters the
式(6)から、見込み角θ1が下記式(1)を満たすように構成することにより、少なくとも一年のうちで最も南中高度が高いときの仰角θSHで太陽光が採光パネル12に入射したときに、太陽光からの直接光を全て光散乱部25に到達させることができる。
From the formula (6), by constructing the prospective angle θ 1 so as to satisfy the following formula (1), sunlight is incident on the
θSHは、所定の場所における南中高度が最も高い位置における仰角であるから、当該所定の場所ではこれ以上角度の大きい仰角は存在しない。従って、これより低い所定の仰角の太陽光までをも同様に光散乱部25に全て到達させるためには、式(6)、式(1)を満たしつつ、さらに式(6)、式(1)のθSHのかわりに当該所定の仰角を代入すれば同様にθ1のとるべき値を得ることができる。
Since θ SH is an elevation angle at a position where the south-middle altitude is the highest at a predetermined location, there is no elevation angle with a larger angle at the predetermined location. Therefore, in order to reach all the
例えば、一年のうち南中高度が最も高い時の仰角θSHと、一年のうち南中高度が最も低い時の仰角θSLとの間の仰角θSM以上の仰角からの直接の太陽光を光散乱部に到達させたいときには、式(1)を満たしつつ式(7)を満たすように見込み角θ1を形成すればよい。 For example, direct sunlight from an elevation angle θ SM or higher between the elevation angle θ SH when the south-middle altitude is highest in the year and the elevation angle θ SL when the south-middle altitude is the lowest in the year is a light scattering unit. When it is desired to reach, the prospective angle θ 1 may be formed so as to satisfy Expression (7) while satisfying Expression (1).
このように見込み角θ1を所定の角度にするための手段としては、例えば、光散乱部のピッチ、光散乱部の脚部の角度(図4のθU、θD)、光散乱部の厚さ方向(図4の紙面左右方向)の大きさ、光透過部の屈折率を変更することを挙げることができる。これらを単独、又は複数組み合わせてθ1を所定の角度に調整することが可能である。 As means for setting the expected angle θ 1 to the predetermined angle in this way, for example, the pitch of the light scattering portion, the angle of the leg portion of the light scattering portion (θ U , θ D in FIG. 4), For example, the size in the thickness direction (left and right direction in FIG. 4) and the refractive index of the light transmitting portion can be changed. It is possible to adjust θ 1 to a predetermined angle by combining these alone or in combination.
このようにθ1を小さくすることにより、季節による南中高度の違いだけでなく、一日のうちにおける太陽の高さの移動に伴う仰角の変化に対しても対応することができ、より多くの太陽光を光散乱部に到達させて全反射や散乱反射し、室内側に提供することが可能となる。 By reducing θ 1 in this way, it is possible to cope with not only the difference in altitude between the south and the middle depending on the season, but also the change in the elevation angle associated with the movement of the sun height during the day. The sunlight reaches the light scattering part, and is totally reflected or scattered and reflected and can be provided indoors.
一方で、θ1を小さくすることにより光散乱層23が厚くなったり、光透過部24が小さくなったりすることもある。これらにより、室外側の視認性が低下する虞もある。かかる観点から、θ1の下限は特に限定されるものではないが、例えば図10に示したように一年のうち最も南中高度が低いときの仰角θSLからの直接の太陽光を全て光散乱部25に到達させる観点からθ1の下限を決めてもよい。図10に説明のための図を示した。
基本的な考え方は式(6)、式(1)の算出と同様であるから、図10からわかるように、仰角θSLによる太陽光LSLが見込み線IVaに沿うように進むことを考えればよいので、式(8)を得ることができる。
On the other hand, or the light-
Since the basic idea is the same as the calculation of Equation (6) and Equation (1), as can be seen from FIG. 10, considering that the sunlight L SL by the elevation angle θ SL proceeds along the prospective line IVa. Since it is good, Formula (8) can be obtained.
ここで、θPLは、仰角θSLのときの光透過部の太陽光進行角である。従って、式(1)及び式(8)を求めた趣旨から式(2)を得ることができる。 Here, θ PL is the sunlight advance angle of the light transmission part at the elevation angle θ SL . Therefore, equation (2) can be obtained from the purpose of obtaining equations (1) and (8).
ここでより具体的な例を挙げる。日本国内を考えたとき、札幌、東京、沖縄における一年のうち南中高度が最も高い時の仰角(θSH)、一年のうち南中高度が最も低いときの仰角(θSL)をそれぞれ表1に示した。 Here is a more specific example. When considering Japan, Table 1 shows the elevation angle (θ SH ) at the highest altitude in the south and middle of the year in Sapporo, Tokyo, and Okinawa, and the elevation angle (θ SL ) at the lowest altitude in the south and middle of the year. It was.
表1に基づいて、日本国内におけるθ1の範囲を式(9)又は式(10)のように構成してもよい。 Based on Table 1, you may comprise the range of (theta) 1 in Japan like Formula (9) or Formula (10).
式(9)によれば、日本国内の概ね全域において少なくとも夏至における南中高度からの太陽光の全ての直射光を光散乱部に到達させることができる。また、式(10)によれば、さらに高い視認性を有しつつ、多くの太陽光を光散乱部に到達させることが可能である。 According to Formula (9), all the direct sunlight of the sunlight from the south and middle altitudes at least in the summer solstice can reach the light scattering portion in almost the entire region of Japan. Moreover, according to Formula (10), it is possible to make much sunlight reach | attain a light-scattering part, having still higher visibility.
また、光LS1のようにライトシェルフ30の上面で反射されて斜め下方から採光シート20の光透過部24に入射した光をできるだけ光散乱部25に入射させないように透過させる観点からは、見込み角θ2ができる限り大きいことが好ましい。光LS1のようにライトシェルフ30の上面で反射されて斜め下方から採光シート20の光透過部24に入射した光をできるだけ光散乱部25に入射させないように透過させつつ、光LS2、LS3のように斜め上方から採光シート20に入射した光を光散乱部25と光透過部24との界面で全反射または光散乱部25で散乱させる観点からは、θ2>θ1が成立することが好ましい。上記のように見込み角θ2はできる限り大きいことが好ましいが、見込み角θ2を大きくするために光散乱部25のピッチを大きくすれば、見込み角θ1も大きくなる。見込み角θ1を所定の範囲としつつ見込み角θ2を大きくするには、光散乱部25の傾斜角である角θDを大きくすることが考えられる。
Further, from the viewpoint of transmitting light that is reflected from the upper surface of the
これまでに説明した採光シート20には上記した各層のいずれかに、他の機能を付加させるための構成を備えてもよい。これには例えば、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、又は近赤外線吸収剤を添加し、紫外線吸収機能、熱線吸収機能、又は近赤外線吸収機能を備えさせることが考えられる。
The
近赤外線吸収機能は、近赤外線吸収剤(近赤外線吸収色素)を上記した各層の1つ又は複数に添加したり、塗布したりすることにより向上させることができる。近赤外線吸収色素としては、800nm以上1100nm以下の波長領域を吸収するものを用いることが好ましい。該波長領域の近赤外線の透過率が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。一方で、近赤外線吸収色素は可視光領域、即ち、380nm以上780nm以下の波長領域で、十分な透過率を有することが好ましい。 The near-infrared absorbing function can be improved by adding or applying a near-infrared absorbing agent (near-infrared absorbing dye) to one or more of the above layers. As the near-infrared absorbing dye, it is preferable to use one that absorbs a wavelength region of 800 nm to 1100 nm. The near-infrared transmittance in the wavelength region is preferably 20% or less, and more preferably 10% or less. On the other hand, the near-infrared absorbing dye preferably has a sufficient transmittance in the visible light region, that is, in the wavelength region of 380 nm to 780 nm.
紫外線吸収機能は、以下に例示する紫外線吸収剤を上記した各層の1つ又は複数に添加したり、塗布したりすることにより向上させることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN P、TINUVIN P FL、TINUVIN 234、TINUVIN 326、TINUVIN 326 FL、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 329 FL、全てBASFジャパン株式会社製)や、トリアジン系紫外線吸収剤(TINUVIN 1577 ED、BASFジャパン株式会社製)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(CHIMASSORB 81、CHIMASSORB 81 FL、全てBASFジャパン株式会社製)、ベンゾエート系紫外線吸収剤(TINUVIN 120、BASFジャパン株式会社製)などが挙げられる。 The ultraviolet absorbing function can be improved by adding or applying an ultraviolet absorber exemplified below to one or more of the above layers. Examples of ultraviolet absorbers include benzotriazole ultraviolet absorbers (TINUVIN P, TINUVIN P FL, TINUVIN 234, TINUVIN 326, TINUVIN 326 FL, TINUVIN 328, TINUVIN 329, TINUVIN 329 FL, all manufactured by BASF Japan Ltd.), and triazine. Ultraviolet absorber (TINUVIN 1577 ED, manufactured by BASF Japan Ltd.), benzophenone ultraviolet absorber (CHIMASSORB 81, CHIMASORB 81 FL, all manufactured by BASF Japan Ltd.), benzoate ultraviolet absorber (TINUVIN 120, BASF Japan Ltd.) Manufactured).
熱線吸収機能は、以下に例示する熱線吸収剤を上記した各層の1つ又は複数に添加したり、塗布したりすることにより向上させることができる。熱線吸収剤としては、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)またはスズドープ酸化インジウム(ITO)、フタロシアニン化合物などの金属酸化物超微粒子などが挙げられる。 The heat ray absorbing function can be improved by adding or applying a heat ray absorbent exemplified below to one or more of the above-described layers. Examples of the heat ray absorbent include metal oxide ultrafine particles such as antimony-doped tin oxide (ATO) or tin-doped indium oxide (ITO) and phthalocyanine compounds.
以上説明した採光パネル12は例えば次のように製造することができる。すなわち、採光パネル12は、パネル13に採光シート20を貼合することによって製造することができる。ここで採光シート20は、例えば次のように作製することができる。
The
採光シート20のうち光散乱層23は金型ロールを用いる方法により形成することができる。すなわち、円筒状であるロールの外周面に光散乱層23の光透過部24を転写可能な凹凸が設けられた金型ロールを準備する。そして金型ロールとこれに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層22となる基材を挿入する。そして、基材のうち一方の面と金型ロールとの間に光透過部24を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された凹凸の凹部内に光透過部24を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの凹凸の表面形状に沿ったものとなる。
The
ここで、光透過部24を構成する組成物としては、上記したものが好ましいが、さらに具体的には次の通りである。すなわち、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)を配合した光硬化型樹脂組成物を用いることができる。
Here, as a composition which comprises the
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。 Examples of the photocurable prepolymer (P1) include epoxy acrylate-based, urethane acrylate-based, polyether acrylate-based, polyester acrylate-based, and polythiol-based prepolymers.
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。 Examples of the reactive dilution monomer (M1) include vinyl pyrrolidone, 2-ethylhexyl acrylate, β-hydroxy acrylate, and tetrahydrofurfuryl acrylate.
また、上記光重合開始剤(I1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。なお、光透過部24の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである。
Examples of the photopolymerization initiator (I1) include hydroxybenzoyl compounds (2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-1-one, 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, benzoin alkyl ether, etc.), benzoyl Formate compounds (such as methylbenzoylformate), thioxanthone compounds (such as isopropylthioxanthone), benzophenones (such as benzophenone), phosphate compounds (1,3,5-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide, bis (2,4,6-) Trimethylbenzoyl) -phenylphosphine oxide and the like, and benzyldimethyl ketal and the like. Among these, the irradiation device for curing the photocurable resin composition and the curability of the photocurable resin composition can be arbitrarily selected. From the viewpoint of preventing coloring of the
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)は、それぞれ、1種類で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。 These photocurable prepolymer (P1), reactive diluent monomer (M1) and photopolymerization initiator (I1) can be used alone or in combination of two or more.
金型ロールと基材との間に挟まれ、ここに充填された光透過部24を構成する組成物に対し、基材側から光照射装置により光を照射する。これにより、光透過部24を構成する組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより、基材層22上に成形された光透過部24を金型ロールから離型する。
Light is irradiated from the base material side by a light irradiation device to the composition constituting the
次に、光透過部24の凹部に光散乱部25を構成する組成物を充填して硬化させることによって、光散乱部25を形成することができる。このようにして、基材層22上に光散乱層23を形成することが可能である。
Next, the
このようにして形成された光散乱層23上に接着剤を積層して接着層26とし、基材層22にハードコート層21を接着剤等により貼り付ける。これにより採光シート20となる。
An adhesive is laminated on the
図11は変形例にかかる採光シート20’を備える採光パネル12’を説明する図であり、図8に相当する図である。採光シート20’は、光散乱部25’がここに到達した光を透過散乱して室内側に出射する材料により構成されている。光散乱部25’以外は採光シート20と同じなので、当該同じ構成については説明を省略する。
FIG. 11 is a view for explaining a
光散乱部25’は、透明なバインダー樹脂と該バインダー樹脂とは屈折率が異なる透明な散乱剤とを混合させた材料で構成することができる。透明なバインダー樹脂としては光透過部24と同様なものを用いることができる。一方、当該透明な散乱剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレンを中心としたモノマーを重合して得られた架橋粒子が挙げられる。当該架橋粒子の具体例としては、アイカ工業株式会社製のガンツパール(登録商標)が挙げられる。上記架橋粒子は、アクリル酸エステル及びスチレンとの混合比を変えることによって、屈折率を制御することができる。例えば、アクリル比を高くすることで屈折率を1.49程度にすることができ、スチレン比を高くすることで屈折率を1.59程度にすることができる。また、散乱剤にはウレタン架橋粒子を用いることも可能である。当該ウレタン架橋粒子の具体例としては、根上工業株式会社製のアートパール(登録商標)が挙げられる。また、散乱剤は中空粒子にすることも可能である。
The
光散乱層25’を備える採光シート20’によれば、図11からわかるように、光散乱部25’に到達した光を散乱させつつ透過して室内側に出射することができる。これにより採光シート20と同様に室内側に太陽光を出射しつつ直達光を減らすことが可能となる。
光散乱部25’の形態を含め、他の部位の形態については採光シート20と同様に考えることができる。
According to the
The form of other parts including the form of the
以下に示す各実施例及び比較例では、東京における冬至の南中高度における仰角θSL(=31°)を考慮した例を説明する。
また、各実施例及び比較例で用いる光透過部の屈折率Npは1.55である。従って、仰角θSLのとき、光透過部内を進む太陽光の進行角(太陽光進行角)θPは19.4°である。
In each of the following examples and comparative examples, an example in which the elevation angle θ SL (= 31 °) at the southern middle altitude of the winter solstice in Tokyo is considered will be described.
The refractive index N p of the light transmitting unit used in the Examples and Comparative Examples are 1.55. Therefore, at the elevation angle θ SL , the traveling angle (sunlight traveling angle) θ P of sunlight traveling through the light transmitting portion is 19.4 °.
(実施例1)
実施例1では採光シート20を備える採光パネル12の例による採光パネルを作製した。図12、表2に実施例1における光散乱層の形状を表した。これらからわかるように、実施例1では、見込み角θ1を19.4°とし、仰角θSLのときの太陽光進行角θPと同じとした。
Example 1
In Example 1, the lighting panel by the example of the
実施例1に係る採光パネルの詳細は下記の通りである。 The details of the daylighting panel according to Example 1 are as follows.
(1)光透過部構成組成物の調整
ビスフェノールAエチレンオキシド/キシリレンジイソシアネート/フェノキシエチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)=30:15:50:5:0.02で混合し、80℃で10時間反応させ、光硬化性プレポリマー(P1)を得た。
ビスフェノールAエチレンオキシド/イソホロンジイソシアネート/フェノキシエチルアクリレート/ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)=30:20:50:0.02で混合し、80℃で10時間反応させ、光硬化性プレポリマー(P2)を得た。
次に、光硬化性プレポリマー(P1)を30質量部、光硬化性プレポリマー(P2)を30質量部、反応性希釈モノマー(M1)としてフェノキシエチルアクリレート10質量部、反応性希釈モノマー(M2)としてビスフェノールAエチレンオキシド30質量部、金型離型剤(S1)として、テトラデカノールエチレンオキシド10モル付加物のリン酸エステル0.03質量部、金型離型剤(S2)として、ステアリルアミンエチレンオキシド15モル付加物0.03質量部、光重合開始剤(I1)として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、メーカー名:BASF)を3質量部混合し、均一化して、光透過部構成組成物を得た。
なお、この光透過部構成組成物を厚さ100μmで塗工し、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して光透過部構成組成物を硬化させ、多波長アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製)を用いて、589nmの屈折率を測定したところ、1.55であった。
(1) Preparation of composition for light transmitting part Bisphenol A ethylene oxide / xylylene diisocyanate / phenoxyethyl acrylate / 2-hydroxyethyl acrylate / bismuth tri (2-ethylhexanoate) = 30: 15: 50: 5: 0.02 And reacted at 80 ° C. for 10 hours to obtain a photocurable prepolymer (P1).
Bisphenol A ethylene oxide / isophorone diisocyanate / phenoxyethyl acrylate / bismuth tri (2-ethylhexanoate) = 30: 20: 50: 0.02, mixed at 80 ° C. for 10 hours, and photocurable prepolymer (P2) Got.
Next, 30 parts by mass of the photocurable prepolymer (P1), 30 parts by mass of the photocurable prepolymer (P2), 10 parts by mass of phenoxyethyl acrylate as the reactive dilution monomer (M1), the reactive dilution monomer (M2) ) As bisphenol
The light transmitting part constituting composition was applied at a thickness of 100 μm, and the light transmitting part constituting composition was cured by irradiating an ultraviolet ray of 800 mJ / cm 2 with a high pressure mercury lamp. Using ATAGO Co., Ltd., the refractive index of 589 nm was measured and found to be 1.55.
(2)基材
基材層を構成する基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:A4300、東洋紡績社製、厚さ100μm)を用いた。
(2) Base Material As a base material constituting the base material layer, a polyethylene terephthalate film (trade name: A4300, manufactured by Toyobo Co., Ltd., thickness 100 μm) was used.
(3)金型ロールの作製
光散乱層の作製に供される金型ロールを作製した。金型ロールは円柱状であり、銅メッキが施され、当該銅メッキ部分をバイトにより切削して光透過部に対応する溝を形成した。バイトとしてはダイヤモンドバイトを用いた。ロール軸方向の所定ピッチで金型ロールの銅メッキ層の外周を切削して溝を形成した。この切削したロールの表面にクロムメッキを施した。
(3) Production of mold roll A mold roll used for production of the light scattering layer was produced. The mold roll was cylindrical and was plated with copper, and the copper plated portion was cut with a cutting tool to form a groove corresponding to the light transmitting portion. A diamond tool was used as the tool. Grooves were formed by cutting the outer periphery of the copper plating layer of the mold roll at a predetermined pitch in the roll axis direction. The surface of this cut roll was chrome plated.
(4)光透過部の形成
上記(3)で作製した金型ロールとニップロールとの間に、上記(2)の基材を搬送した。この基材の搬送に合わせ、上記(1)で得られた光透過部構成組成物を供給装置から基材上に供給し、金型ロールおよびニップロール間の押圧力により、基材層と金型ロールとの間に光透過部構成組成物を充填した。その後、基材側から高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して光透過部構成組成物を硬化させて、光透過部を形成した。その後、剥離ロールにより、金型ロールから光透過部を離型し、基材層上に光透過部が形成されたシート(中間部材)を作製した。
(4) Formation of light transmission part The base material of said (2) was conveyed between the metal mold | die roll and nip roll produced by said (3). In accordance with the transport of the base material, the light transmitting part constituting composition obtained in (1) above is supplied onto the base material from the supply device, and the base material layer and the mold are pressed by the pressing force between the mold roll and the nip roll. The light transmitting part constituting composition was filled between the rolls. Then, 800 mJ / cm < 2 > of ultraviolet rays were irradiated from the base material side with the high pressure mercury lamp, the light transmissive part constituent composition was hardened, and the light transmissive part was formed. Then, the light transmission part was released from the mold roll with a peeling roll, and a sheet (intermediate member) in which the light transmission part was formed on the base material layer was produced.
この光透過部の弾性率を、圧縮式微小硬度計(FISCHER HM2000)を用いて微小圧子材料に負荷をかけ、これを除荷することによって測定した。このとき、負荷力は100mN、負荷速度は4μm/10秒、保持時間は60秒とした。その結果、光透過部の弾性率は800MPaであった。 The elastic modulus of the light transmitting portion was measured by applying a load to the micro indenter material using a compression micro hardness tester (FISCHER HM2000) and unloading it. At this time, the load force was 100 mN, the load speed was 4 μm / 10 seconds, and the holding time was 60 seconds. As a result, the elastic modulus of the light transmission part was 800 MPa.
(5)光散乱部構成組成物の調整
光硬化性プレポリマー(P3)としてウレタンアクリレートを42質量部、光硬化性プレポリマー(P4)としてエポキシアクリレートを18質量部、反応性希釈モノマー(M3)としてトリプロピレングリコールジアクリレート35質量部、反応性希釈モノマー(M4)としてメトキシトリエチレングリコールアクリレート5質量部、光散乱剤(D1)として酸化チタンを5質量部、光重合開始剤(I1)として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、メーカー名:BASF)を7質量部混合し、均一化して、光散乱部構成組成物を得た。
なお、この光散乱部構成組成物の散乱剤を除いた成分を厚さ100μmで塗工し、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、多波長アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製)を用いて589nmの屈折率を測定したところ、1.49であった。
(5) Adjustment of light scattering part constituent composition 42 parts by mass of urethane acrylate as the photocurable prepolymer (P3), 18 parts by mass of epoxy acrylate as the photocurable prepolymer (P4), reactive diluent monomer (M3) As 35 parts by mass of tripropylene glycol diacrylate, 5 parts by mass of methoxytriethylene glycol acrylate as the reactive diluent monomer (M4), 5 parts by mass of titanium oxide as the light scattering agent (D1), and as a photopolymerization initiator (I1), 7 parts by mass of 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone (trade name: Irgacure 184, manufacturer name: BASF) was mixed and homogenized to obtain a light scattering part composition.
In addition, the component except the scattering agent of this light-scattering part constituent composition was applied with a thickness of 100 μm, and cured by irradiating with an ultraviolet ray of 800 mJ / cm 2 with a high-pressure mercury lamp. When the refractive index at 589 nm was measured by using Atago, it was 1.49.
(6)光散乱部の形成
上記(5)で得られた光散乱部構成組成物を、上記(4)で作製した中間部材の光透過部が形成された側に供給装置から供給した。また、中間部材の進行方向と略垂直に配置されたドクターブレードを用いて、中間部材上に供給した光散乱部構成組成物を光透過部間に形成された略V字形状の溝内に充填するとともに、余剰分の光散乱部構成組成物を掻き落とした。その後、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して光散乱部構成組成物を硬化させ、硬化した光散乱部構成組成物によって光散乱部を形成した。
以上のようにして基材層上に光散乱層を形成した。
(6) Formation of light-scattering part The light-scattering part structure composition obtained by said (5) was supplied from the supply apparatus to the side in which the light transmission part of the intermediate member produced by said (4) was formed. Also, using a doctor blade arranged substantially perpendicular to the traveling direction of the intermediate member, the light scattering portion constituting composition supplied on the intermediate member is filled in a substantially V-shaped groove formed between the light transmission portions. At the same time, the surplus light scattering portion constituting composition was scraped off. Thereafter, the light scattering portion constituting composition was cured by irradiating ultraviolet light of 800 mJ / cm 2 with a high pressure mercury lamp, and the light scattering portion was formed by the cured light scattering portion constituting composition.
A light scattering layer was formed on the base material layer as described above.
(7)接着層の形成
アクリル系樹脂の粘着剤(商品名:SKダイン2094、綜研化学株式会社、固形分25.0%、溶剤は酢酸エチルとメチルエチルケトン)を100質量部と、架橋剤(E−5XM、L−45、綜研化学株式会社、固形分5.0%)を0.28質量部と、1,2,3−ベンゾトリアゾールを0.25質量部と、希釈溶剤(トルエン/メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=27.69g/27.69g/4.61g)を32.0質量部と、を混合して粘着剤組成物を得た。この組成物を離型フィルム(商品名:E7007、東洋紡績社製、厚さ38μm)に塗布して乾燥させ、上記光散乱層の面と貼り合わせた。なお、この接着層について、多波長アッベ屈折計DR−M4(株式会社アタゴ製)を用いて589nmの屈折率を測定したところ、1.49であった。また、この接着層の貯蔵弾性率は0.22MPaであった。
(7) Formation of Adhesive Layer Acrylic resin adhesive (trade name: SK Dyne 2094, Soken Chemicals Co., Ltd., 25.0% solids, solvents ethyl acetate and methyl ethyl ketone) and 100 parts by mass of crosslinking agent (E -5XM, L-45, Soken Chemical Co., Ltd., solid content 5.0%) 0.28 parts by mass, 1,2,3-benzotriazole 0.25 parts by mass, diluent (toluene / methyl ethyl ketone / Cyclohexanone = 27.69 g / 27.69 g / 4.61 g) was mixed with 32.0 parts by mass to obtain an adhesive composition. This composition was applied to a release film (trade name: E7007, manufactured by Toyobo Co., Ltd., thickness 38 μm), dried, and bonded to the surface of the light scattering layer. In addition, it was 1.49 when the refractive index of 589 nm was measured about this contact bonding layer using the multiwavelength Abbe refractometer DR-M4 (made by Atago Co., Ltd.). Further, the storage elastic modulus of this adhesive layer was 0.22 MPa.
(8)採光パネルの作製
上記のようにして形成した接着層によって、透光性を有する板状のパネルに光散乱層を含む採光シートを貼合し、採光パネルを作製した。その後、光透過部および光散乱部が水平方向に延在するとともに鉛直方向に並列されるようにして、採光パネルを建物の南面の開口部に配置した。
(8) Production of a daylighting panel A daylighting panel including a light scattering layer was bonded to a light-transmitting plate-like panel with the adhesive layer formed as described above to produce a daylighting panel. After that, the daylighting panel was arranged at the opening on the south surface of the building so that the light transmitting portion and the light scattering portion extended in the horizontal direction and were juxtaposed in the vertical direction.
(実施例2)
図13に実施例2における光散乱層の形状を表した。実施例2は図13に示したように各部の寸法を変更した以外は、実施例1と同様である。
(Example 2)
FIG. 13 shows the shape of the light scattering layer in Example 2. Example 2 is the same as Example 1 except that the dimensions of each part are changed as shown in FIG.
(比較例1)
実施例1における光散乱層と基材層とからなるシートの表裏を反対にした以外は実施例1と同様である。
(Comparative Example 1)
Example 1 is the same as Example 1 except that the front and back sides of the sheet composed of the light scattering layer and the base material layer are reversed.
(比較例2)
実施例2における光散乱層と基材層とからなるシートの表裏を反対にした以外は実施例2と同様である。
(Comparative Example 2)
Example 2 is the same as Example 2 except that the front and back sides of the sheet composed of the light scattering layer and the base material layer are reversed.
(評価)
以上示した各例の採光パネルについて、太陽光の取り込み効率について評価した。評価方法は以下の通りである。図14に示したように、採光パネルは、パネル面を鉛直にしたときの高さが60cmとなる大きさに作製し、採光パネルの下端部にライトシェルフを水平に設置した場合と設置しない場合とについて、太陽光が所定の角度θSH、θSLで投射されたときの室内の明るさを主観評価した。なお、ライトシェルフはアルミニウム板であり、大きさは図14に示したように採光パネルに接した端部から反対側の端部までの長さが60cmであり、図14の奥/手前方向の大きさは採光パネルと同一とした。評価基準は、ライトシェルフを設置しなかった場合に比べてライトシェルフを設置した場合に室内が明らかに明るい場合は○、両者の差が明確でない場合は×とした。
(Evaluation)
About the lighting panel of each example shown above, sunlight uptake efficiency was evaluated. The evaluation method is as follows. As shown in FIG. 14, the daylighting panel is manufactured to have a height of 60 cm when the panel surface is vertical, and the case where the light shelf is installed horizontally at the lower end of the daylighting panel is not installed. For the above, the brightness of the room when sunlight was projected at the predetermined angles θ SH and θ SL was subjectively evaluated. The light shelf is an aluminum plate, and the size is 60 cm from the end in contact with the daylighting panel to the opposite end as shown in FIG. The size was the same as the daylighting panel. The evaluation criteria were ○ when the room was clearly bright when the light shelf was installed compared to when no light shelf was installed, and × when the difference between the two was not clear.
表2に示したように、実施例1、2にかかる採光パネルによれば、ライトシェルフで反射して斜め下方から入射した光を制御し、太陽光を効率良く室内に取り込むことができた。 As shown in Table 2, according to the daylighting panels of Examples 1 and 2, the light reflected from the light shelf and incident from obliquely below was controlled, and sunlight could be efficiently taken into the room.
1 建物
10 採光装置
11 枠
12 採光パネル
13 パネル
20 採光シート
21 ハードコート層
22 基材層
23 光散乱層
24 光透過部
25 光散乱部
26 接着層
30 ライトシェルフ
DESCRIPTION OF
Claims (7)
透光性を有するシート状の基材層と、前記基材層の一方の面に形成され、光を散乱する光散乱層と、を備え、
前記光散乱層は、
前記基材層の一方の面に沿って複数並べて配置され、光を透過する光透過部と、
隣り合う前記光透過部間に配置され、光を散乱する光散乱部と、を有し、
前記採光シートが前記建物開口部に配置された姿勢での前記光散乱層の厚さ方向の鉛直断面において、
前記光散乱部は上方および下方に前記光透過部との界面を有し、前記下方の前記界面は、室内側端部が室外側端部より高い位置にあり、
前記上方の前記界面の室内側端部と室外側端部とを結ぶ線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角をθ U とし、前記下方の前記界面のうち室内側端部と室外側端部とを結ぶ線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角をθ D とすると、
θ D >θ U が成立するとともに、
前記θ D は0°以上30°以下である、
採光シート。 It is a daylighting sheet that is in the form of a sheet placed in the building opening so that the sheet surface is vertical,
A sheet-like base material layer having translucency, and a light scattering layer that is formed on one surface of the base material layer and scatters light,
The light scattering layer is
A plurality of light transmitting portions that are arranged side by side along one surface of the base material layer and transmit light;
A light scattering part that is disposed between the light transmission parts adjacent to each other and scatters light;
In the vertical cross section in the thickness direction of the light scattering layer in a posture in which the daylighting sheet is arranged in the building opening,
The light scattering unit has an interface with the light transmitting portions above and below, the interface between the lower the indoor side end Ri higher position near from the outdoor-side end portion,
Of the angles formed by the line connecting the indoor-side end and the outdoor-side end of the upper interface with the horizontal plane, the angle smaller than 90 ° is θ U, and the indoor-side end of the lower interface is When the line connecting the outdoor side end of the corner of 90 ° the smaller of the horizontal plane and the angle and theta D,
θ D > θ U holds, and
The theta D is greater than 30 ° 0 ° or more,
Daylighting sheet.
隣接する2つの前記光散乱部のうち下方に配置された前記光散乱部の前記上方の前記界面の室内側端部と、隣接して上方に配置される前記光散乱部の前記下方の前記界面の室外側端部とを結ぶ見込み線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角を見込み角θ1、隣接する2つの前記光散乱部のうち上方に配置される前記光散乱部の前記下方の前記界面の室内側端部と、隣接して下方に配置される前記光散乱部の前記上方の前記界面の室外側端部とを結ぶ見込み線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角を見込み角θ2、としたとき、
θ2>θ1が成立する、
請求項1に記載の採光シート。 In the vertical cross section in the thickness direction of the light scattering layer in a posture in which the daylighting sheet is disposed in the building opening, the light scattering portions are juxtaposed in the vertical direction,
The indoor side end portion of the interface above the light scattering portion disposed below the two light scattering portions adjacent to each other, and the interface below the light scattering portion disposed adjacently above Of the light scattering portion disposed above the prospective angle θ 1 , which is smaller than 90 ° out of the angles formed by the prospective line connecting the outdoor end of the horizontal plane with the horizontal plane. From 90 ° of the angle formed by the prospective line connecting the indoor side end portion of the lower interface and the outdoor end portion of the upper interface of the light scattering portion disposed adjacently and below the horizontal plane When the smaller angle is the prospective angle θ 2 ,
θ 2 > θ 1 is satisfied,
The daylighting sheet according to claim 1 .
隣接する2つの前記光散乱部のうち下方に配置された前記光散乱部の前記上方の前記界面の室内側端部と、隣接して上方に配置される前記光散乱部の前記下方の前記界面の室外側端部とを結ぶ見込み線が水平面となす角のうち90°より小さい方の角を見込み角θ1、一年のうちで太陽の南中高度が最も高いときの仰角をθSH、前記光透過部を構成する材料の屈折率をNP、空気中の屈折率をN0としたとき、
下記(1)式が成立する、請求項1又は2に記載の採光シート。
In the vertical cross section in the thickness direction of the light scattering layer in a posture in which the daylighting sheet is disposed in the building opening, the light scattering portions are juxtaposed in the vertical direction,
The indoor side end portion of the interface above the light scattering portion disposed below the two light scattering portions adjacent to each other, and the interface below the light scattering portion disposed adjacently above The angle that is smaller than 90 ° out of the angle formed by the prospective line connecting the outdoor end of the horizontal plane with the horizontal plane is the prospective angle θ 1 , and the elevation angle when the sun's south-high altitude is highest in the year is θ SH . When the refractive index of the material constituting the transmission part is N P and the refractive index in air is N 0 ,
The daylighting sheet according to claim 1 or 2 , wherein the following expression (1) is satisfied.
When the elevation angle when the sun culmination altitude lowest of the year and theta SL, lighting sheet according to claim 3, the following equation (2) is satisfied.
透光性を有する板状のパネルと、
前記パネルの一方の面に貼付される請求項1乃至4のいずれか記載の採光シートと、少なくとも前記パネルの周囲を囲むように配置される枠と、
を備える採光装置。 A daylighting device provided in an opening of a building,
A plate-like panel having translucency;
The daylighting sheet according to any one of claims 1 to 4 , which is affixed to one surface of the panel, and a frame arranged to surround at least the periphery of the panel;
A daylighting apparatus.
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