以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
以下に、本発明にかかる管理システムを含む部品実装システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、部品実装システムの概略構成を示す模式図である。なお、図1に示す部品実装システム1は、部品の実装処理を制御しつつ、実装して生産した基板の管理を行っている。つまり、部品実装システム1は、複数の機能のうち1つの機能として、本発明にかかる管理システムの機能を有する。
図1に示すように、部品実装システム1は、基板に電子部品を実装するシステムであり、基板供給装置4と、基板回収装置6と、基板搬送装置7と、電子部品実装装置10、10aと、生産管理装置100と、を有する。なお、基板搬送装置7は、基板供給装置4と電子部品実装装置10との間、電子部品実装装置10と電子部品実装装置10aとの間、電子部品実装装置10aと基板回収装置6との間に配置され、基板を一方の装置から他方の装置に搬送する。
基板供給装置4は、電子部品を搭載する前の基板を保管しており、生産時に保管している基板を供給する。電子部品実装装置10、10aは、基板に電子部品を実装する装置である。電子部品実装装置10、10aは、生産管理装置100から供給される生産プログラムに基づいて動作を実行する。電子部品実装装置10、10aの構成については、後述する。基板回収装置6は、電子部品実装装置10aから排出され、基板搬送装置7で搬送される基板を回収する装置である。
生産管理装置100は、基板供給装置4と電子部品実装装置10、10aと基板回収装置6と通信を行い、情報を送受信して各部の動作を管理し、部品実装システム1での基板への電子部品の実装処理を管理する。生産管理装置100は、基板への電子部品の実装動作を実行させる生産プログラムを電子部品実装装置10、10aに供給する。また、生産管理装置100は、部品実装システム1で生産した基板の各種情報、つまり生産履歴に関する。生産管理装置100の構成については後述する。
部品実装システム1は、以上のような構成であり、生産が開始されると、基板供給装置4が保管している基板を供給する。基板供給装置4から供給された基板は、基板搬送装置7で電子部品実装装置10に供給される。電子部品実装装置10は、搬送された基板に電子部品を実装し、実装が完了した基板を排出する。電子部品実装装置10から排出された基板は、基板搬送装置7で電子部品実装装置10aに搬送される。電子部品実装装置10aは、搬送された基板に電子部品を実装し、実装が完了した基板を排出する。なお、電子部品実装装置10、10aは、生産管理装置100から供給される生産プログラムに基づいて処理を実行する。電子部品実装装置10aから排出された基板は、基板搬送装置7で基板回収装置6に搬送される。基板回収装置6は、回収した基板を次の工程に搬送する。
なお、本実施形態の、部品実装システム1は、電子部品実装装置10、10aとの2つの電子部品実装装置を設けたが、電子部品実装装置は、少なくとも1つあればよくその数は限定されない。また、部品実装システム1は、各部の間で基板の受け渡しができればよく基板搬送装置7を設けない構成とすることもできる。また、部品実装システム1は、基板供給装置4と基板搬送装置7を設けない構成とすることもできる。また、部品実装システム1は、基板の搬送方向において電子部品実装装置10の上流に、電子部品の実装工程の前工程の処理を行う装置を設けてもよいし、基板の搬送方向において電子部品実装装置10aの下流に、電子部品の実装工程の後工程の処理を行う装置、例えばリフローを実行する装置を配置してもよい。
以下に、本発明にかかる電子部品実装装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図2は、電子部品実装装置の概略構成を示す模式図である。
図2に示す電子部品実装装置10は、基板8の上に電子部品を搭載する装置である。電子部品実装装置10は、第1ユニット11aと、第2ユニット11bと、基板搬送部60と、制御装置62と、通信部64と、表示部66と、操作部68と、記憶部69と、を有する。
基板8は、電子部品を搭載する部材であればよく、その構成は特に限定されない。本実施形態の基板8は、板状部材であり、表面に配線パターンが設けられている。基板8に設けられた配線パターンの表面には、リフローによって板状部材の配線パターンと電子部品とを接合する接合部材であるはんだが付着している。
第1ユニット11aは、基板に電子部品を実装する機構である。第2ユニット11bは、基板に電子部品を実装する機構である。ここで、第2ユニット11bは、基板の搬送方向において、第1ユニット11aの下流側になる。したがって、第2ユニット11bは、第1ユニット11aが電子部品を実装した基板に電子部品を実装する。第1ユニット11a及び第2ユニット11bの詳細な構成については後述する。
基板搬送部60は、基板8を搬送させる機構であり、第1ユニット11aと第2ユニット11bとの間に配置されている。基板搬送部60は、第1ユニット11aから排出された基板8を第2ユニット11bに搬送する。
制御装置62は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)であり、操作部68に入力された操作に基づいて、各部の動作を制御する。また、制御装置62は、通信部64を介して生産管理装置100に各種情報、例えば加工した情報、記憶部69に記憶されている情報を供給する。また、制御装置62は、生産管理装置100から供給される生産プログラムを管理、調整し、第1ユニット11a、第2ユニット11bの電子部品の実装動作を制御する。
通信部64は、生産管理装置100と情報の送受信を行う通信機器である。ここで、通信部64は、生産管理装置100と有線の通信回線で接続されている。
表示部66は、電子部品実装装置10の各部の動作状態、設定画面、記憶部69に記憶されている情報を表示させる表示装置である。表示部66は、制御装置62の制御に基づいて、画像を表示させる。
操作部68は、オペレータ(ユーザ)が操作を入力する入力装置であり、入力された操作を操作信号として制御装置62に送る。操作部68としては、コントローラ、操作パネル、スイッチ、レバー、キーボード、マウス等、種々の入力デバイスを用いることができる。また、表示部66と操作部68とは、両者を一体化させたタッチパネルとしてもよい。
記憶部69は、メモリ等の一次記憶装置(主記憶装置)や、ストレージ等の二次記憶装置(補助記憶装置)であり、RAM(Random Access Memory)若しくはROM(Read Only Memory)若しくは半導体記憶デバイス又はこれらを組み合わせたものである。記憶部69は、電子部品実装装置10の動作を制御するためのコンピュータプログラムや、各種情報を記憶している。なお、一次記憶装置は、記憶部69だけでなく、制御装置62にも備えられていてもよい。また記憶部69は、第1ユニット11a及び第2ユニット11bで保存する画像データのバックアップを記憶していてもよい。
第1ユニット11aは、基板搬送部12と、部品供給ユニット14f、14rと、ヘッド15f、15rと、XY移動機構16と、第1ユニット制御装置70aと、第1画像保存部72aと、を有する。XY移動機構16は、X軸駆動部22r、22fと、Y軸駆動部24と、を備える。第2ユニット11bは、基板搬送部12と、部品供給ユニット14f、14rと、ヘッド15f、15rと、XY移動機構16と、第2ユニット制御装置70bと、第2画像保存部72bと、を有する。XY移動機構16は、X軸駆動部22r、22fと、Y軸駆動部24と、を備える。なお、第1ユニット11aと第2ユニット11bとは、配置位置や、搭載する電子部品の種類は異なるが、基本的な構成は同じである。以下、代表して第1ユニット11aについて説明し、第2ユニット11bの説明は省略する。
ここで、本実施形態の第1ユニット11aは、図2に示すように、基板搬送部12と、部品供給ユニット14f、14rと、ヘッド15f、15rと、X軸駆動部22f、22rと、を備える。このように、電子部品実装装置10は、一部の構成を2つずつ備える。電子部品実装装置10は、部品供給ユニット14fと、ヘッド15fと、X軸駆動部22fと、が電子部品実装装置10のフロント側に配置される1つのレーン(モジュール)となる。本実施形態では、フロント側のレーン(モジュール)が第1レーン(第1モジュール)となり、第1部品供給ユニット14f、第1ヘッド15f、第1X軸駆動部22fとなる。電子部品実装装置10は、部品供給ユニット14rと、ヘッド15rと、X軸駆動部22rと、が電子部品実装装置10のリア側に配置される1つのレーン(モジュール)となる。本実施形態では、リア側のレーン(モジュール)が第2レーン(第2モジュール)となり、第2部品供給ユニット14r、第2ヘッド15r、第2X軸駆動部22rとなる。図2の第1ユニット11aでは、基板8が基板搬送部12で搬送されている。
また、以下では、2つの部品供給ユニット14f、14rを特に区別しない場合、部品供給ユニット14とし、2つのヘッド15f、15rを特に区別しない場合、ヘッド15とし、2つのX軸駆動部22f、22rを特に区別しない場合、X軸駆動部22とする。
基板搬送部12は、基板8を図中X軸方向に搬送する搬送機構である。基板搬送部12は、基板8を搬送している。基板搬送部12は、X軸方向に延在するレールと、基板8を支持し、基板8をレールに沿って移動させる搬送機構とを有する。基板搬送部12は、基板8の搭載対象面がヘッド15と対面する向きで、基板8を搬送機構によりレールに沿って移動させることで基板8をX軸方向に搬送する。基板搬送部12は、電子部品実装装置10に供給する機器から供給された基板8を、レール上の所定位置まで搬送する。ヘッド15は、前記所定位置で、電子部品を基板8の表面に搭載する。基板搬送部12は、前記所定位置まで搬送した基板8上に電子部品が搭載されたら、基板8を、次の工程を行う装置に搬送する。なお、基板搬送部12の搬送機構としては、種々の構成を用いることができる。例えば、基板8の搬送方向に沿って配置されたレールと前記レールに沿って回転するエンドレスベルトとを組合せ、前記エンドレスベルトに基板8を搭載した状態で搬送する、搬送機構を一体としたベルト方式の搬送機構を用いることができる。基板搬送部12は、搬送する基板8の大きさに応じて、Y方向の位置を調整する位置調整機構を備えていてもよい。
電子部品実装装置10は、フロント側に部品供給ユニット14fが配置され、リア側に部品供給ユニット14rが配置されている。フロント側の部品供給ユニット14fは、それぞれ基板8上に搭載する電子部品を多数保持し、フロント側のヘッド15fに供給可能、つまり、フロント側のヘッド15fで保持(吸着または把持)可能な状態で保持位置に供給する電子部品供給装置を備える。リア側の部品供給ユニット14rは、それぞれ基板8上に搭載する電子部品を多数保持し、リア側のヘッド15rに供給可能、つまり、リア側のヘッド15rで保持(吸着または把持)可能な状態で保持位置に供給する電子部品供給装置を備える。本実施形態の部品供給ユニット14f、14rは、同様の構成であり、複数の電子部品供給装置を備える。電子部品供給装置は、それぞれヘッド15f、15rが電子部品を保持する保持位置に電子部品を供給する。以下、部品供給ユニット14の構成として説明する。
部品供給ユニット14は、複数の電子部品供給装置(以下、単に「部品供給装置」ともいう。)と、を有する。複数の部品供給装置は、支持台(バンク)に保持される。また、支持台は、部品供給装置の他の装置(例えば、計測装置やカメラ等)を搭載することができる。
また、部品供給ユニット14は、複数の搭載型電子部品をテープ本体に固定した電子部品保持テープ(チップ部品テープ)を装着し、当該電子部品保持テープで保持した搭載型電子部品の保持位置(第1保持位置)でテープ本体から剥がし、当該保持位置にある搭載型電子部品をヘッドに備えた吸着ノズルまたは把持ノズルで保持可能とする電子部品供給装置28を備えている。
電子部品供給装置28は、テープに基板搭載するチップ型の電子部品を貼り付けて構成される電子部品保持テープを使用してヘッド15に電子部品を保持領域(吸着位置、把持位置、保持位置)に供給する。各部品供給装置28が保持位置に供給した電子部品は、ヘッド15により基板8に実装される。なお、電子部品保持テープは、テープに複数の格納室が形成されており、当該格納室に電子部品が格納されている。電子部品供給装置28は、電子部品保持テープを保持し、保持している電子部品保持テープを送り、格納室をヘッド15のノズルにより電子部品が吸着できる保持領域まで移動させるテープフィーダである。なお、格納室を保持領域に移動させることで、当該格納室に収容されている電子部品を所定位置に露出した状態とすることができ、当該電子部品をヘッド15のノズルにより吸着、把持することができる。複数の部品供給装置28は、それぞれ異なる品種の電子部品を供給しても、別々の電子部品を供給してもよい。
電子部品供給装置28は、テープフィーダに限定されず、チップ型電子部品を供給する種々のチップ部品フィーダとすることができる。チップ部品フィーダとしては、例えば、スティックフィーダ、バルクフィーダを用いることができる。なお、チップ型電子部品(搭載型電子部品)としては、SOP、QFP等が例示される。チップ型電子部品は、基板8の表面に置かれることで、基板8に実装される。
部品供給ユニット14は、支持台に保持されている複数の部品供給装置28が、搭載する電子部品の種類、電子部品を保持する機構または供給機構が異なる複数種類の部品供給装置28で構成される。また、部品供給ユニット14は、同一種類の部品供給装置28を複数備えていてもよい。また、部品供給ユニット14は、装置本体に対して着脱可能な構成とすることが好ましい。部品供給ユニット14は、電子部品を供給する種々の電子部品供給装置を用いることができる。例えば、部品供給ユニット14は、電子部品供給装置28としてスティックフィーダやトレイフィーダを設置してもよい。また、部品供給ユニット14は、部品供給装置28としてボウルフィーダを設けてもよい。
また、本実施形態の部品供給ユニット14は、チップ型電子部品を供給する場合として説明したが、リード型電子部品を供給することもできる。例えば、部品供給ユニット14は、複数のラジアルリード型電子部品(ラジアルリード部品)をテープ本体に固定した電子部品保持テープ(ラジアル部品テープ)を装着し、当該電子部品保持テープで保持したラジアルリード型電子部品のリードを保持位置(第2保持位置)で切断し、当該保持位置にあるラジアルリード型電子部品をヘッドに備えた吸着ノズルまたは把持ノズルで保持可能とする電子部品供給装置を複数装着することもできる。ラジアルリード型電子部品を供給する電子部品供給装置は、保持領域まで移動させたラジアルリード型電子部品のリードを切断して分離することで、当該テープでリードが固定されたラジアルリード型電子部品を所定位置に保持可能な状態とすることができ、当該ラジアルリード型電子部品をヘッド15のノズルにより保持(吸着、把持)することができる。ラジアルリード型電子部品は、基板に形成された挿入穴にリードが挿入されて基板に実装される。
ヘッド15は、部品供給ユニット14に保持された電子部品(電子部品供給装置28に保持された搭載型電子部品)、をノズルで保持(吸着または把持)し、保持した電子部品を基板搬送部12によって所定位置に移動された基板8上に実装する機構である。本実施形態のヘッド15fは、部品供給ユニット14fに保持された電子部品をノズルで保持して、基板搬送部12で搬送される基板8に実装する。ヘッド15rは、部品供給ユニット14rに保持された電子部品をノズルで保持して、基板搬送部12で搬送される基板8に実装する。なお、ヘッド15の構成については、後述する。
XY移動機構16は、ヘッド15f、15rを図2中X軸方向及びY軸方向、つまり、基板8の表面と平行な面上で移動させる移動機構でありX軸駆動部22f、22rとY軸駆動部24とを有する。X軸駆動部22fは、ヘッド15fと連結しており、ヘッド15fをX軸方向に移動させる。X軸駆動部22rは、ヘッド15rと連結しており、ヘッド15rをX軸方向に移動させる。Y軸駆動部24は、X軸駆動部22を介してヘッド15と連結しており、X軸駆動部22fをY軸方向に移動させることで、ヘッド15fをY軸方向に移動させ、X軸駆動部22rをY軸方向に移動させることで、ヘッド15rをY軸方向に移動させる。XY移動機構16は、ヘッド15fをXY軸方向に移動させることで、ヘッド15fを基板8bと対面する位置、または、部品供給ユニット14fと対面する位置に移動させることができる。XY移動機構16は、ヘッド15rをXY軸方向に移動させることで、ヘッド15rを基板8eと対面する位置、または、部品供給ユニット14rと対面する位置に移動させることができる。また、XY移動機構16は、ヘッド15を移動させることで、ヘッド15と基板8との相対位置を調整する。これにより、ヘッド15が保持した電子部品を基板8の表面の任意の位置に移動させることができ、電子部品を基板8の表面の任意の位置に搭載することが可能となる。つまり、XY移動機構16は、ヘッド15f、15rを水平面(XY平面)上で移動させて、部品供給ユニット14f、14rの電子部品供給装置28にある電子部品を基板8の所定位置(搭載位置、実装位置)に移送する移送手段となる。なお、X軸駆動部22としては、ヘッド15を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。Y軸駆動部24としては、X軸駆動部22を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。対象物を所定の方向に移動させる機構としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオン、ボールねじを用いた搬送機構、ベルトを利用した搬送機構等を用いることができる。
第1ユニット制御装置70aは、電子部品実装装置10の各部を制御する。第1ユニット制御装置70aは、各種制御部の集合体である。操作部68は、作業者が操作を入力する入力デバイスであり、キーボード、マウスやタッチパネルなどを有する。操作部68は検出した各種入力を第1ユニット制御装置70aに送る。表示部66は、作業者に各種情報を表示する画面であり、タッチパネルやビジョンモニタなどを有する。表示部66は、第1ユニット制御装置70aから入力される画像信号に基づいて各種画像をタッチパネルやビジョンモニタに表示させる。
次に、図3及び図4を用いて、ヘッド15の構成について説明する。図3は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す模式図である。図4は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す模式図である。なお、図3には、電子部品実装装置10を制御する各種制御部と部品供給ユニット14の1つの部品供給装置28もあわせて示す。ヘッド15は、図3及び図4に示すように、ヘッド本体30と撮影装置(基板状態検出部)36と高さセンサ(基板状態検出部)37とレーザ認識装置(部品状態検出部、状態検出部)38とを有する。
電子部品実装装置10は、図3に示すように、制御部80と、ヘッド制御部82と、部品供給制御部84と、を有する。制御部80と、ヘッド制御部82と、部品供給制御部84とは、上述した第1ユニット制御装置70aの一部である。また、電子部品実装装置10は、電源と接続されており電源から供給される電力を制御部80、ヘッド制御部82、部品供給制御部84及び各種回路を用いて、各部に供給する。制御部80と、ヘッド制御部82と、部品供給制御部84とについては後述する。
電子部品供給装置28は、電子部品保持テープに電子部品44の本体が上方に露出している。電子部品供給装置28は、引き出し部46を有し、引き出し部46で電子部品保持テープを引き出し、移動させることで、電子部品保持テープに保持された電子部品44を保持領域(吸着領域、把持領域)48に移動させる。本実施形態では、部品供給装置28のY軸方向の先端近傍が、電子部品保持テープに保持された電子部品44をヘッド15のノズルが保持する保持領域48となる。また、電子部品供給装置28の場合も同様に、所定の位置が、ヘッド15のノズルが電子部品保持テープに保持された電子部品44を保持する保持領域となる。
ヘッド本体30は、各部を支持するヘッド支持体31と、複数のノズル32と、ノズル駆動部34と、を有する。本実施形態のヘッド本体30には、図4に示すように、6本のノズル32が一列に配置されている。6本のノズル32は、X軸に平行な方向に並んでいる。なお、図4に示すノズル32は、いずれも電子部品44を吸着して保持する吸着ノズルが配置されている。
ヘッド支持体31は、X軸駆動部22と連結している支持部材であり、ノズル32及びノズル駆動部34を支持する。なお、ヘッド支持体31は、撮影装置(基板状態検出部)36と高さセンサ(基板状態検出部)37とレーザ認識装置38とカメラユニット39も支持している。
ノズル32は、電子部品44を吸着し、保持する吸着機構である。ノズル32は、先端に開口33を有し、この開口33から空気を吸引することで、先端に電子部品44を吸着し、保持する。なお、ノズル32は、シャフト32aに支持されている。シャフト32aは、先端部でノズル32を支持する棒状の部材であり、Z軸方向に延在して配置されている。シャフト32aは、内部にノズル32の開口33とノズル駆動部34の吸引機構とを接続する空気管(配管)が配置されている。
ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動させ、ノズル32の開口33で電子部品44を吸着させる。ここで、Z軸は、XY平面に対して直交する軸である。なお、Z軸は、基板の表面に対して直交する方向となる。また、ノズル駆動部34は、電子部品44の実装時等にノズル32をθ方向に回転させる。θ方向とは、すなわち、ノズル駆動部34がノズル32を移動させる方向と平行な軸であるZ軸を中心とした円の円周方向と平行な方向である。なお、θ方向は、ノズル32の回動方向となる。
ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動させる機構として、例えば、Z軸方向が駆動方向となる直動リニアモータを有する機構がある。ノズル駆動部34は、直動リニアモータでノズル32のシャフト32aをZ軸方向に移動させることで、ノズル32の先端部の開口33をZ軸方向に移動させる。また、ノズル駆動部34は、ノズル32をθ方向に回転させる機構として、例えばモータとシャフト32aに連結された伝達要素とで構成された機構がある。ノズル駆動部34は、モータから出力された駆動力を伝達要素でシャフト32aに伝達し、シャフト32aをθ方向に回転させることで、ノズル32の先端部もθ方向に回転させる。
ノズル駆動部34は、ノズル32の開口33で電子部品44を吸着させる機構、つまり吸引機構としては、例えば、ノズル32の開口33と連結された空気管と、当該空気管と接続されたポンプと、空気管の管路の開閉を切り換える電磁弁と、を有する機構がある。ノズル駆動部34は、ポンプで空気管の空気を吸引し、電磁弁の開閉を切り換えることで開口33から空気を吸引するか否かを切り換える。ノズル駆動部34は、電磁弁を開き開口33から空気を吸引することで開口33に電子部品44を吸着(保持)させ、電磁弁を閉じ開口33から空気を吸引しないことで開口33に吸着していた電子部品44を開放する、つまり開口33で電子部品44を吸着しない状態(保持しない状態)とする。
また、本実施形態のヘッド15は、電子部品44の本体を保持するときに本体上面がノズル(吸着ノズル)32で吸着できない形状である場合には、後述する把持ノズルを用いる。把持ノズルは、吸着ノズルと同様に空気を吸引開放することで固定片に対して可動片が開閉することで電子部品44の本体を上方から把持開放することができる。また、ヘッド15は、ノズル駆動部34でノズル32を移動させ、交換動作を実行することで、ノズル駆動部34が駆動させるノズル32を換えることができる。
撮影装置36は、ヘッド本体30のヘッド支持体31に固定されており、ヘッド15と対面する領域、例えば、基板8や電子部品44が搭載された基板8等を撮影する。撮影装置36は、カメラと、照明装置と、を有し、照明装置で視野を照明しつつ、カメラで画像を取得する。これにより、ヘッド本体30に対面する位置の画像、例えば、基板8や、部品供給ユニット14の各種画像を撮影することができる。例えば、撮影装置36は、基板8の表面に形成された基準マークとしてのBOCマーク(以下単にBOCともいう)やスルーホール(挿入穴)の画像を撮影する。ここで、BOCマーク以外の基準マークを用いる場合、当該基準マークの画像を撮影する。
高さセンサ37は、ヘッド本体30のヘッド支持体31に固定されており、ヘッド15と対面する領域、例えば、基板8や電子部品44が搭載された基板8との距離を計測する。高さセンサ37としては、レーザ光を照射する発光素子と、対面する位置で反射して戻ってくるレーザ光を受光する受光素子とを有し、レーザ光を発光してから受光するまでの時間で対面する部分との距離を計測するレーザセンサを用いることができる。また、高さセンサ37は、測定時の自身の位置及び基板8の位置を用いて、対面する部分との距離を処理することで、対面する部分、具体的には電子部品44の高さを検出する。なお、電子部品44との距離の測定結果に基づいて電子部品44の高さを検出する処理は制御部80で行ってもよい。
レーザ認識装置38は、光源38aと、受光素子38bと、を有する。レーザ認識装置38は、ブラケット50に内蔵されている。ブラケット50は、図3に示すように、ヘッド支持体31の下側、基板8及び部品供給装置28側に連結されている。レーザ認識装置38は、ヘッド本体30のノズル32で吸着した電子部品44に対して、レーザ光を照射することで、電子部品44の状態を検出する装置である。ここで、電子部品44の状態とは、電子部品44の形状、ノズル32で電子部品44を正しい姿勢で吸着しているか等である。光源38aは、レーザ光を出力する発光素子である。受光素子38bは、Z軸方向における位置、つまり高さが同じ位置であり、光源38aに対向する位置に配置されている。
カメラユニット39は、電子部品44の状態、電子部品供給装置28の保持領域48の状態及び基板8の搭載領域の状態を検出するユニットである。ここで、電子部品44の状態とは、ノズル32で電子部品44を正しい姿勢で吸着しているか、ノズル32で吸着する対象の電子部品44が電子部品供給装置28の所定位置に配置されているか、ノズル32で吸着した電子部品44が基板8上の所定位置に搭載されたか等である。電子部品供給装置28の保持領域48の状態とは、ノズル32による保持前の保持領域48の電子部品の有無、またその電子部品の姿勢、保持後の保持領域48の電子部品44の有無等である。基板8の搭載領域の状態とは、搭載前の搭載の状態、搭載後の搭載領域の電子部品44の有無等またその電子部品44の姿勢である。カメラユニット39は、ノズル32で電子部品44を保持する保持領域48、ノズル32で吸着した電子部品44、ノズル32で吸着する対象の電子部品44、ノズル32で電子部品44を吸着した後の保持領域48、基板8の電子部品44を搭載する搭載領域(電子部品44を搭載する前)及び搭載領域に電子部品44を基板8に搭載した後の搭載領域等を撮影する。カメラユニット39は、電子部品実装装置10のテープの画像を取得し、テープとテープの境界を検出し、テープのロットの切り替わりを検出することもできる。カメラユニット39は、ブラケット50と複数のカメラモジュール51とを有する。ブラケット50は、図3に示すように、ヘッド支持体31の下側、基板8および電子部品供給装置28側に連結されている。ブラケット50は、複数のカメラモジュール51を支持する。また、複数のカメラモジュール51は、それぞれのブラケット50の内部に固定され、カメラ52、照明部およびバッフル等で構成される。また、カメラモジュール51は、1つのノズル32に対して1つ配置されている。つまり本実施形態では、6つのノズル32に対して、6つのカメラモジュール51が配置されている。カメラモジュール51は、対応するノズル32が吸着する電子部品44、電子部品供給装置28の保持領域48、基板8の搭載領域を撮影する。
カメラモジュール51は、カメラ52と照明部とバッフルとを有する。カメラ52は、ノズル32で吸着した電子部品44またはノズル32で吸着する対象の電子部品44を撮影する撮像部である。なお、カメラ52は、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)や、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等の受光素子を二次元配列し、各受光素子で受光信号を検出することで画像を取得する。照明部は、カメラ52の撮影領域に向けて光を照射する発光素子である。なお、発光素子としてはLED(Light Emitting Diode)や、半導体レーザを用いることができる。バッフルは、照明部から照射される光の一部を遮蔽し、照明部から照射された後、反射してカメラ52に入射する光の一部を遮蔽する板状の部材である。
ヘッド15は、以上のような構成である。なお、上記実施形態のヘッド15は、ノズル32に吸着ノズルを装着している場合として説明したが、ノズル32に電子部品を把持して保持する把持ノズルを用いることができる。ヘッド15は、ノズル32に把持ノズルを用いる場合も、ノズル32に供給する空気圧を調整することで、把持ノズルの駆動部を稼動させて、電子部品を把持している状態と開放している状態を切り換える。また、ヘッド15は、撮影装置(基板状態検出部)36と高さセンサ(基板状態検出部)37とレーザ認識装置38とを備えていることが好ましいが、必ずしも備えていなくてもよい。
次に、第1ユニット11aの装置構成の制御機能について説明する。第1ユニット11aは、図3に示すように、第1ユニット制御装置70aとして、制御部80と、ヘッド制御部82と、部品供給制御部84と、撮像制御部86と、を有する。各種制御部は、それぞれ、CPU、ROMやRAM等の演算処理機能と記憶機能とを備える部材で構成される。また、本実施形態では、説明の都合で複数の制御部としたが、1つの制御部としてもよい。また、電子部品実装装置10の制御機能を1つの制御部とした場合、1つの演算装置で実現しても複数の演算装置で実現してもよい。
制御部80は、第1ユニット11aの各部と接続されており、入力された操作信号や、電子部品実装装置10の各部で検出された情報に基づいて、記憶されているプログラムを実行し、各部の動作を制御する。制御部80は、例えば、基板8の搬送動作、XY移動機構16によるヘッド15の駆動動作、レーザ認識装置38による形状の検出動作等を制御する。また、制御部80は、上述したようにヘッド制御部82に各種指示を送り、ヘッド制御部82による制御動作も制御する。制御部80は、部品供給制御部84による制御動作も制御する。制御部80は、撮像制御部86による制御動作も制御する。
ヘッド制御部82は、ノズル駆動部34、ヘッド支持体31に配置された各種センサ及び制御部80に接続されており、ノズル駆動部34を制御し、ノズル32の動作を制御する。ヘッド制御部82は、制御部80から供給される操作指示及び各種センサ(例えば、距離センサ)の検出結果に基づいて、ノズル32の電子部品44の吸着(保持)/開放動作、各ノズル32の回動動作、Z軸方向の移動動作を制御する。
部品供給制御部84は、部品供給ユニット14f、14rによる電子部品44の供給動作を制御する。部品供給制御部84は、部品供給装置28毎に設けても、1つですべての部品供給装置28を制御してもよい。例えば、部品供給制御部84は、電子部品供給装置28によるトレイの交換動作、移動動作を制御する。また、部品供給制御部84は、部品供給装置28による電子部品保持テープの引き出し動作(移動動作)等を制御する。部品供給制御部84は、制御部80による指示に基づいて各種動作を実行する。部品供給制御部84は、電子部品保持テープの引き出し動作を制御することで、電子部品保持テープの移動を制御する。
撮像制御部86は、カメラ52の撮影動作を制御し、カメラ52で撮影した画像のデータを取得する。撮像制御部86は、制御部80から送られる指示に基づいて撮影条件を決定し、決定した撮影条件でカメラ52を制御し画像を取得する。なお、撮像制御部86は、制御部80を介して、撮影対象のノズル32を駆動するノズル駆動部34のZ軸方向の駆動機構のエンコーダ信号を取得し、Z軸方向におけるノズル32の位置の情報を取得することができる。撮像制御部86は、エンコーダ信号に基づいて取得したノズル32の位置が制御部80で決定された所定位置であることを検出したら、画像の撮影および取得を行う。撮像制御部86は、撮影した画像のデータを制御部80に送る。
第1画像保存部72aは、ROM等の記憶装置であり、撮像制御部86から制御部80に送られた画像データを保存する。つまり、カメラユニット39で撮影した実装動作時の電子部品、保持領域、搭載領域の画像を保存する。第1画像保存部72aに保存された画像データは、制御部80によって読み出されて、通信部64で通信され、生産管理装置100に送信されたり、記憶部69にも記憶されたりする。
次に、電子部品実装装置10の各部の動作について説明する。なお、下記で説明する各部の動作は、いずれも制御装置62、第1ユニット制御装置70a及び第2ユニット制御装置70bに基づいて各部の動作を制御することで実行することができる。
図5は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図5を用いて、電子部品実装装置10の全体の処理動作の概略を説明する。なお、図5に示す処理は、制御装置62、第1ユニット制御装置70a及び第2ユニット制御装置70bが各部を制御することで実行される。電子部品実装装置10は、ステップS52として、生産プログラムを読み込む。生産プログラムは、専用の生産プログラム作成装置で作成されたり、入力された各種データに基づいて、制御装置62、第1ユニット制御装置70aまたは第2ユニット制御装置70bによって作成されたりする。なお、生産プログラムは、第1ユニット11a、第2ユニット11bのそれぞれに対して作成されることが好ましい。
電子部品実装装置10は、ステップS52で生産プログラムを読み込んだら、ステップS54として、装置の状態を検出する。具体的には、第1ユニット11a及び第2ユニット11bのそれぞれの、部品供給ユニット14f、14rの構成、充填されている電子部品44の種類、準備されているノズル32の種類等を検出する。電子部品実装装置10は、ステップS54で装置の状態を検出し、準備が完了したら、ステップS56として、基板8を搬入する。電子部品実装装置10は、ステップS56で基板を搬入し、電子部品を実装する位置に基板8を配置したら、ステップS58として電子部品44を基板8に実装する。電子部品実装装置10は、第1ユニット11aで基板8に電子部品44を実装し、その後、第2ユニット11bで基板8に電子部品44を実装する。電子部品実装装置10は、ステップS58で電子部品の実装が完了したら、ステップS60として基板を搬出する。電子部品実装装置10は、ステップS60で基板を搬出したら、ステップS62として生産終了かを判定する。電子部品実装装置10は、ステップS62で生産終了ではない(No)と判定した場合、ステップS56に進み、ステップS56からステップS60の処理を実行する。つまり、生産プログラムに基づいて、基板に電子部品を実装する処理を実行する。電子部品実装装置10は、ステップS62で生産終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
電子部品実装装置10は、以上のようにして、生産プログラムを読み込み、各種設定を行った後、基板に電子部品を実装することで、電子部品が実装された基板を製造することができる。
図6は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図7Aから図7Dは、それぞれカメラユニットで撮影した画像の一例を示す説明図である。なお、図6に示す処理動作は、基板を搬入してから、基板への電子部品の搭載が完了するまでの動作である。図6に示す処理は、第1ユニット11a、第2ユニット11bでそれぞれ独立して実行される。また、図6に示す処理動作は、制御部80が各部の動作を制御することで実行される。
制御部80は、ステップS102として、基板8を搬入する。具体的には、制御部80は、電子部品を搭載する対象の基板を基板搬送部12で所定位置まで搬送する。制御部80は、ステップS102で基板を搬入したら、ステップS104として保持移動を行う。ここで、保持移動(吸着移動)とは、ノズル32が部品供給ユニット14の保持領域にある電子部品44と対面する位置までヘッド本体30を移動させる処理動作である。
制御部80は、ステップS104で保持移動を行ったら、ステップS105として、カメラユニット39で画像を取得する。具体的には、電子部品の吸着前の電子部品供給装置28の保持領域48の画像を取得する。制御部80は、ステップS105でカメラユニット39により撮影を行うことで、例えば、図7Aに示す画像301を取得する。画像301は、保持領域48に配置された吸着前の電子部品44とノズル32が含まれている。制御部80はステップS105で画像を取得したら、ステップS106として、ノズル32を下降させる。つまり、制御部80は、電子部品44を保持(吸着、把持)できる位置までノズル32を下方向に移動させる。制御部80は、ステップS106でノズル32を下降させたら、ステップS108として、ノズル32で部品を保持し、ステップS110として、ノズル32を上昇させる。また、制御部80は、ノズル32を上昇させた後、カメラユニット39で画像を取得してもよい。これにより、電子部品の吸着後の電子部品供給装置28の保持領域48の画像を取得することができる。具体的には、制御部80は、ステップS108でカメラユニット39により撮影を行うことで、例えば、図7Bに示す画像302を取得する。画像302は、電子部品44がノズル32によって吸着されている。制御部80は、ステップS110でノズルを所定位置まで上昇させたら、具体的には電子部品44をレーザ認識装置38の計測位置まで移動させたら、ステップS112として、ノズル32で吸着している電子部品44の形状を検出する。制御部80は、ステップS112で電子部品の形状を検出したら、ステップS114としてノズル32を上昇させる。なお、制御部80は、上述したようにステップS112で電子部品の形状を検出し、保持した電子部品が搭載不可であると判定した場合、電子部品を廃棄し、再び電子部品を吸着する。制御部80は、ノズルを所定位置まで上昇させたら、ステップS116として、搭載移動、つまりノズル32で吸着している電子部品を基板8の搭載位置(実装位置)に対向する位置まで移動させる処理動作を行い、ステップS117として、カメラユニット39で画像を取得する。具体的には、電子部品の搭載前の基板の搭載領域の画像を取得する。具体的には、制御部80は、ステップS117でカメラユニット39により撮影を行うことで、例えば、図7Cに示す画像303を取得する。画像303は、対象の搭載領域に電子部品が搭載される前の基板が含まれている。制御部80はステップS117で画像を取得したら、ステップS118として、ノズル32を下降させ、ステップS120として部品搭載(部品実装)、つまりノズル32から電子部品44を開放する処理動作を行い、ステップS122として、ノズル32を上昇させる。つまり、制御部80は、ステップS112からステップS120の処理動作として、上述した実装処理を実行する。
制御部80は、ステップS122でノズル32を上昇させた場合、ステップS123として、カメラユニット39で画像を取得する。具体的には、電子部品の搭載後の基板の搭載領域の画像を取得する。具体的には、制御部80は、ステップS123でカメラユニット39により撮影を行うことで、例えば、図7Dに示す画像304を取得する。画像304は、基板の対象の搭載領域に電子部品が搭載されている。制御部80はステップS123で画像を取得したら、ステップS124として全部品の搭載が完了したか、つまり基板8に搭載する予定の電子部品の実装処理が完了したかを判定する。制御部80は、ステップS124で全部品の搭載が完了していない(No)、つまり搭載する予定の電子部品が残っていると判定した場合、ステップS104に進み、次の電子部品を基板8に搭載する処理動作を実行する。このように制御部80は、基板8に全部品の搭載が完了するまで、上記処理動作を繰り返す。制御部80は、ステップS124で全部品の搭載が完了した(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
電子部品実装装置10は、図6に示す処理動作を実行することで、基板に電子部品を搭載することができ、電子部品が実装された基板を生産することができる。
次に、図8を用いて生産管理装置100について説明する。図8は、生産管理装置及び電子部品実装装置の概略構成を示すブロック図である。図8に示す生産管理装置100は、いわゆるパーソナルコンピュータ等のオペレータが各種情報処理を実行する演算処理装置であり、表示部122と、操作部124と、通信部126と、制御部128と、記憶部130と、を有する。ここで、生産管理装置100は、上述した電子部品実装装置10、10aと通信部126を介して通信することができる。図8には、電子部品実装装置10、10aの制御機能のブロックのうち主な構成のみを記載した。電子部品実装装置10aは、電子部品実装装置10の第1画像保存部72a、第2画像保存部72bに対応する第3画像保存部72c、第4画像保存部72dを有する。
表示部122は、部品実装システム1の各部の動作状態、設定画面、記憶部130に記憶されている情報を表示させる表示装置である。表示部122は、制御部128の制御に基づいて、画像を表示させる。
操作部124は、オペレータ(ユーザ)が操作を入力する入力装置であり、入力された操作を操作信号として制御部128に送る。操作部124としては、コントローラ、操作パネル、スイッチ、レバー、キーボード、マウス等、種々の入力デバイスを用いることができる。また、表示部122と操作部124とは、両者を一体化させたタッチパネルとしてもよい。
通信部126は、基板供給装置4と電子部品実装装置10、10aと基板回収装置6と情報の送受信を行う通信機器である。ここで、通信部126は、基板供給装置4と電子部品実装装置10、10aと基板回収装置6と有線の通信回線で接続されている。
制御部128は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)であり、操作部124に入力された操作に基づいて、各部の動作を制御する。また、制御部128は、通信部126を介して基板供給装置4と電子部品実装装置10、10aと基板回収装置6とに各種情報、例えば加工した情報、記憶部130に記憶されている情報を供給する。また、制御部128は、電子部品実装装置10、10aに供給する生産プログラムを管理、調整し、電子部品実装装置10、10aでの電子部品の実装動作を制御する機能として、プログラム管理部128aと、生産履歴管理部128bと、画像管理部128cと、表示画像生成部128dと、を有する。
プログラム管理部128aは、入力された操作や条件に基づいて、電子部品実装装置10、10aにどの生産プログラムを送信するか、どの生産プログラムに関する情報を送信するかを管理する。また、プログラム管理部128aは、入力された操作や条件に基づいて、後述する生産プログラムデータベース130aに記憶されている生産プログラムも管理する。
生産履歴管理部128bは、電子部品実装装置10、10aで実行された実装動作の履歴の情報である。生産履歴としては、電子部品実装装置10、10aで検出できる各種情報を管理の対象とすることができる。生産履歴管理部128bは、例えば、生産基板ID、1次元/2次元コード、生産枚数、部品ID、実装動作に使用したノズル、ヘッド、搭載座標、吸着座標、テープフィーダか否か等である。生産履歴管理部128bは、これらのデータを生産履歴データベース130dで各種対応付けを行い記憶させることで管理する。また、生産履歴管理部128bは、生産履歴に撮影した画像データとの対応付けを記憶し管理してもよい。
また、生産履歴としては、電子部品の実際の寸法(部品横方向、部品縦方向、部品高さ)、電子部品実装に最適なノズルのノズル番号、電子部品の実際のリード寸法(リードピッチ、リード長、リード本数/欠落情報)、実際の電子部品の吸着時の吸着バキューム圧、電子部品の検出時のレーザセンタリング(レーザ高さ、チップ立ち判定値)、ビジョンセンタリング値、照明設定、コプラナリティ検査に必要な各種パラメータ、実際の部品吸着座標(X座標、Y座標、Z座標)、電子部品毎の吸着、実装動作時のヘッド速度設定(XY動作速度、θ回転速度、吸着時のZ方向上昇速度、搭載時のZ方向下降速度)等の情報を含めることもできる。
画像管理部128cは、カメラユニット39で撮影した画像を管理する。画像管理部128cは、生産履歴管理部128bで管理している各種情報と、第1画像保存部72a、第2画像保存部72b、第3画像保存部72c及び第4画像保存部72dに保存している画像とを対応付けて管理している。
表示画像生成部128dは、生産履歴に基づいて、製造した基板に対応する画像を作成する。表示画像生成部128dは、さらに作成した画像に画像管理部128cで管理している実装動作時の画像を対応付け、操作に基づいて表示させる。図9A及び図9Bは、それぞれ表示部に表示する画像の一例を示す説明図である。表示画像生成部128dは、表示部に表示させる画像として、例えば、図9Aに示す画像305や、図9Bに示す画像306を作成し、作成した画像を表示部122に表示させる。
記憶部130は、メモリ等の一次記憶装置(主記憶装置)や、ストレージ等の二次記憶装置(補助記憶装置)であり、RAM(Random Access Memory)若しくはROM(Read Only Memory)若しくは半導体記憶デバイス又はこれらを組み合わせたものである。記憶部30は、生産管理装置100の動作を制御するためのコンピュータプログラムや、各種情報を記憶している。なお、一次記憶装置は、記憶部130だけでなく、制御部128にも備えられていてもよい。記憶部130は、生産プログラムデータベース130aと、部品データベース130bと、装置データベース130cと、生産履歴データベース130dと、画像データベース130eと、を有する。
生産プログラムデータベース130aは、複数の生産プログラムをデータベースとして記憶している。部品データベース130は、基板に搭載する複数の電子部品に対する各種情報(大きさ、形状、重さ、使用用途、電子部品実装装置10、10aでの保管状態等)がデータベースとして記憶されている。装置データベース130cは、電子部品実装装置10、10aに関する各種情報(個体識別番号、機能、能力等)がデータベースとして記憶されている。生産プログラムデータベース130aと、部品データベース130bと、装置データベース130cと、は、本実施形態では使用しない、生産プログラム、部品、装置の情報を記憶していてもよい。これにより、使用時の条件や制御対象が変化しても円滑に対応することができる。
生産履歴データベース130dは、上述した生産履歴管理部128bで管理する情報がデータベースとして記憶される。画像データベース130eは、画像管理部128cで抽出した生産履歴と生産に対応する実装動作時の撮影画像との対応付けをデータベースで記憶する。なお、画像データベース130eは、各画像のアドレスを備えていればよいが、画像のデータを記憶していてもよい。生産管理装置100は、以上のような構成である。
以下、図10A、図10B及び図11を用いて、生産管理装置100の機能について説明する。ここで、図10Aは、基板と搭載した電子部品との関係の一例を示す説明図である。図10Bは、基板と搭載した電子部品との関係の一例を示す説明図である。図11は、表示部に表示させる画面の一例を示す説明図である。
生産管理装置100は、1つのユニットで基板に実装した電子部品の情報に基づいて画像を生成すると、つまり、1つのユニットの生産履歴に基づいて生産された基板に対応する画像を生成すると、図10A及び図10Bに示す画像となる。図10Aは、基板160aに電子部品162aが搭載された情報が表示される。図10Bは、基板160bに電子部品162bが搭載された情報が表示される。
これに対して、生産管理装置100は、生産履歴管理部128bで各ユニットでの実装動作と当該実装動作を行った基板との対応関係を記憶しておくことで、同じ基板に実装した複数のユニットの生産履歴を統合することができる。図11は、生産履歴を統合した基板と電子部品の画像を表示させた表示部の画面の一例を示している。画面180は、基板160cに電子部品162aと電子部品162bが搭載された情報が表示される。つまり、生産管理装置100は、別のユニットで同じ基板に実装した電子部品の情報である図10Aに示す基板160aと図10Bに示す基板160bとを統合した基板160cを表示させることができる。基板160cは、基板上での搭載点に印となるイメージ画像を表示させる。ここで、生産管理装置100は、生産履歴の情報に基づいて、搭載点の状態を判定し、搭載点に印となるイメージ画像の表示を切り換える。具体的には、印を色分けすることで、搭載点の状態を示す。例えば、基板上の搭載点で未搭載の搭載点や、プログラム編集の機能で「撮像しない」を選択した搭載点は灰色とする。プログラム編集の機能で「撮像のみ」を選択した搭載点、吸着動作中にエラーが発生した搭載点は、黄色とする。プログラム編集の機能で「部品有無」を選択した搭載点で、搭載が成功した搭載点を緑色とする。プログラム編集の機能で「部品有無」を選択した搭載点で、搭載が失敗した搭載点を、赤色とする。
また、図11に示す画面180は、基板160cの画像(CAD画像)に加え、各種操作を入力する項目や、基板の情報を表示させる項目が表示されている。画面180は、表示欄182、184、186、188に各種情報が表示されている。表示欄182は、機器の通信状態を表示している。具体的には生産管理装置と電子部品実装装置との通信が正常に稼動しているかを示している。表示欄182は、正常時とエラー時とで表示を切り換えることで、オペレータに通信状態を報知することができる。
表示欄184は、設定概要として、生産履歴に基づいて算出した生産結果のグラフや生産管理装置100のステータスを表示している。具体的には、現在の生産は、現在の生産における部品毎の搭載結果を表示している。ここで、「合格」は、例えば搭載成功した部品の点数、「検査無し」は、搭載結果を確認していない部品の点数、「NG」は、搭載失敗した部品の点数を表す。生産済基板は、これまでに生産した基板毎の搭載結果を示している。「合格」は、搭載全点で成功した基板の枚数、「NG」は、搭載失敗が発生した基板の枚数である。なお、搭載点中に「検査無し」の部品がある場合もNGの部品がなければ、「合格」に加算される。搭載済部品は、これまでの部品毎の搭載結果を示している。ディスク容量は、プレースメントモニタ用コンピュータ(の画像保存部)のハードディスクの使用量、空き容量を示している。表示欄184は、現在生産中のプログラムの情報として、ファイル名、生産プログラム名、機種名、使用しているマウンタの機種を表示する。さらに、生産枚数として、現在の何枚目の生産かを示し、前回の生産のディスク使用量、前回の生産に要したディスク使用量、前回の生産の生産時間(前回の生産に要した時間)、データベースファイルのサイズ(現在使用しているデータベースファイルのサイズ)も示す。
また、表示欄185は、画像160cの表示領域に対する操作の項目、例えば、生産画面切り替え(現在の生産結果、これまでの生産結果、CAD画面のいずれかに切り換える項目)が表示されている。また、表示欄185は、CAD画面の拡大、縮小を指定する拡大ボタン、縮小ボタンが表示されている。表示欄185は、基板の表示位置を移動させる操作のボタンも表示されている。
表示欄186は、ノズル情報186aを表示している。表示欄186は、最大で16本のノズル情報186aを表示することができる。表示欄186は、生産中に使用したノズルのATC番号が色分けされて表示される。プログラム編集の機能で「部品有無」を選択した搭載点で使用したノズルのATCは、灰色で表示される。プログラム編集の機能で「撮像のみ」を選択したか、または吸着動作中にエラーが発生した部品で使用したノズルのATCは黄色で表示される。プログラム編集の機能で「部品有無」を選択した搭載点で、搭載が失敗したノズルのATCは、赤色で表示される。
表示欄188は、フィーダ情報188aを表示している。表示欄188は、最大23本のフィーダを表示することができる。表示欄188は、生産中に使用したフィーダが色分けされて表示される。プログラム編集の機能で「部品有無」を選択した搭載点の部品供給に使用したフィーダは、灰色で表示する。プログラム編集の機能で「撮像のみ」を選択した搭載点か、または吸着動作中にエラーが発生した部品の部品供給に使用したフィーダを黄色で表示する。プログラム編集の機能で「部品有無」を選択した搭載点で、搭載が失敗した部品供給に使用したフィーダを赤色で表示する。
ここで、部品実装システム1は、電子部品実装装置10、10a及び生産管理装置100のそれぞれの表示部に基板の画像(CAD画像)を表示させることができる。例えば、部品実装システム1は、電子部品実装装置10で基板160aに示す電子部品を実装し、電子部品実装装置10aで基板160bに示す電子部品を実装した場合、電子部品実装装置10の表示部66に基板160aの画像を表示させ、電子部品実装装置10aの表示部66に基板160bの画像を表示させ、生産管理装置100の表示部122に基板160cの画像を表示させることもできる。つまり、電子部品実装装置10、10aは、搭載して電子部品の情報等を用いてまたは生産管理装置100からデータを受信することで、自機の表示部66に自機で搭載した電子部品を示す基板160a、160bの画像を表示させることができる。また、電子部品実装装置10、10aは、自機で搭載した電子部品の情報、つまり、生産履歴を管理するようにしてもよい。また、生産管理装置100は、表示部122に基板160cの画像を表示させ、同時に電子部品実装装置10、10aの表示部66に自機で搭載した電子部品を示す基板160a、160bの画像を表示させるようにしてもよい。さらに、部品実装システム1は、電子部品実装装置10、10aが自機の生産履歴と画像保存部にて管理している実装動作時の画像とを対応付け、操作に基づいて表示させてもよい。
次に、図12を用いて、生産管理装置が電子部品を実装している間の処理の一例を説明する。図12は、生産管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。生産管理装置100は、ステップS202として実装情報(生産履歴の情報)を取得し、ステップS204として実装情報に基づいて、実装情報に対応する基板を特定する。生産管理装置100は、ステップS204で基板を特定したら、ステップS206として、特定した基板に対する他の実装情報があるかを判定する。つまり、特定した基板にステップS202とは異なる実装情報、別のユニットで電子部品を実装した情報があるかを判定する。
生産管理装置100は、ステップS206で他の実装情報あり(ステップS206でYes)と判定した場合、ステップS208として、実装情報を対応付け、ステップ210に進む。つまり同じ基板に電子部品を実装した実装情報同士を対応付ける。生産管理装置100は、ステップS206で他の実装情報なし(ステップS206でNo)と判定した場合、ステップS210に進む。生産管理装置100は、ステップS210として、実装情報を生産履歴として生産履歴データベース130dに記憶させ、本処理を終了する。
生産管理装置100は、以上のようにして、取得した実装情報の対応付けを管理しつつ、記憶部130に記憶させる。なお、実装情報は、実装動作時の画像データも対応付けて記憶される。
次に、図13及び図14を用いて、生産管理装置が生産履歴の読み出し処理を検出した場合の一例を説明する。図13は、生産管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。生産管理装置100は、ステップS220として、読み出す対象の基板を特定し、ステップS222として生産履歴として、特定した基板の実装情報を抽出する。生産管理装置100は、ステップS222で実装情報を抽出したら、ステップS224として、複数の実装情報があるか、つまり特定した基板が複数のユニットで電子部品が実装され、互いに対応付けられた実装情報があるかを判定する。
生産管理装置100は、ステップS224で複数の実装情報なし(ステップS224でNo)と判定した場合、ステップS226として、実装情報に対応した基板の画像を作成し、ステップS232に進む。生産管理装置100は、ステップS224で複数の実装情報あり(ステップS224でYes)と判定した場合、ステップS228として、実装情報の統合処理を行い、ステップS230として、実装情報を統合した基板の画像を作成し、ステップS232に進む。生産管理装置100は、ステップS232として実装情報と作成された基板の画像とを表示部に出力し、本処理を終了する。これにより、上述した図10A、図10B及び図11に示すように基板の上に搭載した電子部品を示す印が積層された画像を表示部に表示させることができる。
次に、図14の基板の画像を表示させている間の処理について説明する。図14は、生産管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。生産管理装置100は、ステップS250として基板の画像を表示し、ステップS252として搭載部品の特定を検出する。つまり、基板の画像に表示させた任意の電子部品の印が指定されたことを検出する。生産管理装置100は、ステップS252で特定を検出したら、ステップS254として搭載処理時の画像があるかを判定する。
生産管理装置100は、ステップS254で画像なし(ステップS254でNo)と判定した場合、本処理を終了する。なお、当該電子部品の搭載時の履歴データを表示させるようにしてもよい。生産管理装置100は、ステップS254で画像あり(ステップS254でYes)と判定した場合、ステップS256として、当該画像を保存している画像保存部から画像を読み出し、ステップS258として読み出した画像を表示させ、本処理を終了する。表示させる画像としては、上述した図9Aの画像305や、図9Bの画像306がある。
生産管理装置100は、図14に示すように、生産履歴に基づいて実装動作時に撮影した画像を特定し、当該画像を表示させることで、実装動作時の状態を画像で簡単に認識することができる。
ここで、生産管理装置100は、電子部品の実装動作時の画像として、電子部品の吸着前の保持領域、電子部品の吸着後の保持領域、電子部品の搭載前の搭載領域及び電子部品の搭載後の搭載領域の画像を全て表示可能とすることが好ましい。これにより、実装動作時の状態をより正確に把握することができる。なお、生産管理装置100は、画像が少なくなるほど、状態の把握がしにくくなるが、電子部品の実装動作時の画像として、電子部品の吸着前の保持領域、電子部品の吸着後の保持領域、電子部品の搭載前の搭載領域及び電子部品の搭載後の搭載領域の画像の少なくとも1つを表示できるようにすればよい。
以上より、部品実装システム(管理システム)は、生産履歴を管理し、対応付けることで複数のユニットで1枚の基板に実装した複数の電子部品の履歴データを1枚の基板の画像上に表示させることができる。また、上記画像情報を紐付けて保存することで、生産順序が順不同であった場合でも、該当データを引き出すことにより、正確に画像を合成することが可能である。これにより、実際の基板に近い状態で履歴の情報を表示できるため、電子部品の実装時の不良が発生した場合、不良の発生原因が発見しやすくなる。
また、部品実装システム(管理システム)は、カメラユニットで実装動作時の各部の画像を撮影して生産履歴に対応付けて保存することで、実装動作時の写真を確認して、不良の発生原因を調査することができる。これにより、不良の発生原因が発見しやすくなる。また、実装時の状態をより好適に把握することができ、生産履歴をより有効に活用することができる。なお表示させる画像は任意に選択することができる。
部品実装システム(管理システム)は、対応する全ての生産履歴の情報を1つの画像に統合しなくてもよく、利用者が任意に設定できるようにすればよい。例えば、画像の合成は1台の表面実装装置で搭載された電子部品分の画像を合成(統合)してもよいし、生産する1ライン分の画像を合成してもよい。
部品実装システム(管理システム)は、生産履歴の情報を画像情報の特定の情報や、画像で検索できるようにしてもよい。これにより、同様のエラーが多発している箇所を特定した検索結果を表示することができ、より簡単にエラーの原因を特定できるようになる。
また、生産途中の基板の場合、合成画像及び画像情報から未搭載点、未搭載部品または双方を割り出し、色分けしユーザへ通知することにより、容易に搭載部分及び未搭載部分を確認できる。また、予め部品搭載点数、部品残数を登録することにより、生産前と生産後の点数を割り出し、容易にその数を確認することを可能することにより、部品交換時期を把握できる。
また、画像保存部を複数に分離することで、各ユニットで画像を管理することができ、部品が搭載されていないエラーが発生し、マウンタが停止した際に直ちに、画像を確認し、原因の追求を行うことができる。同様に、当該ユニット単体で問題が生じていることが明らかな場合は、対応するデータのみを迅速に抽出することができる。これにより、部品の落下や部品立ちについても、一時停止した際に、何故エラーが発生したのかを画像からその場で特定し、オペレータが現在の生産において、部品の吸着位置の確認や、再度部品測定を行うなどの対処が可能となる。また、各ユニットに画像を対応付けておくことで、問題の発生との対応関係を把握しやすくすることができる。
上記実施形態の電子部品実装装置10は、2つのヘッド15f、15rでそれぞれの基板搬送部12の基板に電子部品を実装する場合としたが、これに限定されない。本実施形態の電子部品実装装置10は、使用用途によっては、1つの基板に対して、2つのヘッド15f、15rで交互に電子部品を搭載することができる。このように、2つのヘッド15で交互に電子部品を搭載してもよい。この場合、一方のヘッドが電子部品を基板に搭載している間に、他方のヘッドは、部品供給装置にある電子部品を吸着することができる。これにより、基板8に電子部品が搭載されない時間をより短くすることができ、効率よく電子部品を搭載することができる。