以下、本発明を実施するための形態について説明する。最初に本実施の形態における処理装置の構成例について説明し、次に処理装置において行われるベクタデータ作成処理の例について説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における無線通信装置100の構成例を示す図である。
無線通信装置100は、第1のメモリ160、第2のメモリ161、通信部163、及び制御部162を備える。無線通信装置100は、第1の無線通信方式から第2の無線通信方式へ無線通信方式を切替えるときに第1のメモリ160に記憶された第2の無線通信方式に関する無線制御プログラムを第2のメモリ161にローディングする。そして、無線通信装置100は、ローディングされた無線制御プログラムを利用して第2の無線通信方式による無線通信を行う。
第1のメモリ160には、無線通信方式に応じた無線処理を規定する無線制御プログラムが所定の実行単位に区分されて格納される。また、第2のメモリ161には、制御部162による制御により、第1のメモリ160に格納された無線制御プログラムのうち一部の無線制御プログラムがローディングされる。
通信部163は、第2のメモリ161にローディングされた一部の無線制御プログラムを実行して無線通信方式に応じた無線処理を行う。
制御部162は、無線通信装置100の通信状態に基づいて、無線通信方式の切替え後に投入されるコマンドを特定し、特定されたコマンドが投入される前に当該コマンドに対応する無線制御プログラムを第1のメモリ160から第2のメモリ161にローディングするように制御する制御処理を行う。
本無線通信装置100は、特定したコマンドに対応した無線制御プログラムを他のプログラムに優先して第1のメモリ160から第2のメモリ161にローディングするため、次に発行されるべきコマンドと関係性の薄い無線制御プログラムのローディング時間を待つことなく、無線制御プログラムを実行させることができる。
そのため、例えば、無線通信方式の切替えなど、第2のメモリ161に記憶された無線制御プログラムの更新の必要が生じた際の処理時間の短縮化を図ることができる。
また、無線通信方式に応じた処理を所定区分で分割した複数の無線制御プログラムのうち、特定したコマンドに対応した無線制御プログラムのみをローディング対象とすることにより、第1の無線通信方式から第2の無線通信方式へ無線通信方式を切替える場合でも、例えば、i)スリープ状態への移行、ii)第2のメモリ161の電源立ち上げ、iii)第2のメモリ161におけるリブート等の一連の処理を省略させることができる。そのため、無線通信方式の切替えにおける処理時間の短縮化を図ることができる。
また、本無線通信装置100は、ローディングさせる無線制御プログラムについて第2の無線通信方式の全無線制御プログラムではなく、一部の無線制御プログラムをローディングさせている。
従って、本無線通信装置100は、例えば、全無線制御プログラムをローディングさせる場合と比較して、一部の無線制御プログラムによるローディングを行うため、無線通信の切替えによる処理時間の短縮化を図ることができる。
さらに、本無線通信装置100は、無線制御プログラムを第2のメモリ161へローディングさせる際に、第2のメモリ161の記憶領域を増大させたり、別途他のメモリにローディングさせることなども行われない。
従って、本無線通信装置100は、メモリ容量の増大を防止することができる。
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。最初に無線通信システム10の構成例について説明する。
<無線通信システム10の構成例>
図2は、第2の実施の形態における無線通信システム10の構成例を表わす図である。無線通信システム10は、端末装置(以下、「端末」と称する場合がある)100−1,100−2と、基地局装置(以下、「基地局」と称する場合がある)200とを備える。
端末100−1,100−2は、例えば、フィーチャーフォンやスマートフォン、パーソナルコンピュータなどであって、移動可能な無線通信装置である。端末100−1,100−2は、基地局200の無線通信可能範囲(又はセル範囲)において、基地局200と無線通信を行うことができ、基地局200から様々なサービスの提供を受けることが可能である。
なお、端末100−1,100−2は、例えば、ソフトウェア無線の技術を利用可能な無線通信装置でもある。例えば、端末100−1,100−2は、LTE、HSPA、GSMなどの無線通信方式を適宜切替えて無線通信を行うことが可能であり、各無線通信方式に対応する無線制御ファームウェアを保持している。端末100−1,100−2の詳細について後述する。
基地局200は、自局のセル範囲において端末100−1,100−2と無線通信を行う無線通信装置である。基地局200は、セル範囲内の端末100−1,100−2に対して双方向通信が可能である。すなわち、基地局200から端末100−1,100−2方向へのデータ送信(又は下り通信)と、端末100−1,100−2から基地局200へのデータ送信(又は上り通信)である。
なお、基地局200は、さらに、CN(Corresponding Node)やRNC(Radio Network Controller)や、他の基地局と有線回線を介して接続されてもよい。
また、図2の例では、2台の端末100−1,100−2について示されているが、無線通信システム10においては、基地局200に接続する端末100−1,100−2の台数は1台でもよいし、3台以上あってもよい。
なお、端末100−1,100−2についてはいずれも同一構成のため、とくに断らない限り、端末100として説明する場合がある。
<端末100の構成例>
次に、端末100の構成例について説明する。
図3は端末100の構成例を表わす図である。端末100は、無線コア部110、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)130、ユーザコア部(ACPU(Application Central Processing Unit))135、DigRF PHY(Digital Radio Frequency PHYsical)部140、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)141、ANT SW(Antenna Switch)142、アンテナ143−1,143−2、TCXO(Temperature Compensated crystal Oscillator)145、PLL(Phase Lock Loop)146を備える。
また、無線コア部110は、CCPU(Communication CPU)111、メモリ117、L1(Layer 1)−BaseBand部120、APB(Advance Peripheral Bus)バス128を備える。
さらに、CCPU111は、CPP(C-Plane Program)112、UPP(U-Plane Program)113、Other Block114、AXI(Advanced extensible Interface)バス115を備える。
また、L1−BaseBand部120は、IRAM(Intelligent Random Access Memory)121、無線制御ファームウェア(FW:Firm Ware)122、LTE−HW(Long Term Evolution Hard Ware)123、WCDMAHW(Wideband Code Division Multiple Access Hard Ware)124、GSM HW(Global System for Mobile Communications Hard Ware)125、RF−IF(Radio Frequency Interface)126を備える。なお、無線制御ファームウェア122は、例えば、IRAM121に格納される。
また、ユーザコア部135は、例えば、Application PF(Plat Form)136を備える。
なお、第1の実施の形態における無線通信装置100は、例えば、端末100に対応する。また、第1の実施の形態における第1及び第2のメモリ160,161は、例えば、SDRAM130、IRAM121にそれぞれ対応する。さらに、第1の実施の形態における制御部162は、例えば、CCPU111に対応する。
端末100は、ソフトウェア無線を利用して複数の無線通信方式により無線通信を行うことが可能である。例えば、端末100は以下のような動作により無線通信方式の切替え(又はRATの切替え)を行う。
すなわち、SDRAM130には、LTE用の無線制御ファームウェア122や、WCDMA(例えば、HSPA)用の無線制御ファームウェア122、GSM用の無線制御ファームウェア122が格納される。Other BclockのうちDMAC(Direct Memory Access Controller)114は、例えば、CPP112からの指示に従って、SDRAM130へのアクセスを制御する。例えば、DMAC114は、CPP112からの指示に従って、RAT切替え後の無線通信方式に関する無線制御ファームウェア122を読み出して、AXIバス115などを介してIRAM121に出力する。L1−BaseBand部120は、IARM121にローディングされた無線制御ファームウェア122を利用して、無線通信に関する処理を行う。ローディングについての詳細については後述する。
端末100の各部について説明する。CPP112は、例えば、C−Planeに関する処理を行うプログラムであり、CCPU111において実行されることで、C−Planeに関する処理を実行する。C−Planeに関する処理としては、例えば、呼の設定、伝送路の設定、ハンドオーバ制御などがある。
UPP113は、例えば、U−Planeに関する処理を行うプログラムであり、CCPU111において実行されることで、U−Planeに関する処理を実行する。U−Planeに関する処理としては、ユーザデータに対する処理などがある。
Other Block114は、AXIバス115に接続された他の処理ブロックであり、例えば、DMACなどがある。Other Block114についても、例えば、CCPU111において所定のプログラムが実行されることで、Other Block114としての機能を実現したり、処理を実行する。
AXIバス115は、CPP112、UPP113、Other Block114、APB128、L1−BaseBand部120と接続される。AXIバス115は、例えば、プロセッサ−メモリ間などを接続するためのバス規格として、AMBA(Advanced Micro controller Bus Architecture)3.0において規格化されたものである。AXIバス115は、APBバス128よりも高速にデータなどを転送することができる。
メモリ117は、例えば、各種テーブルを記憶し、CPP112などにおいてローディングに関する処理を行うときに、CPP112によって適宜参照される。メモリ117に記憶されるテーブルとしては、例えば、現状情報テーブル1110、チャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112などがある。これらのテーブルの詳細については後述する。
L1−BaseBand部120は、例えば、ベースバンド信号に対する処理を行う処理ブロックである。L1−BaseBand部120は、例えば、IRAM121に記憶された無線制御ファームウェア122を実行することで、LTE−HW123、WCDMAHW124、又はGSM HW125などのハードウェアを動作させて、LTE、MCDMA、又はGSMなどの無線通信方式に関する各種処理を行わせることが可能である。
無線制御ファームウェア122は、例えば、無線制御に関する処理を行うためのプログラム又はソフトウェアなどである。無線制御ファームウェア122は、ユーザデータに対して、誤り訂正符号化処理や変調処理などを施してベースバンド信号を生成し、ベースバンド信号に対して復調処理や誤り訂正復号化処理などを施すなどの処理を行うファームウェアである。
なお、ファームウェアは、例えば、端末100に組み込まれたハードウェア又はシステムを制御するためのソフトウェア又はプログラムのことである。
LTE−HW123は、例えば、LTE用の無線制御ファームウェア122によって制御される対象となるLTE用のハードウェア又はシステムである。
WCDMAHW124は、例えば、WCDMA用の無線制御ファームウェア122によって制御される対象となるWCDMA用のハードウェア又はシステムである。
GSM HW125は、例えば、GSM用の無線制御ファームウェア122によって制御される対象となるGSM用のハードウェア又はシステムである。
例えば、LTE−HW123、WCDMAHW124、及びGSM HW125は、L1−BaseBand部120において組み込まれたハードウェア又はシステムである。
RF−IF部126は、DigRF PHY部140との間でベースバンド信号を入出力するインタフェースである。RF−IF部126は、DigRF PHY部140から受け取ったベースバンド信号を、動作している無線通信方式に関するハードウェア(LTE−HW123、WCDMAHW124、又はGSM HW125など)に出力する。また、RF−IF部126は、動作している無線通信方式に関するハードウェア123〜125から出力された変調後のベースバンド信号を受け取り、DigRF PHY部140に出力する。
なお、L1−BaseBand部120は、PLL146から出力されたクロック信号に同期して各種処理を行う。
SDRAM130は、例えば、LTE用の全無線制御ファームウェア、WCDMA用の全無線制御ファームウェア、GSM用の全無線制御ファームウェアを記憶する。SDRAM130に記憶された無線制御ファームウェアは、例えば、DMAC114により、適宜読み出される。
ユーザコア部135は、例えば、ACPUでもあり、所定のプログラムを実行することでApplication PF136としての機能を実現する。Application PF136は、例えば、ユーザによる操作によって発呼や着呼などを指示する信号を発生し、AXIバス115を介してCPP112へ出力することができる。
DigRF PHY部140は、RFIC141からベースバンド信号を受け取ると、アナログ形式のベースバンド信号をデジタル形式のベースバンド信号に変換して、L1−BaseBand部120へ出力する。また、DigRF PHY部140は、Li−BaseBand部120から受け取ったデジタル形式のベースバンド信号をアナログ形式のベースバンド信号に変換し、RFIC141へ出力する。
RFIC141は、ANT SW142から出力された無線信号に対して、ベースバンド帯域の信号に周波数変換(又はダウンコンバート)して、DigRF PHY部140へ出力する。また、RFIC141は、DigRF PHY部140から出力されたベースバンド信号に対して周波数変換(又はアップコンバート)を行い、無線信号に変換してANT SW142へ出力する。RFIC141は、例えば、周波数変換回路でもある。
なお、RFIC141は、TCXO145から出力された発振信号を受け取り、発振信号をミキシングすることで、送信周波数を無線周波数までアップコンバートしたり、受信周波数をベースバンド周波数までダウンコンバートすることができる。
ANT SW142は、例えば、RFIC141から出力された無線信号をいずれかのアンテナ143−1又は143−2へ出力するようにその出力を切替える。また、ANT SW142は、アンテナ143−1,143−2で受信した2つの無線信号のうち、一方の無線信号をRFIC141に出力するようにその出力を切替える。
または、ANT SW142は、RFIC141から出力された無線信号を2つのアンテナ143−1,143−2へ出力したり、2つのアンテナ143−1,143−2で受信した2つの無線信号又はいずれか一方をRFIC141へ出力する。
アンテナ143−1,143−2は、基地局200から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号をANT SW142へ出力する。また、アンテナ143−1,143−2は、ANT SW142から出力された無線信号を基地局200へ送信する。
<プロトコルスタックとソフトウェア構成について>
次に、本端末100におけるプロトコルスタックとソフトウェア構成について説明する。
図4はプロトコルスタックとソフトウェア構成の例を表わし、C−Planeに対するプロトコルスタックの例も表わしている。
端末100では、RRC(Radio Resource Control)レイヤ1121−a、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤ1121−b、RLC(Radio Link Control)レイヤ1121−c、MAC(Media Access Control)レイヤ1121−dの4つのレイヤに対する制御信号を取り扱うことができる。
RRCレイヤ1121−aでは、例えば、呼の受け付け、基地局200に対する接続管理、ハンドオーバ制御、再接続制御などの処理を行う。
PDCPレイヤ1121−bでは、例えば、制御信号に対するセキュリティ(又は秘匿)に関する処理などを行う。
RLCレイヤ1121−cでは、例えば、RLC PDU(Packet Data Unit)に対するARQ(Automatic Repeat reQuest)制御などの処理を行う。
MACレイヤ1121−dでは、例えば、RLC PDUに対する多重化処理、HARQ(Hybrid ARQ)制御などの処理を行う。
RRCレイヤ1121−aはL3(Layer 3)、PDCPレイヤ1121−b,RLCレイヤ1121−c、MACレイヤ1121−dはL2(Layer 2)に属する。また、L1(Layer 1)に属するPHY(PHYsical)レイヤの制御信号などについては、無線CPUソフトウェア1124や各無線制御ファームウェア122において処理が行われる。
TAF(Terminal Adapter Function)1122は、例えば、呼(例えば、回線接続(CS(Circuit Switching))呼やパケット通信(PS(Packet Switching))呼)の開始が指示された場合、端末100と基地局200との間で呼を確立するための各種制御を行う。例えば、TAF1122は、ユーザによる端末100の操作などによって、発呼メッセージの生成をRRCレイヤ1121−aに指示する。この場合、RRCレイヤ1121−aにおいて発呼メッセージが生成される。
また、TAF1122は、例えば、RRCレイヤ1121−aから受け取った情報と、ACPU135から受け取った情報に基づいて、現在情報テーブル1110に各種情報を記憶する。現在情報テーブル1110の詳細などについては後述する。現在情報テーブル1110に記憶された情報は、例えば、無線CPUソフトウェア1124によって適宜読み出される。
なお、RRCレイヤ1121−aからMACレイヤ1121−dまでのレイヤをまとめて、例えば、PS(プロコトルスタック)1121と称する場合がある。
図5は、ソフトウェア構成の例を表わす図である。端末100のCCPU111においてCPP112が実行されるが、CPP112には、例えば、PS1121、TAF1122、無線CPUソフトウェア1124が含まれる。
例えば、PS1121に関するプログラムをCCPU111において実行することで、RRCレイヤ1121−aからMACレイヤ1121−dまでの各レイヤにおいて行われる処理又は機能を実現することができる。また、TAF1122に関するプログラムをCCPU111において実行することで、TAF1122で行われる処理又は機能を実現することができる。さらに、無線CPUソフトウェア1124に関するプログラムをCCPU111において実行することで、無線CPUソフトウェア1124で行われる処理又は機能を実現することができる。
なお、以下において、PS1121やTAF1122、無線CPUソフトウェア1124が処理を行うことについて説明する場合がある。PS1121やTAF1122、無線CPUソフトウェア1124が処理を行うとは、例えば、CCPU111がCPP112に含まれるプログラムを実行することでこれらの処理が行われたり、これらの機能が実現される、という意味で説明する場合がある。
<チャネル状態>
図6は、端末100におけるチャネル状態の遷移例を表わす図である。図6に示す例は、主に、WCDMAに対する下り方向のチャネル状態の遷移例を表わしている。
例えば、「DCH(S08)」の状態では、端末100は基地局200に対して無線レイヤにおいて同期をかけている状態であり、データなどを送受信できる状態となっている。
図6における矢印は、CCPU111から無線制御ファームウェア122へ出力するメッセージを示す。CCPU111がこのようなメッセージを出力することで、図6に示す各状態へ移行することができる。
例えば、「DCH(S08)」の状態において、CCPU111が無線制御ファームウェア122へ「RD_HS_DSCH_REQ」メッセージ(図6における(J))を出力すると、「DCH+HS_DSCH」の状態へ移行する。「DCH+HS_DSCH」の状態では、端末100は、基地局200からHSPAを利用してユーザデータを受信することができる状態となる。
図6において、「No Ch(S00)」の状態がある。「No Ch(S00)」は、例えば、チャネルクローズ状態となっており、端末100はRAT切替えを行うことが可能な状態となっている。例えば、CCPU111が、「DR_ECHOMCH_SET_CNF」メッセージ(図6における(A’))などのクローズ要求メッセージを無線制御ファームウェア122に出力することで、「No Ch(S00)」へ移行し、RAT切替え可能な状態へ移行できる。
<動作例>
次に、端末100における動作例について説明する。図7から図10は動作例を表わすシーケンス図である。本動作例については以下の順番で説明する。
すなわち、図7及び図8は、端末(UE)100と基地局(s−eNB,t−eNB)200などとの間で行われる動作シーケンス例を表わしている。
例えば、端末100は、基地局(s−eNB)200−1又は基地局制御装置(s−RNC)400−2へ、無線通信方式に関する切替え要求を送信する。そして、端末100は、基地局(s−eNB)200−1又は基地局制御装置(s−RNC)400−2から切替え要求に対する許可を受信すると、図9及び図10で示す端末100内での無線通信方式の切替え処理が行われる。
<端末100と基地局(s−eNB)200−1又は基地局制御装置(s−RNC)400−2との間の動作例>
図7は、端末100においてLTEからWCDMAへ無線通信方式を切替える場合のシーケンス例を表わす図である。一方、図8は、端末100においてWCDMAからLTEへ無線通信方式を切替える場合のシーケンス例を表わす図である。図7及び図8において端末100における処理は、例えば、端末100におけるCPP112のPS1121などで行われる。
図7から説明する。例えば、端末100は、受信品質などの指標に基づいて無線通信方式をLTEからWCDMAへ切替えることを決定する。端末100は、切替え決定後、切替え要求を接続先の基地局(s−eNB)200−1へ送信する(S11)。
例えば、端末100は、「UE Capability Enquiry」(S10)に対する応答メッセージ(「UE Capability Information」)に切替え要求を含めて送信してもよい。
基地局(s−eNB)200−1は、端末100から切替え要求を受信すると、切替え要求を含むメッセージ(「HANDOVER REQUIRED」)をCN300へ送信する(S12)。
CN300は、切替え要求を含むメッセージを受信すると、切替え要求を含むメッセージ(「RELOCATION REQUEST」)を新たに生成して、生成した当該メッセージを基地局制御装置(t−RNC)400−1へ送信する(S13)。
基地局制御装置(t−RNC)400−1は、例えば、一又は複数の基地局200を監視し、端末100のハンドオーバに関する制御などを行う。RAT間ハンドオーバについても、例えば、基地局制御装置(t−RNC)400−1において管理している。
基地局制御装置(t−RNC)400−1は、切替え要求を含むメッセージを受信すると、切替え要求の許可に関するメッセージ(「RELOCATION REQUEST ACK」)を生成し、生成した当該メッセージをCN300へ送信する(S14)。
CN300は、基地局制御装置(t−RNC)400−1から当該メッセージを受信すると、切替え要求を許可する情報を含むメッセージ(「HANDOVER COMMAND」)を生成し、生成した当該メッセージを基地局200−1へ送信する(S15)。
基地局200−1は、当該メッセージを受信すると、切替え許可に関するメッセージ(「Mobility From EUTRAN Command」)を生成し、生成した当該メッセージを端末100へ送信する。
端末100は、切替え許可に関するメッセージを受信すると、図9又は図10に示す無線通信方式の切替え処理(またはRAT切替え処理)を開始する。
図8は、WCDMAからLTEへ無線通信方式を切替える場合のシーケンス例を表わしている。
端末100は、例えば、CN300に対して接続要求メッセージ(「ATTACH/RAU REQUEST」)を送信して、上位装置との接続を完了する(S20)。
その後、端末100は、受信信号レベルなどの指標に基づいて、無線通信方式をWCDMAからLTEへ変更することを決定する。そして、端末100は、切替え要求を含むメッセージ(「UE CAPABILITY INFORMATION」)を生成して、生成した当該メッセージを、基地局などを介して基地局制御装置(s−RNC)400−2へ送信する(S21)。
基地局制御装置(s−RNC)400−2は、端末100から当該メッセージを受信すると、切替え要求を含むメッセージ(「RELOCATION REQUIRED」)を生成し、CN300へ送信する(S22)。
次に、CN300は、基地局制御装置(s−RNC)400−2から当該メッセージを受信すると、切替え要求を含むハンドオーバ要求メッセージ(「HANDOVER REQUEST」)を生成し、ハンドオーバ先の基地局(t−eNB)200−2へ送信する(S23)。
基地局(t−eNB)200−2は、ハンドオーバ要求メッセージをCN300から受信すると、切替え要求を許可する情報を含む許可メッセージ(「HANDOVER REQUEST ACK」)を生成し、CN300へ送信する(S24)。
切替え要求に対する許可情報は、CN300から基地局制御装置(s−RNC)400−2を介して、各メッセージ(例えば、「RELOCATION COMMNAD」、「HANDOVER FROM UTRAN COMMNAD」)により端末100へ送信される(S25,S26)。
端末100は、基地局(s−eNB)200−1又は基地局制御装置(s−RNC)400−2から、切替え要求に対する許可情報(例えば、「RELOCATION COMMAND」メッセージ、「HANDOVER FROM UTRAN COMMAND」メッセージ)を受信すると、端末100のPS1121はRAT切替えに関する情報をTAF1122に通知し、図9又は図10に示す無線通信方式の切替え処理を各機能部に行わせる。
例えば、基地局(s−eNB)200−1から切替え要求に対する許可情報が「MobilityFromEUTRANCommand」メッセージ(図7のS16)の場合、PS1121はLTE方式からWCDMA方式へのRAT切替えに関する情報をTAF1122に通知する。
あるいは、基地局制御装置(s−RNC)400−2からの切替え要求に対する許可情報が「HANDOVER FROM UTRAN COMMAND」(図8のS26)の場合、PS1121はWCDMA方式からLTE方式へのRAT切替えに関する情報をTAF1122に通知する。
<RAT切替え処理>
次に、端末100で行われる無線通信方式の切替え処理について説明する。図9及び図10は無線通信方式の切替え処理のシーケンス例を表わす図である。図9及び図10いずれも、無線通信方式をLTEからWCDMA(例えばHSPA)へ切替える場合の動作例を表わしている。なお、図10は、図9のLTE停止処理(S30)の一部とFWダウンロード処理(S40)のシーケンス例の詳細を表わしている。
図9に示すように、無線通信方式の切替え処理については、LTE停止処理(S30)、ファームウェア(FW)ダウンロード(又はローディング、以下においては「ダウンロード」と称する場合がある)処理(S40)、WCDMA開始処理(S50)の順で処理が行われる。
基地局200から許可情報を受信したことを検知したPS1121は、RAT切替えに関する情報をTAF1122に通知し、LTE停止処理(S30)を開始する。LTE停止処理(S30)において、PS1121は、無線CPUソフトウェア1124に対してパラメータの設定を行い(S31)、LTEチャネルクローズ要求を無線CPUソフトウェア1124へ出力する(S32)。
なお、LTE用の無線制御ファームウェア122として、例えば、図9に示すように5つの無線制御ファームウェアがある。すなわち、チャネルサーチ用の無線制御ファームウェア(「SEA」)、復調処理用の無線制御ファームウェア(「DEM」)、誤り訂正復号化処理用の無線制御ファームウェア(「DEC」)、誤り訂正符号化処理用の無線制御ファームウェア(「COD」)、及び変調処理用の無線制御ファームウェア(「MOD」)がある。WCDMA用の無線制御ファームウェアについてもこれら5つの無線制御ファームウェアがある。
無線制御ファームウェア122は、PS1121からLTEチャネルクローズ要求を受け取ると、対象となるLTEのチャネルに対してチャネルクローズ処理を行う(S33)。
例えば、チャネルクローズ要求には、共有チャネル(SCH)や個別チャネル(DCH)に対するチャネルクローズ要求がある。PS1121は、所定のチャネルに対するチャネルクローズ要求を出力し、無線制御ファームウェア122は、チャネルクローズ要求を受け取ると、要求のあったチャネルに対応する無線制御ファームウェア、例えば、復調処理用の無線制御ファームウェア(「DEM」)などに対してクローズ処理を行う。
無線制御ファームウェア122は、LTEに対するチャネルクローズ処理を終了すると、LTEチャネルクローズ終了確認通知をPS1121へ送信する(S34)。
これにより、例えば、端末100はチャネルクローズ状態(図6の「No Ch(S00)」)となり、無線通信方式の切替え可能な状態へ移行する。
次に、端末100は、WCDMA用の無線制御ファームウェアに対するダウンロード処理(S40)を行う。
PS1121は、WCDMA用の無線制御ファームウェアに対するダウンロード要求を無線CPUソフトウェア1124へ出力し(S41)、無線CPUソフトウェア1124は、当該ダウンロード要求を無線制御ファームウェア122へ出力する(S42)。
そして、無線CPUソフトウェア1124と無線制御ファームウェア122(又はIRAM121)との間でWCDMA用の無線制御ファームウェアについてのダウンロード処理を行う(S43)。
例えば、無線CPUソフトウェア1124がDMAC114に対してダウンロードを指示することで、DMAC114により読み出された無線制御ファームウェア122が無線CPUソフトウェア1124経由でIRAM121へ出力される。詳細については図10において説明する。
WCDMA用の無線制御ファームウェア122のダウンロードが終了すると、無線制御ファームウェア122は、無線CPUソフトウェア1124に対してダウンロード完了通知を通知し(S44)、無線CPUソフトウェア1124はPS1121へ当該通知を通知する(S45)。
次に、端末100はWCDMA開始処理(S50)を行う。すなわち、PS1121は、パラメータを設定し(S51)、WCDMA用のクロックの開始要求を無線制御ファームウェア122へ要求する(S52)。例えば、LTE用の内部クロックとWCDMA用の内部クロックは異なるため、このクロック開始要求により、WCDMAHW124がWCDMA用のクロックで動作させることができる。
次に、無線CPUソフトウェア1124と無線制御ファームウェア122は、WCDMA用のクロックの開始処理を行う(S53)。例えば、無線制御ファームウェア122は、TCXO145を制御することで、WCDMA用の内部クロックに同期したクロックが生成されて、WCDMAHW124がWCDMA用のクロックで動作する。
無線制御ファームウェア122は、WCDMA用クロックの開始処理を行うと、確認通知をPS1121へ通知する(S54)。
次に、無線CPUソフトウェア1124と無線制御ファームウェア122は、機能ブロックの初期化処理を行う(S55)。例えば、サーチ用ファームウェア(「SEA」)などの各無線制御ファームウェア122は初期化される。
次に、PS1121は、無線CPUソフトウェア1124に対してパラメータを設定し(S56)、WCDMAのチャネルオープン要求を無線制御ファームウェア122に対して出力する(S57)。
無線制御ファームウェア122は、チャネルオープン要求を受けて、各無線制御ファームウェア(例えばサーチ用ファームウェア(「SEA」)など)に対してチャネルオープン処理を行う(S58)。
例えば、チャネルオープン要求についても、個別チャネル(DCH)や共有チャネル(SCH)に対するオープン要求(又はオープン要求コマンド)である。無線制御ファームウェア122は、対象となるチャネルに対応する無線制御ファームウェア(例えばサーチ用ファームウェア(「SEA」)など)に対してオープン処理を行う。
無線制御ファームウェア122は、チャネルオープン処理を開始すると、確認通知をPS1121へ出力する(S59)。
この一連の動作により、端末100はLTEからWCDMAへ無線通信方式を切替えて無線通信を行うことが可能となる。
図10は無線通信方式の切替え処理のシーケンス例を表わす図である。図9と重複する処理については説明を省略する場合もある。図10においても、LTEからWCDMAへ無線通信方式を切替える場合の例である。
なお、図10の例では、無線制御ファームウェア122は、共有チャネル(SCH)をオープンして、ユーザデータに対する処理を行っているものとする(S70)。
PS1121は、基地局200から許可情報を受信したことを検知したことに応じて、RAT切替えに関する情報をTAF1122に通知し、LTE停止処理(S30)を開始する。例えば、PS1121は、チャネルクローズ(CH_CLOSE)要求コマンドを生成し、当該コマンドを無線CPUソフトウェア1124へ出力する(S71)。
無線CPUソフトウェア1124は、受け取ったチャネルクローズ要求コマンドを、無線制御ファームウェア122へ出力する(S72)。これにより、例えば、無線制御ファームウェア122では、オープンしているチャネル(図10の例では共有チャネル(SCH))に対するクローズ処理が行われる(S73)。
TAF1122は、PS1121から通知されたRAT切替えに関する情報を用いて、現在情報テーブル1110を更新する(S74)。なお、TAF1122は、ユーザコアACPU部135からの要求指示(例えば、Webサービスの閲覧のためのパケット通信の要求指示、電話サービスの発呼の要求指示)を受けた場合や、PS1121からダウンリンクの信号の復調・復号結果を受けた場合にも、現在情報テーブル1110を更新し得る。
ここで、現在情報テーブル1110の詳細について説明する。
図11(A)は現在情報テーブル1110に記憶される項目の例、図11(B)は現在情報テーブル1110の構成例をそれぞれ表わす図である。現在情報テーブル1110は、例えば、メモリ117に記憶される。
現在情報テーブル1110に記憶される項目には、例えば、圏内/圏外情報、RRCモード、PLMN(Public Land Mobile Network)の種別、提供サービスの種類、接続しているドメイン、現在の位置登録状態、RAT遷移先に関する項目がある。このうち、圏内/圏外情報については、例えば、TAF1122はACPU135から受け取ることが可能な情報であり、それ以外の項目は、例えば、RRCレイヤ1121−aから受け取ることが可能な情報である。
圏内/圏外情報(図11の(1))は、例えば、端末100が基地局200の圏内に位置しているか圏外に位置しているかを表わしている。おり、ユーザコア側であるACPU135によって判定され、判定結果がTAF1122へ出力される。
RRCモード(図11の(2))は、例えば、基地局200と無線接続していないアイドルモード、無線接続しているコネクテッドモード、又は再接続しているリカバリーモードを表わしている。
PLMN(図11の(3))は、例えば、端末100が接続する公衆移動通信ネットワークの種別を表わし、加入者が登録されるネットワーク(例えばHome PLMN)と加入者が登録されていないネットワーク(例えば、Visited PLMN)を表わしている。
提供サービスの種類(図11の(4))は、例えば、回線交換に関するCS(Circuit Switching)、パケット交換に関するPS(Packet Switching)、又はその双方を表わす。
接続しているドメイン(図11の(5)は、例えば、NULLの他に、CS、PS、又はその双方について表わしている。
現在の位置登録状態(図11の(6))は、例えば、端末100の位置登録状態を表わし、位置登録されていない状態、位置登録済み状態、端末100の電源オンから位置登録を開始する準備状態などを表わしている。
RAT遷移先(図11の(7))は、基地局200からの制御信号を復調・復号して得た情報に応じてPS1121から通知されるRAT遷移先を示す。例えば、現時点のRATがWCDMAである状態の場合は「0」、現時点がWCDMAの状態からLTEへとRAT切替えを必要とする状態の場合は「1」、現時点のRATがLTEである状態の場合は「2」、そして現時点がLTEの状態からWCDMAへとRAT切替えを必要とする状態の場合の場合は「3」をそれぞれ示す。
圏内/圏外情報(図11の(1))は、例えば、ユーザコア側であるACPU135によって判定され、判定結果がTAF1122へ出力される。一方、RRCモード(図11の(2))から現在の位置登録状態(図11の(6))までの項目は、例えば、RRCレイヤ1121−aにおいて基地局200との無線通信に関するメッセージの送受信などにより取得される項目である。現在情報テーブル1110に記憶される項目又は情報は、例えば、端末100における現在の無線通信状態を表わしており、ACPU135やRRCレイヤ1121−aなどによって取得された情報がTAF1122へ通知されるものとなっている。
図11(B)は現在情報テーブル1110の構成例を表わしている。図11(B)の例では、端末100は「圏外」、「アイドルモード」、「Home PLMN」、提供サービスは「PS」、接続しているドメインは「CS」、位置登録状態は「位置登録処理中状態」、RAT遷移先は「2」、すなわち現時点のRATがLTEであること、を表わしている。
図10に戻り、次に、TAF1122は、更新した現在情報テーブル1110の情報を無線CPUソフトウェア1124へ通知する(S75)。例えば、更新後の圏内/圏外情報、RRMモードなどの各項目に関する情報が通知される。
次に、無線CPUソフトウェア1124は、現在情報テーブル1110に基づいて、PS1121から通知されるコマンドを先読みする(又は特定する)(S76)。
無線CPUソフトウェア1124がどのようにコマンドを先読みするかについてのアルゴリズムを以下に説明する。
まず、先読みするコマンドは、例えば、無線通信方式を切替え後、PS1121から無線CPUソフトウェア1124へ最初に通知されるコマンドである。図10の例では、先読みするコマンドは、WCDMAにおける個別チャネルのオープン要求コマンド(「RD_DCH_SET_REQ」、S80)である。
このような先読み対象のコマンドは、現在情報テーブル1110の情報に基づいて特定できる。
例えば、端末100が「圏内」、RRCモードは「接続中」、提供サービスが「PS」の場合は、個別チャネルのオープン要求コマンド(WCDMA用のコマンドとしては「RD_DCH_SET_REQ」、RAT遷移先が「1」(WCDMA(現状態)⇒LTE)の場合、RAT切替え後に投入される個別チャネルのオープン要求コマンドはLTE用の「LB_SCH_OPEN_REQ」であると特定できる。
また、例えば、端末100が「圏内」、RRCモードは「接続中」、提供サービスが「PS」、RAT遷移先が「3」(LTE(現状態)⇒WCDMA)の場合、RAT切替え後に投入される個別チャネルオープン要求コマンドはWCDMA用の「RD_DCH_SET_REQ」であると特定できる。
すなわち、無線CPUソフトウェア1124は、例えば、端末100の通信状態に基づいて、無線通信方式の切替え後に上位レイヤから最初に投入されるコマンド(又は先読み対象コマンド)を特定している。
このような先読み対象コマンドの特定は、例えば、現在情報テーブル1110と、更に、チャネル状態遷移コマンド情報テーブルとから抽出することが可能である。以下、チャネル状態遷移コマンド情報テーブルについて説明する。
図12はLTE用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111、図13はWCDMA用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1112の例をそれぞれ表わしている。2つのチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112は、いずれも、端末100の通信状態に基づいて特定される先読み対象コマンドを表わしている。また、2つのチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112は、いずれも、特定した先読み対象コマンドに対してどの無線制御ファームウェアをダウンロードさせるのかについての関係を表わしている。
LTE用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111には「先読み通知情報」の項目がある。「先読み通知情報」には現在情報テーブル1110の情報が記憶される。また、WCDMA用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1112にも「先通知情報」の項目があり、当該「先読み通知情報」にも現在情報テーブル1110の情報が格納される。
例えば、図12に示すように、LTE用のチャネル情報遷移コマンド情報テーブル1111の「先読み通知情報」には、「(1)圏内、(2)アイドルモード、(3)Home PLMN、(7)LTE(現状態)」が記憶されている項目があるが、「先読み通知情報」に記憶される情報は現在情報テーブル1110の情報となっている。
また、2つのチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112には、「コマンド発行」の項目が含まれる。「コマンド発行」には、先読み対象コマンドが格納される。
例えば、図12に示すように、LTE用のチャネル情報遷移コマンド情報テーブル1111の「コマンド発行」には「LB_PBCH_OPEN_REQ」などのコマンドが記憶される。
無線CPUソフトウェア1124は、例えば、以下のようにして先読み対象コマンドを特定する。
すなわち、無線CPUソフトウェア1124は、現在情報テーブル1110の「RAT遷移先」について、遷移先(又は切替え後の無線通信方式)が「LTE」のとき(例えば、「RAT遷移先」が「1」又は「2」のとき)、図12に示すLTE用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111を選択する。また、例えば、無線CPUソフトウェア1124は、現在情報テーブル1110の「RAT遷移先」について、遷移先が「WCDMA」のとき(例えば、「RAT遷移先」が「0」又は「3」のとき)、図13に示すWCDMA用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1112を選択する。
そして、例えば、無線CPUソフトウェア1124は、現在情報テーブル1110に記憶された情報と一致する情報を有する「先読み通知情報」の項目を特定し、特定した「先読み通知情報」に対応する「コマンド発行」に格納されるコマンドを抽出することで、先読み対象コマンドを特定する。
例えば、現在情報テーブル1110において、端末100が「圏内」でかつ「アイドルモード」であり、「Home PLMN」である基地局200に接続し、「RAT遷移先」が「LTE(現状態)」の場合、無線CPUソフトウェア1124は、以下のようにして先読み対象コマンドを特定する。
すなわち、無線CPUソフトウェア1124は、「RAT遷移先」が「LTE」のため、図12に示すLTE用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111を選択する。そして、無線CPUソフトウェア1124は、LTE用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111において、端末100が「圏内」でかつ「アイドルモード」であり、「Home PLMN」である基地局200に接続することを表わす情報を記憶した「先読み通知項目」を特定する。図12の例では、最上段の「先読み通知項目」が特定される。そして、無線CPUソフトウェア1124は、特定した「先読み通知項目」に対応する「コマンド発行」に格納された「LB_PBCH_OPEN_REQ」を抽出する。無線CPUソフトウェア1124は、抽出した「LB_PBCH_OPEN_REQ」を先読みコマンドとして特定する。
チャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112について説明すると、上記したように、当該テーブル1111,1112は各オープン要求に対してどの無線制御ファームウェアをダウンロードさせるのかについての関係を表わしている。例えば、LTE用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111において、「LB_SCH_OPEN_REQ」(DL/UL−SCHオープン要求)コマンドについては、「無線制御実行ファームウェア」、「DEMO FW」、「DECORDER FW」、「CORDER FW」、「MOD FW」がダウンロード対象である。
なお、図12と図13によりLTEとWCDMAに関する2つの無線通信方式におけるチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112の例をそれぞれ表わしているが、例えば、GSMなどの他の無線通信方式についても、当該他の無線通信方式に対応するチャネル状態遷移コマンド情報テーブルがあってもよい。
現在情報テーブル1110とチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112は、例えば、メモリ117に記憶される。先読みコマンドを特定する際には、例えば、無線CPUソフトウェア1124はメモリ117に記憶された現在状態テーブル1110とチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112にアクセスして、「コマンド発行」の項目にあるコマンドを特定することで先読み対象コマンドを特定する。
図10に戻り、無線制御ファームウェア122では、共有チャネル(SCH)に対するクローズ処理を終了すると(S73)、クローズ要求コマンド(S71,S72)に対するクローズ応答コマンドを無線CPUソフトウェア1124とPS1121へ送信する(S77,S78)。
これにより、例えば、端末100において、オープンしていたLTEの所定チャネルに対するクローズ処理が終了する。
次に、無線CPUソフトウェア1124は、DMAC114に対する制御パラメータを設定する(S79)。
制御パラメータの例としては、例えば、転送元のSDRAM130のアドレス、転送先のIRAM121のアドレス、転送方向、転送バイト数などがある。このような制御パラメータは、例えば、ダウンロード対象となる無線制御ファームウェアに対応するものである。ダウンロード対象となる無線制御ファームウェアが異なれば、SDRAM130に格納された無線制御ファームウェアのアドレスや転送先のIRAM121のアドレス、転送バイト数も異なる。制御パラメータは、例えば、無線制御ファームウェアをどのようにダウンロードさせるかについてのパラメータを表わしている。
なお、無線CPUソフトウェア1124はメモリオーバレイ方式により無線制御ファームウェアを可変サイズでダウンロードする場合、例えば、転送先のIRAM121の先頭アドレスは固定されており、固定アドレスの先頭から無線制御ファームウェアの書き込みを開始する。
例えば、無線CPUソフトウェア1124は、設定した制御パラメータをDMAC114へ出力する。DMAC114では、設定された制御パラメータに従って、無線制御ファームウェアのダウンロード処理などを行う。
次に、無線CPUソフトウェア1124は、PS1121から出力されるコマンドを受け取る(S80)。
このとき、無線CPUソフトウェア1124は、例えば、先読みしたコマンド(S76)と受け取ったコマンド(S80)とが同一か否かを判別する。例えば、無線CPUソフトウェア1124は、受け取ったコマンドに含まれるコマンド種別を表わす情報が、先読みしたコマンドと一致するか否かにより判別する。
無線CPUソフトウェア1124は、先読みしたコマンドと受け取ったコマンドとが同一のとき、処理をそのまま次へ移行する。一方、コマンドが同一でないときは、無線CPUソフトウェア1124は、コマンドを受け取った後、受け取ったコマンドに対応する、DMAC114に対する制御パラメータの設定を行う。このように再度制御パラメータの設定が行われるのは、例えば、先読みしたコマンドと受け取ったコマンドとが異なると、それに応じてダウンロード対象となる無線制御ファームウェアも異なり、それに応じて、アドレスや転送バイト数なども異なるからである。
次に、無線CPUソフトウェア1124は、DMAC114に対して該当する無線制御ファームウェア122に対する制御依頼を行う(S80A)。
例えば、無線CPUソフトウェア1124は、チャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112に基づいて、先読みしたコマンドに対応する無線制御ファームウェアを選択する。図10の例では、無線CPUソフトウェア1124は、先読みしたオープンコマンド(「RD_DCH_SET_REQ」)に対応する無線制御ソフトウェア(「SEARCH FW」、「DECORDER」、「CORDER FW」、「MOD FW」)を、WCDMA用のチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1112から抽出し、これらの無線制御ファームウェアに対するダウンロード依頼を行う。
そして、DMAC114は、例えば、設定された制御パラメータ(S79)に基づいて、依頼された無線制御ファームウェア(S80)に対するダウンロードを行う。例えば、SDRAM130から読み出された無線制御ファームウェアは無線CPUソフトウェア1124へ出力され、無線CPUソフトウェア1124は無線制御ファームウェアをIRAM121へ出力する(S81)。
次に、IRAM121は、ダウンロードされた無線制御ファームウェアを記憶する(S82)。そして、IRAM121又は無線制御ファームウェア122は、ダウンロードした無線制御ファームウェアのIRAM121への書き込みが完了すると、完了応答を無線CPUソフトウェア1124へ通知する(S83)。これにより、例えば、変更後の無線通信方式に関連した無線制御ファームウェアのダウンロードが完了する。
次に、無線CPUソフトウェア1124は、先読みしたコマンドを無線制御ファームウェア122へ出力する(S84)。図10の例では、無線CPUソフトウェア1124は、個別チャネル(DCH)のオープン要求コマンド(「RD_DCH_SET_REQ」)を出力する。
次に、無線制御ファームウェア122は、無線CPUソフトウェア1124から受け取ったコマンドに従ってチャネルオープン処理を行う(S85)。図10の例では、WDCDMA用の個別チャネル(DCH)に対するチャネルオープン処理が行われる。
無線制御ファームウェア122は、チャネルオープン処理が終了すると、オープン要求コマンド(S84)に対する応答コマンドを無線CPUソフトウェア1124へ出力する(S86)。
無線CPUソフトウェア1124は、応答コマンドを無線制御ファームウェア122から受け取ると、当該応答コマンドをPS1121へ通知する(S87)。
これにより、例えば、WCDMAに対するチャネルオープン処理が終了し、端末100ではダウンロードした無線制御ファームウェア122を用いて、オープンしたチャネル(図10の例では個別チャネル(DCH))に対する復調処理や誤り訂正復号化処理などの処理を行う。
このように、本第2の実施の形態において、端末100では無線制御ファームウェアをダウンロードする際に、例えば、i)スリープ状態への移行、ii)IRAM121の電源の立ち上げ、iii)IRAM121のリブートなどの処理が行われない。
これは、例えば、IRAM121では、当該IRAM121に記憶された無線制御ファームウェア122の全書き換えを行うときには、上記i)〜iii)の処理を行うことで、IRAM121の所定アドレスに新たに無線制御ファームウェア122を記憶することができる。
一方、本第2の実施の形態における端末100は、例えば、図12や図13に示すように、全無線制御ファームウェアではなく、その一部の無線制御ファームウェアをダウンロードさせており、IRAM121に対しては全無線制御ファームウェアを書き換えることがない。この場合、例えば、IRAM121の所定領域に無線制御ファームウェア122が上書きされて記憶される。従って、IRAM121においては、IRAM121の電源を立ち上げ直す処理(上記i)〜iii)の処理)などを行うことなく、IRAM121に対するダウンロードを行うことができる。
よって、本第2の実施の形態における端末100は、例えば、上記i)〜iii)の処理を行うことがないため、その分、無線通信方式の切替えによる処理時間の短縮化を図ることができる。
また、本第2の実施の形態において、無線制御ファームウェアがダウンロードされる際に、例えば、別途新たなメモリを設けて、当該メモリに記憶させることもないため、メモリ容量の増大を防止できる。
さらに、本第2の実施の形態においては、例えば、無線CPUソフトウェア1124がPS1121から出力されるコマンドを先読みしている(S76)。これにより、例えば、無線CPUソフトウェア1124は、PS1121から送信されたコマンド(S80)の受信を待つことなく、DMAC114に対する制御パラメータの設定を行うことができる(S79)。従って、例えば、無線CPUソフトウェア1124は、S78のコマンド(Close)応答をもって、無線ファームウェアのダウンロードを行うことで処理時間を早くすることができ、無線通信方式の切替えによる処理時間の短縮化を図ることができる。
さらに、本第2の実施の形態においては、例えば、ダウンロードされる無線制御ファームウェアは、切替え後の無線通信方式に関する全無線制御ファームウェアではなく、その一部の無線制御ファームウェアとなっている(S80)。これにより、例えば、端末100では全無線制御ファームウェアをダウンロードする場合と比較して、ダウンロード自体の処理時間の早くすることができ、無線通信方式の切替えによる処理時間の短縮化を図ることができる。
[その他の実施の形態]
次にその他の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態において、例えば、無線CPUソフトウェア1124は制御パラメータの設定(例えば図10のS79)についてはチャネルクローズ応答を受信した後(S77)で行うものとして説明した。例えば、無線CPUソフトウェア1124は、コマンドを先読みした後(S76)、チャネルクローズ応答を待つことなく、制御パラメータの設定(S79)を行うようにしてもよい。
また、第2の実施の形態において、例えば、無線CPUソフトウェア1124はチャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112の「先読み通知情報」の項目に制御パラメータを設定するものとして説明した(例えば図10のS79)。この場合において、例えば、無線CPUソフトウェア1124は、当該テーブル1111,1112における「先読み通知情報」において更新後において、その後の動作(例えばS80)を行うことができる。すなわち、例えば、「先読み通知情報」が更新されると、無線CPUソフトウェア1124はダウンロードに対する処理を開始することができるため、「先読み通知情報」の更新によって「ダウンロード制御権」が発生することになる。この「ダウンロード制御権」の発生により、例えば、無線CPUソフトウェア1124はダウンロード処理を開始することができる。
さらに、第2の実施の形態においては、現在情報テーブル1110、チャネル状態遷移コマンド情報テーブル1111,1112が記憶されるメモリ117は、例えば、CCPU111の外部にあるものとして説明した。例えば、メモリ117はCCPU111の内部にあってもよい。
さらに、第2の実施の形態においては、LTEからWCDMAへの無線通信方式の切替えについて説明した。例えば、WCDMAからLTEへの切替えについても、図10に示す無線通信方式の切替え処理を端末100において実行できる。この場合、例えば、無線CPUソフトウェア1124は、先読みするコマンドはLTEに関するオープン要求コマンドとなり、図12の「コマンド発行」から選択される。PS1121から通知されるオープン要求もLTEに関するオープン要求となる。さらに、第1の無線通信方式から第2の無線通信方式への切替えについても、端末100では図10に示すシーケンスに従って処理を行うことができる。例えば、無線CPUソフトウェア1124では切替え後の第2の無線通信方式に関するオープン要求コマンドを先読みし(S76)、その後、PS1121から第2の無線通信方式に関するオープン要求コマンドが通知される。
図14は端末100のハードウェア構成例を表わす図である。端末100は、さらに、ROM(Read Only Memory)150、RAM(Random Access Memory)151を備える。
CCPU111は、例えば、ROM150に記憶されたCPP112を読み出して、RAM151にロードし、ロードしたCPP112を実行することで、CPP112に関する機能を実現したり、CPP112に関する処理を実行する。
また、CCPU111は、例えば、ROM150に記憶されたプログラムを読み出して、RAM151にロードし、ロードしたプログラムを実行することで、PS1121やTAF1122、無線CPUソフトウェア1124、Other Block(DMACを含む)114に関する機能を実現したり、処理を実行する。
さらに、CCPU111は、例えば、ROM150に記憶されたUPP113を読み出して、RAM151にロードし、ロードしたUPP113を実行することで、UPP113に関する機能や処理を実行する。
APCU135についても、例えば、ROM150に記憶されたプログラムを読み出して、RAM151にロードし、ロードしたプログラムを実行することで、Application PF136における機能や処理を実行する。
また、第2の実施の形態でも説明したように、DSP120は、例えば、L1−BaseBand部120に対応する。
従って、図14に示す端末100においても第2の実施の形態で説明したダウンロード処理などの各種処理を行うことができる。
以上まとめると付記のようになる。
(付記1)
プログラムを実行して無線通信方式に応じた無線処理を行う無線通信装置において、
前記無線通信方式に応じた無線処理を規定するプログラムが所定の実行単位に区分されて格納された第1のメモリと、
前記第1のメモリに格納されたプログラムのうち一部のプログラムがローディングされる第2のメモリと、
前記第2のメモリにローディングされた前記一部のプログラムを実行して前記無線通信方式に応じた無線処理を行う通信部と、
前記無線通信装置の通信状態に基づいて、前記無線通信方式の切替え後に投入されるコマンドを特定し、前記特定されたコマンドが投入される前に当該コマンドに対応するプログラムを前記第1のメモリから前記第2のメモリにローディングするように制御する制御処理を行う制御部と
を備えることを特徴とする無線通信装置。
(付記2)
前記通信部は、プロトコルスタックにおけるレイヤ1に関する無線処理を実行し、
前記制御部は、プログラムの実行によりレイヤ1からレイヤ2に規定されるプロトコルスタックに関する処理部を実現し、
前記レイヤ1に相当する処理部は、投入されるコマンドに応じて前記通信部における無線処理を実行させ、前記無線通信装置の通信情報に基づいて前記無線通信方式の切替え後に投入されるコマンドを特定し、前記特定されたコマンドが投入される前に当該コマンドに対応するプログラムを前記第1のメモリから前記第2のメモリにローディングするように制御することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記3)
前記制御部は、前記特定されたコマンドが投入される前に、当該コマンドに対応する一部のプログラムを前記第2のメモリへローディングさせるための制御パラメータを設定することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記4)
更に、チャネル状態遷移コマンド情報テーブルを記憶する第3のメモリを備え、
前記制御部は、前記特定されたコマンドに対応する前記一部のプログラムを前記チャネル状態遷移コマンド情報テーブルから選択し、選択した前記一部のプログラムを前記第2のメモリへローディングさせることを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記5)
前記制御部は、前記特定されたコマンドが投入される前に、前記一部のプログラムを前記第2のメモリへローディングさせるための制御パラメータを前記チャネル状態遷移コマンド情報テーブルに記憶させ、前記チャネル状態遷移コマンド情報テーブルに記憶された前記制御パラメータに基づいて、前記一部のプログラムを前記第2のメモリへローディングさせることを特徴とする付記4記載の無線通信装置。
(付記6)
前記制御部は、前記特定されたコマンドと実際に投入されたコマンドとが同一でないとき、前記投入されたコマンドに対応する制御パラメータを設定することを特徴とする付記2記載の無線通信装置。
(付記7)
前記制御部は、プログラムを実行することで前記第1のメモリへのアクセスを制御するDMAC(Direct Memory Access Controller)の機能を実現し、当該DMACにより前記第1のメモリから前記一部のプログラムを読み出して前記第2のメモリへローディングを行うことを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記8)
更に、現在情報テーブルを記憶する第3のメモリと、
前記制御部は、プログラムを実行することで、前記無線通信装置と他の無線通信装置との間で呼を確立するためのTAF(Terminal Adaptation Function)の機能を実現し、当該TAFにより前記無線通信装置の通信状態に関する情報を取得し、取得した当該情報を前記現在情報テーブルに記憶することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記9)
前記無線通信装置の通信状態に関する情報は、前記他の無線通信装置との接続に関する情報、前記他の無線通信装置から受けるサービスに関する情報、前記無線通信装置の位置登録状態に関する情報を含むことを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記10)
前記無線通信装置の通信状態に関する情報は、前記無線通信装置が前記他の無線通信装置に対して圏内又は圏外かを示す情報、RRC(Radio Resource Control)モードに関する情報、PLMN(Public Land Mobile Network)の種別を示す情報、前記他の無線通信装置から受けるサービスの種別を示す情報、接続している前記他の無線通信装置のドメインを示す情報、前記無線通信装置の位置登録状態を示す情報を含むことを特徴とする付記9記載の無線通信装置。
(付記11)
更に、前記第2のメモリへローディングされた前記プログラムを実行するベースバンド部を備え、
前記第1の制御部は、プログラムを実行することでRRC(Radio Resource Control)レイヤに関する処理を行うRRCレイヤの機能を実現し、当該RRCレイヤから通知される前記コマンドを前記ベースバンド部へ出力することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記12)
前記コマンドは、前記第2の無線通信方式に関して無線通信を行うときに利用するチャネルをオープンさせるオープン要求コマンドであることを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記13)
前記無線通信装置は、移動可能な端末装置であることを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記14)
無線通信方式に応じた無線処理を規定するプログラムが所定の実行単位に区分されて格納された第1のメモリと、前記第1のメモリに格納されたプログラムのうち一部のプログラムがローディングされる第2のメモリと、前記第2のメモリにローディングされた前記一部のプログラムを実行して前記無線通信方式に応じた無線処理を行う通信部と、制御部とを備え、プログラムを実行して前記無線通信方式に応じた無線処理を行う無線通信装置における無線通信方式の切替制御方法であって、
前記制御部により、前記無線通信装置の通信状態に基づいて、無線通信方式の切替え後に投入されるコマンドを特定し、前記特定されたコマンドが投入される前に当該コマンドに対応するプログラムを前記第1のメモリから第2のメモリにローディングするように制御する制御処理を行う
ことを特徴とする無線通信方式の切替制御方法。