JP6176195B2 - 太陽電池 - Google Patents
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Description
〔1〕 pn接合されて受光面表面に拡散層が形成された半導体基板と、上記拡散層上に互いに所定間隔離間して点在するように形成された複数のコンタクト電極と、上記拡散層及びコンタクト電極を覆って形成された誘電体層と、この誘電体層上に形成されると共にファイヤースルーにより誘電体層を貫通して上記複数のコンタクト電極と接続するフィンガー電極とを備え、上記複数のコンタクト電極は、上記各フィンガー電極の長手方向に対して直交する方向に直線状に配列されていることを特徴とする太陽電池。
〔2〕 上記1つのコンタクト電極は1本のフィンガー電極と接続する共に、1本のフィンガー電極には複数のコンタクト電極が接続している〔1〕記載の太陽電池。
〔3〕 上記複数のコンタクト電極は、上記フィンガー電極の長手方向に等間隔に離間して配置されている〔1〕又は〔2〕記載の太陽電池。
〔4〕 上記コンタクト電極の形状は、上記フィンガー電極の幅よりも大きい四角形又は楕円形を有している〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池。
〔5〕 上記受光面電極は、更に複数のフィンガー電極と交差して電気的に接続するバスバー電極を少なくとも1本有しており、上記コンタクト電極はバスバー電極と重ならないように配置されている〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の太陽電池。
(太陽電池)
図1は、本発明に係る太陽電池の構成を示す上面図であり、図2は、図1におけるA−A断面図、図3は、図1におけるB−B断面図である。
本発明に係る太陽電池10は、図1〜図3に示すように、pn接合されて受光面表面に拡散層12が形成された半導体基板11と、上記拡散層12上に互いに所定間隔離間して点在するように形成された複数のコンタクト電極13と、上記拡散層12及びコンタクト電極13を覆って形成された誘電体層14と、この誘電体層14上に形成されると共にファイヤースルーにより誘電体層14を貫通して上記複数のコンタクト電極13と接続するフィンガー電極15とを備える。また、コンタクト電極13はフィンガー電極15からはみ出している部分を有し、このはみ出している部分が上記誘電体層14で覆われている。
しかしながら、太陽電池の基板は通常シリコン(Si)が用いられ、また電極材料としてはAl、Ag等が用いられているが、太陽電池の基板は、導電性ペーストを印刷して焼結させると、シリコン基板とAlやAg等の電極材料の収縮率の違いにより反りが発生し、基板に割れが生じることが問題であった。
本発明では、コンタクト電極13を上記のように配置することによりこの問題を解決する。即ち、フィンガー電極15と直交するバスバー電極16の他に、フィンガー電極15と交わるコンタクト電極13を上記のように半導体基板11の受光面表面に点在するパターンで備えることにより、半導体基板11の反りが低減されて基板の割れが減少し、製品歩留まりが向上する。
バスバー電極16は、フィンガー電極15と同様に、導電性ペーストを印刷し、焼成して形成するとよい。
次に、本発明に係る太陽電池の製造方法について図面を参照して以下に説明する。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、上述した本発明の太陽電池の製造方法であって、例えば、図4に示す製造工程に従って製造するものである。なお、図4では、図1に示す太陽電池のA−A断面の構成を示している。以下、図4に示す工程に従って説明する。
高純度シリコンにボロンのようなIII族元素をドープし、比抵抗0.1〜4Ω・cmとしたアズカット単結晶{100}p型シリコン基板表面のスライスダメージを、濃度5〜60質量%の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような高濃度のアルカリもしくはフッ化水素酸と硝酸の混酸の混合液などを用いて厚さとして10〜20μm程度エッチングして除去する。なお、本発明で用いる半導体基板の形状は特に限定されず、矩形、円形のいずれでもよいが、例えば大きさは100〜150mm角、厚さは0.05〜0.3mmの板状のものがよく用いられる。ここでは、p型単結晶シリコン基板であるp型半導体基板11を用いる例を説明する。
引き続き、半導体基板11の少なくとも受光面となる表面にテクスチャと呼ばれる微小な凹凸構造の形成を行う(図4では凹凸表示省略)。テクスチャは太陽電池の受光面において光の多重反射を生じさせ、光を閉じ込めて効率よく半導体基板内に導き、光が戻らなくなるようにするので実効的に反射率が低下し、変換効率が向上する。テクスチャは、半導体基板11を加熱した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ溶液(濃度1〜10質量%、温度60〜100℃)中に10〜30分間程度浸漬することで形成される。上記溶液中に、所定量の2−プロパノールを溶解させ、反応を促進させることが多い。テクスチャ形成は、表面のエッチングを行っていることになるため、前記ダメージエッチングの代用とすることも可能である。
その後、後述する拡散層12を形成した後、テクスチャ面の上記微細凹凸を除去した部分に後述する方法でコンタクト電極13を形成する。
次いで、半導体基板11の受光面側表面に基板の導電型とは逆の導電型の拡散層12を形成する(ここまで、図4(a))。
例えば、POCl3等を含む850〜1,000℃の高温ガス中に半導体基板11を設置し、半導体基板11の全面にリン等のn型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が30〜300Ω/□程度のn型の拡散層12を半導体基板11の受光面側表面に形成する。このとき、半導体基板11の両面および端面にもn型拡散層12が形成されることがあるが、必要な拡散層12の表面を耐酸性樹脂で被覆した後、その半導体基板11をフッ硝酸溶液中に浸漬することによって、不要なn型拡散層を除去するとよい。その後、熱拡散で形成されたリンガラスを数質量%のフッ化水素酸水溶液に数分浸漬して除去し、純水で洗浄する。
あるいは、半導体基板11の受光面表面に基板11の導電型と逆の導電型となる拡散源(P、As、Sb等のドーパント)を含む拡散剤、例えばリンやアンチモン等を含有する材料を塗布し乾燥させることで拡散剤塗布層を形成し、800〜1,000℃で30分〜1時間程度の熱処理を施すことで、この表面にn型の拡散層12を形成するようにしてもよい。
次いで、半導体基板11の拡散層12上に互いを所定間隔離間したコンタクト電極13を点在させて形成する(図4(b))。
例えば、図5に示す電極形状パターンP13のように、印刷版面に開口部Pa13を点在させて形成した印刷版を用いたスクリーン印刷法によって拡散層12上に導電性ペーストを印刷してコンタクト電極13を形成することが好ましい。本工程で使用する導電性ペーストは拡散層12との電気的接続が確保できるものであればよい。
次いで、半導体基板11の受光面側表面の拡散層12及びペースト印刷層13a(又はコンタクト電極13)を覆うように反射防止膜兼パッシベーション膜である誘電体層14を形成する(図4(c))。
誘電体層14は、例えばSiNなどからなり、例えばSiH4とNH4との混合ガスをN2で希釈し、グロー放電分解でプラズマ化されて堆積させるプラズマCVD法などで形成する。このとき、誘電体層14は、反射防止膜として、p型シリコン基板からなる半導体基板11との屈折率が1.8〜2.3程度になるように形成され、約70〜100nm程度の厚みに形成される。この誘電体層14により半導体基板11の表面で光が反射するのを防止して、半導体基板11内に光を有効に取り込むことができる。また、SiNからなる誘電体層14は、拡散層12に対してパッシベーション効果があるパッシベーション膜としても機能し、反射防止の機能と併せて、太陽電池の電気特性を向上させる効果がある。
次いで、半導体基板11の受光面側表面の誘電体層14上に、図6に示す電極形状パターンP15及びP16を有する印刷版を用いて導電性ペーストをスクリーン印刷する(図4(d))。本工程で使用する導電性ペーストは誘電体層14をファイヤースルーする機能を有する銀を含むペーストである。
また、電極形状パターンP16は、フィンガー電極の長手方向と直交して接続するバスバー電極を形成するための開口パターンであり、例えば電幅1〜1.5mmで形成される本数に応じてフィンガー電極の長手方向に均等に配置される開口パターンとするとよい。
まず、例えばアルミニウム、ガラスフリット及びワニスなどを含む導電性ペーストを用いて図11の裏面バスバー電極99のような電極形状パターンを有する印刷版を用いてスクリーン印刷し、次いでアルミニウム粉末を有機バインダーで混合したペーストを上記裏面バスバー電極となる印刷層以外の領域に印刷し、その後、150〜200℃程度で乾燥させる。この段階ではまだ最終的な電極の状態になっていないことから、図4(e)においては裏面アルミニウム電極18となる印刷層であるペースト印刷層18aと表記する(裏面バスバー電極19となる印刷層であるペースト印刷層19aは不図示)。
なお、ここまでの表面電極(フィンガー電極15及びバスバー電極16)となるペーススト印刷層15a、16aの形成と、裏面アルミニウム電極18及び裏面バスバー電極19となるペースト印刷層18a、19aの形成順序は逆でも構わない。
また、裏面側では、ペースト印刷層18aが焼成されてBSF(Back Surface Field)層17とアルミニウム電極18が形成され、ペースト印刷層19aが焼成されて裏面バスバー電極19となる。
本発明の有効性を確認するために、以下の工程を半導体基板50枚について行い、図1〜図3に示す構成の太陽電池を50枚作製した。
まず、結晶面方位<100>、15.65cm角、200μm厚、アズスライス比抵抗2Ω・cm、ボロンドープp型シリコン基板をフッ硝酸溶液中に15秒間浸漬させてダメージエッチし、更に2質量%の水酸化カリウムと2質量%のイソプロピルアルコールを加えた70℃のエッチング水溶液中に5分間浸してエッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させることで半導体基板11表面にテクスチャ構造を形成した。
次いで、上記半導体基板11に対して、POCl3ガス雰囲気において850℃の温度で30分間熱処理を行うことでn型の拡散層12を形成した。その後、拡散層12上に耐酸性樹脂を形成した後に、半導体基板11をフッ硝酸溶液中に10秒間浸漬することによって耐酸性樹脂が形成されていない部分の拡散層を除去した。その後、耐酸性樹脂を除去することによって半導体基板11の受光面側表面のみに拡散層12が形成された状態とした。
次に、上記半導体基板11の受光面側表面(拡散層12表面)にコンタクト電極13を形成した。即ち、図5に示す印刷版(スクリーン製版、開口部80μm、板厚50μm)を使用してスクリーン印刷機で半導体基板11の受光面側表面に銀を含むペーストを電極形状パターンP13の形状に印刷し、150℃で乾燥した(コンタクト電極13の形成)。なお、電極形状パターンP13では、幅aが80μm長さbが200μmの長方形の開口部Pa13をその長手方向が後で形成するフィンガー電極15の長手方向に対して平行ではなく、直交するように配置しており、更にこの開口部Pa13をフィンガー電極15の長手方向に対して直交する方向に中心ピッチ2mmの間隔で櫛歯状のフィンガー電極15に1対1で対応するようにまっすぐな破線状に配置した直線状パターンを有している。また、この直線状パターンを図中左側のスクリーン製版の端からフィンガー電極15の長手方向に13mmだけ入った位置に配置し、更にその直線状パターンに対してフィンガー電極15の長手方向に間隔L1、L2、L3を39mm、52mm、39mmとした位置に同様の直線状パターンをそれぞれ1本ずつ、計3本配置し、計4本の直線状パターンを設けた。なお、スクリーン製版の図中右側の端から13mmだけ入った位置に4本目の直線状パターンが配置されている。
続いて、プロセスガスとしてSiH4とNH4、N2を用いたプラズマCVD法により、半導体基板11の受光面表面を上記コンタクト電極13も含めて覆うように反射防止膜兼パッシベーション膜となるSiNからなる誘電体層14を厚さ80nmで形成した。次に、半導体基板11の受光面の端から0.2mmの位置にレーザー光を照射してpn分離を行った。
次に、誘電体層14上に、図6に示す印刷版を使用してスクリーン印刷機で銀を含むペーストを電極形状パターンP15及びP16の形状に印刷し、150℃で乾燥した。なお、ここで使用した印刷版はステンレスのメッシュの裏側に乳剤でコーティングした構造で、乳剤膜厚を15μmとしたものであり、フィンガー電極用の電極形状パターン(開口部)P15の線幅を50μm、ピッチを2mmとし、バスバー電極用の電極形状パターン(開口部)P16の線幅を1.5mm、ピッチを52mmとした。
次に、半導体基板11の裏面にスクリーン印刷法を用いて、銀粉末とガラスフリットを有機物バインダーで混合したペーストを用いて、裏面バスバー電極19のパターンで印刷した後にアルミニウム粉末を有機バインダーで混合したペーストをバスバー電極以外の領域にスクリーン印刷した。その後、150℃で乾燥させて、裏面電極(裏面アルミニウム電極18、裏面バスバー電極19)を形成した。
最後に、上記のように表面電極及び裏面電極が形成された半導体基板11について、焼成炉において900℃で5分間程度掛けて焼成を行った。
実施例1において、n型拡散層12の形成までは実施例1と同様に行い、次いで半導体基板11の受光面側表面に実施例1と同じ電極形状パターンのコンタクト電極13を電子ビーム蒸着を利用したマスク蒸着法で形成した。ここで、電子ビーム蒸着の成膜開始到達圧力は10-4Pa、成膜温度は300℃で行った。また、高真空雰囲気の中で蒸発材料として銀を坩堝に入れ、電子ビームを坩堝内に照射し、坩堝に入っている蒸発材料を加熱蒸発させて蒸着を行った。このとき、図5に示す電極形状パターンのもの(寸法及びパターンは実施例1で使用した印刷版と同じ)をメタルマスクとして半導体基板11の受光面表面上に配置し成膜室に入れて、成膜処理を行った。コンタクト電極13となる銀の膜厚は500nmとした。
それ以降の表面電極及び裏面電極の形成工程は実施例1と同様として、上記工程を半導体基板50枚で行い、太陽電池を50枚作製した。
実施例1と同じ半導体基板11をフッ硝酸溶液中に15秒間浸漬させてダメージエッチし、更に2質量%の水酸化カリウムと2質量%のイソプロピルアルコールを加えた70℃のエッチング水溶液中に5分浸してエッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させることで、半導体基板11表面にテクスチャ構造を形成した。
次に、1,000℃、3時間の熱酸化処理を行い、厚さ100nmのシリコン酸化膜を形成した。実施例1と同じ図5に示す開口パターンを有する印刷版を用いて、上記シリコン酸化膜を形成した半導体基板11の受光面側表面上のコンタクト電極形成予定部分にエッチングペーストを印刷し、450℃程度のベーク炉で8分程度焼成した。このとき、使用した印刷版は実施例1においてコンタクト電極形成用に用いたものと同じものである。
その後、洗浄して半導体基板11からエッチングペーストを除去し、更に半導体基板11を70℃のKOH水溶液に10分浸漬した。これにより、シリコン酸化膜をエッチングペーストで除去した部分のテクスチャを除去し、図5に示す開口パターンに対応する部分に微細凹凸のない平坦部を形成した。そして、半導体基板11を25質量%のフッ化水素水溶液に5分程度浸漬した後に、純水で洗浄した。
次に、半導体基板11にn型不純物元素を拡散させて拡散層12を形成する工程以降は実施例1と同様に処理し、コンタクト電極形成前までの処理を行った。
次いで、上記実施例1と同じ図4に示す開口パターンを有する印刷版を、この印刷版の開口部が上記半導体基板11の受光面側表面の微細凹凸のない平坦部に位置が合うように配置し、銀を含むペーストを印刷し、乾燥した。
それ以降の表面電極及び裏面電極工程は実施例1と同様として、上記工程を半導体基板50枚で行い、太陽電池を50枚作製した。
実施例1において、コンタクト電極13の形成を省略し、それ以外は実施例1と同様にして太陽電池を50枚作製した。
実施例1と同じ半導体基板11を用い、拡散層12形成までは実施例1と同様の処理を行った。
次に、上記半導体基板11の受光面側表面(拡散層12表面)にフィンガー電極15を形成した。即ち、図7に示す印刷版を使用してスクリーン印刷機で半導体基板11の受光面側表面に銀を含むペーストを電極形状パターンP15の形状に印刷し、150℃で乾燥し乾燥後900℃で5分間程度掛けて焼成した(フィンガー電極15の形成)。なお、ここで使用した印刷版はステンレスのメッシュの裏側に乳剤でコーティングした構造で、乳剤膜厚を15μmとしたものであり、フィンガー電極用の電極形状パターン(開口部)P15の線幅を50μm、ピッチを2mmとした。
引き続き、プロセスガスとしてSiH4とNH4、N2を用いたプラズマCVD法により、半導体基板11の受光面側表面をフィンガー電極15と共に反射防止膜兼パッシベーション膜となるSiNからなる厚さ80nmの誘電体層14で覆うように形成した。
次に、誘電体層14上に、図8に示す印刷版を使用してスクリーン印刷機で銀を含むペーストを電極形状パターンP16の形状に印刷し、150℃で乾燥した。なお、ここで使用した印刷版はステンレスのメッシュの裏側に乳剤でコーティングした構造で、乳剤膜厚を15μmとしたものであり、バスバー電極用の電極形状パターン(開口部)P16の線幅を1.5mm、ピッチを52mmとした。
次に、半導体基板11の裏面にスクリーン印刷法を用いて、銀粉末とガラスフリットを有機物バインダーで混合したペーストを用いて、裏面バスバー電極19のパターンで印刷した後にアルミニウム粉末を有機バインダーで混合したペーストをバスバー電極以外の領域にスクリーン印刷した。その後、150℃で乾燥させて、裏面電極を形成した。
最後に、上記のように表面電極及び裏面電極が形成された半導体基板11について、焼成炉において900℃で5分間程度掛けて焼成を行った。
上記工程を半導体基板50枚で行い、太陽電池を50枚作製した。
上記実施例1、2、3及び比較例1、2の太陽電池50枚の平均短絡電流密度、平均曲線因子、平均変換効率、直列抵抗の平均値及び割れ発生頻度の結果を表1に示す。表中の数値は、実施例及び比較例で試作した太陽電池50枚の平均値である。また、割れ発生頻度は太陽電池50枚における割れ発生の割合である。
また、コンタクト電極13の長手方向をフィンガー電極15の長手方向に対して直交する方向としたことにより、コンタクト電極13上に形成するフィンガー電極15が多少の位置ずれを起こしてもコンタクト電極13とコンタクトすることが可能となり、簡便に形成することができた。更に、フィンガー電極15と直交配置されるバスバー電極16の他に、長手方向がフィンガー電極15の長手方向と交差して点在するコンタクト電極13を備えることにより、半導体基板11の反りが低減されて基板の割れが減少し、製品歩留まりが向上した。また、半導体基板11の受光面表面がフィンガー電極15やバスバー電極16以外の領域が誘電体層14で覆われることでパッシベーション効果が得られたと考えられる。
また、マスク蒸着法によってコンタクト電極13を形成した実施例2も実施例1と同様に、半導体基板11(拡散層12)に対する受光面電極のコンタクト抵抗が低減され、曲線因子、変換効率が向上した。
更に、実施例3では、テクスチャ面においてコンタクト電極13を形成する部分を微細な凹凸のない平坦部としたことによって、微細な凹凸を形成したままの状態では電極の滲みが生じ、線幅が太くなり易かった問題が改善されて受光面積を増やすことが可能となった。そして、平坦な領域に精度よく電極を形成でき、かつ断線が起こり難くなった。受光面積の増加により、シャドーロスが減り、太陽光を多く取り込めることで変換効率が向上した。
なお、比較例2は、曲線因子及び変換効率に関して比較例1よりも改善されているが、基板の割れ発生頻度は比較例1と同程度である。実施例1〜3は、曲線因子及び変換効率を改善しつつ、基板の割れを抑制し、製品歩留まりを向上させることができる。
11、91 半導体基板
12、92 拡散層
13 コンタクト電極
13a、15a、18a ペースト印刷層
14、94 誘電体層(反射防止膜兼パッシベーション膜)
15、95 フィンガー電極
16、96 受光面バスバー電極
17、97 BSF層
18、98 裏面アルミニウム電極
19、99 裏面バスバー電極
P13、P15、P16 電極形状パターン
Pa13 開口部
Claims (5)
- pn接合されて受光面表面に拡散層が形成された半導体基板と、上記拡散層上に互いに所定間隔離間して点在するように形成された複数のコンタクト電極と、上記拡散層及びコンタクト電極を覆って形成された誘電体層と、この誘電体層上に形成されると共にファイヤースルーにより誘電体層を貫通して上記複数のコンタクト電極と接続するフィンガー電極とを備え、上記複数のコンタクト電極は、上記各フィンガー電極の長手方向に対して直交する方向に直線状に配列されていることを特徴とする太陽電池。
- 上記1つのコンタクト電極は1本のフィンガー電極と接続する共に、1本のフィンガー電極には複数のコンタクト電極が接続している請求項1記載の太陽電池。
- 上記複数のコンタクト電極は、上記フィンガー電極の長手方向に等間隔に離間して配置されている請求項1又は2記載の太陽電池。
- 上記コンタクト電極の形状は、上記フィンガー電極の幅よりも大きい四角形又は楕円形を有している請求項1〜3のいずれか1項記載の太陽電池。
- 上記受光面電極は、更に複数のフィンガー電極と交差して電気的に接続するバスバー電極を少なくとも1本有しており、上記コンタクト電極はバスバー電極と重ならないように配置されている請求項1〜4のいずれか1項記載の太陽電池。
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