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JP6161500B2 - ブロムフェナク含有組成物 - Google Patents

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JP6161500B2 JP2013208728A JP2013208728A JP6161500B2 JP 6161500 B2 JP6161500 B2 JP 6161500B2 JP 2013208728 A JP2013208728 A JP 2013208728A JP 2013208728 A JP2013208728 A JP 2013208728A JP 6161500 B2 JP6161500 B2 JP 6161500B2
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Description

本発明は、製剤的な安定性に優れた、ブロムフェナク及び/又はその塩を含有する組成物に関する。より詳細には、本発明は、ブロムフェナク及び/又はその塩と共にテルペノイドを含みながら、光安定性が著しく改善された組成物に関する。更に本発明は、テルペノイドとの併用により悪化するブロムフェナクの光安定性を改善する方法等に関する。
ブロムフェナク及び/又はその塩は、外眼部及び前眼部の炎症性疾患(例えば、眼瞼炎、結膜炎、強膜炎(上強膜炎を含む)、術後炎症等)に対して、優れた抗炎症作用を発揮し得る薬物として、これまでにも眼科用組成物において使用されている(特許文献1)。
一方、テルペノイドは、清涼感や冷感を付与するための清涼化剤としてこれまでにも眼科用組成物に使用されている。
非イオン性界面活性剤は、成分の溶解を補助する目的で、点眼剤や内服剤等の医薬品や化粧品、食品等において汎用されている。これまでに、ブロムフェナクナトリウム[別名:2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸ナトリウム]と、特定の抗生物質を含有する製剤に関して、沈殿を生じない水溶液に関する技術が提供されてきた(特許文献2)。
しかしながら、ブロムフェナクナトリウムとテルペノイドを組み合わせた際の安定性、特に光を照射した際の安定性に関しては全く知られておらず、更に非イオン界面活性剤を加えた場合の影響については、容易には推測すらできないのが現状である。そして、ブロムフェナクが光照射により分解すると、ブロムフェナクの抗炎症作用等の薬理効果が減弱し、ブロムフェナク含有組成物の品質低下を招く。
一般に、光に対して不安定な薬理活性物質を含有する製剤を安定に保持する手段としては、製剤を収容する包装材料による遮光手段、例えば、製剤を収容する容器を遮光するための補助的な遮光袋を付随的に使用する方法、製剤を収容する容器を、褐色容器やアルミニウム容器にする方法等の遮光手段が採用されている。しかし、補助的遮光袋を使用者が使用しない場合も多く、また、容器や包材を使用できない製造過程では、光により物質が分解する危険性が高い。さらに、製剤の製造工程において、アルミニウム容器や濃い褐色の容器等の不透明又は透明性の低い容器を用いると、製剤を容器に充填した後、異物混入を容器の外側から検査するのが困難となる。
特開2002−308764号公報 国際公開第2005/046700号パンフレット
本発明は、上述の従来技術に鑑み、ブロムフェナク及び/又はその塩と、テルペノイドとを含有しながら、製剤的な安定性、特に光安定性が改善された組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ブロムフェナク及び/又はその塩とテルペノイドを共に含有する組成物が光に晒された場合に、ブロムフェナクの分解が顕著に促進されることを見出した。そこで、上記ブロムフェナク及び/又はその塩と、テルペノイドとを共存させている組成物に、非イオン性界面活性剤を更に組み合わせて用いたところ、驚くべきことに、光照射時におけるブロムフェナクの分解が顕著に抑えられることを見出した。従って、本発明により、製剤的に非常に優れたブロムフェナク及び/又はその塩を含有する組成物を提供することが可能となる。
従って、本発明は以下を提供する。
(1)(A)ブロムフェナク及び/又はその塩と、
(B)テルペノイドと、
(C)非イオン性界面活性剤と
を含有する組成物。
(2)(C)成分として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びモノステアリン酸ポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、上記(1)に記載の組成物。
(3)(C)成分として、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンヒマシ油10、ポリオキシエチレンヒマシ油35、ポロクサマー407、及びステアリン酸ポリオキシル40からなる群より選択される少なくとも1種を含む、上記(1)に記載の組成物。
(4)(B)成分として、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、クールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、樟脳油、ユーカリ油、及びベルガモット油からなる群より選択される少なくとも1種を含む、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)(A)成分の総含有量1重量部に対して、(B)成分の総含有量が、0.0002〜10重量部である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)(B)成分の総含有量1重量部に対して、(C)成分の総含有量が、0.01〜10000重量部である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)水性液状組成物である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の組成物。
(8)眼科用組成物である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(9)点眼剤である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物。
(10)光透過性の容器に収容されている、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の組成物。
(11)光透過性の容器の材料がポリエステル系樹脂を含む、上記(10)に記載の組成物。
(12)(A)ブロムフェナク及び/又はその塩に、(B)テルペノイド及び(C)非イオン性界面活性剤を含有させることを含む、ブロムフェナク及び/又はその塩の光安定性を向上させる方法。
本発明によれば、ブロムフェナク及び/又はその塩と共に、テルペノイドを含みながら、光に対して安定な組成物を提供することができる。
本明細書において含有量の単位「%」は「w/v%」を意味し、「g/100mL」と同義である。
本明細書中、特に記載の無い限り、略号「POE」はポリオキシエチレンを意味する。
本明細書中、特に記載の無い限り、略号「POP」はポリオキシプロピレンを意味する。
本発明は、(A)ブロムフェナク及び/又はその塩と、(B)テルペノイドと、(C)非イオン性界面活性剤とを含有する組成物に関する。
本発明の組成物は、ブロムフェナク及び/又はその塩(以下、単に(A)成分ともいう)
を含有する。
ブロムフェナクは、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸とも称される公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本発明で使用される(A)成分の内、ブロムフェナクの塩としては、医薬上、薬理学的に
(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等の各種の塩が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくは有機塩基との塩及び/又は無機塩基との塩、より好ましくは無機塩基との塩、更に好ましくはアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩、更により好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩が挙げられる。これらのブロムフェナクの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、本発明のブロムフェナク及びその塩には、それらの溶媒和物(例えば、水和物)の形態も包含される。溶媒和物の形態としては、例えば、1/2水和物、1水和物、3/2水和物等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、3/2水和物である。
本発明の組成物には、(A)成分として、ブロムフェナク及びその塩の中から、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。より高い光安定化効果が得られるという観点から、好ましくは、ブロムフェナク、その無機塩基との塩、及び/又はそれらの溶媒和物、より好ましくはブロムフェナク、そのアルカリ金属塩、そのアルカリ土類金属塩、及び/又はそれらの溶媒和物、更に好ましくはブロムフェナク、そのアルカリ金属塩、及び/又はそれらの溶媒和物、特に好ましくはブロムフェナク、そのナトリウム塩、及び/又はそれらの水和物が挙げられる。
本発明の組成物における、上記(A)成分の含有量は特に限定されず、(A)成分の種類、他成分の種類及び含有量、該組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。例えば、本発明の組成物の総量を基準に、該(A)成分の総含有量が、0.001〜1.0w/v%であることが好ましく、0.002〜0.5w/v%であることがより好ましく、0.005〜0.2w/v%であることが更に好ましく、0.01〜0.1w/v%であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、上記(A)成分に加えて、テルペノイド(以下、(B)成分と表記することもある)を含有することが必要である。(A)成分と(B)成分を共存させることによって、(A)成分の分解が顕著に誘発される。
(B)成分として使用されるテルペノイドについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り、特に制限されない。このようなテルペノイドとして、具体的には、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、シトロネロール、メントン、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、これらの誘導体等が挙げられる。これらの化合物はd体、l体又はdl体のいずれでもよい。また、本発明において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油等が挙げられる。
本発明の組成物には、(B)成分として、テルペノイドの中から、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。(B)成分が共存した場合の(A)成分に対して、より高い光安定化効果が得られるという観点から、好ましくは、メントール、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール等が挙げられ、これらを含有する好ましい精油としてクールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、樟脳油、ユーカリ油、ベルガモット油等が例示される。より好ましくは、メントール、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール、ユーカリ油及びベルガモット油が挙げられ、更に好ましくは、l-メントール、dl-メントール、d-カンフル、dl-カンフル、ゲラニオール、d-ボルネオール、ユーカリ油及びベルガモット油、特に好ましくは、l-メントール、dl-メントールが挙げられる。
本発明の組成物における、(B)成分の含有量は特に限定されず、(B)成分の種類、他成分の種類及び含有量、該組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。例えば、本発明の組成物の総量を基準に、該(B)成分の総含有量が、0.0001〜0.2w/v%であることが好ましく、0.0005〜0.1w/v%であることがより好ましく、0.001〜0.07w/v%であることが更に好ましく、0.002〜0.05w/v%であることが特に好ましい。なお、テルペノイドを含む精油を使用する場合は、組成物中に含有される精油中のテルペノイドが上記含有量を満たすように設定することができる。
本発明の組成物において、(A)成分に対する(B)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び(B)成分の種類、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(B)成分の含有比率として、例えば、本発明の組成物に含まれる(A)成分の総含有量1重量部に対して、(B)成分の総含有量が、0.0002〜10重量部であることが好ましく、0.001〜5重量部であることがより好ましく、0.005〜2重量部であることが更に好ましく、0.02〜0.5重量部であることが特に好ましい。上記(A)成分に対する(B)成分の含有比率は、該組成物において、(B)成分が共存した場合の(A)成分の光安定性を改善するという効果の観点から好適である。
更に、本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤(以下、単に(C)成分ともいう)を含有する。このように、(A)成分、(B)成分と共に、(C)成分を組み合わせることによって、(B)成分の共存によって促進される(A)成分の光照射時における分解を、効果的に抑制する効果が発揮される。
本発明の組成物に配合可能な非イオン性界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60
)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロクサマー124等のPOE・POPブロックコポリマー;POE(40)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40)、POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)等のPOE硬化ヒマシ油;POE(10)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油10)、POE(35)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油35)等のPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル;ステアリン酸ポリオキシル40等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、括弧内の数字は付加モル数を示す。
本発明の組成物には、(C)成分として、非イオン性界面活性剤の中から、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。より高い光安定化効果が得られるという観点から、好ましくは、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POPブロックコポリマー、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、更に好ましくは、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンヒマシ油10、ポリオキシエチレンヒマシ油35、ポロクサマー407(ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール)、及びステアリン酸ポリオキシル40が用いられる。
本発明の組成物における、(C)成分の含有量は特に限定されず、(C)成分の種類、他成分の種類及び含有量、該組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。例えば、本発明の組成物の総量を基準に、該(C)成分の総含有量が、0.0005〜5w/v%であることが好ましく、0.001〜3w/v%であることがより好ましく、0.005〜2w/v%であることが更に好ましく、0.01〜1w/v%であることが特に好ましい。上記(C)成分の含有量は、該組成物において、ブロムフェナクの光安定性を改善するという効果の観点から好適である。
また、本発明の組成物において、(A)成分に対する(C)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び(C)成分の種類、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(C)成分の含有比率として、例えば、本発明の組成物に含まれる(A)成分の総含有量1重量部に対して、(C)成分の総含有量が、0.0005〜5000重量部であることが好ましく、0.005〜1000重量部であることがより好ましく、0.02〜200重量部であることが更に好ましく、0.1〜100重量部であることが特に好ましい。上記(A)成分に対する(C)成分の含有比率は、該組成物において、(A)成分の光安定性を改善するという効果の観点から好適である。
更に、本発明の組成物において、(B)成分に対する(C)成分の含有比率は特に限定されず、(B)成分及び(C)成分の種類、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。(B)成分に対する(C)成分の含有比率として、例えば、本発明の組成物に含まれる(B)成分の総含有量1重量部に対して、(C)成分の総含有量が、0.01〜10000重量部であることが好ましく、0.05〜2000重量部であることがより好ましく、0.2〜500重量部であることが更に好ましく、1〜200重量部であることが特に好ましく、1〜70重量部であることが一層好ましく、2〜40重量部であることがより一層好ましく、2〜30重量部であることがさらにより一層好ましい。上記(B)成分に対する(C)成分の含有比率は、該組成物において、(B)成分が共存した場合の(A)成分の光安定性を改善するという効果の観点から好適である。
本発明の組成物は、更に緩衝剤を含有してもよい。本発明の組成物に配合できる緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。かかる緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸等が挙げられる。これらの緩衝剤は組み合わせて使用してもよい。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、及びクエン酸緩衝剤であり、より好ましい緩衝剤はホウ酸緩衝剤及びリン酸緩衝剤であり、特に好ましい緩衝剤はホウ酸緩衝剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、又はホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等のホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、又はリン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等のリン酸塩が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸、又は炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等の炭酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、又はクエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸及び/又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸及び/又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸及び/又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸及び/又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸及び/又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等);トリス緩衝剤として、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及び/又はその塩(塩酸塩、酢酸塩、スルホン酸塩等)等が例示できる。これらの緩衝剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
上記緩衝剤の中でも、とりわけホウ酸緩衝剤は好適である。ホウ酸緩衝剤の好適な具体例として、ホウ酸とその塩の組み合わせ;好ましくはホウ酸と、ホウ酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩の組み合わせ;更に好ましくはホウ酸と、ホウ酸のアルカリ金属塩の組み合わせ;特に好ましくはホウ酸とホウ砂の組み合わせが例示される。
本発明の組成物に緩衝剤を配合する場合、該緩衝剤の含有量については、使用する緩衝剤の種類、他の配合成分の種類や量、該組成物の用途等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、該組成物の総量に対して、該緩衝剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.05〜5w/v%、更に好ましくは0.1〜3w/v%、特に好ましくは0.5〜2w/v%となる割合が例示される。
本発明の組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではないが、pHが高いほどより高い製剤安定性(とりわけ光に対する高い安定性)が獲得できる傾向がある。かかる観点に鑑みれば、本発明の組成物のpHの好適な一例として、pHが6.0以上、好ましくは6.0〜9.0、更に好ましくは6.0〜8.5、特に好ましくは6.5〜8.0となる範囲が挙げられる。
また、本発明の組成物の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。本発明の組成物の浸透圧比の一例として、好ましくは0.7〜5.0、更に好ましくは0.8〜3.0、特に好ましくは0.9〜1.4となる範囲が挙げられる。浸透圧の調整は無機塩、多価アルコール、糖アルコール、糖類等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十五改正日本薬局方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明の組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。このような薬理活性成分や生理活性成分としては、例えば、抗ヒスタミン剤又は抗アレルギー剤、充血除去剤、殺菌剤、ビタミン類、アミノ酸類、消炎剤、収斂剤、等が挙げられるがこれらに限定されない。具体的には、眼科用薬において用いられる成分としては、次のような成分が挙げられる。
抗ヒスタミン剤又は抗アレルギー剤:例えば、イプロヘプチン、塩酸ジフェンヒドラミンマレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ケトチフェン、ペミロラストカリウム、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、オロパタジン塩酸塩等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硫酸ナファゾリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン等。
殺菌剤:例えば、セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド等。
ビタミン類:例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、パンテノール、パントテン酸カルシウム、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン等。
アミノ酸類:例えば、アミノエチルスルホン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等。
消炎剤:例えば、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、アズレン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレン、ε−アミノカプロン酸、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、塩化リゾチーム、甘草、プラノプロフェン等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:例えば、メチル硫酸ネオスチグミン、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム等。
また本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、薬学的に許容される担体や添加物を含有させてもよい。このような担体や添加物としては、例えば、等張化剤、増粘剤、糖類、糖アルコール類、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、安定化剤、キレート剤、香料又は清涼化剤等が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な成分として例えば次の担体、添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体。
等張化剤(無機塩):例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等。
多価アルコール:グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等。
糖類:例えば、シクロデキストリン、ブドウ糖等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、トロメタモール、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド)等)、グローキル(ローディア社製商品名)等。
pH調節剤:例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、硫酸、硫酸マグネシウム、リン酸、ポリリン酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム等。
安定化剤:例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸、EDTA)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(エデト酸ナトリウム)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
本発明の組成物は、所望量の上記(A)〜(C)成分、必要に応じて他の配合成分を所望の濃度となるように添加することにより調製される。各成分の添加順序は本発明の効果を妨げない限り特に制限されないが、(C)非イオン性界面活性剤、(A)ブロムフェナク及び/又はその塩、(B)テルペノイドの順に添加することが好ましい。
本発明の組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。例えば、本発明の組成物の形態として、液状、半固形状(軟膏等)、固形状等を挙げることができる。好ましくは液状であり、より好ましくは水性液状組成物である。ここで水性液状組成物とは、水を含有する液状の組成物を意味し、通常は、組成物中に水を1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは90重量%以上含有するものを意味する。水性液状組成物に含有される水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等を使用できる。これらの定義は第十六改正日本薬局方に基づく。
また、本発明の組成物は、医薬品や医薬部外品等の製剤として使用でき、例えば、眼科用組成物、鼻腔用組成物、経口用組成物、点耳用組成物、皮下投与用組成物、皮膚外用組成物等の様々な用途で使用することができる。ここで、眼科用組成物には、点眼剤、人工涙液、洗眼剤、眼軟膏、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤等が含まれる)等が含まれる。また、鼻腔用組成物には、点鼻剤、鼻洗浄液等が含まれる。経口用組成物には、内服薬(例えば、液剤、シロップ剤、エキス剤等)、口腔咽頭薬、含嗽薬等が含まれる。点耳用組成物には、点耳薬が含まれる。皮下投与用組成物としては、注射剤等が含まれる。
上記用途の中でも、眼科用組成物は、経口用組成物等の他の用途の組成物に比べて、配合成分の含有量が非常に低いことが多く、僅かの含有量低下であっても大きな問題となりかねない。とりわけ眼科用組成物の中でも点眼剤は、1回の使用量が極微量であるため含有量低下の影響は大きい。また、洗眼剤やコンタクトレンズケア用剤等は洗面台等の室温下や暗所下で保管されることが多いのに対し、点眼剤は、日中に車のダッシュボードの上に置かれたり、屋外で持ち歩かれたりする等して、日光や照明等の光にも曝され易い。更に、点眼剤は、一般に少量で個別包装されているという点からも、外部からの光による影響を受け易い製剤形態であるといえる。本発明の組成物によれば、このように光による影響を受け易い眼科用組成物(特に、点眼剤)についても、光安定化効果を有効に奏することができる。かかる本発明の効果に鑑みれば、本発明の組成物の好適な一例として、眼科用組成物が挙げられ、特に好適な例として点眼剤が挙げられる。
本発明の組成物は、光に対する安定性が高いとともに、長期間に亘り高い光安定性を維持できるので、光透過性の容器、ガラス又はプラスチック製の容器、特に、スクイズ性及び携帯性に優れるプラスチック製容器等に、繰り返し使用可能な形態で、包装又は収容できる。さらに、本発明の組成物では、プラスチック製容器等の光に対する透過性の高い容器に包装又は収容することができるので、容器の外部から異物混入を確実に判別でき、異物確認試験を容易に行うことができると共に、組成物(点眼薬、洗眼薬、注射剤、輸液、飲料、食品、化粧料等の製剤等)の工程管理及び品質管理を確実に行うことができる。
前記組成物を収容できるプラスチック容器の樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)等)、セルロースアセテート類等が例示できる。光安定性を得られた組成物を収容する容器の材質として好ましい樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であり、特に好ましい樹脂は、ポリエステル系樹脂である。
ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分等)とジオール成分とで構成された樹脂が使用できる。具体的には、芳香族ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンテレフタレート[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリC2−4アルキレンテレフタレート等]、ポリアルキレンナフタレート[ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート等のポリC2−4アルキレンナフタレート等]、ポリシクロアルキレンテレフタレート[ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)等]、ポリアリレート類(ビスフェノール類(ビスフェノール−A等)とフタル酸類(フタル酸、テレフタル酸)とで構成された樹脂等)等のホモポリエステルが挙げられる。また、ポリエステル系樹脂には、前記ホモポリエステル単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステル、前記ホモポリエステルの共重合体(PETとPCTとの共重合体等)等も含まれる。本発明において例えばポリエステル系樹脂製容器と記載する場合は、容器の構成材質としてポリエステル系樹脂を含んでいればよく、その割合は特に限定されない。例えば、容器の構成材質全体の重量に対し、ポリエステル系樹脂が10〜100w/w%、好ましくは30w/w%以上、特に好ましくは50w/w%以上であるものを意味する。
なかでも、オレフィン系樹脂(ポリエチレン等)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等)、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
ポリカーボネート系樹脂は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノール−A等)をベースとする芳香族ポリカーボネートである。
なお、プラスチック製容器は、コストパフォーマンス、強度、光透過性、ガス又は水蒸気バリア性(透湿性)等に実害が無い限り、ポリマーアロイ(ポリマーブレンド等)であってもよい。好ましいポリマーアロイには、複数の合成樹脂のポリマーブレンド(PETとPENとのポリマーブレンド等)が含まれる。
なかでも、一般用医薬品の容器(例えば、点眼剤の容器)として汎用されているという観点から、PET製の容器を使用することが好ましい。尚、本発明において例えばPET製容器と記載する場合は、容器の構成材質としてPETを含んでいればよく、その割合は特に限定されない。例えば、容器の構成材質全体の重量に対し、ポリエチレンテレフタレートが10〜100w/w%、好ましくは30w/w%以上、特に好ましくは50w/w%以上であるものを意味する。
また、樹脂は、スクイズ性が良好で、繰り返しの押圧に対して耐久性を有する樹脂、透明性または半透明性の樹脂であることが好ましく、必要に応じて着色してもよい。そして、光の透過を阻害できる成分(紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等)を樹脂に含有させたり、前記成分を含むコーティング剤を樹脂表面に塗布したりすることにより、本発明の効果と協働させて、さらに光安定性を向上させてもよい。
このように、本発明の組成物は、光によるブロムフェナクの分解が生じ難く、含有成分の性能を長期間に亘って安定して発揮することが可能な、品質の高い組成物である。
本発明の組成物の安定性は当業者に周知の方法により評価することができる。組成物の安定性試験は、温度、湿度及び光の観点から行うことができる。例えば、医薬品製造販売指針2010(じほう)には、上記3条件をそれぞれ別条件として設定する苛酷試験にて検証することが記載されている(第249頁4.苛酷試験)。
本発明の組成物は、(A)〜(C)成分を、特に上記した濃度及び比率を用いて組み合わせることによって、単独では見出せない顕著なヒスタミン遊離抑制効果を発揮する。本発明の組成物は、上記(A)成分に基づいて抗炎症作用等を発揮できるので、炎症性疾患の治療乃至予防に有効であり、炎症性疾患の改善剤としても有用であるが、上記したヒスタミン遊離抑制効果のため、特にアレルギー性疾患の治療に有用である。
ここで、対象となる炎症性疾患の一例として、炎症性眼疾患(例えば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症、涙腺炎、涙嚢炎、涙小管炎等)が挙げられる。従って、本発明の組成物は、これらの炎症性疾患に起因する種々の症状(例えば、目の異物感(コロコロ・チクチクする感じ)、なみだ目、充血、目のかゆみ、目のかすみ等)を緩和するために用いられ得る。本発明の組成物は、特にアレルギーを伴う炎症性疾患に有用であり、目のかゆみ、異物感(コロコロ・チクチクする感じ)に好適である。
以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
試験例1:光安定性に関する試験(1)
下記表1の処方に従って試験液を調製し、ブロムフェナクナトリウムの光安定性について評価を行った。具体的な実験手法及び結果を以下に示す。
まず、表1に示す各試験液を調製した。次いで、各試験液を容量10mlのガラス製のヘッドスペースバイアルに7mlずつ充填した。充填した容器に、太陽光照射装置であるサンテスター(SUNTEST XLS+;東洋精機製作所)を用いて30000kJ/m2のエネルギーとなる光を照射した。曝光前後にて、常法に従ってHPLC法により各試験液のブロムフェナクナトリウムの含有量を測定し、その残存率を下記式[式1]に従って算出した。算出の結果を表1に併せて示す。
[式1]
残存率(%)=(光照射後のブロムフェナクナトリウム含有量/光照射前のブロムフェナクナトリウム含有量)×100
Figure 0006161500
表1に示す通り、光照射後にブロムフェナクナトリウムの残存率が低下し、曝光によるブロムフェナクナトリウムの分解が認められた(比較例1)。ブロムフェナクナトリウムと共に、l−メントールを含有する組成物においては、この分解が一層加速され、ブロムフェナクナトリウムの残存率は更に低下した(比較例2)。これに対して、ブロムフェナクナトリウム、l−メントールと共に、更に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(実施例1)、ポロクサマー407(実施例2)といった非イオン性界面活性剤を含有する組成物においては、ブロムフェナクナトリウムの残存率が一挙に向上し、光安定性が改善されることが確認された。
試験例2:光安定性に関する試験(2)
下記表2の処方に従って試験液を調製し、ブロムフェナクナトリウムの安定性について評価を行った。具体的な実験手法及び結果を以下に示す。
まず、表2に示す各試験液を調製した。次いで、各試験液を試験例1と同様の方法で60000kJ/m2のエネルギーとなる光を照射し、上記式[式1]に従ってブロムフェナクナトリウムの残存率を算出した。算出の結果を、表2に併せて示す。
Figure 0006161500
表2に示す通り、ブロムフェナクナトリウムと共にl−メントールを含有する組成物においては(比較例3)、光照射後にブロムフェナクナトリウムの残存率が顕著に低下し、曝光によるブロムフェナクナトリウムの分解が認められた。これに対して、ブロムフェナクナトリウム、l−メントールと共に、更に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(実施例3)、ポリソルベート80(実施例4)、ステアリン酸ポリオキシル40(実施例5)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(実施例6)、ポリオキシエチレンヒマシ油35(実施例7)といった非イオン性界面活性剤を含有する組成物においては、ブロムフェナクナトリウムの残存率が一挙に向上し、光安定性が改善されることが確認された。
試験例3:ヒスタミン遊離抑制効果に関する試験
ブロムフェナクナトリウム、l−メントールと非イオン性界面活性剤であるステアリン酸ポリオキシル40を組み合わせた際のヒスタミン遊離抑制作用について評価した。具体的な実験手法及び結果を以下に示す。
RBL-2T3細胞を25×104cells/wellの密度で96well plateに播種し、37℃5%CO2条件下にて24時間培養した。培地を除去後、表3に示された処方で成分を溶解させたPIPES(+) Bufferに置換した。同条件下にて1.5時間培養後、上記Bufferをカルシウムイオノフォア試薬及び各被験薬剤を含むPIPES(+)Bufferに置換した。さらに30分間同条件下にて反応を行い、上清を回収し各試験液として、Histamin-EIA Kitを用い試験液中に含まれる遊離したヒスタミン量を定量した。ヒスタミン遊離率は標準試料(表3に示された成分を含まないPIPES(+)Bufferを添加した後の上清)との比較により、下記の[式2]に従い算出した。算出の結果を表3に併せて示す。
[式2]
ヒスタミン遊離率(%)=(各試験液のヒスタミン含有量/標準試料のヒスタミン含有量)×100
Figure 0006161500
表3に示す通り、ブロムフェナクナトリウムはヒスタミン遊離率を若干抑制させたものの(比較例4)、l−メントール(比較例5)、並びに、ステアリン酸ポリオキシル40(比較例6)においては、ヒスタミン遊離抑制作用が全く見出されなかった。また、ブロムフェナクナトリウムとステアリン酸ポリオキシル40の共存下(比較例7)においては、ヒスタミン遊離抑制作用が比較例4と比べて悪化する結果となった。しかしながら、ブロムフェナクナトリウムと共に、l−メントール及びステアリン酸ポリオキシル40が共存する場合(実施例8)においては、ヒスタミンの遊離が顕著に抑制され、抗アレルギー作用が向上することが確認された。
試験例4:光安定性に関する試験(3)
下記表4の処方に従って試験液を調製し、ブロムフェナクナトリウムの光安定性について評価を行った。具体的な実験手法及び結果を以下に示す。
まず、表4に示す各試験液を調製した。次いで、各試験液を容量15mlのポリエチレンテレフタレート(PET)製チューブに7mlずつ充填した。次いで、各試験液を試験例1と同様の方法で30000kJ/m2のエネルギーとなる光を照射し、上記式[式1]に従ってブロムフェナクナトリウムの残存率を算出した。算出の結果を、表4に併せて示す。
Figure 0006161500
表4に示す通り、ブロムフェナクナトリウムと共にl−メントールを含有する組成物をPET製容器に収納した場合、光照射後にブロムフェナクナトリウムの残存率が顕著に低下し、曝光によるブロムフェナクナトリウムの著しい分解が認められた(比較例8)。これに対して、ブロムフェナクナトリウム及びl−メントールと共に、更に、ポリソルベート80(実施例9)、ポリオキシエチレンヒマシ油35(実施例10)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(実施例11)といった非イオン性界面活性剤を含有する組成物においては、ブロムフェナクナトリウムの残存率が一挙に向上し、光安定性が改善されることが確認された。
参考試験例1:熱安定性に関する試験
下記表5に示す各試験液(参考例1及び2)を調製した。次いで、各試験液を容量10mlのガラス製のヘッドスペースバイアルに7mlずつ充填して密封し、60℃の恒温機内で遮光下において保存した。保存開始から2週後及び4週間後に、各試験液を取り出し、常法に従ってHPLC法によりブロムフェナクナトリウムの含有量を測定し、その残存率を下式に従って算出した。
[式3]
残存率(%)=(60℃保存後の各試験液におけるブロムフェナクナトリウムの含有量/保存前の各試験液におけるブロムフェナクナトリウムの含有量)×100
Figure 0006161500
表5に示す通り、ブロムフェナクナトリウム、並びにブロムフェナクナトリウムと共にl−メントールを含有する組成物が熱に対して極めて安定であることが認められた。
以上より、l−メントールと共存する場合のブロムフェナクナトリウムの分解は、光照射によっては顕著に促進されるが、熱によっては生じないことがわかった。
[製剤例]
表6及び7に記載の処方で、点眼剤(製剤例1−17)、洗眼剤(製剤例18−20)を調製した。
Figure 0006161500
Figure 0006161500

Claims (10)

  1. (A)ブロムフェナク及び/又はその塩と、
    (B)テルペノイドと、
    (C)非イオン性界面活性剤と
    を含有する組成物。
  2. (C)成分として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びモノステアリン酸ポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. (B)成分として、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、クールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、樟脳油、ユーカリ油、及びベルガモット油からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. (A)成分の総含有量1重量部に対して、(B)成分の総含有量が、0.0002〜10重量部である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. (B)成分の総含有量1重量部に対して、(C)成分の総含有量が、0.01〜10000重量部である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 水性液状組成物である、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 眼科用組成物である、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 光透過性の容器に収容されている、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 光透過性の容器の材料がポリエステル系樹脂を含む、請求項8に記載の組成物。
  10. (A)ブロムフェナク及び/又はその塩に、(B)テルペノイド及び(C)非イオン性界面活性剤を含有させることを含む、ブロムフェナク及び/又はその塩の光安定性を向上させる方法。
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