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JP6160333B2 - カーテン塗布装置及びカーテン塗布方法 - Google Patents

カーテン塗布装置及びカーテン塗布方法 Download PDF

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Description

本発明はカーテン塗布装置及びカーテン塗布方法に関する。
従来より、写真フィルム等の写真感光材料の製造に用いられている塗布方法として、カーテン塗布方法が提案されている。
カーテン塗布方法としては、次のような2種類がある。
一つは、(i)塗布液をノズルスリットから吐出し、スライド面を流下させる方法であり、塗布液をカーテン状に案内する一対のカーテンエッジガイドを有する。そして、一対のカーテンエッジガイドにより塗布液膜を自由落下させ、連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布液膜を形成させる方法である。この塗布方法は、2層以上の多層を塗布することが可能であり、スライドカーテン塗布法と呼ばれている。
図13はスライドカーテン塗布法によるカーテン塗布装置の概略構成を示す斜視図である。図14はスロットカーテン塗布法によるカーテン塗布装置の概略構成を示す斜視図である。図15はカーテン塗布における塗布液膜の不均一を説明するための図である。
図13に示されるように、スライドカーテン塗布装置10Aでは、塗布液がスライドカーテン塗布ヘッド7に設けられたマニホールド3、スロット9及びスリット(図示せず)より吐出されてカーテン膜(塗布液膜)6を形成する。さらに、塗布液によるカーテン膜6は、スライド面8を流下し、エッジガイド2(図13では左側のみ図示してある)により自由落下する左右両側端を保持されて流下し、連続走行する基材5に衝突して塗着される。
もう一つの塗布方法は、(ii)塗布液をノズルスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドに沿って 自由落下させ、連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布液膜を形成させる方法である。この塗布方法は、通常2層まで塗布することが可能であり、スロットカーテン塗布法と呼ばれている。
図14に示されるように、スロットカーテン塗布装置10Bでは、スロットカーテンヘッド1に設けられたマニホールド3及びスロット9よりカーテン膜6が吐出される。カーテン膜6は、エッジガイド2(図14では左側のみ図示してある)により左右両側端を保持されて自由落下し、連続走行する基材5に衝突して塗着される。
しかしながら、カーテン塗布方法は、塗布液が自由落下する際に、カーテン膜6の左右両側端のエッジガイド2近傍で塗布液の流れが遅い部分(境界層)が発生し、その流速差により、表面張力差が生じる。そのため、表面張力差起因によるマランゴニー流動によってカーテン膜6の左右両側端近傍の塗布液が中心側に向かう現象を起こし、その状態で連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布膜を形成させると、塗布膜の厚さにばらつきが生じる。例えばスロットカーテン塗布においては、図15に示すように、基材5に塗布された塗布膜20の幅方向の端部に薄膜部20aや厚膜部20bが形成されてしまう。
塗布膜20の幅方向端部に薄膜部20aや厚膜部20bが形成されるのを防止する方法としては、特開2012−35210号公報(特許文献1)により開示された方法がある。特許文献1の方法では、図16に示されるように、エッジガイド2の側面にカーテン膜の補助水流下ガイド部15を有する。補助水流下ガイド部15は、中央プレート11の平面11aと、側面プレート12、13の段差部12a、13aとにより形成された凹部である。そして、エッジガイド2において、補助水流下ガイド部15にエッジガイド補助水を流下させることで、カーテン膜6に対する摩擦抵抗が低減される。
上記塗布膜20の厚さが均一にするには、平面11aの両側に配置される段差部12a、13aが同じ段差寸法であることが望ましい。しかしながら、上記特許文献1では、加工誤差により平面11aに対する段差部12a、13aの突出寸法が微小寸法(例えば、0.2mm〜0.5mm程度)で均等になるように加工することが難しく、高い精密加工となる。そのため、補助水流下ガイド部15を精密加工して精度を高めるには、製造コストが高価になるという問題があった。
また、表面張力の低い塗布液(35mN/m以下)にて、エッジガイドの表面に形成された凹部にエッジガイド補助水が吐出されるため、エッジガイド補助水の流れが風等の外乱の影響を受けにくく、塗布液の粘度が数10cpと比較的低い場合には、上記境界層を抑制するという利点がある反面、塗布液の粘度が数10cpより高い場合には、境界層の影響により膜厚が不均一になるおそれがあった。
さらには、塗布液の膜厚を均一にするには、エッジガイドの表面に形成された凹部(溝)を流れるエッジガイド補助水が幅方向に一定の流速で安定的に供給されることが重要となるが、凹部内に異物が付着したり、あるいは塗布液の一部が付着した場合、エッジガイド補助水の流速が不安定になり、塗布液の膜厚が不均一になるおそれがあった。
また、エッジガイドの補助水吐出口に異物や汚れがあると、エッジガイド補助水の供給が不安定になるため、補助水吐出口を清掃することも重要であるが、凹部内の狭いスペースに補助水吐出口があるため、凹部を形成する両側の側壁の存在により清掃しにくいという問題があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記要望に応じたカーテン塗布装置及びカーテン塗布方法の提供を目的とする。
一つの案では、塗布液を吐出し、前記塗布液の自由落下による塗布液膜を形成するカーテンダイと、
前記塗布液膜の左右両側端を支える一対のエッジガイドと、
前記エッジガイドの前記塗布液膜の左右両側端に沿う方向に延在形成され、前記塗布液膜の左右両側端に接触するエッジガイド補助水が概ね下向きに流れる補助水流下ガイド部と、
前記エッジガイドに設けられ、前記エッジガイド補助水を前記補助水流下ガイド部に吐出する補助水吐出口と、を備え、
前記補助水流下ガイド部を流れる前記エッジガイド補助水に支持された前記塗布液膜を連続走行する基材に塗布するカーテン塗布装置であって、
前記エッジガイドの前記補助水流下ガイド部は、
前記補助水吐出口の下方に延在形成された第1の平面と、
前記第1の平面の一側に対して概ね垂直に形成された段差部と、
前記第1の平面の他側に形成され、前記第1の平面と概ね連続する第2の平面と、
を有し、
前記エッジガイド補助水は、前記第1の平面と前記段差部により形成されたL字状領域により流れ方向を規制され、前記第2の平面により他側の流れ方向の規制が緩和されて前記塗布液膜の左右両側端を案内することを特徴とするカーテン塗布装置が提供される。
一態様によれば、エッジガイド補助水が第1の平面と、第1の平面の一側(片側)に形成された段差部と、からなるL字状領域により流れ方向を規制されることで、第1の平面の左右両側の何れか一方に形成された段差部のみでエッジガイド補助水の流れを規制することができ、境界層抑制効果を発揮できる。このことにより、第2の平面の加工が容易になり、その分従来のものよりも安価に加工精度を高めることが可能になる。また、エッジガイド補助水の吐出速度を高めることが可能になり、塗布液膜の境界層を抑制することで粘着剤のような比較的粘度が高くシェア減粘の強い塗布液においても塗布液膜を幅方向で均一に塗布することが可能になる。また、エッジガイド補助水の流れが安定して、風等の外乱に強い所謂調芯性が強化されるため、風等の外乱の影響を受けないで塗布液膜の膜厚を幅方向で均一となるように塗着することが可能になる。また、エッジガイド補助水の補助水吐出口に付着した異物や汚れを除去しやすくなり、エッジガイド補助水が安定供給されるようにメンテナンスが容易に行える。
本発明によるカーテン塗布装置の実施例1におけるエッジガイドを示す斜視図である。 本発明によるカーテン塗布装置の実施例1におけるエッジガイドの正面図である。 図2中II−II線に沿う横断面図である。 本発明によるカーテン塗布装置の実施例1におけるエッジガイドのスリット連通路を示す側断面図である。 補助水吐出口に連通されたスリット連通路を拡大して示す縦断面図である。 塗布時におけるエッジガイド近傍でのカーテン膜とエッジガイド補助水との接触状態を上方からみた横断面図である。 カーテン膜の左右端部を支持するエッジガイド補助水の作用を説明するための図である。 エッジガイドの実施例2を示す斜視図である。 エッジガイドの実施例2の横断面図である。 エッジガイドの実施例2の塗布時におけるエッジガイド近傍でのカーテン膜とエッジガイド補助水との接触状態を示す横断面図である。 エッジガイドの実施例3を示す斜視図である。 エッジガイドの実施例4を示す斜視図である。 スライドカーテン塗布法によるカーテン塗布装置の概略構成を示す斜視図である。 スロットカーテン塗布法によるカーテン塗布装置の概略構成を示す斜視図である。 カーテン塗布における塗布液膜の不均一を説明するための図である。 従来のエッジガイドの側面形状の一例を示す横断面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。尚、各実施例では、装置全体の構成が前述したスライドカーテン塗布装置10A(図13参照)、またはスロットカーテン塗布装置10B(図14参照)とほぼ同じであるので、以下では、本発明の要部であるエッジガイドについて説明する。尚、スロットカーテン塗布装置10Bには、実施例1、2に示すエッジガイドが用いられ、スライドカーテン塗布装置10Aには、実施例3、4に示すエッジガイドが用いられる。
〔実施例1〕
図1は本発明によるカーテン塗布装置の実施例1におけるエッジガイドを示す斜視図である。図1に示されるように、エッジガイド30は、連続走行する基材5の表面にカーテン膜(塗布液膜)6を自由落下させて塗布する際のカーテン膜6の左右両側端をエッジガイド補助水の流れによりガイドするものである。
エッジガイド30は、エッジガイド補助水を吐出する補助水吐出口40と、補助水吐出口40から吐出されたエッジガイド補助水の流下方向をガイドする補助水流下ガイド部50とを有する。また、エッジガイド30の設置状態のときは、上面側のエッジガイド補助水流下ガイド部50が側方を向くように垂直方向に起立した状態で設置される。補助水流下ガイド部50は、カーテン膜6の移動方向(垂下方向)に延在形成された第1の平面60と、第1の平面60に対して垂直方向に形成された段差部70と、第1の平面60と連続する第2の平面80とを有する。
また、エッジガイド30は、中央プレート90と、中央プレート90の一側(X1方向)に隣接された第1の側面プレート100と、中央プレート90の他側(X2方向)に隣接された第2の側面プレート110とを積層したものである。また、中央プレート90は、エッジガイド補助水が流れるための第1の平面(流下面)60を有する。第1の側面プレート100は、中央プレート90の第1の平面60に対して垂直な段差部70を形成する。第2の側面プレート110は、第2の平面80を有する。そのため、第1の平面60を流れるエッジガイド幇助水は、左側が段差部70により流れ方向が規制され、右側が第2の平面80により流れ方向の規制が緩和される。
尚、各プレート90、100、110のX方向の幅寸法は、例えば、カーテン膜6の厚さや粘度などに応じてそれぞれ任意の寸法に設定されるため、図1に示す寸法比になるとは限らない。
図2は本発明によるカーテン塗布装置の実施例1におけるエッジガイドの正面図である。図2に示されるように、中央プレート90の第1の平面60の上部には、補助水吐出口40が設けられている。補助水吐出口40から吐出されたエッジガイド補助水は、第1の平面60に沿って下方に流れる。その際、エッジガイド補助水の流れは、第1の平面60と、第1の平面60の一側(図2中、X1側)に起立する垂直な段差部70とにより形成されたL字形状の流下面(L字状領域)に沿って流れる。
また、第1の平面60の他側(図2中、X2側)には、段差部が無く、第1の平面60と連続する第2の平面80が同一平面を形成している。そのため、エッジガイド補助水の流れは、幅方向(X方向)を第2の平面80に規制されずに流れる。
また、第1の平面60は、X方向の幅寸法Wが補助水吐出口40の幅寸法とほぼ同じ寸法に形成されている。そのため、補助水吐出口40から下方に向けて吐出されたエッジガイド補助水は、第1の平面60の全幅に沿うように流下する。
図3は図2中II−II線に沿う横断面図である。図3に示されるように、中央プレート90の第1の平面60と第2の側面プレート110の第2の平面80とは、同一平面を形成する。そして、第1の側面プレート100の段差部70は、第1の平面60の左右両側の何れか一方の片側(一側)に対して寸法L1の垂直な壁面を形成しており、第1の平面60とともにエッジガイド補助水が流れるL字状の流下領域を形成する。
このように、実施例1においては、第1の平面60と、第1の平面60の何れか一方の側方に形成された段差部70と、からなるL字状領域を有する。当該L字状領域によりエッジガイド補助水の流れを規制させることで、第1の平面60の左右両側の何れか一方に形成された段差部70のみでエッジガイド補助水の流れを規制することができ、境界層抑制効果を発揮できる。このことにより、第2の側面プレート110の加工が容易になり、その分従来のものよりも安価に加工精度を高めることが可能になる。
また、第1の側面プレート100は、段差部70に対して鋭角(1°〜89°)の角度αで交差する傾斜面130を有する。すなわち、傾斜面130は、段差部70に対して角度αの傾斜角を有する角部を形成する。
図4は本発明によるカーテン塗布装置の実施例1におけるエッジガイドのスリット連通路を示す側断面図である。図4に示されるように、中央プレート90は、内部にエッジガイド補助水が供給されるマニホールド140と、マニホールド140と補助水吐出口40との間を連通するスリット連通路150とを有する。
マニホールド140は、中央プレート90の上部中心に形成された貯水室であり、ポンプにより供給されたエッジガイド補助水Hで満たされている。マニホールド140は1段であるが、複数段備えていても良い。なお、補助水流下面としての第1の平面60は、エッジガイド補助水が均一に流下可能な濡れ性を持つ必要があり、エッジガイド補助水を選択する場合には適宜材質を選定する必要がある。更に、加工精度を考慮すると中央プレート90に関しては、ステンレススチールを用いることが好ましい。その他の材料としてはアルミ系、又は硬質クロムメッキ等のメッキ、などの金属面でも良い。中央プレート90以外の部分では、親水性材料及び疎水性材料のいずれであってもよい。
また、スリット連通路150は、マニホールド140の上部に形成された傾斜部142の延長線上に形成されたスリット直線流路152を有する。尚、傾斜部142及びスリット直線流路152は、例えば、水平方向に対して30°〜60°の傾斜角度で傾斜している。また、スリット連通路150の上端には、所定の曲率半径で湾曲したスリット湾曲接続部154を有する。スリット湾曲接続部154は、端部が下方に向けて湾曲しており、上記第1の平面60の上方に開口する補助水吐出口40と連通されている。
上記マニホールド140及びスリット連通路150は、中央プレート90の幅方向(X方向)に貫通しており、X方向の両側に接合される第1の側面プレート100と第2の側面プレート110により閉塞される。従って、マニホールド140及びスリット連通路150に供給されたエッジガイド補助水Hは、中央プレート90の両側に接合される第1の側面プレート100と第2の側面プレート110により液漏れを防止される。
エッジガイド補助水10の導入速度(流速)は、補助水供給装置の流量調節弁(図示せず)の開度、又は、ポンプの吐出量を変化させることにより設定する。
また、エッジガイド30の下部には、エッジガイド補助水と塗布液の混合液を排出するための排出口(図示せず)と、混合液を容易に排出可能にするためのバキューム機構(図示せず)を備えても良い。また、エッジガイド30の下部には、塗布液の固着防止のためのエッジガイド補助水を流してもよい。
図5は補助水吐出口に連通されたスリット連通路を拡大して示す縦断面図である。図5に示されるように、補助水吐出口40は、中央プレート90の側面上部に設けられた水平方向と平行な下向きの段差面92に開口する。段差面92は、垂直方向(Z方向)の第1の平面60に対して寸法L2の段差を形成する。補助水吐出口40は、段差面92の段差よりも小さい長方形状のスリットからなる。
マニホールド140とスリット連通路150より上側の部分の最薄部のエッジガイド補助水の補助水吐出口40側の先端は、エッジガイド補助水Hを鉛直下向きに吐出するため、寸法G=0.2mm(G<L2)程度の平坦部を有する。また、補助水吐出口40は、所定の曲率半径で湾曲するスリット湾曲接続部154の出口側と連通されている。
そのため、マニホールド140からスリット連通路150へ送出されたエッジガイド補助水は、スリット湾曲接続部154から補助水吐出口40へ至る過程でほぼ一定の流速で流れ、第1の平面60に安定供給される。これにより、エッジガイド補助水Hの吐出速度を高めることが可能になり、塗布液のカーテン膜6の境界層を抑制することで粘着剤のような比較的粘度が高くシェア減粘の強い塗布液においてもカーテン膜6を幅方向で均一に塗布することが可能になる。
また、補助水吐出口40は、極めて薄いスリットからなるため、汚れや異物の付着によりエッジガイド補助水Hの流速が減速するため、補助水吐出口40付近の清掃(メンテナンス)が重要である。エッジガイド30は、補助水流下ガイド部50において、第1の平面60の一側に段差部70による段差があるものの、他側には段差部が無く、第2の平面80が連続している。そのため、メンテナンス時は、補助水吐出口40に付着した異物や汚れを除去しやすくなる。
ここで、エッジガイド補助水の作用について説明する。
図4及び図5に示されるように、エッジガイド30は、下方に向ってエッジガイド補助水を吐出する補助水吐出口40を有する。そのため、補助水吐出口40から下方に吐出されたエッジガイド補助水は、補助水流下ガイド部50に沿って流下する。
図6は塗布時におけるエッジガイド近傍でのカーテン膜とエッジガイド補助水との接触状態を示す横断面図である。図6に示されるように、カーテン膜6のY方向の両側には、一対のエッジガイド30が起立している。また、エッジガイド補助水Hは、一対のエッジガイド30の補助水流下ガイド部50を形成する段差部70及び第1の平面60及び第2の平面80に沿って下方に流下する。
従って、エッジガイド補助水Hは、補助水流下ガイド部50を構成する第1の平面60及び段差部70及び第2の平面80との親水性により補助水流下ガイド部50からはみ出すことなく下方に流れる。また、第1の側面プレート100の段差部70と傾斜面130との角部の角度αが鋭角であるので、エッジガイド補助水Hは表面張力により段差部70よりY方向に近接するカーテン膜6の端部に接触する。また、第1の平面60は、第2の平面80と連続する同一平面であるので、エッジガイド補助水Hは、第2の平面80の角部まで幅方向(X方向)に広がりながら流下する。
また、補助水流下ガイド部50において、エッジガイド補助水Hは表面張力がバランスするようにカーテン膜6の左右両側端に接触する。そのため、塗布液のカーテン膜6は、両端部が上記エッジガイド補助水Hに支持されながら垂下方向に降下してX2方向に流れる基材5の上面に塗着される。
図7はカーテン膜の左右端部を支持するエッジガイド補助水の作用を説明するための図である。図7に示されるように、その際、補助水流下ガイド部50を流下するエッジガイド補助水は、表面張力の作用によりY方向に近接するカーテン膜6の左右両側端に接触してカーテン膜6の左右端部を支持する。尚、エッジガイド補助水Hは、カーテン膜6の左右両側端に接触するものの互いに混じり合わず、分離状態を保つ。
そのため、カーテン膜6は、下方に落下しながら左右両側端が補助水流下ガイド部50を流下するエッジガイド補助水に支持されて前述した膜厚のばらつき(図15参照)が抑制され、幅方向(Y方向)の膜厚が均一になる。また、エッジガイド補助水Hにより支持されるカーテン膜6の位置は、エッジガイド補助水Hの表面張力とのバランスで決まる。
すなわち、補助水流下ガイド部50は、L字状に形成された第1の平面60及び第1の平面60と直交する段差部70における表面張力が第2の平面80よりも強くなる。そのため、カーテン膜6の支持位置P1は、中央プレート90のX方向の中心P2よりも段差部70側(X1側)に距離L4分ずれる。このようにエッジガイド補助水により支持されたカーテン膜6は、風等の外乱に強い所謂調芯性が強化され、風等の外乱の影響を受けないで膜厚を幅方向(Y方向)で均一となるように塗着することが可能になる。
また、カーテン膜6は、両端を一対のエッジガイド30の補助水流下ガイド部50におけるエッジガイド補助水Hの表面張力により、風により基材5に対する塗布位置(衝突位置)がばらつかないように保持される。そのため、エッジガイド補助水Hの流れが安定して比較的表面張力の高い塗布液(35mN/m以上)において、風等の外乱に強い所謂調芯性が強化される。また、表面張力の低い塗布液(35mN/m以下)においても、風等の外乱の影響を受けないでカーテン膜6の膜厚を幅方向で均一となるように塗着することが可能になる。
〔実施例2〕
図8はエッジガイドの実施例2を示す斜視図である。尚、図8において、前述した実施例1と同一部分には、同一符号を付す。図8に示されるように、実施例2のエッジガイド200は、前述した第1の平面60と、第1の平面60の左右両側の何れか一方の片側(一側)に形成された段差部70と、からなるL字状領域を有すると共に、第2の側面プレート110の第2の平面80に凹部210が設けられている。
凹部210は、隣接する中央プレート90の第1の平面60に対して段差部220を形成する。尚、第2の平面80は、補助水吐出口40の側方に位置する上端部に一部が残されており、補助水吐出口40より下方の領域に凹部210が設けられている。
また、実施例2においては、第1の平面60と段差部70により形成されたL字状領域と、L字状領域に隣接する凹部210とを有することで、第1の平面60の左右両側の何れか一方に形成された段差部70のみでエッジガイド補助水の流れを規制することができ、境界層抑制効果を発揮できる。このことにより、第2の側面プレート110の加工が容易になり、その分従来のものよりも安価に加工精度を高めることが可能になる。
図9はエッジガイドの実施例2の横断面図である。図9に示されるように、エッジガイド200の凹部210は、中央プレート90の第1の平面60に対して基材5の搬送方向(X2方向)に設けられている。そのため、第1の平面60と凹部210との間には、寸法L5を有する段差部220が形成されている。この段差部220により、エッジガイド補助水が接触する範囲が第1の平面60と段差部70に縮小される。すなわち、実施例2の補助水流下ガイド部50Aは、第1の平面60と段差部70とからなるL字状領域により形成される。
また、補助水流下ガイド部50Aは、上記凹部210により第1の平面60の他側(X2側)エッジガイド補助水Hの補助水吐出口40に付着した異物や汚れを除去しやすくなるため、エッジガイド補助水が安定供給されるようにメンテナンスが容易に行える。
図10はエッジガイドの実施例2の塗布時におけるエッジガイド近傍でのカーテン膜とエッジガイド補助水との接触状態を示す横断面図である。図10に示されるように、カーテン膜6は、一対のエッジガイド200間を通過して基材5の上面に降下して塗着される。また、エッジガイド補助水Hは、一対のエッジガイド200の段差部70と第1の平面60とにより形成された補助水流下ガイド部50Aを流下する。
従って、エッジガイド補助水Hは、補助水流下ガイド部50Aを構成する第1の平面60及び段差部70との親水性により補助水流下ガイド部50Aからはみ出すことなく下方に流れる。また、第1の側面プレート100の段差部70と傾斜面130との角度αが鋭角であるので、エッジガイド補助水Hは表面張力により段差部70よりY方向に近接するカーテン膜6の端部に接触しやすい。また、第1の平面60は、第2の平面80に設けられた凹部210による段差部220により実施例1よりもX方向の幅が狭くなっている。そのため、補助水流下ガイド部50Aを流下するエッジガイド補助水Hは、第1の平面60の幅寸法Wの範囲に制限されながら流下する。
さらに、実施例2のエッジガイド200では、前述した実施例1に比べて、エッジガイド補助水Hが接触する領域が狭くなるため、エッジガイド補助水Hの表面張力が強化され、カーテン膜6の左右両側端に接触するエッジガイド補助水Hの保持力が安定する。
更に、図9に示すように中央プレート90の他側(X2側)に段差部220を形成することで、エッジガイド補助水を中央プレート90の流下面上を流下させることが容易となり、エッジガイド補助水が第2の側面プレート110の前面へ拡がることを防止できる。
また、段差部220と第1の平面60とが交差する角度は90度である。上述のように補助水保持の点からは、90度以下が望ましいが、中央プレート90は最大でも4mmと薄いため、90度以下にするためには、加工が容易でなく、高価となってしまう。また、90度に加工されたエッジガイドにて、問題ないことを確認している。
また、補助水流下ガイド部50Aにおいても、実施例1と同様にエッジガイド補助水Hは表面張力がバランスするようにカーテン膜6の両端に向かってY方向に延びる。そのため、塗布液のカーテン膜6は、左右両側端が上記エッジガイド補助水Hに支持されながら垂下方向に降下してX2方向に流れる基材5の上面に塗着される。
また、カーテン膜6は、左右両側端を一対のエッジガイド200の補助水流下ガイド部50Aにおけるエッジガイド補助水Hの表面張力により、風により基材5に対する塗布位置(衝突位置)がばらつかないように保持される。そのため、エッジガイド補助水Hの流れが安定して比較的表面張力の高い塗布液(35mN/m以上)において、風等の外乱に強い所謂調芯性が強化される。また、表面張力の低い塗布液(35mN/m以下)においても、風等の外乱の影響を受けないでカーテン膜6の膜厚を幅方向で均一となるように塗着することが可能になる。
〔実施例3〕
図11はエッジガイドの実施例3を示す斜視図である。尚、図11において、前述した各実施例と同様な部分には、同一符号を付す。図11に示されるように、実施例3のエッジガイド300は、前述した第1の平面60と、第1の平面60の左右両側の何れか一方の片側(一側)に形成された段差部70と、からなるL字状領域を有すると共に、中央プレート90の上部側面に第1の突出部310を有する。第1の突出部310は、第1の平面60と平行に形成された平面312を有する。また、第1の突出部310の下側の段差面314には、補助水吐出口40が開口している。
尚、第1の突出部310による第1の平面60に対する段差面314の寸法は、前述した実施例1の段差面92よりも大きい寸法に形成される。そのため、補助水吐出口40は、実施例1よりも加工しやすくなっている。また、実施例3においては、第1の平面60と段差部70により形成されたL字状領域と、L字状領域に隣接する段差面314とを有することで、第1の平面60の左右両側の何れか一方に形成された段差部70のみでエッジガイド補助水の流れを規制することができ、境界層抑制効果を発揮できる。このことにより、第2の側面プレート110の加工が容易になり、その分従来のものよりも安価に加工精度を高めることが可能になる。
第1の側面プレート100は、第1の平面60の一側(X1側)に隣接する段差部70と、傾斜面130とを有すると共に、上部側面に第2の突出部320を有する。また、第2の突出部320は、傾斜面130の上部側面に設けられ、第1の平面60と平行に形成された平面322を有し、平面322の下側には段差面324を有する。
第2の側面プレート110は、第2の平面80及び第3の突出部330を有する。また、第3の突出部330は、第2の平面80の上部側面に設けられ、第1の平面60と平行に形成された平面332を有し、平面32の下側には段差面334を有する。
従って、実施例3の補助水流下ガイド部50Bは、各突出部310、320、330の下側に段差面314、324、334が形成される。そのため、補助水吐出口40の上方及び両側にも、段差面314、324、334による壁面が形成されるため、補助水吐出口40から吐出されるエッジガイド補助水の流れが、風などの外乱の影響を受けにくい構成となっている。
〔実施例4〕
図12はエッジガイドの実施例4を示す斜視図である。尚、図12において、前述した各実施例と同様な部分には、同一符号を付す。図12に示されるように、実施例4のエッジガイド400は、各プレート90、100、110は、実施例3と同様に、突出部310、320、330を有する。
実施例4の補助水流下ガイド部50Cは、前述した第1の平面60と、第1の平面60の左右両側の何れか一方の片側(一側)に形成された段差部70と、からなるL字状領域を有する。また、L字状領域に隣接する補助水吐出口40の上方に段差面314、324、334が形成されるため、補助水吐出口40から吐出されるエッジガイド補助水の流れが、風などの外乱の影響を受けにくい構成となっている。
さらに、第2の側面プレート110は、第1の平面60の他側(X2側)に隣接する凹部210を有する。エッジガイド400の凹部210は、中央プレート90の第1の平面60に対して基材5の搬送方向(X2方向)に設けられている。そのため、第1の平面60と凹部210との間には、寸法L5(図9参照)を有する段差部220が形成されている。
この段差部220により、エッジガイド補助水が接触する範囲が第1の平面60と段差部70に縮小される。すなわち、実施例4の補助水流下ガイド部50Cは、実施例2と同様に、第1の平面60と段差部70とからなるL字状領域により形成される。また、実施例4においては、第1の平面60と段差部70により形成されたL字状領域と、L字状領域に隣接する凹部210とを有することで、第1の平面60の左右両側の何れか一方に形成された段差部70のみでエッジガイド補助水の流れを規制することができ、境界層抑制効果を発揮できる。このことにより、第2の側面プレート110の加工が容易になり、その分従来のものよりも安価に加工精度を高めることが可能になる。
また、補助水流下ガイド部50Cは、上記凹部210により第1の平面60の他側(X2側)エッジガイド補助水Hの補助水吐出口40に付着した異物や汚れを除去しやすくなるため、エッジガイド補助水が安定供給されるようにメンテナンスが容易に行える。
また、第1の平面60は、凹部210の段差部220により実施例3よりもX方向の幅が狭くなっている。そのため、補助水流下ガイド部50Cを流下するエッジガイド補助水Hは、第1の平面60の幅寸法Wの範囲に制限されながら流下する。
さらに、エッジガイド400では、前述した実施例3に比べて、エッジガイド補助水Hが接触する領域が狭くなるため、エッジガイド補助水Hの表面張力が強化され、カーテン膜6の左右両側端に接触するエッジガイド補助水Hの保持力が安定する。
そのため、カーテン膜6は、左右両側端を一対のエッジガイド400の補助水流下ガイド部50Cにおけるエッジガイド補助水Hの表面張力により、風により基材5に対する塗布位置(衝突位置)がばらつかないように保持される(調芯作用)。さらに、エッジガイド補助水Hの流れが安定して比較的表面張力の高い塗布液(35mN/m以上)において、風等の外乱に強い所謂調芯性が強化される。また、表面張力の低い塗布液(35mN/m以下)においても、風等の外乱の影響を受けないでカーテン膜6の膜厚を幅方向で均一となるように塗着することが可能になる。
(カーテン塗布装置及びカーテン塗布方法について)
ここで、上記実施例1〜3のエッジガイド30、200、300、400を用いた場合の各部の条件について説明する。
各実施例のカーテン塗布装置は、ウェブコーティングを対象としており、少なくとも、補助水吐出手段と、一対のカーテン膜案内手段(各エッジガイド30、200、300、400)と、基材搬送手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
各実施例のカーテン塗布方法は、ウェブコーティングを対象としており、少なくとも、補助水吐出工程と、カーテン膜案内工程と、基材搬送工程を含み、さらに、必要に応じて適宜選択した、その他の工程を含む。
(エッジガイド補助水について)
エッジガイド補助水Hとしては、塗布液に応じて適宜選択する必要がある。エッジガイド補助水Hが塗布液を引張ることでカーテン膜6をエッジガイド30、200、300、400側へと保持する効果、所謂調芯性を発揮するため、エッジガイド補助水Hの表面張力が常に塗布液の表面張力よりも高くなるようにする必要がある。例えば、水系ならば水、塗布液が溶剤系ならその溶媒、水や溶媒に樹脂、界面活性剤等を混合した調合液、などが挙げられる。
(マニホールド140について)
図4示すマニホールド140は、2段マニホールドでも1段マニホールドでもどちらでもよく、その大きさについては、「Slot Coating :Fluid mechanics and die design 、Sartor、Luigi、Ph.D. University of Minnesota、1990」などに示されているように、マニホールド140からスリット連通路150の出口までの距離、補助水の流量や粘度によっても変わる。
(スリット連通路150について)
図5に示すスリット連通路150のギャップS(間隙)は、0.2mm以上0.5mm以下が好ましく、0.2mm以上0.4mm以下がより好ましい。前記ギャップSが、0.2mm未満であると、補助水吐出口40の内部の清掃が容易でなく詰まりを解消できない場合があり、0.5mmを超えると、エッジガイド補助水の吐出均一性が損われることがある。
(補助水吐出口40について)
補助水吐出口40としては、エッジガイド補助水の流下方向に関する最大ギャップ(図5におけるG)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、最大ギャップGは、例えば、0.2mm以上0.5mm以下が好ましく、0.2mm以上0.4mm以下がより好ましい。
尚、補助水吐出口40の最大間隔Gが、0.2mm未満であると、吐出口の内部の清掃が容易でなく、0.5mmを超えると、エッジガイド補助水の吐出均一性が損われることがある。
補助水吐出口40からのエッジガイド補助水の流下方向に対して垂直方向に関する最大幅(図2におけるW)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。最大幅Wは、例えば、1.5mm以上4mm以下が好ましく、2mm以上3mm以下がより好ましい。
補助水吐出口40の最大幅Wが、1.5mm未満であると、加工上の精度に問題が生じることがあり、4mmを超えると、エッジガイド補助水Hが全幅で均一に流れない場合がある。
エッジガイド補助水Hの導入速度(流速)としては、流下面を補助水が流れる範囲であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。エッジガイド補助水Hの流速は、例えば、0.4m/s〜2.1m/sが好ましく、0.8m/s〜1.6m/sがより好ましい。
尚、エッジガイド補助水Hの導入速度(流速)が、0.4m/s未満であると、エッジガイド補助水Hによるカーテン膜両端の加速による境界層抑制効果を発揮できない場合がある。また、エッジガイド補助水Hの導入速度が、2.1m/sを超えると、補助水吐出口40にてエッジガイド補助水Hに乱れが生じたり、エッジガイド補助水Hが斜め下方に導入されることがあり、カーテン膜6に乱れを生じる場合がある。
また、補助水吐出口40の形状としては、矩形断面を有するスリット形状であり、本来エッジガイド30内の流路は、長いスリット状であることが好ましい。しかし、目詰まりを生じた場合、スリットが長い場合、清掃が困難である点や、構造上長いスリットを内部に有することは現実的には難しい。
(補助水流下ガイド部50、50A〜50Cの補助水流下面について)
補助水流下ガイド部50、50A〜50Cの補助水流下面は、第1の平面60(及び第2の平面80)と、第1の平面60に対して略垂直に形成された段差部70とからなるL字状領域である。また、段差部70と交差する傾斜面130とは、鋭角(図3に示すα)をなす。
補助水流下ガイド部50、50A〜50Cにおいて、エッジガイド補助水が流れる第1の平面60、段差部70が汚損したままカーテン膜6を形成した場合、カーテン膜6のエッジガイド近傍での境界層抑制効果を発揮できず、膜厚不均一となり歩留まりが低下する。したがって、補助水流下ガイド部50、50A〜50Cの清掃は重要である。
尚、上記鋭角(α)としては、例えば、90°未満である限り特に制限はないが、30°以上80°以下が好ましく、45°以上60°以下がより好ましい。
また、上記鋭角(α)が、30°未満であると加工上、精度に影響があることがあり、80°を超えると、鋭角の効果が損われる場合がある。一方、前記鋭角(α)がより好ましい範囲内であると、エッジガイド補助水Hによる保持力が有利である。
また、補助水流下ガイド部50のL字状領域のY方向最大長さ(図3に示すL1)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。L字状領域のY方向最大長さは、例えば、0.2mm以上0.5mm以下が好ましく、0.2mm以上0.35mm以下がより好ましい。
また、補助水吐出口40の最大ギャップGが、0.2mm未満であると、エッジガイド補助水がL字状領域から溢れることがある。また、補助水吐出口40の最大ギャップGが、0.5mmを超えると、エッジガイド30の下部において、乱流が発生し、カーテン膜6に乱れを生じる場合がある。
補助水流下面を形成する中央プレート90の厚み(図2におけるWに相当)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、中央プレート90の厚みは、例えば、1.5mm以上4.0mm以下が好ましく、2mm以上3mm以下がより好ましい。また、中央プレート90の厚みWが1.5mm以上4.0mm以下であることで、補助水が中央プレート90の第1の平面60(流下面)上を流下することができる。
また、補助水吐出口40への塗布液の詰まりが生じた場合、エッジガイド30を分解することなく、PETフィルム等で清掃することがあるが、中央プレート90の厚みWが1.5mm未満の場合、補助水吐出口40が狭くなるため、清掃が容易でない。
中央プレート90の厚みWが4.0mm以上の場合、エッジガイド補助水が均一に流れず、条件によって、第1の側面プレート100と反対側の第2の側面プレート110の前面へ拡がったり、下部で補助水が紐状となり均一に流下しない場合がある。
中央プレート90の厚みWは、1.5mm以上4.0mm以下が好ましく、2mm以上3mm以下がより好ましい。
尚、補助水吐出口40の形状は図5に示すように、スリット湾曲部154での補助水の漏れ防止のため、第1、第2の側面プレート100、110は、補助水吐出口40より下方にて段差面を設ける必要がある。
段差部70の段差量(寸法L1)については、適宜設定することができるが、出来る限り大きい方が、補助水の保持の点からは有利である。段差部70の段差量(L1)は、例えば、少なくとも1mm以上あることが望ましい。また、段差部70の段差量(L1)の大きい側については、特に制限はないが、中央プレート断面で示したように、エッジガイド補助水のマニホールド140やスリット連通路150からの水漏れを防止できる構造となっている必要がある。したがって、第2の側面プレート110は他の2枚のプレート90、100よりも長さが短いものでも、実用上問題ない。
(エッジガイド30、200、300、400について)
エッジガイド(案内手段)30、200、300、400の構造としては、例えば図2、図8、図11、図12に示したように、3枚の各プレート90、100、110を積層する構造となっている。そのため、中央プレート90には、マニホールド140、スリット連通路150を形成し、第1、第2の側面プレート100、110で中央プレート90の両側を挟むことで補助水の漏れを防止する。
また、中央プレート90のマニホールド140、スリット連通路150を形成する加工法としては、ワイヤー放電加工、レーザー加工等が挙げられる。このような手段を用いることで、中央プレート90の加工を容易に安価にすることができる。
3枚のプレートのうち第1の側面プレート100は、溝の深さを0.2mm程度にすることと、先端を鋭角(角度α)に加工することから、高い精密加工が必要となり、比較的高価となる。これを従来は両側の各プレートで用いていたが、第2のプレート110を例えば板状のブロックとすることで、加工精度を高められると共に、製造コストを安価とすることが可能となる。
また、2枚のプレートにてエッジガイドを構成することも可能であるが、マニホールド部、スリット部、湾曲部を1枚のプレートにエンドミル等で加工し掘り込むことは精度上困難であり、高価になってしまう。さらには、補助水吐出口より塗布液等が逆流し、目詰まりした場合、清掃が非常に困難となってしまう。
更に、スロットカーテン塗布においては図1に示すような形状を用い、スライドカーテン塗布においては実施例3、4のような形状を用いる。これは、塗布液がスライド面を流下し、スライド面と自由表面との速度差によるカーテン膜の湾曲(ティーポット効果)に対応するため、エッジガイド上部に平坦部を設けてある。この平坦部の面積は、塗布液に応じて適宜選択することができる。前記平坦部としては、縦5mm〜15mm、横7mm程度の平面を有することが好ましい。
(エッジガイド30、200、300、400の材質について)
エッジガイド(案内手段)の材質としては、適宜用いることができるが、塗布液の目詰まりを防止する点から、金属が望ましい。一方で、3枚のうちの中央プレート90に関しては、加工上の問題から、補助水吐出口40の形状が図5に示すような湾曲形状となっているが、この先端は出来る限り小さい方がよい。その場合、中央プレート90の材質はステンレススチールを用いることが望ましい。しかし、ジュラルミン等のアルミ材を用いても実用上問題なく、この場合加工がより容易となり安価となる。
また、エッジガイドを構成する3枚のプレートの組み合わせとしては、図3及び図9のどちらでもよく、適宜用いることができる。しかし、図10に示すように塗布方向(基材の流れ)の反対側に補助水流下面の段差部70を持つ第1の側面プレート100を配置させる。これにより、カーテンヘッドの裏側は様々な機器が設置されているため、正面からのカーテン膜のエッジガイド近傍でのカーテン膜6の視認性がよくなるだけでなく、カーテン膜6の正面からの風などによる外乱(例えば作業者の移動など)に対して強くなる。
ここで、上記実施例1〜4を用いたウェブコーティングについて説明する。
<吐出手段、吐出工程>
吐出手段は、塗布液を吐出する塗布液吐出口を有する手段であり、前記吐出工程は、塗布液をスロット9のスリット(図13,図14参照)をから吐出する工程である。
−塗布液−
前記塗布液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリルエマルジョン、感熱液、熱転写リボン塗布液、水系塗布液、溶剤系塗布液、などが挙げられる。
前記塗布液の粘度としては、カーテン塗布装置として、スロットダイ型カーテンかスライドダイ型カーテンがあるが、そのどちらかによって適正な粘度の範囲が異なる。また、カーテン塗布法において前記塗布液の粘度は、上記の適正な粘度範囲へ調整する必要がある。
上記塗布液の適性な粘度範囲としては、スロットダイ型カーテンでは、例えば、低シェア粘度が1mPa・s〜2000mPa・sが好ましい。また、スライドダイ型カーテンでは、例えば、塗布液の粘度が1mPa・s〜500mPa・sが好ましく、シェア減粘の物性値を持つ塗布液では、低シェアにおいて上記粘度範囲であることが好ましい。
また、スロットダイ型カーテンでは、塗布液の粘度が低い場合は、操業中において調整などで、塗布を一時中断する場合において、ダイのスリットから液だれが発生し、2000mPa・sを超えると、以下のような問題が生じる。
(1)液中の気泡が抜け難く、液中気泡による泡欠陥を生じる。
(2)塗布液の吐出圧が高くなるため、送液ポンプへの負荷が高くなったり、給液系の耐圧性が必要となる。
スライドダイ型カーテンでは、前記膜厚均一性を考慮すると粘度は低い方がよい。また、粘度が高い場合、スライド部流下間において、スライド部のスライドエッジガイド近傍(角度αの鋭角部分)では塗布液の流速が遅くなって境界層が生じるため、粘性抵抗によりスライド部流下間において、厚膜部が生じる。また、塗布液の粘度が500Pa・sを超える場合は、前記のようなスライド流下間における厚膜化のメカニズムから、端10mm〜40mmの区間で中央平坦部よりも、20%を超える厚膜部となり、膜厚不均一による不良を生じ、巻取り不良や乾燥不良が生じる。
塗布液の粘度は、例えばB型粘度計(製品名:ビスメトロンVS−A1、芝浦システム製)や応力制御レオメータ VAR−100型(Reologica社製)を用いて測定することができる。
また、塗布液の表面張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20mN/m以上40mN/m以下が好ましい。
また、塗布液の前記表面張力が、20mN/m未満であると、膜自身の表面張力が弱いため、膜の引張りが弱く、風による外乱によって容易に膜が変形して揺れてしまう。表面張力が、40mN/mを超えると、カーテン膜が切上がりを生じる。
また、塗布液の表面張力は、例えば、FACE自動表面張力計(協和界面科学製)等を用いて、白金プレート法で、静的表面張力を測定することができる。また、Brown氏の文献「A study of the behavior of a thin sheet of moving liquid J.Fluid Mechanics,10:297−305」に記載されている。この文献によれば、カーテン膜6に針状の異物を差し込むことによる膜の分裂角を測定することでカーテン膜の動的表面張力を測定することができる。
カーテン膜6の切れ上がりのメカニズムは、カーテン膜6の動的表面張力と動圧のバランスにより生じることから、膜の動的表面張力を測定評価することが重要である。
−カーテンダイスリット−
カーテンのスリット(図13、図14に示すスロット9の吐出口)の断面形状は、矩形断面である。
塗布液吐出口の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カーテン膜の幅方向の膜厚均一性の点から、スリットの隙間が、0.2mm〜0.5mm程度であることが好ましい。
スリットの隙間は塗布液を幅方向に均一化させる機能を有し、その隙間の大きさは、「Slot Coating :Fluid mechanics and die design 、Sartor、Luigi、Ph.D. University of Minnesota、1990」などに示されている。この文献によれば、ダイマニホールドの大きさ、形状及びマニホールドからスリット出口までの距離、第二マニホールドの有無とその位置によっても変わり、塗布液の流量や粘度によっても変わる。
塗布液吐出口の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、SUS系、アルミ系、又は硬質クロムメッキ等のメッキ、などの金属面が好ましい。
塗布液に樹脂が含まれている場合であっても、目詰まりを防止できる点で、金属が好ましい。
−吐出機構−
吐出機構として用いられるスライドダイ型カーテン法(図13参照)は、複層の塗布液を塗布する場合に用いられ、スロットが斜め上向きであるため、スロットが下向きであるスロットカーテンと比較して、液中の気泡や異物によるカーテン膜の膜切れに強い。
一方、スロットダイ型カーテン法(図14参照)は、1層もしくは2層の塗布液を塗布する場合に用いられ、スリットが下向きであるため、塗布液の粘度が低い場合では、液だれを生じたり、液中の気泡がダイヘッドのマニホールド内に滞留する場合がある。しかし、スロットダイ型カーテン法は、スライドダイ型カーテン法と比較して、塗布液の吐出速度が速い。そのため、塗布液の動的表面張力と塗布液が落下する際の動圧(慣性力)との釣合いから、動的表面張力が大きい場合に切れ上がる。このようなカーテン膜の切れ上がりのメカニズムを考慮すると、スロットダイ型カーテンは切れ上がり難い。また、スライド流下面のような、解放空間がないため、洗浄する際に容易であり、洗浄に使用する水等の洗浄液も少なく、塗布液の粘度が高い場合は、操業中の一時中断時も容易である。
−塗布液流量−
塗布液の吐出する流量は、カーテン膜が形成可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。目的の流量を吐出し、カーテン膜が形成可能な、前記スリットおよびマニホールド形状であれば問題はない。
−支持体−
支持体(基材5、図13、図14参照)としては、塗布液を支持可能なものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
支持体の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
支持体の例としては、剥離紙、原紙、合成紙、PETフィルム等が挙げられる。
<搬送手段、搬送工程>
搬送手段は、支持体を搬送する手段であり、前記搬送工程は、支持体を搬送する工程である。
(実施例1、2と従来との比較)
ここで、上記実施例1、2によるエッジガイド30を用いた塗布方法の実験結果について表1を参照して説明する。尚、実施例3、4の実験結果は、実施例1、2と同様なため、省略する。
本実施例の効果を確認するため、図14に示すスロットカーテン塗布装置10Bであって、上記エッジガイド30、200を試作し、エッジガイド補助水の吐出状況、カーテン膜6の調芯性について評価した。ここでのカーテン膜6の調芯性とは、風による外乱からのカーテン膜6の安定性を示している。
<実験基本条件>
(1)塗布液の塗布
スロットカーテン塗布ヘッド1のスロットギャップを0.4mmとし、カーテン膜6の落下幅を250mmとした。スロットカーテン塗布ヘッド1の塗布液補助水吐出口(スロット)の幅は250mmとした。
(2)塗布液
塗布液として、アクリルエマルジョン系粘着剤(製品名:X−407−102E−10、サイデン化学製)を用いた。
塗布液の粘度は、750mPa・sec(B型粘度計、製品名:ビスメトロンVS−A1、芝浦システム製)、シェアレート1sec−1での粘度は2000mPa・secであり、シェアレート1000sec−1での粘度は250mPa・secであった。
塗布液の白金プレート法静的表面張力を、FACE自動表面張力計CBVP−A3(協和界面科学株式会社製)で測定した結果、33mN/mであった。
(3)塗布液のフローレイト
塗布液のフローレイトを、1.25cc/cm・sec(塗布液用流量計(商品名:CN015C−SS−440K、オーバル株式会社製)で測定した。)とした。
(4)エッジガイド30の形状、材質
エッジガイド30は、図1に示す3つのプレート(90、100、110)を積層した構成とする。中央プレート90はステンレススチール製とし、マニホールド140を1段とした。
エッジガイド30の大きさについては、流下長を140mm、補助水吐出口40の最大幅(w)を3mm、エッジガイド補助水流下面の最大深さ(L1)を2.5mm、エッジガイド補助水流下面の最大幅3mmとし、鋭角(α)は60°とした(図1〜3参照)。
一対のエッジガイド30、30の離間距離(一方のエッジガイド30の流下面の鋭角に形成された段差部70の端部から他方のエッジガイド30の鋭角に形成された段差部70の端部までの離間距離)は250mmとした。
(5)エッジガイド補助水の供給
エッジガイド補助水の供給量を50ml/minとした。
0.2MPaに加圧された加圧タンクより、流量計を通して、エッジガイド30のマニホールド140に供給した。そして、フロート式流量計の絞り弁の開閉を調節し、流量から換算して、エッジガイド補助水の流下速度を約1.1m/sになるように設定した。流量計としては、マイクロモーション流量計(オーバル株式会社製)(流量計本体:E010S−SS−311、トランスミッター:RFT9739−3MD11、積算計:EL0122−132011)及びフロート式流量計(東京計装株式会社製、P100L−4)を用いる。
(カーテン膜形成実験)
エッジガイド30が従来通り境界層抑制効果を発揮するかを明らかにするため、試作したエッジガイド30を用いて、エッジガイド補助水をエッジガイドより吐出させ、流下状況を確認した。更に、実験基本条件にてカーテン膜6を形成し、カーテン膜6の膜厚を観察した。
(評価)
(i)エッジガイド補助水Hの流下状況
―評価基準―
○エッジガイド補助水Hが概ね均一に流下する
×エッジガイド補助水Hが均一に流下しない
(ii)カーテン膜6の均一性
カーテン膜6を形成し、カーテン膜6の反対側から照明を当て、カーテン膜6の濃淡を目視にて観察し、薄膜部の有無を確認する。
―評価基準―
○カーテン膜6は幅方向に概ね均一
×カーテン膜6の幅方向に厚薄部が存在する
(調芯性実験)
エッジガイド30が従来通り調芯性を発揮するかを明らかにするため、試作したエッジガイド30を用いて、実験基本条件にてカーテン膜6を形成し、カーテン膜6の調芯性を評価した
(評価)
(iii)カーテン膜6の調芯性
外乱からの影響を把握する方法として、風速約0.5m/sの風を、カーテン膜6の正面からカーテン膜6に垂直方向(X方向)、及び、カーテン膜6の正面と裏側からエッジガイド近傍方向の2方向に向けて当てて評価した。この風速は、ロールの回転基材の同伴空気等により塗布ヘッド周辺で生じる気流、塗布機のオペレーターの移動、及び塗布機周辺でのギャップ調整、などの作業時に発生する気流を想定して設定した。尚、上記風速は、KANOMAX製、アネモマスター風速計MODEL6141にて計測した。
―評価基準―
○外乱によりカーテン膜6がエッジガイドから外れない。
×外乱によりカーテン膜6がエッジガイドから外れる。
(清掃性と清掃時間)
エッジガイド30の清掃性について評価するため、清掃性を清掃時間について実際のエッジガイド30を用いて評価を行った。清掃性には以下の評価基準で示したが、清掃時間については、塗布後のエッジガイド30の清掃時間を測定した。
―評価基準―
○清掃性容易
△清掃性がやや悪い
(実施例と比較例)
表1において、実施例1のエッジガイド30(図1参照)を「実施例1」と表記する。
また、実施例2のエッジガイド200(図8参照)で示した形状を「実施例2」と表記する。この場合、中央プレート90と第1の側面プレート100との段差部70による段差はL1=3mmとした。
また、特開2012−35210(特許文献1)に記載された従来のエッジガイド(図8を参照)を「比較例1」とした。また、従来の側面プレートのない流下面の全面が平坦(凹凸無し)な場合のエッジガイドを「比較例2」とした。
Figure 0006160333
表1により、実施例1、2と比較例1(従来)との結果より、実施例1、2が比較例1(従来)と同程度の性能を持つことが分かった。また、実施例1、2と比較例2(従来)との結果より、実施例1、2が比較例2(従来)よりも優れていることが分かった。
更に、実施例1、2と比較例1(従来)との比較より、清掃性が向上しており、清掃時間の短縮が見込めることが分かった。比較例1(従来)では、エッジガイド補助水の流下面を清掃する際、溝面の形状が比較的小さいため、清掃性が悪くなっている。
比較例2(従来)では、側壁がないため、清掃自体は容易だが、カーテン膜6の調芯姓が悪く、カーテン膜6が容易に揺れ、エッジガイドを汚損してしまうため、実施例1、2よりも汚れが付着してしまう課題があり、清掃時間は概ね長くなる傾向にあった。
但し、実施例1、2は、特定の条件下において、比較例1と同等の性能を持つ。特定の条件下とは、1方向からのみ風による外乱のある環境下である。
この場合、側壁側方向からの風による外乱には比較的弱いため、側壁側を防風壁などで防ぐ必要がある。しかし、片側を防風壁等で防ぐことは、容易であり、塗布操作において何ら問題はない。したがって、実施例1、2が適用できる条件は、比較的広いものと考えられる。
更に、実施例1と実施例2とを比較すると、実施例2ではエッジガイド補助水の流下状況がやや悪い場合があり、調芯性に影響もあった。このことより、中央プレート90と第1の側面プレート100との段差部70が有効であることが分かった。この段差部70は大きいほどよいと考えられる。
以上より、実施例1、2のエッジガイド30、200が従来のエッジガイドと同等の性能を持ち、且つ補助水吐出口40付近の清掃性が容易であることが確認された。
更に、従来のエッジガイドでは、3枚のプレートのうち第1、第2の側面プレート100、110が、溝の深さを0.2mm程度にすることと、先端角部を鋭角αに加工することから、高い精密加工が必要であることから高価となる。これを第1の側面プレート100のみとし、第2の側面プレート110が精密加工を行わないブロック形状に変更した形、即ち実施例1、2の形状とすることで、製造コストを安価に抑えることが可能になる。
5 基材
6 カーテン膜
10A、10B カーテン塗布装置
30、200、300、400 エッジガイド
40 補助水吐出口
50、50A〜50C 補助水流下ガイド部
60 第1の平面
70 段差部
80 第2の平面
90 中央プレート
92 段差面
100 第1の側面プレート
110 第2の側面プレート
130 傾斜面
140 マニホールド
142 傾斜部
150 スリット連通路
152 スリット直線流路
154 スリット湾曲接続部
210 凹部
220 段差部
310 第1の突出部
312、322、332 平面
314、324、334 段差面
320 第2の突出部
330 第3の突出部
特開2012−35210号公報

Claims (8)

  1. 塗布液を吐出し、前記塗布液の自由落下による塗布液膜を形成するカーテンダイと、
    前記塗布液膜の左右両側端を支える一対のエッジガイドと、
    前記エッジガイドの前記塗布液膜の左右両側端に沿う方向に延在形成され、前記塗布液膜の左右両側端に接触するエッジガイド補助水が概ね下向きに流れる補助水流下ガイド部と、
    前記エッジガイドに設けられ、前記エッジガイド補助水を前記補助水流下ガイド部に吐出する補助水吐出口と、を備え、
    前記補助水流下ガイド部を流れる前記エッジガイド補助水に支持された前記塗布液膜を連続走行する基材に塗布するカーテン塗布装置であって、
    前記補助水流下ガイド部は、
    前記補助水吐出口の下方に延在形成された第1の平面と、
    前記第1の平面の一側に対して概ね垂直に形成された段差部と、
    前記第1の平面の他側に形成され、前記第1の平面と概ね連続する第2の平面と、
    を有し、
    前記エッジガイド補助水は、前記第1の平面と前記段差部により形成されたL字状領域により流れ方向を規制され、前記第2の平面により他側の流れ方向の規制が緩和されて前記塗布液膜の左右両側端を案内することを特徴とするカーテン塗布装置。
  2. 前記エッジガイドは、
    前記第1の平面を有する中央プレートと、
    前記中央プレートの一側に隣接され、前記段差部を有する第1の側面プレートと、
    前記中央プレートの他側に隣接され、前記第2の平面を有する第2の側面プレートと、
    を積層したことを特徴とする請求項に記載のカーテン塗布装置。
  3. 前記中央プレートは、
    前記エッジガイド補助水が供給される貯水室を形成するマニホールドと、
    前記マニホールドと前記補助水吐出口との間を連通する連通路と、
    を有し、
    前記マニホールドと前記連通路は、一側が前記第1の側面プレートにより閉塞され、他側が前記第2の側面プレートにより閉塞されることを特徴とする請求項に記載のカーテン塗布装置。
  4. 前記連通路は、前記補助水吐出口へ供給されるエッジガイド補助水の流速が幅方向で一定となるように前記補助水吐出口に接続される湾曲接続部を有することを特徴とする請求項に記載のカーテン塗布装置。
  5. 前記第1の側面プレートは、前記段差部と交差する傾斜面を有し、
    前記傾斜面と前記段差部との角部が鋭角をなすことを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のカーテン塗布装置。
  6. 塗布液を吐出し、前記塗布液の自由落下による塗布液膜を形成するカーテンダイと、
    前記塗布液膜の左右両側端を支える一対のエッジガイドと、
    前記エッジガイドの前記塗布液膜の左右両側端に沿う方向に延在形成され、前記塗布液膜の左右両側端に接触するエッジガイド補助水が概ね下向きに流れる補助水流下ガイド部と、
    前記エッジガイドに設けられ、前記エッジガイド補助水を前記補助水流下ガイド部に吐出する補助水吐出口と、を備え、
    前記補助水流下ガイド部を流れる前記エッジガイド補助水に支持された前記塗布液膜を連続走行する基材に塗布するカーテン塗布装置であって、
    前記補助水吐出口の下方に延在形成された第1の平面と、
    前記第1の平面の一側に対して概ね垂直に形成された段差部と、
    前記第1の平面の他側に、前記第1の平面よりも凹んだ位置に形成される第2の平面と、を有することを特徴とするカーテン塗布装置。
  7. 前記エッジガイド補助水は、前記第1の平面と前記段差部により形成されたL字状領域と前記第2の平面により流れ方向を規制され、前記第1の平面の幅寸法の範囲に制限されながら流下することで、前記塗布液膜の左右両側端を案内する
    ことを特徴とする請求項6に記載のカーテン塗布装置。
  8. 塗布液を吐出し、前記塗布液の自由落下による塗布液膜を形成するカーテンダイと、
    前記塗布液膜の左右両側端を支える一対のエッジガイドと、
    前記エッジガイドの前記塗布液膜の左右両側端に沿う方向に延在形成され、前記塗布液膜の左右両側端に接触するエッジガイド補助水が概ね下向きに流れる補助水流下ガイド部と、
    前記エッジガイドに設けられ、前記エッジガイド補助水を前記補助水流下ガイド部に吐出する補助水吐出口と、を備え、
    前記補助水流下ガイド部を流れる前記エッジガイド補助水に支持された前記塗布液膜を連続走行する基材に塗布するカーテン塗布方法であって、
    前記補助水流下ガイド部は、
    前記補助水吐出口の下方に延在形成された第1の平面と、
    前記第1の平面の一側に対して概ね垂直に形成された段差部と、
    前記第1の平面の他側に形成され、前記第1の平面と概ね連続する第2の平面と、
    を有し、
    前記エッジガイド補助水は、前記第1の平面と前記段差部により形成されたL字状領域により流れ方向を規制され、前記第2の平面により他側の流れ方向の規制が緩和されて前記塗布液膜の左右両側端を案内することを特徴とするカーテン塗布方法。
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