JP6175529B1 - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

【課題】着用者に与える不快感を抑制することができるパンツ型使い捨ておむつを提供する。【解決手段】吸収性本体１１と、腹側胴回り部２と、背側胴回り部３と、を備えたおむつ１であって、吸収性本体１１は、長手方向に沿って形成された凸部５１１が横方向に所定のピッチＷ１で複数設けられたトップシート５１を有し、腹側胴回り部２には、横方向に伸縮する腹側弾性領域Ｘ２が吸収性本体１１の一端部１１Ａにおける複数の凸部５１１と交差するように設けられ、背側胴回り部３には、横方向に伸縮する背側弾性領域Ｘ３が吸収性本体１１の他端部１１Ｂにおける複数の凸部５１１と交差するように設けられ、腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３が横方向に収縮した状態において、腹側先端領域１１Ａｆの複数の皺１１０の横方向の最大間隔Ｗ３、及び背側先端領域１１Ｂｂの複数の皺１１０の横方向の最大間隔Ｗ３のうちの少なくとも一方が、長手方向の中央部における凸部５１１の所定のピッチＷ１よりも大きい。【選択図】図９

Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関する。

従来、使い捨ておむつとして、パンツ型の使い捨ておむつが知られている。例えば、特許文献１には、前身頃外装体と、後身頃外装体と、前身頃外装体と後身頃外装体との間に架橋された吸収性本体と、を有し、前身頃外装体の横方向の両側縁部と後身頃外装体の横方向の両側縁部とが接合されて胴回り開口部及び一対の脚回り開口部が形成されたものが開示されている。

このパンツ型使い捨ておむつでは、吸収性本体のトップシートが、着用者の非肌側に窪んだ複数の凹部と、着用者の肌側に突出した複数の凸部と、を有し、複数の凹部と複数の凸部とは、トップシートの横方向（短手方向）に交互に並んで配置されている。このように、凹部及び凸部が設けられた凹凸シートをトップシートとして用いることで、尿に含まれる固形成分（不純物）を濾し取り、当該固形成分による吸収性本体の目詰まりを抑制して尿漏れを防いでいる。

特開２０１３−１６９３８８号公報

しかしながら、特許文献１に記載のパンツ型使い捨ておむつでは、着用時におけるフィット性を向上させるべく前身頃及び後身頃（胴回り部）に複数の糸ゴム等の弾性部材を配置させて着用者の胴回りを締め付けているため通気性が不十分となり、特に着用者の胴回りにおいて蒸れが生じて着用者に不快感を与えるおそれがある。

本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、着用者に与える不快感を抑制することができるパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。

上記目的を達成するための主たる発明は、上下方向と、前記上下方向に交差する横方向と、を有し、液体を吸収する吸収性コアを有する吸収性本体と、前記吸収性本体の長手方向の一端部に配置された腹側胴回り部と、前記吸収性本体の前記長手方向の他端部に配置された背側胴回り部と、を備えたパンツ型使い捨ておむつであって、前記吸収性本体は、前記長手方向に沿って形成された凸部が前記横方向に所定のピッチで複数設けられた液透過性の肌側シートを有し、前記腹側胴回り部には、前記横方向に伸縮する腹側弾性領域が前記吸収性本体の前記一端部における複数の前記凸部と交差するように設けられ、前記背側胴回り部には、前記横方向に伸縮する背側弾性領域が前記吸収性本体の前記他端部における複数の前記凸部と交差するように設けられ、前記腹側弾性領域及び前記背側弾性領域が前記横方向に収縮した状態において、前記長手方向の前記一端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔、及び前記長手方向の前記他端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔のうちの少なくとも一方が、前記長手方向の中央部における前記凸部の前記所定のピッチよりも大きいことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつである。本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

本発明によれば、着用者に与える不快感を抑制することができる。

本発明の第１実施形態に係るおむつの一構成例を示す概略斜視図である。 展開かつ伸長状態のおむつを着用者の肌側から見た概略平面図である。 図２のIII−III線断面図である。 吸収性本体を着用者の肌側から見た概略平面図である。 図５Ａは、図４のVＡ−VＡ線断面図であり、図５Ｂは、吸収性本体の変形状態における図４のVＡ−VＡ線断面図である。 吸収性本体のトップシートの一部拡大斜視図である。 図７Ａは、トップシートの製造工程のうちの噴射工程を説明する説明図であり、図７Ｂは、噴射工程において凸部及び凹部が形成される様子を説明する説明図である。 図８Ａは、吸収性本体の断面を模式的に示した模式図であり、図８Ｂは、おむつの着用時におけるトップシートの変形状態を模式的に示した模式図である。 図９Ａは、腹側弾性領域に形成される複数の皺及び背側弾性領域に形成される複数の皺の一例を模式的に示した模式図、図９Ｂは、吸収性本体の長手方向の腹側先端領域及び背側先端領域に形成される複数の皺の一例を模式的に示した模式図、図９Ｃは、トップシートの厚さ方向の断面を模式的に示した模式図である。 本発明の第２実施形態に係るおむつの一構成例を示し、展開かつ伸長状態のおむつを着用者の肌側から見た概略平面図である。 第２実施形態に係るおむつの吸収性本体の厚さ方向の断面模式図である。

本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。

上下方向と、前記上下方向に交差する横方向と、を有し、液体を吸収する吸収性コアを有する吸収性本体と、前記吸収性本体の長手方向の一端部に配置された腹側胴回り部と、前記吸収性本体の前記長手方向の他端部に配置された背側胴回り部と、を備えたパンツ型使い捨ておむつであって、前記吸収性本体は、前記長手方向に沿って形成された凸部が前記横方向に所定のピッチで複数設けられた液透過性の肌側シートを有し、前記腹側胴回り部には、前記横方向に伸縮する腹側弾性領域が前記吸収性本体の前記一端部における複数の前記凸部と交差するように設けられ、前記背側胴回り部には、前記横方向に伸縮する背側弾性領域が前記吸収性本体の前記他端部における複数の前記凸部と交差するように設けられ、前記腹側弾性領域及び前記背側弾性領域が前記横方向に収縮した状態において、前記長手方向の前記一端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔、及び前記長手方向の前記他端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔のうちの少なくとも一方が、前記長手方向の中央部における前記凸部の前記所定のピッチよりも大きいパンツ型使い捨ておむつが明らかとなる。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、吸収性本体の長手方向の一端部のうち吸収性コアよりも上側に形成された複数の皺、及び他端部のうち吸収性コアよりも上側に形成された複数の皺のうち少なくとも一方において、隣り合う皺の最大間隔が、吸収性本体の肌側シートにおける隣り合う凸部のピッチよりも大きいため、着用時において、当該部分では着用者の肌との間に隙間ができやすく通気性が向上する。これにより、吸収性本体の肌側シートに複数の凸部を設けて尿に含まれる固形成分による吸収性本体の目詰まりを抑制して尿漏れを防ぐことができると共に、着用時に蒸れを生じにくくすることができるため、着用者に与える不快感を抑制することができる。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記腹側弾性領域及び前記背側弾性領域が前記横方向に収縮した状態において、前記吸収性本体の前記長手方向の前記一端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の突出方向の最大高さ、及び前記長手方向の前記他端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の突出方向の最大高さのうちの少なくとも一方が、前記吸収性本体の前記長手方向の前記中央部における前記凸部の高さよりも高いことが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、吸収性本体の長手方向の一端部のうち吸収性コアよりも上側に形成された複数の皺、及び他端部のうち吸収性コアよりも上側に形成された複数の皺のうち少なくとも一方において、突出方向の最大高さが、吸収性本体の肌側シートにおける凸部の高さよりも高いため、着用時において、当該部分では着用者の肌との間に形成される隙間が大きくなり通気性がさらに向上する。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記腹側弾性領域及び前記背側弾性領域が前記横方向に収縮した状態において、前記吸収性本体の前記長手方向の前記一端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔、及び前記長手方向の前記他端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔のうちの少なくとも一方が、前記腹側弾性領域に形成された複数の皺の前記横方向の最大間隔、及び前記背側弾性領域に形成された複数の皺の前記横方向の最大間隔よりも小さいことが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、吸収性本体の長手方向の一端部のうち吸収性コアよりも上側に形成された複数の皺、及び他端部のうち吸収性コアよりも上側に形成された複数の皺のうち少なくとも一方において、隣り合う皺の最大間隔が、胴回りの弾性領域における隣り合う皺の最大間隔よりも小さいため、着用時において吸収性本体の長手方向の端部では着用者の肌との間に形成される隙間が胴回りの弾性領域における隙間よりも小さくなり、吸収性本体に吸収された尿が漏れ出すことを抑制することができる。また、胴回りの弾性領域では隙間が吸収性本体の長手方向の端部における隙間よりも大きくなり、通気性が向上する。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記肌側シートと前記吸収性コアとは、前記横方向に間欠に複数設けられた肌側接合部によって厚さ方向に接合されており、複数の前記凸部のうちの第１凸部の頂部と、前記第１凸部と前記横方向に隣り合う第２凸部の頂部との前記横方向の中間の位置は、前記厚さ方向において前記肌側接合部の位置と重複していないことが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、第１凸部の頂部と当該第１凸部と横方向に隣り合う第２凸部の頂部との横方向の中間位置では、肌側シートの厚みが第１凸部及び第２凸部における厚みよりも薄くなっているため、当該薄厚部分では肌側シートが厚さ方向に折れ曲がりやすい。そして、当該薄厚部分が肌側接合部と厚さ方向に重複していないため、吸収性本体の厚さ方向への折れ曲がりを誘導しやすくなる。これにより、吸収性本体が着用者の体型に沿いやすくなり、着用時におけるフィット性が向上して尿漏れを防ぐことができる。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記横方向に隣り合う前記肌側接合部の間の位置は、複数の前記凸部のうち、前記横方向に隣り合ういずれか２つの前記凸部の各頂部の前記横方向の中間の位置と前記厚さ方向において重複していることが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、横方向に隣り合う肌側接合部の間の位置には必ず、横方向に隣り合う凸部の各頂部の横方向の中間位置が厚さ方向に重複しているため、肌側接合部の間の全てにおいて肌側シートが厚さ方向に折れ曲がりやすくなり、吸収性本体の厚さ方向への折れ曲がりをより誘導しやすくなる。これにより、吸収性本体の横方向全体に亘って着用者の体型に沿いやすくなり、着用時におけるフィット性がより向上して尿漏れを防ぎやすくなる。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記横方向に隣り合う前記肌側接合部の間隔は、前記凸部の前記所定のピッチよりも大きいことが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、横方向に隣り合う肌側接合部の間隔が凸部のピッチよりも大きいため、横方向に隣り合う凸部の各頂部の横方向の中間位置と肌側接合部の間の位置とが厚さ方向に重複しやすくなる。これにより、吸収性本体が厚さ方向により折れ曲がりやすくなって着用者の体型に沿いやすくなり、着用時におけるフィット性がさらに向上して尿漏れを防ぐことができる。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記吸収性コアの非肌側に配置された液不透過性の非肌側シートをさらに備え、前記非肌側シートと前記吸収性コアとは、前記横方向に間欠に複数設けられた非肌側接合部によって前記厚さ方向に接合されており、複数の前記凸部のうちの第１凸部の頂部と、前記第１凸部と前記横方向に隣り合う第２凸部の頂部との前記横方向の中間の位置は、前記厚さ方向において前記非肌側接合部の位置と重複していないことが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、第１凸部の頂部と当該第１凸部と横方向に隣り合う第２凸部の頂部との横方向の中間位置が、横方向に隣り合う肌側接合部の間の位置及び横方向に隣り合う非肌側接合部の間の位置と厚さ方向に重複するため、肌側接合部の間及び非肌側接合部の間の両方において肌側シートが厚さ方向に折れ曲がりやすくなる。これにより、吸収性本体が着用者の体型により沿いやすくなり、着用時におけるフィット性がさらに向上して尿漏れを防ぐことができる。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記肌側シートの非肌側かつ前記吸収性コアの肌側に配置された液透過性のセカンドシートをさらに備え、前記肌側シートは、前記横方向に密度差を有しており、前記セカンドシートの平均密度は、前記肌側シートの平均密度よりも高いことが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、肌側シートと吸収性コアとの間に配置されたセカンドシートの平均密度が、肌側シートの平均密度よりも高いため、密度の低い方から高い方へ向かって移行しやすい液体（尿）は、肌側シートを通過するとセカンドシートへより移行しやすくなる。これにより、液移行性が向上して尿を吸収性コアに吸収させやすくなり、尿漏れを抑制することができる。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記吸収性コアには、前記長手方向に沿った低目付領域が前記横方向に間隔を空けて一対設けられており、複数の前記凸部のうちの第１凸部の頂部と、前記第１凸部と前記横方向に隣り合う第２凸部の頂部との前記横方向の中間の位置は、厚さ方向において前記低目付領域の位置と重複していることが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、吸収性コアに一対の低目付領域（スリットでもよい）が設けられていることにより、厚みを有する吸収性コアが厚さ方向へ折れ曲がりやすくなっており、さらに、第１凸部の頂部と当該第１凸部と横方向に隣り合う第２凸部の頂部との横方向の中間位置（肌側シートの厚みが第１凸部及び第２凸部における厚みよりも薄くなっている部分）が、低目付領域の位置と厚さ方向に重複しているため、低目付領域において肌側シートが厚さ方向に折れ曲がりやすくなる。これにより、着用者の体型により沿いやすく、着用時におけるフィット性がより向上して尿漏れを防ぐことができる。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記吸収性本体は、前記横方向の両端部に設けられて、前記長手方向に伸縮可能な端部弾性領域と、前記長手方向の中央部かつ前記端部弾性領域よりも前記横方向の内側に設けられて前記長手方向に伸縮可能な中央弾性領域と、を有していることが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、吸収性本体は、長手方向の中央部において横方向の両端部及び横方向の中央部に長手方向に沿った弾性領域（端部弾性領域及び複数の中央弾性領域）を有しているため、横方向の両端部と中央部とで長手方向に対する縮み方が規則的になり、着用者の股間部に面で接触させやすくなる。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記中央弾性領域には、前記長手方向に沿った中央弾性部材が前記横方向に所定の間隔で複数設けられており、前記端部弾性領域及び前記中央弾性領域が前記長手方向に収縮した状態において、複数の前記凸部のうちの第１凸部の頂部と、前記第１凸部と前記横方向に隣り合う第２凸部の頂部との前記横方向の中間の位置が、前記横方向に隣り合う前記中央弾性部材の間の位置と厚さ方向に重複していることが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、第１凸部の頂部と当該第１凸部と横方向に隣り合う第２凸部の頂部との横方向の中間位置（肌側シートの厚みが第１凸部及び第２凸部における厚みよりも薄くなっている部分）が、横方向に隣り合う中央弾性部材の間の位置と厚さ方向に重複しているため、中央弾性部材の間において肌側シートが厚さ方向に折れ曲がりやすくなる。これにより、着用者の体型に沿いやすく、着用時におけるフィット性が向上して尿漏れを防ぐことができる。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、前記腹側胴回り部は、上端部が下方に折り返された腹側折り返し部を有し、前記背側胴回り部は、上端部が下方に折り返された背側折り返し部を有し、前記腹側折り返し部及び前記背側折り返し部のうちの少なくとも一方は、前記吸収性本体と厚さ方向に重複していないことが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、空気が外部へ逃げやすくなるため、通気性がより向上する。

かかるパンツ型使い捨ておむつであって、複数の前記凸部は、前記肌側シートの前記長手方向の一端から他端に亘って連続して形成されていることが望ましい。

このようなパンツ型使い捨ておむつによれば、空気の通り道が形成されて外部へ逃げやすくなるため、通気性がより向上する。

＝＝＝第１実施形態＝＝＝
本発明の第１実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつ（以下では、単におむつ１とする）の一例として、主に高齢者を対象としたパンツ型使い捨ておむつについて説明する。

（おむつ１の全体構成）
まず、おむつ１の全体構成について、図１〜図３を参照して説明する。

図１は、第１実施形態に係るおむつ１の一構成例を示す概略斜視図である。図２は、展開かつ伸長状態のおむつ１を着用者の肌側から見た概略平面図である。図３は、図２のIII−III線断面図である。

おむつ１は、図１に示すように、「上下方向」と、上下方向に交差する「横方向」と、を有すると共に、図３に示すように、「厚さ方向」を有する。上下方向のうち、着用者の胴側が「上側」であり、着用者の股下側が「下側」である。また、着用者がおむつ１を着用した状態において、着用者の腹側に位置する側を単に「腹側」とし、着用者の背側に位置する側を単に「背側」とする。「厚さ方向」とは、おむつ１を構成する各部材が積層された方向であり、着用者がおむつ１を着用した状態において着用者の肌と接する側を「肌側」とし、その反対側を「非肌側」とする。以下では、厚さ方向の肌側を単に「肌側」とし、厚さ方向の非肌側を単に「非肌側」とする。

図１に示すように、おむつ１は、着用時において、着用者の腹側胴回りに位置する腹側胴回り部２と、着用者の背側胴回りに位置する背側胴回り部３と、着用者の股下に位置する股下部４と、を有する。おむつ１は、図２に示すように、腹側胴回り部２の横方向の両端部に設けられた接合領域２０と、背側胴回り部３の横方向の両端部に設けられた接合領域３０とが、それぞれ接合されることにより、図１に示すような１つの胴回り開口部１ＨＢ及び一対の脚回り開口部１ＨＬが形成されてパンツ型のおむつとなる。

本実施形態では、図２及び図３に示すように、おむつ１は、尿等の液体を吸収する帯状の吸収性本体１１と、吸収性本体１１の非肌側に配置された外装体１２と、を備えた所謂２ピースタイプのものであり、外装体１２が、腹側胴回り部２と、背側胴回り部３と、股下部４と、を有している。

図２に示すように、おむつ１を展開した状態において、腹側胴回り部２は吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａに配置され、背側胴回り部３は吸収性本体１１の長手方向の他端部１１Ｂに配置されている。すなわち、吸収性本体１１は、腹側胴回り部２と背側胴回り部３との間に架け渡されて設けられている。股下部４は、吸収性本体１１の非肌側において、吸収性本体１１と同様に、腹側胴回り部２と背側胴回り部３との間に架け渡されて配置されている。

（外装体１２の構成）
次に、外装体１２の構成について、図２及び図３を参照してより具体的に説明する。

外装体１２は、図３に示すように、腹側外装トップシート２１及び腹側外装バックシート２２と、背側外装トップシート３１及び背側外装バックシート３２と、外装センターシート４０と、を有している。これらの各シートには、例えばエアスルー不織布、スパンボンド不織布、及びＳＭＳ不織布等を用いることができる。本実施形態では、腹側外装トップシート２１及び背側外装トップシート３１にはＳＭＳ不織布が用いられ、腹側外装バックシート２２及び背側外装バックシート３２、並びに外装センターシート４０にはスパンボンド不織布が用いられている。

腹側外装トップシート２１及び腹側外装バックシート２２は腹側に配置されており、厚さ方向において吸収性本体１１と腹側外装バックシート２２との間に腹側外装トップシート２１が位置している。

図３に示すように、腹側外装トップシート２１と腹側外装バックシート２２との間には、例えば糸ゴム等により形成された腹側弾性部材２３が上下方向に間隔を空けて複数設けられている。複数の腹側弾性部材２３は、吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａと厚さ方向に重なるように配置されている。

腹側外装バックシート２２は、上下方向における上端部が下方（股下側）に向かって折り返された腹側折り返し部２２Ａを有しており、当該腹側折り返し部２２Ａにおける厚さ方向の間には、例えば糸ゴム等により形成された腹側上端部弾性部材２４が上下方向に間隔を空けて複数設けられている。

図２に示すように、複数の腹側弾性部材２３及び複数の腹側上端部弾性部材２４は、横方向に沿って設けられており、複数の腹側弾性部材２３及び複数の腹側上端部弾性部材２４が横方向に収縮することにより着用者の腹側胴回りを締め付けて、フィット性を向上させている。本実施形態では、複数の腹側弾性部材２３によって横方向に伸縮する腹側弾性領域Ｘ２が形成されている。なお、腹側弾性領域Ｘ２は、必ずしも複数の糸ゴム等で形成されている必要はなく、腹側弾性領域Ｘ２に該当する部分が横方向に伸縮可能な伸縮性不織布等で形成されていてもよい。

腹側胴回り部２において、上下方向に隣り合う腹側上端部弾性部材２４の間隔が、上下方向に隣り合う腹側弾性部材２３の間隔よりも狭い。したがって、複数の腹側上端部弾性部材２４が横方向に収縮することにより形成される複数の皺は、複数の腹側弾性部材２３が横方向に収縮することにより形成される複数の皺（後述する複数の皺２３０に該当）よりも上下方向の寸法が小さくなる。

よって、胴回り開口部１ＨＢ（図１参照）の腹側近くでは、腹側弾性領域Ｘ２において形成される皺よりも上下方向の寸法が小さな皺が複数形成されるため、おむつ１の着用時において着用者の肌との間に形成される隙間が腹側弾性領域Ｘ２における隙間よりも小さくなり、着用者の肌に密着しやすくなる。これにより、フィット性が向上しておむつ１がずり落ちにくくなる。

背側外装トップシート３１及び背側外装バックシート３２は背側に配置されており、厚さ方向において吸収性本体１１と背側外装バックシート３２との間に背側外装トップシート３１が位置している。図３に示すように、背側外装トップシート３１及び背側外装バックシート３２は、腹側外装トップシート２１及び腹側外装バックシート２２と離間して配置されている。

背側外装トップシート３１と背側外装バックシート３２との間には、背側弾性部材３３が上下方向に間隔を空けて複数設けられている。複数の背側弾性部材３３は、吸収性本体１１の長手方向の他端部１１Ｂと厚さ方向に重なるように配置されている。

背側外装バックシート３２は、腹側外装バックシート２２と同様に、上下方向における上端部が下方（股下側）に向かって折り返された背側折り返し部３２Ａを有しており、当該背側折り返し部３２Ａにおける厚さ方向の間には、背側上端部弾性部材３４が上下方向に間隔を空けて複数設けられている。

図２に示すように、複数の背側弾性部材３３及び複数の背側上端部弾性部材３４は、横方向に沿って設けられており、複数の背側弾性部材３３及び複数の背側上端部弾性部材３４が横方向に収縮することにより着用者の背側胴回りを締め付けて、フィット性を向上させている。本実施形態では、複数の背側弾性部材３３によって横方向に伸縮する背側弾性領域Ｘ３が形成されている。なお、背側弾性領域Ｘ３は、腹側弾性領域Ｘ２と同様に、背側弾性領域Ｘ３に該当する部分が横方向に伸縮可能な伸縮性不織布等で形成されていてもよい。

腹側胴回り部２と同様に、背側胴回り部３において、上下方向に隣り合う背側上端部弾性部材３４の間隔が、上下方向に隣り合う背側弾性部材３３の間隔よりも狭い。したがって、複数の背側上端部弾性部材３４が横方向に収縮することにより形成される複数の皺は、複数の背側弾性部材３３が横方向に収縮することにより形成される複数の皺（後述する複数の皺３３０に該当）よりも上下方向の寸法が小さくなる。

よって、胴回り開口部１ＨＢ（図１参照）の背側近くにおいても、おむつ１の着用時において着用者の肌との間に形成される隙間が背側弾性領域Ｘ３における隙間よりも小さくなり、着用者の肌に密着しやすくなる。これにより、フィット性が向上しておむつ１がさらにずり落ちにくくなる。

また、図２に示すように、腹側胴回り部２の下端部かつ横方向における吸収性本体１１の両側には複数の腹側脚回り弾性部材２５が設けられ、背側胴回り部３の下端部かつ横方向における吸収性本体１１の両側には複数の背側脚回り弾性部材３５が設けられている。複数の腹側脚回り弾性部材２５と複数の背側脚回り弾性部材３５とは、吸収性本体１１を長手方向に横断しないように離間して配置されている。複数の腹側脚回り弾性部材２５及び複数の背側脚回り弾性部材３５はそれぞれ、脚回り開口部１ＨＬ（図１参照）の周囲に沿うように設けられており、着用者の脚回りのフィット性を向上させて外部への尿漏れを防止している。

図２では、複数の腹側弾性部材２３、複数の腹側上端部弾性部材２４、複数の腹側脚回り弾性部材２５、複数の背側弾性部材３３、複数の背側上端部弾性部材３４、及び複数の背側脚回り弾性部材３５をそれぞれ一点鎖線で示し、腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３をそれぞれ太線で示している。

なお、図２に示す展開状態では、おむつ１は伸長状態にある。ここで、「伸長状態」とは、複数の腹側弾性部材２３、複数の腹側上端部弾性部材２４、複数の腹側脚回り弾性部材２５、複数の背側弾性部材３３、複数の背側上端部弾性部材３４、及び複数の背側脚回り弾性部材３５を伸長させることにより、腹側胴回り部２及び背側胴回り部３を皺なく伸長させた状態をいう。複数の腹側弾性部材２３、複数の腹側上端部弾性部材２４、複数の背側弾性部材３３、及び複数の背側上端部弾性部材３４は、横方向に伸長させた状態であり、複数の腹側脚回り弾性部材２５及び複数の背側脚回り弾性部材３５は、横方向及び上下方向に伸長させた状態である。

外装センターシート４０は、図３に示すように、腹側外装トップシート２１及び腹側外装バックシート２２と、背側外装トップシート３１及び背側外装バックシート３２とを繋ぐように配置されており、吸収性本体１１が外部にむき出しになることを防いでいる。

（吸収性本体１１の構成）
次に、吸収性本体１１の構成について、図２〜図４並びに図５Ａ及び図５Ｂを参照して説明する。

図４は、吸収性本体１１を着用者の肌側から見た概略平面図である。図５Ａは、図４のVＡ−VＡ線断面図であり、図５Ｂは、吸収性本体１１の変形状態における図４のVＡ−VＡ線断面図である。

吸収性本体１１は、図３並びに図５Ａ及び図５Ｂに示すように、トップシート５１と、セカンドシート５２と、吸収性コア５３と、バックシート５４と、一対のサイドシート５５と、中央弾性部材被覆シート５６と、を有している。これらの各部材は、例えばホットメルト接着剤等の接着剤により厚さ方向においてそれぞれ接合されている。

吸収性コア５３は、尿等の液体を吸収して保持する部材であり、例えば高吸収性ポリマー（ＳＡＰ）が混入したパルプ繊維等の液体吸収性繊維により形成される。本実施形態では、吸収性コア５３は、略砂時計形状に形成された第１コア層５３１と、第１コア層５３１よりも長手方向及び横方向に大きい第２コア層５３２と、を有している。第２コア層５３２は、第１吸収性コア５３１の非肌側に配置されている。

第２コア層５３２には、長手方向に沿った中央スリット５３２Ａが、長手方向の中央かつ横方向の中央の領域に設けられていると共に、長手方向に沿ったサイドスリット５３２Ｂが、中央スリット５３２Ａの横方向の両側に、すなわち横方向に間隔を空けて一対設けられている。なお、吸収性コア５３は、必ずしも第１コア層５３１及び第２コア層５３２の２層構造を有している必要はない。

トップシート５１は、吸収性コア５３（第１コア層５３１）の肌側に配置され、着用時において着用者の肌に接触し得る液透過性の肌側シートであり、例えば親水性のエアスルー不織布やスパンボンド不織布等により形成される。図４並びに図５Ａ及び図５Ｂに示すように、トップシート５１には、長手方向に沿って形成された凸部５１１が横方向に所定のピッチで複数設けられている。なお、図４では、便宜上、複数の凸部５１１の一部のみを図示している。

本実施形態では、複数の凸部５１１は、肌側に向かって突出し、トップシート５１（吸収性本体１１）の長手方向の一端（一端部１１Ａ）から他端（他端部１１Ｂ）に亘って連続して形成されている。これにより、空気の通り道が形成されるため、おむつ１内で生じた蒸れを外部へ逃がしやすくなり、通気性がより向上する。

ここで、腹側弾性領域Ｘ２（複数の腹側弾性部材２３）は、吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａと厚さ方向に重なって位置しており、吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａにおける複数の凸部５１１と交差するように設けられている。同様に、背側弾性領域Ｘ３（複数の背側弾性部材３３）は、吸収性本体１１の長手方向の他端部１１Ｂと厚さ方向に重なって位置しており、吸収性本体１１の長手方向の他端部１１Ｂにおける複数の凸部５１１と交差するように設けられている。

なお、凸部５１１は、必ずしもトップシート５１の長手方向の一端から他端に亘って連続して形成されている必要はなく、少なくとも長手方向に沿った凸部５１１が吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａ及び他端部１１Ｂにそれぞれ複数設けられていればよい。

トップシート５１は、複数の凸部５１１が設けられていることにより、密度の高い部分（図７Ｂに示す高密度領域５１１Ｄ）及び密度の低い部分を有している。すなわち、トップシート５１は、横方向に密度差を有している。複数の凸部５１１を含めたトップシート５１の詳しい構成については、後述することとする。

セカンドシート５２は、トップシート５１の非肌側かつ吸収性コア５３の肌側に配置された液透過性のシートであり、例えば親水性のエアスルー不織布等により形成される。本実施形態では、セカンドシート５２の全体の平均密度は、トップシート５１の横方向における平均密度よりも高い。

ここで、「平均密度」とは、次のようにして測定したものである。トップシート５１（セカンドシート５２）の観察面を上にして観察台に載せ、所定の測定器（例えば、デジタルマイクロスコープ、品番：ＶＨＸ−１００、キーエンス株式会社製）を用いて繊維面を撮影し、繊維の二値化画像を得る。そして、二値化画像中の空間面積（繊維が存在しない領域の面積：μｍ²）を二値化画像中に存在する空間の数で割った値が繊維の平均空間面積（＝空間面積／空間個数）であり、トップシート５１（セカンドシート５２）の平均密度である。

密度の低い方から高い方へと移行しやすい尿等の液体は、トップシート５１を通過するとセカンドシート５２へより移行しやすくなる。これにより、吸収性本体１１内における液移行性が向上するため、尿等を吸収性コア５３により吸収させやすくなり、尿漏れを抑制することができる。

図２及び図４に示すように、セカンドシート５２は、長手方向に長辺を有する長方形状であり、吸収性コア５３の第１コア層５３１よりも長手方向及び横方向に小さく形成されている。なお、セカンドシート５２は、必ずしもトップシート５１の最も密度の高い部分における密度よりも高い密度を有している必要はなく、また、吸収性本体１１は、セカンドシート５２自体を備えていなくとも構わない。

バックシート５４は、吸収性コア５３の非肌側に配置された液不透過性の非肌側シートであり、例えばポリエチレンのフィルム等により形成される。一対のサイドシート５５は、バックシート５４の非肌側において横方向の両側に配置された防漏シートであり、例えば疎水性のＳＭＳ不織布等により形成される。一対のサイドシート５５は、トップシート５１の横方向の外端部及びバックシート５４の横方向の外端部をそれぞれ包み込むように、横方向の外端部が肌側に向かって折り返されてトップシート５１の肌側の面に接合されている。

バックシート５４とサイドシート５５との間には、長手方向に沿った股下側脚回り弾性部材５７が横方向に間隔を空けて複数設けられている。複数の股下側脚回り弾性部材５７は、吸収性本体１１の横方向の両端部に設けられて、長手方向に伸縮可能な端部弾性領域の一態様である。複数の股下側脚回り弾性部材５７は、複数の腹側脚回り弾性部材２５及び複数の背側脚回り弾性部材３５（図２参照）と共に、おむつ１の着用時における着用者の脚回りのフィット性を向上させている。

また、バックシート５４の非肌側には、長手方向の中央部かつ複数の股下側脚回り弾性部材５７よりも横方向の内側に、長手方向に沿った中央弾性部材５８が横方向に間隔を空けて複数設けられている。複数の中央弾性部材５８は、吸収性本体１１の長手方向の中央部かつ端部弾性領域（複数の股下側脚回り弾性部材５７）よりも横方向の内側に設けられて長手方向に伸縮可能な中央弾性領域の一態様である。図５Ａに示すように、複数の中央弾性部材５８は、厚さ方向において第２コア層５３２の中央スリット５３２Ａの位置と重複するように位置している。

さらに、バックシート５４の非肌側には、複数の中央弾性部材５８を非肌側から被覆するための中央弾性部材被覆シート５６が配置されている。中央弾性部材被覆シート５６は、例えば疎水性のスパンボンド不織布等により形成される。図５Ａに示すように、中央弾性部材被覆シート５６は、一対のサイドシート５５よりも横方向の内側に一対のサイドシート５５と横方向に隙間を介して位置している。また、図２及び図４に示すように、中央弾性部材被覆シート５６は、吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａから他端部１１Ｂに亘って帯状に形成されている。

吸収性本体１１は、長手方向に沿った複数の股下側脚回り弾性部材５７及び複数の中央弾性部材５８を有していることにより、横方向の両端部と中央部とにおいて長手方向に対する縮み方の差異が少なくなって規則的になる。これにより、着用者の股間部に対して吸収性本体１１を面で接触させやすくなり、外部への尿漏れをより抑制することができる。

図５Ｂに示すように、おむつ１を着用した際、吸収性本体１１には、着用者の脚等によって横方向の外側から内側に向かって力が掛かる（図５Ｂにおいて矢印で示す）。このとき、吸収性本体１１は、中央スリット５３２Ａを基点として中央スリット５３２Ａの横方向の両側が下方に向かって折れ曲がると共に、一対のサイドスリット５３２Ｂを基点として一対のサイドスリット５３２Ｂの横方向の外側が上方に向かって折れ曲がる。すなわち、吸収性本体１１は、断面がＷ字状となるように変形する。

これは、中央スリット５３２Ａ及び一対のサイドスリット５３２Ｂでは目付が０（ゼロ）となっており、吸収性本体１１の厚さ方向への折れ曲がりの基点になりやすくなっているからである。これにより、吸収性本体１１が排泄口に当接しやすくなり、着用時におけるおむつ１のフィット性が向上して尿漏れを防ぐことができる。

本実施形態では、吸収性コア５３の第２コア層５３２に中央スリット５３２Ａ及び一対のサイドスリット５３２Ｂを設けられていたが、必ずしも目付が０（ゼロ）となるスリットである必要はなく、吸収性コア５３内での目付が低い低目付領域が長手方向に沿って設けられていればよい。この場合、吸収性コア５３は、低目付領域での剛性が低くなり、かつ厚みも薄くなるため、吸収性本体１１の厚さ方向への折れ曲がりの基点になりやすくなる。なお、必ずしも吸収性コア５３に低目付領域が設けられている必要はない。

（トップシート５１の構成）
次に、吸収性本体１１のトップシート５１の構成について、図６〜図８を参照して具体的に説明する。

図６は、吸収性本体１１のトップシート５１の一部拡大斜視図である。図７Ａは、トップシート５１の製造工程のうちの噴射工程を説明する説明図であり、図７Ｂは、噴射工程において凸部５１１及び薄厚部５１２が形成される様子を説明する説明図である。図８Ａは、吸収性本体１１の断面を模式的に示した模式図であり、図８Ｂは、おむつ１の着用時におけるトップシート５１の変形状態を模式的に示した模式図である。

トップシート５１には、図６に示すように、肌側に向かって突出する凸部５１１が横方向に所定のピッチＷ１で複数設けられており、横方向に隣り合う凸部５１１の間には、長手方向に沿って薄厚部５１２が設けられている。したがって、トップシート５１は、長手方向に沿った凸部５１１と薄厚部５１２とが横方向に交互に並んで構成されている。薄厚部５１２は、厚みＤ２が凸部５１１における厚みＤ１よりも薄いため（Ｄ２＜Ｄ１）、横方向に隣り合う凸部５１１の間は凹んだ形状となる。すなわち、トップシート５１は、肌側の面が凹凸状に形成された凹凸シートである。

本実施形態では、凸部５１１は、肌側の面が曲面であり、厚さ方向の断面が略半円形状であるが、凸部５１１及び薄厚部５１２の形状については特に制限はなく、例えば凸部５１１の厚さ方向の断面が三角形状であってもよいし、薄厚部５１２の肌側の面が非肌側に向かって湾曲した湾曲面であってもよい。

ここで、「所定のピッチＷ１」とは、横方向に隣り合う凸部５１１の各頂部５１１ｔの横方向における間の距離Ｗをいう。なお、頂部５１１ｔは、凸部５１１における厚さ方向の最も肌側に位置する部分を示す。本実施形態では、複数の凸部５１１及び複数の薄厚部５１２はそれぞれ均一に形成されているが、必ずしも全て均一に形成されている必要はない。

複数の凸部５１１及び複数の薄厚部５１２は、図７Ａに示すような噴射工程を経て形成される。噴射工程では、搬送されているトップシート５１の肌側の面に対して、噴射装置Ｓ１を用いて上方から気体（エア）を噴射する。図７Ｂに示すように、気体が噴射された部分では、トップシート５１を形成している繊維が、搬送方向に直交する方向（横方向）の外側に向かってかき分けられるように移動する。これにより、当該部分では厚みが薄くなり、薄厚部５１２が形成される。そして、当該部分の横方向の両側では移動した繊維により厚みが増して、凸部５１１が形成される。

このとき、図７Ｂに示すように、噴射された気体によって移動した繊維は、隣り合う凸部５１１に対向する面側に集中しやすく、凸部５１１内においてトップシート５１の最も繊維密度の高い部分（高密度領域５１１Ｄ）が形成される。このように、トップシート５１内において繊維の密度に差異を生じさせることによって、尿は繊維密度の低い部分から高い部分へと移行しやすくなり、尿に含まれる固形成分を繊維間で濾し取ることができる。これにより、当該固形成分による目詰まりを抑制して尿漏れを防ぎ、着用者に与える不快感を抑制することができる。

本実施形態では、搬送されるトップシート５１を非肌側の面から支持する支持台Ｓ２の載置面が平坦であるため、トップシート５１の非肌側の面が平面となっているが、必ずしもトップシート５１の非肌側の面が平面である必要はない。また、噴射装置Ｓ１の噴射口の数、口径、及びピッチ、噴射口から噴射されるエアの温度及び噴射量、並びに搬送されるトップシート５１のテンション等を調整することにより、凸部５１１及び薄厚部５１２の数、間隔、及び繊維密度等を所望の範囲に設定することが可能である。

図８Ａに示すように、トップシート５１と吸収性コア５３とは、横方向に間欠に複数設けられた肌側接合部６１によって厚さ方向に接合されている。肌側接合部６１には、例えばホットメルト接着剤等の接着剤が塗布されており、肌側接合部６１は、トップシート５１の剛性よりも高い剛性を有する。

ここで、横方向に隣り合う凸部５１１の各頂部５１１ｔの横方向の中間の位置を「中間位置５１１ｃ」とすると、横方向に隣り合う肌側接合部６１の間６１Ａの位置は、いずれかの中間位置５１１ｃと厚さ方向において重複している。すなわち、横方向に隣り合う肌側接合部６１の間６１Ａの位置には、必ずいずれかの中間位置５１１ｃが厚さ方向に重複している。

中間位置５１１ｃは、厚みが凸部５１１における厚みよりも薄く形成された薄厚部５１２に存在するため、トップシート５１の厚さ方向への折れ曲がりの基点となりやすい。しかしながら、厚さ方向において、中間位置５１１ｃがトップシート５１よりも高い剛性を有する肌側接合部６１の位置と重複していると、トップシート５１は中間位置５１１ｃを基点として厚さ方向に折れ曲がりにくくなる。

そこで、中間位置５１１ｃが隣り合う肌側接合部６１の間６１Ａの位置に対して厚さ方向に重複することで、当該中間位置５１１ｃを基点としてトップシート５１がより折れ曲がりやすくなる。この場合において、図８Ｂに矢印で示すように、おむつ１の着用時において、当該中間位置５１１ｃの横方向の両側の凸部５１１が互いに近づくため、吸収性本体１１の厚さ方向への折れ曲がりを誘導しやすくなる。これにより、吸収性本体１１が着用者の体型に沿いやすくなり、おむつ１の着用時におけるフィット性が向上して尿漏れを防ぎ、着用者に与える不快感を抑制することができる。

また、横方向に隣り合う肌側接合部６１の間隔Ｗ２は、凸部５１１の所定のピッチＷ１よりも大きく（Ｗ２＞Ｗ１）、例えば凸部５１１の所定のピッチＷ１が３ｍｍであるのに対して肌側接合部６１の間隔Ｗ２は４ｍｍとなっている。横方向において凸部５１１の所定のピッチＷ１の範囲内には必ず１つの中間位置５１１ｃが存在するため、肌側接合部６１の間隔Ｗ２を凸部５１１の所定のピッチＷ１よりも大きくすることにより、厚さ方向において肌側接合部６１の間６１Ａの位置に中間位置５１１ｃが重複しやすくなる。

本実施形態では、横方向に隣り合う肌側接合部６１の間６１Ａの位置には、必ずいずれかの中間位置５１１ｃが厚さ方向に重複しているため、吸収性本体１１の横方向全体に亘って厚さ方向に変形しやすくなるが、少なくとも、ある中間位置５１１ｃが厚さ方向において肌側接合部６１の位置と重複していなければよい。なお、「ある中間位置５１１ｃ」とは、複数の凸部５１１のうちの第１凸部の頂部と、第１凸部と横方向に隣り合う第２凸部の頂部との横方向の中間の位置のことをいう。

図８Ａに示すように、吸収性コア５３とバックシート５４とは、横方向に間欠に複数設けられた非肌側接合部６２によって厚さ方向に接合されている。肌側接合部６１と同様に、非肌側接合部６２には、例えばホットメルト接着剤等の接着剤が塗布されており、非肌側接合部６２は、トップシート５１の剛性よりも高い剛性を有する。

中間位置５１１ｃは、厚さ方向において非肌側接合部６２の位置と重複しておらず、横方向に隣り合う非肌側接合部６２の間６２Ａの位置と厚さ方向に重複している。図８Ａでは、いずれの中間位置５１１ｃも厚さ方向において非肌側接合部６２の位置と重複していないが、少なくとも、ある中間位置５１１ｃが厚さ方向において非肌側接合部６２の位置と重複していなければよい。

このように、中間位置５１１ｃが、厚さ方向において、横方向に隣り合う肌側接合部６１の間６１Ａの位置と重複すると共に、横方向に隣り合う非肌側接合部６２の間６２Ａの位置と重複することにより、厚さ方向において高い剛性を有する部分と重複しない。これにより、当該中間位置５１１ｃを基点として吸収性本体１１がより厚さ方向に折れ曲がりやすくなる。

さらに、本実施形態では、ある中間位置５１１ｃが、厚さ方向において吸収性コア５３のサイドスリット５３２Ｂの位置と重複している。したがって、ある中間位置５１１ｃは、厚さ方向において、肌側接合部６１の間６１Ａの位置、吸収性コア５３のサイドスリット５３２Ｂの位置、及び非肌側接合部６２の間６２Ａの位置と重複している。これにより、当該中間位置５１１ｃを基点として吸収性本体１１がさらに厚さ方向に折れ曲がりやすくなり、着用者の体型に沿わせやすくなる。図８Ａでは、複数の中間位置５１１ｃのうちのある２つの中間位置５１１ｃが、厚さ方向において、肌側接合部６１の間６１Ａの位置、吸収性コア５３のサイドスリット５３２Ｂの位置、及び非肌側接合部６２の間６２Ａの位置と重複している。

また、複数の股下側脚回り弾性部材５７及び複数の中央弾性部材５８が長手方向に収縮した状態において、いずれかの中間位置５１１ｃは、横方向に隣り合う中央弾性部材５８の間５８Ａの位置と厚さ方向に重複している。これにより、複数の中央弾性部材５８が設けられた領域においても、当該中間位置５１１ｃを基点として、吸収性本体１１が厚さ方向に折れ曲がりやすくなる。図８Ａでは、複数の中間位置５１１ｃのうちのある３つの中間位置５１１ｃが、横方向に隣り合う中央弾性部材５８の間５８Ａの位置と厚さ方向に重複している。

（複数の凸部５１１と皺との関係）
次に、トップシート５１の複数の凸部５１１とおむつ１に形成される各皺との関係について、図９Ａ〜Ｃを参照して説明する。

図９Ａは、腹側弾性領域Ｘ２に形成される複数の皺２３０及び背側弾性領域Ｘ３に形成される複数の皺３３０の一例を模式的に示した模式図、図９Ｂは、吸収性本体１１の長手方向の腹側先端領域１１Ａｆ及び背側先端領域１１Ｂｂに形成される複数の皺１１０の一例を模式的に示した模式図、図９Ｃは、トップシート５１の厚さ方向の断面を模式的に示した模式図である。

腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３が横方向に収縮すると、吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａ及び他端部１１Ｂも横方向に収縮して複数の皺１１０が形成される。これは、吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａが腹側弾性領域Ｘ２と厚さ方向に重複して位置しており、吸収性本体１１の長手方向の他端部１１Ｂが背側弾性領域Ｘ３と厚さ方向に重複して位置していることによるものである。

なお、吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａ及び他端部１１Ｂにおいて、吸収性コア５３（第２コア層５３２）の長手方向の一端部及び他端部が位置する領域では吸収性コア５３が厚みを有するため、複数の皺１１０が形成されにくい。したがって、吸収性本体１１の長手方向の一端部１１Ａのうち吸収性コア５３よりも上側の領域１１Ａｆ（以下では、腹側先端領域１１Ａｆとする）、及び吸収性本体１１の長手方向の他端部１１Ｂのうちの吸収性コア５３よりも上側の領域（以下では、背側先端領域１１Ｂｂとする）に形成される複数の皺１１０を考える。

また、以下の説明では、腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３が横方向に収縮した状態であることを前提とする。なお、「腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３が横方向に収縮した状態」とは、おむつ１に負荷をかけずに平面上に平置きした状態において、腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３が横方向に最大限伸長された状態から横方向に収縮して、おむつ１に皺が発生している状態である。

図９Ｂ及び図９Ｃに示すように、腹側先端領域１１Ａｆ及び背側先端領域１１Ｂｂに形成される複数の皺１１０の横方向の最大間隔Ｗ３が、トップシート５１の凸部５１１の所定のピッチＷ１よりも大きい（Ｗ３＞Ｗ１）。

ここで、複数の皺１１０の最大間隔Ｗ３の測定方法について説明する。まず、おむつ１を図２に示すような展開かつ伸長状態にする。次に、腹側先端領域１１Ａｆ及び背側先端領域１１Ｂｂをそれぞれ測定範囲とする。腹側の測定範囲において、上下方向に隣り合う腹側弾性部材２３の間における上下方向の中央に、横方向へ直線状に延びる赤色のラインを引く。同様に、背側の測定範囲において、上下方向に隣り合う背側弾性部材３３の間における上下方向の中央に、横方向へ直線状に延びる赤色のラインを引く。

係る状態のおむつ１を常温（室温約１８〜２２℃、相対湿度５５〜６５％）にて２４時間放置した後、おむつ１を伸長状態から解放して腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３を横方向に収縮させる。これにより、平面上に平置きされた状態のおむつ１に複数の皺が形成される。そのままの状態でしばらく放置した後、測定範囲の赤色のライン上に形成された上下方向に沿った皺１１０の横方向の間隔を、例えば定規やノギス等で測定する。測定した間隔のうち最大となる間隔が、複数の皺１１０の最大間隔Ｗ３となる。

隣り合う皺１１０の最大間隔Ｗ３がトップシート５１の凸部５１１の所定のピッチＷ１よりも大きいことから、着用時のフィット性を向上させるべく胴回りを締め付けるおむつ１のようなパンツ型の使い捨ておむつであっても、おむつ１の着用時において、当該部分では着用者の肌との間に隙間ができやすく通気性が向上する。これにより、おむつ１の着用時における胴回りの蒸れを生じにくくすることができ、着用者に与える不快感を抑制することができる。

図９Ｂでは、横方向に隣り合う皺１１０の各頂部の横方向の間の距離が最大間隔Ｗ３となっているが、最大間隔Ｗ３は皺の形状にも依るものであるため、前述した測定方法により測定した横方向に隣り合う皺１１０の間隔のうち最大のものを最大間隔Ｗ３とする。

本実施形態では、図９Ｂ及び図９Ｃに示すように、腹側先端領域１１Ａｆ及び背側先端領域１１Ｂｂに形成される複数の皺１１０の突出方向（厚さ方向）の最大高さＤ３が、トップシート５１の凸部の高さＤ１よりも高い（Ｄ３＞Ｄ１）。これにより、おむつ１を着用した際、当該部分において着用者の肌との間に形成される隙間が横方向に加えて厚さ方向にも大きくなり、通気性をさらに向上させることができる。

図９Ａ及び図９Ｂに示すように、腹側先端領域１１Ａｆ及び背側先端領域１１Ｂｂに形成される複数の皺１１０の最大間隔Ｗ３が、腹側弾性領域Ｘ２に形成された複数の皺２３０の横方向の最大間隔Ｗ４及び背側弾性領域Ｘ３に形成された複数の皺３３０の横方向の最大間隔Ｗ４よりも小さい（Ｗ３＜Ｗ４）。なお、複数の皺２３０の横方向の最大間隔Ｗ４及び複数の皺３３０の横方向の最大間隔Ｗ４の測定方法についても、複数の皺１１０の横方向の最大間隔Ｗ３における測定方法と同様である。

これにより、おむつ１を着用した際、腹側先端領域１１Ａｆ及び背側先端領域１１Ｂｂでは、着用者の肌との間に形成される隙間が腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３における隙間よりも小さくなるため、吸収性本体１１に吸収された尿が長手方向に沿って漏れ出すことを抑制することができる。また、腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３では、着用者の肌との間に形成される隙間が、腹側先端領域１１Ａｆ及び背側先端領域１１Ｂｂにおける隙間よりも大きくなるため、胴回りにおける通気性が向上する。

なお、必ずしも腹側先端領域１１Ａｆに形成される複数の皺１１０、及び背側先端領域１１Ｂｂに形成される複数の皺１１０の両方について上述した関係が成立する必要はなく、少なくとも、腹側先端領域１１Ａｆに形成される複数の皺１１０及び背側先端領域１１Ｂｂに形成される複数の皺１１０のうちの少なくとも一方において、横方向の最大間隔Ｗ３が吸収性本体１１の長手方向の中央部における凸部５１１の所定のピッチＷ１よりも大きければよい。

さらに、本実施形態では、腹側折り返し部２２Ａ及び背側折り返し部３２Ａが吸収性本体１１と厚さ方向に重複していないため（図３参照）、おむつ１内で生じた蒸れ（空気）を外部へ逃がす通り道を塞いでしまうといった事態を抑制することができ、胴回りにおける通気性がより向上する。なお、腹側折り返し部２２Ａ及び背側折り返し部３２Ａのうちのいずれかは、吸収性本体１１と厚さ方向に重複していてもよい。

＝＝＝第２実施形態＝＝＝
次に、本発明の第２実施形態に係るおむつ１Ａの構成について、図１０及び図１１を参照して説明する。図１０及び図１１において、第１実施形態に係るおむつ１の構成について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。

図１０は、第２実施形態に係るおむつ１Ａの一構成例を示し、展開かつ伸長状態のおむつ１Ａを着用者の肌側から見た概略平面図である。図１１は、おむつ１Ａの吸収性本体１３の厚さ方向の断面模式図である。

本実施形態に係るおむつ１Ａは、腹側胴回り部２Ａと、背側胴回り部３Ａと、吸収性本体１３と、を備えた所謂３ピースタイプのパンツ型のおむつである。図１０に示すように、おむつ１Ａを展開した状態において、腹側胴回り部２Ａは吸収性本体１３の長手方向の一端部１３Ａに配置され、背側胴回り部３Ａは吸収性本体１３の長手方向の他端部１３Ｂに配置されている。すなわち、吸収性本体１３は、間隔を空けて配置された腹側胴回り部２Ａと背側胴回り部３Ａとの間に架け渡されている。

腹側胴回り部２Ａには、複数の腹側弾性部材２３によって形成された腹側弾性領域Ｘ２よりも下側の下端部に、横方向に沿った下端側弾性部材２５Ａが上下方向に間隔を空けて複数並んで設けられている。下端側弾性部材２５Ａは、吸収性本体１３と厚さ方向に重複する領域において上方に向かって湾曲している。これにより、おむつ１Ａを着用した際、股下に近い部分において腹側胴回り部２Ａをカップ状に変形させることができるため、性器をおむつ１Ａ内に収容させやすくなる。

図１１に示すように、吸収性本体１３は、トップシート５１と、セカンドシート５２と、吸収性コア５３Ａと、バックシート５４Ａと、一対のサイドシート５５と、を有している。

吸収性コア５３Ａは、第１実施形態における吸収性コア５３の構成と異なり２層構造を有しておらず、外周がコアラップシート５３０で覆われている。このコアラップシート５３０は、例えばティッシュ等により形成されており、セカンドシート５２の繊維密度よりも密度が高い。これにより、トップシート５１、トップシート５１よりも繊維密度が高いセカンドシート５２、セカンドシート５２よりも繊維密度が高いコアラップシート５３０の順に、厚さ方向において肌側から非肌側へ向かって尿が移行しやすくなり、吸収性本体１３内における液移行性が向上する。

バックシート５４Ａは、フィルム等の液不透過性のシート部材で形成された第１バックシート５４１と、不織布等の柔らかいシート部材で形成された第２バックシート５４２と、を有する。第２バックシート５４２は、第１バックシート５４１の非肌側に配置されており、第１バックシート５４１が外部にむき出しにならないようにしている。

一対のサイドシート５５は、横方向の外端部が肌側に向かって折り返され、さらに折り返された先端部が非肌側に向かって折り返されており、当該部分に複数の弾性部材５９が配置された状態でトップシート５１の肌側の面に接合されている。これにより、所謂立体ギャザーが形成される。

本実施形態に係るおむつ１Ａにおいても、トップシート５１に凹凸シートを用いているため、尿に含まれる固形成分を濾し取り、当該固形成分による吸収性本体１３の目詰まりを抑制することができる。また、第１実施形態に係るおむつ１と同様に、腹側弾性領域Ｘ２及び背側弾性領域Ｘ３が横方向に収縮した状態において、腹側先端領域１３Ａｆに形成される複数の皺の横方向の最大間隔、及び背側先端領域１３Ｂｂに形成される複数の皺の横方向の最大間隔のうちの少なくとも一方が、吸収性本体１３の長手方向における中央部における凸部５１１の所定のピッチＷ１よりも大きいため（図９参照）、腹側胴回り及び背側胴回りのうちの少なくとも一方において通気性が向上して着用時の蒸れを生じにくくすることができる。

＝＝＝その他＝＝＝
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。

上記の実施形態では、おむつの着用対象を高齢者として説明したが、これに限らず、新生児や乳幼児等を着用対象としても構わない。

１，１Ａ…おむつ（パンツ型使い捨ておむつ）
２，２Ａ…腹側胴回り部
３，３Ａ…背側胴回り部
１１，１３…吸収性本体
１１Ａ，１３Ａ…一端部
１１Ｂ，１３Ｂ…他端部
２２Ａ…腹側折り返し部
３２Ａ…背側折り返し部
５１…トップシート（肌側シート）
５２…セカンドシート
５３，５３Ａ…吸収性コア
５４，５４Ａ…バックシート（非肌側シート）
５７…股下側脚回り弾性部材（端部弾性領域）
５８…中央弾性部材（中央弾性領域）
６１…肌側接合部
６２…非肌側接合部
１１０，２３０，３３０…皺
５１１…凸部
５１１ｃ…中間位置（各頂部の横方向の中間の位置）
５１１Ｄ…高密度領域（最も密度の高い部分）
５１１ｔ…頂部
５３２Ｂ…サイドスリット（低目付領域）
Ｘ２…腹側弾性領域
Ｘ３…背側弾性領域

Claims (13)

1. 上下方向と、前記上下方向に交差する横方向と、を有し、
   液体を吸収する吸収性コアを有する吸収性本体と、
   前記吸収性本体の長手方向の一端部に配置された腹側胴回り部と、
   前記吸収性本体の前記長手方向の他端部に配置された背側胴回り部と、
   を備えたパンツ型使い捨ておむつであって、
   前記吸収性本体は、前記長手方向に沿って形成された凸部が前記横方向に所定のピッチで複数設けられた液透過性の肌側シートを有し、
   前記腹側胴回り部には、前記横方向に伸縮する腹側弾性領域が前記吸収性本体の前記一端部における複数の前記凸部と交差するように設けられ、
   前記背側胴回り部には、前記横方向に伸縮する背側弾性領域が前記吸収性本体の前記他端部における複数の前記凸部と交差するように設けられ、
   前記腹側弾性領域及び前記背側弾性領域が前記横方向に収縮した状態において、前記長手方向の前記一端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔、及び前記長手方向の前記他端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔のうちの少なくとも一方が、前記長手方向の中央部における前記凸部の前記所定のピッチよりも大きい
   ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
2. 請求項１に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
   前記腹側弾性領域及び前記背側弾性領域が前記横方向に収縮した状態において、前記吸収性本体の前記長手方向の前記一端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の突出方向の最大高さ、及び前記長手方向の前記他端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の突出方向の最大高さのうちの少なくとも一方が、前記吸収性本体の前記長手方向の前記中央部における前記凸部の高さよりも高い
   ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
3. 請求項１又は２に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
   前記腹側弾性領域及び前記背側弾性領域が前記横方向に収縮した状態において、前記吸収性本体の前記長手方向の前記一端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔、及び前記長手方向の前記他端部のうち前記吸収性コアよりも上側に形成される複数の皺の前記横方向の最大間隔のうちの少なくとも一方が、前記腹側弾性領域に形成された複数の皺の前記横方向の最大間隔、及び前記背側弾性領域に形成された複数の皺の前記横方向の最大間隔よりも小さい
   ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
4. 請求項１〜３のいずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
   前記肌側シートと前記吸収性コアとは、前記横方向に間欠に複数設けられた肌側接合部によって厚さ方向に接合されており、
   複数の前記凸部のうちの第１凸部の頂部と、前記第１凸部と前記横方向に隣り合う第２凸部の頂部との前記横方向の中間の位置は、前記厚さ方向において前記肌側接合部の位置と重複していない
   ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
5. 請求項４に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
   前記横方向に隣り合う前記肌側接合部の間の位置は、複数の前記凸部のうち、前記横方向に隣り合ういずれか２つの前記凸部の各頂部の前記横方向の中間の位置と前記厚さ方向において重複している
   ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
6. 請求項４又は５に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
   前記横方向に隣り合う前記肌側接合部の間隔は、前記凸部の前記所定のピッチよりも大きい
   ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
7. 請求項４〜６のいずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
   前記吸収性コアの非肌側に配置された液不透過性の非肌側シートをさらに備え、
   前記非肌側シートと前記吸収性コアとは、前記横方向に間欠に複数設けられた非肌側接合部によって前記厚さ方向に接合されており、
   複数の前記凸部のうちの第１凸部の頂部と、前記第１凸部と前記横方向に隣り合う第２凸部の頂部との前記横方向の中間の位置は、前記厚さ方向において前記非肌側接合部の位置と重複していない
   ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
8. 請求項１〜７のいずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
   前記肌側シートの非肌側かつ前記吸収性コアの肌側に配置された液透過性のセカンドシートをさらに備え、
   前記肌側シートは、前記横方向に密度差を有しており、
   前記セカンドシートの平均密度は、前記肌側シートの平均密度よりも高い
   ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
9. 請求項１〜８のいずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
   前記吸収性コアには、前記長手方向に沿った低目付領域が前記横方向に間隔を空けて一対設けられており、
   複数の前記凸部のうちの第１凸部の頂部と、前記第１凸部と前記横方向に隣り合う第２凸部の頂部との前記横方向の中間の位置は、厚さ方向において前記低目付領域の位置と重複している
   ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
10. 請求項１〜９のいずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記吸収性本体は、
    前記横方向の両端部に設けられて、前記長手方向に伸縮可能な端部弾性領域と、
    前記長手方向の中央部かつ前記端部弾性領域よりも前記横方向の内側に設けられて前記長手方向に伸縮可能な中央弾性領域と、を有している
    ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
11. 請求項１０に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記中央弾性領域には、前記長手方向に沿った中央弾性部材が前記横方向に所定の間隔で複数設けられており、
    前記端部弾性領域及び前記中央弾性領域が前記長手方向に収縮した状態において、複数の前記凸部のうちの第１凸部の頂部と、前記第１凸部と前記横方向に隣り合う第２凸部の頂部との前記横方向の中間の位置が、前記横方向に隣り合う前記中央弾性部材の間の位置と厚さ方向に重複している
    ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
12. 請求項１〜１１のいずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記腹側胴回り部は、上端部が下方に折り返された腹側折り返し部を有し、
    前記背側胴回り部は、上端部が下方に折り返された背側折り返し部を有し、
    前記腹側折り返し部及び前記背側折り返し部のうちの少なくとも一方は、前記吸収性本体と厚さ方向に重複していない
    ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
13. 請求項１〜１２のいずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    複数の前記凸部は、前記肌側シートの前記長手方向の一端から他端に亘って連続して形成されている
    ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。

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