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JP6175722B2 - 水栓装置 - Google Patents

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Description

本発明は吐水口の下側の物体を検知して吐水を行う水栓装置に関する。
特許文献1には、吐水口の下方に差し出された手を人体検知センサーにより検知してこの検知の間だけ自動で吐水を行う自動水栓が開示されている。
特開2007−154587号公報(段落0002)
ところで、前記自動吐水の制御にあっては、例えば人体検知センサーが太陽光や洗い物途中でシンク内に置きっ放しにした皿等を誤検知し、これにより水栓の誤作動を招く恐れがある。そこで、例えば人体検知センサーによって吐水口の下側に物体が検知している状態でのみ吐水を行う自動吐水モードを備え、この自動吐水モードの入切を操作部の操作により切り替え可能とすることが考えられる。しかし、このようにすると、利用者は自動吐水モードに移行する際に操作部を手で触る必要がある。このため、利用者の手が油や洗剤等で汚れていたり水で濡れていたりすると、操作部に油や洗剤、水等が付着する可能性がある。また、利用者は自動吐水モードを「入り」にする操作が煩わしいと感じる可能性もある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、自動吐水モードを備えたものにおいてセンサーの誤検知による誤作動を抑制でき、利用者の手によって吐水部に汚れや水が付着し難く、且つ自動吐水モードに容易に移行することができる水栓装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の水栓装置は、下側に向けて水を吐出する吐水口が設けられた吐水部と、前記吐水口の下側の検知エリアに物体が存在するか否かを非接触で検知する物体検知手段とを備え、前記物体検知手段によって前記検知エリアの物体の存在を検知している状態では前記吐水口から水を吐出し、前記物体検知手段によって前記検知エリアの物体の存在を検知していない状態では前記吐水口からの吐水を停止する自動吐水モードを備えた水栓装置であって、利用者が位置する側となる前記吐水部の前側を検知領域としてこの吐水部の前側の検知領域に人体が存在するか否かを非接触で検知する人体検知センサーと、前記人体検知センサーによって前記検知領域に人体が存在することを検知した際に前記自動吐水モードに移行し、前記人体検知センサーによって前記検知領域に人体が存在していることを検知していない状態で前記自動吐水モードを切りにする制御部とを備え、前記吐水部は、前記吐水部が設けられる設置箇所に対して固定され、この設置箇所から立ち上がるベースと、前記ベースに対して回動自在に設けられ、先端部に前記吐水口が設けられたスパウトを有し、前記人体検知センサーが前記ベースに設けられて、前記人体検知センサーの検知領域が前記スパウトの回動位置によらず前記吐水部の前側に設定され、前記物体検知手段はセンサーを有し、前記センサーは、投光部と、この投光部から照射された後、反射物で反射した照射光を受光する受光部とを有して、前記受光部の受光量の変化を検出するセンサーであり、前記投光部が前記スパウトに設けられたことを特徴とする。
本発明では、自動吐水モードを備え、この自動吐水モードを「切り」に切り替えることができる。このため、物体検知手段の誤検知に伴う誤作動を生じ難くすることができる。また、利用者がセンサーの検知領域である吐水部の前側の領域に移動するだけで、自動吐水モードは「入り」になる。このため、利用者は自動吐水モードに移行する際に吐水部に触れる必要がなく、利用者の手に付いた油や洗剤、水等が吐水部に付着し難くなる。また、利用者は自動吐水モードに移行するにあたって、煩わしい動作をする必要がない。
本発明の実施形態の水栓装置を設けた流し台の斜視図である。 同上のセンサーの投光領域及び受光領域を示す斜視図である。 同上の水栓装置のシステム構成図である。 同上の自動吐水モードにおけるセンサーの照射光の様子を示した説明図であり、(a)は第一センサーの照射光の様子を示し、(b)は第二センサーの照射光の様子を示し、(c)は第三センサーの照射光の様子を示している。 他の実施形態の水栓装置を設けた流し台の斜視図である。
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1には本実施形態の水栓装置1が設けられた流し台2が示されている。なお、以下では水栓装置1を流し台2に設置した状態における方向を基準にして説明し、流し台2から見て利用者が立つ側を前方として説明する。
流し台2の上部には、流し台2の上方に開口するシンク20が設けられている。シンク20の底部上面は略水平である。水栓装置1は流し台2の上方よりシンク20に水を吐出するものであって、この水はシンク20の底部によって受けられる。すなわち、シンク20の底部は水栓装置1から吐出された水を受ける水受部を構成する。利用者は前記シンク20に吐出された水を利用してシンク20内で食器や調理器具、食材等の被洗浄物を洗浄できるようになっている。
図3に示されるように水栓装置1が備える吐水系統は、シンク20に水を吐出する吐水部3、吐水部3に水を供給する水供給路4、及び水供給路4に設けられた弁5を有している。また、水栓装置1はセンサー60〜63及び制御部7を備えている。
水栓装置1の本体を構成する吐水部3は、図1に示されるようにシンク20の後方の流し台2の上面部に設けられている。吐水部3は、流し台2の上面から立ち上がる縦長のベース30と、ベース30の上端面から立ち上がるスパウト31を有している。なお、図示例の吐水部3は流し台2の上面に設けられているが、その他の箇所、例えばシンク20の上端部より後方に突出したフランジ部上等に設けられてもよい。
ベース30は吐水部3の突出基部を構成している。ベース30は流し台2に対して固定的に設けられている。スパウト31の基端部は、ベース30の上面部に対して縦軸回りに回動自在に設けられている。これにより、本実施形態のスパウト31はベース30に回動自在に設けられている。そして、これにより、スパウト31は吐水部3が設けられる箇所である流し台2の上面部に対して相対的に左右に回動自在となっている。また、スパウト31の前記回動範囲は、例えば吐水口310が平面視でベース30の前側に位置する限られた範囲に設定されている。なお、以下では、特に記載した場合を除き、スパウト31を平面視でベース30から前方に突出させたとき(すなわち、図1に示される状態)の方向を基準にして説明する。
スパウト31は側面視逆U字状に湾曲した管状に形成されており、ベース30から上方に突出した後に前側において下方に折り返されている。スパウト31の先端部はベース30の前側で且つシンク20の上方に位置している。このスパウト31の先端部には、下方に開口する吐水口310が設けられている。
吐水部3の内部には吐水口310に水を供給する吐水路(不図示)が形成されている。図3に示される水供給路4は流し台2の内部に設けられている。図示は省略するが、水供給路4の上流側には給水源を構成する水道管及び給湯器が接続されている。また、水供給路4の下流端は吐水部3の前記吐水路の上流端に接続されている。前記水道管の水と前記給湯器で生成された湯は混合され、この混合水は水供給路4から前記吐水路を介して吐水口310に供給される。この水は吐水口310から下方のシンク20に吐出されるようになっている。
弁5は電磁弁であって、開閉することで水供給路4に供給された水を吐水口310に供給するか否かを切り替えられるようになっている。すなわち、弁5は吐水口310からの吐水の有無を切り替える吐水切替手段を構成している。
水栓装置1は吐水モードとして自動吐水モード(節水モード)を備えている。自動吐水モードでは、常時又は間欠的に吐水口310の下側の検知エリア65(吐水領域)に手や皿等の物体が存在するか否かが検知される。そして、検知エリア65に物体が存在する場合には自動で吐水状態とされ、検知エリア65に物体が存在しない場合には自動で吐水停止状態とされる。すなわち、自動吐水モードでは吐水口310下側の検知エリア65に物体が存在する場合にのみ吐水口310から水が吐出される。
図2に示されるようにセンサー60〜63は吐水部3に設けられている。このうちセンサー60〜62は自動吐水モードにおける弁5の制御に用いられる。図2には各センサー60〜62の投光領域や受光領域が二点鎖線で示されている。これらセンサー60〜62により、自動吐水モードにおいて、吐水口310の下側の検知エリア65に物体が存在するか否かを非接触で検知する物体検知手段が構成されている。この物体検知手段の検知エリア65は吐水口310とシンク20の底部の間における上部である。そして、物体検知手段は検知エリア65に物体が存在するか否かを検知する。なお、ここで言う物体には、人体の一部の他、食器や調理器具、食材等も含まれる。以下、センサー60〜62を区別するため、センサー60を第一センサー60、センサー61を第二センサー61、センサー62を第三センサー62と記載する場合がある。
第一センサー60は、三角測距方式で対象物までの距離を測定する測距センサーであって、詳しくは測距反射型光電センサー(距離設定型光電センサー)である。第一センサー60は、第一投光部600(図2参照)と第一受光部601(図4(a)参照)を有している。第一投光部600及び第一受光部601はベース30に設けられている。
第一投光部600は、照射光として赤外線又は可視光を照射する投光素子で構成されている。第一投光部600の光照射方向は、検知エリア65及びシンク20の底部のある前斜め下方に設定されている。このため、第一投光部600から照射した光は、検知エリア65を通過してシンク20の底部の上面に到達するように設定されている。
第一受光部601は、位置検出素子(例えばPSD(Position Sensiteive Detector)で構成されており、検知エリア65及びシンク20の底部上面から来た光を受けるように設定されている。第一投光部600から照射された光は、検知エリア65に存在する物体やシンク20の底部等の対象物で反射した後、第一受光部601に到達するように設定されている。
図4(a)に二点鎖線で示されるように、検知エリア65に物体が存在する場合、第一投光部600から照射された光は、物体で反射した後に矢印a1で示されるように第一受光部601に到達する。この時、第一受光部601には第一投光部600側の位置に光スポットが形成される。他方、検知エリア65に物体が存在しない場合、第一投光部600から照射した光は、シンク20の底部の上面で反射した後に矢印a2で示されるように第一受光部601に到達する。このとき、第一受光部601には第一投光部600から離れた位置に光スポットが形成される。すなわち、第一受光部601に形成される光スポットの位置は、第一投光部600から対象物までの距離に応じて変化する。従って、第一センサー60は、第一受光部601に形成された光スポットの位置を検出し、これにより対象物までの距離を測定することができる。
第二センサー61は限定反射型光電センサーで構成されている。限定反射型光電センサーは、強い受光出力を得るために投受光の指向角度を小さくしたものである。また、限定反射型光電センサーは、投光軸と受光軸が比較的大きな角度で交差する。このため、限定反射型光電センサーの動作領域は、投光光芒と受光光芒が交差する限られた距離範囲のみの領域(限定領域)に限定されている。
第二センサー61は、図2に示される第二投光部610と第二受光部611を有している。スパウト31の先端部にはセンサー設置部32が設けられている。センサー設置部32は逆U字状のスパウト31の下方に折り返した前部から後方に突出して設けられている。第二投光部610はセンサー設置部32に設けられている。第二投光部610は、照射光としての赤外線又は可視光線を下方に向けて照射する投光素子で構成されている。
第二受光部611は受光素子で構成されている。第二受光部611は吐水部3のベース30に設けられている。第二受光部611は、第二投光部610の後側に位置する。第二受光部611の受光方向はシンク20の底部のある前斜め下方に設定されている。このため、第二投光部610から照射された光は、シンク20の底部の上面で反射した後、第二受光部611に到達するようになっている。
第二投光部610の投光軸と第二受光部611の受光軸は、概ねシンク20の底部の上面で交差するように設定されている。すなわち、第二センサー61の動作領域は第二投光部610から見て検知エリア65よりも遠方となるシンク20底部の上面付近に限定されている。また、第二投光部610の照射光は検知エリア65を通過して反射物であるシンク20の底部の上面で反射し、この後、第二受光部611側に進行するように設定されている。
図4(b)に二点鎖線で示されるように、検知エリア65に物体が存在する場合、第二投光部610から照射された光は物体によって遮られ、シンク20の底部の上面に到達し難い。このため、第二受光部611には第二投光部610の照射光が到達し難くなる。他方、検知エリア65に物体が存在しない場合、第二投光部610の照射光は、検知エリア65を通過してシンク20の底部に至る。このため、当該照射光は、底部において矢印a3に示す方向に反射して第二受光部611に到達し易くなっている。すなわち、第二センサー61は、第二受光部611の受光量の変化を検出することにより、検知エリア65における物体の有無を区別できる。
第三センサー62は第二センサー61と同様に限定反射型光電センサーで構成されている。第三センサー62は、図2に示される第三投光部620と第三受光部621を有している。第三投光部620はセンサー設置部32に設けられている。第三投光部620は第二投光部610の後方に位置している。
第三投光部620は、照射光である赤外線又は可視光線を前斜め下方に向けて照射する投光素子で構成されている。第三投光部620の照射光は、検知エリア65を通過し、シンク20の底部上面において、第二投光部610の照射光が照射される領域の前側に当該領域と一部重複して照射するように設定されている。
第三受光部621は第三投光部620の照射光を受ける受光素子で構成されている。第三受光部621は吐水部3のベース30に設けられている。第三受光部621は第三投光部620の後側に位置する。第三受光部621の受光方向は検知エリア65のある前斜め下方に設定されている。
第三投光部620の投光軸と第三受光部621の受光軸は、検知エリア65で交差するように設定されている。すなわち、第三センサー62の動作領域(検知領域)は検知エリア65に限定され、検知エリア65に存在する物体を反射物体として第三投光部620から照射された照射光が第三受光部621側に反射するように設定されている。
図4(c)に二点鎖線で示されるように、検知エリア65に物体が存在する場合、第三投光部620から照射された光は、矢印a4に示されるように物体で反射する。このため、第三受光部621には当該照射光が到達し易い。一方、検知エリア65に物体が存在しない場合、第三投光部620から照射した照射光は、検知エリア65を通過してシンク20の底部に至る。このため、第三受光部621には第三投光部620から照射した照射光が到達し難い。すなわち、第三センサー62は第三受光部621の受光量の変化を検出することで、検知エリア65における物体の有無を区別できるようになっている。
制御部7は、自動吐水モードが「入り」(ON)であるときに、常時または間欠的に、第一投光部600からシンク20の底部に向けて光を照射し、同時に第一受光部601の出力から得た測定結果を監視する。また、制御部7は、自動吐水モードが「入り」であるときに、前記第一投光部600からの光照射と同時に又は極短時間ずらして、第二投光部610からシンク20の底部に向けて光を照射し、同時に第二受光部611の受光の出力を監視する。また、制御部7は、自動吐水モードが「入り」であるときに、前記第二投光部610からの光照射と同時に又は極短時間ずらして、第三投光部620から検知エリア65に向けて光を照射し、同時に第三受光部621の受光の出力を監視する。そして、制御部7は、自動吐水モードが「入り」であるときに、前記第一センサー60により測定した対象物までの距離、及び第二受光部611の受光の出力並びに第三受光部621の受光の出力に基づき、検知エリア65における物体の有無を判定する。なお、自動吐水モード以外の利用時にあっては、前記センサー60〜62による物体の検知は行われない。
表1に制御部7による検知エリア65における物体の有無の判定基準を示す。
Figure 0006175722
表1における「有」は、センサー60〜62がその検知エリア65に物体が有る場合の出力値を示したときの状態を表している。また、表1における「無」は、センサー60〜62がその検知エリア65に物体が無い場合の出力値を示したときの状態を表している。
すなわち、制御部7は、第一センサー60で測定した対象物までの距離が所定距離以下になり、且つ、第二受光部611の出力が第一の所定値以下になった場合に、検知エリア65に物体が有ると判定する。また、制御部7は、第三受光部621の出力が第二の所定値を超える値になった場合に、検知エリア65に物体が有ると判定する。また、制御部7は、前記二例以外の場合は、検知エリア65に物体が無いと判定する。
前記所定距離は、第一投光部600からシンク20の底部までの距離よりも短く且つ第一投光部600から検知エリア65までの距離よりも長い値に設定されている。また、前記第一の所定値は、第二投光部610の照射光がシンク20の底部の上面で反射したときの第二受光部611の出力よりも小さい値に設定されている。また、この第一の所定値は、第二投光部610の照射光が検知エリア65に存在する物体で反射したときの第二受光部611の出力よりも大きくなる値に設定されている。また、前記第二の所定値は、第三投光部620の照射光が検知エリア65に存在する物体で反射したときの第三受光部621の出力よりも小さい値に設定されている。また、この第二の所定値は、第三投光部620の照射光が検知エリア65を通過してシンク20の底部に到達したときの第三受光部621の出力よりも大きい値に設定されている。
制御部7は、自動吐水モードが「入り」であるときに前記物体の有無の判定結果に基づいて、吐水部3の吐水の有無を切り替える。この切り替えは図3に示される弁5の開閉を切り替えることで行われる。すなわち、制御部7は、自動吐水モードが「入り」であるときに検知エリア65に物体が有ると判定した場合、弁5を開いて吐水口310からシンク20に水を吐出する。これにより、吐水口310から吐出された水を吐水口310の下方に差し入れた手や皿等の物体に当てて洗うことができる。また、制御部7は、自動吐水モードが「入り」であるときに検知エリア65に物体が無いと判定した場合、弁5を閉じて吐水口310からの吐水を停止する。
センサー63は人体検知センサーであって、自動吐水モードの入切(ON/OFF)を自動で切り替えるために用いられる。図1に示されるようにセンサー63はベース30に設けられている。センサー63は例えば反射型光電センサーであって、図示は省略するが赤外線又は可視光を照射する投光部と、投光部から照射された後に人体で反射した光を受光する受光部を有している。なお、センサー63は、第二センサー61や第三センサー62と同様の限定反射型光電センサーであってもよいし、これ以外のセンサーであってもよい。
センサー63はベース30の前面部に設けられており、スパウト31よりも下方に位置している。センサー63の検知領域630は、ベース30の前面部に対向する領域である。すなわち、検知領域630はベース30の前側領域であって、シンク20の前側に立った水栓装置1の利用者が存在する領域である。
前記のようにセンサー63は流し台2に固定されたベース30に設けられている。このため、センサー63はスパウト31の回動位置によらず、その検知領域630が常に吐水部3の前側に位置するようになっている。このため、センサー63はスパウト31の回動位置によらず吐水部3前側の検知領域630に人体が存在するか否かを検知可能となっている。
制御部7は、常時または間欠的にセンサー63の投光部から光を照射し、同時にセンサー63の受光部の出力を監視する。制御部7は、センサー63の受光部で検出した受光量が予め設定された閾値を超えたときに検知領域630に物体が有ると判定し、閾値以下のときに検知領域630に物体が無いと判定する。すなわち、センサー63の出力に基づいてベース30の前側の検知領域630に物体が存在するか否かが検知される。
制御部7はセンサー63による検知結果に基づいて自動吐水モードの入切を切り替える。具体的には、センサー63により検知領域630に人体が存在することを検知している状態では自動吐水モードに移行し(「入り」にし)、検知領域630に人体が存在することを検知していない状態では自動吐水モードを「切り」(OFF)にする。
これにより、利用者は流し台2を利用するにあたって流し台2のシンク20の前側に立つだけで、自動吐水モードに自動で移行することができる。また、流し台2の利用を終えてシンク20の前側から他に移動するだけで自動吐水モードを自動で「切り」にすることができる。なお、自動吐水モードが「切り」であるときは、吐水部3からの吐水を可能又は不能のいずれにしてもよい。前者の場合、例えば吐水部3に設けられた操作部を操作したり、人体検知センサーの検知結果に基づいて吐水部3からの吐水の有無が切り替えられる。
以上説明した本実施形態の水栓装置1は、吐水口310が設けられた吐水部3と、吐水口310の下側の検知エリア65に物体が存在するか否かを非接触で検知するセンサー60〜62で構成された物体検知手段を備えている。また、この物体検知手段によって検知エリア65の物体の存在を検知している状態では吐水口310から水を吐出し、物体検知手段によって検知エリア65の物体の存在を検知していない状態では吐水口310からの吐水を停止する自動吐水モードを備えている。そして、自動吐水モードの入切を切り替え可能としている。このため、自動吐水モードを「切り」に切り替えることで、物体検知手段を構成するセンサー60〜62が太陽光やシンク内に置きっ放しにした皿等を誤検知することを防止して水栓装置1の誤作動を生じ難くすることができる。
また、水栓装置1は、吐水部3から見て吐水部3の利用者が位置する側となる前側を検知領域630としてこの検知領域630に人体が存在するか否かを非接触で検知するセンサー63(人体検知センサー)を備えている。そして、センサー63によって検知領域630に人体が存在することを検知した際に自動吐水モードに移行する制御部7を備えている。このため、利用者が流し台2のシンク20の前側に立って吐水部3前側の検知領域630に入るだけで、自動吐水モードが「入り」になる。従って、利用者は自動吐水モードに移行する際に吐水部3に触れる必要がなく、利用者の手に付いた油や洗剤、水等が吐水部3に付着し難くなる。
また、本実施形態の吐水部3は先端部に吐水口310が設けられたスパウト31を有し、スパウト31は吐水部3が設けられる設置箇所(流し台2)に対して相対的に回動自在である。このため、利用者はスパウト31を使い勝手の良い位置に回動することができる。
また、本実施形態では、センサー63が流し台2に対して固定されたベース30に設けられており、これによりセンサー63の検知領域630がスパウト31の回動位置によらず吐水部3前側に設定されている。このため、利用者がスパウト31をいずれの位置に回動したときにも、センサー63は吐水部3前側の人体の有無を検知することができる。従って、スパウト31の回動位置によらず自動吐水モードの入切を適切に切り替えることができる。
また、本実施形態の制御部7は、センサー63によって検知領域630に人体が存在していることを検知していない状態で自動吐水モードを「切り」にする。このため、利用者は流し台2のシンク20の前側から離れて吐水部3前側の検知領域630から外れるだけで、自動吐水モードを簡単に「切り」にすることができる。
なお、本実施形態では、自動吐水モードの入切を切り替えるにあたって、吐水部3前側の人体の有無を検知するためのセンサー63をベース30に設けた。しかし、このセンサー63は図5に示されるようにスパウト31に設けてもよい。以下、この実施形態につき説明する。なお、以下の説明では前記実施形態と同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
本実施形態のセンサー63はスパウト31の上部から下側に向かって突出する部分の前面部に設けられている。センサー63の検知領域630はスパウト31の前面部に対向する領域である。すなわち、検知領域630はスパウト31の前側領域であって、シンク20の前側に立った水栓装置1の利用者が存在する領域である。
ところで、図1に示される実施形態では、センサー63を流し台2に固定されたベース30に設けることで、センサー63の検知領域630がスパウト31の回動位置によらず吐水部3の前側に位置するように設定されている。しかし、本実施形態のセンサー63は回動自在なスパウト31に設けられるため、スパウト31の回動に伴いセンサー63の検知領域630が利用者の立つ吐水部3前側の領域から外れる可能性がある。そこで、本実施形態では、センサー63として検知領域630の広いセンサーを採用している。これにより、センサー63自体の検知領域630を広げて、スパウト31がその回動範囲内のいずれの位置に回動したときにも、センサー63の検知領域630が吐水部3の前側に位置するようになっている。すなわち、センサー63の検知領域630がスパウト31の回動位置によらず吐水部3の前側に設定されている。従って、本実施形態のようにセンサー63を流し台2に対して回動自在なスパウト31に設けた場合にも、吐水部3の前側に立つ利用者の存在・不存在を検知して自動吐水モードの入切を適切に切り替えることができる。
なお、本実施形態ではスパウト31を流し台2に固定されたベース30に回動自在に設けた。しかし、スパウト31をベース30に対して固定的に設け、ベース30を流し台2に対して左右に回動自在に設け、これにより吐水部3の全体を流し台2に対して回動自在としてもよい。なお、この場合も、スパウト31は吐水部3の設置箇所である流し台2に対して相対的に左右に回動自在であると言える。また、この場合も、スパウト31に設けられたセンサー63自体の検知領域630を広げることで、吐水部3の可動位置によらずセンサー63で吐水部3前側の領域における人体の有無を検知可能になる。また、前記各実施形態ではスパウト31を流し台2に対して回動自在としたが、スパウト31をベース30に対して回動不能としてもよい。
なお、前記各実施形態では、現在の自動吐水モードが「入り」又は「切り」のいずれの状態にあるかを報知するための報知手段を設けてもよい。この報知手段の例としては、吐水部3のベース30の上面に設けられた表示部が挙げられる。このような報知手段を設けることで、利用者は前記表示部を視認して節水モードが「入り」又は「切り」のいずれの状態にあるかを認識できる。
また、前記各実施形態において自動吐水モードが「切り」であるとき、吐水口310からの吐水を可能にしてもよいし、不能にしてもよい。前者の場合の例としては、操作部の操作や、検知エリア65以外の箇所を検知領域とする人体検知センサーによる検知により、吐水口310からの吐水の有無を切り替えることが挙げられる。
また、前記各実施形態では吐水部3前側の物体の有無を検知するセンサー63を一つだけ設けたが、このセンサー63は吐水部3に複数設けても構わない。一例としては、図1に示される実施形態のようにセンサー63をスパウト31に設け、加えて、図5に示される実施形態のようにセンサー63をベース30に設けることが挙げられる。すなわちこの場合は、スパウト31に設けられたセンサー63の検知結果と、ベース30に設けられたセンサー63の検知結果に基づいて吐水部3の前側における人体の有無を総合的に判定し、この検知結果に基づいて自動吐水モードの入切を切り替えることとなる。
前記各実施形態ではセンサー63により検知領域630に人体が存在しないことを検知したときに自動吐水モードを「切り」に切り替えたが、例えば吐水部3に設けられた操作部を操作する等して自動吐水モードが「切り」に切り替えられるものであってもよい。また、前記各実施形態ではセンサー60〜62で吐水口310の下側の検知エリア65に物体が存在するか否かを検知する物体検知手段を構成した。しかし、センサー60〜62のうちのいずれか一つのセンサーを用いて物体検知手段を構成してもよい。また、従来から知られている他のセンサーを用いて物体検知手段を構成してもよい。
また、本発明の水栓装置1は流し台2に限られず洗面台等の従来から水栓が用いられるその他の箇所にも設置して利用してもよい。また、本発明は前記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。
1 水栓装置
3 吐水部
7 制御部
31 スパウト
60 センサー(物体検知手段)
61 センサー(物体検知手段)
62 センサー(物体検知手段)
63 センサー(人体検知センサー
310 吐水口
630 検知領域

Claims (1)

  1. 下側に向けて水を吐出する吐水口が設けられた吐水部と、
    前記吐水口の下側の検知エリアに物体が存在するか否かを非接触で検知する物体検知手段とを備え、
    前記物体検知手段によって前記検知エリアの物体の存在を検知している状態では前記吐水口から水を吐出し、前記物体検知手段によって前記検知エリアの物体の存在を検知していない状態では前記吐水口からの吐水を停止する自動吐水モードを備えた水栓装置であって、利用者が位置する側となる前記吐水部の前側を検知領域としてこの吐水部の前側の検知領域に人体が存在するか否かを非接触で検知する人体検知センサーと、
    前記人体検知センサーによって前記検知領域に人体が存在することを検知した際に前記自動吐水モードに移行し、前記人体検知センサーによって前記検知領域に人体が存在していることを検知していない状態で前記自動吐水モードを切りにする制御部とを備え、
    前記吐水部は
    前記吐水部が設けられる設置箇所に対して固定され、この設置箇所から立ち上がるベースと、
    前記ベースに対して回動自在に設けられ、先端部に前記吐水口が設けられたスパウトを有し
    前記人体検知センサーが前記ベースに設けられて、前記人体検知センサーの検知領域が前記スパウトの回動位置によらず前記吐水部の前側に設定され、
    前記物体検知手段はセンサーを有し、
    前記センサーは、
    投光部と、この投光部から照射された後、反射物で反射した照射光を受光する受光部とを有して、前記受光部の受光量の変化を検出するセンサーであり、
    前記投光部が前記スパウトに設けられたことを特徴とする水栓装置。
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