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JP6176195B2 - 太陽電池 - Google Patents

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JP6176195B2 JP2014134363A JP2014134363A JP6176195B2 JP 6176195 B2 JP6176195 B2 JP 6176195B2 JP 2014134363 A JP2014134363 A JP 2014134363A JP 2014134363 A JP2014134363 A JP 2014134363A JP 6176195 B2 JP6176195 B2 JP 6176195B2
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Description

本発明は、高い変換効率を有する太陽電池に関するものである。
近年、単結晶半導体基板を用いた太陽電池において高効率で安定した性能を得るために、電極を細線化してシャドーロスを減らし、更に電極を多層化して半導体基板とのコンタクト抵抗を減らすことが行われている。
従来の典型的な太陽電池の基板構造としては、図9に示すように、厚さ0.25mm程度の単結晶又は多結晶シリコンからなるp型半導体基板91の主面側に、0.1〜0.5μmの深さにリン等を拡散させた拡散層(n+層)92が設けられ、かつその上側には表面反射率を低減させるためのSi34やSiO2等の反射防止膜となる誘電体層94と、電流を取り出すためのバスバー電極96とが形成され、半導体基板の他面側(裏面側)にアルミニウム等を高濃度に拡散させたBSF(Back Surface Field)層(p+層)97が形成され、該裏面上にアルミニウム電極98と裏面バスバー電極99とが形成された構造を有している。なお、受光面電極は、図10のようにフィンガー電極95とバスバー電極96とで構成されている。また、裏面側では図11のようなパターンで裏面バスバー電極99が形成されている。
この種の太陽電池を製造する際、受光面側のバスバー電極96及びフィンガー電極95は、容易かつ低コストのため、以下に示すような印刷・焼成法で形成される。即ち、表面電極材料には、一般に銀粉末とガラスフリットと有機ビヒクルと有機溶媒とを主成分とする導電性ペーストが用いられ、スクリーン印刷法等により、導電性ペーストを塗布した後に焼成炉中で高温焼結して表面電極を形成する。高温焼成によって導電ペースト中のメタル成分は誘電体層を貫通(ファイヤースルー)して、半導体基板91と接触している。
ここで、半導体基板91とフィンガー電極95との間に誘電体層94が存在している場合には電極の細線化が進むとファイヤースルーし難くなり、フィンガー電極95と半導体基板91のコンタクトが悪化し、コンタクト抵抗が高くなるという問題がある。
また、基板から直接電力を取り出すためのフィンガー電極は光を遮らないように基板上での占有面積を小さくし、且つ低配線抵抗が求められているので線幅は細くて厚い電極を形成することが理想とされる。電極の占有面積を小さくする一方で直列抵抗を小さくするためには電極を多層化しなくてはならない。
この問題に対し、例えば受光面電極直下となる誘電体層上にエッチングペーストをスクリーン印刷し、印刷されたエッチングペーストを加熱してエッチングペーストの印刷箇所をエッチングすることにより、受光面電極形成前に電極形成位置にあたる誘電体層を除去する方法が提案されている(特許文献1:特表2003−531807号公報)。
しかしながら、この手法においては、エッチングペーストの印刷量及び加熱温度などにより、エッチングペーストの印刷形状が変化し、精密なパターンでのエッチングは困難であることやエッチングペースト印刷、焼成、洗浄工程など工程の増大、装置の追加、製造の高コストといった問題がある。
また、この問題に対し、例えば第一導電型と反対の導電型の拡散層上にまずフィンガー電極を形成し、これを覆って誘電体層を形成し、次いで誘電体層の上からバスバー電極だけをファイヤースルーさせて、フィンガー電極と接続する方法が提案されている(特許文献2:特開2011−35101号公報)。この製法によれば、シリコン基板上の拡散層と接続したフィンガー電極間に誘電体層を介していないのでシリコン基板とフィンガー電極のコンタクト性は改善するが、表裏電極のパターンの違いに因る基板の反りや割れの問題が発生した。
特表2003−531807号公報 特開2011−35101号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、基板の割れを低減して製品歩留まりを向上させ、電極を細線化すると共に半導体基板とのコンタクト抵抗を低減することによって、変換効率の高い太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、下記の太陽電池を提供する。
〔1〕 pn接合されて受光面表面に拡散層が形成された半導体基板と、上記拡散層上に互いに所定間隔離間して点在するように形成された複数のコンタクト電極と、上記拡散層及びコンタクト電極を覆って形成された誘電体層と、この誘電体層上に形成されると共にファイヤースルーにより誘電体層を貫通して上記複数のコンタクト電極と接続するフィンガー電極とを備え、上記複数のコンタクト電極は、上記各フィンガー電極の長手方向に対して直交する方向に直線状に配列されていることを特徴とする太陽電池。
〔2〕 上記1つのコンタクト電極は1本のフィンガー電極と接続する共に、1本のフィンガー電極には複数のコンタクト電極が接続している〔1〕記載の太陽電池。
〔3〕 上記複数のコンタクト電極は、上記フィンガー電極の長手方向に等間隔に離間して配置されている〔1〕又は〔2〕記載の太陽電池。
〔4〕 上記コンタクト電極の形状は、上記フィンガー電極の幅よりも大きい四角形又は楕円形を有している〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池。
〔5〕 上記受光面電極は、更に複数のフィンガー電極と交差して電気的に接続するバスバー電極を少なくとも1本有しており、上記コンタクト電極はバスバー電極と重ならないように配置されている〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の太陽電池
本発明によれば、フィンガー電極と半導体基板の拡散層との間にこれら両者を電気的に接続するコンタクト電極を互いに所定間隔離間して点在するように形成するので、半導体基板の受光面表面に対する受光面電極のコンタクト抵抗を低減し、高い変換効率を得ることができる。更に、半導体基板の反りが低減されて基板の割れが減少し、製品歩留まりの向上が期待できる。
本発明に係る太陽電池の構成を示す正面図である。 本発明に係る太陽電池の構成を示す図1におけるA−A断面図である。 本発明に係る太陽電池の構成を示す図1におけるB−B断面図である。 本発明に係る太陽電池の製造方法における製造工程を示す概略断面図であり、(a)は拡散層形成工程、(b)はコンタクト電極形成工程、(c)は誘電体層形成工程、(d)は受光面電極用導電性ペースト印刷工程、(e)は裏面電極用導電性ペースト印刷工程、(f)は焼成工程を示す図である。 本発明に係る太陽電池の製造方法で用いるコンタクト電極形成用印刷版の構成を示す概略図であり、(a)はその全体図、(b)は開口部の拡大図である。 本発明に係る太陽電池の製造方法で用いるフィンガー電極及びバスバー電極形成用印刷版の構成を示す概略図である。 比較例2で用いるフィンガー電極形成用印刷版の構成を示す概略図である。 比較例2で用いるバスバー電極形成用印刷版の構成を示す概略図である。 従来の太陽電池の構成を示す断面図である。 従来の太陽電池の構成を示す正面図である。 従来の太陽電池の構成を示す裏面図である。
以下に、本発明に係る太陽電池及びその製造方法の実施の形態について図面を参照して説明する。
(太陽電池)
図1は、本発明に係る太陽電池の構成を示す上面図であり、図2は、図1におけるA−A断面図、図3は、図1におけるB−B断面図である。
本発明に係る太陽電池10は、図1〜図3に示すように、pn接合されて受光面表面に拡散層12が形成された半導体基板11と、上記拡散層12上に互いに所定間隔離間して点在するように形成された複数のコンタクト電極13と、上記拡散層12及びコンタクト電極13を覆って形成された誘電体層14と、この誘電体層14上に形成されると共にファイヤースルーにより誘電体層14を貫通して上記複数のコンタクト電極13と接続するフィンガー電極15とを備える。また、コンタクト電極13はフィンガー電極15からはみ出している部分を有し、このはみ出している部分が上記誘電体層14で覆われている。
ここで、半導体基板11は、単結晶又は多結晶のシリコンからなり、その導電型はp型、n型のどちらでもよいが、ボロンなどのp型半導体不純物(ドーパント)を含むものが好ましい。シリコン単結晶基板としては、チョクラルスキー(CZ)法及びフロートゾーン(FZ)法のいずれの方法によって作製されていてもよい。半導体基板11の比抵抗は、高性能の太陽電池を作る点から、0.1〜20Ω・cmが好ましく、0.1〜4.0Ω・cmがより好ましい。ここでは、以降p型の半導体基板11を例にとり説明する。
受光面電極は、図1に示すように、半導体基板11の表面において集電電極としてフィンガー電極15と呼ばれる数百〜数十μm幅の電極を櫛歯状に多数(図1においては10本)有し、またフィンガー電極15と交差して電気的に接続しており、太陽電池を連結するための集電電極としてのバスバー電極16を少なくとも1本(図1においては3本)有する。更に、半導体基板11の受光面表面において、フィンガー電極15ごとに対応して点在するコンタクト電極13を多数(図1においては40個)有する。
また、この太陽電池の断面構造として、図2に示すように、p型の半導体基板11の表面側(受光面側)には基板の導電型と逆の導電型(n型)の拡散層12が設けられ、この上にコンタクト電極13とフィンガー電極15とがこの順番で積層して設けられる。このとき、拡散層12とコンタクト電極13とは電気的に接続し、コンタクト電極13とフィンガー電極15とは電気的に接続しており、コンタクト電極13が拡散層12とフィンガー電極15とを電気的に接続する構造となっている。
ここで、表面のフィンガー電極15と半導体基板11とのコンタクト抵抗(接触抵抗)と電極の配線抵抗は、太陽電池の変換効率に大きな影響を及ぼし、高効率(低セル直列抵抗、高フィルファクターFF(曲線因子))を得るためには、コンタクト抵抗とフィンガー電極15の配線抵抗の値が十分に低いことが要求される。本発明では、上記構成とすることにより、フィンガー電極15がコンタクト電極13を介して半導体基板11の受光面表面(拡散層12)と良好な接続を確保することができるようになり、コンタクト抵抗の低減が可能となる。このとき、フィンガー電極と平行でないコンタクト電極を備えることにより、フィンガー電極とコンタクトするコンタクト電極の面積が更に大きくなるのでコンタクト抵抗をより低減できる。
また、コンタクト電極13はフィンガー電極15からはみ出した部分を有する。なお、バスバー電極16は図1のA−A断面(図2)では不図示であり、図1のB−B断面(図3)において示している。
また、図2に示すように、拡散層12のそれ以外の領域(フィンガー電極15を設けていない領域)には反射防止膜兼パッシベーション膜である誘電体層14が設けられている。即ち、誘電体層14は、半導体基板11の受光面表面(拡散層12)を覆うと共に、コンタクト電極13のフィンガー電極15からはみ出した部分も覆っている。
ここで、1つのコンタクト電極13は1本のフィンガー電極15と接続すると共に、1本のフィンガー電極15には複数のコンタクト電極13(図1においては4個のコンタクト電極13)が接続していることが好ましい。これにより、コンタクト電極13が半導体基板11受光面表面(拡散層12)とフィンガー電極15とを均等に電気的に接続することができる。
また、複数のコンタクト電極13は、各フィンガー電極15の長手方向に対して直交する方向に直線状に配列されていることが好ましい。図1では、10個のコンタクト電極13が10本のフィンガー電極15の長手方向に対して直交する方向に直線状に配列している。更に、上記複数のコンタクト電極13は、フィンガー電極15の長手方向に等間隔に離間して配置されていることが好ましい。図1では、4個のコンタクト電極13がフィンガー電極15の長手方向に等間隔に離間して配置されている。これにより、複数のコンタクト電極13は、半導体基板11の受光面表面(拡散層12表面)の所定の格子パターンにおける格子点の位置に配置されているようになる。
ところで、太陽電池の電極形成方法としては、スクリーン印刷法が多く採用されている。スクリーン印刷法は、印刷パターンの作製が容易なこと、印圧の調節により基板に与えるダメージを最小限にできること、セル1枚あたりの作業速度も早く、低コストで生産性に優れた手法であり、チクソ性の高い導電性ペーストを用いることで、転写された後もその形状が保たれ、高アスペクト比の電極を形成することも可能である。
しかしながら、太陽電池の基板は通常シリコン(Si)が用いられ、また電極材料としてはAl、Ag等が用いられているが、太陽電池の基板は、導電性ペーストを印刷して焼結させると、シリコン基板とAlやAg等の電極材料の収縮率の違いにより反りが発生し、基板に割れが生じることが問題であった。
本発明では、コンタクト電極13を上記のように配置することによりこの問題を解決する。即ち、フィンガー電極15と直交するバスバー電極16の他に、フィンガー電極15と交わるコンタクト電極13を上記のように半導体基板11の受光面表面に点在するパターンで備えることにより、半導体基板11の反りが低減されて基板の割れが減少し、製品歩留まりが向上する。
また、コンタクト電極13はバスバー電極16と重ならないように配置されていることがより好ましい。図1では、コンタクト電極13のフィンガー電極15の長手方向に直交する方向への直線状の配列は、各バスバー電極16から等距離に離間するように配置されている。
コンタクト電極13は、半導体基板11の受光面表面(拡散層12)と良好なコンタクトが取れ、所定の形状パターンに形成容易なものであれば、電極材料や形成方法に特に制約はないが、例えば銀やアルミニウムを含有する導電性ペーストをスクリーン印刷し焼成して形成したものや銀などの金属材料を蒸着して形成したものなどが挙げられる。
コンタクト電極13の形状は、上記フィンガー電極15の幅よりも大きい長方形や菱形などの四角形又は楕円形を有していることが好ましい。特に、フィンガー電極15の長手方向に直交する方向が該フィンガー電極15の幅よりも大きいことが好ましい。図1では、長方形のものを示している。これにより、コンタクト電極13の上にコンタクト電極13の長手方向に対して交差して形成されるフィンガー電極15が多少の位置ずれを起こしてもフィンガー電極15と確実に電気的接続を確保できるようになる。また、このような表面形状であれば後述するスクリーン印刷法やマスク蒸着法によって容易に形成可能である。なお、コンタクト電極13の長さや幅は、拡散層12及びフィンガー電極15との電気的接続を考慮すると大きい方がよいが、太陽電池のシャドーロスを考慮するとできるだけ小さい方がよく、両者の兼ね合いによって決定するとよい。
フィンガー電極15は、誘電体層14上に印刷された導電性ペーストが焼成され、該誘電体層14をファイヤースルーしてコンタクト電極13に接続してなるものであることが好ましい。
バスバー電極16は、フィンガー電極15と同様に、導電性ペーストを印刷し、焼成して形成するとよい。
また、半導体基板11の裏面側には、図2に示すように、ほぼ全面にアルミニウムペーストが塗布され、焼成することによりBSF(Back Surface Field)層17とアルミニウム電極18が形成される。更に、裏面には、図3に示すように、銀やアルミニウムを含む導電性ペーストが塗布され、焼成することで集電用として裏面バスバー電極19が形成される。
(太陽電池の製造方法)
次に、本発明に係る太陽電池の製造方法について図面を参照して以下に説明する。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、上述した本発明の太陽電池の製造方法であって、例えば、図4に示す製造工程に従って製造するものである。なお、図4では、図1に示す太陽電池のA−A断面の構成を示している。以下、図4に示す工程に従って説明する。
[シリコン基板の準備]
高純度シリコンにボロンのようなIII族元素をドープし、比抵抗0.1〜4Ω・cmとしたアズカット単結晶{100}p型シリコン基板表面のスライスダメージを、濃度5〜60質量%の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような高濃度のアルカリもしくはフッ化水素酸と硝酸の混酸の混合液などを用いて厚さとして10〜20μm程度エッチングして除去する。なお、本発明で用いる半導体基板の形状は特に限定されず、矩形、円形のいずれでもよいが、例えば大きさは100〜150mm角、厚さは0.05〜0.3mmの板状のものがよく用いられる。ここでは、p型単結晶シリコン基板であるp型半導体基板11を用いる例を説明する。
[テクスチャ形成工程]
引き続き、半導体基板11の少なくとも受光面となる表面にテクスチャと呼ばれる微小な凹凸構造の形成を行う(図4では凹凸表示省略)。テクスチャは太陽電池の受光面において光の多重反射を生じさせ、光を閉じ込めて効率よく半導体基板内に導き、光が戻らなくなるようにするので実効的に反射率が低下し、変換効率が向上する。テクスチャは、半導体基板11を加熱した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ溶液(濃度1〜10質量%、温度60〜100℃)中に10〜30分間程度浸漬することで形成される。上記溶液中に、所定量の2−プロパノールを溶解させ、反応を促進させることが多い。テクスチャ形成は、表面のエッチングを行っていることになるため、前記ダメージエッチングの代用とすることも可能である。
なお、上記テクスチャ構造に代えて、表面にV溝やU溝の凹凸構造を設けて、2回以上の反射を受光面で行なわせて可視光域の反射率を低減させるようにしてもよい。この場合、研削機を利用して形成可能である。あるいは、水酸化ナトリウムやイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸すウェットエッチング法、酸エッチング法によってもよい。
また、上記工程において、半導体基板11の表面の一部を微細な凹凸をない状態とした平坦部とし、それ以外の部分を微細な凹凸面としたテクスチャを形成することが好ましい。詳しくは、後述する工程において半導体基板11のコンタクト電極13を形成する部分を微細な凹凸のない部分とし、それ以外を上記のような微細な凹凸を形成するようにする。例えば、半導体基板11をフッ硝酸溶液中に15秒間浸漬させてダメージエッチし、更に2質量%の水酸化カリウムと2質量%のイソプロピルアルコールを加えた70℃の溶液で5分間浸してエッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させることで半導体基板11表面に微細な凹凸からなるテクスチャ構造を形成する。次に、900〜1,000℃、1〜3時間程度の熱酸化処理を行い、厚さ100nm程度の酸化膜兼バリア膜を形成する。次いで、図5に示すような開口部パターンを有するスクリーン製版を用いて、上記酸化膜兼バリア膜上のコンタクト電極形成予定部にエッチングペーストを印刷し、350〜450℃程度のベーク炉で8〜10分程度焼成する。その後、洗浄して半導体基板11上のエッチングペーストを除去する。このとき、エッチングペーストを印刷した部分の酸化膜兼バリア膜は除去されて半導体基板11表面が露出し、それ以外の部分は酸化膜兼バリア膜で保護されており、この半導体基板11を60〜70℃程度のKOH水溶液に5〜10分間程度浸漬して、半導体基板11表面が露出している部分の微細凹凸を除去し、コンタクト電極形成予定部となる平坦部とする。最後に、この半導体基板11を1〜25質量%のフッ化水素水溶液に1〜5分程度浸漬した後に、純水で洗浄する。
その後、後述する拡散層12を形成した後、テクスチャ面の上記微細凹凸を除去した部分に後述する方法でコンタクト電極13を形成する。
これにより、テクスチャ面の微細凹凸のある部分に電極を形成した場合には電極の滲みが生じて線幅が太くなり易かったが、上記のようにコンタクト電極形成予定部となる部分の微細凹凸を除去すればその問題が改善されて受光面積をより増やすことが可能となる。また、半導体基板11の微細な凹凸のない平坦な領域に精度よく電極を形成することができ、かつ電極の細線化に伴う断線が起こり難く、コンタクト抵抗を低減して変換効率を高め、量産するのに効果的である。更に、受光面積の増加により、シャドーロスが減り、太陽光を多く取り込めることで短絡電流密度を向上することができる。
[拡散層形成工程]
次いで、半導体基板11の受光面側表面に基板の導電型とは逆の導電型の拡散層12を形成する(ここまで、図4(a))。
例えば、POCl3等を含む850〜1,000℃の高温ガス中に半導体基板11を設置し、半導体基板11の全面にリン等のn型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が30〜300Ω/□程度のn型の拡散層12を半導体基板11の受光面側表面に形成する。このとき、半導体基板11の両面および端面にもn型拡散層12が形成されることがあるが、必要な拡散層12の表面を耐酸性樹脂で被覆した後、その半導体基板11をフッ硝酸溶液中に浸漬することによって、不要なn型拡散層を除去するとよい。その後、熱拡散で形成されたリンガラスを数質量%のフッ化水素酸水溶液に数分浸漬して除去し、純水で洗浄する。
あるいは、半導体基板11の受光面表面に基板11の導電型と逆の導電型となる拡散源(P、As、Sb等のドーパント)を含む拡散剤、例えばリンやアンチモン等を含有する材料を塗布し乾燥させることで拡散剤塗布層を形成し、800〜1,000℃で30分〜1時間程度の熱処理を施すことで、この表面にn型の拡散層12を形成するようにしてもよい。
[コンタクト電極形成工程]
次いで、半導体基板11の拡散層12上に互いを所定間隔離間したコンタクト電極13を点在させて形成する(図4(b))。
例えば、図5に示す電極形状パターンP13のように、印刷版面に開口部Pa13を点在させて形成した印刷版を用いたスクリーン印刷法によって拡散層12上に導電性ペーストを印刷してコンタクト電極13を形成することが好ましい。本工程で使用する導電性ペーストは拡散層12との電気的接続が確保できるものであればよい。
ここで用いる印刷版は、例えばステンレスやニッケル、ポリエステルなどのメッシュの裏側に乳剤でコーティングした構造であって、電極形状パターンP13に対応した乳剤層を除去した開口部Pa13を有するスクリーン製版が挙げられる。
電極形状パターンP13は、図5(a)に示すように、開口部Pa13が一定の中心ピッチpで互いに離間した状態で直線状に配置された直線状パターンを複数本(4本)有しており、この直線状パターンを該直線状パターンの長手方向に対して直交する方向に間隔L1、L2、L3となるように離間して平行に配置したものである。この場合、中心ピッチpは1.5〜2mm、間隔L1、L2、L3は13〜60mmであるとよい。
開口部Pa13は、図5(b)に示すように、幅a、長さbの長方形を呈している。幅aは20〜150μm、長さbはフィンガー電極15の幅より大となる20〜1,500μmとするとよい。また、開口部Pa13は、幅aを短径、長さbを長径とする楕円形としてもよい。
上記のような電極形状パターンP13の印刷版を用いて、その上で図5中、左方向から右方向にスキージで圧力をかけながら導電性ペーストを押出して拡散層12上に膜厚10〜15μmで印刷し、150〜200℃程度で乾燥させる。この段階ではまだ最終的な電極の状態になっていないことから、図4(b)においてはペースト印刷層13aと表記する。そして、後述するフィンガー電極15及びバスバー電極16を形成する際の加熱により焼成され、コンタクト電極13aとなる(図4(f))。
また、上記スクリーン印刷法に代えて、図5に示す電極形状パターンP13のように、マスク面に開口部Pa13を点在させて形成したマスクを用いた蒸着法によって拡散層12上に金属材料を蒸着してコンタクト電極13を形成してもよい。
ここで用いるマスクは、半導体基板11上に金属材料の付着を防止する金属シートであり、例えばステンレス薄板に開口部Pa13を開口したメタルマスクである。電極形状パターンP13及び開口部Pa13の形状及び寸法は上述したスクリーン印刷の印刷版の場合と同じでよい。
蒸着方法としては、電子ビーム(EB)蒸着や抵抗加熱式蒸着等の真空蒸着法、高周波励起型イオンプレーティング法、活性化反応性蒸着法等を用いてもよい。真空蒸着法とは成膜技術の一つで、高真空中で蒸着材料を加熱して気化又は昇華させて気体分子となった蒸着材料が基板に衝突、付着することによって、蒸着薄膜を形成する技術である。このうち、電子ビーム蒸着は高真空雰囲気の中で、蒸発材料を坩堝に入れ、電子ビームを坩堝に照射し、坩堝に入っている蒸発材料を加熱蒸発させて行う薄膜形成方法である。成膜開始到達圧力は10-4Pa程度の高真空とする。高真空にする理由としては蒸着の密着性や膜質を向上するためである。また、成膜温度は300〜400℃で行う。
上記のような電極形状パターンP13のマスクを半導体基板11の受光面側表面(拡散層12表面)に重ねた状態で成膜室内の蒸発源の上方に配置し、半導体基板11のマスク面側に蒸発材料を堆積して薄膜を形成する。電子ビーム蒸着は抵抗加熱式蒸発源に比べて高温の材料や粉末材料の蒸着に適している。蒸発材料は、アルミニウム、クロム、金、銀のような高融点の金属材料を用いる。これにより、半導体基板11の拡散層12上に電極形状パターンP13に対応したコンタクト電極13が形成される(図4(b))。このような蒸着法によって、膜厚精度よく、同じ品質でコンタクト電極13を機械的ストレスや熱ストレスを受けることなく形成することができる。
[誘電体層形成工程]
次いで、半導体基板11の受光面側表面の拡散層12及びペースト印刷層13a(又はコンタクト電極13)を覆うように反射防止膜兼パッシベーション膜である誘電体層14を形成する(図4(c))。
誘電体層14は、例えばSiNなどからなり、例えばSiH4とNH4との混合ガスをN2で希釈し、グロー放電分解でプラズマ化されて堆積させるプラズマCVD法などで形成する。このとき、誘電体層14は、反射防止膜として、p型シリコン基板からなる半導体基板11との屈折率が1.8〜2.3程度になるように形成され、約70〜100nm程度の厚みに形成される。この誘電体層14により半導体基板11の表面で光が反射するのを防止して、半導体基板11内に光を有効に取り込むことができる。また、SiNからなる誘電体層14は、拡散層12に対してパッシベーション効果があるパッシベーション膜としても機能し、反射防止の機能と併せて、太陽電池の電気特性を向上させる効果がある。
[フィンガー電極、バスバー電極及び裏面電極形成工程]
次いで、半導体基板11の受光面側表面の誘電体層14上に、図6に示す電極形状パターンP15及びP16を有する印刷版を用いて導電性ペーストをスクリーン印刷する(図4(d))。本工程で使用する導電性ペーストは誘電体層14をファイヤースルーする機能を有する銀を含むペーストである。
ここで用いる印刷版は、例えばステンレスやニッケル、ポリエステルなどのメッシュの裏側に乳剤でコーティングした構造であって、電極形状パターンP15及びP16に対応して乳剤層を除去した開口部を有するスクリーン版が挙げられる。
電極形状パターンP15は、櫛歯状のフィンガー電極を形成するための開口パターンであり、例えば線幅20〜150μm、ピッチ1.5〜2mmの開口パターンとするとよい。
また、電極形状パターンP16は、フィンガー電極の長手方向と直交して接続するバスバー電極を形成するための開口パターンであり、例えば電幅1〜1.5mmで形成される本数に応じてフィンガー電極の長手方向に均等に配置される開口パターンとするとよい。
上記のような電極形状パターンP15、P16の印刷版を用いて、その上で図6中、左方向から右方向にスキージで圧力をかけながら導電性ペーストを押出して誘電体層14上に膜厚10〜15μmで印刷し、150〜200℃程度で乾燥させる。乾燥は後述する裏面電極用のスクリーン印刷後に一緒に行ってもよい。この段階ではまだ最終的な電極の状態になっていないことから、図4(d)においてはフィンガー電極15となる印刷層であるペースト印刷層15aと表記する(バスバー電極16となる印刷層であるペースト印刷層16aは不図示)。
このとき、ペースト印刷層15aは、導電性ペーストが誘電体層14上でペースト層13a(又はコンタクト電極13)と一部が重なる位置に櫛歯状に印刷されたものである。
次に、半導体基板11の裏面側表面上に、異なる電極形状パターンを有する2種類の印刷版を用いて導電性ペーストをスクリーン印刷する(図4(e))。
まず、例えばアルミニウム、ガラスフリット及びワニスなどを含む導電性ペーストを用いて図11の裏面バスバー電極99のような電極形状パターンを有する印刷版を用いてスクリーン印刷し、次いでアルミニウム粉末を有機バインダーで混合したペーストを上記裏面バスバー電極となる印刷層以外の領域に印刷し、その後、150〜200℃程度で乾燥させる。この段階ではまだ最終的な電極の状態になっていないことから、図4(e)においては裏面アルミニウム電極18となる印刷層であるペースト印刷層18aと表記する(裏面バスバー電極19となる印刷層であるペースト印刷層19aは不図示)。
なお、ここまでの表面電極(フィンガー電極15及びバスバー電極16)となるペーススト印刷層15a、16aの形成と、裏面アルミニウム電極18及び裏面バスバー電極19となるペースト印刷層18a、19aの形成順序は逆でも構わない。
最後に、上記のように両面に電極印刷した半導体基板11について焼成炉において500〜900℃で1分から30分間程度の焼成を行う。これにより、ペースト印刷層13a、15a、16a、18a、19aはそれぞれコンタクト電極13、フィンガー電極15、バスバー電極16、裏面アルミニウム電極18、裏面バスバー電極19となる(図4(f)、図3)。
このとき、ペースト印刷層13aは焼成されて半導体基板11の受光面表面(拡散層12)と直接接続するコンタクト電極13となる。また、誘電体層14上にスクリーン印刷されたペースト印刷層15aが焼成されてフィンガー電極15となる際にファイヤースルー(焼破)により誘電体層14を貫通させて、コンタクト電極13と電気的に接続する(図4(f))。また、フィンガー電極15のコンタクト電極13と重ならない部分やバスバー電極16は誘電体層14をファイヤースルーして拡散層12と接続する。
また、裏面側では、ペースト印刷層18aが焼成されてBSF(Back Surface Field)層17とアルミニウム電極18が形成され、ペースト印刷層19aが焼成されて裏面バスバー電極19となる。
以上のように、誘電体層14の上からフィンガー電極15をファイヤースルーさせて、フィンガー電極15とコンタクト電極13とを接続させるが、コンタクト電極13、フィンガー電極15は共に導電性のよい金属からなるためにフィンガー電極15と拡散層12との間よりも電気的に接続し易い。コンタクト電極13は半導体基板11の受光面表面(拡散層12)と電気的に直接接続しているので、フィンガー電極15がコンタクト電極13と接続することにより、フィンガー電極15はコンタクト電極13を介して半導体基板11の受光面表面(拡散層12)と良好に接続し、従来の誘電体層の上から電極ペーストでファイヤースルーさせて半導体基板とフィンガー電極とを接続させるよりもコンタクト抵抗を低減することができ、変換効率を向上できる。また、フィンガー電極15やバスバー電極16以外の領域(半導体基板11の受光面側表面)が誘電体層14で覆われていることでパッシベーション効果が得られる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本発明の有効性を確認するために、以下の工程を半導体基板50枚について行い、図1〜図3に示す構成の太陽電池を50枚作製した。
まず、結晶面方位<100>、15.65cm角、200μm厚、アズスライス比抵抗2Ω・cm、ボロンドープp型シリコン基板をフッ硝酸溶液中に15秒間浸漬させてダメージエッチし、更に2質量%の水酸化カリウムと2質量%のイソプロピルアルコールを加えた70℃のエッチング水溶液中に5分間浸してエッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させることで半導体基板11表面にテクスチャ構造を形成した。
次いで、上記半導体基板11に対して、POCl3ガス雰囲気において850℃の温度で30分間熱処理を行うことでn型の拡散層12を形成した。その後、拡散層12上に耐酸性樹脂を形成した後に、半導体基板11をフッ硝酸溶液中に10秒間浸漬することによって耐酸性樹脂が形成されていない部分の拡散層を除去した。その後、耐酸性樹脂を除去することによって半導体基板11の受光面側表面のみに拡散層12が形成された状態とした。
次に、上記半導体基板11の受光面側表面(拡散層12表面)にコンタクト電極13を形成した。即ち、図5に示す印刷版(スクリーン製版、開口部80μm、板厚50μm)を使用してスクリーン印刷機で半導体基板11の受光面側表面に銀を含むペーストを電極形状パターンP13の形状に印刷し、150℃で乾燥した(コンタクト電極13の形成)。なお、電極形状パターンP13では、幅aが80μm長さbが200μmの長方形の開口部Pa13をその長手方向が後で形成するフィンガー電極15の長手方向に対して平行ではなく、直交するように配置しており、更にこの開口部Pa13をフィンガー電極15の長手方向に対して直交する方向に中心ピッチ2mmの間隔で櫛歯状のフィンガー電極15に1対1で対応するようにまっすぐな破線状に配置した直線状パターンを有している。また、この直線状パターンを図中左側のスクリーン製版の端からフィンガー電極15の長手方向に13mmだけ入った位置に配置し、更にその直線状パターンに対してフィンガー電極15の長手方向に間隔L1、L2、L3を39mm、52mm、39mmとした位置に同様の直線状パターンをそれぞれ1本ずつ、計3本配置し、計4本の直線状パターンを設けた。なお、スクリーン製版の図中右側の端から13mmだけ入った位置に4本目の直線状パターンが配置されている。
続いて、プロセスガスとしてSiH4とNH4、N2を用いたプラズマCVD法により、半導体基板11の受光面表面を上記コンタクト電極13も含めて覆うように反射防止膜兼パッシベーション膜となるSiNからなる誘電体層14を厚さ80nmで形成した。次に、半導体基板11の受光面の端から0.2mmの位置にレーザー光を照射してpn分離を行った。
次に、誘電体層14上に、図6に示す印刷版を使用してスクリーン印刷機で銀を含むペーストを電極形状パターンP15及びP16の形状に印刷し、150℃で乾燥した。なお、ここで使用した印刷版はステンレスのメッシュの裏側に乳剤でコーティングした構造で、乳剤膜厚を15μmとしたものであり、フィンガー電極用の電極形状パターン(開口部)P15の線幅を50μm、ピッチを2mmとし、バスバー電極用の電極形状パターン(開口部)P16の線幅を1.5mm、ピッチを52mmとした。
次に、半導体基板11の裏面にスクリーン印刷法を用いて、銀粉末とガラスフリットを有機物バインダーで混合したペーストを用いて、裏面バスバー電極19のパターンで印刷した後にアルミニウム粉末を有機バインダーで混合したペーストをバスバー電極以外の領域にスクリーン印刷した。その後、150℃で乾燥させて、裏面電極(裏面アルミニウム電極18、裏面バスバー電極19)を形成した。
最後に、上記のように表面電極及び裏面電極が形成された半導体基板11について、焼成炉において900℃で5分間程度掛けて焼成を行った。
[実施例2]
実施例1において、n型拡散層12の形成までは実施例1と同様に行い、次いで半導体基板11の受光面側表面に実施例1と同じ電極形状パターンのコンタクト電極13を電子ビーム蒸着を利用したマスク蒸着法で形成した。ここで、電子ビーム蒸着の成膜開始到達圧力は10-4Pa、成膜温度は300℃で行った。また、高真空雰囲気の中で蒸発材料として銀を坩堝に入れ、電子ビームを坩堝内に照射し、坩堝に入っている蒸発材料を加熱蒸発させて蒸着を行った。このとき、図5に示す電極形状パターンのもの(寸法及びパターンは実施例1で使用した印刷版と同じ)をメタルマスクとして半導体基板11の受光面表面上に配置し成膜室に入れて、成膜処理を行った。コンタクト電極13となる銀の膜厚は500nmとした。
それ以降の表面電極及び裏面電極の形成工程は実施例1と同様として、上記工程を半導体基板50枚で行い、太陽電池を50枚作製した。
[実施例3]
実施例1と同じ半導体基板11をフッ硝酸溶液中に15秒間浸漬させてダメージエッチし、更に2質量%の水酸化カリウムと2質量%のイソプロピルアルコールを加えた70℃のエッチング水溶液中に5分浸してエッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させることで、半導体基板11表面にテクスチャ構造を形成した。
次に、1,000℃、3時間の熱酸化処理を行い、厚さ100nmのシリコン酸化膜を形成した。実施例1と同じ図5に示す開口パターンを有する印刷版を用いて、上記シリコン酸化膜を形成した半導体基板11の受光面側表面上のコンタクト電極形成予定部分にエッチングペーストを印刷し、450℃程度のベーク炉で8分程度焼成した。このとき、使用した印刷版は実施例1においてコンタクト電極形成用に用いたものと同じものである。
その後、洗浄して半導体基板11からエッチングペーストを除去し、更に半導体基板11を70℃のKOH水溶液に10分浸漬した。これにより、シリコン酸化膜をエッチングペーストで除去した部分のテクスチャを除去し、図5に示す開口パターンに対応する部分に微細凹凸のない平坦部を形成した。そして、半導体基板11を25質量%のフッ化水素水溶液に5分程度浸漬した後に、純水で洗浄した。
次に、半導体基板11にn型不純物元素を拡散させて拡散層12を形成する工程以降は実施例1と同様に処理し、コンタクト電極形成前までの処理を行った。
次いで、上記実施例1と同じ図4に示す開口パターンを有する印刷版を、この印刷版の開口部が上記半導体基板11の受光面側表面の微細凹凸のない平坦部に位置が合うように配置し、銀を含むペーストを印刷し、乾燥した。
それ以降の表面電極及び裏面電極工程は実施例1と同様として、上記工程を半導体基板50枚で行い、太陽電池を50枚作製した。
[比較例1]
実施例1において、コンタクト電極13の形成を省略し、それ以外は実施例1と同様にして太陽電池を50枚作製した。
[比較例2]
実施例1と同じ半導体基板11を用い、拡散層12形成までは実施例1と同様の処理を行った。
次に、上記半導体基板11の受光面側表面(拡散層12表面)にフィンガー電極15を形成した。即ち、図7に示す印刷版を使用してスクリーン印刷機で半導体基板11の受光面側表面に銀を含むペーストを電極形状パターンP15の形状に印刷し、150℃で乾燥し乾燥後900℃で5分間程度掛けて焼成した(フィンガー電極15の形成)。なお、ここで使用した印刷版はステンレスのメッシュの裏側に乳剤でコーティングした構造で、乳剤膜厚を15μmとしたものであり、フィンガー電極用の電極形状パターン(開口部)P15の線幅を50μm、ピッチを2mmとした。
引き続き、プロセスガスとしてSiH4とNH4、N2を用いたプラズマCVD法により、半導体基板11の受光面側表面をフィンガー電極15と共に反射防止膜兼パッシベーション膜となるSiNからなる厚さ80nmの誘電体層14で覆うように形成した。
次に、誘電体層14上に、図8に示す印刷版を使用してスクリーン印刷機で銀を含むペーストを電極形状パターンP16の形状に印刷し、150℃で乾燥した。なお、ここで使用した印刷版はステンレスのメッシュの裏側に乳剤でコーティングした構造で、乳剤膜厚を15μmとしたものであり、バスバー電極用の電極形状パターン(開口部)P16の線幅を1.5mm、ピッチを52mmとした。
次に、半導体基板11の裏面にスクリーン印刷法を用いて、銀粉末とガラスフリットを有機物バインダーで混合したペーストを用いて、裏面バスバー電極19のパターンで印刷した後にアルミニウム粉末を有機バインダーで混合したペーストをバスバー電極以外の領域にスクリーン印刷した。その後、150℃で乾燥させて、裏面電極を形成した。
最後に、上記のように表面電極及び裏面電極が形成された半導体基板11について、焼成炉において900℃で5分間程度掛けて焼成を行った。
上記工程を半導体基板50枚で行い、太陽電池を50枚作製した。
実施例1、2、3及び比較例1、2で得られた太陽電池を25℃の雰囲気中でソーラーシミュレーター(光強度:1kW/m2、スペクトル:AM1.5グローバル)の下で電流電圧特性を測定した。また、太陽電池の受光面側表面における割れの有無を目視で判定した。
上記実施例1、2、3及び比較例1、2の太陽電池50枚の平均短絡電流密度、平均曲線因子、平均変換効率、直列抵抗の平均値及び割れ発生頻度の結果を表1に示す。表中の数値は、実施例及び比較例で試作した太陽電池50枚の平均値である。また、割れ発生頻度は太陽電池50枚における割れ発生の割合である。
Figure 0006176195
表1において、実施例1と比較例1を比較すると、実施例1の曲線因子及び変換効率が比較例1よりもよくなっている。これは、実施例1、比較例1共に誘電体層14の上に導電性ペーストを印刷し、誘電体層14をファイヤースルーさせて半導体基板側とコンタクトを取っているが、両者では電気的な接続の確保のし易さが異なるためである。即ち、実施例1では誘電体層14の下に半導体基板11と良好に接続するコンタクト電極13を設けており、更にフィンガー電極15とコンタクト電極13とは共に導電性の金属材料を含んだ電極であるために電気的に接続し易いことから、焼成されたフィンガー電極15が誘電体層14をファイヤースルーしてコンタクト電極13と接続すると、フィンガー電極15はコンタクト電極13と容易に電気的に接続すると共に、該コンタクト電極13を介して半導体基板11の受光面表面(拡散層12)と良好なコンタクトの確保が可能である。一方、比較例1では、コンタクト電極13が存在しないために、誘電体層14をファイヤースルーしたフィンガー電極15が半導体基板11の受光面表面(拡散層12)と電気的に接続する必要があり、実施例1に比べると良好なコンタクトの確保が難しい。その結果として、実施例1では比較例1よりも半導体基板11(拡散層12)とフィンガー電極15とのコンタクト抵抗が低減し、曲線因子、変換効率が向上している。
また、コンタクト電極13の長手方向をフィンガー電極15の長手方向に対して直交する方向としたことにより、コンタクト電極13上に形成するフィンガー電極15が多少の位置ずれを起こしてもコンタクト電極13とコンタクトすることが可能となり、簡便に形成することができた。更に、フィンガー電極15と直交配置されるバスバー電極16の他に、長手方向がフィンガー電極15の長手方向と交差して点在するコンタクト電極13を備えることにより、半導体基板11の反りが低減されて基板の割れが減少し、製品歩留まりが向上した。また、半導体基板11の受光面表面がフィンガー電極15やバスバー電極16以外の領域が誘電体層14で覆われることでパッシベーション効果が得られたと考えられる。
また、マスク蒸着法によってコンタクト電極13を形成した実施例2も実施例1と同様に、半導体基板11(拡散層12)に対する受光面電極のコンタクト抵抗が低減され、曲線因子、変換効率が向上した。
更に、実施例3では、テクスチャ面においてコンタクト電極13を形成する部分を微細な凹凸のない平坦部としたことによって、微細な凹凸を形成したままの状態では電極の滲みが生じ、線幅が太くなり易かった問題が改善されて受光面積を増やすことが可能となった。そして、平坦な領域に精度よく電極を形成でき、かつ断線が起こり難くなった。受光面積の増加により、シャドーロスが減り、太陽光を多く取り込めることで変換効率が向上した。
なお、比較例2は、曲線因子及び変換効率に関して比較例1よりも改善されているが、基板の割れ発生頻度は比較例1と同程度である。実施例1〜3は、曲線因子及び変換効率を改善しつつ、基板の割れを抑制し、製品歩留まりを向上させることができる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10、90 太陽電池
11、91 半導体基板
12、92 拡散層
13 コンタクト電極
13a、15a、18a ペースト印刷層
14、94 誘電体層(反射防止膜兼パッシベーション膜)
15、95 フィンガー電極
16、96 受光面バスバー電極
17、97 BSF層
18、98 裏面アルミニウム電極
19、99 裏面バスバー電極
P13、P15、P16 電極形状パターン
Pa13 開口部

Claims (5)

  1. pn接合されて受光面表面に拡散層が形成された半導体基板と、上記拡散層上に互いに所定間隔離間して点在するように形成された複数のコンタクト電極と、上記拡散層及びコンタクト電極を覆って形成された誘電体層と、この誘電体層上に形成されると共にファイヤースルーにより誘電体層を貫通して上記複数のコンタクト電極と接続するフィンガー電極とを備え、上記複数のコンタクト電極は、上記各フィンガー電極の長手方向に対して直交する方向に直線状に配列されていることを特徴とする太陽電池。
  2. 上記1つのコンタクト電極は1本のフィンガー電極と接続する共に、1本のフィンガー電極には複数のコンタクト電極が接続している請求項1記載の太陽電池。
  3. 上記複数のコンタクト電極は、上記フィンガー電極の長手方向に等間隔に離間して配置されている請求項1又は2記載の太陽電池。
  4. 上記コンタクト電極の形状は、上記フィンガー電極の幅よりも大きい四角形又は楕円形を有している請求項1〜3のいずれか1項記載の太陽電池。
  5. 上記受光面電極は、更に複数のフィンガー電極と交差して電気的に接続するバスバー電極を少なくとも1本有しており、上記コンタクト電極はバスバー電極と重ならないように配置されている請求項1〜4のいずれか1項記載の太陽電池
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